JPH11248465A - 振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度の測定方法 - Google Patents

振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度の測定方法

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JPH11248465A
JPH11248465A JP10069254A JP6925498A JPH11248465A JP H11248465 A JPH11248465 A JP H11248465A JP 10069254 A JP10069254 A JP 10069254A JP 6925498 A JP6925498 A JP 6925498A JP H11248465 A JPH11248465 A JP H11248465A
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庄作 郷治
Yukihisa Osugi
幸久 大杉
Takao Soma
隆雄 相馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】新しい原理によって、回転系の回転角速度を検
出するのに使用できる振動子および振動型ジャイロスコ
ープを提供することである。 【解決手段】振動子1Aは、所定面内に延び、少なくと
も第一の振動系3A、3Bと第二の振動系6A、6B、
6C、6Dとを備えている。第一の振動系3A、3Bの
各振動の重心が、所定面内で振動する面内振動成分AX
を含んでいる。第二の振動系の各振動の重心が、所定面
に対して垂直な方向に振動する面垂直振動成分を含んで
いる。この振動子を使用し、第一の振動系と前記第二の
振動系との一方に駆動振動を励振し、この駆動振動に応
じて振動子に励起される検出振動のうち、第一の振動系
と第二の振動系との他方に現れる振動成分を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転系内の回転角
速度を検出するために使用される角速度センサに用いら
れる振動子、振動型ジャイロスコープおよび回転角速度
の測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、回転系内の回転角速度を検出
するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型
ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位
置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の
分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメ
ラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】このような圧電振動型ジャイロスコープ
は、振動している物体に角速度が加わると、その振動と
直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そ
して、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、
「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491
〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープと
しては、これまでに種々のものが提案されている。例え
ば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型
ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、
円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の振動子
においては、感度は必ずしも高くなかった。また、駆動
振動に付随して発生する種々のノイズの中に検出振動が
含まれてしまい、検出振動の振幅の寄与を検出信号から
正確に分離することが困難であり、この観点からも感度
が低く、また信号/雑音比率が低かった。
【0005】本発明の課題は、新しい原理によって、回
転系の回転角速度を検出するのに使用できる振動子およ
び振動型ジャイロスコープを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、所定面内に延
びる振動子であって、この振動子が少なくとも第一の振
動系と第二の振動系とを備えており、各第一の振動系の
振動の重心が所定面内で振動する面内振動成分を含んで
