JPH11245107A - タレット刃物台装置 - Google Patents

タレット刃物台装置

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JPH11245107A
JPH11245107A JP4691898A JP4691898A JPH11245107A JP H11245107 A JPH11245107 A JP H11245107A JP 4691898 A JP4691898 A JP 4691898A JP 4691898 A JP4691898 A JP 4691898A JP H11245107 A JPH11245107 A JP H11245107A
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庸二 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 支持台上の割出し位置にタレットを固定的に
保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、新た
な電動機を追加することなく電動化する。 【解決手段】 タレット刃物台装置10は、支持台20
とタレット24との双方に係合可能な可動係合部材40
を備える。可動係合部材40は、本体部42の後端に複
数の脚44を介して連結される環状カム部46と、本体
部42の前端にボルト47で取着される環状カップリン
グ部48とを備える。環状カム部46は、溝カムリング
要素72の環状溝路70に摺動可能に受容される従動リ
ング要素74を備える。支持台20が工具送り台上でX
軸移動すると、溝カムリング要素72の環状溝路70内
で従動リング要素74が回転し、溝カムリング要素72
を軸方向へ移動させる。それにより、環状カップリング
部48に設けた歯54が、支持台20の固定歯58及び
タレット24の回転歯62に係合及び離脱する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、旋盤等の工作機械
に設置される回転刃物台装置に関し、特に、刃物台の旋
回割出し動作により選択された工具を割出し位置に固定
的に保持するために、旋回割出し後に刃物台の回転を阻
止する係止手段を備えたタレット刃物台装置に関する。
【0002】
【従来の技術】旋盤等の工作機械において、加工作業の
自動化及び高速化を促進するために、予め多数の工具を
担持するとともに、所望の工具を旋回割出し動作により
選択して、工作機械の加工作業位置に位置決めする回転
式刃物台構造、すなわちタレット刃物台装置を備えたも
のは周知である。例えば、NC旋盤等の自動旋削機械で
使用されるタレット刃物台装置は、一般に、回転主軸に
対向して機台上に設置される工具送り台と、工具送り台
上で所与の座標軸に沿って移動可能に設置される支持台
と、支持台に回転可能に支持され、多数の工具を回転軸
線の周囲に所定間隔で担持するタレットとから構成され
る。
【0003】この種のタレット刃物台装置では、タレッ
トを旋回割出し動作させた後、選択した工具によりワー
クに加工を施す間は、支持台上でタレットを強固に固定
する必要がある。その目的で、一般にタレット刃物台装
置は、支持台上の複数の割出し位置の各々でタレットを
係止する係止手段を備える。従来、この係止手段は、タ
レットと支持台との各々に設けられた互いに係合可能な
一対の係合部材と、それら係合部材を係合位置と離脱位
置との間で相対移動させる係脱駆動機構とから構成され
る。係合部材としては、噛合いクラッチ状の構造を有す
る相互係脱自在なカップリングが一般に使用されてい
る。この場合、係脱駆動機構は、タレット側の係合部材
を支持台側の係合部材に対し軸方向へ移動させるように
構成される。
【0004】工具の選択手順としては、まず、1つの工
具によるワーク加工が終了した段階で、タレットと共に
支持台を工具送り台上で移動して、工具を加工作業位置
から工具交換位置へ送る。次に、係脱駆動機構の駆動に
よりタレット側係合部材を移動して支持台側係合部材か
ら脱離し、その状態で、別の回転駆動源によりタレット
を回転して旋回割出しを行い、所望の工具を選択する。
次いで、係脱駆動機構の駆動によりタレット側係合部材
を支持台側係合部材に係合させて、選択した工具を割出
し位置に固定的に保持する。その状態で、タレットと共
に支持台を工具送り台上で移動して、選択した工具を工
具交換位置から加工作業位置へ送る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】NC旋盤等の自動旋削
