JPH11245417A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11245417A
JPH11245417A JP5336998A JP5336998A JPH11245417A JP H11245417 A JPH11245417 A JP H11245417A JP 5336998 A JP5336998 A JP 5336998A JP 5336998 A JP5336998 A JP 5336998A JP H11245417 A JPH11245417 A JP H11245417A
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JP
Japan
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ink
opening
recording apparatus
plate
jet recording
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JP5336998A
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Inventor
Kunio Sakurai
邦夫 櫻井
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズルを用いないインクジェット記録装置に
おいて、高解像度化や高速記録を妨げることなく、微小
インク液滴の飛翔方向を確実に一定方向に制御できるよ
うにする。 【解決手段】 透明支持体11の外周に光吸収層12を
形成した円筒状回転体10の下部をインク室内のインク
に浸漬させ、回転体10の外周面にインク液膜32を形
成する。開口91を回転体10の軸方向に複数配列形成
し、下面に段差90Cを形成した開口板90を、回転体
10の外周面から若干離して配置して、開口91内に一
部が開口91から盛り上がるようにインクを供給保持す
る。回転体10の内側に光学手段を配置し、これからの
光41を開口91の直下の光吸収層12に照射する。こ
れにより、光吸収層12で熱エネルギーを発生させ、開
口91の直下のインクを瞬間的に過熱させてインク内に
気泡を発生させ、その気泡を破裂させて開口91から微
小インク液滴を飛翔させ、開口板90に対向させた記録
材に付着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プリンタ、ファ
クシミリ、複写機などに用いる、ノズル(吐出口、オリ
フィス)を用いないインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】被印字面に微小インク液滴を飛翔させて
印字を行うインクジェット記録装置の代表的なものとし
て、ノズルを用いる方式がある。しかし、ノズルを用い
る方式は、ノズル径を小さくすると、ゴミやチリ、また
はノズル内のインクの乾燥によるノズル詰まりを生じや
すい。そこで、ノズルを用いない方式が多数提案されて
いる。
【0003】特開昭51−132036号公報には、イ
ンク液面直下の微小発熱体に選択的に通電して、インク
容器内のインクを直接加熱することにより、インク液中
で気泡を発生させて液面で破裂させ、微小インク液滴を
放出させる方法が示されている。
【0004】また、インク液に赤外線または近赤外線を
照射して、インク容器内のインクを直接加熱することに
より、インク液中で気泡を発生させて液面で破裂させ、
微小インク液滴を飛翔させる方法も考えられている。
【0005】さらに、これらの原理を利用し、インク保
持部材を用いるものとして、特開昭62−184860
号公報には、基体の一面にインクを塗布し、基体の他面
にレーザ光を照射してインクを加熱することにより、イ
ンク液滴を吐出させる方法が示されている。
【0006】特開平7−117231号公報、特開平8
−252917号公報や、特開平7−285228号公
報には、回転ローラによってくみ上げられ、ローラ面に
形成されたインク層に、発熱体基板を接触させて、イン
ク層中に気泡を発生させ、その気泡の作用力でインク液
滴を飛翔させる方法が示されている。
【0007】特開平4−99629号公報には、円筒状
回転体の一部をインクに浸して回転体表面にインク液膜
を形成し、そのインク液膜にレーザ光を直接照射してイ
ンクを加熱し、インク液滴を飛翔させる方法が示されて
いる。
