JPH11249142A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH11249142A
JPH11249142A JP4945598A JP4945598A JPH11249142A JP H11249142 A JPH11249142 A JP H11249142A JP 4945598 A JP4945598 A JP 4945598A JP 4945598 A JP4945598 A JP 4945598A JP H11249142 A JPH11249142 A JP H11249142A
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JP
Japan
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liquid crystal
alignment film
alignment
film
substrate
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Application number
JP4945598A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Nishio
徹也 西尾
Kotaro Araya
康太郎 荒谷
Masato Oe
昌人 大江
Yasushi Tomioka
冨岡  安
Shinichi Komura
真一 小村
Hiroyuki Kagawa
博之 香川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 配向膜から液晶への汚染や電界や熱などに対
する液晶の配向不安定を防止して高品質の表示を得る。 【解決手段】 2枚の基板1、1’の対向面に設ける各
配向膜を、当該基板側に位置する下層配向膜8、8’
と、の上層に形成した上層配向膜9、9’の多層多層構
造とし、下層配向膜8、8’の液晶配向制御能を上層配
向膜9、9’に転写させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に係
り、特に光配向により液晶配向制御能を付与した配向膜
を備えた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】静止画や動画を含めた各種の画像を表示
するデバイスとして液晶表示装置が広く用いられてい
る。この種の液晶表示装置は、基本的には少なくとも一
方が透明なガラス等からなる二枚の基板の間に液晶層を
挟持して所謂液晶パネル(液晶表示パネルとも言う)を
構成し、上記液晶パネルの基板に形成した画素形成用の
各種電極に選択的に電圧を印加して所定画素の点灯と消
灯を行う形式、上記各種電極と画素選択用のアクティブ
素子を形成してこのアクティブ素子を選択することによ
り所定画素の点灯と消灯を行う形式とに分類される。
【0003】特に、後者の形式の液晶表示装置はアクテ
ィブ・マトリクス型と称し、コントラスト性能、高速表
示性能等から液晶表示装置の主流となっている。従来の
アクティブマトリクス型液晶表示装置は、一方の基板に
形成した電極と他方の基板に形成した電極との間に液晶
層の配向方向を変えるための電界を印加する、所謂縦電
界方式を採用していた。
【0004】しかし、近年、液晶層に印加する電界の方
向を基板面とほぼ平行な方向とする、所謂横電界方式
(IPS方式とも言う)の液晶表示装置が実現された。
この横電界方式の液晶表示装置としては、二枚の基板の
一方に櫛歯電極を用いて非常に広い視野角を得るように
したものが知られている(特公昭63−21907号公
報、米国特許第4345249号明細書)。
【0005】このような液晶表示装置の製造において、
液晶層を構成する液晶組成物の分子を特定の方向に配列
させる(配向させる)ために行われる配向処理方法(液
晶配向制御能の付与方法とも言う)は液晶表示装置の量
産性のみならず品質、性能をも左右する極めて重要な工
程である。
【0006】この配向処理方法には、液晶を配向させる
ために基板に形成する膜(配向膜)材料としてSiO2
のような酸化物を適用し、基板に対して特定方向と角度
で蒸着することにより配向処理を行う斜方蒸着方法があ
る。しかし、この方法では配向処理に長時間を要する。
【0007】そのため、配向処理方法としてはラビング
工程が最も頻繁に採用されている。ラビングの前工程で
NMP(N−メチル−2−ピロリドン)などの有機溶剤
にポリイミドなどの高分子を溶かした溶液を基板に塗布
した後、乾燥、焼成して配向膜を形成する。その後、ベ
ルベットなどの布を取り付けたローラーを回転、特定方
向に平行移動させながら配向膜表面を擦ることにより液
晶配向制御能付与を行う。この方法では、配向処理を短
時間に大量の基板に対して行うことができる。しかしこ
の方法では、糸屑などのごみが基板およびその周辺に付
着して液晶の配向を乱したり、ギャップの均一性を低下
させやすい。また、配向膜に大量の静電気が発生するこ
とによりアクティブマトリクス型などの液晶表示装置で
は、そのTFT(薄膜トランジスタ)が破壊されやす
い。さらには、基板表面に傷が発生することにより液晶
表示装置の表示均一性を低下させ易い、などの問題点を
持つ。
【0008】これらの問題は、主にラビング方法の特徴
である布を直接基板に接触させて擦ることに起因する。
そこで、従来のラビング工程に代わる配向処理として非
接触式である光配向処理方法の実用化が強く要望されて
いる。これまでに以下のような3つの光配向処理方法が
報告されている。
【0009】その1は、液晶や配向膜中に異方性吸収分
子(2色性染料)を含有させ、これに線状偏光した光を
照射して液晶分子の配向を制御する方法である。また、
その2は、レーザー光を干渉させて配向膜の表面に照射
することにより光分解または光昇華させ、配向膜に周期
的な模様を形成することにより液晶配向制御能を付与す
る方法である。またその3は、感光性のPVA(ポリビ
ニルアルコール)などの膜を光異性化させ配向処理する
方法がある。
【0010】なお、液晶層を構成する液晶分子を所定の
方向に配向させる方法の代表例として、基板上にポリイ
ミド系等の有機高分子薄膜を成膜し、これをラビング処
理して配向制御能を持たせた有機配向膜が実用化されて
いる。
【0011】また、基板に成膜したポリイミド系等の有
機高分子薄膜の配向膜に光を照射することにより配向制
御能を持たせる方法(光配向)も知られている(米国特
許第4974941号明細書、特開平5−34699号
公報、特開平6−281937号公報、特開平7−24
7319号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記光を用いた液晶配
向制御能の付与方法(光配向方法)は、基板に成膜した
配向膜に接触することなく簡単に配向膜に液晶配向制御
能を付与できる。しかしながら液晶配向制御能の付与方
法に光配向方法を使用することはほとんど促進されてい
