JPH11245799A - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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Publication number
JPH11245799A
JPH11245799A JP10047083A JP4708398A JPH11245799A JP H11245799 A JPH11245799 A JP H11245799A JP 10047083 A JP10047083 A JP 10047083A JP 4708398 A JP4708398 A JP 4708398A JP H11245799 A JPH11245799 A JP H11245799A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
piston
pressure
front wheel
control valve
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Application number
JP10047083A
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English (en)
Inventor
Akihiko Sekiguchi
昭彦 関口
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Akebono Brake Industry Co Ltd
Original Assignee
Akebono Brake Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ブレーキレバーあるいはハンドスイッチ等の操
作で作動するリニアアクチュエータを用いて身体障害者
向けのブレーキ液圧制御装置を得る。 【解決手段】マスターシリンダ2と、圧力源11の液圧
を出力するコントロールバルブ3と、液圧伝達装置4、
5を備え、液圧伝達装置は左右前輪系の配管系に配置
し、出力液圧を直接後輪ホイールシリンダ8に供給する
ようにするとともに、前輪液圧伝達装置のピストンを作
動し、前輪液圧伝達装置で発生した液圧を前輪ホイール
シリンダ6、7に供給するようにし、さらにコントロー
ルバルブは電子制御装置よって作動するリニアアクチュ
エータによって流路を切換え、コントロールバルブから
の出力液圧を直接後輪ホイールシリンダ8に供給すると
ともに、前輪液圧伝達装置のピストンを作動し、前輪液
圧伝達装置で発生した液圧を前輪ホイールシリンダ6、
7に供給するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用ブレーキ液
圧制御装置に関するものであり、更に詳細には、ブレー
キ配管系をフロント左右、およびリヤの3系統とするこ
とで、フロント液圧系の一方に失陥が生じた場合でも、
他方のフロント系およびリヤ系とにより確実にブレーキ
力を得ることができる上に、電気制御式ブレーキ(いわ
ゆるブレーキバイワイヤ)機能を備えた安全性に優れた
ブレーキ液圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、マスターシリンダで発生した
圧力によって流路を切換え、液圧源からの液圧を液圧伝
達装置に伝えることにより倍力機能を果たすブレーキ液
圧制御装置が知られている(特公昭61−53265
号)。
【0003】前記公報に記載された液圧ブレーキシステ
ムについて図4を参照して簡単に説明すると、このシス
テムでは、ドライバーがブレーキペダル301を操作す
ると、マスターシリンダ302中に油圧が生起され、こ
の圧力は、分岐管路304a、306aを通ってモジュ
レータシリンダ303に至り、ピストン307、308
の基部に作用し、ピストン307、308を左方向へ変
位せしめ、遮断弁309の円錐型端部310によって、
ピストン308の孔311を閉じるとともに流路312
を閉じ、室313室中にサーボ油圧を生起する。
【0004】室313に生じた液圧は遮断弁309を復
帰スプリング314に力に抗して変位せしめ、その結果
加圧された作動油が分配室315に流入し、さらにそこ
から前輪、後輪系の管路316を介して、両サーボシリ
ンダの各々の室317へ流入する。室317中に生じた
圧力は、夫々のサーボピストン318を変位せしめ、そ
れに伴ってステム319が図中右方へ変位し、その結果
各ステムの端部フランジ320が各補助ピストン321
と係合し、各補助ピストン321の孔322を閉鎖す
る。こうして、サーボピストン318のスラストによ
り、各補助ピストン321が移動し室323の作動油が
加圧され、マスターシリンダ302から分岐管路304
a、306aを介して供給される夫々の室323中に存
在する油圧が更に比例的に増加され、補助ピストン32
1はサーボ力を受け前輪、後輪系のブレーキが作動され
ることになり、ブレーキペダル301の踏力を小さくす
ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報に記載のブレーキ液圧制御装置は、前輪、後輪系に分
割された2系統のブレーキ配管系となっているため、い
ずれか一系統のブレーキ系、例えば図中上方のブレーキ
系(ここではフロント系とする)に失陥が発生するとフ
ロント系はブレーキ力が働かず、左右後輪のみのブレー
キ力による制動状態となり、ブレーキ力不足の状態とな
る。即ち、上記のようなブレーキ液圧制御装置では、2
系統の配管のうち一方に失陥が生ずるとその系の左右両
輪がともにブレーキ力が働かない事態となり、安全性で
問題がある。また、上記ブレーキ液圧制御装置ではブレ
ーキ系を前後輪の2系統とし、夫々のブレーキ系にサー
ボピストン318、ステム319等からなる倍力装置
(ブースタ)を配置しているため、ブレーキ液圧制御装
置が大型化するとともに、コストの低減上で不利であ
る。さらに、上記装置は、最近の車両の電子制御化の流
れの中で、特に今後の発展が期待される電気制御式ブレ
ーキ(ブレーキバイワイヤ)に対応する機能を備えてお
らず、さらに身体障害者向けのブレーキ装置としての適
用が困難である、等の問題点がある。
【0006】そこで、本発明は、マスターシリンダ2で
発生した液圧に比例して増圧されたアキュムレータの液