おり、各第二の振動系の振動の重心が所定面に対して垂
直な方向に振動する面垂直振動成分を含んでいることを
特徴とする。
【0007】また、本発明は、所定面に平行に延びる回
転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出するため
の振動型ジャイロスコープであって、前記の振動子を備
えており、第一の振動系と第二の振動系との一方に設け
られている励振手段と、第一の振動系と第二の振動系と
の他方に設けられている検出手段とを備えていることを
特徴とする。
【0008】また、本発明は、所定面に平行に延びる回
転軸を中心とする回転成分の回転角速度を検出する方法
であって、前記の振動子を使用し、第一の振動系と第二
の振動系との一方に駆動振動を励振し、この駆動振動に
応じて振動子に励起される検出振動のうち、第一の振動
系と第二の振動系との他方に現れる振動成分を検出する
ことを特徴とする。
【0009】本発明者は、振動型ジャイロスコープに使
用できる振動子の振動原理について基礎研究を行ってき
たが、この過程で、新しい原理に基づく振動子および振
動型ジャイロスコープを開発することに成功した。この
点について、図1−図3の一実施形態を参照しつつ、説
明する。
【0010】図1は、本発明の一実施形態に係る圧電単
結晶製の振動子1Aを備えた振動型ジャイロスコープ
を、概略的に示す斜視図である。図2(a)は、検出電
極の形態を示す回路図であり、図2(b)は、駆動電極
の形態を示す回路図であり、図3は、振動子1Aの検出
振動の形態を示す斜視図である。
【0011】ここで、Oは、Z軸と振動子の所定面との
交点であり、GOは振動子の全体の重心(非振動時)で
あり、GDは駆動振動系の振動の全体の重心である。
【0012】振動子1Aの基部2Aは、振動子の重心G
Oを中心として、例えば2回対称の長方形をしている。
基部2Aの周縁部から、二つの第一の振動系3A、3B
(本例では駆動振動系)が突出している。各振動系3
A、3Bとは垂直な方向に向かって、四つの第二の振動
系6A、6B、6C、6D(本例では検出振動系)が突
出している。各振動系は互いに分離されており、基部2
Aを介して連結されている。
【0013】駆動振動系3A、3Bは、基部1Aの周縁
部から突出する支持部5と、支持部5の先端側から支持
部5に直交する方向に延びる屈曲振動片4A、4B、4
C、4Dを備えている。検出振動系6A−6Dは、それ
ぞれ屈曲振動片からなる。
【0014】屈曲振動片6A−6Dには、図2(a)に
示すような検出電極8a、8b、8c、8dが設けられ
ており、各検出電極は検出端子に接続されている。屈曲
振動片4A、4B、4C、4Dには、それぞれ、図2
(b)に示すような駆動電極7A、7Bが設けられてお
り、これらは交流電源に接続されている。
【0015】各駆動電極7A、7Bに交流電圧を印加
し、振動子1Aの各屈曲振動片に、X軸方向の振動AX
を励振する。ここで、駆動振動系3Aにおける振動と、
駆動振動系3Bにおける振動とが逆相になるようにす
る。この状態で、振動子1Aを、ΩYで示すようにY軸
を中心として回転させると、図3に示すように、各屈曲
振動片に、Z軸方向の振動BZが励起される。これに対
応して、各屈曲振動片6A−6Dには、Z軸方向の検出
振動CZが励振される。屈曲振動片6A、6Bにおける
振動と、屈曲振動片6C、6Dにおける振動とは、逆相
になる。各屈曲振動片による歪みを、検出電極6A−6
Dによって検出する。
【0016】従来の振動型ジャイロスコープにおいて
は、いずれも駆動振動アームの駆動振動が、何らかの形
で検出アームにも歪みとして影響を及ぼし、検出信号に
ノイズを発生させていた。本発明によれば、このよう
な、検出信号に不可避的に発生していたノイズを、抑制
ないし防止することができる。この点で、本発明は、振
動型ジャイロスコープに内在していた根本的な問題点を
解決したものである。
【0017】本発明においては、振動子が所定面内に延
びているが、これは厳密に幾何学的意味で所定面内に延
びていることを言うものではなく、本技術分野において
常識的な値、即ち、厚さにして1mm以下の範囲内に振
動子が形成されていることを意味する。
【0018】第一の振動系は、好ましくは、基部から突
出する支持部と、この支持部に対して交差する方向に向
かって延びる屈曲振動片とを備えている。この場合、交
差角度は、45°〜135°とすることが好ましく、7
0−100゜が特に好ましく、垂直が一層好ましい。こ
の角度が変化すると、各屈曲振動片4A−4Dの振動の
振動モードの固有共振周波数は、若干変化する。
【0019】本発明の振動子は、少なくとも所定面に沿
って延びる回転軸、即ちX軸またはY軸を中心として回
転させるのに使用できる。
【0020】特に好ましくは、第一の振動系3A、3B
が複数設けられており、各X軸振動系が、振動子の重心
GOを中心として互いに回転対称の位置に設けられてい