ない。その原因を調査したところ、光配向膜の評価を行
った結果、配向膜の表面の膜劣化により電圧保持率、コ
ントラストの低下、残像特性の悪化等の表示不良が発生
するためであることが分かった。
【0013】そこで、本発明者等は、配向膜を2層と
し、基板側の配向膜での配向を液晶側の配向膜がプリン
トし、基板側膜表面の劣化を補修、コートすることによ
り以上で述べた問題点を解決することを試みた。まず、
配向をプリントする方法の1つとして配向膜上でのエピ
タキシャル成長を利用する方法が考えられる。「Nat
ure」,352(1),414−417(1991)
では、テトラフルオロエチレンを基板に擦り付け、その
上に特定の膜を積層することによりエピタキシャル成長
してテトラフルオロエチレンと同様の配向を自動的に保
持することが報告されている。
【0014】しかし、これらの特定の膜が液晶表示装置
の配向膜に対しても同様に配向するかは不明であった。
そこで、配向膜を備えた液晶表示装置について上記の方
法で試験したところ、上記と同様に配向膜の配向を特定
の膜が保持することが発見された。
【0015】このような経緯に基づいて、本発明では、
特定の膜が配向膜上でエピタキシャル成長することを液
晶表示装置の製造工程に応用した。また、特開平8−3
38994号公報に開示の発明では、ラビング処理した
配向膜にフタル酸エステルまたはシロキサンの薄膜を形
成することにより不純物が液晶に溶出するのを防止して
いるが,光配向膜に同様の処理を行うことでラビングレ
スを実現することができる。
【0016】従来は光配向膜により液晶表示装置を作製
する際、基板上の膜を直線偏光した紫外光で配向させて
いたが、このとき紫外光が膜表面を劣化させる。そのた
め液晶が配向膜へ浸透したり、配向膜に残留するイオン
性不純物が液晶へ溶出したり、液晶に対する膜の配向性
が弱くなることが要因となり液晶表示装置のコントラス
ト、電圧保持率の低下、残像特性の悪化等の課題を発生
させる。
【0017】光配向膜に代表される次世代配向膜は液晶
への汚染性や電界や熱などに対して液晶の配向が不安定
であるために表示不良が発生しやすい。その結果、光配
向膜単独での実用化は困難である。
【0018】本発明の目的は、上記従来技術の諸問題を
解消して、安定した液晶配向制御能を有する液晶表示装
置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、下記の手段1および手段2を採用したこ
とを特徴とする。
【0020】〔手段1〕光配向膜が単層の液晶表示装置
では,液晶層と光劣化した配向膜表面とが直接接触す
る。そのために溶剤などを含み、硬化性が低い高分子溶
液を焼成して配向膜を形成する場合は,配向膜中に残留
した溶剤などが液晶層を構成する液晶組成物(以下、液
晶とも言う)を汚染したり、液晶に浸透されて配向膜が
膨潤するために不良が発生する可能性が高い。
【0021】そこで、本発明では、光配向膜に新たに1
層以上の緻密な配向膜を積層、あるいはコートして多層
配向膜を構成し、それを自動的に配向させた構造を備え
たことにより上記本発明の目的を達成できる。具体的に
は、液晶層側に位置する配向膜としては溶剤を含まない
膜または速乾性の塗布膜を用い、基板側に位置する配向
膜の配向を基にして上層の配向膜に配向をプリントする
機能を持ち、緻密な膜を形成可能である重合性低分子な
どを用いる。
【0022】これにより、配向膜が溶剤を含みに難いた
めに配向膜から液晶中に溶出するイオン性不純物が低減
し、また配向膜の緻密性により液晶層と配向膜間のカバ
ーリングが向上する効果が生じる。その結果、液晶中の
イオン不純物、ぬれのヒステリシス、配向膜変形などに
起因する光配向膜に対する電圧保持率の低下や残像の発
生が防止され、液晶表示装置の性能が向上する。
【0023】〔手段2〕〔手段1〕における液晶層側に
位置する配向膜として基板側に位置する配向膜よりも光
や熱に対する液晶配向安定性の高い膜を備えることで、
基板側に位置する配向膜の配向方向にかかわらず液晶層
側に位置する配向膜により液晶の配向を固定する効果が
生じ、上記手段1と同様に液晶中のイオン不純物、ぬれ
のヒステリシス、配向膜変形などに起因する光配向膜に
対する電圧保持率の低下や残像の発生が防止され、液晶
表示装置の性能が向上する。
【0024】すなわち、本発明の特徴を列挙すれば、下
記(1)〜(7)に記載のとおりである。
【0025】(1) 対向面にそれぞれ配向膜を有する
一対の基板の間に液晶層を挟持してなり、前記配向膜を
多層構造とし、前記液晶層側に位置する上層の配向膜に
前記基板側に位置する下層の配向膜に付与した液晶配向
制御能を転写してなることを特徴とする。
【0026】(2)表示画素を構成する走査信号電極と
映像信号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なく
とも備えた一方の基板と、前記表示画素を構成する各電
極および前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層
を介して形成された第1の配向膜と、前記第1の配向膜
に対向する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一
方の基板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板
と、前記第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に
挟持された液晶層とを有し、前記表示画素を構成する各
電極が前記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板
の面方向に実質的に平行な電界を印加する如く構成され
ると共に、前記印加される電界による前記液晶層の配向
状態によって前記他方の基板から出射する光の光学特性
を変化させる偏光手段とを少なくとも具備し、前記第1
の配向膜と前記第1の配向膜が少なくとも基板側に位置
する下層配向膜と液晶層側に位置する上層配向膜からな
る多層構造で構成し、前記下層配向膜に処理した液晶配
向制御能を前記上層配向膜に転写してなることを特徴と
する。
【0027】(3)(1)または(2)における前記基
板側に位置する下層配向膜が、光相分離膜、光重合性
膜、光分解性膜等の光配向により液晶配向制御能が付与
された配向膜であることを特徴とする。
【0028】(4)(1)または(2)における前記液
晶層側の最上層の膜厚が20オングストローム以下の薄
膜であることを特徴とする。
【0029】(5)(1)または(2)における前記基
板側に位置する下層配向膜が、ラビングにより液晶配向
制御能が付与された配向膜であることを特徴とする。
【0030】(6)(1)または(2)における前記液
晶層側に位置する上層配向膜が、重合性単量体もしくは
重合性オリゴマーの構造単位を備えた高分子膜であるこ
とを特徴とする。
【0031】(7)(1)または(2)における前記液
