JPH11246931A - 超微細フェライト組織鋼 - Google Patents
超微細フェライト組織鋼Info
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- JPH11246931A JPH11246931A JP5254598A JP5254598A JPH11246931A JP H11246931 A JPH11246931 A JP H11246931A JP 5254598 A JP5254598 A JP 5254598A JP 5254598 A JP5254598 A JP 5254598A JP H11246931 A JPH11246931 A JP H11246931A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 方位がランダムに近く大角粒界に囲まれた超
微細フェライト組織を提供する。 【解決手段】 平均粒径が3.0μm以下で、15°以
上の大角粒界に囲まれたフェライトを体積率で60%以
上含有し、フェライトの特定方位の集積度が4以下であ
るフェライト組織鋼とする。
微細フェライト組織を提供する。 【解決手段】 平均粒径が3.0μm以下で、15°以
上の大角粒界に囲まれたフェライトを体積率で60%以
上含有し、フェライトの特定方位の集積度が4以下であ
るフェライト組織鋼とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、超微細フ
ェライト組織鋼に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、高強度構造用鋼、そして高強度な一
般溶接構造用鋼等として有用な超微細フェライト組織鋼
とその製造方法に関するものである。
ェライト組織鋼に関するものである。さらに詳しくは、
この出願の発明は、高強度構造用鋼、そして高強度な一
般溶接構造用鋼等として有用な超微細フェライト組織鋼
とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来、制御圧延−加速冷却技
術は、低合金鋼において、その強度向上に寄与すること
のできる微細なフェライトを得るための有効な方法であ
った。すなわち、オーステナイト未再結晶域における累
積圧下率とその後の冷却速度を制御によって、微細な組
織が得られている。しかし、得られるフェライト粒径は
せいぜいSi−Mn鋼で10ミクロン、Nb鋼で5ミク
ロンが限界であった。さらに、特公昭62−3922
8、特公昭62−7247に述べられているように、2
相域も含めたAr1〜Ar3+100℃の温度域で合計
減面率が75%以上の圧下を加え、その後20K/s以
上で冷却することによって、3.4ミクロン程度のフェ
ライト粒が得られる。特公平5−65564に述べられ
ているように、3ミクロン未満となってくると、極めて
大きな圧下量と冷却速度が40K/s以上が必要であ
る。しかし、20K/s以上の急冷は、板厚が薄い場合
にのみ成り立ち得る手段であり、広く一般溶接構造用鋼
の製造方法としては成立しがたい。
術は、低合金鋼において、その強度向上に寄与すること
のできる微細なフェライトを得るための有効な方法であ
った。すなわち、オーステナイト未再結晶域における累
積圧下率とその後の冷却速度を制御によって、微細な組
織が得られている。しかし、得られるフェライト粒径は
せいぜいSi−Mn鋼で10ミクロン、Nb鋼で5ミク
ロンが限界であった。さらに、特公昭62−3922
8、特公昭62−7247に述べられているように、2
相域も含めたAr1〜Ar3+100℃の温度域で合計
減面率が75%以上の圧下を加え、その後20K/s以
上で冷却することによって、3.4ミクロン程度のフェ
ライト粒が得られる。特公平5−65564に述べられ
ているように、3ミクロン未満となってくると、極めて
大きな圧下量と冷却速度が40K/s以上が必要であ
る。しかし、20K/s以上の急冷は、板厚が薄い場合
にのみ成り立ち得る手段であり、広く一般溶接構造用鋼
の製造方法としては成立しがたい。
【0003】このような事情から、強度向上に寄与する
フェライトの微細化については、従来ではフェライト粒
径を3μm未満とすることは極めて困難であって、実際
的にも実現されていないのが実情である。そしてまた、
制御圧延で、未再結晶域の圧下量を増加させてゆくと以
下のような問題が生じる。すなわち、たとえば図6(鉄
と鋼65(1979)1747−1755)に示すよう
に加工量が大きくなるほど、特定方位{332}<11
3>、{113}<110>の集積度が大きくなり、小
角粒界の割合が大きくなってしまう。仮に3ミクロン程
度まで微細化できたとしても、高強度化や疲労強度の上
昇は微細化によって期待されるほど大きくならないので
ある。また、フェライト粒同志が同一方位を有する確率
が大きくなるため、フェライト粒同志の合体粒成長が生
