JPH11242941A - 走査電子顕微鏡 - Google Patents

走査電子顕微鏡

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JPH11242941A
JPH11242941A JP10327565A JP32756598A JPH11242941A JP H11242941 A JPH11242941 A JP H11242941A JP 10327565 A JP10327565 A JP 10327565A JP 32756598 A JP32756598 A JP 32756598A JP H11242941 A JPH11242941 A JP H11242941A
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sample
electric field
electron beam
secondary signal
electron microscope
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JP10327565A
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English (en)
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Hideo Todokoro
秀男 戸所
Tadashi Otaka
正 大高
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 対物レンズと試料との間に電子線に対する減
速電界を発生させる構造の走査電子顕微鏡において、二
次電子と反射電子との弁別検出を容易にする。 【解決手段】 チャンネルプレート25には、その電位
を任意に制御できるフィルタ電圧36が印加される。例
えば、フィルタ電圧36を重畳電圧6(試料に印加する
電圧)よりもさらに10ボルト程度の負電圧とすれば、
チャンネルプレート25とメッシュ34の間には、二次
信号に対する逆電界、すなわち二次信号を減速する減速
電界が形成される。この結果、試料から放出された二次
電子および反射電子のうち、エネルギの低い二次電子は
前記減速電界で追い返され、エネルギの高い反射電子の
みが減速電界を通過し、チャンネルプレート25により
選択的に検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面で電子線
スポットを走査して試料表面の走査像を得る走査電子顕
微鏡に係り、特に、試料表面から放出される二次電子と
反射電子との弁別検出を容易にした走査電子顕微鏡に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体デバイス用試料におけ
るサブミクロンオーダー(1μm以下)のコンタクトホ
ールやラインパターンの観察用あるいは測長用として、
走査電子顕微鏡が用いられている。
【0003】走査電子顕微鏡では、加熱形又は電界放出
形の電子源から放出された電子線を試料上で走査して二
次的に得られる信号(二次電子および反射電子)を検出
し、この二次信号を電子線の走査と同期して走査される
ブラウン管の輝度変調入力とすることで走査像(SEM
像)を得ている。一般の走査電子顕微鏡では、負電位を
印加した電子源と接地電位にある陽極間で電子源から放
出された電子を加速し、接地電位にある検査試料に照射
している。
【0004】近年、走査電子顕微鏡が半導体製造過程ま
たは完成後の検査過程(例えば電子線による電気的動作
の検査)で利用されるようになってきた結果、絶縁物を
帯電なしに観察することができるように、1000V以
下の低加速電圧で10nm以下の高分解能が要求される
ようになってきた。
【0005】すなわち、半導体デバイス用試料は、一般
にAlやSiなどの導体部の上にSiO2 やSiNなど
の電気絶縁物を積層して構成される。このような半導体
デバイス用試料に電子線を照射すると電気絶縁物表面が
負に帯電(以下、単にチャージアップと表現する場合も
ある)し、放出される二次電子の軌道が変化したり、一
次電子線そのものの軌道が変化するようになる。この結
果、SEM像に異常コントラストが発生したり、ひどい
歪を生じる。
【0006】このようなチャージアップに起因した像障
害は、コンタクトホールの観察やラインアンドスペース
の測長に重大な支障をきたすので、半導体製造プロセス
の評価が難しくなるばかりか、半導体デバイスそのもの
の品質を確保する上で大きな障害となる。このため、従
来では試料に照射される一次電子線のエネルギーが1K
eV以下である、いわゆる低加速SEMが用いられてい
た。
【0007】ところが、上記した従来技術では次のよう
な問題点があった。すなわち、加速電圧が低くなると電