晶層側に位置する上層配向膜が、液晶性を有する高分子
膜であることを特徴とする。
【0032】(8)(1)または(2)における前記液
晶層側に位置する上層配向膜が、有機低分子または有機
低分子を構造単位に備えた高分子膜であることを特徴と
する。上記(1)〜(8)に記載の構成により、液晶中
に溶出するイオン性不純物が低減し、また配向膜の緻密
性により液晶と配向膜間のカバーリングが向上する効果
が生じ、また、液晶層側に位置する配向膜として基板側
に位置する配向膜よりも光や熱に対する液晶配向安定性
の高い膜を備えることで、基板側に位置する配向膜の配
向方向にかかわらず液晶側に位置する配向膜により液晶
の配向を固定する効果が生じ、液晶中のイオン不純物、
ぬれのヒステリシス、配向膜変形などに起因する光配向
膜に対する電圧保持率の低下や残像の発生が防止され、
液晶表示装置の性能が向上する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につ
き、実施例の図面を参照して詳細に説明する。しかしな
がら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0034】〔実施例1〕図1は本発明による液晶表示
装置の実施例1を説明するTFT基板の電極構造および
カラーフィルタ基板の説明図であって、(a)は平面
図、(b)は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)
のB−B’断面図を示す。
【0035】図1において、1はTFT基板側の絶縁基
板(一方の基板)、1’はカラーフィルタ基板(C/F
基板)側の絶縁基板(他方の基板)、2は共通電極、3
はアルミナ膜、4はゲート絶縁膜、5は画素電極、6は
映像信号電極、7は絶縁層、8はTFT基板側の配向膜
(第1の下層配向膜)、8’はC/F基板側の配向膜
(第2の下層配向膜)、9は液晶層側の配向膜(第1の
上層配向膜)、9’は液晶層側の配向膜(第2の上層配
向膜)、10は液晶層、11はスペーサであるビーズ、
12は保護膜、13はブラックマトリクス(BM)、1
4は画素領域、15は走査信号電極、16は非晶質Si
膜とn型a−Si膜およびn+ 型a−Si膜の積層構
造、17は開口領域、18は薄膜トランジスタ素子(T
FT)を示す。
【0036】TFT基板を構成する絶縁基板1としての
ガラス基板の上にアルミニウムAlからなる共通電極2
及び走査信号電極15が形成され、さらにその表面はア
ルミナ膜3で保護されている。それらの電極の上にSi
Nからなるゲート絶縁膜4が被覆され、さらに開口領域
17ではその上に非晶質Si(a−Si)膜、n型a−
Si膜が積層されている。さらに、Al/Crからなる
映像信号電極6及び画素電極5からなるTFT18が積
層されている。またさらに、SiNからなる絶縁層7が
積層され、その上にさらに基板側配向膜(第1の下層配
向膜)8と液晶層側配向膜(第1の上層配向膜)9が積
層されている。
【0037】共通電極2は画素電極5と平行に配置され
ている。また、画素は映像信号電極6と平行な共通電極
2及び画素電極5によって4分割されている。画素電極
5は共通電極2と一部重なり合い、保持容量を形成して
いる。
【0038】一方、本実施例におけるC/F基板を構成
する絶縁基板1’としてのガラス基板(他方の基板)
は、TFT基板の基板1側の電極領域を遮光するBM1
3と開口領域17を色づけする画素領域(カラーフィル
タ)14および保護膜12を備えている。
【0039】以上の構成を有する横電界方式のTFT基
板およびC/F基板の基板側対向面上に光分解型の光配
向性ポリイミド(分子量〜12,000)であるジアミ
ンがBAPP;2,2−ビス{4−(パラアミノフェノ
キシ)フエニル}プロパンで酸無水物がCBDA;1,
2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物か
ら構成されるポリイミドのN−メチル−2−ピロリドン
中7%溶液をスピン塗布により2000rpmにおいて
40秒間塗布した。
【0040】次に、真空中で約80〜90度で40秒
間、乾燥処理の後、250度において10分間焼成す
る。こうして得られたTFT基板側の配向膜(第1の下
層配向膜)8およびC/F基板側の配向膜(第2の下層
配向膜)8’の膜厚はAFM(原子間力顕微鏡)で測定
の結果、約0.1μmであった。
【0041】この各下層配向膜8、8’の成膜処理の後
に、偏光を照射して光配向により液晶配向制御能を付与
する。
【0042】図2は光配向を行うための露光装置の構成
を説明する光学系の模式図であって、22は偏光源、2
3は偏光方向、24は光の進行方向、25はシャッタ
ー、26はマスク(無い場合もある)、27はレンズ、
28は下層配向膜を形成した基板を示す。
【0043】偏光源22は高圧水銀灯(HgHP)を光
源として、その出射光を偏光分離器等により所定の偏光
方向23を持つ直線偏光に変換する。この偏光は符号2
4方向に出射されてシャッター25を通してマスク26
に至り、レンズ27で基板28上の下層配向膜を照射す
る。この直線偏光させた光を、波長365nmにおいて
約100秒間露光した。露光の際の照射エネルギーは約
15mW/cm2 であった。
【0044】そして、上記各下層配向膜8、8’の上に
新たにパリレンを緻密に積層して液晶側の配向膜(第1
と第2の上層配向膜)9、9’を成膜する。この各上層
配向膜9、9’の成膜後、この各上層配向膜9、9’に
各下層配向膜8、8’の配向を転写(プリント)して当
該各上層配向膜9、9’に液晶配向制御能が付与され
る。すなわち、パラキシレンのダイマーを熱CVDによ
り170°C付近で蒸発させ、600°C付近でモノマ
ーに熱分解させることで活性化させ、室温付近で基板側
の配向膜8、8’の対向面上に蒸着、モノマー重合させ
る。さらに、モノマー重合したパリレンが基板側の各下
層配向膜8、8’の分子に従って自動的に配向される。
【0045】得られた各上層配向膜9、9’の膜厚はA
FMで測定の結果、約0.2μmであった。その結果、
この緻密なパリレン層により、液晶が下層配向膜へ浸透
して膨潤させたり、下層配向膜に残留するイオン性不純
物等が液晶へ溶出するのを防ぐことができる。
【0046】次に、スペーサとしてビーズ(直径4μ
m)を第1の基板であるTFT基板の配向膜(液晶側の
配向膜:上層配向膜9、9’)上に散布し、液晶10を
封入するための空隙(液晶注入口)を残して第1と第2
の基板のエッジに沿ってエポキシ系シールを塗布し、同
じ配向処理を施した他の基板(C/F基板)をその対向
面上に重ね合わせた。
【0047】そして、上記2枚の基板をクランプにより
4μmの間隔近傍までプレスして、シールを熱硬化させ
てセルを形成した。このセルを減圧雰囲気下に置き、上
記液晶注入口を液晶を収容した容器の液晶中に浸漬させ
た。その結果、液晶が毛細管作用によりセル内に注入さ
れて2枚の基板の間に満たされる。その後、セルを減圧
雰囲気から取り出し、きれいに拭き、液晶注入口を感光
