JPH11246936A - 冷間鍛造用鋼およびその製造方法 - Google Patents
冷間鍛造用鋼およびその製造方法Info
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- JPH11246936A JPH11246936A JP6764298A JP6764298A JPH11246936A JP H11246936 A JPH11246936 A JP H11246936A JP 6764298 A JP6764298 A JP 6764298A JP 6764298 A JP6764298 A JP 6764298A JP H11246936 A JPH11246936 A JP H11246936A
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Abstract
化学成分と製造方法を調整することで、表層硬さに優れ
るとともに、焼鈍工程に供した場合には必要な焼鈍時間
の短縮できる軟質化特性に優れた鋼とその製造方法を提
供しようとするものである。 【解決手段】 化学成分が重量%で、C:0.1〜1.
0%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.01〜1.
50%、P:0.005〜0.100%、S:0.00
3〜0.500%を含み、sol.N:0.005%以
下に制限し、残部はFeおよび不可避的不純物からな
り、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面におけ
るパーライト占有面積率/検鏡面積)が120×(C
%)%以下、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで4
50×(C%)+90以上である表層硬度と焼鈍による
軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼とその製造方法。
Description
鈍の冷間鍛造に供する構造用鋼とその製造方法に係わ
る。
を付与するために多くの加工工程を経るが、表層を硬化
させる高周波焼入れもその一つである。このような部材
は多くの場合、表層硬度だけ大きければよいため、その
ために工程が増えることはコスト増の要因となり、従来
から問題視されていた。従来構造用鋼の圧延まま材は冷
却速度が遅いため、フェライト−パーライト組織を有す
ることが多いが、表層硬度は低く、高周波焼入れレベル
には到底到達しない。脱炭などの影響のため、内部硬度
より軟質であることもしばしばである。一般の部材は必
ずしも高周波焼入れによるC含有量に対応した最高硬さ
を必要としないが、焼準材以上の硬さを求める部材があ
るのも事実である。したがって、圧延ままでも内部より
硬度の高い鋼を供給することが課題であった。
や切削工程を経る。熱間鍛造は鍛造時に加熱を必要とす
るうえ、加工精度に劣るため、より精度の良い冷間鍛造
が指向されている。しかし従来の圧延まま材では硬度が
大きすぎるため、冷間鍛造には不向きである。通常の冷
間鍛造用鋼では通常セメンタイトを球状化することなど
して軟質化することが一般的である。その焼鈍時間は2
0時間程度と非常に長い時間を要する。
の炭素量を有する鋼でも炭素を黒鉛化し、フェライト−
グラファイトの2相組織とすることで、冷間加工性と被
削性が向上することが、特開平3−140411などに
見られる。しかし、そのような組織を実現するためにも
長時間の焼鈍が必要であり、やはり生産能率とコストの
点で問題があった。したがって焼鈍時間の短縮が課題で
あった。
にはBを添加し、BNを析出核として用いることが報告
されている。しかしこのような特定の析出物を用いるこ
とは圧延、熱間鍛造などの焼鈍に至るまでの工程におけ
る温度履歴に非常に精密な制御を要した。すなわち、B
Nの析出温度は850〜900℃程度と考えられるが、
実際の圧延や熱間鍛造は1000℃以上で行われること
が多い。そのため、このような黒鉛を有する冷間鍛造用
鋼を用いるにはその前工程の圧延や熱間鍛造を1000
℃以下で行う必要があった。
ポンチなどの工具の寿命を低下させる。またこのように
工程上の制限が多くなることは、製造上の効率を低下さ
せるので、製造コストの点からも避けるべきことであ
る。このような鋼材製造や冷間鍛造の前工程の熱間鍛造
などの観点からは精密な温度制御を必要とせずに、短時
間での焼鈍、軟化が可能な鋼材が要求されている。
することで焼鈍時間を短縮させることも特開平2−11
1842などに見られる。しかし、結局グラファイト析
出量が不足する場合には、残留したセメンタイト量に比