じやすくなり、微細化そのものも困難になる。この点か
らも、フェライトの微細化は、5μmが限界であった。
フェライトの微細化については、従来ではフェライト粒
径を3μm未満とすることは極めて困難であって、実際
的にも実現されていないのが実情である。そしてまた、
制御圧延で、未再結晶域の圧下量を増加させてゆくと以
下のような問題が生じる。すなわち、たとえば図6(鉄
と鋼65(1979)1747−1755)に示すよう
に加工量が大きくなるほど、特定方位{332}<11
3>、{113}<110>の集積度が大きくなり、小
角粒界の割合が大きくなってしまう。仮に3ミクロン程
度まで微細化できたとしても、高強度化や疲労強度の上
昇は微細化によって期待されるほど大きくならないので
ある。また、フェライト粒同志が同一方位を有する確率
が大きくなるため、フェライト粒同志の合体粒成長が生
じやすくなり、微細化そのものも困難になる。この点か
らも、フェライトの微細化は、5μmが限界であった。
【0004】従来は生成するフェライトの方位を制御す
る技術が全くないため、フェライト粒の微細化と同時に
フェライトの方位のランダム化を図ることはできなかっ
た。そこで、この出願は、以上のとおりの従来技術の限
界を克服し、フェライト粒の超微細化とその大角粒界
化、ならびに方位のランダム化を実現した、一般溶接構
造用溝等として有用な、新しい超微細フェライト組織鋼
と、これを製造するための方法を提供することを課題と
している。
る技術が全くないため、フェライト粒の微細化と同時に
フェライトの方位のランダム化を図ることはできなかっ
た。そこで、この出願は、以上のとおりの従来技術の限
界を克服し、フェライト粒の超微細化とその大角粒界
化、ならびに方位のランダム化を実現した、一般溶接構
造用溝等として有用な、新しい超微細フェライト組織鋼
と、これを製造するための方法を提供することを課題と
している。
【0005】
【課題を解決するための手段】この出願は、上記の課題
を解決するために、まず第1の発明として、平均粒径が
3.0μm以下で、15°以上の大角粒界に囲まれたフ
ェライトを体積率で60%以上含有し、フェライトの特
定方位の集積度が4以下であることを特徴とする超微細
フェライト組織鋼を提供する。
を解決するために、まず第1の発明として、平均粒径が
3.0μm以下で、15°以上の大角粒界に囲まれたフ
ェライトを体積率で60%以上含有し、フェライトの特
定方位の集積度が4以下であることを特徴とする超微細
フェライト組織鋼を提供する。
【0006】また、この出願は、第2の発明として、オ
ーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する方
法であって、変態前のオーステナイト粒界が、その粒界
面に対して垂直な面上から見ての線状の粒界において粒
界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅20
0nm以上の起伏を有しているものとすることを特徴と
する超微細フェライト組織鋼の製造方法を提供する。
ーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する方
法であって、変態前のオーステナイト粒界が、その粒界
面に対して垂直な面上から見ての線状の粒界において粒
界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅20
0nm以上の起伏を有しているものとすることを特徴と
する超微細フェライト組織鋼の製造方法を提供する。
【0007】さらにこの出願は、第3の発明として、オ
ーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する方
法であって、変態前のオーステナイト粒内の焼鈍双晶
が、その境界に対して垂直な面上から見ての線状境界に
おいて粒界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、
振幅200nm以上の起伏を有しているものとすること
を特徴とする超微細フェライト組織鋼の製造方法を提供
する。
ーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する方
法であって、変態前のオーステナイト粒内の焼鈍双晶
が、その境界に対して垂直な面上から見ての線状境界に
おいて粒界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、
振幅200nm以上の起伏を有しているものとすること
を特徴とする超微細フェライト組織鋼の製造方法を提供
する。
【0008】そして、この出願は、第4の発明として、
オーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する
方法であって、オーステナイトの未再結晶温度にて圧下
