JPH11244938A - レーイング式巻取機により巻き取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去方法 - Google Patents

レーイング式巻取機により巻き取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去方法

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JPH11244938A
JPH11244938A JP6951798A JP6951798A JPH11244938A JP H11244938 A JPH11244938 A JP H11244938A JP 6951798 A JP6951798 A JP 6951798A JP 6951798 A JP6951798 A JP 6951798A JP H11244938 A JPH11244938 A JP H11244938A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーイング式巻取り法により巻き取ったコイ
ルからフープ筋等の建築土木用資材としての曲げ加工材
を工場で製作する際に、歪みが小さく形状のバラつきが
極めて少なく、所望する精度におさめて両端を接合する
ための溶接作業が容易となるようにするため、コイル状
の異形線材から捩れを予め除去できるようにすること。 【解決手段】 異形線材1を曲げ加工機へ導入するため
にコイル2から繰り出すとき、異形線材をコイルの軸線
2aの方向へ引き出す。これによって、異形線材自体に
捩れを与えてレーイングヘッド装置のエントリパイプ内
で生じた捩れと相殺するようにして、以後のフープ筋な
ど二次加工品を製造する際の曲げ時の無用な変形を可及
的に抑制することができる。フープ筋の平坦性が高く端
部の突き合わせバット溶接が容易で、所望強度を発揮す
る資材を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーイング式巻取機
により巻き取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去
方法に係り、詳しくは、圧延された異形線材をレーイン
グ式巻取り法により巻き取ったコイルから、建築用二次
加工資材を製作するための曲げ加工をする際に、レーイ
ングパイプの上流側に位置するエントリパイプ内で生じ
た異形線材自体の捩れを除去できるようにした方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート製構築物には、コンクリー
トとの密着性を高めるために異形断面を備えた異形材が
鉄筋として使用される。例えば柱等では多数の縦筋を配
置した後に、その外周部に位置する主筋を取り巻くよう
に約100mmピッチの多段状となるように配置される
横筋としてのフープ筋にも異形線材が採用される。フー
プ筋は線材を順次折り曲げて矩形状やサークル状の枠体
に曲げられたものであるが、その太さは柱の大きさに応
じて通常5.5mmないし16mm程度の直径のものか
ら適宜選択される。
【0003】異形線材を工事現場において主筋の位置や
間隔に合わせて曲げることによりフープ筋を作る場合
は、長尺な直線状の線材が使用される。この場合、現場
で曲げ作業が要求されることから能率が極めて低い。こ
れに代えて、予め枠状にしたフープ筋を持ち込むことに
すれば、フープ筋を設備の整った工場で曲げ加工し予め
端部を突き合わせて溶接しておくことができ、フープ筋
としての強度も高めておくことができる。
【0004】ところで、フープ筋を工場で製作する場合
は自動曲げ機により連続的して曲げ加工することができ
るので、その曲げ機に導入される異形線材も連続材が使
用される。一方、長い異形線材は圧延後の運搬時の取り
扱いの利便や保管時の嵩張りを少なくするために巻き取
られることが多く、したがって異形線材としては圧延し
冷却された後に巻き取られた姿で曲げ加工工場へ搬入さ