例して冷間鍛造性や切削性が損なわれるので根本的な解
決にはなっていなかった。
用するには表層硬度が不足し、冷間鍛造や切削に供する
には硬度が高すぎるという中途半端の特性を有すること
がしばしばである。また製造する立場からはコスト低減
のために極力鋼種を統合して製造するという基本的な課
題がある。そのため、圧延まま材でも十分な表層硬度を
有し、また冷間鍛造に供する場合にはその焼鈍時間を短
縮するとともに、焼鈍後には優れた冷間鍛造性を示す素
材を提供することが課題であった。
とミクロ組織を調整することで、圧延ままで表層硬度に
優れるとともに、冷間鍛造や切削加工前の極めて短い軟
質化焼鈍時間で優れた冷間鍛造性を付与できる鋼とその
製造方法を提供するものである。
決するためになされ、その要旨は、(1)第1の発明と
して、重量%で、C:0.1〜1.0%、Si:0.1
〜2.0%、Mn:0.01〜1.50%、P:0.0
05〜0.100%、S:0.003〜0.500%を
含み、sol.N:0.005%以下に制限し、残部は
Feおよび不可避的不純物からなり、鋼中組織にしめる
パーライトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積
率/検鏡面積)が120×(C%)%以下(但し、10
0%以下。以下同じ)、かつ最表層硬度がビッカース硬
度HVで450×(C%)+90以上である表層硬度と
焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼。
の化学成分に加え、Cr:0.01〜0.70%、M
o:0.05〜0.50%のうち1種または2種を含
み、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面におけ
るパーライト占有面積率/検鏡面積)が120×(C
%)%以下、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで4
50×(C%)+90以上である表層硬度と焼鈍による
軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼。
は(2)記載の化学成分に加え、Ti:0.01〜0.
20%、V:0.05〜0.50%、Nb:0.01〜
0.10%、Zr:0.01〜0.30%、Al:0.
001〜0.050%のうち1種または2種以上を含
み、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面におけ
るパーライト占有面積率/検鏡面積)が120×(C
%)%以下、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで4
50×(C%)+90以上である表層硬度と焼鈍による
軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼。
(3)のいずれかに記載の化学成分に加え、B:0.0
001〜0.0060%を含み、鋼中組織にしめるパー
ライトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積率/
検鏡面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層硬度
がビッカース硬度HVで450×(C%)+90以上で
ある表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛造
用鋼。
(4)のいずれかに記載の化学成分に加え、Pb:0.
01〜0.30%、Ca:0.0001〜0.0020
%、Te:0.001〜0.100%、Se:0.01
〜0.50%、Bi:0.01〜0.50%を含み、鋼
中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面におけるパー
ライト占有面積率/検鏡面積)が120×(C%)%以
下、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで450×
(C%)+90以上である表層硬度と焼鈍による軟質化
特性に優れた冷間鍛造用鋼。
(5)のいずれかに記載の化学成分に加え、Mg:0.
0005〜0.0200%を含み、鋼中組織にしめるパ
ーライトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積率
/検鏡面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層硬
度がビッカース硬度HVで450×(C%)+90以上