子線のエネルギばらつきに起因する色収差により分解能
が著しく低下し、高倍率での観察が難しくなる。また、
電子電流が少なくなると二次信号とノイズとの比(S/
N)が著しく低下し、SEM像としてのコントラストが
悪くなり、高倍率、高分解能での観察が困難となる。特
に、超微細加工技術で作られた半導体デバイスなどで
は、コンタクトホールやラインパターンなどの凹部から
発生する信号が微弱となり、精細な観察や測長を行う上
で大きな障害となっていた。
【0008】このような問題を解決する方法として、例
えば、アイ・トリプルイー、第9回アニュアルシンポジ
ューム オン エレクトロン イオン アンド レーザ
ビーム テクノロジーのプロシーデング、176頁から
186頁(IEEE 9th AnnualSymposium on Electron,Ion
and Laser Technology)では、一次電子線の加速電圧
を高く設定すると共に、試料に負電圧を印加して一次電
子線に対する減速電界を形成することで、色収差の低減
とチャージアップの防止とを両立させた走査電子顕微鏡
が開示されている(以下、リターディング技術と表現す
る)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記したリターディン
グ技術を採用した走査電子顕微鏡では、一次電子線に対
する減速電界が、試料表面から放出される二次電子に対
しては加速電圧として作用し、二次電子が強く加速され
ることになる。減速電界により強く加速された二次電子
は、もともと強く加速されている反射電子と同様にチャ
ンネルプレート検出器に入射される。したがって、チャ
ンネルプレート検出器では、反射電子および二次電子が
同様に検出されてしまうことになる。
【0010】しかしながら、反射電子および二次電子
は、それぞれ固有の特性を有する。例えば、反射電子は
二次電子に比べて、半導体デバイスなどのコンタクトホ
ールやラインパターンの凹部の底の観察に適しているの
で二次電子との弁別検出が望まれる。
【0011】本発明の目的は、上記した従来技術の技術
課題を解決し、色収差の低減とチャージアップの防止と
の両立を可能にするリターディング技術を採用した走査
電子顕微鏡において、反射電子の選択的な検出を可能に
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明は、電子源と、該電子源から放出された
一次電子線を試料に照射する電子光学手段と、前記一次
電子線の試料への照射によって前記試料から発生した二
次信号を検出するために、前記一次電子線を通過させる
通過口を備えたチャンネルプレートを含む二次信号検出
手段と、前記試料と前記二次信号検出手段との間に前記
一次電子線を減速する減速電界を形成する手段と、前記
チャンネルプレートと試料との間に、前記二次信号を減
速する減速電界を生じさせる電極とを具備したことを特
徴とする。
【0013】上記した構成によれば、二次信号を減速す
る減速電界により二次電子および反射電子の双方が減速
されるが、減速電界の強度を適宜に調整することによ
り、減速後の二次電子または反射電子のエネルギを所望
値に制御できる。したがって、検出対象の二次信号が、
前記二次信号検出手段による検出範囲内のエネルギを有
するように前記減速電界の強度を制御すれば、二次電子
および反射電子の弁別検出が可能になる。
【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。
【0015】図1は、本発明の一実施例である走査電子
顕微鏡システムの概略構成図であり、当該システムは走
査電子顕微鏡本体100および試料交換機構200から
構成されている。図2は、図1の走査電子顕微鏡本体1
00の構成を詳細に示した図である。
【0016】図2において、陰極1、引出電極2、およ
び陽極3は電界放出型電子銃を構成し、陰極1と引出電
極2との間には引出電圧4が印加され、陰極1には加速
電圧5が印加される。陰極1から放出された電子線20
aは、引出電極2と接地電位にある陽極3との間に印加
された電圧でさらに加速される。このため、陽極3を通
過した電子線のエネルギ(加速電圧)は加速電圧5と一
致する。また、試料18には試料ホルダ21を介して負
の重畳電圧6が印加され、対物レンズ17と試料18と
の間には減速電界が形成されるため、試料18に照射さ
れる電子線の加速電圧は、加速電圧5から重畳電圧6を
差し引いた電圧となる。
【0017】陽極3を通過して加速された電子線20b
は、コンデンサレンズ7および対物レンズ17によって
試料18上に収束される。対物レンズ17を通過した電
子線は、対物レンズ17と試料18との間に形成された
減速電界で減速され、実質的に加速電圧5から重畳電圧
6を差し引いた電圧に相当するエネルギで試料18に到
達する。
【0018】対物レンズ17での電子線の開き角は、コ
ンデンサレンズ7の下方に配置された絞り8で決められ