れる。
【0005】圧延設備から流れ出る線材の巻き取り法と
しては、従来から直接線束状に巻き取るガントレット式
巻取り法と、導入される線材を連続的にスパイラル状に
巻きながら先行する巻き部から順次搬出していくレーイ
ング式巻取り法がある。前者の方式は線材に捩れを与え
ることなく巻き取ることができる利点があるが、巻取り
機構上生産性が後者に比べると著しく劣ったものとな
る。
【0006】後者のレーイング式巻取機を使用した場合
には高速集束して生産性は高いが、巻取機に誘導された
圧延線材がレーイングヘッド内で軸回りに回転しながら
コイル状に成形される過程で必然的に捩れることにな
る。そのために、集束装置で集束された線材を伸直して
も、捩れが残るという建築土木用材料としては無視でき
ない欠点を有する。
【0007】ここで図を基にしてレーイングヘッド装置
による巻き取り要領を簡単に説明する。加熱炉から取り
出された鋼材は、粗ロール圧延機,中間ロール圧延機を
経て仕上げロール圧延機を通過する間に例えば5.5m
mないし16mm径の線材に圧延される。その線材が冷
却ゾーンで水冷されて側寸機近傍の復熱ゾーンで復熱さ
れた後に再度冷却ゾーンで冷却され、仕上げロール圧延
機から例えば45mも離れた位置の図6に示すピンチロ
ール装置21へ送られる。
【0008】ピンチロール装置の下流側に設けた導出管
22から送り出される850℃ないし900℃の線材1
は例えば24mmしか隔たっていないレーイングヘッド
装置23に受け渡される。レーイングヘッド装置は誘導
機24と巻取機25とから構成され、誘導機にはパスラ
イン26aに沿った図7に示す中空管27とその前端部
内に配置された図8に示すエントリパイプ28とを備え
る。一方、巻取機25にはエントリパイプの下流側開口
に臨み、図7に示すように線材1をスパイラル状に巻く
ための螺旋状をしたレーイングパイプ29が備えられて
いる。
【0009】エントリパイプ28(図8を参照)は例え
ば85m/秒といった高速で通過する線材1をガイドす
るものであり、これによって線材はエントリパイプ28
を通過した後にレーイングパイプ29(図7を参照)内
へ円滑に導入されるようになっている。レーイングパイ
プによってスパイラル状となった後は下流側開口から約
1,300mm径の連続したコイル状となるが、ステル
モアコンベア30上に横倒しするように重ねられ、集束
部に向けて搬送される。ステルモアコンベアを出たとこ
ろで上下に重なるように束ねられた線材は図示しないダ
ウンエンダで横姿勢とされ、ハンガーコンベアで所定位
置へ搬出して以後結束や秤量などの処理を施し出荷され
る。
【0010】なお、図6においてピンチロール装置21
の上流側に位置するトラフは入側トラフ31と出側トラ
フ32とからなり、後者が水平なパスライン26bに沿
って配置された入側トラフ31に対して例えば7.5度
下向きに傾斜され、その出側がピンチロール装置の導入
管33に連なっている。トラフ以後のパスライン26a
が傾斜しているのは、巻取機25のレーイングパイプ2
9から吐き出される線材1をステルモアコンベアの上面
で自重により前倒して横置きできるようにするためであ
る。
【0011】上記した巻き取り工程において、導出管2
2ではピンチロールから引き出された線材を案内すると
共に、そこを通過する間に線材1のある程度の真直性が
保持もしくは回復され、線材が円滑にレーイングヘッド
装置のエントリパイプへ導入されるようになっている。
エントリパイプは遊転構造であったりレーイングパイプ
とは前記した中空管27および回転軸34(図7を参
照)を介するなどして一体回転構造であったりするが、
レーイングパイプが回転軸に支持されかつ回転軸と共に
回転して線材1をスパイラル状にして吐き出すとき、そ
の回転が下流側から見て矢印35のように右回転してい
ると、エントリパイプ28内では太い仮想線で示すよう
に線材1が波打ちしながら、反対方向の矢印36のよう
に左回転の捩れが自ずと与えられることになる。
【0012】このようにしてスパイラル状となった異形