である表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛
造用鋼。
(6)のいずれかに記載の化学成分を有する鋼に対し
て、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面におけ
るパーライト占有面積率/検鏡面積)が120×(C
%)%以下、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで4
50×(C%)+90以上となるようオーステナイト温
度域またはオーステナイト−フェライト2相域で圧延終
了後、直ちに1℃/s以上で急冷し、復熱温度を650
℃以下に制御することを特徴とする表層硬度と焼鈍によ
る軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼の製造方法。
の強度を確保するために0.1%以上でなければならな
い。上限値は焼き割れ発生を防止するために1.0%と
した。
により、黒鉛化を促進する作用がある。その下限値は黒
鉛化の観点から0.1%以上が好ましい。また2.0%
を越えると、フェライト硬さが大きくなったり、鋼の靱
性が損なわれるなどの弊害が顕著となるので上限値を
2.0%とした。
させるために必要な量及びマトリックスに固溶させて焼
入れ後の強度を確保するために必要な量を加算した量が
必要であり、その下限値は0.01%である。Mn量が
大きくなると素地の硬さが大きくなり冷間加工性が低下
する。またMnは軟質化焼鈍時の黒鉛化阻害元素であ
り、添加量が増えると焼鈍時間が長くなる傾向があるの
で上限を1.0%とした。
り、冷間加工性が低下するので、その上限を0.1%に
しなければならない。下限は現状の工業生産レベルでコ
ストが大幅に上昇しない限界である0.005%とし
た。SはMnと結合してMnS介在物として存在する。
冷間加工性の点からその上限値を0.5%とした。下限
は現状の工業生産レベルでコストが大幅に上昇しない限
界である0.005%とした。
タイト中に溶け込み、セメンタイトの分解を阻害するこ
とから、黒鉛化阻害元素となる。そのため、本発明では
sol.Nによって規定する。すなわち、sol.Nが
0.005%以上含まれると極端に黒鉛化に要する焼鈍
時間が長くなるため、sol.Nの上限を0.005%
とした。
黒鉛化阻害元素である。そのため焼入れ性向上が必要な
場合には0.01%以上の添加を必要とする。しかし多
量に添加すると黒鉛化を阻害するので焼鈍時間が長くな
るため、0.7%を上限とした。Tiは鋼中でTiNを
形成し、γ粒径を小さくする。黒鉛はγ粒界や析出物と
いう、いわば格子の不均一部に析出する傾向にあり、T
iの炭窒化物は黒鉛の析出核としての役割と、γ粒径微
細化による黒鉛析出核の創出という役割を担う。さらに
Nを窒化物として固定するために、sol.Nを低減さ
せる。Tiが0.01%以下ではその効果が小さく、
0.2%以上ではその効果が飽和するとともに、多くの
TiNが析出して機械的性質を損なう。
核の両面で黒鉛化焼鈍時間を短縮する。また窒化物生成
時にsol.Nを低減させる。Vが0.05%以下では
その効果が小さく、0.5%以上ではその効果が飽和す
るとともに、多くの未溶解炭化物が残留するために機械
的性質を損なう。Nbは炭窒化物を形成し、γ粒微細化
と析出核の両面で黒鉛化焼鈍時間を短縮する。また窒化
物生成時にsol.Nを低減させる。Nbが0.01%
以下ではその効果が小さく、0.1%以上ではその効果
が飽和するとともに、多くの未溶解炭化物が残留するた
めに機械的性質を損なう。
形成する。それらは析出核として黒鉛化焼鈍時間を短縮
する。また窒化物生成時にはsol.Nを低減させる。
またMnSなどの硫化物の形状を球状化させ、機械的性
質の圧延異方性を緩和することができる。さらに焼入れ
性も向上させることができる。Zrが0.01%以下で
はその効果が小さく、0.3%以上ではその効果が飽和
するとともに、多くの未溶解炭化物が残留するために機
械的性質を損なう。
化物を生じやすく炭素の活量を低下させる元素で黒鉛化
を阻害する元素である。そこで黒鉛化阻害効果が顕著と
なる0.5%を上限とし、黒鉛の核生成を大きく阻害し
ない添加量にとどめた。ただし他の焼入れ性向上元素に
比べ、黒鉛化阻害の程度が小さいので、焼入れ性を向上
させるために限定した範囲内でMo添加量を多くすれば
よい。
止するために0.01%以上必要であり、脱酸の効果は
0.05%で飽和し、アルミナ系介在物が増加するので
上限を0.05%とした。またAlNとして析出した場
合には黒鉛の析出核としての役割と、γ粒径微細化によ
