JPH11257359A - トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法 - Google Patents
トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法Info
- Publication number
- JPH11257359A JPH11257359A JP6352698A JP6352698A JPH11257359A JP H11257359 A JPH11257359 A JP H11257359A JP 6352698 A JP6352698 A JP 6352698A JP 6352698 A JP6352698 A JP 6352698A JP H11257359 A JPH11257359 A JP H11257359A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- grease
- tracer
- behavior
- bearing
- base oil
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】グリースそのものの挙動のみでなく、グリース
から流出する基油の挙動をも観察してグリースの挙動を
より詳細に把握できるグリースの挙動観察方法及びその
観察を容易に行えるようにした軸受を提供する。 【解決手段】軸受蓋1、軸受蓋2でシールされると共
に、軸3に固定され回転する内輪4と、これと対をなす
外輪5と、内輪4と外輪5の間に配置されている転動体
6と、転動体を保持する保持器7とを備えて、ハウジン
グ8内に設置されている円すいころ軸受内に、グリース
9が封入されている。そのグリース9の一部に、少なく
ともグリースの基油に溶解するトレーサを含むトレーサ
グリース10を混入させ、そのトレーサ中の特定金属元
素濃度を原子吸光分析で測定することでグリース9の挙
動を観察する。
から流出する基油の挙動をも観察してグリースの挙動を
より詳細に把握できるグリースの挙動観察方法及びその
観察を容易に行えるようにした軸受を提供する。 【解決手段】軸受蓋1、軸受蓋2でシールされると共
に、軸3に固定され回転する内輪4と、これと対をなす
外輪5と、内輪4と外輪5の間に配置されている転動体
6と、転動体を保持する保持器7とを備えて、ハウジン
グ8内に設置されている円すいころ軸受内に、グリース
9が封入されている。そのグリース9の一部に、少なく
ともグリースの基油に溶解するトレーサを含むトレーサ
グリース10を混入させ、そのトレーサ中の特定金属元
素濃度を原子吸光分析で測定することでグリース9の挙
動を観察する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受内におけるグ
リースの挙動観察を容易にするトレーサグリース含有軸
受及びそのグリースの挙動観察方法に関し、例えば転が
り軸受中のグリースの挙動を定量的に観察するのに便利
であり、特に円筒ころ軸受や円すいころ軸受中のグリー
スの挙動を観察するのに好適なものである。
リースの挙動観察を容易にするトレーサグリース含有軸
受及びそのグリースの挙動観察方法に関し、例えば転が
り軸受中のグリースの挙動を定量的に観察するのに便利
であり、特に円筒ころ軸受や円すいころ軸受中のグリー
スの挙動を観察するのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】軸受に充填されている潤滑グリースの挙
動を詳細に把握することは、軸受性能の向上特に軸受寿
命の延長等の見地から、極めて重要である。そこで、従
来から軸受内におけるグリースの挙動を定量的に観察す
ることが行われている。従来の観察方法としては、グリ
ース中に金属粉末を混入させて、その金属元素のグリー
ス内濃度分布を原子吸光分析により測定する方法が知ら
れている。この場合、金属粉末はグリースの動きをトレ
ースするトレーサの役目を果たしている。
動を詳細に把握することは、軸受性能の向上特に軸受寿
命の延長等の見地から、極めて重要である。そこで、従
来から軸受内におけるグリースの挙動を定量的に観察す
ることが行われている。従来の観察方法としては、グリ
ース中に金属粉末を混入させて、その金属元素のグリー
ス内濃度分布を原子吸光分析により測定する方法が知ら
れている。この場合、金属粉末はグリースの動きをトレ
ースするトレーサの役目を果たしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、グリースを例
えば転がり軸受中の潤滑剤として使用した場合の挙動を
みると、転がり軸受が停止しているときにはグリースは
軸受内部に付着して流動することなく止まっている。そ
して、転がり軸受が回転してせん断力を受けると、グリ