圧を出力するコントロールバルブ3を備え、さらにこの
コントロールバルブからの出力液圧によって液圧を発生
できる左右前輪用の一対の液圧伝達装置4、5を左右前
輪系の独立した配管系にそれぞれ配置し、ブレーキ作動
時には、後輪系では前記コントロールバルブからの出力
液圧を直接後輪ホイールシリンダに供給してブレーキを
作動し、また、前輪系では前記コントロールバルブから
の出力液圧を前記左右前輪液圧伝達装置に作用させ前記
左右前輪液圧伝達装置で発生した液圧をそれぞれ対応す
る前輪ホイールシリンダに供給できるようにし、これに
より上記問題点を解決することを目的とする。また、本
発明は、コントロールバルブ近傍にリニアアクチュエー
タを配置し、このリニアアクチュエータを手動操作され
るブレーキレバーあるいはハンドスイッチ等の操作部か
らの指令によって作動して前記コントロールバルブ内の
流路を切換え、リニアアクチュエータの軸力にバランス
したアキュムレータの液圧をコントロールバルブから出
力できるようにすることで、身体障害者向けの車両への
適用を可能とする。さらに、コントロールバルブ(倍力
装置)をマスターシリンダとは分離した構成とすること
で、車両搭載性の向上を図る。本発明では、前輪系のい
ずれか一方に仮に失陥が発生したとしても他側の前輪の
ブレーキ力は維持されるためブレーキ力不足となる事態
を防止することができるとともに、後輪系の液圧伝達装
置を省略することで、装置の大型化、コストアップを防
止することができる。また、電気制御式ブレーキ機能を
備えることで身体障害者向けの車両への適用が容易なブ
レーキ液圧制御装置を得ることができる。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本発明が採用
した技術解決手段は、マスターシリンダで発生した液圧
に比例して増圧された圧力源の液圧を出力するコントロ
ールバルブと、該コントロールバルブからの出力液圧に
よってピストンを作動させ液圧を発生する一対の液圧伝
達装置を備え、前記一対の液圧伝達装置は左右前輪系の
独立した配管系にそれぞれ配置し、前記コントロールバ
ルブ3からの出力液圧を直接後輪ホイールシリンダに供
給するようにするとともに、前記一対の前輪液圧伝達装
置のピストンを作動し、前記前輪液圧伝達装置で発生し
た液圧をそれぞれ対応する左右の前輪ホイールシリンダ
に供給するようにし、さらに前記コントロールバルブは
電子制御装置からの指令信号によって作動するリニアア
クチュエータによって流路を切換え、前記リニアアクチ
ュエータの軸力にバランスする圧力源の液圧を出力し、
前記コントロールバルブからの出力液圧を直接後輪ホイ
ールシリンダに供給するとともに、前記一対の前輪液圧
伝達装置のピストンを作動し、前記前輪液圧伝達装置で
発生した液圧をそれぞれ対応する左右の前輪ホイールシ
リンダに供給するようにしたことを特徴とするブレーキ
液圧制御装置であり、マスターシリンダと、電子制御装
置の指令信号により所定の推力を発生するリニアアクチ
ュエータと、マスターシリンダの液圧もしくはリニアア
クチュエータの推力に比例すべく圧力源の液圧を制御し
て出力するコントロールバルブと、コントロールバルブ
の出力液圧により作動するブレーキ装置とを備えている
ことを特徴とするブレーキ液圧制御装置である。
【0008】
【実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実施の形
態を説明すると、図1は本ブレーキ液圧制御装置の全体
構成図、図2は本ブレーキ液圧制御装置内に使用するコ
ントロールバルブと液圧伝達装置の拡大断面図である。
以下、本ブレーキ液圧制御装置の全体構成を説明した
後、コントロールバルブ、リニアアクチュエータ、液圧
伝達装置の各構成要素の詳細説明をすることとする。な
お、説明の都合上、ブレーキぺダルを踏むことによって
ブレーキ力を発揮する系を液圧ブレーキ系とし、電子制
御装置からの指令信号に応じてブレーキ力を発揮する系
を電気制御式ブレーキ系として説明する。
【0009】図1において、1はブレーキぺダル、Bは
ブレーキストロークセンサ、2はタンデムマスターシリ
ンダ、3はコントロールバルブ、4は左前輪液圧伝達装
置、5は右前輪液圧伝達装置、6は左フロントホイール
シリンダ、7は右フロントホイールシリンダ、8は左右
リヤホイールシリンダ、9は各車輪に対応したホールド
バルブ、10は各車輪に対応したディケイバルブ、11
は圧力源としてのアキュムレータ、12は圧力センサ、
13は液圧ポンプ、14はリリーフ弁、15は常開型の
第1切換バルブ、16は常閉型の第2切換バルブ、17
は左右前輪の独立した配管系に配置される流路切換バル
ブ、18はリザーバ、Sは車輪速センサであり、これら
は図に示す流路によって連通されている。なお、本形態
ではコントロールバルブ3、左右前輪液圧伝達装置4、
5は一つの制御ユニットMとして一体に組付け構成され
ており、このユニットM内に電気制御式ブレーキ系用の
リニアアクチュエータが配置されている。また、アキュ
ムレータの圧力は常時圧力センサ12で監視されアキュ
ムレータ11の圧力が所定範囲になるように液圧ポンプ
13は制御される。
【0010】また上記各センサS、B、各切換バルブ1
5、16、17、ホールドバルブ9、ディケイバルブ1
0、液圧ポンプ13、図示せぬハンドスイッチ、ハンド
レバー等は図中の電子制御装置(ECU)に接続されて
いる。そして各バルブや液圧ポンプ等は、液圧ブレーキ
系、あるいは電気制御式ブレーキ系の作動状態(後述す
る)に応じて電子制御装置からの指令により開閉、駆動
制御されブレーキを働かせる。なお、上記第2切換バル
ブ16は作動時、電子制御装置からの信号で小刻みに開
閉しアキュムレータから供給する液圧を調整できる機能
をもっている。
【0011】液圧ブレーキ系においては、ブレーキぺダ
ル1を操作しタンデムマスターシリンダ2に流体圧(液
圧)が発生すると、この液圧によってコントロールバル
ブ3(詳細は後述する)が作動し、コントロールバルブ
3からマスターシリンダの液圧に対して比例的に増圧さ
れた液圧が出力され、コントロールバルブ3の第1出力
ポート3cより直接左右後輪のブレーキシリンダに伝え
られるとともに、後述する流路を介して左右前輪液圧伝
達装置4、5に伝えられ、さらに液圧伝達装置4、5の
出力ポート4a、5aから流路切換バルブ17を経て左
右前輪ホイールシリンダ6、7に供給されブレーキ力が
働く構成となっている。