【0008】特開昭62−282942号公報や、特開
昭62−85950号公報には、インク保持用シートを
サーマルヘッド前方に固定し、そのシートに設けられた
小孔または凹部にインクを充填し、そのインクをサーマ
ルヘッドで加熱して、インク液滴を飛翔させる方法が示
されている。
【0009】特開昭61−273975号公報、特開昭
63−209945号公報や、特開昭63−20994
6号公報には、インク保持用シートを搬送し、そのシー
トに設けられた小孔または凹部にインクを充填し、その
インクをサーマルヘッドで加熱して、インク液滴を飛翔
させる方法が示されている。
【0010】また、特開平2−219657号公報に
は、インク保持用シートを搬送し、そのシートに設けら
れた小孔にインクを充填し、そのインクをサーマルヘッ
ドで加熱するとともに、サーマルヘッドと対向するイン
ク保持用シートの前方に、このシートに設けられた小孔
より小さい小孔を有する微細孔シートを固定して、その
微細孔シートの小孔からインク液滴を飛翔させる方法が
示されている。
【0011】さらに、特開昭61−118273号公
報、特開昭61−189993号公報や、特開昭62−
184860号公報には、インク保持部材に設けられた
多数の凹部にインクを充填し、そのインクを凹部からレ
ーザ光で加熱して、インク液滴を飛翔させる方法が示さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のノズルを用いない各種の方式は、ノズルを持た
ないため、基本的に微小インク液滴の飛翔方向を制御す
ることが難しい。そのため、前記特開昭62−1848
60号公報の方法では、インク保持部材上のインク膜厚
を薄くし、さらにインク保持部材にインクを収容する多
数の凹部を設けることによって、気泡発生位置の変動を
抑えるようにしている。
【0013】しかし、インク保持部材にインクを収容す
る多数の小孔または凹部を設ける場合には、一般に、小
孔または凹部にインクを供給充填しやすくするために、
表面張力が小さく粘度の低いインクを使用する必要があ
るが、その場合には、小孔にインクを充填したインク保
持用シートをサーマルヘッドに接触させると、小孔から
サーマルヘッド側にインクが漏れてしまう欠点がある。
また、高速記録のためには、小孔または凹部にインクを
充填したインク保持用シートを高速で搬送する必要があ
るが、その場合には、小孔または凹部からインクが飛び
散りやすくなる欠点がある。
【0014】これに対して、前記特開昭62−8595
0号公報の方法では、小孔を有するインク保持用シート
をインク液に液面すれすれに浸漬させ、サーマルヘッド
もインク保持用シートに接触させてインク液に浸漬さ
せ、毛管力とインク貯蔵部内のインクの循環とによっ
て、インク保持用シートの小孔にインクを迅速に供給す
る。また、前記特開昭62−282942号公報の方法
では、サーマルヘッドと小孔を有するインク保持用シー
トとによって形成される空間にインク貯蔵部を形成し
て、毛管力によりインク保持用シートの小孔にインクを
供給する。さらに、前記特開昭63−209945号公
報や、前記特開昭63−209946号公報の方法で
は、小孔を有するインク保持用シートを搬送して、その
小孔にインクを供給し、そのインク保持用シートとサー
マルヘッドとの間にインクメニスカスを形成して、その
メニスカスからインクを補充する。
【0015】これらの方法は、小孔内のインクの蒸発を
防止し、小孔へのインクの補充を円滑にする点で、一応
の有効性がある。しかしながら、上述した高速記録とい
う点では、インク補充の円滑化は不十分である。また、
小孔を有するインク保持用シートをサーマルヘッド前方
に固定する場合には、インク吐出後、小孔内のインク液
面が残留振動するため、連続して高速駆動すると、イン
ク吐出方向が不安定になる欠点がある。
【0016】これに対して、前記特開平7−11723
1号公報、前記特開平8−252917号公報や、前記
特開平7−285228号公報の方法では、発熱体とこ
れに通じるインク流路(凹溝)を設けた発熱体基板上の
インク流路を、回転ローラ上に形成されたインク層に接
触させて、接触部のインクを発熱体基板上のインク流路
を通じて発熱体に供給して加熱し、凹溝から回転ローラ
の回転接線方向または発熱体の真上方向にインク液滴を
飛翔させる。
【0017】これらの方法は、回転ローラを1000r
pm程度の回転数で高速回転させることによって、イン
ク供給を迅速に行うことができるため、高速記録が可能