る黒鉛析出核の創出という役割を担う。さらにNを窒化
物として固定するので、sol.Nを低減させる。
にBNとして析出するのでsol.N低減に役立つ。ま
たBNの結晶構造は黒鉛と同じく六方晶系であり、黒鉛
の析出核となる。またsol.Bは焼入れ性を向上させ
る元素であり、焼入れ性を必要とする場合に添加するこ
とが望ましい。その下限値は0.0001%でなければ
ならない。BNを析出させる効果や焼入れ性向上効果は
0.0060%で飽和するので上限を0.005%とし
た。Pbは被削性向上元素である。被削性を必要とする
場合には0.01%以上必要であり、0.3%以上では
黒鉛化を阻害するとともに圧延きずなどの製造上の問題
を生じるため、これを上限とした。
緩和と被削性向上を必要とする場合に有効である。また
黒鉛析出核としての効果もある。その効果は0.000
1%以下では効果が小さく、0.0020%以上では析
出物によって機械的性質を損なうおそれがあるため、こ
れを上限とした。Teは被削性向上元素であるととも
に、MnSの球状化による圧延異方性の緩和に役立つ。
0.001%以下では効果が小さく、0.1%以上では
黒鉛化阻害や圧延きずなどの問題を引き起こすので、こ
れを上限とした。
下ではその効果が小さく、0.5%以上ではその効果が
飽和するのでこれを上限とした。Biは被削性向上に有
効で、0.01%以下ではその効果が小さく、0.5%
以上ではその効果が飽和するのでこれを上限とした。
とともに、硫化物を生成する。MgSはMnSなどと共
存することも多い。このような酸化物、硫化物は黒鉛析
出核になり、黒鉛の微細分散と焼鈍時間の短縮に有用で
ある。その効果はMg:0.0005%以下では認めら
れず、0.0200%以上では酸化物を多く生成し、鋼
の強度を低下させる。したがって、Mg:0.0005
〜0.0200%とした。
によって硬度を増すことができるが、その硬度はC量の
影響を受ける。その硬度が低すぎると表層硬度を必要と
する鋼には使用できない。たとえば耐磨耗性を必要とす
る鋼では少なくとも一般焼準材よりも大きな硬度とする
必要がある。本発明ではC量に応じてビッカース硬度H
Vで450×(C%)+90以上の硬さを有する鋼を提
供できる。
面におけるパーライト占有面積率/検鏡面積)が120
×(C%)%以下となるように規定した理由を述べる。
本発明の成分系では鋼中の炭素が黒鉛化する場合、オー
テナイト領域から大気放冷速度またはそれより早い速度
で冷却すると、通常はセメンタイトを生成する。しかし
焼鈍後に優れた冷間加工特性を付与するには、焼鈍によ
ってCを黒鉛化する必要がある。焼鈍による黒鉛化の過
程はセメンタイトの分解→Cの拡散→黒鉛核生成・成長
の順と考えられる。その際、セメンタイトの分解の観点
から、セメンタイトの大きさが大きく、かつエネルギー
的に安定な形態、すなわちCがラメラ上のパーライトを
生成すると、セメンタイトの分解に多くの時間を要し、
焼鈍時間を短縮することができない。
って黒鉛を生成する際、Cの拡散距離が短い場所の黒鉛
が生成・成長する傾向にある。すなわち旧パーライト付
近に黒鉛を生成する傾向にある。このことは生成した黒
鉛が粗大かつ不均一に分散することを意味し、焼鈍後の
破壊までの変形量を小さくしたり、高周波焼入れによる
黒鉛の分解とCの拡散に時間がかかり、高周波焼入れに
よる硬化特性を低下させる。このように本発明の鋼では
焼鈍の時間短縮と焼鈍後に優れた変形特性を付与できる
よう、パーライトの生成を極力抑制することが必要であ
る。
1に示す。それによってパーライトの比率の算出方法は
以下の式による。
が大きければwが小さくなるので、鋼のパーライトの比
率を正確な面積率として算出できる。本発明ではn≧5
と規定する。具体的にはナイタールエッチングした断面
方向研磨検鏡サンプルを倍率1000倍で光学顕微鏡に
て1mmピッチで表層から中心まで観察する(20mm
線材ではn=10)。視野内におけるパーライトを画像
処理装置によって計測した面積率を測定し、その面積率
を棒鋼または線材半径方向1mm幅の代表値wとして断
面内のパーライト面積占有率を算出する。
てラメラ組織が認められるものをパーライトとした。こ
の面積率が120×(C%)%を越えると焼鈍時間が極
端に長くなる。この焼鈍時間への影響は素材C量によっ
て異なるが、C量が多く、パーライト面積占有率が12
0×(C%)%以上であればコスト的に実用化できな
い。したがって、パーライトの面積率の上限を120×
(C%)%とした。但し、100%は超えない。図2〜
5にそれぞれC量の異なる場合の焼鈍前パーライト面積
率と焼鈍時間の関係を示す。C量が低い方が容易に軟化
するが、本発明の範囲外では極端に焼鈍時間が長くなる