【0012】ブレーキ作動時に、車輪にロックの虞れが
生じると、車輪速センサSからの信号で、電子制御装置
(ECU)が流路切換バルブ17を切換え、各液圧伝達
装置4、5の出力ポート4a、5aをフロントホイール
シリンダ6、7と遮断し、左右フロントホイールシリン
ダ6、7と第1出力ポート3cとを連通する。なおこの
時にはコントロールバルブ3、左右液圧伝達装置4、5
はブレーキ作動時の状態で維持される。この状態でホー
ルドバルブ9が閉じるとホイールシリンダ圧を保持し、
ホールドバルブ9を閉じた状態でディケイバルブ10を
開くとホイールシリンダ6〜8内の圧力流体がリザーバ
11に還流してホイールシリンダ圧を減圧する。また、
再加圧する必要がある時には、ディケイバルブ10が閉
じ、ホールドバルブ9を開くと、前後輪系ともアキュム
レータ11の液圧が第3入力ポート3d→コントロール
バルブ3内の流路→第1出力ポート3cを経由して前後
輪の各ホイールシリンダに供給され再加圧が行われる。
なお、アンチロック制御中にアキュムレータ11の液圧
が所定圧以下になると電子制御装置からの指令により流
路切換バルブ17が図1の通常ブレーキ状態に戻る。
【0013】こうしてコントロールバルブ3を介して必
要に応じてホイールシリンダ6、7、8内の液圧を保
持、減圧、再加圧しながらアンチロック制御を実行す
る。液圧ポンプ13はアンチロック制御時のみならずア
キュムレータ11内の液圧が減少した場合には圧力セン
サ12からの信号により作動し、必要に応じて液圧ポン
プ13を作動し、アキュムレータ11に所定圧を蓄圧で
きるようになっている。なお、上記アンチロック制御中
の減圧時に、ホイールシリンダからの液圧はディケイバ
ルブ10から直接リザーバ18に還流する構成となって
いるため、本実施形態では従来のようなアンチロック制
御時においてブレーキ液をマスターシリンダに還流させ
るための液圧ポンプを不要とすることができ、装置の小
型、軽量化を図ることができる。
【0014】また、車両発進時に駆動輪にスリップが発
生した場合、あるいは車間距離の短縮により自動的にブ
レーキを働かせる場合、さらには旋回時の車体の安定性
を確保するためにヨーモーメント制御等の自動ブレーキ
制御を実行する場合には、電子制御装置ECUからの指
令信号により第1切換バルブ15を閉じ、第2切換バル
ブ16を開き、後輪のホイールシリンダ8には直接アキ
ュムレータ11から液圧を供給し、さらにアキュムレー
タ11の液圧をコントロールバルブ3を経由して前後液
圧伝達装置4、5に供給し、この液圧伝達装置4、5の
出力室で発生した液圧を出力ポート4a、5a→流路切
換バルブ17を介して左右前輪に供給し、左右前輪に対
して適当なブレーキ力を働かせる。なお、この時の液圧
の調整は、アンチロック制御と同様にホールドバルブ
9、ディケイバルブ10を開閉して行う。
【0015】電気制御式ブレーキ系においては、ハンド
レバー、ハンドスイッチ、ブレーキストロークセンサ、
車輪速度センサ、車間距離センサなどからの電気信号を
評価する電子制御装置の指令信号により制御ユニットM
内の後述するリニアアクチュエータ(コントロールバル
ブに隣接して配置してある)を作動してコントロールバ
ルブ内の流路を切換え、さらにコントロールバルブでは
リニアアクチュエータの軸力にバランスしたアキュムレ
ータの液圧をコントロールバルブ3の第1出力ポート3
cから出力し、この出力を直接左右後輪のブレーキシリ
ンダ8に伝えるとともに、左右前輪液圧伝達装置4、5
に伝え、さらに液圧伝達装置4、5の出力ポート4a、
5aから流路切換バルブ17を経て左右前輪ホイールシ
リンダ6、7に供給してブレーキ力を働かせるようにな
っている。なお、電気制御式ブレーキ系ではコントロー
ルバルブ3から出力された液圧は、液圧ブレーキ系と同
様の態様で各ホイールシリンダに作用することになるた
め、ブレーキ作動時に、車輪にロックの虞れが生じた場
合には液圧ブレーキ系の時と同様に各バルブ9、10を
作動しブレーキ液圧を保持、減圧、加圧することができ
る。
【0016】また、車両発進時に駆動輪にスリップが発
生した場合、あるいは車間距離の短縮により自動的にブ
レーキを働かせる場合、さらには旋回時の車体の安定性
を確保するためにヨーモーメント制御等の自動ブレーキ
制御を実行する場合には、車輪速センサSや車間距離セ
ンサ等からの信号により電子制御装置を介して制御ユニ
ットM内のリニアアクチュエータを作動すると、コント
ロールバルブ内の流路が切換わり、さらにコントロール
バルブ3ではコントロールバルブ3に作用するリニアア
クチュエータ70の軸力にバランスしたアキュムレータ
11の液圧をコントロールバルブ3の第1出力ポート3
cから出力し、この出力を直接左右後輪のブレーキシリ
ンダ8に伝えるとともに、左右前輪液圧伝達装置4、5
に伝え、さらに液圧伝達装置4、5の出力ポート4a、
5aから流路切換バルブ17を経て左右前輪ホイールシ
リンダ6、7に供給してブレーキ力を働かせ、スリップ
等の現象を解消する。こうして自動ブレーキ時等でもア
キュムレータからの液圧を利用してブレーキ力を働かせ
ることができる。なお、ブレーキ液圧の制御は液圧ブレ
ーキ系と同様に各バルブを作動し、ブレーキ力を保持、
減圧、加圧することができる。
【0017】ところで、前述したように自動ブレーキ作
動は、液圧ブレーキ系であるか電気制御式ブレーキ系で
あるかによって基本的にその作動態様が後述の如く異な
っている。即ち、液圧ブレーキ系選択時には、自動ブレ
ーキは第1切換バルブ15、第2切換バルブ16の開閉
によって行うことになり、電気制御式ブレーキ系選択時
にはリニアアクチュエータを作動してコントロールバル
ブ内の流路を切換えブレーキ作動を行う。しかし、これ
らは電子制御装置のマイクロコンピュータのプログラム
によっていずれか一つのモードに限定したり、あるい
は、どちらかの系に失陥が発生した場合には、自動的に
他の系のブレーキ態様に変更できるようにしてもよい。
【0018】以下、本液圧制御装置を構成する主構成要
素の詳細を説明する。 〔コントロールバルブ3〕図2において、コントロール
バルブ3は、本体内にパイロットピストン20、ダイア
フラムピストン21、スプールピストン22を図示の配
列で備えており、夫々のピストン20〜22は本体内に
形成した第1シリンダ24、第2シリンダ25、ポート
部材27に形成した第3シリンダ26内に摺動自在に配
置されている。ポート部材27は本体に適宜手段により