線材(BIC:バーインコイル)1から前記したフープ
筋を製作するといった二次加工をする場合には、図9の
ように、線材1がピンチロール装置4で引き出されると
共に矯直機5により曲げが矯正される。この場合、コイ
ル状に巻き取られた線材のコイル2はサプライヤに立設
された複数のガイドバー37に通して回転テーブル38
上に竪置きされ、ガイドローラ39を経て接線方向に引
き出される。
【0013】ところが線材は上記したようにそれ自体が
エントリパイプ28内で既に捩れているので、その捩れ
を持ったままピンチロール装置4によって引き出される
ことになり、曲げ加工機6の曲げ用ロール9に到達した
時点でも捩れは残ったままとなる。異形線材1の表面に
は図10のようにリブ8があるだけでなくそれが図のよ
うに相互にクロスしたり斜めとなったりしている。いず
れにしても規則正しく紋様が与えられているといっても
長手方向に一定の軸対称形ではないので、曲げ用ロール
9に導入された線材に残る捩れにより、曲げ用ロールと
の接触状態が線材の流れに応じて時々刻々変化すること
になる。
【0014】すなわち、曲げ用ロールには異形線材の節
1aが接触することもあればリブのない径の細くなって
いる部分に接触する。また、リブの位置によっては曲げ
られる部分の剛性が高くなっているところや低いところ
が生じている。例えば図11のような矩形のフープ筋1
0を成形する場合に、対向する一対の曲げ用ロール9に
リブが載ると曲げ力をかわすようにロールから滑って曲
げ部の位置が少しずれるといったことも起こり、所望す
る曲げ角度が得られなくなったりする。
【0015】また、曲げ用ロール9の配置は図12のご
とくであり、そのうちの外側押さえロール9aは内側押
さえロール9bの軸芯を中心に回転するアーム9cの途
中もしくは先端に軸承され、線材の径に応じて決められ
たほとんど一定の曲げ力により、図11の姿勢から図1
2の(a)の姿勢へと回動されるようになっているの
で、曲げ部の剛性の高低によっても所望する一定の曲げ
角度を与えることが難しくなる。なお、捩れは例えば線
材の3.5mないし4mあたり一回転となっているとは
いえ、捩れの一回転した部分ごとにフープ筋の折り曲げ
位置が来るわけではなくまたリブの成形ピッチとも一致
するわけでないことから、それを見込んで曲げ用ロール
へ同じ断面部が到達するように調整するといったことは
ほとんど不可能である。
【0016】とりわけ図12の(b)のようにフープ筋
10Aがサークル状である場合は、いずれの部分も僅か
ずつ曲げられることになるのでその都度の曲げ角度が不
揃いとなり、その結果、同一の曲率半径を持ったリング
形状が得られ難い。矩形等のいずれの形状のフープ筋も
所望する正確な矩形やサークルなどとはならず、極端に
表現すれば90度の曲がりを所望する箇所がそれよりず
れて図13の(a)のようにやや菱形状に歪んだフープ
筋となったり、サークル状となるのを所望しても楕円状
となってしまう。
【0017】このようなバラつきがあると後工程で溶接
しても歪みが残ったままとなり、工事現場で主筋に嵌め
難くなって、製品として満足できるものとはならなくな
る。最も甚だしくは、曲げ加工の際に曲げ用ロールによ
って発生する曲げ変形と線材に残る捩れ歪みとの相乗作
用により、線材が所望外の方向に曲がって図13の
(b),(c)のようフープ筋10の平坦性が損なわ
れ、クローズした形の両端が食い違うことになって、そ
の後の突き合わせバット溶接における作業の困難を極め
る結果となる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】そこで、レーイング式
巻取り法による異形線材を二次加工する際には、自動曲
げ機にわざわざ作業員を配置し、不出来なフープ筋を発
見できるようにすると共にそれを手直すといった作業が
余儀なくされ、また人件費の増大や手間暇を要していた
のが現状である。これを解決するために、異形線材とは
いっても曲げ加工時の品質を上げるべく異形の形状に種
