JPH11241505A - モルタル吹付工法および吹付ノズル装置 - Google Patents

モルタル吹付工法および吹付ノズル装置

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JPH11241505A
JPH11241505A JP5594898A JP5594898A JPH11241505A JP H11241505 A JPH11241505 A JP H11241505A JP 5594898 A JP5594898 A JP 5594898A JP 5594898 A JP5594898 A JP 5594898A JP H11241505 A JPH11241505 A JP H11241505A
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cement
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JP5594898A
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Ikutami Yamashiro
育▲民▼ 山代
Koji Utsu
晃次 宇津
Mitsuaki Nagasawa
光顕 長沢
Yoshikane Sakamoto
好謙 坂本
Riyouji Kawabata
僚二 川端
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J FEC KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下向きに開口した深さ数十cmの凹所に対して
も、「す」の発生、強度低下、鋼材に対する防蝕性の低
下等を伴うことなく、1回の吹付作業でモルタルの吹付
充填を完結できるモルタル吹付工法を提供すること。 【解決手段】 モルタルの水・セメント比、セメント混
和用ポリマーエマルジョン、急結剤の混入量、モルタル
比重、ならびに吹付加圧空気量等を所定数値内とするこ
とにより、高特性のモルタルを練り上げ、加圧空気によ
ってモルタルを霧状に吹き付け、このモルタルの飛翔流
の外周域から、加圧空気によって急結剤を霧状に噴出さ
せ、霧状に噴出されているモルタルに混入させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モルタルを吹き付
けによって充填または、塗着する工法と吹付ノズル装置
との改良に関するものであり、特にシールド工法で建設
されるトンネルのコンクリート製セグメントにおける結
合用ボルトのボルトボックスのモルタル充填等に有効に
施工されるモルタル吹付工法と、使用される吹付ノズル
装置との関するものである。
【0002】
【従来の技術】モルタルを施工部位に充填または塗着す
る工法としては、型枠を用いモルタルをポンプ充填する
注入工法と、型枠を用いない吹付工法とがある。注入工
法は型枠を用いて施工し、使用するセメント系材料とし
ては、無収縮モルタル、軽量モルタル等が採用され、合
成樹脂系材料としては発泡ウレタンが採用されるケース
が多い。
【0003】前記作業の注入工法においては、型枠製作
費とその取り付け、シール工に多大のコストを要し、前
記トンネルにおけるコンクリートセグメントの総合用ボ
ルトのボルトボックスのごとく、モルタル充填部位が著
しく多数のケースでは、型枠とその取付工程のコストが
高くなり、時間がかかる問題が存する。
【0004】また、セメント系材料を用いる場合には、
ポンプによる圧入の場合は型枠に対する重量負荷軽減の
ため、あるいは吹付工法による充填工法の場合は、一層
の吹付厚さをより大きくする目的で、いずれの場合も、
ガラス球あるいは無機人工骨材球、合成樹脂等の軽量骨
材を多量に混入したり、空気を混入する軽量モルタルを
使用するケースが多いが、軽量モルタルは一般的に透水
係数が大きく、建造物の鋼材に対する水、酸素等の遮断
性が低いという問題がある。一方、合成樹脂系材料であ
る発泡ウレタン等は勿論、水、酸素等の遮断性が良い
が、充填性に問題がある。
【0005】セメント系材料は自体がアルカリ性を有
し、鋼材に対する防蝕性に優れているので、繊維補強無