る。絞り8のセンタリングは調整つまみ10を操作する
ことにより行われる。
【0019】加速された電子線20bは上走査コイル1
1および下走査コイル12で偏向され、試料18上で
は、減速電界によって減速された収束電子線20cがラ
スタ走査される。本実施例では、走査コイルを2段構成
とすることで走査された電子線が常に対物レンズ17の
レンズ中心を通るようにしている。
【0020】試料18は試料ホルダ21で固定され、試
料ホルダ21は、水平調整等の位置調整が可能な試料ス
テージ19上に絶縁台9を介して載置される。試料ホル
ダ21には重畳電圧6が印加されている。
【0021】減速された電子線20cが照射されて試料
18から発生した二次電子24は、対物レンズ17と試
料18間に作られた減速電界によって加速されて対物レ
ンズ17内に吸引され、さらに、対物レンズ17の磁場
の影響を受けて螺旋運動しながら上昇する。
【0022】対物レンズ17を通過した二次電子24
は、対物レンズ17と下走査コイル12との間で電子線
通路外に設けられて正電位が印加された吸引電極13で
吸引され、10kV(正電位)が印加されたシンチレー
タ14によって吸引加速されてシンチレータを光らせ
る。
【0023】発光した光はライトガイド15で光増倍管
16に導かれ電気信号に変換される。光増倍管16の出
力はさらに増幅されブラウン管の輝度変調入力になる
が、ここでは図示を省略してある。
【0024】このような構成の走査電子顕微鏡によれ
ば、コンデンサレンズ7、絞り8、対物レンズ17を通
過するときの電子線(電子線20b)のエネルギは最終
段の電子線(電子線20c)のエネルギよりも高いの
で、色収差が改善され、高分解能が得られた。
【0025】しかも、試料に照射される一次電子線は減
速されて低エネルギとなっているので、試料のチャージ
アップも解消される。
【0026】具体的には、加速電圧(500V)のみを
印加した時に15nmであったビーム径が、加速電圧
(1000V)と重畳電圧6(500V)とを加算した
ことにより10nmに改善された。
【0027】また、図1において、電界放出陰極1、引
出電極2、陽極3、コンデンサレンズ7、対物レンズ1
7、試料18、試料ホルダ21、絶縁台9、試料ステー
ジ19等の構成要素は真空筐体61に納められている。
なお、真空排気系は図示を省略している。
【0028】ここで、試料18に負電圧が印加されてい
る状態では、試料交換機構77による試料交換や真空筐
体61を大気にすることは避けなければならない。換言
すれば、電子線が試料18上で走査されているときだけ
重畳電圧6を印加するようにすればよい。
【0029】そこで、本発明では試料の装着・交換時の
準備動作である、スイッチS1が閉じて加速電圧5が印
加されている第1の条件と、陰極1と試料18との間に
設けられたバルブG1、バルブG2の両者が開いている
第2の条件と、試料交換機構77が試料18を試料ステ
ージ19に載せるために通過するバルブG3が閉じてい
る第3の条件とが全て満されたときのみ、スイッチS2
が閉じて試料18に重畳電圧6が印加される制御が行わ
れるようになっている。
【0030】また、試料ホルダ21と試料ステージ19
とは放電抵抗Rを介して電気的に接続されおり、スイッ
チS2が開放されると試料18にチャージされた電荷が
試料ホルダ21、放電抵抗R、試料ステージ19を介し
て一定の時定数のもとで速やかに放電され、試料18の
電位が下がるようになっている。
【0031】なお、陰極1の周囲の真空が設定値以上で
ある条件で加速電圧5が印加可能となる、あるいは真空
筐体61の真空が設定値以上のときのみバルブG1、G
2が開放されるような通常のシーケンスが組まれている
ことは言うまでもない。
【0032】また、本実施例では、上述の3つの条件の
すべてを満足したときに重畳電圧6が印加されるものと
して説明したが、これらの内の1つあるいは2つの条件
が満たされたときにスイッチS2が閉じるようにしても
良い。以上のように構成することで、試料交換時の短絡
(試料交換機構77が試料18に接触したときの試料1
8から試料交換機構77への放電)による試料の破壊を
防止することが可能になる。特に、微細かつ微少な電流
で動作する回路素子が多数設けられている半導体デバイ
スは、電位の急峻な変化によって素子が破壊されてしま
う恐れがあるが、本発明の実施例装置により、そのよう
な弊害を解消することが可能になる。
【0033】図3は、本発明の第2実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。
【0034】上記した第1実施例では、二次電子24を
吸引電極13により電子通路外に取り出して検出してい
たが、本実施例では、チャンネルプレート検出器26を
用いて二次電子を検出するようにした点に特徴がある。
【0035】同図において、対物レンズ17と下走査コ