である。しかしながら、凹溝から発熱体の真上方向にイ
ンク液滴を飛翔させる場合には、インク吐出方向が不安
定になる欠点がある。また、高解像度化、高速記録のた
めに、大規模ラージアレイ方式にする場合には、個別に
駆動可能な複数個の発熱体列と、それらに通じる複数個
のインク流路を設ける必要があり、発熱体基板の加工が
複雑になる欠点がある。
【0018】また、前記特開昭61−189993号公
報や、前記特開昭62−184860号公報には、イン
クと接する光熱変換層(光吸収層)に透明支持体を介し
てレーザ光を照射することや、インクと直接、接する透
明支持体を介して透明支持体とインクとの界面をレーザ
光で照射することが示されている。
【0019】しかしながら、その透明支持体として用い
る一般的な透明樹脂は、耐熱性が高いものでも、耐熱温
度は150℃前後である。これに対して、微小インク液
滴が飛翔する条件であるインク過熱温度は、約300℃
である。そのため、透明支持体として一般的な透明樹脂
を用いたのでは、熱的に耐えられない。
【0020】以上の点を考え、この発明は、第1に、ノ
ズルを用いず、インク液膜を局所的瞬間的に過熱させて
インク液膜内に気泡を発生させ、その気泡を破裂させて
微小インク液滴を飛翔させる方式のインクジェット記録
装置において、高解像度化や高速記録を妨げることな
く、微小インク液滴の飛翔方向を確実に一定方向に制御
することができるとともに、装置を容易に高精度に加工
することができるようにしたものである。
【0021】第2に、第1に加えて、高速かつ連続的に
供給されたインクをインク保持飛翔部に確実かつ安定的
に供給保持することができるようにしたものである。
【0022】第3に、第1に加えて、インク液膜の過熱
に耐えられるインク保持部材を確実かつ容易に実現する
ことができるようにしたものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明では、透
明支持体およびその外周に設けた光吸収層からなる円筒
状回転体と、この円筒状回転体の外周に近接させて固定
して配置した、この円筒状回転体の軸方向に複数の開口
を配列形成した開口板と、前記円筒状回転体の外周にイ
ンク液膜を形成するインク液膜形成手段と、前記開口板
の開口内に向けて前記透明支持体側から前記円筒状回転
体に光を照射して、前記光吸収層から熱エネルギーを発
生させる光学手段とを設け、前記開口板は、その開口か
らインクを盛り上げて、その開口内にインクを保持する
ものとし、前記光吸収層からの熱エネルギーにより、前
記開口板の開口位置のインクを瞬間的に過熱させてイン
ク内に気泡を発生させ、その気泡を破裂させて前記開口
板の開口から微小インク液滴を飛翔させ、その微小イン
ク液滴を前記開口板に対向させた記録材に付着させる。
【0024】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、前記開口板の開口領域部の厚み、および前記イン
ク液膜の搬送方向において前記開口領域部の後方側に位
置する後方板部の厚みを、前記インク液膜の搬送方向に
おいて前記開口領域部の前方側に位置する前方板部の厚
みの、2分の1から3分の2までの範囲として、前記開
口板の前記円筒状回転体と対向する面に前記前方板部が
突出した段差を形成する。
【0025】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、前記後方板部の前記インク液膜の搬送方向の幅
を、前記開口板の開口径の3倍以上とし、前記前方板部
の前記インク液膜の搬送方向の幅を、前記開口径の1倍
から2倍までの範囲とする。
【0026】請求項4の発明では、請求項2または3の
発明において、前記開口板の前記円筒状回転体と対向す
る面全面および前記開口の内壁を親水性とし、前記開口
板の前記記録材と対向する面全面を撥水性とする。
【0027】請求項5の発明では、請求項2または3の
発明において、前記開口板の前記円筒状回転体と対向す
る面全面および前記開口の内壁を親水性とし、前記開口
板の前記記録材と対向する面のうちの前記前方板部の面
を親水性とし、残りの面を撥水性とする。
【0028】請求項6の発明では、請求項1〜5のいず
れかの発明において、前記透明支持体を、耐熱温度が3
00℃を越える透明樹脂によって形成する。
【0029】
【作用】上記のように構成した請求項1の発明のインク
ジェット記録装置においては、インク液膜形成手段によ