機械は、主軸の回転駆動源、工具送り用の各軸駆動源、
チャックの開閉駆動源等、制御対象の異なる複数の駆動
源を備える。これら駆動源には、特に高速かつ高精度の
応答を要求される部位(主軸、工具送り等)ではサーボ
モータが一般に使用されている。さらに近年、チャック
の開閉駆動源や、前述したタレット刃物台装置のタレッ
ト回転駆動源のように従来、油圧又は空圧アクチュエー
タを用いていた部位にも、環境衛生や作動信頼性の点で
有利なサーボモータが使用される傾向にある。
【0006】しかしながら、前述したタレット刃物台装
置の係脱駆動機構では、要求される動作が一方の係合部
材を軸方向へ僅かに移動させるだけの単純な動作である
ことにも起因して、電動化が遅れ、多くは未だに油圧又
は空圧アクチュエータが使用されている。油空圧アクチ
ュエータは、騒音や大気汚染による作業環境の悪化、設
備コストの上昇、機械の大型化、応答精度の低さ等の問
題を一般に有するものである。特に、係脱駆動源として
油圧シリンダを用いた場合は、作動油の温度変化により
動作速度が容易に変化してしまうので、係合部材の係脱
に要する時間が変動し、一連のタレット割出し動作の安
定的制御が困難となるだけでなく、油圧シリンダ自体が
相当の熱源となることから、その周辺の機械構成要素の
動作に影響を及ぼす危惧がある。したがって、タレット
刃物台装置の係脱駆動機構をも電動化することが所望さ
れている。
【0007】他方、駆動源を電動化したタレット刃物台
装置は、タレット回転駆動源としてのサーボモータを支
持台に設置し、またバイト等の固定工具だけでなくドリ
ル等の回転工具も担持できる構成の場合には回転工具用
のサーボモータも支持台に設置することになる。そし
て、係脱駆動機構の電動化の要求に答えるべく、係脱駆
動源としてのサーボモータをさらに支持台に設置するよ
うな場合は、旋削機械上での所与の座標軸に沿った移動
要素の1つである支持台部分の重量を不要に増加させ、
応答精度の低下を生じるだけでなく、機械全体の寸法拡
大、製造及び運転コストの上昇といった課題を生じる。
【0008】したがって本発明の目的は、支持台上の割
出し位置にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除す
るための係脱駆動機構を、新たな電動機を追加すること
なく電動化でき、以て、騒音や大気汚染の軽減、応答精
度の向上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏する
とともに、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性
能化を促進できるタレット刃物台装置を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の本発明は、工作機械上で所与の座
標軸に沿って移動可能に設置される支持台と、支持台に
回転可能に支持され、多数の工具を回転軸線の周囲に所
定間隔で担持するタレットと、支持台上の旋回割出し位
置でタレットを支持台に対し固定的に保持する係止手段
とを具備したタレット刃物台装置において、係止手段
は、タレットと支持台との双方に関連付けて設置され、
互いに係合可能な固定側係合要素と可動側係合要素とを
少なくとも有する係合機構と、係合機構の可動側係合要
素を、固定側係合要素に係合してタレットの回転を阻止
する係合位置と、固定側係合要素から離脱してタレット
の回転を解除する離脱位置との間で移動させる駆動機構
とを備え、駆動機構は、工具を加工作業位置と工具交換
位置との間で運ぶための支持台の移動に連動して、可動
側係合要素を移動させる連動装置を備えることを特徴と
するタレット刃物台装置を提供する。
【0010】請求項2に記載の本発明は、請求項1に記
載のタレット刃物台装置において、駆動機構の連動装置
は、工作機械に設けられる第1のカムと、支持台に設け
られ、一端で第1のカムに摺動可能に接触するとともに
他端で係合機構の可動側係合要素に係合する従動アーム
とを備え、支持台が移動する際に生じる従動アームの揺
動により可動側係合要素が係合位置と離脱位置との間で
移動するように構成されたタレット刃物台装置を提供す
る。
【0011】請求項3に記載の本発明は、請求項2に記
載のタレット刃物台装置において、従動アームの他端と
係合機構の可動側係合要素との間に第2のカムが形成さ
れるタレット刃物台装置を提供する。
【0012】請求項4に記載の本発明は、請求項1〜3