イル12との間には、中央孔33を有する円板状チャン
ネルプレート本体25が設けられている。中央孔33の
径は走査コイル12で偏向された電子線20bが衝突し
ない大きさに設定される。また、チャンネルプレート本
体25の下方にはメッシュ状電極34が設けられてい
る。
【0036】このような構成において、加速された電子
線20bはチャンネルプレートの中央孔33を通過した
後、対物レンズ17で収束されて試料18上に照射され
る。試料18で発生した二次電子24は対物レンズ17
でレンズ作用を受け、発散しながら全面に置かれたメッ
シュ状電極34を通過してチャンネルプレート25に入
射する。チャンネルプレート25に入射した二次電子2
4はチャンネルプレート25の両端に印加された増幅電
圧28で加速、増幅される。増幅された電子27はアノ
ード電圧29でさらに加速されてアノード37に捕獲さ
れる。
【0037】捕獲された二次電子は増幅器30で増幅さ
れた後、光変換回路31で光32に変換される。光32
に変換するのは増幅器30がチャンネルプレート25の
増幅電圧28等でフローテングになっているためであ
る。
【0038】光32は接地電位の電気変換回路35で再
び電気信号に変換され、走査像の輝度変調信号として利
用される。この方式では二次電子ばかりでなく反射電子
も検出可能である。
【0039】明らかな様に、本実施例によっても前記と
同様の効果が達成される。
【0040】図4は、本発明の第3実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。本実施例では、
所望の二次信号を選択的に検出できるようにした点に特
徴がある。
【0041】同図において、チャンネルプレート25に
は、その電位を任意に制御できるフィルタ電圧36が印
加される。例えば、フィルタ電圧36を重畳電圧6より
もさらに10ボルト程度の負電圧とすれば、チャンネル
プレート25とメッシュ状電極34との間には、二次信
号に対する逆電界、すなわち二次信号を減速する減速電
界が形成される。この減速電界によって二次電子および
反射電子のエネルギは共に減ぜられるが、反射電子のエ
ネルギは二次電子のそれよりも大きい。したがって、エ
ネルギの低い二次電子のみが前記減速電界で追い返さ
れ、エネルギの高い反射電子のみが減速電界を通過でき
るように前記フィルタ電圧36を制御すれば、チャンネ
ルプレート25において反射電子の弁別検知が可能にな
る。
【0042】また、二次電子を追い返す限界のフィルタ
電圧36を測定すれば、試料の電位を知ることも可能
で、このような機能を付加することにより、完成した半
導体素子の機能検査を行うことができるようになる。
【0043】図5は、本発明の第4実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例は、対物レンズ
17の上部にエネルギフィルタ(電位障壁)を設けた点
に特徴がある。また、本実施例では、特に試料18を対
物レンズ17内部に配置するインレンズ方式に適用した
例を示している。
【0044】エネルギフィルタは、一次電子を通すため
の円筒46、一組のシールドグリッド41、およびエネ
ルギフィルタ42から構成されている。前記図3に関し
て説明した第3実施例の場合と同様に、本実施例でもフ
ィルタ電圧36を制御してエネルギフィルタ42の電位
を適宜に調整することにより試料18の電位を測定する
ことが可能になる。
【0045】さらに、本実施例では吸引電極13の電圧
を適宜に選択することにより、反射電子を検出せずに二
次電子のみを選択的に検出できるようになる。
【0046】このインレンズ方式では、試料ステージ1
9が対物レンズ17の内部に置かれ、絶縁台9、試料ホ
ルダ21を介して試料18が固定されている。試料ホル
ダ21には重畳電圧6が印加され、試料18と対物レン
ズ17との間で減速電界が作られている。対物レンズ1
7の励磁コイル45は対物レンズ17の上部に固定され
ている。対物レンズ17は8インチのウエハが入る大き
さである。
【0047】図6は、本発明の第5実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例では、強い電界
が印加されると不都合な試料を観察できるようにした点
に特徴がある。
【0048】半導体集積回路では、強電界で素子が破損
することがある。このような問題点を解決するために、
本実施例では対物レンズ17と試料18との間に制御電
極39を設け、当該制御電極39に制御電圧40から数
十ボルトを印加している。
【0049】本実施例によれば、対物レンズ17と試料
18との間に発生した電界が制御電極39によって緩和
され、素子の破損を防ぐことができる。
【0050】図7は、本発明の第6実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。