り外周にインク液膜が形成された円筒状回転体が回転し
て、その外周上のインク液膜が開口板の位置に到達する
と、開口板とインク液膜との間に生じるインク搬送圧力
によって、インクは一部が開口板の開口から盛り上がる
ように開口内に供給保持される。
【0030】このようにインクが開口板の開口から盛り
上がって開口内に供給保持された状態で、画像情報によ
って変調された光学手段からの光が、開口板の開口内に
向けて透明支持体側から円筒状回転体に照射され、円筒
状回転体の外周側の光吸収層で熱エネルギーに変換され
ると、その熱エネルギーにより、開口板の開口直下のイ
ンクが瞬間的に過熱してインク内に気泡が発生し、その
気泡が破裂して開口板の開口から微小インク液滴が飛翔
して、記録材に付着する。
【0031】このとき、微小インク液滴は開口板の開口
から、円筒状回転体の外周面に垂直な方向に直進して、
微小インク液滴の飛翔方向が一定方向に制御される。し
かも、開口板の開口を微小にしても、上記のように開口
板とインク液膜との間に生じるインク搬送圧力によっ
て、開口板の開口内には一部が開口から盛り上がるよう
にインクが確実かつ安定的に供給保持されるので、従来
の多数の小孔または凹部が設けられたインク保持部材な
いしインク保持用シートを用いる場合のように、高解像
度化や高速記録に支障をきたすことがない。
【0032】また、開口板の開口内に一部が開口から盛
り上がるようにインクが保持されるので、インク吐出
後、開口内のインク液面が残留振動するのを抑制するこ
とができ、連続して高速駆動したときでも、上述した従
来の小孔を有するインク保持用シートをサーマルヘッド
前方に固定する場合のように、インク吐出方向が不安定
になることもない。
【0033】さらに、インクを供給保持する開口は、円
筒状回転体の軸方向に配列形成するだけであるので、従
来のようにインク保持部材ないしインク保持用シートに
個々に多数の小さな小孔または凹部を形成する場合に比
べて、装置を容易に高精度に加工することができる。
【0034】開口板の円筒状回転体と対向する面がイン
ク液膜の搬送方向に平坦である場合には、開口板と円筒
状回転体との間のギャップを微妙に調整して、開口板と
インク液膜との間に生じるインク搬送圧力を微妙に調整
しないと、開口板の開口内に一部が開口から盛り上がる
ようにインクを安定的に供給保持することが困難とな
る。
【0035】これに対して、請求項2の発明のインクジ
ェット記録装置においては、開口板の円筒状回転体と対
向する面に前方板部が突出した所要の段差を形成するこ
とによって、開口板と円筒状回転体との間のギャップ
に、開口板の開口内にインクが流れ込みやすいインク流
路を構成することができるので、開口板とインク液膜と
の間に生じるインク搬送圧力を容易に調整することがで
き、開口板の開口内に一部が開口から盛り上がるように
インクを確実かつ安定的に供給保持することができる。
【0036】この場合、開口板の後方板部のインク液膜
の搬送方向の幅が短いと、インクが開口板の記録材と対
向する面に回り込んでしまう。後方板部のインク液膜の
搬送方向の幅を十分長くすれば、開口板と円筒状回転体
との間のギャップにインクメニスカスが形成されて、イ
ンクが開口板の記録材と対向する面に回り込むことはな
い。しかし、一部が開口から盛り上がるように開口内に
インクを供給すると、インクが開口から開口板の記録材
と対向する面に溢れ出ることがあり、その場合、開口板
の前方板部のインク液膜の搬送方向の幅も長いと、その
溢れ出た余分なインクが開口板の記録材と対向する面上
で行き場を失って溜まり、記録材に付着してしまう恐れ
がある。
【0037】これに対して、請求項3の発明のインクジ
ェット記録装置においては、後方板部のインク液膜の搬
送方向の幅を、開口径の3倍以上と、十分長くするの
で、インクが開口板の記録材と対向する面に回り込むこ
とがないとともに、前方板部のインク液膜の搬送方向の
幅を、開口径の1〜2倍と、十分短くするので、開口か
ら開口板の記録材と対向する面に溢れ出た余分なインク
は、前方板部の記録材と対向する面を伝わって、インク
液膜の搬送方向に円筒状回転体の外周上まで、容易に逃
げることができ、余分なインクが開口板の記録材と対向
する面上で行き場を失うことはない。
【0038】開口板のインク液膜に接する面が撥水性で
あると、インク流路に泡が混入しやすく、開口板の開口
からのインク飛翔が不安定になる。また、開口の内壁が
撥水性であると、開口内にインクを供給しにくくなる。