性エポキシで封止した。
【0048】このようにして製作した光配向性ポリイミ
ド上にパリレンを積層した2層構造の配向膜を有する第
1と第2の基板を備えた液晶表示装置によれば、液晶層
と配向膜間のシールド性、液晶層の配向性に関する前記
従来技術の諸問題が解決し、高品質の液晶表示装置が得
られた。
【0049】表1は本発明の実施例と比較例(従来例)
の液晶表示装置の性能を比較した結果をまとめて示した
ものである。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示したように上記実施例1では、液
晶層の配向膜に対する透過率を示す全透過束が0.01
kg/m2 ・hr(通常0.2kg/m2 ・hr)と低
く、液晶と配向膜間のシールド性が向上したことがわか
る。その結果、電圧保持率が98.7%となり、不純物
イオンによる電圧降下が低減した。
【0052】さらに、ゲート電極とコモン電極間に4V
の交流電圧および500mVの直流電圧を印加して1V
電圧差のフリッカーを消去する残留直流電圧を測定した
ところ200mVと低電圧で、不純物イオンなどによる
残像も軽減されたことがわかった。
【0053】また、偏向赤外分光による分析の結果、配
向膜上の液晶が図3の符号20に示す方向に平面配向を
有していることが確認された。以上の残像の低減と配向
の安定化により黒表示の沈みが良好となり、液晶表示装
置のコントラストは260となり、表示性能も向上し。
【0054】本実施例に適用可能な重合性単量体および
その化合物の具体名を例示すると下記のようになる。す
なわち、ジアセチレン、オキサン(ホルムアルテヒド存
在下でトリオキサンを昇華させて蒸着)、6−アミノカ
プロン酸(ナイロン系)、パラフェニレンジアミンとテ
レフタル酸ジクロリド(ポリアミド系)、4,4’−ジ
アミノジフェニルメタンと4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(芳香族ポリユリア系)と、およびそ
れらを骨格構造に有するポリイミドの酸無水物とジアミ
ン(両単量体の縮合よりポリイミドが生成)、などがあ
る。しかし本実施例に用いられる化合物は上記に例示し
た化合物に限定されるものではない。
【0055】また、本発明に適用可能なポリイミド、ポ
リイミドを構成する酸無水物及びジアミン具体名を例示
すると下記のようになる。すなわち、酸無水物としてピ
ロメリット酸二無水物、2,2−ビス〔4−(3,4−
−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕トリデカン二無
水物、2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェ
ノキシ)フェニル〕オクタン二無水物、2,2−ビス
〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル〕
ヘプタン二無水物、1,1−ビス〔4−(3,4−ジカ
ルボキシフェノキシ)フェニル〕−2−メチルヘプタン
二無水物、1,1−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシ
フェノキシ)フェニル〕シクロヘキサン二無水物、3,
3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテル
テトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’
−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,
3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、
1,4,5,8,−ナフタレンテトラカルボン酸二無水
物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボンサン二
無水物、2,2’−ビス(ジカルボキシフェニル)エー
テル二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカル
ボン酸二無水物、2,2−ビス(ジカルボニルフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,2,5,6
−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−
シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、5−(2,
5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、2,
2−ビス〔2−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキ
シ)フェニル〕トリデカンテトラカルボン酸二無水物、
2,2−ビス〔4−(3,4−ジカルボキシフェノキ
シ)フェニル〕プロパンテトラカルボン酸二無水物、
1,2−ビス(3,4−ジカルボキキシフェニル)エタ
ン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキキシフ
ェニル)プロパン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジ
カルボキキシフェニル)エタン二無水物、1,3−ビス
(3,4−ジカルボキキシフェニル)プロパン二無水
物、ヘキサメチレンビストリメリテート二無水物、ヘキ
サデカメチレンビストリメリテート、の中の少なくとも
1つ以上と、ジアミンとしてオルトトリジン、パラフェ
ニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、2,4−ジ
アミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’
−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフ
ェニル、4,4’−ジアミノジフェニルスルファイド、
4,4’−ジアミノターフェニル、4,4’−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン、1,5−ジアミノナフタレ
ン、4,4’−ビス(パラアミノフェノキシ)ビフェニ
ル、4,4’−ビス(メタアミノフェノキシ)ビフェニ
ルスルホン、4,4’−ビス(パラアミノフェノキシ)
ビフェニルスルホン、3,3’−ジメチル−4,4’−
ジアミノビフェニルメタン、3,3’−ジメチル−4,
4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−
4,4’−ジアミノビフェニル、2,7−ジアミノフル
オレン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、ベン
ジン、c−トリジン、3,3’−ジアミノベンゾフェノ