る。例えば、図1においては、第一の振動系3Aと3B
とは、振動子の重心GOを中心として2回対称である。
【0021】ここで、各振動系が重心GOを中心として
回転対称の位置にあるとは、重心GOを中心として、問
題とする複数の振動系がそれぞれ所定面内で同じ所定角
度離れている状態を意味する。従って、一つの振動系を
所定面内で所定角度回転させる操作を行うと、他の振動
系の位置に位置する。図1においては、第一の振動系3
Aと3Bとは、180°離れているので、振動系3Aを
180°回転させる操作を行うと、振動系3Bの位置に
くる。
【0022】回転対称は、具体的には2回対称、3回対
称、4回対称であることが好ましい。また、複数の駆動
振動系を、重心GOを中心として回転対称の位置に設け
ることによって、特に比較的微小な検出振動への影響を
抑制できることから、効果が大きい。
【0023】また、第二の振動系を複数設け、各第二の
振動系を、重心GOを中心として互いに回転対称の位置
に設けることが好ましい。例えば、図1においては、検
出振動系6Aと6D、6Bと6Cとは、それぞれ、重心
GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0024】また、特に駆動振動系(好ましくは第一の
振動系3A、3B)の振動の全体の重心GDが、重心G
Oの近傍領域に位置していることが好ましく、これによ
って検出振動系(好ましくは第二の振動系6A−6D)
への影響を抑制できる。これは、各駆動振動系3Aと3
Bとの振動成分が、相殺し合うことを意味している。
【0025】駆動振動の重心GDが、振動子の重心GO
の近傍領域に位置しているとは、具体的には、実質的に
重心GO上に位置していてもよいが、重心GOから直径
1mmの円内に存在していることを意味する。
【0026】本発明者は、図1−図3の振動子につい
て、駆動振動および検出振動モードが振動子の全体に及
ぼす影響を調べるため、有限要素法による固有モード解
析を実施した。振動子1Aを水晶によって作製し、振動
子の各点の振動の振幅を、最大振動振幅点に対する比率
の分布として求めた。
【0027】図4には、振動子の各点の駆動振動モード
における最大振動時の振幅の相対比率を示し、図5に
は、振動子の各点の検出振動モードにおける最大振動時
の振幅の相対比率を示している。図4および図5におい
て、それぞれ色の異なる領域は、各別に異なる最大振動
振幅点との比率の領域を示す。橙色の部分が、振幅が最
小の領域となる。
【0028】図4によると、各支持部5の基部2Aに対
する接続部分の近辺では、各駆動振動系の振動に伴って
引っ張り応力が加わり、変形が見られる。しかし、この
変形の影響は、各駆動振動系3Aと3Bとが、重心GO
を中心として2回対称の位置に配置されていることか
ら、基部内において互いに相殺し合う。このため、基部
の中心O付近、そして駆動振動系に挟まれた検出振動系
6A−6Dにおいては、駆動振動による影響が見られな
くなっている。
【0029】図5によると、各駆動振動系3Aと3Bと
から基部2Aに加わる影響が相殺し合っている。しか
も、各検出振動系6A−6Dから基部2Aに加わる影響
も、各検出振動系が、それぞれ重心GOを中心として2
回対称の位置に配置されていることから、基部2A内に
おいて互いに相殺し合う。
【0030】これらの結果、図1において、基部2Aの
中心を含む広範な領域9A内において、駆動振動および
検出振動による影響が見られなくなっている。
【0031】本発明の好適例においては、検出振動の幅
が最小の領域内において(更に好ましくは駆動振動の幅
が最小の領域内において)、振動子を支持し、固定す
る。これによって、コリオリの力により発生する検出振
動を減衰させることなく効果的に発生させることがで
き、検出振動のQ値が高くなり、感度を上昇させること
ができる。コリオリの力により発生する検出振動は、振
動が小さいため、感度を上昇させるためには、検出振動
の振幅が最小の領域内で振動子を支持することが、特に
効果的である。
【0032】そして、本例では、図3、図4から、駆動
振動の振幅が最小の領域と検出振動の振幅が最小の領域
とが、図1に示すように、基部2A内の広範な領域9A
に存在していることが判明しているので、この領域9A
内を支持し、固定する。また、一般的には、振動子の重
心GOの近傍領域9B内を支持する。
【0033】この際、振動子を支持する具体的方法につ
いては特に限定せず、あらゆる支持方法、固定方法を採
用できる。例えば、圧電材料の接着方法として公知のあ
らゆる接着方法を使用できる。その一例として、領域9
A、9B内に所定の支持孔を設け、支持孔内に、何らか
の支持具を挿入して振動子を固定できる。例えば、振動
子を支持するための治具から支持具を突出させ、支持具
を支持孔内に挿入し、固定できる。支持具を支持孔中に
挿入し、固定する際には、支持具の表面にメタライズ層
を設け、および/または支持孔の内周面にメタライズ層