一方、開口板の記録材と対向する面の全面が親水性であ
ると、開口から盛り上がったインクが全方向に溢れ出る
可能性がある。
【0039】請求項4の発明のインクジェット記録装置
においては、開口板の円筒状回転体と対向する面全面お
よび開口の内壁を親水性にし、開口板の記録材と対向す
る面全面を撥水性にするので、上述したような支障をき
たすことがない。特に、開口板の記録材と対向する面全
面を撥水性にすることによって、開口から盛り上がった
インクが周辺に溢れ出ることがない状態で、開口内に一
部が開口から盛り上がるようにインクを確実かつ安定的
に供給保持することができる。
【0040】これに対して、請求項5の発明のインクジ
ェット記録装置においては、開口板の円筒状回転体と対
向する面全面および開口の内壁を親水性にし、開口板の
記録材と対向する面のうちの前方板部の面は親水性に
し、残りの面を撥水性にする。この場合には、前方板部
の記録材と対向する面を親水性にすることにより、開口
から盛り上がったインクが周辺に溢れ出ることがあって
も、その溢れ出た余分なインクは、親水性である前方板
部の記録材と対向する面を伝わって、インク液膜の搬送
方向に円筒状回転体の外周上まで、容易に逃げることが
できる。したがって、この場合も、一部が開口から盛り
上がるように開口内にインクを安定的に供給保持するこ
とができる。
【0041】請求項6の発明のインクジェット記録装置
においては、円筒状回転体の透明支持体が、耐熱温度が
300℃を越える透明樹脂によって形成される。微小イ
ンク液滴が飛翔する条件であるインク過熱温度は約30
0℃であるから、請求項6の発明のインクジェット記録
装置によれば、透明支持体を耐熱温度が150℃前後の
一般的な透明樹脂によって形成する場合のように、透明
支持体が光吸収層で発生する熱によって劣化するような
ことがない。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の記録装置の一
実施形態を示す。この発明では、インク液膜が形成され
る部材として、透明支持体11の外周に光吸収層12を
形成した円筒状回転体10を用いる。
【0043】透明支持体11には、耐熱温度が300℃
を越える透明樹脂を用い、透明支持体11は、透明樹脂
層として形成する。具体的には、その透明樹脂層11
は、フッ素化ポリイミド、例えば、ビス(ジカルボキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン無水物を用いたポリ
イミドや、ビス(トリフルオロメチル)ジアミノビフェ
ニルを用いたポリイミドなどにより形成し、その厚み
は、透明支持体11を剛体とする場合には、4mm程度
とする。また、透明支持体11の両端を剛体のリングに
して無端ベルトを巻く構成にした場合には、そのベルト
は100μm程度の厚みにしてもよい。
【0044】光吸収層12は、アルミやチタンなどの金
属蒸着膜またはカーボン蒸着膜により形成し、3nm以
上、1μm以下の範囲の厚みにする。また、図示しない
が、円筒状回転体10の最外周、すなわち光吸収層12
の外周に、保護層を1μm程度以内の厚さで形成しても
よい。保護層としては、例えば、酸化珪素またはその化
合物、窒化珪素や炭化珪素またはその化合物などを用い
ることができる。
【0045】図1に示すように、円筒状回転体10は、
その外周に接する駆動回転体20によって、矢印10a
の方向(図の反時計回り方向)に回転させる。図では省
略したが、駆動回転体20は駆動モータにより駆動す
る。ただし、円筒状回転体10を回転させる方法として
は、他の任意の方法を用いることができる。
【0046】円筒状回転体10の下部側にインク室30
を設置し、その内部にインク31を入れて、円筒状回転
体10の下部の一部を常にインク室30内のインク31
に浸漬させる。インク31としては、市販のインクジェ
ット用インクを用いることができる。
【0047】このように円筒状回転体10の下部の一部
がインク31に浸漬することにより、円筒状回転体10
の回転に連れて、円筒状回転体10の外周面にはインク
液膜32が形成される。そして、例えば、図1に示すよ
うにインク液膜32の形成後の位置にブレード60を設
けて、円筒状回転体10の外周面から余分なインクを除
去することによって、インク液膜32の厚みを10〜1
00μm程度に調整する。
【0048】図示しないが、インク31と円筒状回転体
10との間に複数個のロール(インク供給ロール、リバ
ースロール)を介在させて、インク液膜32の厚みを調