ン、アセトグアナミン、3,3’−ジメトキシベンジ
ン、2,2’−ビス{4−(パラアミノフェノキシ)フ
エニル}プロパン、2,2−ビス{4−(パラアミノフ
ェノキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン、2,2
−ビス{4−(パラアミノフェノキシ)フエニル}スル
ファイド、2,6−ジアミノアントラキノン、1,4−
ジアミノデュレン、2,6−ジアミノトルエン、2,5
−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノピリジン、2,
6−ジアミノピリジン、2,3−ジアミノピリジン、
3,4−ジアミノピリジン、4,4’−ジアミノベンゾ
フェノン、ベンゾグアナミン、2,7−ジアミノナフタ
レン、1,5−ジアミノナフタレン、3,4−ジアミノ
トルエン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジ
アミン、4,4’−ジチオジアニリン、オルトフェニレ
ンジアミン、ジアミノフェニルインデン、4,4’−ジ
アミノスチルベン、ヘキサメチレンジアミン、フェニル
インダンジアミン、o−トルイジンスルホン、1,4−
ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス
(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,4’−ジアミ
ノジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−アミノフェ
ニル)アントラセン、9,9−ビス(4−アミノフェニ
ル)フルオレン、4,4−ジアミノベンズアニリド、
4,4−ジ−(3−アミノフェノキシ)ジフェニルスル
ホン、4,4’−{1,3−フェニレンビス(1−メチ
ルエチリデン)}、4,4’−{1,4−フェニレンビ
ス(1−メチルエチリデン)}、4,4’−(メタフェ
ニレンジイソプロピリデン)ビス(メタトルイジン)、
4,4’−(パラフェニレンジイソプロピリデン)ビス
(メタトルイジン)、1−ヘプチル=3,5−ジアミノ
ベンゾアート、1,3−ジ(パラ−ジアミノフェニル)
テトラメチルジシロキサン、ビス(γ−アミノプロピ
ル)テトラメチルジシロキサンなどの中の少なくとも1
つ以上の骨格構造を有するポリイミドおよびシロキサン
系ポリイミド等が挙げられる。しかし、本発明は上記に
例示した化合物に限定されるものではない。
【0056】上記実施例の効果を説明するために、比較
例として従来技術の液晶表示装置について、その性能を
検証した。
【0057】〔比較例1〕図4は従来技術による液晶表
示装置を説明するTFT基板の電極構造およびカラーフ
ィルタ基板の説明図であって、(a)は平面図、(b)
は(a)のA−A’断面図、(c)は(a)のB−B’
断面図を示す。このTFT基板は液晶層10に接する配
向膜はTFT基板とカラーフィルタ基板について各一層
のみであり、その他の構成は前記図1と同様であるの
で、重複する説明は省略する。
【0058】本比較例は、従来の光配向性ポリイミド膜
が単独を第1の基板であるTFT基板と第2の基板であ
るC/F基板の各基板対向面上に塗布した構造を備えた
液晶表示装置である。
【0059】この液晶表示装置においては、液晶層10
に接する各配向膜8、8’に対する透過性を示す全透過
束は通常0.3kg/m2 と高く、液晶層10と各配向
膜8,8’間のカバーリングが不十分であることがわか
った。その結果、表1に示すように電圧保持率は78.
6%、残留直流電圧は900mV、コントラストは18
9と、前記した実施例1と比較して悪化し、不純物イオ
ンの影響による重度の残像も確認された。このときの配
向膜のC−O−C非対称伸縮振動(1244cm-1)赤
外2色性比を測定したところ、0.075となり、ラビ
ング工程により生じる膜異方性(0.167)よりも小
さく、本発明の目的を達成することが不可能であること
がわかった。
【0060】なお、上記した配向膜の「C−O−C非対
称伸縮振動」とは、芳香族系エーテルの(1270〜1
030cm-1付近での)振動モードにおいて赤外吸収が
生じる現象であり、逆対称伸縮振動とも呼ばれる。ま
た、「赤外2色性比」とは、ポリイミド膜(主鎖中にC
−O−C基があるポリイミドのみ)の異方性を意味す
る。
【0061】〔実施例2〕前記実施例1で説明した液晶
表示装置の構成において、第1および第2の基板側に形
成する第1と第2の下層配向膜8、8’としてポリビニ
ルシンナメート(アクリレート)系の光配向膜を使用し
た。
【0062】先ず、基板対向面上にポリビニルシンナメ
ート(分子量〜1,5000)のメチルセロソルブアセ
テート中2%溶液をロールコータにより塗布した。得ら
れた膜の厚さは0.1μm程度であった。次いで、この
層を空気中で約1分間乾燥し、次に80〜90度で約4
0秒間加熱して仮硬化した。
【0063】この仮硬化後に、その層に前記図2に示し
たHgHPを用いた偏光照射装置により、直線編光され
た波長λ約365nmの紫外光を約100秒間照射して
露光した。照射エネルギーは約15mW/cm2 であっ
た。
【0064】この結果、基板側の配向がパリレンにより
固定され安定化して、熱により配向揺らぎが発生しない
効果が生じた。その特性を表1に示す。
【0065】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0066】本実施例に適用できる化合物を例示すると
次のとうりである。すなわち、ポリ(メタクリロイルオ
キシエチル3−(E)−{4−ペンチル−4’−ビフェ
ニル}アクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエ
チル3−(E)−{4−メチルオキシ−4’−ビフェニ
ル}アクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチ
ル3−(E)−{4−(トランス−4’−メチルシクロ
ヘキシル)フェニル}アクリレート)、ポリ(メタクリ
ロイルオキシエチル3−(E)−ビフェニルアクリレー
ト)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル3−(E)−
{3−シアノフェニル}アクリレート)、ポリ(メタク
リロイルオキシエチル3−(E)−{2,4−ジメチル
フェニル}アクリレート)、ポリ(メタクリロイルオキ
シエチル3−(E)−{3,4−ジシアノフェニル}ア
クリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル3−
(E)−{3−ブロモ−4−フルオロフェニル}アクリ
レート)、ポリ(アクリロイルオキシエチル3−(E)
−ビフェニルアクリレート)、ポリ(アクリロイルオキ
シエチル3−(E)−{2,4−ジメチルフェニル}ア
クリレート)、ポリ(メタクリロイルオキシエチル3−
(E)−{4−(4−メトキシベンゾイルオキシ)フェ