を設け、次いで支持具と支持孔の内周面とをハンダ付け
又はロウ付けする。あるいは、支持具と支持孔との間に
樹脂を配することにより、振動子を固定できる。
【0034】この支持孔は、振動子を貫通していてもよ
く、また振動子を貫通していなくともよい。支持孔が、
振動子を貫通する貫通孔である場合には、支持孔に支持
具を貫通させることもできるが、支持具を貫通させなく
ともよい。
【0035】また、振動子に支持孔を設けない場合に
は、振動子の領域9A、9Bの表面および/または裏面
に、支持具をハンダ付けしたり、あるいは樹脂によって
接着できる。
【0036】また、本例の振動子および振動型ジャイロ
スコープにおいては、図4、図5におけるように、駆動
振動時の振動子の微小変位部分内に振動子の重心GOが
位置している。ここで、駆動振動時の振動子の微小変位
部分とは、駆動振動時の最大振幅の1/1000以下の
振幅を有する部分を言う。
【0037】本発明の振動型ジャイロスコープにおいて
は、第一の振動系と第二の振動系との一方を振動させ、
ここで、振動子が回転していないときには、第一の振動
系と第二の振動系との他方が実質的に振動しないことが
好ましい。振動系が実質的に振動しないとは、例えば駆
動振動を励起したときの検出振動系の振動の振幅が、駆
動振動の最大振幅の1000分の1以下である場合を含
む。
【0038】本発明の振動子の材質等について述べる。
本発明の振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形
成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の
薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工
することによって、振動子を作製できる。振動子の各部
分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできる
が、一体で構成することが好ましい。
【0039】平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結
晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振
動子を形成する場合には、振動子の各屈曲振動片等の各
構成片に特定形状の突起、例えば細長い突起が生成する
ことがある。このような突起は、厳密には設計時に予定
された振動子の対称性を低下させる原因となる。しか
し、この突起は存在していても良く、突起の高さは小さ
い方が好ましいが、突起の高さが振動子の構成片の幅の
1/5以下であれば一般に問題なく使用できる。他の製
造上の原因による突起以外の非対称部分が振動子に存在
する場合にも同様である。
【0040】なお、このように突起などが振動子に存在
する場合には、エッチング加工後に、この突起の一部を
レーザー加工等によって削除することによって、または
振動子の突起以外の部分をレーザー加工等によって削除
することによって、調整できる。これによって、環状振
動系の重心、屈曲振動片の重心、駆動振動の重心、検出
振動の重心の各位置を調整し、これらが、振動子の全体
の重心GOの近傍領域内に位置するようにできる。
【0041】振動子の材質は特に限定するものでない
が、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチ
ウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)
3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単
結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
【0042】前記した単結晶の中では、LiNbO3
結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタ
ル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に
大きい。また、LiNbO3 単結晶とLiTaO3 単結
晶とを比較すると、LiTaO3 単結晶の方がLiNb
3 単結晶よりも電気機械的結合係数が一層大きく、か
つ温度安定性も一層良好である。
【0043】本発明の振動子を圧電性材料によって形成
した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を
設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZ
T等の圧電セラミックスがある。
【0044】また、本発明の振動子を、エリンバー等の
恒弾性金属によって形成することもできる。この場合に
は、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要があ