整することもできる。
【0049】円筒状回転体10の内側には、光学手段4
0を配置し、これからの光41を、図1の真上方向に、
透明支持体(透明樹脂層)11を介して、円筒状回転体
10の外周の光吸収層12に照射する。光学手段40
は、レーザ光源などの光源と、これからの光を集光する
集光レンズとによって構成する。
【0050】光源の出力パワーは、100mW程度とす
る。また、集光レンズでは、その光源からの光を光吸収
層12上のスポット直径が10μm程度となるように集
光する。これにより、光吸収層12に照射された光41
は、熱エネルギーに変換されて、光吸収層12の外周の
インク液膜32に加えられる。
【0051】円筒状回転体10の上方位置には、図3に
示すように、開口91を一方向に所定ピッチで複数、配
列形成した開口板90を、その開口列91aが、円筒状
回転体10の真上位置において、円筒状回転体10の軸
方向に並ぶように、図では省略した固定用治具によっ
て、円筒状回転体10の外周面から若干離して、固定し
て配置する。開口板90と円筒状回転体10との間のギ
ャップは、上記の固定用治具によって、インク液膜32
の厚さの範囲内に調整する。開口板90は、SUS30
3,304などのステンレスなどによって形成する。
【0052】図4に示すように、開口板90は、矢印1
0aで示す円筒状回転体10の回転方向、すなわち上記
のインク液膜32の搬送方向において、開口領域部90
c、開口領域部90cの後方側(手前側)の後方板部9
0a、および開口領域部90cの前方側(先側)の前方
板部90bからなるものとし、その開口領域部90cお
よび後方板部90aの厚み90Aを前方板部90bの厚
み90Bの1/2から2/3までの範囲にして、開口板
90の下面(円筒状回転体10と対向する面)に前方板
部90bが突出した所要の段差90Cを形成する。段差
90Cは、フォトエッチングなどの方法によって形成す
ることができる。前方板部90bの厚み90Bは、例え
ば、80μm程度にする。
【0053】また、後方板部90aのインク液膜32の
搬送方向の幅を開口91の径の3倍以上とし、前方板部
90bのインク液膜32の搬送方向の幅を開口91の径
の1倍から2倍までの範囲とする。
【0054】さらに、図5に示すように、開口板90の
上面(後述する記録材50と対向する面)全面に、撥水
処理層100を形成し、または図6に示すように、開口
板90の上面のうちの、上記の開口領域部90cおよび
後方板部90aの面に、撥水処理層100を形成する。
撥水処理層100は、シリコン樹脂液やフッ素樹脂液な
どをコーティングして形成する。
【0055】図では省略したが、いずれの場合も、開口
板90の下面全面および開口91の内壁には、親水処理
層を形成し、また図6の場合には、開口板90の上面の
うちの、上記の前方板部90bの面には、親水処理層を
形成する。親水処理層は、表面処理剤を塗布し、または
ガラスなどの材料をスパッタリングして形成する。
【0056】図1に示すように、開口板90に対向させ
て記録材50を、開口板90の表面から1mm程度の距
離を保つように配置する。記録材50は、各種の移送方
法によって、図の左右方向に移送する。
【0057】上述した記録装置では、円筒状回転体10
の外周に形成されたインク液膜32が、円筒状回転体1
0の回転に連れて開口板90の位置に到達すると、上述
したように開口板90の後方板部90aのインク液膜3
2の搬送方向の幅が十分長くされ、かつ開口板90のイ
ンクと接触する下面には親水処理層が形成されているの
で、図5または図6に示すように、開口板90と円筒状
回転体10との間のギャップに、空気が入ることなく容
易かつ確実にインクメニスカスが形成される。
【0058】このとき、開口板90にはインク搬送圧力
が加わるとともに、開口板90の下面の前方側には段差
90Cが形成されているので、インクは、矢印32aで
示すようなインク流路を形成して、開口板90の開口9
1の下方から開口91内に、一部が開口91から盛り上
がるように供給される。この場合の、開口91から盛り
上がった隆起インク33は、円筒状回転体10の回転速
度に対して、開口板90と円筒状回転体10との間のギ
ャップを調整することによって、バランスさせることが
できる。
【0059】そして、図5に示すように、開口板90の
上面全面に撥水処理層100を形成した場合には、上記
のバランスによって、隆起インク33は、開口91から
開口板90の上面に溢れ出ることなく、開口91上に安