ニル}アクリレート)、コポリ(メタクリロイルオキシ
エチル(E)−3−(4−メトキシフェニル)アクリレ
ート/2−メタクリロイルオキシエチル(E)−3−
(4−ニトロフェニル)アクリレート)、コポリ(メタ
クリロイルアミドエチル(E)−3−(4−オクチルオ
キシ−4’−ビフェニル)アクリレート/2−アクリル
アミドブチル3−(E){4−[(R)−2−オクチル
オキシ]−4’−ビフェニル}アクリレート)、と上記
の化合物を骨格構造に有するポリイミドおよびシロキサ
ン系ポリイミド、などがある。しかし、本実施例は上記
の化合物に限定されるものではない。
【0067】〔実施例3〕前記した実施例1で説明した
液晶表示装置において、第1および第2の基板側に形成
する第1と第2の下層配向膜8、8’として光学異方性
をもつ染料を備えた配向膜を使用した。
【0068】光学異方性をもつジアゾジアミン染料の1
重量%をNMP中のポリイミド0.5重量%に加え、こ
の混合物を第1および第2の基板の対向面上にスピンコ
ートして下層配向膜を成膜した。その下層膜を前記図2
で説明した偏光照射装置と基本的に同様の構成で、光源
としてアルゴンレーザを用い、かつ光学レンズ26を使
用しないで45分間の露光を行い配向処理を行った。
【0069】照射光の波長は51405nmで約1.2
Wの最大出力を有するアルゴンレーザ(スペクトラーフ
ィジックス社製の「モデル2020−03」(商品
名))を用いた。レーザ光を照射した基板の下層配向膜
に前記実施例1で説明した方法でパリレンを蒸着させた
後、シール硬化、封止などを行った。
【0070】その結果を偏向赤外分光による分析を行っ
たところ、液晶層は基板側の膜(下層配向膜)がシス体
の配向で図3の符号19に示す方向に平面配向を有して
いることが確認された。
【0071】この実施例は、特にチルト角を出す必要の
ない横電界方式の液晶表示素子に適している。またトラ
ンス体の配向では垂直配向を有しているので縦電界方式
の液晶表示装置にも適している。この結果、基板側の配
向膜(下層配向膜)の配向がパリレンにより固定され安
定化して、熱により配向揺らぎが発生しないという効果
が生じた。この実施例の特性については表1に示してあ
る。
【0072】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0073】本実施例で適用できる染料の具体名を例示
すると次のようになる。すなわち、2−フェニルチアゾ
ール、2−フェニルアゾベンズチアゾール、4,4’−
ビス(アリールアゾ)スチルベン、ペリレン、および
4,8−ジアミノ−1,5−ナフタキノン染料やこれら
の化学構造を骨格構造に備えたポリイミドやポリシロキ
サンなどがあるが、本実施例は上記の化合物に限定され
るものではない。
【0074】〔実施例4〕前記実施例1、実施例2、実
施例3の液晶層側の膜(第1と第2の下層配向膜8、
8’)を成膜した基板をジオクチルフタレートの雰囲気
下に放置して形成したところ数オングストロームの修飾
膜が得られた。特性については表1に示す。本実施例に
より、液晶層と配向膜間のシールド性、液晶層の配向性
に関する前記従来技術の諸問題が解決し、高品質の液晶
表示装置が得られた。
【0075】本実施例では、その他のフタル酸エステル
やシロキサンも適用可能である。修飾膜の具体名を例示
するとジブチルフタレート、ジオクチルフタレート,ポ
リジメチルシロキサン、ポリジプロピルシロキサンなど
があるが、本実施例は上記の化合物に限定されるもので
はない。
【0076】〔実施例5〕前記した実施例1の基板側の
膜(第1と第2の下層配向膜8、8’)に代えて、オク
タデシルトリエトキシシラン系アゾベンゼン用いた。す
なわち、有機シランカップリング剤のアルキル端側にア
ゾベンゼン等の光反応性官能基を結合した配向膜として
1重量%のオクタデシルトリエトキシシラン系アゾベン
ゼン/メタノール溶液を調製した。室温で、この溶液に
2枚の基板対向面を30分浸漬した後、取り出し、2−
プロパノールで洗浄し、120°Cの恒温槽に入れて1
時間加熱した。
【0077】これを室温に冷却した後、再度、同一条件
で、1重量%のオクタデシルトリエトキシシラン系アゾ
ベンゼン/メタノール溶液に浸漬、洗浄、加熱を繰り返
した。形成された膜をESCA分析により分析し、基板
対向上にアゾベンゼン等を含むオクタデシルシロキシ基
の単分子膜の形成を確認した。その膜厚をエリプソメト
リー分析により測定したところ3nm以下であった。
【0078】その後、液晶層側から可視光を前記実施例
2で使用したと同様の図2に示したHgHPを用いた偏
光照射装置を用いて偏光を照射することで表面分子がシ
ス体に整列させた。その後、実施例1と同様にパリレン
を積層した。その特性を表1に示す。
【0079】本実施例によれば、基板側の配向膜(第1
と第2の下層配向膜8、8’)の配向がパリレンにより
固定され安定化して、熱により配向揺らぎが発生しない
という効果が得られた。
【0080】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0081】本実施例に適用できるオクタデシルトリエ
トキシシラン系アゾベンゼンの具体名を例示すると、パ
ラメトキシ桂皮酸のポリビニルエステル、5−(4−
(N−(E)−(2−(3−(4−クロロフェニル)ア
クリロイルオキシ)エチル)−N−メチルアミノ)−
(E)−フェニルアゾ−2−ニトロベンゼン安息香酸、
またはスピロピラン、スチルベン、または以上の化合物
の骨格構造を有するポリイミドなどがあるが、本実施例
は上記の化合物に限定されるものではない。
【0082】〔実施例6〕前記実施例1の構成におい
て、基板側の膜(第1と第2の下層配向膜8、8’)の
代わりとして1,2,3,4−テトラシクロブタン酸二
無水物とパラ−フェニレンジアミンとからなるポリイミ
ドのNMP,BC,γ−BL混合系溶液をに塗布し、9
0°Cで仮硬化後、200°Cで本硬化処理を行う。次
に、硬化したポリイミド膜を所定の線状方向にバフ布で
ラビング(摩擦)した。この結果、配向膜から液晶への
溶剤汚染を防ぐことができ、特性については表1に示
す。
【0083】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0084】〔実施例7〕前記実施例1における液晶層
側の膜(第1と第2の上層配向膜9、9’)として、ラ
イオトロピック液晶性高分子のポリ−γ−ベンジル−L
−グルタメートをクロロホルム等で溶液にして塗布して
から、溶剤蒸発により析出させて積層する。その結果、
他の実施例と同様に生成した基板の対向面上に配向層が
形成され、配向膜から液晶への溶剤汚染を防ぐことがで
きた。特性については表1に示す。本実施例により、液
晶層と配向膜間のシールド性、液晶層の配向性に関する
前記従来技術の諸問題が解決し、高品質の液晶表示装置
が得られた。
【0085】本実施例に適用可能なポリイミド構成する
ジアミンの具体名を例示すると、w−(4−アルキルビ
フェニル)オキシアルキル=3,5−ジアミノベンゾア