る。
【0045】本発明の振動子は、圧電材料や恒弾性合金
の他に、シリコンマイクロマシンにおいて使用されるよ
うに、シリコン半導体プロセスによって形成することも
できる。この場合には、振動子を駆動する際には、静電
力等を利用する。
【0046】具体的には静電検出電極を利用できる。ま
た、静電検出電極のかわりに、特定の金属がドープされ
た半導体ドーピング領域を設け、この半導体ドーピング
領域によってピエゾ抵抗素子を構成できる。この場合に
は、振動子が回転するときに、各屈曲振動片の各ピエゾ
抵抗素子に加わる応力による抵抗値の変化を測定し、回
転角速度の指標として検出する。
【0047】本発明の振動子は、前記した基部、第一の
振動系、第二の振動系とは別体の固定辺部を設け、この
固定辺部を支持することができる。例えば、図6の振動
子1Bにおいては、基部2Aのうち、第二の振動系の屈
曲振動片6Aと6Cとの間、および屈曲振動片6Bと6
Dとの間に、それぞれ突出部18を設け、各突出部18
を、それぞれ固定辺部12に対して接続している。こう
した突出部および固定辺部は、後述する図7−図11の
ような各振動子に対して適用することもできる。
【0048】本発明の好適な形態においては、図1に示
すように、振動子が基部を備えており、基部内に振動子
の重心が位置しており、第一の振動系と第二の振動系と
の一方または双方が基部の周縁部から延びている。ま
た、本発明の他の好適な形態においては、例えば図7に
示すように、振動子が枠部を備えており、枠部の内側に
中空部が形成されており、枠部の内側に第一の振動系と
第二の振動系との一方または双方が延びている。
【0049】振動子1Cにおいては、枠部15の内側に
中空部17が形成されており、枠部15の内側へと向か
って、各振動系が突出している。中空部17内に振動子
の重心GO、駆動振動系の振動の重心GDがある。
【0050】枠部15の内側から、二つの第一の振動系
3E、3Fが突出している。駆動振動系3E、3Fは、
枠部の内側周縁から突出する支持部5と、支持部5の先
端側から支持部5に直交する方向に延びる屈曲振動片4
I、4J、4K、4Lを備えている。各屈曲振動片4I
−4Lの駆動振動の方向とは垂直な方向に向かって、四
つの第二の振動系6I、6J、6K、6Lが突出してい
る。第二の振動系は、それぞれ屈曲振動片からなる。各
振動系は互いに分離されており、枠部15を介して連結
されている。
【0051】駆動振動系の各屈曲振動片4I−4Lに、
X軸方向の駆動振動AXを励振する。ここで、駆動振動
系3Eにおける振動と、駆動振動系3Fにおける振動と
が、逆相になるようにする。この状態で、振動子1C
を、ΩYで示すようにY軸を中心として回転させると、
各屈曲振動片4I−4Lに、Z軸方向の振動BZが励起
される。これに対応して、各屈曲振動片6I−6Lに
は、Z軸方向の検出振動CZが励振される。
【0052】本発明の振動型ジャイロスコープの一実施
形態においては、第一の振動系が、X軸振動系とY軸振
動系を含んでおり、X軸振動系が、所定面内に延びるX
軸方向に振動する振動成分を含んでおり、Y軸振動系
が、所定面内に延び、X軸に直交するY軸方向に振動す
る振動成分を含んでいる。この場合には、X軸を中心と
する回転角速度を検出するために、Y軸振動系の振動と
第二の振動系の面垂直振動成分との関係を利用し、Y軸
を中心とする回転角速度を検出するために、X軸振動系
の振動と第二の振動系の面垂直振動成分との関係を利用
できる。図8、図10−図11は、この実施形態を実現
するものである。
【0053】図8の振動子1Dの基部2Bは、円板形状
をしている。基部2Bの周縁部から、4つの第一の振動
系3A−3D(本例では駆動振動系)が突出している。
各第一の振動系の間に、四つの第二の振動系6E、6
F、6G、6H(本例では検出振動系)が突出してい
る。各振動系は互いに分離されており、基部2Bを介し
て連結されている。
【0054】駆動振動系3A−3Dは、それぞれ、基部
2Bの周縁部から突出する支持部5と、支持部5の先端
側から支持部5に直交する方向に延びる屈曲振動片4A
−4Hを備えている。各検出振動系6E−6Hは、それ
ぞれ屈曲振動片からなる。
【0055】Y軸を中心とする回転成分の回転角速度を
検出するときには、各屈曲振動片4A−4Dに、X軸方
向の振動AXを励振する。即ち、駆動振動系3A、3B
は、X軸振動系として使用する。駆動振動系3Aにおけ
る振動と、駆動振動系3Bにおける振動とが、逆相にな
るようにし、駆動振動の重心GDが、振動子の重心GO
の近傍領域9B内に位置するようにする。この状態で、
振動子1Dを、ΩYで示すようにY軸を中心として回転
させると、各屈曲振動片4A−4Dに、Z軸方向の振動
BZが励起される。これに対応して、各屈曲振動片6E
−6Hには、Z軸方向の検出振動CZが励振される。
【0056】X軸を中心とする回転成分の回転角速度を