固定されている。なお、ダイアフラムピストン21、ス
プールピストン22の夫々の受圧面積A5、A4はA5
>A4となっている(図3参照)。
【0019】パイロットピストン20は第1シリンダ2
4内に摺動自在に配置されており、大径部20a、小径
部20bからなる段付きピストンとして形成され、第1
シリンダ24内に第1入力液室28、第2入力液室29
および大気室30を区画している。コントロールバルブ
3の第1入力液室28は第1入力ポート3aを介してタ
ンデムマスターシリンダ2の第1液圧発生室2aに、ま
た、流路31を介して左前輪液圧伝達装置4(後述す
る)の入力液室62に連通されており、さらに、第2入
力液室29は第2入力ポート3bを介してタンデムマス
ターシリンダ2の第2液圧発生室2bに、また、流路3
3を介して右前輪液圧伝達装置5の入力液室62に連通
している。コントロールバルブ3内の大気室30は大気
に連通している。そして、パイロットピストン20は第
2入力液室29内に配置した第1スプリング34によっ
て通常図中右方に付勢され本体壁面に当接している。
【0020】パイロットピストン20に対向して配置す
るダイアフラムピストン21は本体内に形成した第2シ
リンダ25内に摺動自在に設けられ、端面にダイアフラ
ム36が設けられ、ダイヤフラム36によって第2入力
液室29を液密に区画している。ダイアフラムピストン
21の図中左端面にはスプールピストン22と当接する
係合突起38が形成されており、またダイアフラムピス
トン21の図中左側端面によって区画された液室37
は、第2出力ポート3e→第1切換バルブ15を介して
リザーバ18に連通されている。ダイアフラムピストン
21は第2スプリング35によりスプールピストン22
に向けて付勢され、係合突起38がスプールピストン2
2に当接している。
【0021】ダイアフラムピストン21の係合突起38
に当接しているスプールピストン22は本体に固定され
ているポート部材27内の第3シリンダ26内に摺動自
在に配置され、スプールピストン22中心部に流路42
が形成されこの流路42がスプールピストン22の外周
に形成した溝41に連通している。この溝41は、非作
動時にはポート部材27の第1通路39、第2出力ポー
ト3e、第1切換バルブ15を介してリザーバ18に連
通しており、スプールピストン22が図示状態より左方
に移動すると(即ち作動時には)ポート部材27内の第
2通路40、第3入力ポート3dを介してアキュムレー
タ11に連通する。なお、溝41の幅Lはポート部材2
7に形成した第1通路39と第2通路40の間の距離よ
りも若干小さく設定してあり、このため、スプールピス
トン22の中心部の流路42がポート部材27側の第1
通路39と連通している状態から、スプールピストン2
2が移動して溝41がポート部材27側の第2通路40
と連通状態に切り換わる際に、若干のタイムラグが生じ
るようにしてある。また、スプールピストン22は復帰
スプリング43の付勢力によって図中右端面で本体壁面
によって位置決めがなされている。なお上述の復帰スプ
リング43と第2スプリング35との荷重関係は、 復帰スプリング43>第2スプリング35 となっている。
【0022】スプールピストン22中心部の流路42は
ブースト室46→第1出力ポート3c→第2切換バルブ
16を介してアキュムレータ11に、またブースト室4
6は流路切換バルブ17を介して左右前輪側のホールド
バルブ9に接続しているとともに、直接後輪系のホール
ドバルブ9に接続している。また流路45を介して後述
する左右前輪液圧伝達装置4、5の圧力導入室63に連
通している。このため、このコントロールバルブ3で
は、非作動時にはブースト室46はスプールピストン2
2の中心部の流路42→スプールピストンの溝41→ポ
ート部材27側の第1通路39→第2出力ポート3e→
常開型第1切換バルブ15を介してリザーバ18に連通
しており、さらにブースト室46は常閉型第2切換弁1
6によりアキュムレータ11と遮断されているため、ブ
ースト室46は無圧状態となっている。したがって、後
輪のホイールシリンダ8には液圧は発生せず、さらに前
輪液圧伝達装置4、5の圧力導入室63にも液圧が作用
しないため前輪ホイールシリンダ6、7にも液圧は発生
していない。なお、上記コントロールバルブ3では、パ
イロットピストン20の両端面にマスタシリンダからの
液圧が同時に作用するように構成してあるため、第1液
圧発生室2aおよび第2液圧発生室2bのいづれか一方
が失陥しても後述する態様でブレーキ作用を実現するこ
とができる。
【0023】〔リニアアクチュエータ70〕リニアアク
チュエータ70は、コントロールバルブ3のパイロット
ピストン20に隣接して設けられており、リニアアクチ
ュエータ70の出力軸71がパイロットピストン20と
当接している。リニアアクチュエータ70は図示せぬハ
ンドレバーあるいはハンドスイッチ、車輪速度センサ、
車間距離センサよりの信号を電子制御装置が評価し、電
子制御装置からの指令信号によりハンドレバーの操作量
に応じた電流をリニアアクチュエータ70へ入力し、そ
の電流に比例した推力が出力軸71を介してパイロット
ピストン20に伝達出来るようになっている。リニアア
クチュエータ70が作動すると出力軸71がコントロー
ルバルブ3内のパイロットピストン20、ダイヤフラム
ピストン21、スプールピストン22を軸方向に移動し
てスプールピストン22の流路を切り換える。この時の
流路の切換えは、リニアアクチュエータ70の軸力とブ
ースト室46の液圧とがバランスするようにスプールピ
ストン22を移動して行う。なおリニアアクチュエータ
70は公知のリニア電動モータを始め、電動モータとネ
ジ機構、ラック機構などの組み合わせて軸方向の出力を
得ることができる種々の形態からなるアクチュエータを
使用することができる。
【0024】〔液圧伝達装置4、5〕左右前輪用の各液
圧伝達装置4、5は共に同じ構造、機能を有しているた
め、ここでは左前輪側の液圧伝達装置4について図2を
参照して説明する。図2において液圧伝達装置4は、第
1ピストン51、第2ピストン52、第3ピストン53
を図示の配列で本体内に摺動自在に備えており、第2ピ
ストン52の図中右方中心部には、第1ピストン51の
小径部51aが摺動自在に嵌合しており、第1ピストン
51は本体内に入力液室62を区画しており、第1ピス
トン51、第2ピストン52の間には液室58が形成さ