々の工夫を施こし、かつフープ筋の平坦度誤差δ(図1
3の(b),(c)を参照)が例えば5mm以内という
自主的に定めた平面歪の許容誤差内におさめる努力が重
ねられている。
【0019】ちなみに、特許第2,659,071号公
報に記載されているように、圧延された線材をエントリ
パイプに導入する以前に反対方向の捩れを予め与えてお
き、レーイングパイプによる捩れによって相殺するよう
なことも行われている。しかし、誘導機側にそのための
装置が必要となり、設備が大掛かりとなる。そればかり
でなく、レーイングパイプにおいては巻き取り径によっ
て捩れの程度が異なることになるので、予め与える逆の
捩れも種々なものに変更できるものになっていなければ
ならなく、機構が複雑化する難点がある。
【0020】本発明は上記した問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、レーイング式巻取り法により巻き取っ
たコイルからフープ筋等の建築土木用資材としての曲げ
加工材を工場で製作する際に、歪みが小さく形状のバラ
つきが極めて少なく、所望する精度におさめて両端を接
合するための溶接作業が容易となると共に、所望する接
合強度を発現させることができるようにすること、それ
によって、工事現場に持ち込んだとき縦筋群の周囲に容
易に落とし込むことができ、横筋としての機能を十分に
発揮できると共に作業の円滑化を図ること、その曲げ加
工工程に特別なまたは大掛かりな装置を導入するまでも
なく、異形線材の捩れを曲げ加工に先立って除去するこ
とができるようにしておくこと、を実現したレーイング
式巻取機により巻き取られたコイル状の異形線材からの
捩れ除去方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、圧延して冷却
された後の異形線材をレーイング式巻取り法により巻き
取ったコイルから、コンクリート柱等の主筋を取り巻く
ためのフープ筋等の曲げ加工品を成形する際に、レーイ
ングパイプの上流側に位置するエントリパイプ内で生じ
た異形線材自体の捩れを除去する方法に適用される。そ
の特徴とするところは、図1を参照して、異形線材1を
曲げ加工機6(図4を参照)へ導入するためにコイル2
から繰り出すとき、異形線材をコイルの軸線2aの方向
もしくはコイルの軸線に対して±20度以内の方向へ引
き出すようにしたことである。
【0022】なお、異形線材1のコイル2から引き出さ
れる部分を除くいずれかの箇所もしくは終端部位2b
を、固定しておくことが好ましい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、異形線材のコイルから
曲げ加工機へ導入するために線材を繰り出すとき、コイ
ルの軸線方向もしくはコイルの軸線に対して±20度以
内の方向へ引き出すようにしているので、その繰り出し
によって線材に生じる捩れとレーイング式巻取り時に発
生した捩れとが打ち消しあい、曲げ加工機へは捩れのな
い線材を導入することができるようになる。したがっ
て、巻き取り速度の高いレーイングヘッド装置により巻
き取った異形線材をフープ筋等の建築土木用二次材料と
すべく曲げ加工を施しても、各曲げ部における変形の不
揃いを可及的に抑えかつその平面歪を2mm程度以下に
しておくことができ、平坦性が高く端部の突き合わせバ
ット溶接が容易で所望強度を発揮する資材を製造するこ
とができる。捩れの除去のために特別な装置を導入した
り特殊な操作を行う必要もなく、加工資材の低廉化を実
現することができる。
【0024】異形線材のコイルから引き出される部分を
除くいずれかの箇所もしくは終端部位を固定してコイル
の回転を誘発しないようにしておけば、線材を繰り出す
際のコイル形状の乱れが少なく、また支持構造物に作用
する無用な力の発生を回避しておくことができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に掛かるレーイン
グ式巻取機により巻き取られたコイル状の異形線材から