検出するときには、各屈曲振動片4E、4F、4G、4
Hにおいて、Y軸方向の振動AYを励振する。即ち、駆
動振動系3C、3Dは、Y軸振動系として使用する。駆
動振動系3Cにおける振動と、駆動振動系3Dにおける
振動とが、逆相になるようにし、駆動振動の重心GD
が、振動子の重心GOの近傍領域に位置するようにす
る。この状態で、振動子1Dを、ΩXで示すようにX軸
を中心として回転させると、各屈曲振動片4A−4D
に、Z軸方向の振動BZが励起される。これに対応し
て、各屈曲振動片6E−6Hには、Z軸方向の検出振動
CZが励振される。
【0057】本発明の一実施形態においては、振動子が
第三の振動系を備えており、第三の振動系の振動の重心
が、所定面内で振動する面内振動成分を含んでいる。こ
の振動子を使用すると、第一の振動系の面内振動成分と
第三の振動系の面内振動成分との関係を利用し、Z軸を
中心とする回転角速度を検出できる。ここで、振動子が
回転していないときには、第三の振動系が実質的に振動
しない。振動系が実質的に振動しないとは、第三の振動
の振幅が、駆動振動の最大振幅の1000分の1以下で
ある場合を含む。
【0058】図9に示す振動子1Eは、この実施形態に
係るものである。ただし、振動子1Eにおいて、第一の
振動系3A、3B、第二の振動系6A、6B、6C、6
Dの形態およびその動作は、図1に示したものと同様で
ある。振動子1Eにおいては、振動系6Aと6Cとの間
に、第三の振動系10Aが突出しており、各振動系6B
と6Dとの間に、第三の振動系10Bが突出している。
【0059】Y軸を中心とする回転成分ΩYの回転角速
度は、前述のようにして測定する。また、振動子1E
を、ΩZで示すようにZ軸を中心として回転させると、
各屈曲振動片4A−4Dには、X軸およびZ軸の双方に
対して垂直な方向のコリオリ力が作用し、これによって
支持部5に対して矢印DYで示すような屈曲振動が励振
される。これに対応して、各屈曲振動片10A、10B
には、X軸方向の検出振動EXが励振される。
【0060】図10の振動子1Fにおいては、基部2A
の周縁部の各辺の中央部から、四つの振動系3G、3
H、3I、3J(10C、10D、10E、10F)が
突出している。振動系3I、3Jの各支持部5と平行
に、これらと同じ辺から、四つの屈曲振動片6A、6
B、6C、6Dが突出しており、それぞれ第二の振動系
を構成している。振動系3G、3Hの支持部5と平行
に、これらと同じ辺から、四つの屈曲振動片6N、6
P、6Q、6Rが突出しており、それぞれ第二の振動系
を構成している。各振動系は互いに分離されており、基
部2Aを介して連結されている。
【0061】各振動系3G、3H、3I、3Jは、基部
1Aの周縁部から突出する支持部5と、支持部5の先端
側から支持部5に直交する方向に延びる屈曲振動片4
A、4B、4C、4D、4N、4P、4Q、4Rを備え
ている。
【0062】振動系3G、3Hを駆動振動系(X軸振動
系)として使用し、振動系6A−6DをΩYの検出振動
系(第二の振動系)として使用し、振動系10C、10
DをΩZの検出振動系(第三の検出振動系)として使用
することによって、Y軸を中心とする回転成分の回転角
速度と、Z軸を中心とする回転成分の回転角速度を測定
できる。
【0063】即ち、X軸振動系3G、3Hの各屈曲振動
片4A−4Dに、X軸方向の駆動振動AXを励振する。
この際、第三の振動系10C、10Dは、回転していな
いときには、実質的に振動しないようにする。この状態
で、振動子1Fを、Y軸を中心として回転させると、各
屈曲振動片4A−4Dに、Z軸方向の振動BZが励起さ
れる。これに対応して、各屈曲振動片6A−6Dには、
Z軸方向の検出振動CZが励振される。
【0064】振動子1Fを、ΩZで示すようにZ軸を中
心として回転させると、各屈曲振動片4A−4Dには、
X軸およびZ軸の双方に対して垂直な方向のコリオリ力
が作用し、これによって支持部5に対して矢印DYで示
すような屈曲振動が励振される。これに対応して、各第
三の振動系10C、10Dの各支持部5には、X軸方向
の検出振動EXが励振される。
【0065】また、図11に示すように、振動系3I、
3Jを駆動振動系(Y軸振動系)として使用し、振動系
6N−6RをΩYの検出振動系(第二の振動系)として
使用し、振動系10E、10FをΩZの検出振動系(第
三の検出振動系)として使用することによって、X軸を
中心とする回転成分の回転角速度と、Z軸を中心とする
回転成分の回転角速度を測定できる。
【0066】即ち、Y軸振動系3I、3Jの各屈曲振動
片4N−4Rに、Y軸方向の駆動振動AYを励振する。
この際、第三の振動系10E、10Fは、回転していな
いときには、実質的に振動しないようにする。振動子1
Fを、X軸を中心として回転させると、各屈曲振動片4
N−4Rに、Z軸方向の振動BZが励起される。これに
対応して、各屈曲振動片6N−6Rには、Z軸方向の検