率30%以上の圧縮加工を加え、加工後に3K/s以上
の速度で冷却することを特徴とする超微細フェライト組
織鋼の製造方法をも提供する。すなわち、以上のとおり
のこの出願の発明によって、これまでに全く知られてい
ない超微細フェライト組織鋼が提供される。
オーステナイト鋼を加工して第1の発明の鋼を製造する
方法であって、オーステナイトの未再結晶温度にて圧下
率30%以上の圧縮加工を加え、加工後に3K/s以上
の速度で冷却することを特徴とする超微細フェライト組
織鋼の製造方法をも提供する。すなわち、以上のとおり
のこの出願の発明によって、これまでに全く知られてい
ない超微細フェライト組織鋼が提供される。
【0009】この超微細フェライト組織鋼は、 1)平均粒径が3.0μm以下であって、15°以上の
大角粒界に囲まれたフェライトを、体積率で60%以上
含有し、 2)フェライトの特定方位の集積度が4以下であること
を要件としている。
大角粒界に囲まれたフェライトを、体積率で60%以上
含有し、 2)フェライトの特定方位の集積度が4以下であること
を要件としている。
【0010】このような新しい超微細フェライト組織鋼
については、この出願の発明者の検討によって、フェラ
イトの超微細化とその大角粒界化と方位ランダム化のた
めには、変態前のオーステナイト粒界と変態前のオース
テナイト粒内の焼鈍双晶が起伏を持つこと、すなわち、
直線的ではないことが、超微細化とともに、粒内フェラ
イトと粒界フェライトの方位ランダム化、大角粒界化に
必要であることが見出されたことに基づいている。たと
えば図1に粒界の模式図を示すが、生成するフェライト
はオーステナイトに対してK−Sの関係をもって核生成
するが、さらに、粒界面に対して最密充填面ができるだ
け近い角(φ)を持つように核生成する。するとたとえ
ば図2のように、オーステナイト粒界に起伏を与えて、
オーステナイト粒界面がいろいろな方向を向く場合に
は、生成するフェライトもいろいろな方向を向くことに
なる。すなわち、粒界フェライトの方位ランダム化が進
むことになる。また、加工を受けたオーステナイト粒界
内の変形帯や焼鈍双晶は、粒界に匹敵する核生成サイト
となりえるが、図2の粒界と同様のような凹凸を有する
場合には、生成するフェライトは粒界フェライト同様
に、いろいろな方向を向くことになる。したがって、い
わゆる粒内フェライトの方位もランダム化するのであ
る。
については、この出願の発明者の検討によって、フェラ
イトの超微細化とその大角粒界化と方位ランダム化のた
めには、変態前のオーステナイト粒界と変態前のオース
テナイト粒内の焼鈍双晶が起伏を持つこと、すなわち、
直線的ではないことが、超微細化とともに、粒内フェラ
イトと粒界フェライトの方位ランダム化、大角粒界化に
必要であることが見出されたことに基づいている。たと
えば図1に粒界の模式図を示すが、生成するフェライト
はオーステナイトに対してK−Sの関係をもって核生成
するが、さらに、粒界面に対して最密充填面ができるだ
け近い角(φ)を持つように核生成する。するとたとえ
ば図2のように、オーステナイト粒界に起伏を与えて、
オーステナイト粒界面がいろいろな方向を向く場合に
は、生成するフェライトもいろいろな方向を向くことに
なる。すなわち、粒界フェライトの方位ランダム化が進
むことになる。また、加工を受けたオーステナイト粒界
内の変形帯や焼鈍双晶は、粒界に匹敵する核生成サイト
となりえるが、図2の粒界と同様のような凹凸を有する
場合には、生成するフェライトは粒界フェライト同様
に、いろいろな方向を向くことになる。したがって、い
わゆる粒内フェライトの方位もランダム化するのであ
る。
【0011】このようなオーステナイト粒界やオーステ
ナイト粒内の焼鈍双晶に起伏を持たせることは材料内に
ミクロなひずみ勾配を付与することに他ならない。具体
的なひずみ勾配の付与方法としては、アンビルを用いた
圧縮加工やロール圧延加工等の手段がある。以上の起伏
の存在によって、平均粒径で3.0ミクロン以下で隣接
フェライト粒の方位差角が15°以上の大角粒界を有
し、さらに、特定方位の集積度が4以下のフェライト微
細な組織鋼が可能とされるのである。
ナイト粒内の焼鈍双晶に起伏を持たせることは材料内に
ミクロなひずみ勾配を付与することに他ならない。具体
的なひずみ勾配の付与方法としては、アンビルを用いた
圧縮加工やロール圧延加工等の手段がある。以上の起伏
の存在によって、平均粒径で3.0ミクロン以下で隣接
フェライト粒の方位差角が15°以上の大角粒界を有
し、さらに、特定方位の集積度が4以下のフェライト微
細な組織鋼が可能とされるのである。
【0012】そして、一般に、微細なフェライトはその
変態過程及びその後において、極めて合体、粒成長しや
すいが、大角粒界からなるフェライトは容易に合体、粒
成長せず、微細なまま室温にいたることもこの出願の発
明者により見出されているのでもある。
変態過程及びその後において、極めて合体、粒成長しや