のいずれか1項に記載のタレット刃物台装置において、
係合機構の固定側係合要素は、支持台に固定的に形成さ
れた複数の固定歯からなり、可動側係合要素は、タレッ
トに固定的に形成された複数の回転歯と、支持台の固定
歯及びタレットの回転歯の双方に係合可能に設置される
移動歯とからなり、駆動機構が移動歯を、固定歯及び回
転歯の双方に係合する係合位置と少なくとも回転歯から
離脱する離脱位置との間で移動させるように構成された
タレット刃物台装置を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明をその実施形態に基づき詳細に説明する。各図面にお
いて、同一又は類似の構成要素には共通の参照符号を付
す。図1を参照すると、本発明の一実施形態によるタレ
ット刃物台装置10が、NC旋盤等の自動旋削機械に搭
載された状態で示されている。タレット刃物台装置10
は、自動旋削機械の回転主軸12に対向して配置され
る。回転主軸12は、ハウジング状の主軸台14に搭
載、収容され、旋削加工すべき棒材Wを掴持して、図示
しない駆動源により回転駆動される。タレット刃物台装
置10は、棒材Wの加工に必要な多数の工具を予め所定
位置に担持するとともに、棒材Wの加工箇所に応じて所
望の工具を旋回割出し動作により選択し、自動旋削機械
の回転主軸12先端の加工作業位置に位置決めする。
【0014】タレット刃物台装置10は、回転主軸12
に対向して自動旋削機械の機台16上に設置される工具
送り台18と、工具送り台18上で所与の座標軸に沿っ
て移動可能に設置される支持台20と、支持台20に回
転可能に支持され、多数の工具22を回転軸線の周囲に
所定間隔で担持するタレット24とから構成される。図
示実施形態では、工具送り台18が、回転主軸12の中
心軸線に略平行なZ軸方向へ、図示しないZ軸送りモー
タの駆動により移動し、支持台20が、回転主軸12の
中心軸線に略直交するX軸方向へ、図示しないX軸送り
モータの駆動により移動する構成を有し、タレット24
上で選択された各種工具22が両軸送り動作の下で棒材
Wを所望形状に旋削するようになっている。
【0015】図2及び図3は、支持台20に支持される
タレット24の構造を詳細に示す。タレット24は、円
柱又は角柱状の外形を有する中空の頭部26と、頭部2
6の軸方向一端面から軸方向へ同心に延設される中空円
筒状の軸部28とを備える。タレット24の頭部26
は、支持台20の前端面(図で右端)から外方へ突出し
て配置され、その径方向外周面には、工具22を装着す
る複数の工具装着部30が所定の割出し角度毎に設けら
れる。それら工具装着部30は、図示のようにバイト等
の固定工具22aをホルダ32を介して固着するための
固定工具装着部30aと、ドリル等の回転工具(図示せ
ず)を回転可能に装着するための回転工具装着部30b
とを備える。さらに回転工具装着部30bは、1つの割
出し角度位置において、互いに軸方向へ離間した2か所
に形成されている。
【0016】なお、回転工具は、頭部26及び軸部28
の内部に設置される駆動軸及び駆動歯車(いずれも図示
せず)を介して、一般に支持台20の後端(図で左端)
に設置される図示しない専用のサーボモータによって駆
動できる。しかし、タレット24が回転工具装着部30
bを備えることは必須ではなく、固定工具装着部30a
のみを備えることもできる。その場合、タレット刃物台
装置10は、回転工具用駆動源としてのサーボモータを
備えない構成となる。
【0017】タレット24の軸部28は、支持台20の
タレット受容空洞部34に回転可能に受容され、その後
端すなわち頭部26の反対側の端部で、歯車列36を介
して、タレット回転駆動源であるサーボモータ38に接
続される。サーボモータ38は、例えば支持台20の後
端(図で左端)に固定的に連結される。サーボモータ3
8の駆動により、タレット24は旋回割出し動作を遂行
し、所望の工具装着部30に装着された所望の工具22
を選択する。
【0018】タレット刃物台装置10は、旋回割出し後
のタレット24の不要な回転を阻止する係止手段とし
て、支持台20とタレット24との双方に係合可能な可
動係合部材40と、可動係合部材40を係合位置と離脱
位置との間で移動させる駆動機構(後述する)とを備え
る。可動係合部材40は、支持台20のタレット受容空
洞部34を画成する筒状内壁面34aに軸方向摺動可能
に支持される中空筒状の本体部42と、本体部42の軸
方向後端面(図で左端)から、互いに周方向へ離隔して
軸方向へ延設される複数(例えば3個)の脚44と、そ
れら脚44の後端(図で左端)に連結される環状カム部