収縮モルタルを使用した吹付充填工法があるが、該モル
タルの比重が2.0以上であるため、前記立面や下向き面
への施工では、急結剤の添加量を多くして落下を防止す
る必要があるが、施工面からの跳ね返りモルタルが吹付
空気に巻き込まれて、再度施工面に吹き付けられ、
「す」が入った状態となり、防蝕の目的が達成できなく
なる問題を有している。
【0006】前記急結剤の添加量の多い無収縮モルタル
では硬化時間が短いため、吹付完了直後の表面のコテに
よる左官仕上げが不可能となる問題もある。
【0007】さらに、下向き面への施工では型枠で密封
した施工空間へモルタルをポンプ充填することとなるた
め、該空間内の空気抜きが困難で、不十分となるのみで
なく、充填過程でのモルタルの充填状態が観察できず、
しかも型枠を埋め殺しにするか、あるいは、型枠を外し
て別個に左官仕上げする必要がある等の問題も有してい
る。また型枠を埋め殺しにした場合は内部の充填材のひ
び割れ他の損傷が観察できないなどの問題がある。
【0008】他方、鋼材の腐食を防止するため従来はコ
ンクリートセグメントの内側に、セグメントの組み立て
完了後にトンネル内面に280mmないし350mmの厚みでコン
クリートによる二次覆工を行っている。
【0009】近時、財政の立て直し策の一環として、公
共投資の工費節減のため、前記二次覆工を省略する方針
を建設省が打ち出しているため、型枠を使用する必要が
無く、しかも水、酸素の遮断性に優れ、かつ立面、下向
き面等に対する施工性の優れた工法の必要性が大となっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来の工法の有
する問題点に鑑み、本発明は軽量骨材、急結剤を使用し
水・セメント比を30〜50%という低い水・セメント
比としているにも拘らず、ポンプによるモルタルの圧送
をパイプ詰まりを生ずることなく行うことができ、しか
も2時間程度は放置しておいてもパイプ内での硬化を生
ぜず、下向き面に対し型枠を用いることなく上向きに加
圧空気でモルタル吹付を行っても、目視しながら吹き付
けを行うことによってモルタルの垂れ、「す」の形成等
を伴うことなく、吹き付けができ、吹き付け完了後には
コテによる左官仕上げを行うことが可能であり、水・酸
素に対する遮断性が完全なモルタルの吹付工法と、この
工法に使用する吹付ノズル装置を提供することを課題と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、請求項1の発明では、セメント、軽量骨材、減水剤
としての機能を併せ持つセメント混和用ポリマーエマル
ジョンおよび必要量の減水剤を使用して流動性を改善し
て、水・セメント比を、30〜50%としてモルタル
を、加圧空気によってモルタルノズルから霧状に噴出さ
せると同時に、モルタルの飛翔流の周囲から急結剤ノズ
ルにより加圧空気によって急結剤を霧状に噴出させて霧
状のモルタルに混合させ、施工面に吹き付けるという構
成のモルタル吹付工法とした。
【0012】請求項2の発明では、請求項1の発明の工
法に、セメント混和用ポリマーエマルジョンの混入量
を、その固形分のセメントに対する重量比を3〜10%
とするという構成を付加した。
【0013】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2のモルタル吹付工法に、比重0.8以下の軽量骨材を
混入し、練り上がりモルタル比重を1.2〜1.7とするとい
う構成を付加した。
【0014】請求項4の発明では、請求項1、請求項2
または請求項3のモルタル吹付工法にモルタル中のセメ
ントと急結剤との重量比を100:5〜15の範囲とす
るという構成を付加した。
【0015】請求項5の発明では、請求項1、請求項
2、請求項3または請求項4の発明に、吹付加圧空気と
吹付モルタル量との体積比率を100:2〜4とし、1
時間当たりのモルタル吹付量を1〜2.5m3とするという
構成を付加した。
【0016】請求項6の発明では、請求項1ないし請求
項5のいずれかの発明に使用するモルタル吹付用のノズ
ル装置を、モルタル圧送管の先端に、モルタル噴出管が
軸まわりに回転自在に組み付けられ、モルタル噴出管の
モルタル噴出ノズルよりもモルタル圧送管に寄った位置
に全周域にモルタルを霧状に分散させる、加圧空気供給