すいが、大角粒界からなるフェライトは容易に合体、粒
成長せず、微細なまま室温にいたることもこの出願の発
明者により見出されているのでもある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下にこの出願の発明の実施の形
態についてさらに説明する。前記したように、この出願
の第1の発明は、一般溶接構造用鋼として有用な、高強
度の超微細フェライト組織鋼からなるものであるが、こ
のものを製造するためには、オーステナイトを加工する
ことになり、このオーステナイトの加工による製造に際
しては、<A>第2の発明のように、変態前のオーステ
ナイト粒界、<B>第3の発明のように、変態前のオー
ステナイト粒内の変形帯もしくは焼鈍双晶の少くともい
ずれかにおいて、その粒界または境界に対して垂直な面
上から見ての線状の粒界または境界で、粒界単位長さ当
り70%以上が周期8μm以下、振幅200nm以上の
起伏が存在するようにする。
態についてさらに説明する。前記したように、この出願
の第1の発明は、一般溶接構造用鋼として有用な、高強
度の超微細フェライト組織鋼からなるものであるが、こ
のものを製造するためには、オーステナイトを加工する
ことになり、このオーステナイトの加工による製造に際
しては、<A>第2の発明のように、変態前のオーステ
ナイト粒界、<B>第3の発明のように、変態前のオー
ステナイト粒内の変形帯もしくは焼鈍双晶の少くともい
ずれかにおいて、その粒界または境界に対して垂直な面
上から見ての線状の粒界または境界で、粒界単位長さ当
り70%以上が周期8μm以下、振幅200nm以上の
起伏が存在するようにする。
【0014】この場合の周期や振幅は、たとえば図3に
例示したように、前記の粒界または粒界(α)において
の起伏が、周期(L)8μm以下、振幅(W)200n
m以上であることを意味している。以上の要件は、たと
えばこの出願の第4の発明のように、オーステナイト化
した後に、オーステナイトの再結晶温度以下の未再結晶
温度にて、圧下率30%以上の平面ひずみ圧縮加工を行
うことにより可能となる。そして、加工後には3K/s
以上で冷却することで、前記のとおりの超微細フェライ
ト組織鋼が実現される。
例示したように、前記の粒界または粒界(α)において
の起伏が、周期(L)8μm以下、振幅(W)200n
m以上であることを意味している。以上の要件は、たと
えばこの出願の第4の発明のように、オーステナイト化
した後に、オーステナイトの再結晶温度以下の未再結晶
温度にて、圧下率30%以上の平面ひずみ圧縮加工を行
うことにより可能となる。そして、加工後には3K/s
以上で冷却することで、前記のとおりの超微細フェライ
ト組織鋼が実現される。
【0015】前記の周期(L)および振幅(W)は、こ
のプロセスにおいて各々、8μm以下、200nm以上
とされる。周期(L)が8μmを越える場合、振幅
(W)が200nm未満の場合には、いずれもこの発明
の超微細フェライト組織鋼を得ることは難しくなる。圧
縮加工の圧下率は30%以上とするが、より好ましくは
50%以上である。そしてその加工のための手段として
は、図4に例示したアンビル(Anvil) 加工が好適なもの
の一つとして例示される。
のプロセスにおいて各々、8μm以下、200nm以上
とされる。周期(L)が8μmを越える場合、振幅
(W)が200nm未満の場合には、いずれもこの発明
の超微細フェライト組織鋼を得ることは難しくなる。圧
縮加工の圧下率は30%以上とするが、より好ましくは
50%以上である。そしてその加工のための手段として
は、図4に例示したアンビル(Anvil) 加工が好適なもの
の一つとして例示される。
【0016】このアンビルを用いた平面歪み圧縮では、
減面率で1パス90%を越える強加工も可能である。そ
して、アンビル加工では、図4に示すように、加工部は
ロール圧延に比べ同じ減面率でも、せん断変形を含む大
きな変形を受けることになる。なお、この出願の発明の
フェライト組織鋼の化学組成については特に限定はな
く、Si,Mn,C,P,S,N,Nb,Ti,V,A
l等を適量な割合で含有するものでよい。ただ、溶接性
を考慮する場合には、C(炭素)については0.3ma
ss%以下とするのが適当である。
減面率で1パス90%を越える強加工も可能である。そ
して、アンビル加工では、図4に示すように、加工部は
ロール圧延に比べ同じ減面率でも、せん断変形を含む大
きな変形を受けることになる。なお、この出願の発明の
フェライト組織鋼の化学組成については特に限定はな
く、Si,Mn,C,P,S,N,Nb,Ti,V,A
l等を適量な割合で含有するものでよい。ただ、溶接性
を考慮する場合には、C(炭素)については0.3ma
ss%以下とするのが適当である。
【0017】以上のとおりのこの出願の発明によりラン
ダムな方位を有する平均フェライト粒径で3.0μm以
下の構造用鋼を製造可能になったことは、高強度鋼の製