れ、また第2ピストン52の外周には第3ピストン53
が図示のように嵌合しており、第2ピストン52と第3
ピストン53の図中左側に出力室64を区画するととも
に、第2ピストン52と第3ピストン53との間に液室
65を区画している。この液室65は第2ピストン52
内に形成した通路57および第1ピストンに形成した通
路58aを介して第1ピストン51と第2ピストン52
との間に形成した液室58に連通している。また第2ピ
ストン52と第3ピストン53は隙間Sをもって対向し
て配置されている。さらに、第2ピストン52と本体と
の間には圧力導入室63が区画されており、圧力導入室
63はコントロールバルブ3のブースト室46に流路4
5を介して図示のように連通している。
【0025】液圧伝達装置4の入力液室62は、コント
ロールバルブ3の第1入力液室28(常時マスターシリ
ンダの第1液圧発生室2aと連通している)に連通して
おり、また後述するポペットバルブ59の通路59aを
介して液圧伝達装置内の出力室64と連通している。ポ
ペットバルブ59はポペットスプリング60によってそ
の突起59bが第1ピストン51と当接すべく付勢され
ており、ポペットバルブ59は非作動時には図示のよう
に通路59aを開いて入力液室62と出力室64とを連
通している。また第1ピストン51が図中左方に移動す
ると、ポペットバルブ59はポペットスプリング60の
付勢力によって図中左方に移動し弁体61により入力液
室62と出力室64との連通を遮断する。
【0026】出力室64内にはスプリング55が配置さ
れており、このスプリング55の付勢力Fによって後述
するスプリングホルダ54、第2ピストン52、第1ピ
ストン51が図中右方に付勢されており、第1ピストン
51が本体に突き当たっている。また、第2ピストン5
2と第3ピストン53との間にはスプリングホルダ54
を介してスプリング56が配置され、スプリング55の
付勢力Fに対抗する付勢力fを発揮すべく構成されてお
り、第3ピストン53はスプリングホルダ54がスプリ
ング55によって図中右方向に押されているため、スプ
リング56の付勢力によって本体側に形成したストッパ
66に当接している。
【0027】なお、上述のポペットスプリング60、各
スプリング55、56の荷重関係は、 ポペットスプリング60+スプリング56<スプリング
55 となっている。また第1ピストン51の受圧面積はA
1、第2ピストン52の環状受圧面積はA2、第3ピス
トン53の受圧面積と第2ピストン52の図中左端面の
受圧面積との和はA3として形成されており、先述した
スプリング55、56のバネ力をF、f、マスターシリ
ンダの液圧をPm、受圧面積A2に作用する液圧導入室
63側の液圧をPr、受圧面積A3に作用する出力室6
4側の液圧(出力液圧)をPfとすると、通路59aが
閉じられた後におけるバランス式は、 f+Pm・A1+Pr・A2=Pf・A3+F の関係となり、この式から、Pr、Pfが適切な関係と
なるように、受圧面積、スプリング力を設定する。左右
前輪液圧伝達装置4、5の出力室64はポート4a、5
aを介してそれぞれ流路切換バルブ17に連通してい
る。液圧伝達装置4は、非作動時、ポペットバルブ59
は図示状態を維持し、通路59aを開いている。
【0028】〔ホイールシリンダおよびディケイバル
ブ、ホールドバルブ〕ディケイバルブ9およびホールド
バルブ10からなる制御弁装置は従来の還流型アンチロ
ック制御装置と同じ構成であり、ディケイバルブおよび
ホールドバルブの開閉は、図1に示す電子制御装置(E
CU)からの指令によっておこなう。このホールドバル
ブ9、ディケイバルブ10はアンチロック制御の時のみ
でなく、後述する作動の項において説明するように、ト
ラクション制御、ヨーモーメント制御等の自動ブレーキ
時にも電子制御装置からの指令により開閉し、ブレーキ
圧の調整を実行する。また電子制御装置は上記したセン
サの外に必要に応じて他のセンサ等から情報を採り入
れ、各バルブを開閉制御することも可能である。
【0029】以上のように構成されたブレーキ液圧制御
装置の作動を液圧ブレーキ系および電気制御式ブレーキ
系に分けて説明する。 液圧ブレーキ系 〔非作動時〕ブレーキぺダル1が開放されており、タン
デムマスターシリンダ2に液圧が発生していない時に
は、コントロールバルブ3内の第1、第2入力液室2
8、29にも液圧が発生しないためコントロールバルブ
3は作動せず、図2の状態を維持している。この結果、
アキュムレータ11からの圧力流体はコントロールバル
ブ3内のスプールピストン22に依って遮断され、ま
た、液圧伝達装置の入力液室62および圧力導入室63
内は無圧であるためホイールシリンダには液圧が発生し
ない。
【0030】〔作動時〕運転者がブレーキぺダル1を踏
み込みタンデムマスターシリンダ2で液圧が発生する
と、コントロールバルブ3内の第1入力液室28および
第2入力液室29の液圧も上昇するが、パイロットピス
トン20の両端の液圧は等しいのでパイロットピストン
20は動かない。マスターシリンダ2の第2液圧発生室
2bの液圧はコントロールバルブ3の第2入力ポート3
b、第2入力液室29を介してコントロールバルブ3内
のダイアフラムピストン21に作用するとともに、流路
33を介して右前輪側液圧伝達装置5の入力液室62に
伝達される。入力液室62内に導入された液圧により右
前輪液圧伝達装置5内の第2ピストン52が隙間Sの間
を移動する。この隙間Sの間の移動中にポペットバルブ
59が通路59aを閉じ、出力室64との連通を遮断す
る。
【0031】一方、タンデムマスターシリンダ2の第1
液圧発生室2aの液圧はコントロールバルブ3の第1入
力液室28、流路31を介して左前輪液圧伝達装置4の
入力液室62に伝達される。入力液室62内に導入され
た液圧により液圧伝達装置内の第2ピストン52が図中
左方の隙間Sの間を移動する。この隙間Sの間の移動中
にポペットバルブ59が通路59aを閉じ、出力室64
との連通を遮断する。コントロールバルブ3内におい
て、ダイアフラムピストン21に液圧が作用すると、同
ピストン21が図2中左方に移動し、さらにスプールピ
ストン22も図中左方に移動する。このとき、ダイアフ
ラムピストン21はダイアフラム36を変形しながら移
動するため、従来のようにピストンの周囲にシールを配
置した場合に比べて、ダイアフラムピストン21の摺動
抵抗を軽減でき、応答性が向上する。
【0032】スプールピストン22のさらなる移動によ