路が開設されており、モルタル噴出ノズルの全周を巡っ
て、加圧空気による急結剤の噴出ノズルが配設されてお
り、急結剤の噴出ノズルには、混合されたモルタルと急
結剤との直進案内パイプが結合されているという構成と
した。
【0017】
【発明の実施の形態】従来のモルタル吹付工法では、セ
メント、軽量骨材、セメント混和用ポリマーエマルジョ
ン等よりなるモルタルの水・セメント比を0.6以上とし
て流動性を確保し、施工面からの落下、流下を防止する
ため急結剤の添加量を大としていることにより、既述の
ごとく、跳ね返り硬化したモルタルの巻き込みによる
「す」の発生、防蝕の不完全等を伴っていたが、請求項
1の発明では、セメント、軽量骨材、セメント混和用ポ
リマーエマルジョン、必要量の減水剤を使用し、水・セ
メント比を30〜50%としたモルタルを、モルタルノ
ズルから霧状に噴出させると同時に、モルタルの飛翔流
の外周域から、急結剤を急結剤ノズルから霧状に噴出さ
せて霧状のモルタル中に混合させて施工面に吹き付ける
という工法を採用することにより、流動性が大きいこと
に起因する吹付モルタルの跳ね返り、硬化したモルタル
の巻き込み、「す」の発生を防止した。
【0018】水・セメント比を30〜50%としたこと
により、急結剤の使用量が少量で足りるため、乾燥収縮
量も小となり、施工部分の強度低下も無く、防蝕性も完
全となった。
【0019】モルタルの吹付工法において、モルタルの
流動性は、JIS R 5201-1992「5. セメントの物理試験方
法」におけるモルタルフロー試験において、直径が180m
m〜260mmの範囲に選択されるのが慣用手段であるが、水
・セメント比を32%とした場合、減水剤の添加量とモ
ルタルフロー試験による流動性との関係は、「表1」に
示すごとく、ポンプ圧送性が、減水剤添加量0.8%の場
合に良好であることが確認され、その前後の添加量の場
合は、圧送不可、ホース閉塞等の欠点を生じている。
【0020】
【表1】
【0021】請求項1の発明では、水・セメント比を3
0〜50%とすることにより、「表2」に示されるごと
く、「表1」に示される減水剤添加量の各範囲におい
て、良好なモルタルフロー値を示し、良好な圧送性を示
した。なお、水・セメント比が30%以下では、圧送装
置等の閉塞を生じて圧送不能となり、水・セメント比が
50%以上では硬化後の乾燥収縮量が大となり、ひび割
れ等を生ずる欠点がある。
【0022】請求項2の発明では、請求項1の発明の実
施に当たり、スチレンブタジエン系、アクリル系、クロ
ロピレン系等のセメント混和用ポリマーエマルジョン
で、固形分濃度が30〜60%の範囲のものを、その固
形分がセメントに対し、3〜10%の重量比の範囲で混
入するという構成を付加した。
【0023】軽量骨材を使用したモルタルは、吸水率が
大きく、耐摩耗性や付着強度も弱いため、セメント混和
用ポリマーエマルジョンを添加してモルタルの長期耐久
性を向上させるが、その固形分がセメントに対して3重
量%未満では効果がほとんどなく、10%以上ではコス
ト的に高価となり実用的では無くなる。また、前記重量
比内のセメント混和用ポリマーエマルジョンの混入によ
り、セメントの硬化遅延効果、減水効果およびモルタル
の粘性向上により、モルタルを上向きに吹き付けても、
垂れ、「す」の発生を防止でき、吹付完了後に、コテに
よる左官仕上げが可能となると共に、吹き付けの一時停
止時におけるモルタルの硬化によるモルタル圧送装置や
吹付ノズル装置の閉塞も防止できる。請求項2の発明の
構成によると、「表3」、「表4」に示されるごとく、
透水係数、耐摩耗性、付着強度、乾燥収縮量、圧縮強度
において優れていることが確認された。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】
【0026】請求項3の発明では、請求項1または請求
項2の発明に、比重0.8以下の軽量骨材を混入して、練
り上がりモルタル比重を1.2〜1.7とするという構成を付
加した。この発明で使用する軽量骨材としては、球形、
多角面体等の人工または自然の軽量骨材であるが、急結
剤の添加量を少としても、下向き施工面に対し上向きに
吹付施工した場合、一層吹付可能厚さが「表5」に示さ
れるごとく、従来工法における練り上がりモルタル比重