造に全く新たな方法を与えることになる。しかも、高価
な元素であるNi,Cr,Mo,Cu等を用いることな
く、超微細組織が得られるようになり、高強度鋼の安価
に製造できるようになったことは実用的にも極めて意義
あることである。
ダムな方位を有する平均フェライト粒径で3.0μm以
下の構造用鋼を製造可能になったことは、高強度鋼の製
造に全く新たな方法を与えることになる。しかも、高価
な元素であるNi,Cr,Mo,Cu等を用いることな
く、超微細組織が得られるようになり、高強度鋼の安価
に製造できるようになったことは実用的にも極めて意義
あることである。
【0018】そこで以下実施例を示し、さらに詳しくこ
の発明について説明する。
の発明について説明する。
【0019】
【実施例】以下の実施例1〜3並びに比較例において
は、表1の鋼種番号1(組成1)の鋼を用いた。
は、表1の鋼種番号1(組成1)の鋼を用いた。
【0020】
【表1】
【0021】(実施例1)組成1の鋼をオーステナイト
化し、その粒径を15ミクロンに調整したものに対し、
750℃で、ひずみ速度10/s、減面率73%のアン
ビル圧縮加工を一度に行った。加工時のオーステナイト
粒界を凍結するために、加工直後に水冷を行い、マルテ
ンサイト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製し
た。このマルテンサイト組織の旧オーステナイト粒界を
観察したところ、粒界単位長さ当り、85%に明確な凹
凸が存在し、その周期は5.5ミクロン以下、振幅は3
50nm以上であった。次に、同一条件で加工をおこな
い、オーステナイト粒界に上記の凹凸を与えた後、10
K/sで冷却を行った。得られた組織はフェライト−パ
ーライトであった。フェライト組織の平均粒径は直線切
断法で測定したところ2.0ミクロンであった。電子線
後方散乱回折(EBSD)による3次元結晶構造解析に
よって、圧延方向に対して直角な面(TD面)の組織の
方位情報を計測したところ、図5に示すように、フェラ
イトの方位はランダムであり、図5に示すように、せい
ぜい{001}//ND方位の集積度が1.9であるに
すぎなかった。隣接フェライト粒の方位差角15度以上
の大角粒界の割合は、測定面上の粒界長さの比より、9
5%であった。この発明で規定するところのフェライト
の体積率は75%であった。(実施例2)組成1の鋼の
オーステナイト粒径300ミクロンのものに対し、75
0℃で、ひずみ速度10/sで、減面率73%のアンビ
ル圧縮加工を一度に行った。加工時のオーステナイト粒
界を凍結するために、加工直後に水冷を行い、マルテン
サイト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製し
た。このマルテンサイ組織の旧オーステナイト粒界を観
察したところ、明確な凹凸が存在し、その周期は6.1
ミクロン以下、振幅は300nm以上であった。また、
旧焼鈍双晶を観察したところ、粒界単位長さ当り80%
に明確な凹凸が存在し、その周期は6.2ミクロン以
下、振幅は300nm以上であった。次に、同一条件で
加工をおこない、オーステナイト粒界および粒内の焼鈍
双晶に上記の凹凸を与えた後、10K/sで冷却を行っ
た。得られた組織はフェライト−パーライトであった。
フェライト組織の平均粒径は直線切断法で測定したとこ
ろ2.6ミクロンであった。電子線後方散乱回折(EB
SD)による3次元結晶構造解析によって、圧延方向に
対して直角な面(TD面)の組織の方位情報を計測した
ところ、フェライトの方位はランダムであり、図6に示
すように、せいぜい{001}//ND方位の集積度が
2.1であるにすぎなかった。隣接フェライト粒の方位
差角15度以上の大角粒界の割合は、測定面上の粒界長
さの比より、94%であった。この発明で規定するとこ
ろのフェライトの体積率は75%であった。 (実施例3)組成1の鋼のオーステナイト粒径15ミク
ロンのものに対し、750℃で、ひずみ速度10/s
で、一回で減面率50%のアンビル圧縮加工を行った。
圧下直後に水冷を行い、旧オーステナイトを観察した。
また、圧延後10K/sの冷却速度で冷却し、フェライ
ト−パーライト組織を作製した。フェライト組織の平均
粒径は直線切断法で測定したところ2.4ミクロンであ
った。電子線後方散乱回折(EDSD)を用いた3次元
結晶構造解析法(ODF法)によって、組織の方位情報
を計測したところ、方位の集積度が3.8であった。フ
ェライト粒界にしめる方位差角15度以上の大角粒界の
割合は、測定面上の長さの比より95%であった。旧オ
ーステナイト粒界には、粒界単位長さ当り75%に凹凸
が存在し、その周期は6.9ミクロン以下、振幅は30
0nm以上であった。電子線後方散乱回折法を用いて、
粒界から生成したフェライト粒の方位を測定したとこ
ろ、粒界から生成したフェライト粒の方位は、ランダム
であった。この発明で規定するところのフェライトの体