り、スプールピストン22内の中心部流路42が溝41
→ポート部材27の第2通路40→第3入力ポート3d
を介してアキュムレータ11に連通し、アキュムレータ
11内の圧力流体が中心部流路42→ブースト室46→
流路45→前輪液圧伝達装置4、5の圧力導入室63に
導入され、液圧伝達装置内の第2ピストン52を図3に
示す如く移動する。この時には第2ピストン52と第3
ピストン53との間の隙間Sが前述したように無くなっ
ているため第2ピストン52が第1ピストン53ととも
に左方に移動して出力室64内に液圧を発生し、出力室
64内の圧力流体が出力ポート4a、5aから流路切換
バルブ17、ホールドバルブ9を介して左右前後輪のホ
イールシリンダ6、7に供給され、左右前輪ブレーキを
働かせる。また、スプールピストン22のブースト室4
6内の圧液はそのままホールドバルブを介して後輪のホ
イールシリンダにも供給され、後輪のブレーキを働かせ
る。
【0033】そして、スプールピストン22の左端に作
用するブースト室46の液圧による液圧力とダイアフラ
ムピストン21の右端に作用するマスターシリンダ液圧
による液圧力とがバランスするようにスプールピストン
22が左右に動くことによって、ブースト室46の液圧
はマスターシリンダ液圧に対して比例的に増大(倍力)
される。その倍力比はスプールピストン22の左端の面
積A4と、ダイアフラムピストン21の右端の受圧面積
A5との比A5/A4によって決定される。こうして増
大(倍力)された液圧によって前後輪ともにブレーキが
働く。一方、コントロールバルブ3の第1、第2入力液
室28、29を介して液圧伝達装置4、5の入力液室6
2に作用した液圧により左右前輪液圧伝達装置4、5内
の第1ピストン51も第2ピストン52の移動につれて
図中左方に移動する。
【0034】またブレーキ開放時には、コントロールバ
ルブ3内のスプールピストン22がブースト室46内の
液圧および復帰スプリング43の付勢力によって初期位
置に復帰し、液圧伝達装置の圧力導入室63の圧力流体
はスプールピストン22の流路42→ポート部材27の
第1通路39を介してリザーバ18に還流して液圧伝達
装置4、5内の第1〜第3ピストン51〜53も出力室
64内の液圧およびスプリング55の付勢力によって初
期位置に復帰し、出力室64内の圧力流体も開放されて
前輪ブレーキが開放される。また後輪ブレーキもスプー
ルピストン22の流路42の液圧がリザーバ18に開放
されるためブレーキ開放される。なお、前述のごとくブ
レーキ作動時にマスターシリンダからの液圧で液圧伝達
装置4、5内の第1ピストン51が左方へ移動し、入力
液室62の容積が増大することによってマスターシリン
ダよりの吐出液が吸収されるため、ブレーキペダルの踏
力を増大させるにつれてブレーキペダルの踏み込み量が
増大し好適な操作フィーリングを得ることができる。
【0035】〔アンチロック制御時〕ブレーキ作動時
に、車輪にロックの虞れが生じると、車輪速センサSの
信号で、電子制御装置(ECU)からの指令によって流
路切換バルブ17を切換える。この結果各液圧伝達装置
4、5の出力室64は左右前輪配管系のホールドバルブ
9と遮断され、かつ、そのホールドバルブ9はブースト
室46に接続され、さらにコントロールバルブ3、左右
液圧伝達装置4、5はブレーキ作動時の状態で維持され
る。具体的には、流路切換バルブ17が切換わった時点
でホールドバルブ9が閉じてホイールシリンダ圧を保持
し、その後ディケイバルブ10を開くとホイールシリン
ダ6〜8内の圧力流体がリザーバ11に還流してホイー
ルシリンダ圧を減圧する。また、再加圧する必要がある
時には、ディケイバルブ10が閉じ、ホールドバルブ9
を開くと、前後輪系ともアキュムレータ11からの液圧
が第3入力ポート3d→ポート部材27の第2通路40
→コントロールバルブ3のスプールピストン22の中心
部流路42→ブースト室46→第1出力ポート3cを経
由してホイールシリンダ6〜8に供給され再加圧が行わ
れる。上記アンチロック制御中の減圧時に、ホイールシ
リンダからの液圧はディケイバルブ10から直接リザー
バに還流することができるため、従来のようなアンチロ
ック制御時にホイールシリンダ圧を減圧した際のブレー
キ液を液圧源に還流するための液圧ポンプを不要とする
ことができる。
【0036】〔自動ブレーキ〕車両発進時に駆動輪にス
リップが発生したり、車間距離が異常に短縮したり、旋
回時の車体の安定性を確保するためにブレーキを働かせ
る必要がある場合(自動ブレーキ時)には、車輪速度セ
ンサS、車間距離センサ(図示せず)等からの信号によ
り電子制御装置(ECU)が常閉型の第2切換バルブ1
6を開くとともに常開型の第1切換バルブ15を閉じ
る。この結果、アキュムレータ11内の液圧が後輪系で
は開いた第2切換バルブ16を介してホイールシリンダ
に直接供給され、また前輪系ではアキュムレータ11か
らの液圧が第1出力ポート3c→流路45を介して液圧
伝達装置4、5の圧力導入室63内に導入され、この液
圧伝達装置4、5の第2ピストン52、第3ピストン5
3を図中左方に移動しポペットバルブ59を閉じ出力室
64に液圧を発生させ、この液圧を流路切換バルブ17
を介して左右前輪に供給して、左右前輪に対して適当な
ブレーキ力を働かせ、スリップ等を解消する。なお、こ
の時のホイールシリンダ内の液圧の調整は、アンチロッ
ク制御と同様にホールドバルブ9、ディケイバルブ10
を開閉して行う。 ところで前述の第1、第2ピストン
51、52を一体的に形成してあると、自動ブレーキ作
動時に液圧伝達装置内4、5の入力液室62の容積が増
大し、一時的に入力液室62およびそれにつながる配管
系内の圧力が負圧となって空気が入力液室内等に流入す
るおそれがある。しかし、本制御装置において第1、第
2ピストン51、52は互いに相対的に移動可能となる
ように別体に形成してあるため、第1ピストン51は移
動することがなく上記のごとく入力液室62内等に負圧
が発生することがない。
【0037】〔急ブレーキ時〕ブレーキストロークセン
サBの信号により急ブレーキ操作がなされたと電子制御
装置(ECU)が判断したときには、第1切換バルブ1
5を閉じ、第2切換バルブ16を開くことによってアキ
ュムレータ11内の大きな液圧力が前後輪のホイールシ
リンダ6〜8に作用する。 〔フェイル時〕本液圧伝達装置は、何等かの原因により
アキュムレータ11からの圧力流体が供給されず倍力機