の捩れ除去方法を、それを実施するにふさわしい装置を
表した図面を基にして詳細に説明する。図1は本方法を
実施するための概略構成を示し、異形線材1のコイル2
はその軸線2aが略水平となるように支持されており、
異形線材1を曲げ加工機へ導入するためにコイル2から
繰り出すとき、異形線材1をコイルの軸線の方向へ引き
出すようになっている。
【0026】詳しく述べると、異形線材の捩れ除去機構
を含んだ曲げ加工設備として、図4に示すように、集束
された異形線材1のコイル2を横置きにした状態で懸架
するハンガー装置3,線材を引き出すピンチロール装置
4,繰り出された線材の曲げを矯正するを矯直機5,線
材をフープ筋等の建築土木用材料として所望する形状に
曲げ加工する自動曲げ機6とが備えられている。
【0027】ハンガー装置3はハンガー架台3aに固定
された水平に延びる支持アーム3bを有しており、支持
アーム3bに通されたコイル2がその軸線2aを水平に
した状態で懸架される。なお、線材1はコイル2の自重
により支持アーム3b上で動くことなく懸架状態を維持
するが、線材の繰り出しを案内するためのガイドロール
装置7が適宜の位置に配置される。
【0028】ピンチロール装置4は線材1の引き出しを
コイル2の軸線2aの方向とすべく水平に設置されてい
るが、その位置は軸線2aと一致するか平行としておけ
ばよい。いずれにしてもコイル2からの繰り出しが容易
となる適当な高さ位置にあればよい。なお、自動曲げ機
6のおおよその構成と機能は従来技術の項で述べたの
で、ここでは割愛する。
【0029】このような各装置の配置としておけば、ピ
ンチロール装置4で線材1を引き出したときに捩れが与
えられ、これによってレーイングヘッド装置のエントリ
パイプ内で生じた捩れが相殺されることになる。このよ
うな方法は以下の知見に基づくものである。
【0030】一般に、線材をコイル状に巻く場合に、そ
の線材を自由状態にして例えば丸い断面の芯材に巻き付
けると、線材に捩れを与えることなくコイルとすること
ができる。そのコイルを接線方向に引いて解く場合には
線材自体に捩れを与えることなく繰り出すことができ
る。一方、コイルを軸線方向に引いて解く場合には、線
材自体にコイル一回転分の捩れがその回転と同じ方向に
生じる。
【0031】ところで、圧延して冷却された後の異形線
材をレーイング式巻取り法により巻き取ったコイルに
は、その巻き取り方向とは逆方向の回転をなす捩れが発
生している。これはレーイングヘッド装置により巻き取
る際に、線材の上流側が実質的に自由な状態にないから
である。したがって、巻き取られたコイルの線材にはコ
イル一回転分の長さの部分でコイルの回転と逆方向の3
60度の捩れが生じている。
【0032】レーイング式巻取り法により巻き取ったコ
イルの直径が1,300mmであれば、その円周長さは
1,300×π=4,082mmであり、理屈上約4m
ごとに一回転の捩れが与えられることになる。レーイン
グヘッド装置により1,300mmの直径のコイルに巻
き取った公称呼び径10mmの線材の16mにおける捩
れを調べると、図2中の白い四角の計測点から分かるよ
うに1,440度すなわち4回転のリニアーな分布の捩
れが発生している。
【0033】一方、捩れのないコイルを軸線方向に引き
延ばすと線材の回転数だけ捩れがあることは上で述べた
とおりであり、幸いなことにレーイング式巻取り法によ
り巻き取ったコイルの線材に与えられた捩れは逆方向と
なっている。したがって、本発明のように操作すれば、
理論上最初に与えられた捩れが後で生じる捩れによって
完全に相殺されることが分かる。その結果、捩れの除去
されたであろう線材の捩れの有無を計測すると、図2中
の白い丸の計測点のように、完全と言ってよいほどに捩
れが消失している。
【0034】異形線材1の表面には図10で説明したよ
うにリブ8があるだけでなくそれが図のように相互にク
ロスしたり斜めとなったりしている。したがって、線材
は軸対称形の断面を持たないので、本発明によって捩れ
を持っていなくても自動曲げ機6に導入された線材と曲