積率は75%であった。 (比較例)組成1の鋼のオーステナイト粒径30ミクロ
ンのものに対し、無加工のまま水冷を行い、マルテンサ
イト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製した。
このマルテンサイト組織の旧オーステナイト粒界を観察
したところ、旧オーステナイト粒界は、直線で、周期的
な凹凸はみられず、時折存在する凹凸の振幅は200n
m以下であった。
化し、その粒径を15ミクロンに調整したものに対し、
750℃で、ひずみ速度10/s、減面率73%のアン
ビル圧縮加工を一度に行った。加工時のオーステナイト
粒界を凍結するために、加工直後に水冷を行い、マルテ
ンサイト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製し
た。このマルテンサイト組織の旧オーステナイト粒界を
観察したところ、粒界単位長さ当り、85%に明確な凹
凸が存在し、その周期は5.5ミクロン以下、振幅は3
50nm以上であった。次に、同一条件で加工をおこな
い、オーステナイト粒界に上記の凹凸を与えた後、10
K/sで冷却を行った。得られた組織はフェライト−パ
ーライトであった。フェライト組織の平均粒径は直線切
断法で測定したところ2.0ミクロンであった。電子線
後方散乱回折(EBSD)による3次元結晶構造解析に
よって、圧延方向に対して直角な面(TD面)の組織の
方位情報を計測したところ、図5に示すように、フェラ
イトの方位はランダムであり、図5に示すように、せい
ぜい{001}//ND方位の集積度が1.9であるに
すぎなかった。隣接フェライト粒の方位差角15度以上
の大角粒界の割合は、測定面上の粒界長さの比より、9
5%であった。この発明で規定するところのフェライト
の体積率は75%であった。(実施例2)組成1の鋼の
オーステナイト粒径300ミクロンのものに対し、75
0℃で、ひずみ速度10/sで、減面率73%のアンビ
ル圧縮加工を一度に行った。加工時のオーステナイト粒
界を凍結するために、加工直後に水冷を行い、マルテン
サイト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製し
た。このマルテンサイ組織の旧オーステナイト粒界を観
察したところ、明確な凹凸が存在し、その周期は6.1
ミクロン以下、振幅は300nm以上であった。また、
旧焼鈍双晶を観察したところ、粒界単位長さ当り80%
に明確な凹凸が存在し、その周期は6.2ミクロン以
下、振幅は300nm以上であった。次に、同一条件で
加工をおこない、オーステナイト粒界および粒内の焼鈍
双晶に上記の凹凸を与えた後、10K/sで冷却を行っ
た。得られた組織はフェライト−パーライトであった。
フェライト組織の平均粒径は直線切断法で測定したとこ
ろ2.6ミクロンであった。電子線後方散乱回折(EB
SD)による3次元結晶構造解析によって、圧延方向に
対して直角な面(TD面)の組織の方位情報を計測した
ところ、フェライトの方位はランダムであり、図6に示
すように、せいぜい{001}//ND方位の集積度が
2.1であるにすぎなかった。隣接フェライト粒の方位
差角15度以上の大角粒界の割合は、測定面上の粒界長
さの比より、94%であった。この発明で規定するとこ
ろのフェライトの体積率は75%であった。 (実施例3)組成1の鋼のオーステナイト粒径15ミク
ロンのものに対し、750℃で、ひずみ速度10/s
で、一回で減面率50%のアンビル圧縮加工を行った。
圧下直後に水冷を行い、旧オーステナイトを観察した。
また、圧延後10K/sの冷却速度で冷却し、フェライ
ト−パーライト組織を作製した。フェライト組織の平均
粒径は直線切断法で測定したところ2.4ミクロンであ
った。電子線後方散乱回折(EDSD)を用いた3次元
結晶構造解析法(ODF法)によって、組織の方位情報
を計測したところ、方位の集積度が3.8であった。フ
ェライト粒界にしめる方位差角15度以上の大角粒界の
割合は、測定面上の長さの比より95%であった。旧オ
ーステナイト粒界には、粒界単位長さ当り75%に凹凸
が存在し、その周期は6.9ミクロン以下、振幅は30
0nm以上であった。電子線後方散乱回折法を用いて、
粒界から生成したフェライト粒の方位を測定したとこ
ろ、粒界から生成したフェライト粒の方位は、ランダム
であった。この発明で規定するところのフェライトの体
積率は75%であった。 (比較例)組成1の鋼のオーステナイト粒径30ミクロ
ンのものに対し、無加工のまま水冷を行い、マルテンサ
イト変態を生じさせ、マルテンサイト組織を作製した。
このマルテンサイト組織の旧オーステナイト粒界を観察
したところ、旧オーステナイト粒界は、直線で、周期的
な凹凸はみられず、時折存在する凹凸の振幅は200n
m以下であった。
【0022】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明により、高強度な一般溶接構造用鋼等として有用