46と、本体部42の軸方向前端面(図で右端)に複数
のボルト47によって取着される環状カップリング部4
8とを備える。
【0019】可動係合部材40の本体部42は、支持台
20の筒状内壁面34aに径方向へのがたつきを生じな
いように支持される。また本体部42は、タレット24
の軸部28を回転及び軸方向移動可能に支持する滑り軸
受として作用する円筒状内周面42aを備える。可動係
合部材40の複数の脚44は、支持台20の筒状内壁面
34aの後方(図で左方)の環状壁50に軸方向へ貫通
形成した複数の穴52の各々に、軸方向移動可能に受容
される。したがってこれら脚44は、可動係合部材40
の回り止めとして作用し、それにより可動係合部材40
は、支持台20内で軸方向移動のみ可能となっている。
【0020】可動係合部材40の環状カップリング部4
8は、その前端面(図で右端)に、多数の歯54を所定
ピッチで放射状に配置して備える。環状カップリング部
48は、タレット24の軸部28の周囲で本体部42と
共に軸方向へ移動して、対応のカップリング要素に係合
できるようになっている。なお、環状カップリング部4
8が対応カップリング要素に係合する際の衝撃を緩和す
るために、本体部42と環状カップリング部48との間
に皿ばね56を配置し、環状カップリング部48が皿ば
ね56の付勢に抗して本体部42に接近できる構成とな
っている。このとき好ましくは、皿ばね56は予めやや
圧縮された状態で、本体部42と環状カップリング部4
8との間に配置される。
【0021】可動係合部材40の環状カップリング部4
8の対応カップリング要素として、支持台20のタレッ
ト受容空洞部34の軸方向開口端の近傍に、後端面(図
で左端)に多数の歯58を所定ピッチで放射状に配置し
て備えた環状固定カップリング要素60が固定される。
環状カップリング部48のもう1つの対応カップリング
要素として、タレット24の頭部26と軸部28との接
続部位近傍に、後端面(図で左端)に多数の歯62を所
定ピッチで放射状に配置して備えた環状回転カップリン
グ要素64が固定される。環状固定カップリング要素6
0の多数の歯58と環状回転カップリング要素64の多
数の歯62とは、可動係合部材40の環状カップリング
部48の多数の歯54に軸方向へ対面して配置される。
また、両歯58、62は、環状回転カップリング要素6
4がタレット24と一体に回転する間に、所定の回転位
置で互いに径方向へ整列することができる。
【0022】図2及び図3に示す状態では、環状固定カ
ップリング要素60の多数の歯58(すなわち固定歯)
と環状回転カップリング要素64の多数の歯62(すな
わち回転歯)とが、互いに径方向へ整列して位置すると
ともに、周方向へ隣接する歯58、62の間に、可動係
合部材40の環状カップリング部48の1枚の歯54
(すなわち移動歯)が挿入されている(図4(a)参
照)。それにより、環状固定カップリング要素60に対
する環状回転カップリング要素64の回転が阻止され、
したがって支持台20に対するタレット24の回転動作
が防止される。つまりこの状態で、可動係合部材40
は、その軸方向移動範囲内で最も前端(図で右端)の係
合位置に置かれている。
【0023】可動係合部材40が上記した係合位置にあ
る間に、タレット24の頭部26に装着した工具22に
より、回転主軸12に掴持した棒材Wの加工が実施され
る。この間、タレット24は上記したカップリング構造
によって、加工時に工具22に加わる応力に抗し、かつ
加工精度を維持するに十分な強度で、支持台20に強固
に固定的に保持されている。このような係合強度をさら
に向上させるために、図示のタレット刃物台装置10で
は、支持台20とタレット24との間に第2の皿ばね6
6が設置されている。
【0024】第2の皿ばね66は、支持台20の筒状内
壁面34aの後方(図で左方)の環状壁50の後肩面5
0aと、タレット24の軸部28の後端(図で左端)近
傍に固着されたスリーブ68の前端面68aとの間に、
好ましくは予めやや圧縮された状態で挟持され、タレッ
ト24を後方(図で左方)へ付勢するように作用する。
それにより、可動係合部材40が係合位置へ移動する際
に、それに連れてタレット24が前方(図で右方)へ移
動することを防止して、環状カップリング部48の歯5
4と環状回転カップリング要素64の歯62とを確実に
係合させるとともに、係合位置において両歯54、62
の係合を付勢力下で安定的に維持するようになってい
る。
【0025】図示の係合位置から、可動係合部材40を
後方(図で左方)へ移動して離脱位置に置くと、環状カ