2.2〜2.3のものに比し著しく厚くしうることが確認でき
た。練り上がりモルタル比重を1.2以下とするために
は、従来は、発泡スチロール等の軽量骨材の使用、起泡
剤の混入等を行うため、圧縮強度が低下するし、モルタ
ル比重を1.7以上とする場合は、急結剤の使用量が多く
なるため、セメントの結晶構造が粗となって、所定の強
度が得られず、乾燥収縮も大となると共に、モルタルは
吹き付けられると同時に硬化しはじめるため、吹付ノズ
ルの1動作ごとにコールドジョイントが形成されるとい
う欠点を生ずる。
【0027】
【表5】
【0028】請求項4の発明は、請求項1ないし請求項
3のいずれかの発明に、モルタル中のセメントと急結剤
との重量比を100:5〜15の範囲とするという構成
を付加したものである。急結剤の使用量がこの発明の重
量比の上限を超えると、既述の「す」の発生、長期圧縮
強度の低下あるいは乾燥収縮量の増大によるひび割れの
発生等を招き、防水、防蝕性能の低下を生ずるし、この
発明の重量比の下限以下では、急結効果がなく、下向き
施工面への施工が不能となる。「表6」は、請求項6の
発明に係るノズル装置と従来型のノズル装置とを使用し
た場合の、所定抵抗値を得るまでの、急結剤添加量と凝
結時間とを示しており、請求項4の発明の優位性が明示
されている。
【0029】
【表6】
【0030】請求項5の発明は、吹付加圧空気量と、吹
付モルタル量との体積比を、100:2〜4とし、1時
間当たりのモルタル吹付量を1〜2.5m3とするという構
成要件を請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に付
加したものである。この構成により、粉塵化されたモル
タルの発生量や跳ね返りモルタルの発生量の低減と、ノ
ズル先端から施工面までの距離の短縮による吹付モルタ
ルの設計通りの性能の維持とを図ることが可能となると
共に、粉塵化されたモルタルの発生による視野の妨害を
防止できるので、吹付状況を目視しながら吹き付けを行
うことを可能としている。
【0031】従来の吹付工法では、モルタルの組成上の
制約から、吹付空気量と吹付モルタル量との体積比を1
00:1〜1.5としているが、吹き付けによるモルタル
の跳ね返り量、粉塵化量が多く、体積比を2以上とする
と吹付装置の閉塞を生ずるため、前記体積比で、1時間
当たりのモルタル吹付量を1m3未満としているが、施
工効率が悪く、しかも既述のごとく形成されたモルタル
層の品質に種々の問題を有していた。
【0032】「表7」は、請求項5の発明による吹付工
法と、従来の吹付工法とにおけるモルタルの跳ね返り量
とモルタルとの粉塵発生量との比較表であり、請求項5
の発明の優れている点が明瞭に現わされている。
【0033】
【表7】
【0034】請求項6の発明は、請求項1ないし請求項
5の各発明の実施に使用される吹付ノズル装置に関し、
その概要は図4に示されるごとく、モルタル圧送管1の
先端2に、モルタル噴出管3が軸受4により軸O−Oま
わりに回転自在に組み付けられ、モルタル噴出管3のモ
ルタル噴出ノズル5よりも、モルタル圧送管1に寄った
位置の全周域に、モルタルを霧状に分散させる加圧空気
供給室6が配設されている。
【0035】前記モルタル噴出管3は、軸受4によりモ
ルタル圧送管1の先端2に軸O−Oまわりに回転自在に
組み付けられた噴出基管7と、噴出基管7の先端部に環
状間隙8を存して外嵌され、配置されたノズル筒9とで
構成されている。
【0036】前記噴出基管7とノズル筒9との嵌合部分
の環状間隙8の前後の開口部分を囲む外周域には加圧空
気供給室6が気密に配設され、該室6に加圧空気供給パ
イプ10が連通させられており、加圧空気は、矢印A,
Bのごとく流動して噴出基管7の先端から矢印Cのごと
く、ノズル筒9内へ噴出し、噴出基管7の先端からポン
プ圧送によって噴出されたモルタルを霧化し、モルタル
噴出ノズル5から完全に霧化した状態で噴出する。
【0037】前記モルタル噴出ノズル5の全外周域に
は、急結剤の噴出室11が外嵌固定されており、その急
結剤の噴出ノズル12はモルタル噴出ノズル5の直近位
置全周を巡って開口され、直進案内パイプ13に結合さ
れている。
【0038】図示例において、直進案内パイプ13の軸