能を発揮しない場合(フェイル時)には、コントロール
バルブ内のスプールピストン22が移動しても圧力導入
室63に液圧が発生せず第2ピストン52、第3ピスト
ン53は圧力導入室63内の液圧では移動しない。しか
し、タンデムマスターシリンダで発生した液圧が、コン
トロールバルブ3の第1、第2入力ポート3a、3b→
第1、第2入力液室28、29→流路31、33→左右
前輪液圧伝達装置4、5の入力液室62に作用し、第1
ピストン51、第2ピストン52、第3ピストン53を
一体に移動して出力室に液圧を発生させ、この液圧を前
輪ホイールシリンダに直接伝達してブレーキ作用を行う
ことができる。 なお、本液圧伝達装置においてはタン
デムマスターシリンダの液圧ピストンの径を比較的に小
さくすることができ、液圧伝達装置の第3ピストン53
の受圧面積を大きくとることができるためアキュムレー
タ11のフェイル時においても十分なブレーキ力を確保
することができる。
【0038】また、タンデムマスターシリンダ2の第1
液圧発生室2aの系統が失陥したときにはコントロール
バルブ3の第2入力液室29に流入するタンデムマスタ
ーシリンダ2の第2液圧発生室2bの液圧によってダイ
アフラムピストン21、スプールピストン22を左方に
移動し、アキュムレータからの液圧により後輪では直接
ブレーキが作用し、また前輪では左右前輪液圧伝達装置
内の第2、第3ピストンを移動して出力室64内に液圧
を発生させブレーキを働かせる。また、タンデムマスタ
ーシリンダ2の第2液圧発生室2bの系統が失陥したと
きには、第1液圧発生室2aの液圧でパイロットピスト
ン20が移動してダイアフラムピストン21に当接し、
上記と同様にスプールピストン22を移動してアキュム
レータ11からの液圧を利用して左右前後輪にブレーキ
を働かせる。
【0039】電気制御式ブレーキ系 〔作動時〕運転者がハンドレバーあるいはハンドスイッ
チを操作すると、また電子制御装置からその操作量に応
じた信号(電流)がリニアアクチュエータ70に出力さ
れる。リニアアクチュエータ70では操作量に応じた軸
力を出力軸71を介してコントロールバルブ3内のパイ
ロットピストン20に伝達し、パイロットピストン20
を図2中左方に移動する。この結果、パイロットピスト
ン20がダイヤフラムピストン21に当接し、パイロッ
トピストン20、ダイヤフラムピストン21、スプール
ピストン22が一体にとなって図中左方に移動する。
【0040】スプールピストン22のさらなる移動によ
り、スプールピストン22内の中心部流路42が溝41
→ポート部材27の第2通路40→第3入力ポート3d
を介してアキュムレータ11に連通し、アキュムレータ
11内の圧力流体が中心部流路42→ブースト室46→
流路45→前輪液圧伝達装置4、5の圧力導入室63に
導入され、液圧伝達装置内の第2ピストン52を図3に
示す如く移動する。この時には第2ピストン52が隙間
S分移動する間にポペットバルブ59が着座し、さらな
る移動によって第3ピストン53と当接し、さらに第2
ピストン52が第3ピストン53とともに左方に移動し
て出力室64内に液圧を発生し、出力室64内の圧力流
体が流路切換バルブ17、ホールドバルブ9を介して左
右前後輪のホイールシリンダ6、7に供給され、左右前
輪ブレーキを働かせる。また、スプールピストン22の
ブースト室46内の圧液はそのままホールドバルブを介
して後輪のホイールシリンダにも供給され、後輪のブレ
ーキを働かせる。
【0041】そして、スプールピストン22の左端に作
用するブースト室46の液圧による液圧力はダイアフラ
ムピストン21、パイロットピストン20を介してスプ
ールピストン20に作用するリニアアクチュエータ70
の軸力とバランスするようにスプールピストン22が左
右に移動してポート部材27の第1通路39、第2通路
40を連通遮断しながら制御されるため、ブースト室4
6の液圧は常にリニアアクチュエータ70の軸力にバラ
ンスした液圧となっている。こうしてブースト室の液圧
によって前後輪ともにブレーキが働く。
【0042】またブレーキ開放時には、リニアアクチュ
エータ70が初期位置に復帰すると、コントロールバル
ブ3内のスプールピストン22はブースト室46内の液
圧および復帰スプリング43によって初期位置に復帰
し、溝41とポート部材27の第1通路39とを連通
し、ブースト室46内の液圧を流路42→溝41→第1
通路39→第2出力ポート3e→第1切換バルブ15か
らリザーバ18に還流する。ブースト室46の液圧が開
放されると、液圧伝達装置4、5の圧力導入室63の圧
力流体もスプールピストン22の流路42→ポート部材
27の第1通路39を介してリザーバ18に還流するた
め液圧伝達装置4、5内の第1〜第3ピストン51〜5
3は出力室64内の液圧およびスプリング55の付勢力
によって初期位置に復帰し、出力室64内の圧力流体も
開放されて前輪ブレーキが開放される。また後輪ブレー
キもブースト室46の液圧がリザーバ18に開放される
ためブレーキ開放される。
【0043】ブレーキ作動中に、車輪にロックの虞れが
生じると、車輪速センサSの信号で、電子制御装置(E
CU)からの指令によって流路切換バルブ17を切換え
る。この結果各液圧伝達装置4、5の出力室64は左右
前輪配管系のホールドバルブ9と遮断され、かつ、その
ホールドバルブ9はブースト室46に接続され、さらに
リニアアクチュエータ70、コントロールバルブ3、左
右液圧伝達装置4、5はブレーキ作動時の状態で維持さ
れる。この状態で、ホールドバルブ9、ディケイバルブ
10を車輪の状態の応じて開閉することで、ブレーキ液
圧の保持、減圧、再加圧をおこなうが、この態様は液圧
ブレーキ系と同じである。
【0044】なお、ハンドレバー等を急に操作した急ブ
レーキ時にも、電子制御装置(ECU)がその状態を判
断したときには、第1切換バルブ15を閉じ、第2切換
バルブ16を開くことによってアキュムレータ11内の
大きな液圧力が前後輪のホイールシリンダ6〜8に作用
する構成としてある。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に述べた如く本発明によれば、 1)ブレーキ配管系を前後輪の2系統としながら、前輪
系統をさらに左右輪独立の配管系とし、後輪系統は左右
共通の配管系としたため、前輪系のいずれか一方に仮に
失陥が発生したとしても他側の前輪のブレーキ力が維持
されるためブレーキ力不足となる事態を防止することが