な、新規超微細フェライト組織鋼が提供される。
発明により、高強度な一般溶接構造用鋼等として有用
な、新規超微細フェライト組織鋼が提供される。
【図1】オーステナイト粒界でのフェライト成長を模式
的に示した図である。
的に示した図である。
【図2】起伏のあるオーステナイト粒界でのフェライト
の方位を模式的に示した図である。
の方位を模式的に示した図である。
【図3】起伏の周期と振幅を模式的に示した図である。
【図4】アンビル加工について示した概念図である。
【図5】実施例1についての方位とその集積度について
示した図である。
示した図である。
【図6】実施例2についての方位とその集積度について
示した図である。
示した図である。
【図7】加工量と集積度との関係についての従来の知見
を示した図である。
を示した図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、この出願は、第2の発明として、第
1の発明の鋼を製造する方法であって、オーステナイト
をその未再結晶温度にて圧下率30%以上の圧縮加工を
加え、変態前のオーステナイト粒界が、その粒界面に対
して垂直な面上から見ての線状の粒界において粒界単位
長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅200nm
以上の起伏を形成し、その後に3K/s以上の速度で冷
却することを特徴とする超微細フェライト組織鋼の製造
方法を提供する。
1の発明の鋼を製造する方法であって、オーステナイト
をその未再結晶温度にて圧下率30%以上の圧縮加工を
加え、変態前のオーステナイト粒界が、その粒界面に対
して垂直な面上から見ての線状の粒界において粒界単位
長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅200nm
以上の起伏を形成し、その後に3K/s以上の速度で冷
却することを特徴とする超微細フェライト組織鋼の製造
方法を提供する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】さらにこの出願は、第3の発明として、第
1の発明の鋼を製造する方法であって、オーステナイト
をその未再結晶温度にて圧下率30%以上の圧縮加工を
加え、変態前のオーステナイト粒内の焼鈍双晶が、その
境界に対して垂直な面上から見ての線状境界において粒
界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅20
0nm以上の起伏を形成し、その後に3K/s以上の速
度で冷却することを特徴とする超微細フェライト組織鋼
の製造方法を提供する。
1の発明の鋼を製造する方法であって、オーステナイト
をその未再結晶温度にて圧下率30%以上の圧縮加工を
加え、変態前のオーステナイト粒内の焼鈍双晶が、その
境界に対して垂直な面上から見ての線状境界において粒
界単位長さ当り70%以上が周期8μm以下、振幅20
0nm以上の起伏を形成し、その後に3K/s以上の速
度で冷却することを特徴とする超微細フェライト組織鋼
の製造方法を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】すなわち、以上のとおりのこの出願の発明
によって、これまでに全く知られていない超微細フェラ
イト組織鋼が提供される。 ─────────────────────────────────────────────────────
によって、これまでに全く知られていない超微細フェラ
イト組織鋼が提供される。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】
フロントページの続き (72)発明者 梅沢 修 茨城県つくば市千現1丁目2番1号 科学 技術庁金属材料技術研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 平均粒径が3.0μm以下で、15°以
上の大角粒界に囲まれたフェライトを体積率で60%以
上含有し、フェライトの特定方位の集積度が4以下であ
ることを特徴とする超微細フェライト組織鋼。 - 【請求項2】 オーステナイト鋼を加工して請求項1の
鋼を製造する方法であって、変態前のオーステナイト粒
界が、その粒界面に対して垂直な面上から見ての線状の
粒界において粒界単位長さ当り70%以上が周期8μm
以下、振幅200nm以上の起伏を有しているものとす
ることを特徴とする超微細フェライト組織鋼の製造方
法。 - 【請求項3】 オーステナイト鋼を加工して請求項1の
鋼を製造する方法であって、変態前のオーステナイト粒
内の焼鈍双晶が、その境界に対して垂直な面上から見て
の線状境界において粒界単位長さ当り70%以上が周期
8μm以下、振幅200nm以上の起伏を有しているも
のとすることを特徴とする超微細フェライト組織鋼の製