心X−Xは、前記軸O−Oに対し、角度15度〜30度
の傾斜角θを与えられている。
【0039】前記急結剤の噴出室11には急結剤の圧送
パイプ14と加圧空気供給パイプ15との連通部16か
ら伸びる急結剤圧送パイプ17が連通されており、該圧
送パイプ17から霧状態で噴出室11へ供給された急結
剤は、モルタル噴出ノズル5から霧状態で噴出されたモ
ルタル噴霧中へ噴出ノズル12から急結剤噴霧として供
給され、モルタル噴霧と完全に混和され、混合分散性が
向上するので、急結剤の使用量の低減が図れ、過剰添加
によるモルタルの品質低下を防止でき、経済性も改善で
きる。
【0040】請求項6の発明に係る吹付ノズル装置は、
前述の構成であり、モルタル噴出管3から直進案内パイ
プ13に至る部分が軸O−Oまわりに回転自在とされて
いるので、直進案内パイプ13から噴出される急結剤噴
霧とモルタル噴霧との混和された噴霧の噴出方向は、直
進案内パイプ13の回動ならびに装置全体の向きの変更
とにより自在に変更、調節できる。
【0041】図8および図9は、既存の吹付ノズル装置
におけるモルタル圧送管D,Eに対する加圧空気供給パ
イプF,Gの配置構造を模型的に示しており、図8に示
す吹付ノズル装置では、モルタル圧送管D内に、加圧空
気供給パイプFの屈曲部Hが配置されているため、モル
タル圧送管D内をポンプ圧送されてるモルタルとの圧接
により、屈曲部Hに摩損が生じ、使用中に屈曲部Hの裂
損が生ずる恐れがある。
【0042】また図9に示す吹付ノズル装置は、モルタ
ル圧送管Eの加圧空気供給部位の全周を巡って多数の小
孔I群を穿孔し、この加圧空気供給部位の外周域に加圧
空気供給室Jを形成し、小孔I群からモルタル圧送管E
内へ加圧空気を供給する構造であるため、モルタルの噴
出を停止した瞬間に、モルタルの残圧によりモルタル圧
送管E内のモルタルが小孔I群から加圧空気供給室J内
へ流入してしまい、モルタル噴出再開に先だって加圧空
気供給室J内と、小孔I群内とに詰まったモルタルの除
去が必要となるという問題がある。
【0043】これに対し、前記請求項6の発明に係る吹
付ノズル装置では、係る裂損、モルタルの詰まり等は全
く生ずることがない。
【0044】さらに、請求項6の発明に係る吹付ノズル
装置では、モルタルに対する急結剤の混和を、モルタル
噴出ノズルの外部におけるモルタル噴霧中で行うので、
モルタルの圧送装置、噴出装置等の内部におけるモルタ
ルの硬化が急速に進行することがなく、水・セメント比
を30〜50%とされたセメントの自然硬化までは、モ
ルタルの圧送装置、噴出装置を一時的に停止しても閉塞
を生ずることがない。
【0045】また請求項6の発明によると、モルタル噴
出管3が、モルタル圧送管1に対し、軸O−Oまわりに
回転自在であることにより、モルタル噴出ノズル5と急
結剤の噴出ノズル12とに連続する直進案内パイプ13
の向きを、施工面に対して概ね直角に近い角度に、自由
に回動させることができ、従ってモルタルを施工面に対
して直角に近い角度で吹き付けうることとなり、モルタ
ルの跳ね返り量の低減、「す」の発生の防止ができると
共に、ボックス状の深い施工部位に対しても、底面、側
面に対し概ね直角に近い角度で吹き付けることが可能と
なる。
【0046】
【実施例】図1ないし図5は、シールド工法によって建
造されたトンネル101の、コンクリート製のセグメン
ト102、103群の、結合用のボルトボックス10
4、105のモルタルによる吹込充填に、請求項1ない
し請求項6の各発明を併せ適用した実施の一例を示して
いる。
【0047】コンクリート製のセグメント102、10
3群は、同一構造とされており、その一例は、図1、図
2および図3に示されており、セグメント102につい
て説明すると、円周方向で隣接するセグメント102、
103を結合するボルト・ナット、図2においては符号
106、107で略示されるボルト・ナットによる結合
を行う前記ボルトボックス104、105ならびに軸線
方向で隣接するセグメント102、108を結合するボ
ルト・ナット、図2においては符号109’、110’
で略示されるボルト・ナットによる結合を行うボルトボ
ックス109、110を形成されており、各セグメント
102、103群がボルト・ナットで結合されたのち、
前記ボルトボックス104、105、109、110群