げ用ロール9との接触状態が線材の流れに応じて時々刻
々変化することになる。捩れを伴っている場合には曲げ
加工の際に曲げ用ロールによって発生する曲げ変形と線
材に残る捩れ歪みとの相乗作用によって線材が所望外の
方向に曲がるといったことになるが、捩れに基因した無
用の変形は回避され、図13の(b),(c)のように
フープ筋10の平坦性が損なわれることはなく、その平
面歪を2mm程度以内にとどめておくことができる。
【0035】それゆえに、フープ筋をクローズした形状
とすべく両端を対向させた位置で食い違いが生じること
はなく、その後の突き合わせバット溶接における作業性
や溶接品質の向上が図られる。アプセットバット溶接部
10aの膨らみが図3の(a)のようにオフセットのな
い溶接となったり、図3の(b)のようにオフセットε
が生じても可及的に許容される範囲におさまる。また、
曲げ部で少しの角度誤差が発生するにしても図13の
(a)のような甚だしいものとならなくなる。
【0036】以上の説明から分かるように、本発明の方
法によればレーイング式巻取り法により生じた捩れが自
動曲げ機に導入される前に除去しておくことができる。
したがって、捩れは生じないが巻き取り速度の遅いガン
トレット式巻取り法を採用する必要もなくなる。不良品
は可及的に減少し自動曲げ機への作業員の配置や作業員
による手直し作業も不要となる。さらに、異形線材の表
面形状ならびに断面形状を曲げ加工を考慮して選定する
必要がなくなり、コンクリートを打設したときの密着性
や圧延時のロールの成形性等を配慮するだけで済むこと
になり、異形線材の設計上の自由度を増すことができ
る。
【0037】このような方法は、特別な装置を導入する
までもなく簡単な構成でもって実現され、捩れを理屈上
完全に除去することができるようになる。フープ筋に
は、曲げ加工時に発生する歪みが小さくなって形状や溶
接に関する品質のバラつきが極めて少なく、縦筋の上か
らフープ筋を簡単に落とし込むことができ、製品として
極めて満足のいくものが提供される。
【0038】ところで、図4においてコイル2から異形
線材1を引き出すうちにコイルの残存巻き数が減少す
る。ハンガー装置3上の巻き数が極めて少なくなると線
材の自重による支持アーム3b上での静置状態に変化が
生じる。線材を引き出すたびにコイル2が支持アームの
ところで回転することがあると、相殺するための捩れ量
の発生が少なくなる。このようなことを考慮して、支持
された異形線材1のコイル2の終端部位2bを例えばハ
ンガー架台3aにフッキングするなどして固定しておく
ことが好ましい。
【0039】もしくは、支持アーム3bの上方に、引き
出し速度に応じてハンガー架台3aの方向へ徐々に退避
することができる図示しないプッシャを設けておくこと
もできる。これによって、引き出されていない部分のコ
イルの上面を支持アームに押圧しておけば、コイルを拘
束しておくことができる。これから分かるように、異形
線材のコイルから引き出される部分を除くいずれかの箇
所もしくは終端部位を固定し、コイルの回転を誘発しな
いようにしておけばよい。
【0040】上記した捩れ除去装置の例は、ピンチロー
ル装置4によって線材1をコイル2の軸線方向に引き出
すようにしているが、図5のようにハンガー装置3上の
支持アーム3bを例えば上方向へ20度傾斜させ、線材
1を水平に引き出すようにしてもよい。しかし、20度
を越えると引き出し中に発生する相殺用の捩れ分布に変
化が生じたり、懸架状態にある残余コイルが縛りがって
となり、引き出しにくくなってしまう。支持アームにも
無用の力が掛かることになり、装置に過剰な剛性が要求
されるなどすることになるので好ましくない。
【0041】なお、支持アームを下方向へ20度傾斜さ
せておいてもよい。また、支持アームを水平にしてお
き、線材の引き出す方向を上または下方向へ20度まで
傾斜させても差し支えない。支持アームを垂直な姿勢と
する場合には線材を上方へ引き出し、その後に自動曲げ
機6に向けて水平に進行するように線材を流しさえすれ