ップリング部48の歯54が環状固定カップリング要素
60の歯58及び環状回転カップリング要素64の歯6
2の間から離脱する(図4(b)参照)。その結果、環
状固定カップリング要素60に対し環状回転カップリン
グ要素64が自由に回転でき、したがって支持台20に
対するタレット24の回転動作が解除されて、タレット
24が旋回割出し可能な状態に置かれる。
【0026】可動係合部材40の環状カム部46は、上
記した可動係合部材40の係合位置と離脱位置との間の
移動を生じさせるための駆動機構の一部を構成する。図
3に示すように、環状カム部46は、径方向外方へ開口
する環状溝路70を有した断面コ字状の溝カムリング要
素72と、溝カムリング要素72の環状溝路70に摺動
可能に受容される従動リング要素74とを備える。溝カ
ムリング要素72は、可動係合部材40の複数の脚部4
4に一体に連結される。溝カムリング要素72及び従動
リング要素74はいずれも円環状部材であり、互いに同
心に配置されるとともに、共通の軸線の周りで相対的に
回転できるようになっている。
【0027】溝カムリング要素72は、環状溝路70の
径方向外方の開口全体に渡って、軸方向すなわち相互接
近方向へ突出する一対のフランジ76を備える。それら
フランジ76の間には、図5に示すような湾曲部78を
有したカム溝80が形成される。従動リング要素74
は、溝カムリング要素72の環状溝路70内で、径方向
に実質的にがたつきを生じず、かつ軸方向へ所定距離だ
け移動できる寸法を有する。さらに従動リング要素74
は、周方向所望位置で径方向外方へ突出する円筒突子8
2を備える。円筒突子82は、溝カムリング要素72の
一対のフランジ76の間に画成されたカム溝80に受容
され、カム溝80に沿って実質的にがたつきを生じるこ
となく移動できる寸法を有する。環状溝路70と従動リ
ング要素74との軸方向寸法差は、少なくとも円筒突子
82がカム溝80の湾曲部78を通過することを妨げな
い量である。
【0028】したがって図5(a)、(b)に示すよう
に、溝カムリング要素72の環状溝路70内で従動リン
グ要素74が回転すると、円筒突子82がカム溝80の
湾曲部78を通過する際に、溝カムリング要素72と従
動リング要素74との間に軸方向への相対移動が生じる
ことになる。
【0029】ここで、タレット刃物台装置10では、支
持台20の環状壁50の後方(図3で左方)に、環状カ
ム部46全体を収容可能な空間を支持台20との間に画
成する環状蓋84が、環状カム部46の後方から支持台
20に固定されている。支持台20と環状蓋84との間
で、溝カムリング要素72は、径方向にがたつきを生じ
ず、かつ軸方向へ所定距離だけ移動できるようになって
いる。この距離は、円筒突子82がカム溝80の湾曲部
78を通過することにより溝カムリング要素72と従動
リング要素74との間に生じた軸方向への相対移動距離
に相当する。他方、従動リング要素74の円筒突子82
は、環状蓋84と、支持台20内面に設けた後肩面86
との間で、周方向移動すなわち従動リング要素74の回
転は許容されるが、軸方向へは移動不能に挟持されてい
る。
【0030】このような構成によれば、上記したように
環状カム部46の溝カムリング要素72と従動リング要
素74との間に軸方向への相対移動が生じると、支持台
20と環状蓋84との間で、軸方向へ固定された従動リ
ング要素74に対し、溝カムリング要素72が軸方向へ
移動することになる。その結果、溝カムリング要素72
に脚部44を介して連結された本体部42及び環状カッ
プリング部48が軸方向へ移動する。このようにして、
可動係合部材40の軸方向移動、すなわち前述した係合
位置と離脱位置との間での移動が実現される。
【0031】次に、溝カムリング要素72の環状溝路7
0内で従動リング要素74を回転させるための機構を説
明する。図6及び図7に概略で示すように、タレット刃
物台装置10の工具送り台18は、その後端面すなわち
回転主軸12から離れた側の端面に、図6に示すような
カム側面88を有したカム板部材90を固定して備え
る。他方、可動係合部材40の環状カム部46は、円筒
突子82とは異なる位置で従動リング要素74から径方
向外方へ突設された従動アーム92を備える。そして従
動アーム92の自由端94が、カム板部材90のカム側
面88に当接される。
【0032】支持台20が工具送り台18上でX軸方向
へ移動すると、可動係合部材40は支持台20と共に工
具送り台18に対しX軸方向へ移動し、それに伴い、環
状カム部48の従動アーム92の自由端94が、カム板