はモルタルの吹付工法によって充填される構造とされて
いる。
【0048】図1において、符号104、105および
111で示されるボルトボックスは、下向きに開口され
ているため、モルタルの吹き付けは上向きに行わなけれ
ばならず、大型のトンネルではこれらの各ボルトボック
スは、深さDが40cm以上となるものが存し、しかも
既述のごとく、各ボルトボックス内に露出するボルトヘ
ッド、ナット、ボルト等は、該ボックス内へ充填された
モルタルのみにより、完全な防蝕状態に維持されること
を要求されている。
【0049】図6に示すごとく、ボルトボックス125
に対する従来のモルタルの吹付ノズル装置によるモルタ
ル充填工法では、既述のごとく、モルタルの水・セメン
ト比が大きく、かつ練り上がりモルタルの比重が大きい
ため、急結剤の使用量が大きいこと、モルタル噴霧に用
いる加圧空気量が多いこと等が原因となり、図6に示す
ごとく、モルタル噴霧ノズル112から噴霧状態で吹き
付けられたモルタル噴流113は、粉塵114や跳ね返
り115を生じ、この粉塵114や跳ね返り115とな
ったモルタルが硬化し始めた状態でモルタル噴流113
で再び吹き付けられ、施工面の吹付層中に「す」11
6、117を発生させている。
【0050】しかも、水・セメント比が大きく、かつ比
重も大きいことによる垂れを防止するため、急結剤の使
用量が多いことにより、モルタルの一回の吹付量を少な
くせざるを得ず、図7に示されるごとく、多数回繰り返
される吹付層118〜124等によりボルトボックス1
25内が充填されるため、コールドジョイント126に
より区画された各層118〜124内に「す」が発生
し、かつボルトボックス125内が十分に視認できず、
しかもモルタル粉塵により視界が妨げられることによ
り、吹付層の良否が視認できないため、不良充填が看過
される可能性がある。
【0051】本発明の図示実施例の場合、請求項1の発
明に係る水・セメント比30〜50%とする手段によ
り、吹き付けるモルタルの跳ね返り、粉塵化を極力少な
くし、乾燥収縮量を小とし、請求項2の発明に係る固形
分濃度30〜60%のセメント混和用ポリマーエマルジ
ョンを、固形分がセメントに対し、3〜10%の重量比
の範囲で混和する手段により、セメントの硬化遅延と減
水を図り、かつモルタルの粘性を向上させ、請求項3の
発明に係る比重0.8以下の軽量骨材の混入と、練り上が
りモルタルの比重を1.2〜1.7とする手段により、1回の
吹き付けで、垂れ等を伴うことなく形成されるモルタル
層の厚さを著しく厚くしうるように意図すると共に、請
求項4の発明に係るところのセメントに対する急結剤の
使用量を100:5〜15の重量比とする手段により、
乾燥収縮量の減少、ひび割れ発生の防止、長期圧縮強度
の維持を図り、かつ吹付時のモルタルの垂れや「す」の
発生を防止し、請求項5の発明に係る吹付加圧空気量と
吹き付けモルタル量との体積比を100:2〜4とし、
1時間当たりのモルタル吹付量を、1〜2.5m3とすると
いう手段により、モルタルの粉塵の発生量や跳ね返りモ
ルタルの発生量の低減と、吹付ノズルの先端と施工面と
の距離の短縮を図りうるモルタルを得て、請求項6の発
明に係る吹付ノズル装置により、図5に示すコンクリー
トセグメント201の深さ40cm以上にも達するボルト
ボックス202内へ、該ボルトボックス202の頂面2
03、側面204に概ね直角に目視しながらモルタルを
吹き付け、しかもその吹き付けを連続した1回の吹付工
程のみで、ボルトボックス202内に完全に充填させ得
たものである。
【0052】図5において、モルタル層が5層に区画さ
れているが、これは、吹付ノズル装置の往復揺動ごとに
形成されたモルタル層を示したもので、いわゆるコール
ドジョイントは形成されておらず、図7に示した複数回
に区分して形成されたモルタル層とは異別のものであ
る。
【0053】吹付ノズル装置によって吹き付けられたモ
ルタル層は、急結剤の使用量が少ないこと、セメント混
和用ポリマーエマルジョンの適量の使用により、吹付完
了後においても露出面205が硬化せず、コテによる左
官仕上げが可能であるのみでなく、次位のボルトボック
スへの吹付開始までの準備作業時間中に、モルタル圧送
装置、吹付ノズル装置内でのモルタルの硬化が発生せ