造方法。 - 【請求項4】 オーステナイト鋼を加工して請求項1の
鋼を製造する方法であって、オーステナイトの未再結晶
温度にて圧下率30%以上の圧縮加工を加え、加工後に
3K/s以上の速度で冷却することを特徴とする超微細
フェライト組織鋼の製造方法。
Priority Applications (6)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5254598A JPH11246931A (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | 超微細フェライト組織鋼 |
| TW087115693A TW580519B (en) | 1997-09-22 | 1998-09-21 | Super fine structure steel and manufacturing method thereof |
| EP98307632A EP0903412A3 (en) | 1997-09-22 | 1998-09-21 | Ultra-fine texture steel and method for producing it |
| KR1019980038944A KR100536827B1 (ko) | 1997-09-22 | 1998-09-21 | 초미세조직강과그제조방법 |
| CN98120620A CN1121502C (zh) | 1997-09-22 | 1998-09-21 | 超细组织钢及其制造方法 |
| US09/157,394 US6221178B1 (en) | 1997-09-22 | 1998-09-21 | Ultra-fine grain steel and method for producing it |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5254598A JPH11246931A (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | 超微細フェライト組織鋼 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11246931A true JPH11246931A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=12917773
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5254598A Pending JPH11246931A (ja) | 1997-09-22 | 1998-03-04 | 超微細フェライト組織鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11246931A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1176217A2 (en) | 2000-07-24 | 2002-01-30 | KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO also known as Kobe Steel Ltd. | High-strength hot-rolled steel sheet superior in strech flange formability and method for production thereof |
-
1998
- 1998-03-04 JP JP5254598A patent/JPH11246931A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1176217A2 (en) | 2000-07-24 | 2002-01-30 | KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO also known as Kobe Steel Ltd. | High-strength hot-rolled steel sheet superior in strech flange formability and method for production thereof |
| US6554918B2 (en) | 2000-07-24 | 2003-04-29 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | High-strength hot-rolled steel sheet superior in stretch flange formability and method for production thereof |
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