ート、w−(トランス−4−アルキルシクロヘキシル)
フェノキシアルキル=3,5−ジアミノベンゾアート、
などがある。また4−n−プロピルーシクロヘキシル−
4’−エトキシベンゼン、ポリ−[4−シアノフェニル
4−(6アクリロイロキシ−ヘキシロイロキシ)ベンゾ
エイト] 、4−シアノ−4’−n−アルキルビフェニル
類の液晶または混合物等を骨格構造に備えたアクリレー
ト化合物、ポリイミドやライオトロピック液晶性高分子
であるヒドロキシプロピルセルロース、ポリ−p−フェ
ニレンテレフタルアミドなどもある。さらに、サーモト
ロピック液晶性高分子のポリ(4,4’−ジオキシアゾ
キシベンゼンドデカンジオイル)を加熱溶融後に塗布
し、冷却して硬化させてもよい。さらに本実施例は上記
で例示した化合物に限定されるものではない。
【0086】〔実施例8〕前記実施例1における液晶層
側の膜(第1と第2の上層配向膜9、9’)として、高
分子であるポリエチレンを備えた液晶表示装置を実施例
7と同様の方法で積層することにより作製した。特性に
ついては表1に示す。
【0087】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0088】そのほかに適用可能な高分子の具体名を例
示すると、ポリ−イプシロン(カプロラクトン)、ポリ
(テトラフルオロエチレン)オリゴマー、ポリ(エチレ
ンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレー
ト)、ナイロン6、ナイロン11、ポリ(1−ブテン)
または以上の化合物の骨格構造を有するポリイミドなど
があるが、本実施例はこれらの化合物に限定されるもの
ではない。
【0089】〔実施例9〕前記実施例1における液晶層
側の膜(第1と第2の上層配向膜9、9’)として、配
向性を備えた有機低分子であるアントラキノンを含む
1,2−ビス(3,4−ジカルボキキシフェニル)エタ
ンジエステル二無水物と1,5−ジアミノアントラキノ
ン、から構成されるポリイミドを備えた液晶表示装置を
実施例7と同様の方法で積層することにより作製した。
特性については表1に示す。
【0090】本実施例により、液晶層と配向膜間のシー
ルド性、液晶層の配向性に関する前記従来技術の諸問題
が解決し、高品質の液晶表示装置が得られた。
【0091】本実施例に適用可能な化合物としてアント
ラキノン、アルカン類、パーフルオロアルカン類または
以上の化合物の骨格構造を有するポリイミド配向膜など
があるが、本実施例はこれらの化合物に限定されるもの
ではない。
【0092】また、本実施例に適用可能なポリイミドの
骨格構造を構成する酸二無水物の具体名を例示すると
1,3−ビス(3,4−ジカルボキキシフェニル)プロ
パンジエステル二無水物、1,2−ビス(3,4−ジカ
ルボキキシフェニル)パーフルオロエタン二無水物、
1,3−ビス(3,4−ジカルボキキシフェニル)パー
フルオロプロパン二無水物、ヘキサデカメチレンビスト
リメリテート、またジアミンの具体名を例示すると1,
4−ジアミノアントラキノン、9,9−ビス(4−アミ
ノフェニル)−10−アンスロン、1,2−ビス(4−
アミノフェニル)エタン、1,3−ビス(4−アミノフ
ェニル)プロパン、1−ヘプチル=3,5−ジアミノベ
ンゾアート、などがあるが、本実施例は上記に例示した
化合物に限定されるものではない。
【0093】次に、本発明による液晶表示装置の具体的
な構成例とその適用機器について説明する。
【0094】図5は本発明による液晶表示装置の全体構
成を説明する展開斜視図である。同図は本発明による液
晶表示装置(以下、液晶パネル(図5では液晶表示パネ
ルと表記してある)、回路基板,バックライト、その他
の構成部材を一体化したモジュール:MDLと称する)
の具体的構造を説明するものである。
【0095】SHDは金属板からなるシールドケース
(メタルフレームとも言う)、WDは表示窓、INS1
〜3は絶縁シート、PCB1〜3は回路基板(PCB1
はドレイン側回路基板:映像信号線駆動用回路基板、P
CB2はゲート側回路基板、PCB3はインターフェー
ス回路基板)、JN1〜3は回路基板PCB1〜3同士
を電気的に接続するジョイナ、TCP1,TCP2はテ
ープキャリアパッケージ、PNLは液晶表示パネル、G
Cはゴムクッション、ILSは遮光スペーサ、PRSは
プリズムシート、SPSは拡散シート、GLBは導光
板、RFSは反射シート、MCAは一体化成形により形
成された下側ケース(モールドフレーム)、MOはMC
Aの開口、LPは蛍光管、LPCはランプケーブル、G
Bは蛍光管LPを支持するゴムブッシュ、BATは両面
粘着テープ、BLは蛍光管や導光板等からなるバックラ
イトを示し、図示の配置関係で拡散板部材を積み重ねて
液晶表示モジュールMDLが組立てられる。
【0096】液晶表示モジュールMDLは、下側ケース
MCAとシールドケースSHDの2種の収納・保持部材
を有し、絶縁シートINS1〜3、回路基板PCB1〜
3、液晶表示パネルPNLを収納固定した金属製のシー
ルドケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリ
ズムシートPRS等からなるバックライトBLを収納し
た下側ケースMCAとを合体させてなる。
【0097】映像信号線駆動用回路基板PCB1には液
晶表示パネルPNLの各画素を駆動するための集積回路
チップが搭載され、またインターフェース回路基板PC
B3には外部ホストからの映像信号の受入れ、タイミン
グ信号等の制御信号を受け入れる集積回路チップ、およ
びタイミングを加工してクロック信号を生成するタイミ
ングコンバータTCON等が搭載される。
【0098】上記タイミングコンバータで生成されたク
ロック信号はインターフェース回路基板PCB3および
映像信号線駆動用回路基板PCB1に敷設されたクロッ
ク信号ラインCLLを介して映像信号線駆動用回路基板
PCB1に搭載された集積回路チップに供給される。
【0099】インターフェース回路基板PCB3および
映像信号線駆動用回路基板PCB1は多層配線基板であ
り、上記クロック信号ラインCLLはインターフェース
回路基板PCB3および映像信号線駆動用回路基板PC
B1の内層配線として形成される。
【0100】なお、液晶表示パネルPNLにはTFTを
駆動するためのドレイン側回路基板PCB1、ゲート側
回路基板PCB2およびインターフェース回路基板PC
B3がテープキャリアパッケージTCP1,TCP2で
接続され、各回路基板間はジョイナJN1,2,3で接
続されている。液晶表示パネルPNLは前記した実施例
で説明した配向膜構造を有している。
【0101】図6は本発明による液晶表示装置の適用例
を説明するノート型コンピュータの斜視図である。
【0102】このノート型コンピュータ(可搬型パソコ
ン)はキーボード部(本体部)と、このキーボード部に
ヒンジで連結した表示部から構成される。キーボード部
にはキーボードとホスト(ホストコンピュータ)、CP
U等の信号生成機能を収納し、表示部には液晶パネルP