ことがわかる。
度領域で圧延した後、冷却速度が遅いとパーライトが多
く生成し、軟化するまでの焼鈍時間が長くなる。また表
層硬度の点でも十分な硬度を有さないので、直接使用す
るには軟らかく、冷間鍛造するには硬すぎるという中途
半端な鋼になる。したがって、急冷することが望まし
い。圧延終了から500℃までの表層冷却速度が1℃/
s以上であれば、徐冷される内部より硬度を増すことが
できる。また、鋼断面のパーライトの面積率が120×
(C%)%を超えないようにするためにも1℃/s以上
の速度で冷却する必要がある。一度冷却した後、オース
テナイト化温度まで再加熱して水冷するなどの手段によ
ってパーライト量を減少させることもできるが、コスト
と手間の点で、オンラインで処理することが望ましい。
ように急冷によって硬度を大きくすることが主目的では
なく、焼鈍時に分解が容易なようにパーライトを生成さ
せないことが目的であるため、冷却能力を無理に大きく
する必要はない。実際の鋼材製造上は5〜150mmの
直径で出荷されることが多いため、それらを対象にパー
ライトの生成を抑制すればよい。言い換えれば必ずしも
マルテンサイト組織である必要はなく、ベイナイト組織
でもフェライト、パーライト組織の鋼より軟化のための
焼鈍時間が短くて済む。そのため具体的には、圧延直後
の鋼材を圧延ライン最後部に設置したクーリングトラフ
や水槽などの冷却装置内を通過させることである。
後、大気中で冷却される。ここで重要なことは、表層は
一度冷却されても鋼材内部の熱により復熱することであ
る。この復熱温度を650℃以下に抑制することが必要
である。復熱温度を650℃以上に復熱した場合、表層
硬度は低下する。また一部では大気中での冷却中にパー
ライトを生成し、パーライト量を120×(C%)%に
することが困難になる。この冷却速度および復熱特性は
圧延されている棒および線の直径の影響を大きく受ける
が、冷却は水冷に限らず、油冷、風冷など冷却速度1℃
/s以上、復熱650℃以下を実現できる冷却手段であ
ればよい。このように圧延後、圧延ライン中に取り付け
た冷却装置によって直ちに冷却し、復熱温度を650℃
以下に抑制することで、表層硬度を大きくし、さらにパ
ーライト面積占有率を120×(C%)%以下にでき
る。図6に復熱温度と表面硬度の関係を示す。復熱が大
きくなると表面硬さを確保できない。図7に復熱温度と
パーライト面積率を示す。復熱温度が高くなるとパーラ
イト面積率が増大することがわかる。このように急冷し
復熱温度を抑制することが重要である。
た。発明例はオーステナイト温度域でφ50mmまたは
φ20mmに圧延後、直ちに水冷した。圧延温度はオー
ステナイト温度域である800〜1100℃である。水
冷には圧延ライン最後部に設置したクーリングトラフを
用いた。比較例を含む一部の試験片については1200
℃以上でφ50mmまたはφ20mmに圧延後、空冷し
た。
鏡用検鏡サンプルを採取し、鏡面に研磨した後ナイター
ルでエッチングした。1000倍の倍率でパーライトと
他の組織を分離し、パーライトの面積率を画像処理装置
によって定量化した。その際、対象とした視野数は50
視野である。
た。焼鈍時間16時間までは4時間ごと、48時間まで
は8時間ごと、それ以上では24時間ごとに硬度を測定
し、ビッカース硬度はHV130以下となるまでの焼鈍
時間を測定した。また温度の測定は輻射温度計によって
鋼材表面の温度を測定した。冷速は冷却直前と復熱後の
温度差を復熱に要した時間で除することで求めた。
を、表7〜8(実施例43〜62)に比較例を示す。発
明例はいずれも表層硬度が高く、軟化焼鈍時間も短い。
しかし実施例43〜54(比較例)に示すように、so
l.N量が規定範囲外であると軟質化のための焼鈍時間
が長くなる。また実施例例55〜59では冷却速度が不
足したためにパーライト分率が多くなり、焼鈍に時間が
かかることがわかる。さらに実施例60〜62では復熱
温度が高く、やはり焼鈍時間が長くなる。またこのよう
に、冷速および復熱温度が規定外であると表層硬度が不
足する。
ともに、焼鈍に供する場合は焼鈍時間を非常に短くでき
るので、用途の広い構造用鋼として安価かつ高性能な鋼
を供することができる。
面積率と軟化までの焼鈍時間の関係を示す図
面積率と軟化までの焼鈍時間の関係を示す図
面積率と軟化までの焼鈍時間の関係を示す図
面積率と軟化までの焼鈍時間の関係を示す図
Claims (7)
- 【請求項1】 重量%で、 C:0.1〜1.0% Si:0.1〜2.0% Mn:0.01〜1.50% P:0.005〜0.100% S:0.003〜0.500%を含み、sol.N:
0.005%以下に制限し、残部はFeおよび不可避的