ず、連続して次位のボルトボックスへの吹付充填を行う
ことが可能となる。
【0054】
【発明の効果】本発明は、以上記述した構成、作用のも
のであり、請求項1の発明によると、水・セメント比を
30〜50%という従来より水の少ない配合であるにも
拘らず、軽量骨材、セメント混和用ポリマーエマルジョ
ン等の添加と、加圧空気によるモルタルの霧状の飛翔流
の周囲から、急結剤を加圧空気によって霧状に噴出させ
て霧状のモルタルに混合させるという方法の採用によ
り、モルタルの跳ね返りや粉塵化を防止でき、この跳ね
返りモルタルや粉塵化したモルタルの硬化したものの巻
き込みによる「す」の発生を伴うことなく、乾燥収縮量
が小で、強度低下を生ずることもなく、防蝕性の完全な
モルタル吹付層を形成できる効果を奏する。
【0055】請求項2の発明によると、セメント混和用
ポリマーエマルジョンの固形分の、セメントに対する重
量比を3〜10%として請求項1の発明に付加したので
セメントの硬化遅延効果、減水効果、モルタルの粘性の
向上が図れ、完工したモルタル施工面の長期耐久性の向
上、吹付加工時の垂れ、「す」の発生を防止できると共
に、透水性、耐摩耗性、付着強度、圧縮強度を向上さ
せ、かつ乾燥収縮量も減少させうる等の効果を奏する
が、重量比3%以下では、これらの効果がなく、重量比
10%以上では、コスト面で不必要に高価となる欠点が
ある。
【0056】請求項3の発明では、比重0.8以下の軽量
骨材を混入し、練り上がりモルタル比重を1.2〜1.7とす
るという構成を、請求項1または請求項2の発明に付加
したので、下向き施工面に対して上向きにモルタルを吹
き付ける場合に、急結剤の添加量を減少させても、一回
の吹き付けで形成できる厚さを、従来の練り上がりモル
タル比重2.2〜2.3のものに比し、モルタルの垂れを伴う
ことなく著しく厚くしうる効果を奏する。
【0057】請求項4の発明では、モルタル中のセメン
トと急結剤との重量比を100:5〜15の範囲とする
という構成を請求項1、請求項2または請求項3のいず
れかの発明に付加したので、「す」発生、長期収縮強度
の低下、乾燥収縮量の増大、ひび割れの発生、防水・防
蝕性能の低下等の諸欠点を伴うことなく、下向き施工面
への上向き吹付充填を可能とする効果を奏する。前記セ
メントに対する急結剤の重量比が下限以下であると急結
効果が発生せず、上限以上であると、前記諸欠点が現出
してしまう。
【0058】請求項5の発明では、吹付加圧空気と吹付
モルタル量との体積比を100:2〜4とし、かつ1時
間当たりのモルタル吹付量を1〜2.5m3とするという構
成を、請求項1ないし請求項4のいずれかの発明に付加
したので、粉塵化されたモルタルとか跳ね返りモルタル
等の発生量を低減させ、かつ吹付ノズル先端から施工面
までの距離の短縮等を図ることができ、粉塵化されたモ
ルタルの発生量が少なく、視野が妨げられることがない
こととあいまち、設計通りのモルタル吹付充填を設計通
りに施工できる効果を奏する。
【0059】請求項6の発明によると、モルタルに対す
る急結剤の混和を、噴霧されているモルタルの飛翔流に
対し、そのモルタル噴霧ノズルの外周域から、モルタル
噴霧中に向けて急結剤噴霧として行いうるので、モルタ
ルとの混和が十分に行われ、請求項4の発明のごとく、
急結剤の使用量が少ないにも拘らず必要で十分な急結効
果を奏する。
【0060】また急結剤は、モルタル噴出ノズル5から
噴出されたモルタルの飛翔流に対し、別系統の噴出ノズ
ル12から噴出し、混和されるので、モルタルの圧送装
置、吹付ノズル装置内のモルタル流路に影響することが
なく、2時間程度の短時間内である限り、これらの装置
のモルタル硬化による閉塞を生ずることがない効果も有
する。
【0061】請求項6の発明におけるモルタル噴出管3
は、モルタル圧送管1の軸O−Oまわりに回転自在に組
み付けられているので、モルタル噴出ノズル5と急結剤
の噴出ノズル12とを、必要方向に回動させることがで
きるため、施工面に対して略直角にモルタルを吹き付け
る作業を容易ならしめる効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の適用されるシールド工法によるトン
ネル端部の略示正面図である。
【図2】 図1に示すものの一部の略示側面図である。