定的に保持される。
【0060】これに対して、図6に示すように、後方板
部90aおよび開口領域部90cの上面には撥水処理層
100を形成し、前方板部90bの上面には親水処理層
を形成した場合には、隆起インク33が開口91から前
方板部90bの上面に溢れ出ることがある。しかし、前
方板部90bのインク液膜32の搬送方向の幅が十分短
くされているので、このとき、開口91から前方板部9
0bの上面に溢れ出た余分なインクは、矢印32bで示
すように、前方板部90bの上面を伝わって、インク液
膜32の搬送方向に円筒状回転体10の外周上まで、容
易に逃げることができ、余分なインクが開口板90の上
面で行き場を失うことはない。
【0061】そして、上述した記録装置では、このよう
にインクが開口板90の開口91内に一部が開口91か
ら盛り上がるように供給保持された状態で、光学手段4
0の光源を画像情報によって駆動して、上記のように集
光させた光41を、開口板90の開口91内に向けて透
明支持体(透明樹脂層)11側から円筒状回転体10に
照射する。
【0062】このように、図7(A)に示すように光吸
収層12に光41が照射されていない状態から、同図
(B)に示すように光吸収層12に光41が照射される
と、その光41が光吸収層12で熱エネルギーに変換さ
れる。そして、その熱エネルギーによって、インク液膜
32が0.5〜10μ秒程度の時間内で室温から280
〜300℃程度に加熱されると、インク液膜32内に気
泡34が発生する。そして、この気泡34が、さらに成
長して破裂すると、同図(C)に示すように、微小イン
ク液滴35が飛翔して、記録材50に付着する。
【0063】この場合、図5または図6、および図7
(B)(C)に示すように、光41は開口板90の開口
91の直下に照射される。したがって、気泡34も開口
91の直下に発生し、微小インク液滴35は開口91か
ら飛翔する。したがって、微小インク液滴35は円筒状
回転体10の外周面に垂直な方向に直進して、微小イン
ク液滴35の飛翔方向が一定方向に制御され、微小イン
ク液滴35は記録材50上の所定位置に付着する。
【0064】円筒状回転体10の軸方向の主走査は、光
学手段40の光源をアレイ構成とし、またはポリゴンミ
ラーを用いるなどによって、光41を円筒状回転体10
の軸方向に走査させることによって行い、プロセス方向
の副走査は、円筒状回転体10を矢印10aの方向に回
転させ、記録材50を図1の左右方向に移送することに
よって行う。
【0065】以上によって、記録材50上に高速かつ高
精細に画像を形成することができる。なお、より高精細
な画像を形成するためには、開口91の径を10〜40
μm程度にし、開口91を40μm程度のピッチで、直
線状または千鳥状に配列形成することが望ましい。
【0066】
【発明の効果】上述したように、請求項1の発明によれ
ば、ノズルを用いず、インク液膜を局所的瞬間的に過熱
させてインク液膜内に気泡を発生させ、その気泡を破裂
させて微小インク液滴を飛翔させる方式のインクジェッ
ト記録装置において、高解像度化や高速記録を妨げるこ
となく、微小インク液滴の飛翔方向を確実に一定方向に
制御することができるとともに、装置を容易に高精度に
加工することができる。
【0067】請求項2の発明によれば、特に、高速かつ
連続的に供給されたインクを、インク保持飛翔部である
開口板の開口内に、一部が開口から盛り上がるように、
確実かつ安定的に供給保持することができる。
【0068】請求項3の発明によれば、特に、インク保
持飛翔部である開口板の開口から溢れ出た余分なインク
をインク液膜の搬送方向に容易に逃がすことができる。
【0069】請求項4の発明によれば、特に、インク保
持飛翔部である開口板の開口から盛り上がったインクが
周辺に溢れ出ることがない状態で、開口内に一部が開口
から盛り上がるようにインクを確実かつ安定的に供給保
持することができる。
【0070】請求項5の発明によれば、特に、インク保
持飛翔部である開口板の開口から盛り上がったインクが
周辺に溢れ出ても、その溢れ出た余分なインクが、開口
板上で行き場を失って開口板上に溜まることなく、イン
ク液膜の搬送方向に容易に逃げるように、開口内に一部
が開口から盛り上がるようにインクを確実かつ安定的に
供給保持することができる。
【0071】請求項6の発明によれば、特に、インク液
膜の過熱に耐えられるインク保持部材を確実かつ容易に
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の記録装置の一実施形態を示す図であ