【0051】上記した第1および第4実施例では、電界
を利用して二次信号を偏向し、これを検出器で検出して
いたが、本実施例では、磁界および電界を利用して二次
信号を偏向するようにした点に特徴がある。
【0052】加速電圧が大きくなって減速電界による最
終段における電子線の減速比が小さくなると、試料に照
射される一次電子線20bと試料から放出される二次電
子24とのエネルギ差が小さくなるので、二次電子24
を吸引するために比較的大きな電界Eを吸引電極13に
より発生させると、当該電界Eによって一次電子20b
も曲げられてしまう。
【0053】本実施例は、このような問題点を解決する
ためになされたもので、磁界による電子線の偏向方向が
電子線の進行方向によって異なることに着目し、電界E
による一次電子線20bの偏向をキャンセルすると共に
二次電子24の偏向量を補足するような磁界Bを発生さ
せるようにしている。
【0054】すなわち本実施例では、一次電子線20b
が、吸引電極13の発生する電界Eによる偏向方向とは
逆方向に偏向されるように磁界Bを発生させる。したが
って、磁界Bの強度を適宜に制御することにより、電子
線20bの電界Eによる偏向がキャンセルされる。
【0055】一方、二次電子24に対しては、磁界Bに
よる偏向方向と電界Eによる偏向方向とが同一方向にな
るので、二次電子の偏向量が大きくなって二次電子の検
出が容易になる。
【0056】図8は、本発明の第7実施例である走査電
子顕微鏡のブロック図であり、前記と同一の符号は同一
または同等部分を表している。本実施例では、単結晶シ
ンチレータを利用して二次信号を検出するようにした点
に特徴がある。
【0057】同図において、単結晶シンチレータ55
は、例えば円筒形状のYAG単結晶を斜めに切断し、そ
の切断面に一次電子20bを通過させるための開口部5
7を設けたものであり、その先端部には金属またはカー
ボン等の導電性薄膜56がコーティングされており、接
地電位が与えられている。
【0058】本実施例では、コンデンサレンズ12で作
られる一次電子線20bのクロスオーバ58が開口部5
7の近傍に来るようにし、対物レンズ17による二次電
子24のクロスオーバ59は開口部57から離れた位置
に来るようにする。このようにすれば、一次電子線20
bは開口部57に遮られることなく、二次電子24も効
率良く検出できるようになる。
【0059】なお、上記した第8実施例では、シンチレ
ータの発光部とライトガイドを共にYAG単結晶により
構成するものとして説明したが、二次電子を検出する発
光部のみをYAG単結晶で形成し、他の部分はガラスや
樹脂などの透明性部材で構成するようにしても良い。
【0060】図9は、本発明の第8実施例である走査電
子顕微鏡の主要部のブロック図であり、前記と同一の符
号は同一または同等部分を表している。
【0061】本実施例では、電子銃を構成する陽極を省
略し、接地された引出電極2と陰極1との間に印加され
た引出電圧4で電子線を加速する。引出電圧4で加速さ
れた電子は対物レンズで17で収束されて試料18に向
かう。試料18には加速電圧5の正極側が接続されてい
る。このとき、低加速電圧の領域では加速電圧5より引
出電圧4の方が高いので、電子線は対物レンズ17と試
料18の間で加速電圧5に減速されて試料に到達する。
電界放出陰極を用いた典型的な例では、引出電圧が3k
V、加速電圧が1kVである。このような構成によれ
ば、陽極および重畳電圧源が省略されるので、構成が簡
素化される。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
一次電子線に対する減速電界を発生させて色収差の低減
とチャージアップの防止とを両立させた走査電子顕微鏡
において、試料から発生する二次電子や反射電子等の二
次信号を減速する第2の減速電界を形成する手段をさら
に設け、第2の減速電界の強度を変化させることで二次
電子および反射電子のエネルギを任意に制御できるよう
にした。したがって、所定のエネルギを有する電子のみ
を選択的に検出し得る検出手段を採用すれば、二次電子
および反射電子の弁別検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である走査電子顕微鏡の構
成図である。
【図2】 図1の走査電子顕微鏡部の構成図である。
【図3】 本発明の第2実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図4】 本発明の第3実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図5】 本発明の第4実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図6】 本発明の第5実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図7】 本発明の第6実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図8】 本発明の第7実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【図9】 本発明の第9実施例である走査電子顕微鏡部