NLを有し、その周辺に駆動回路基板PCB1,PCB
2、コントロールチップTCONを搭載したPCB3、
およびバックライト電源であるインバータ電源基板など
が実装される。
【0103】そして、上記液晶パネルPNL、各種回路
基板PCB1,PCB2,PCB3、インバータ電源基
板、およびバックライトを一体化した液晶表示モジュー
ルMDL(図5参照)を表示部に実装してある。
【0104】このノートパソコンは、前記した本発明の
各実施例の何れかの構成を有する液晶表示装置を用いて
いるため、高品質の画像表示が得られる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液晶への汚染性や電界や熱などに対して液晶の配向が不
安定となることが抑制され、表示不良の発生を防止で
き、また、液晶層と配向膜間のシールド性、液晶層の配
向性に関する前記従来技術の諸問題が解決される。さら
に、階調表示を行った際にも中間調の再現性にすぐれ、
また、膜表面が光配向膜の紫外線劣化した表面よりも硬
いので、「T(透過率)−V(駆動電圧)」もしくは
「B(輝度)−V(駆動電圧)」特性曲線のヒステリシ
スに起因する焼き付け残像が低減されると共に応答時間
が短い特徴を持ち、動画の表示に対してすぐれた特性の
液晶表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示装置の実施例1を説明す
るTFT基板の電極構造およびカラーフィルタ基板の説
明図である。
【図2】配向層に液晶配向制御能を付与するための露光
装置の光学系を示す概略図である。
【図3】基板と水平な電界を印加する横電界型液晶表示
装置における電界方向に対する界面上の液晶分子長軸配
向方向及び偏光板透過軸のなす角を示す概略図である。
【図4】従来技術による液晶表示装置を説明するTFT
基板の電極構造およびカラーフィルタ基板の説明図であ
る。
【図5】本発明による液晶表示装置の全体構成を説明す
る展開斜視図である。
【図6】本発明による液晶表示装置の適用例を説明する
ノート型コンピュータの斜視図である。
【符号の説明】
1 薄膜トランジスタ(TFT)基板側絶縁基板 1’ カラーフィルタ(C/F)基板側絶縁基板 2 共通電極 3 アルミナ膜 4 ゲート絶縁層 5 画素電極(Al/Cr) 6 映像信号電極 7 絶縁層 8 TFT基板側配向膜(TFT基板側下層配向膜:第
1の下層配向膜) 8’ C/F基板側配向膜(C/F基板側下層配向膜:
第2の下層配向膜) 9 液晶側配向膜(TFT基板側上層配向膜:第1の上
層配向膜) 9’液晶側配向膜(C/F基板側上層配向膜:第2の上
層配向膜) 10 液晶層 11 ビーズ(スペーサ) 12 保護膜 13 ブラックマトリクス(遮光膜、BM) 14 画素領域 15 走査信号電極 16 非晶質Si膜、n型a−Si膜、n+型a−Si
膜の積層構造 17 開口領域 18 薄膜トランジスタ素子(TFT) 19 電界方向 20 液晶の配向方向(電圧無印加時) 21 偏光板透過軸 22 偏光源 23 偏光方向 24 光の進行方向 25 シャッター 26 マスク 27 レンズ 28 配向膜を形成した絶縁基板。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/35 308 G09F 9/35 308 (72)発明者 冨岡 安 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小村 真一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 香川 博之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向面にそれぞれ配向膜を有する一対の基
    板の間に液晶層を挟持してなる液晶表示装置において、 前記配向膜を多層構造とし、前記液晶層側に位置する上
    層の配向膜に前記基板側に位置する下層の配向膜に付与
    した液晶配向制御能を転写してなることを特徴とする液
    晶表示装置。
  2. 【請求項2】表示画素を構成する走査信号電極と映像信
    号電極と画素電極およびアクティブ素子を少なくとも備
    えた一方の基板と、前記表示画素を構成する各電極およ
    び前記アクティブ素子の上層に直接または絶縁層を介し
    て形成された第1の配向膜と、前記第1の配向膜に対向
    する如く形成された第2の配向膜を備えて前記一方の基
    板と微小間隙をもって貼り合わせた他方の基板と、前記
    第1の配向膜と前記第2の配向膜の対向間隙に挟持され
    た液晶層とを有し、前記表示画素を構成する各電極が前
    記液晶層に対して前記一方の基板と他方の基板の面方向
    に実質的に平行な電界を印加する如く構成されると共
    に、前記印加される電界による前記液晶層の配向状態に
    よって前記他方の基板から出射する光の光学特性を変化
    させる偏光手段とを少なくとも具備した液晶表示装置に
    おいて、 前記第1の配向膜と前記第1の配向膜が少なくとも基板
    側に位置する下層配向膜と液晶層側に位置する上層配向
    膜からなる多層構造で構成し、前記下層配向膜に付与し
    た液晶配向制御能を前記上層配向膜に転写してなること
    を特徴とする液晶表示装置。
  3. 【請求項3】前記基板側に位置する下層配向膜が、光相
    分離膜、光重合性膜、光分解性膜等の光配向により液晶
    配向制御能が付与された配向膜であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】前記液晶層側の最上層の膜厚が20オング
    ストローム以下の薄膜であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】前記基板側に位置する下層配向膜が、ラビ
    ングにより液晶配向制御能が付与された配向膜であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装
    置。
  6. 【請求項6】前記液晶層側に位置する上層配向膜が、重
    合性単量体もしくは重合性オリゴマーの構造単位を備え
    た高分子膜であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】前記液晶層側に位置する上層配向膜が、液
    晶性を有する高分子膜であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の液晶表示装置。
  8. 【請求項8】前記液晶層側に位置する上層配向膜が、有
    機低分子または有機低分子を構造単位に備えた高分子膜
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶
    表示装置。
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