部材90のカム側面88に沿って摺動する。その結果、
カム側面88の形状に応じて従動アーム92が揺動し、
溝カムリング要素72の環状溝路70内で従動リング要
素74が回転して、円筒突子82がカム溝80に沿って
移動する。このとき、円筒突子82がカム溝80の湾曲
部78を越えて移動すると、前述したように溝カムリン
グ要素72が軸方向へ移動することになる。なお図6の
例では、従動リング要素74は周方向へ等間隔に3個の
円筒突子82を備えており、それに対応して、図示しな
いが、溝カムリング要素72のカム溝80の3箇所に湾
曲部78が形成されているものとする。
【0033】さらに詳述すれば、図6に示す位置では、
支持台20は工具送り台18上で加工主軸12の軸線に
近接して配置され、工具22が棒材Wに近接した加工作
業位置に配置されている。このとき、従動アーム92の
自由端94は、カム板部材90のカム側面88の凹部9
6から脱しており、従動アーム92すなわち従動リング
要素74が溝カムリング要素72に対し所定の角度位置
に保持されている。このとき円筒突子82は、図5
(a)に示すようにカム溝80の湾曲部78に隣接して
配置される。そして、脚部44によって回転を阻止され
ている溝カムリング要素72が、支持台20内で軸方向
前方(図3で右方)へ移動しており、それに伴い可動係
合部材40全体が、前述した係合位置に配置されてい
る。
【0034】可動係合部材40が係合位置にある間は、
環状カップリング部48と環状固定カップリング要素6
0との係合により、前述した皿ばね56が初期状態から
わずかに圧縮されており、その結果生じる皿ばね56の
反力が、可動係合部材40の本体部42、溝カムリング
要素72等を介して従動リング要素74の円筒突子82
に負荷される。それにより円筒突子82は、従動リング
要素74と前述した環状蓋84との間に圧力下で挟持さ
れ、その結果、溝カムリング要素72内での従動リング
要素74(つまり従動アーム92)の回転方向の動作が
拘束される。このようにして、タレット24は支持台2
0に固定的に保持され、工具22による棒材加工作業が
安定的に実施される。ここで、支持台20が図6の位置
よりも棒材Wに接近した場合にも、従動アーム92すな
わち従動リング要素74の溝カムリング要素72に対す
る角度は実質的に変化せず、したがって可動係合部材4
0が係合位置に維持されて、タレット24の回転が確実
に阻止されることは理解されよう。
【0035】1つの工具22による加工作業が終了する
と、支持台20が工具送り台18上で加工主軸12の軸
線から離れる方向へ移動し、工具22を工具交換位置に
配置する(図8参照)。このとき、従動アーム92の自
由端94は、カム板部材90のカム側面88の凹部96
の領域に進入し、さらに端面98に当接される。それに
より、従動アーム92すなわち従動リング要素74が溝
カムリング要素72に対し、図6の所定の角度位置から
図で時計方向へ回転し、図8の角度位置に到達する。こ
のとき円筒突子82は、図5(b)に示すようにカム溝
80の湾曲部78を越えて移動している。その結果、溝
カムリング要素72が支持台20内で軸方向後方(図3
で左方)へ移動し、それに伴い可動係合部材40全体
が、前述した離脱位置に配置される。この状態で、タレ
ット24は固定状態を解除される。そこで、サーボモー
タ38の駆動により旋回割出し動作して、所望の工具を
選択する。
【0036】このように、タレット刃物台装置10で
は、支持台20上の割出し位置にタレット24を固定的
に保持しかつ固定を解除するための係脱駆動機構を、工
具22を加工作業位置と工具交換位置との間で運ぶため
の支持台20の移動に連動して動作する連動装置、すな
わち工具送り台18に設けたカム板部材90、並びに可
動係合部材40の環状カム部46に設けた従動アーム9
2、円筒突子82及びカム溝80からなる連動装置によ
って構成した。したがって、新たなサーボモータを追加
することなく係脱駆動機構を電動化できるので、騒音や
大気汚染の軽減、応答精度の向上、製造及び運転コスト
の抑制等の効果を奏するとともに、搭載された工作機械
の一層の小型化及び高性能化を促進できる。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
のタレット刃物台装置によれば、支持台上の割出し位置
にタレットを固定的に保持しかつ固定を解除するための
係脱駆動機構を、新たな電動機を追加することなく電動
化でき、以て、騒音や大気汚染の軽減、応答精度の向
上、製造及び運転コストの抑制等の効果を奏するととも