【図3】 図1に示されるトンネルに使用されている1
個のコンクリートセグメントの一部省略斜面図である。
【図4】 本発明に係る吹付ノズル装置の1例を一部断
面として示した略示側面図である。
【図5】 図3に示されるコンクリート製セグメントの
ボルトボックスに対するモルタルの吹付充填状態を示す
略示縦断面図図である。
【図6】 コンクリート製セグメントのボルトボックス
に対する従来のモルタルの吹付充填工程を示す略示縦断
面図である。
【図7】 図6に示す吹付充填状態を示す略示縦断面図
である。
【図8】 従来の吹付ノズル装置における加圧空気供給
パイプとモルタル圧送管との配置構造の一例の略示縦断
面図である。
【図9】 従来の他の吹付ノズル装置における加圧空気
供給パイプとモルタル圧送管との配置構造を示す略示縦
断面図である。
【符号の説明】
1 モルタル圧送管 2 先端 3 モルタル噴出管 5 モルタル噴出ノズル 12 急結剤の噴出ノズル 13 直進案内パイプ
【表2】
フロントページの続き (72)発明者 宇津 晃次 東京都港区三田1丁目2番18号 TTDビ ル 株式会社テイ・アイ・シー内 (72)発明者 長沢 光顕 東京都江戸川区中葛西3ー15ー7 メゾ ン・ド・リプレット204 株式会社ジェ ー・フェック内 (72)発明者 坂本 好謙 埼玉県大宮市南中丸895ー19 (72)発明者 川端 僚二 神奈川県横浜市都筑区牛久保東2ー22ー14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セメント、軽量骨材、減水剤としての機
    能を併せ持つセメント混和用ポリマーエマルジョンおよ
    び必要量の減水剤を使用して流動性を改善して、水・セ
    メント比を、30〜50%としたモルタルを、加圧空気
    によってモルタルノズルから霧状に噴出させると同時
    に、モルタルの飛翔流の周囲から急結剤ノズルにより加
    圧空気によって急結剤を霧状に噴出させて霧状のモルタ
    ルに混合させ、施工面に吹き付けるモルタル吹付工法。
  2. 【請求項2】 セメント混和用ポリマーエマルジョンの
    混入量を、その固形分のセメントに対する重量比を3〜
    10%とした請求項1記載のモルタル吹付工法。
  3. 【請求項3】 比重0.8以下の軽量骨材を混入し、練
    り上がりモルタル比重を1.2〜1.7とする請求項1または
    請求項2記載のモルタル吹付工法。
  4. 【請求項4】 モルタル中のセメントと急結剤との重量
    比を100:5〜15の範囲とする請求項1、請求項
    2、または請求項3記載のモルタル吹付工法。
  5. 【請求項5】 吹付加圧空気と吹付モルタル量との体積
    比率を100:2〜4とし、1時間当たりのモルタル吹
    付量を1〜2.5m3とする請求項1、請求項2、請求項
    3、または請求項4記載のモルタル吹付工法。
  6. 【請求項6】 モルタル圧送管の先端に、モルタル噴出
    管が軸まわりに回転自在に組み付けられ、モルタル噴出
    管のモルタル噴出ノズルよりもモルタル圧送管に寄った
    位置に全周域にモルタルを霧状に分散させる、加圧空気
    供給路が開設されており、モルタル噴出ノズルの全周を
    巡って、加圧空気による急結剤の噴出ノズルが配設され
    ており、急結剤の噴出ノズルには、混合されたモルタル
    と急結剤との直進案内パイプが結合されている吹付ノズ
    ル装置。
JP5594898A 1998-02-20 1998-02-20 モルタル吹付工法および吹付ノズル装置 Pending JPH11241505A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015113242A (ja) * 2013-12-09 2015-06-22 住友大阪セメント株式会社 モルタル吹付け方法
JP2021038561A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 株式会社水戸グリーンサービス コンクリート吹付工法及びノズルユニット

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