ースは流動化して潤滑を行う。また、熱,振動,遠心力
などの作用を受けると、グリースが増ちょう剤中に包含
されている基油を放出し、その基油による潤滑も行われ
ていると考えられている。従って、グリースの挙動をよ
り詳細に観察するためには、放出された基油単独での挙
動も観察することが必要になる。
えば転がり軸受中の潤滑剤として使用した場合の挙動を
みると、転がり軸受が停止しているときにはグリースは
軸受内部に付着して流動することなく止まっている。そ
して、転がり軸受が回転してせん断力を受けると、グリ
ースは流動化して潤滑を行う。また、熱,振動,遠心力
などの作用を受けると、グリースが増ちょう剤中に包含
されている基油を放出し、その基油による潤滑も行われ
ていると考えられている。従って、グリースの挙動をよ
り詳細に観察するためには、放出された基油単独での挙
動も観察することが必要になる。
【0004】しかし、従来のようにグリース中に金属粉
末を混入してグリースの挙動を観察する方法では、トレ
ーサである金属粉末が基油に溶解することがないため基
油とは分離し易く、したがってグリースから流出するわ
ずかな基油の動きまでもトレースすることは難しいとい
う問題点があった。
末を混入してグリースの挙動を観察する方法では、トレ
ーサである金属粉末が基油に溶解することがないため基
油とは分離し易く、したがってグリースから流出するわ
ずかな基油の動きまでもトレースすることは難しいとい
う問題点があった。
【0005】そこで、本発明の目的とするところは、基
油の動きまでもトレースできるトレーサグリースを含有
するグリースを充填した軸受を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的とするところは、グリースそのも
のの挙動のみでなく、さらにグリースから流出する基油
の挙動をも観察してグリースの挙動をより詳細に把握で
きるグリースの挙動観察方法を提供することにある。
油の動きまでもトレースできるトレーサグリースを含有
するグリースを充填した軸受を提供することにある。ま
た、本発明の他の目的とするところは、グリースそのも
のの挙動のみでなく、さらにグリースから流出する基油
の挙動をも観察してグリースの挙動をより詳細に把握で
きるグリースの挙動観察方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る軸受は、軸受に充填したグリースの
一部に、少なくとも該グリースの基油に溶解するトレー
サを含むトレーサグリースを混入させたことを特徴とす
る。
めに、本発明に係る軸受は、軸受に充填したグリースの
一部に、少なくとも該グリースの基油に溶解するトレー
サを含むトレーサグリースを混入させたことを特徴とす
る。
【0007】また、本発明に係るグリースの挙動観察方
法は、グリース中に、互いに異なる金属元素を含有する
該グリースの基油に溶解しないトレーサ及び溶解するト
レーサを混合し、当該金属元素のグリース中濃度を原子
吸光分析により測定してグリースの挙動を観察すること
を特徴とする。
法は、グリース中に、互いに異なる金属元素を含有する
該グリースの基油に溶解しないトレーサ及び溶解するト
レーサを混合し、当該金属元素のグリース中濃度を原子
吸光分析により測定してグリースの挙動を観察すること
を特徴とする。
【0008】ここに、基油に溶解しないトレーサはグリ
ース増ちょう剤の追跡用、基油に溶解するトレーサはグ
リース基油の追跡用として機能するものである。また、
グリース中のトレーサ濃度は原子吸光分析で測定する。
これにより、トレーサの種類によっては数十ppbの高
濃度まで測定可能で、少量のグリース及びグリ一ス基油
の挙動を追跡することが可能である。
ース増ちょう剤の追跡用、基油に溶解するトレーサはグ
リース基油の追跡用として機能するものである。また、
グリース中のトレーサ濃度は原子吸光分析で測定する。
これにより、トレーサの種類によっては数十ppbの高
濃度まで測定可能で、少量のグリース及びグリ一ス基油
の挙動を追跡することが可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、軸受蓋でシールされた本
発明に係る軸受(円すいころ軸受)の要部断面図、図2
はそのII−II線矢視で示す小つば側軸受受蓋の内面図で
ある。この円すいころ軸受は、大つば側が軸受蓋1、小
つば側が軸受蓋2でシールされており、軸3に固定され
回転する内輪4と、この内輪4と対をなす外輪5と、内
輪4と外輪5の間に配置されている転動体6と、転動体
を保持する保持器7とを備えて、ハウジング8内に設置
されている。そして、軸受内部と軸受蓋1,2により形
成された空間内に、グリース9が封入されている。この
グリース9は、例えばリチウムグリースのような石けん
系グリースや、ウレア化合物を増ちょう剤としたウレア
グリースのような一般的なものでよく、基油には鉱油や