出振動CZが励振される。
【0067】振動子1Fを、ΩZで示すようにZ軸を中
心として回転させると、各屈曲振動片4N−4Rには、
Y軸およびZ軸の双方に対して垂直な方向のコリオリ力
が作用し、これによって支持部5に対して矢印DXで示
すような屈曲振動が励振される。これに対応して、各第
三の振動系10E、10Fの各支持部5には、Y軸方向
の検出振動EYが励振される。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、新
しい原理によって回転系の回転角速度を検出するのに使
用できる振動子および振動型ジャイロスコープを提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る振動子1Aを示す斜
視図である。
【図2】(a)は、振動子1Aにおいて、検出電極およ
び検出回路の構成を模式的に示す回路図であり、(b)
は、駆動電極および駆動回路の構成を模式的に示す回路
図である。
【図3】振動子1Aの検出振動の形態を示す斜視図であ
る。
【図4】振動子1Aの各点の駆動振動モードにおける最
大振動時の振幅の相対比率を示す。
【図5】振動子1Aの各点の検出振動モードにおける最
大振動時の振幅の相対比率を示す。
【図6】本発明の他の実施形態に係る振動子1Bを示す
斜視図である。
【図7】本発明の更に他の実施形態に係る振動子1Cを
示す斜視図であり、枠部15の内側の中空部に、第一の
振動系と第二の振動系とが設けられている。
【図8】本発明の更に他の実施形態に係る振動子1Dを
示す斜視図であり、第一の振動系としてX軸振動系とY
軸振動系とが含まれている。
【図9】本発明の更に他の実施形態に係る振動子1Eを
示す斜視図であり、第一の振動系、第二の振動系および
第三の振動系を備えている。
【図10】本発明の更に他の実施形態に係る振動子1F
を示す斜視図であり、Y軸を中心とする回転成分の回転
角速度およびZ軸を中心とする回転成分の回転角速度と
を測定する。
【図11】本発明の更に他の実施形態に係る振動子1F
を示す斜視図であり、X軸を中心とする回転成分の回転
角速度およびZ軸を中心とする回転成分の回転角速度と
を測定する。
【符号の説明】
1A、1B、1C、1D、1E、1F 振動子 2
A 基部3A、3B、3E、3F、3G、3H 第一の
振動系(X軸振動系) 3C、3D、3I、3J 第一の振動系(Y軸振動系)
4A、4B、4C、4D、4I、4J、4K、4
L 屈曲振動片(X軸方向に振動する) 4E、4F、4G、4H、4N、4P、4Q、4R 屈
曲振動片(Y軸方向に振動する) 5 支持部
6A−6R 屈曲振動片(第二の振動系) 10A−10F 第三の振動系 AX (X軸方向
の駆動振動) AY (Y軸方向の駆動振動)
BZ 駆動振動系においてZ軸方向に励振される振動
CZ 検出振動系において、Z軸方向に励振され
る検出振動 DX Z軸を中心とする回転成分によって、駆動振動系
に励振されるX軸方向の振動 DY Z軸を中心と
する回転成分によって、駆動振動系に励振されるY軸方
向の振動 EX Z軸を中心とする回転成分によっ
て、検出振動系に励振されるX軸方向の検出振動
EY Z軸を中心とする回転成分によって、検出振動系
に励振されるY軸方向の検出振動
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相馬 隆雄 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定面内に延びる振動子であって、この振
    動子が少なくとも第一の振動系と第二の振動系とを備え
    ており、前記各第一の振動系の振動の重心が前記所定面
    内で振動する面内振動成分を含んでおり、前記各第二の
    振動系の振動の重心が前記所定面に対して垂直な方向に
    振動する面垂直振動成分を含んでいることを特徴とす
    る、振動子。
  2. 【請求項2】前記振動子が、少なくとも前記所定面に平
    行に延びる回転軸を中心として回転するものであること
    を特徴とする、請求項1記載の振動子。
  3. 【請求項3】前記振動子が基部を備えており、この基部
    内に前記振動子の重心が位置しており、前記第一の振動
    系と前記第二の振動系との少なくとも一方が前記基部の
    周縁部から延びていることを特徴とする、請求項1また
    は2記載の振動子。
  4. 【請求項4】前記振動子が枠部を備えており、この枠部
    の内側に中空部が形成されており、前記枠部の内側に前
    記第一の振動系と前記第二の振動系との少なくとも一方
    が延びていることを特徴とする、請求項1−3のいずれ
    か一つの請求項に記載の振動子。
  5. 【請求項5】前記第一の振動系が複数設けられており、
    これらの各第一の振動系が、前記振動子の重心を中心と