できる。 2)後輪配管系には液圧伝達装置を設けずブレーキ液圧
制御装置内のアキュムレータからの液圧を直接ブレーキ
シリンダに供給できるようにたため、装置の大型化、コ
ストアップを防止することができる。 3)倍力装置をマスターシリンダとは分離した構成とす
ることで、車両搭載性の向上を図る。 4)種々のセンサからの情報をもとに電子制御装置によ
って液圧ポンプや各種弁を制御できるため、電子制御装
置内のプログラムを変更するだけで、種々のブレーキ態
様を実現することができる。 5)アンチロック制御時、トラクション制御時等のブレ
ーキ液圧の再加圧、減圧、保持等を精度よく実現するこ
とができブレーキのフィーリングを向上できる 6)液圧伝達装置内の第1、第2ピストンを分離して構
成したため、自動ブレーキ作動時には、液圧伝達装置内
の第1ピストンが移動せず、同装置内の入力液室内等に
負圧が発生することがない。 7)アンチロック制御中の減圧時に、ホイールシリンダ
からの液圧をディケイバルブから直接リザーバに還流す
ることができるため、従来のようなアンチロック制御用
の液圧ポンプを不要とすることができ構成が簡略化す
る。 8)コントロールバルブに隣接してリニアアクチュエー
タを配置し、このリニアアクチュエータをブレーキレバ
ーあるいはハンドスイッチ等の手動操作部からの指令に
よって作動することでブレーキを働かせることができる
ようにしたため、身体障害者向けの車両への適用が容易
に可能となる。等々の優れた効果を奏することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係わるブレーキ液圧制御装
置の全体構成図である。
【図2】本ブレーキ液圧制御装置内のコントロールバル
ブと液圧伝達装置の拡大断面図である。
【図3】本液圧伝達装置のブレーキ作動時の状態図であ
る。
【図4】従来のブレーキ液圧制御装置の全体構成図であ
る。
【符号の説明】
1 ブレーキぺダル 2 タンデムマスターシリンダ 3 コントロールバルブ 4 左前輪液圧伝達装置 5 右前輪液圧伝達装置 6 左フロントホイールシリンダ 7 右フロントホイールシリンダ 8 左右リヤホイールシリンダ 9 ホールドバルブ 10 ディケイバルブ 11 アキュムレータ 12 圧力センサ 13 液圧ポンプ 14 リリーフ弁 15 第1切換バルブ 16 第2切換バルブ 17 流路切換バルブ 18 リザーバ 20 パイロットピストン 21 ダイアフラムピストン 22 スプールピストン 24 第1シリンダ 25 第2シリンダ 26 第3シリンダ 27 ポート部材 28 第1入力液室 29 第2入力液室 30 大気室 31、33 流路 34 第1スプリング 35 第2スプリング 36 ダイアフラム 37 液室 38 係合突起 39 第1通路 40 第2通路 41 スプールピストンに形成した溝 42 スプールピストンの中心部に形成し
た流路 43 復帰スプリング 45 流路 46 ブースト室 51 第1ピストン 52 第2ピストン 53 第3ピストン 54 スプリングホルダ 55、56 スプリング 57 通路 58 液室 59 ポペットバルブ 60 ポペットスプリング 61 弁体 62 入力液室 63 液圧導入室 64 出力室 65 液室 66 ストッパ 70 リニアアクチュエータ 71 出力軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスターシリンダ2で発生した液圧に比例
    して増圧された圧力源11の液圧を出力するコントロー
    ルバルブ3と、該コントロールバルブからの出力液圧に
    よってピストンを作動させ液圧を発生する一対の液圧伝
    達装置4、5を備え、前記一対の液圧伝達装置4、5は
    左右前輪系の独立した配管系にそれぞれ配置し、前記コ
    ントロールバルブ3からの出力液圧を直接後輪ホイール
    シリンダ8に供給するようにするとともに、前記一対の
    前輪液圧伝達装置4、5のピストンを作動し、前記前輪
    液圧伝達装置で発生した液圧をそれぞれ対応する左右の
    前輪ホイールシリンダ6、7に供給するようにし、さら
    に前記コントロールバルブは電子制御装置からの指令信
    号によって作動するリニアアクチュエータ70によって
    流路を切換え、前記リニアアクチュエータの軸力にバラ
    ンスする圧力源の液圧を出力し、前記コントロールバル
    ブからの出力液圧を直接後輪ホイールシリンダ8に供給
    するとともに、前記一対の前輪液圧伝達装置のピストン
    を作動し、前記前輪液圧伝達装置で発生した液圧をそれ
    ぞれ対応する左右の前輪ホイールシリンダ6、7に供給
    するようにしたことを特徴とするブレーキ液圧制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記コントロールバルブはマスターシリン
    ダからの液圧によって作動するダイヤフラムピストンを
    介して流路を切換えるスプールピストンを備え、さら
    に、前記スプールピストンはリニアアクチュエータの作
    動により前記ダイヤフラムピストンを介して流路切換え
    可能に構成し、前記コントロールバルブはマスターシリ
    ンダからの液圧またはリニアアクチュエータの軸力によ
    り前記ダイヤフラムピストンを介してスプールピストン
    を移動して圧力源からの液圧を導入し、この圧力をマス
    ターシリンダからの液圧に比例して増圧した液圧に調整
    するかリニアアクチュエータの軸力にバランスした液圧
    に調整して出力するべく構成したことを特徴とする請求
    項1に記載のブレーキ液圧制御装置。
  3. 【請求項3】マスターシリンダと、電子制御装置の指令
    信号により所定の推力を発生するリニアアクチュエータ
    と、マスターシリンダの液圧もしくはリニアアクチュエ
    ータの推力に比例すべく圧力源の液圧を制御して出力す
    るコントロールバルブと、コントロールバルブの出力液
    圧により作動するブレーキ装置とを備えていることを特
    徴とするブレーキ液圧制御装置。
JP10047083A 1998-02-27 1998-02-27 ブレーキ液圧制御装置 Withdrawn JPH11245799A (ja)

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