に、搭載された工作機械の一層の小型化及び高性能化を
促進できるタレット刃物台装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるタレット刃物台装
置を搭載した自動旋削機械の概略斜視図である。
【図2】図1のタレット刃物台装置の断面正面図であ
る。
【図3】図2のタレット刃物台装置の拡大部分断面正面
図である。
【図4】係合機構の係脱動作を説明する図で、(a)係
合位置及び(b)離脱位置の各位置で示す。
【図5】可動係合部材の環状カム部の拡大正面図で、
(a)係合位置及び(b)離脱位置の各位置で示す。
【図6】駆動機構の動作を説明する図1のタレット刃物
台装置の概略側面図で、駆動機構を係合位置で示す。
【図7】図1のタレット刃物台装置の概略底面図であ
る。
【図8】駆動機構の動作を説明する図1のタレット刃物
台装置の概略側面図で、駆動機構を離脱位置で示す。
【符号の説明】
18…工具送り台 20…支持台 22…工具 24…タレット 38…サーボモータ 40…可動係合部材 42…本体部 44…脚部 46…環状カム部 48…環状カップリング部 54、58、62…歯 70…環状溝路 72…溝カムリング要素 74…従動リング要素 78…湾曲部 80…カム溝 82…円筒突子 88…カム側面 90…カム板部材 92…従動アーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械上で所与の座標軸に沿って移動
    可能に設置される支持台と、該支持台に回転可能に支持
    され、多数の工具を回転軸線の周囲に所定間隔で担持す
    るタレットと、該支持台上の旋回割出し位置で該タレッ
    トを該支持台に対し固定的に保持する係止手段とを具備
    したタレット刃物台装置において、 前記係止手段は、前記タレットと前記支持台との双方に
    関連付けて設置され、互いに係合可能な固定側係合要素
    と可動側係合要素とを少なくとも有する係合機構と、該
    係合機構の該可動側係合要素を、該固定側係合要素に係
    合して該タレットの回転を阻止する係合位置と、該固定
    側係合要素から離脱して該タレットの回転を解除する離
    脱位置との間で移動させる駆動機構とを備え、 前記駆動機構は、前記工具を加工作業位置と工具交換位
    置との間で運ぶための前記支持台の移動に連動して、前
    記可動側係合要素を移動させる連動装置を備えること、
    を特徴とするタレット刃物台装置。
  2. 【請求項2】 前記駆動機構の前記連動装置は、前記工
    作機械に設けられる第1のカムと、前記支持台に設けら
    れ、一端で前記第1のカムに摺動可能に接触するととも
    に他端で前記係合機構の前記可動側係合要素に係合する
    従動アームとを備え、該支持台が移動する際に生じる該
    従動アームの揺動により前記可動側係合要素が前記係合
    位置と前記離脱位置との間で移動するように構成された
    請求項1に記載のタレット刃物台装置。
  3. 【請求項3】 前記従動アームの前記他端と前記係合機
    構の前記可動側係合要素との間に第2のカムが形成され
    る請求項2に記載のタレット刃物台装置。
  4. 【請求項4】 前記係合機構の前記固定側係合要素は、
    前記支持台に固定的に形成された複数の固定歯からな
    り、前記可動側係合要素は、前記タレットに固定的に形
    成された複数の回転歯と、該支持台の該固定歯及び該タ
    レットの該回転歯の双方に係合可能に設置される移動歯
    とからなり、前記駆動機構が該移動歯を、該固定歯及び
    該回転歯の双方に係合する前記係合位置と少なくとも該
    回転歯から離脱する前記離脱位置との間で移動させるよ
    うに構成された請求項1〜3のいずれか1項に記載のタ
    レット刃物台装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101328272B1 (ko) * 2007-03-08 2013-11-14 듀플로매틱 오토매지온 에스.피.에이. 공구 홀더 터릿
JP2019038086A (ja) * 2017-08-28 2019-03-14 シチズン時計株式会社 タレット刃物台
CN118559058A (zh) * 2024-06-27 2024-08-30 奥姆斯特高新科技(沭阳)有限公司 双刀塔复合加工机床

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