    して互いに回転対称の位置に設けられていることを特徴
    とする、請求項1−4のいずれか一つの請求項に記載の
    振動子。
  6. 【請求項6】前記第一の振動系が、X軸振動系とY軸振
    動系を含んでおり、前記X軸振動系が、前記所定面内に
    延びるX軸方向に振動する振動成分を含んでおり、前記
    Y軸振動系が、前記所定面内に延び、前記X軸に直交す
    るY軸方向に振動する振動成分を含んでいることを特徴
    とする、請求項1−5のいずれか一つの請求項に記載の
    振動子。
  7. 【請求項7】前記X軸振動系が複数設けられており、こ
    れらの各X軸振動系が、前記振動子の重心を中心として
    互いに回転対称の位置に設けられており、前記Y軸振動
    系が複数設けられており、これらの各Y軸振動系が、前
    記振動子の重心を中心として互いに回転対称の位置に設
    けられていることを特徴とする、請求項6記載の振動
    子。
  8. 【請求項8】すべての前記第一の振動系の振動の全体の
    重心が前記振動子の重心の近傍領域内にあることを特徴
    とする、請求項1−7のいずれか一つの請求項に記載の
    振動子。
  9. 【請求項9】前記第一の振動系が、前記基部から突出す
    る支持部と、この支持部に対して交差する方向に向かっ
    て延びる屈曲振動片とを備えていることを特徴とする、
    請求項1−8のいずれか一つの請求項に記載の振動子。
  10. 【請求項10】前記振動子が第三の振動系を備えてお
    り、各第三の振動系の振動の重心が前記所定面内で振動
    する面内振動成分を含んでおり、前記振動子が回転して
    いないときには、前記前記第三の振動系が実質的に振動
    しないことを特徴とする、請求項1−9のいずれか一つ
    の請求項に記載の振動子。
  11. 【請求項11】前記所定面に平行に延びる回転軸を中心
    とする回転成分の回転角速度を検出するための振動型ジ
    ャイロスコープであって、請求項1−10のいずれか一
    つの請求項に記載の振動子を備えており、前記第一の振
    動系と前記第二の振動系との一方に設けられている励振
    手段と、前記第一の振動系と前記第二の振動系との他方
    に設けられている検出手段とを備えていることを特徴と
    する、振動型ジャイロスコープ。
  12. 【請求項12】前記第一の振動系と前記第二の振動系と
    の一方が振動しており、かつ振動子が回転していないと
    きには、前記第一の振動系と前記第二の振動系との他方
    が実質的に振動しないことを特徴とする、請求項11記
    載の振動型ジャイロスコープ。
  13. 【請求項13】前記振動子が、請求項6記載の振動子で
    あり、前記X軸を中心とする回転角速度を検出するため
    に、前記Y軸振動系の振動と前記第二の振動系の面垂直
    振動成分との関係を利用し、前記振動子の前記Y軸を中
    心とする回転角速度を検出するために、前記X軸振動系
    の振動と前記第二の振動系の面垂直振動成分との関係を
    利用することを特徴とする、請求項11または12記載
    の振動型ジャイロスコープ。
  14. 【請求項14】前記振動子が、請求項10記載の振動子
    であり、前記所定面に垂直に延びるZ軸を中心とする回
    転角速度を検出するために、前記振動子の前記第一の振
    動系の面内振動成分と前記第三の振動系の面内振動成分
    との関係を利用することを特徴とする、請求項11−1
    3のいずれか一つの請求項に記載の振動型ジャイロスコ
    ープ。
  15. 【請求項15】前記振動子の検出モードにおける最小振
    幅領域内で前記振動子を支持する支持部材を備えている
    ことを特徴とする、請求項11−14のいずれか一つの
    請求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  16. 【請求項16】前記振動子の駆動モードにおける最小振
    幅領域内で前記振動子を支持する支持部材を備えている
    ことを特徴とする、請求項1−15のいずれか一つの請
    求項に記載の振動型ジャイロスコープ。
  17. 【請求項17】前記所定面に平行に延びる回転軸を中心
    とする回転成分の回転角速度を検出する方法であって、
    請求項1−10のいずれか一つの請求項に記載の振動子
    を使用し、前記第一の振動系と前記第二の振動系との一
    方に駆動振動を励振し、この駆動振動に応じて前記振動
    子に励起される検出振動のうち、前記第一の振動系と前
    記第二の振動系との他方に現れる振動成分を検出するこ
    とを特徴とする、回転角速度の検出方法。
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