る。
【図2】図1の記録装置の円筒状回転体の例を示す図で
ある。
【図3】図1の記録装置の開口板の例を示す図である。
【図4】図3の開口板のより具体的な例を示す図であ
る。
【図5】図4の開口板へのインク供給保持状態の具体的
な第1の例を示す図である。
【図6】図4の開口板へのインク供給保持状態の具体的
な第2の例を示す図である。
【図7】図1の記録装置での気泡の発生および微小イン
ク液滴の飛翔の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 円筒状回転体 11 透明支持体(透明樹脂層) 12 光吸収層 20 駆動回転体 30 インク室 31 インク 32 インク液膜 33 隆起インク 34 気泡 35 微小インク液滴 40 光学手段 41 光 50 記録材 60 ブレード 90 開口板 91 開口 90a 後方板部 90b 前方板部 90c 開口領域部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明支持体およびその外周に設けた光吸収
    層からなる円筒状回転体と、 この円筒状回転体の外周に近接させて固定して配置し
    た、この円筒状回転体の軸方向に複数の開口を配列形成
    した開口板と、 前記円筒状回転体の外周にインク液膜を形成するインク
    液膜形成手段と、 前記開口板の開口内に向けて前記透明支持体側から前記
    円筒状回転体に光を照射して、前記光吸収層から熱エネ
    ルギーを発生させる光学手段とを備え、 前記開口板は、その開口からインクを盛り上げて、その
    開口内にインクを保持するものとし、 前記光吸収層からの熱エネルギーにより、前記開口板の
    開口位置のインクを瞬間的に過熱させてインク内に気泡
    を発生させ、その気泡を破裂させて前記開口板の開口か
    ら微小インク液滴を飛翔させ、その微小インク液滴を前
    記開口板に対向させた記録材に付着させることを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】請求項1のインクジェット記録装置におい
    て、 前記開口板の開口領域部の厚み、および前記インク液膜
    の搬送方向において前記開口領域部の後方側に位置する
    後方板部の厚みを、前記インク液膜の搬送方向において
    前記開口領域部の前方側に位置する前方板部の厚みの、
    2分の1から3分の2までの範囲として、前記開口板の
    前記円筒状回転体と対向する面に前記前方板部が突出し
    た段差を形成したことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】請求項2のインクジェット記録装置におい
    て、 前記後方板部の前記インク液膜の搬送方向の幅を、前記
    開口板の開口径の3倍以上とし、前記前方板部の前記イ
    ンク液膜の搬送方向の幅を、前記開口径の1倍から2倍
    までの範囲としたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3のインクジェット記録装
    置において、 前記開口板の前記円筒状回転体と対向する面全面および
    前記開口の内壁を親水性とし、前記開口板の前記記録材
    と対向する面全面を撥水性としたことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  5. 【請求項5】請求項2または3のインクジェット記録装
    置において、 前記開口板の前記円筒状回転体と対向する面全面および
    前記開口の内壁を親水性とし、前記開口板の前記記録材
    と対向する面のうちの前記前方板部の面を親水性とし、
    残りの面を撥水性としたことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかのインクジェット
    記録装置において、 前記透明支持体を、耐熱温度が300℃を越える透明樹
    脂によって形成したことを特徴とするインクジェット記
    録装置。
JP5336998A 1998-03-05 1998-03-05 インクジェット記録装置 Pending JPH11245417A (ja)

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