の構成図である。
【符号の説明】
1…陰極、2…引出電極、3…陽極、4…引出電圧、5
…加速電圧、6…重畳電圧、7…コンデンサレンズ、8
…絞り、9…絶縁台、10…調整つまみ、11…上走査
コイル、12…下走査コイル、13…吸引電極、14…
シンチレータ、15…ライトガイド、16…光増倍管、
17…対物レンズ、18…試料、19…試料ステージ、
20…一次電子線、21…試料ホルダ、24…二次電
子、25…チャンネルプレート、28…増幅電圧、29
…アノード電圧、30…増幅器、31…光変換回路、3
3…中央孔、34…メッシュ状電極、35…電気変換回
路、36…フィルタ電圧、37…アノード、39…制御
電極、40…制御電圧、41…シールドグリッド、42
…エネルギフィルタ、55…単結晶シンチレータ、56
…導電性薄膜、61…筐体、77…試料交換機構

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子源と、 該電子源から放出された一次電子線を試料に照射する電
    子光学手段と、 前記一次電子線の試料への照射によって前記試料から発
    生した二次信号を検出するために、前記一次電子線を通
    過させる通過口を備えたチャンネルプレートを含む二次
    信号検出手段と、 前記試料と前記二次信号検出手段との間に前記一次電子
    線を減速する減速電界を形成する手段と、 前記チャンネルプレートと試料との間に、前記二次信号
    を減速する減速電界を生じさせる電極とを具備したこと
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記電極がメッシュ
    状に形成されたことを特徴とする走査形電子顕微鏡。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記電極に
    は、前記チャンネルプレートに対して正の電圧が印可さ
    れることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、前記電極に
    は、前記チャンネルプレートに対して負の電圧が印加さ
    れることを特徴とする走査電子顕微鏡。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4において、前記二次電子
    を減速する減速電界の強度は、前記一次電子線を減速す
    る減速電界の強度よりも強いことを特徴とする走査電子
    顕微鏡。
  6. 【請求項6】 電子源から放出された一次電子線を試料
    上で走査し、当該試料から発生した二次信号に基づいて
    試料像を得る走査電子顕微鏡において、 前記一次電子線の通過口を備えた環状のチャンネルプレ
    ートを含む二次信号検出器と、 前記試料に対する一次電子線の入射エネルギを低減する
    減速電界を形成する手段と、 前記チャンネルプレートと前記試料との間に配置され、
    負の電圧が印加されるメッシュ状電極とを具備したこと
    を特徴とする走査電子顕微鏡。
  7. 【請求項7】 電子源と、 該電子源から放出された一次電子線を試料に照射する電
    子光学手段と、 前記一次電子線を照射された試料から発生した二次信号
    を検出する二次信号検出器と、 前記試料への一次電子線の入射エネルギを低減する第1
    の減速電界を形成する手段と、 前記二次信号検出器への二次信号の入射エネルギを低減
    する第2の減速電界を形成する手段とを備えたことを特
    徴とする走査電子顕微鏡。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記第2の減速電界
    が、前記二次信号検出器および試料の間に配置されるメ
    ッシュ状電極と前記二次信号検出器との間に形成される
    ように、前記各構成要素に電圧が印加されることを特徴
    とする走査電子顕微鏡。
  9. 【請求項9】 請求項7または8において、前記第2の
    減速電界の強度が前記第1の減速電界の強度よりも強い
    ことを特徴とする走査電子顕微鏡。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9のいずれかにおいて、
    前記二次信号検出器はチャンネルプレートを含むことを
    特徴とする走査電子顕微鏡。
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