不純物からなり、鋼中組織にしめるパーライトの比率
(検鏡面におけるパーライト占有面積率/検鏡面積)が
120×(C%)%以下(但し、100%以下。以下同
じ)、かつ最表層硬度がビッカース硬度HVで450×
(C%)+90以上であることを特徴とする表層硬度と
焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛造用鋼。 - 【請求項2】 請求項1記載の化学成分に加え、Cr:
0.01〜0.70%、Mo:0.05〜0.50%の
うち1種または2種を含み、鋼中組織にしめるパーライ
トの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積率/検鏡
面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層硬度がビ
ッカース硬度HVで450×(C%)+90以上である
ことを特徴とする表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優
れた冷間鍛造用鋼。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の化学成
分に加え、Ti:0.01〜0.20%、V:0.05
〜0.50%、Nb:0.01〜0.10%、Zr:
0.01〜0.30%、Al:0.001〜0.050
%のうち1種または2種以上を含み、鋼中組織にしめる
パーライトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積
率/検鏡面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層
硬度がビッカース硬度HVで450×(C%)+90以
上であることを特徴とする表層硬度と焼鈍による軟質化
特性に優れた冷間鍛造用鋼。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
載の化学成分に加え、B:0.0001〜0.0060
%を含み、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡面
におけるパーライト占有面積率/検鏡面積)が120×
(C%)%以下かつ、最表層硬度がビッカース硬度HV
で450×(C%)+90以上であることを特徴とする
表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛造用
鋼。 - 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
載の化学成分に加え、Pb:0.01〜0.30%、C
a:0.0001〜0.0020%、Te:0.001
〜0.100%、Se:0.01〜0.50%、Bi:
0.01〜0.50%を含み、鋼中組織にしめるパーラ
イトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積率/検
鏡面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層硬度が
ビッカース硬度HVで450×(C%)+90以上であ
ることを特徴とする表層硬度と焼鈍による軟質化特性に
優れた冷間鍛造用鋼。 - 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
載の化学成分に加え、Mg:0.0005〜0.020
0%を含み、鋼中組織にしめるパーライトの比率(検鏡
面におけるパーライト占有面積率/検鏡面積)が120
×(C%)%以下、かつ最表層硬度がビッカース硬度H
Vで450×(C%)+90以上であることを特徴とす
る表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優れた冷間鍛造用
鋼。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
載の化学成分を有する鋼に対して、鋼中組織にしめるパ
ーライトの比率(検鏡面におけるパーライト占有面積率
/検鏡面積)が120×(C%)%以下、かつ最表層硬
度がビッカース硬度HVで450×(C%)+90以上
となるようオーステナイト温度域またはオーステナイト
−フェライト2相域で圧延終了後、直ちに1℃/s以上
で急冷し、復熱温度を650℃以下に制御することを特
徴とする表層硬度と焼鈍による軟質化特性に優れた冷間
鍛造用鋼の製造方法。
Priority Applications (7)
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