ばよい。いずれにしても、異形線材をコイルから繰り出
すとき、コイルの軸線方向もしくはコイルの軸線に対し
て±20度以内の方向へ引き出すようにして、異形線材
自体に捩れを与えてエントリパイプ内で生じた捩れと相
殺するようにしておけばよい。
【0042】以上の説明においてフープ筋を製作する場
合について述べたが、本発明は建築土木用資材にかぎら
ず、レーイング式巻取り法により巻き取られたコイルか
ら線材を取り出し、それを曲げ加工して二次製品を製作
する場合にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーイング式巻取機により巻き
取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去方法を実施
するための装置の概略システム図。
【図2】 レーイング式巻取り法によって線材に長手方
向に生じた捩れの分布および本発明により捩れを除去し
た後の捩れ分布の計測例を表したグラフ。
【図3】 突き合わせバット溶接をしたフープ筋の両端
の接合状態を表したもので、(a)オフセットのない状
態の部分図、(b)は少しオフセットの残っている場合
の部分図。
【図4】 本方法を実施する装置の具体的な一例を表し
た曲げ加工設備の全体図。
【図5】 コイルの姿勢を傾斜させた場合の装置の具体
的な一例を表した曲げ加工設備の全体図。
【図6】 レーイング巻取機の全体外観図。
【図7】 レーイング巻取機のうちの巻取機の部分の内
部構成図。
【図8】 レーイング巻取機のうちの誘導機の内部に設
置されたエントリパイプの部分のみを表した断面図。
【図9】 従来の曲げ加工設備の全体図。
【図10】 異形線材の表面に施されたリブ等による凹
凸およびその紋様を表した部分図。
【図11】 曲げ加工機における曲げ用ロールによって
矩形状のフープ筋を製作している状態を示す加工状態斜
視図。
【図12】 (a)は曲げ用ロール部分の拡大斜視図、
(b)はサークル状のフープ筋を製作している状態の曲
げ用ロールの斜視図。
【図13】 (a)は外観形状が所望外となった矩形状
のフープ筋の一例を表した平面図、(b)および(c)
は異形線材に捩れがあることにより曲げ成形されたフー
プ筋の平坦性が損なわれ、δの平面歪の生じている状態
を表したフープ筋の側面図。
【符号の説明】
1…異形線材、2…コイル、10…フープ筋、6…曲げ
加工機(自動曲げ機)、2a…軸線、2b…終端部位。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井手 迫利文 大阪府大阪市西淀川区西島1丁目1番2号 合同製鐵株式会社大阪製造所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延して冷却された後の異形線材をレー
    イング式巻取り法により巻き取ったコイルから、コンク
    リート柱等の主筋を取り巻くためのフープ筋等の曲げ加
    工品を成形する際に、レーイングパイプの上流側に位置
    するエントリパイプ内で生じた異形線材自体の捩れを除
    去する方法において、 該異形線材を曲げ加工機へ導入するためにコイルから繰
    り出すとき、異形線材をコイルの軸線方向もしくはコイ
    ルの軸線に対して±20度以内の方向へ引き出すように
    し、これによって異形線材自体に捩れを与えて前記エン
    トリパイプ内で生じた捩れと相殺するようにしたことを
    特徴とするレーイング式巻取機により巻き取られたコイ
    ル状の異形線材からの捩れ除去方法。
  2. 【請求項2】 前記異形線材のコイルから引き出される
    部分を除くいずれかの箇所もしくは終端部位を固定し、
    コイルの回転を誘発しないようにしておくことを特徴と
    する請求項1に記載されたレーイング式巻取機により巻
    き取られたコイル状の異形線材からの捩れ除去方法。
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