合成油が使用されている。
に基づいて説明する。図1は、軸受蓋でシールされた本
発明に係る軸受(円すいころ軸受)の要部断面図、図2
はそのII−II線矢視で示す小つば側軸受受蓋の内面図で
ある。この円すいころ軸受は、大つば側が軸受蓋1、小
つば側が軸受蓋2でシールされており、軸3に固定され
回転する内輪4と、この内輪4と対をなす外輪5と、内
輪4と外輪5の間に配置されている転動体6と、転動体
を保持する保持器7とを備えて、ハウジング8内に設置
されている。そして、軸受内部と軸受蓋1,2により形
成された空間内に、グリース9が封入されている。この
グリース9は、例えばリチウムグリースのような石けん
系グリースや、ウレア化合物を増ちょう剤としたウレア
グリースのような一般的なものでよく、基油には鉱油や
合成油が使用されている。
【0010】本発明の軸受は、軸受の回転に伴うグリー
ス9の挙動を、トレーサを使って原子吸光分析で測定す
ることにより定量的に観察できるようにしたものであ
り、軸受に充填したグリース9の一部に、グリース9の
動きを追跡するためのトレーサを含むトレーサグリース
10を混入させている。図1,図2では、そのトレーサ
グリース10を、小つば側軸受蓋2の内面の溝2mに充
填されたグリース9の一部に混入させた例を示してい
る。軸3の回転に伴い内輪4が回転すると、グリース9
と共にトレーサグリース10が流動し始める。所定の回
転時間経過毎に、軸受内の任意に設定した箇所、例えば
大つば側軸受蓋1上に付着したグリースを採取してその
トレーサ濃度を原子吸光分析で測定することにより、小
つば側軸受蓋2から軸受内部を通り大つば側軸受蓋1へ
移動するグリースの挙動を把握することができる。
ス9の挙動を、トレーサを使って原子吸光分析で測定す
ることにより定量的に観察できるようにしたものであ
り、軸受に充填したグリース9の一部に、グリース9の
動きを追跡するためのトレーサを含むトレーサグリース
10を混入させている。図1,図2では、そのトレーサ
グリース10を、小つば側軸受蓋2の内面の溝2mに充
填されたグリース9の一部に混入させた例を示してい
る。軸3の回転に伴い内輪4が回転すると、グリース9
と共にトレーサグリース10が流動し始める。所定の回
転時間経過毎に、軸受内の任意に設定した箇所、例えば
大つば側軸受蓋1上に付着したグリースを採取してその
トレーサ濃度を原子吸光分析で測定することにより、小
つば側軸受蓋2から軸受内部を通り大つば側軸受蓋1へ
移動するグリースの挙動を把握することができる。
【0011】本発明のグリースの挙動観察に用いるトレ
ーサは、原子吸光分析で高感度に検出できる金属元素を
含有するものである。原子吸光分析は、よく知られるよ
うに、試料をなんらかの方法で解離させて原子蒸気をつ
くり、その蒸気中にある原子を基底状態から励起させる
波長の光を透過させた時の吸光量から試料濃度を求める
ものである。その試料を原子蒸気化する手段によりフレ
ーム法とフレームレス法とがあり、フレーム法で使用す
るフレームの種類も、アセチレン−空気,アセチレン−
亜酸化窒素,水素−空気等種々あり、測定元素に応じて
最適なものを選択する。
ーサは、原子吸光分析で高感度に検出できる金属元素を
含有するものである。原子吸光分析は、よく知られるよ
うに、試料をなんらかの方法で解離させて原子蒸気をつ
くり、その蒸気中にある原子を基底状態から励起させる
波長の光を透過させた時の吸光量から試料濃度を求める
ものである。その試料を原子蒸気化する手段によりフレ
ーム法とフレームレス法とがあり、フレーム法で使用す
るフレームの種類も、アセチレン−空気,アセチレン−
亜酸化窒素,水素−空気等種々あり、測定元素に応じて
最適なものを選択する。
【0012】本発明にあっては、トレーサとして、互い
に異なる金属元素を1種づつ含有する基油に溶解しない
トレーサと基油に溶解するトレーサとを使用することが
できる。基油に溶解しないトレーサはグリース増ちょう
剤の追跡用であって、例えば銅(Cu),亜鉛(Zn)
等の金属自体の粉末または酸化銅(CuO,Cu
2 O),酸化亜鉛(ZnO,Zn2 O)等のように化学
構造式中に金属元素を含む無機系化合物の粉末が使用可
能である。但し、その粉末の粒径があまり大きいと異物
として軸受を損傷するおそれがあるから、数十ミクロン
の大きさのものを使用しなければならない。
に異なる金属元素を1種づつ含有する基油に溶解しない
トレーサと基油に溶解するトレーサとを使用することが
できる。基油に溶解しないトレーサはグリース増ちょう
剤の追跡用であって、例えば銅(Cu),亜鉛(Zn)
等の金属自体の粉末または酸化銅(CuO,Cu
2 O),酸化亜鉛(ZnO,Zn2 O)等のように化学
構造式中に金属元素を含む無機系化合物の粉末が使用可
能である。但し、その粉末の粒径があまり大きいと異物
として軸受を損傷するおそれがあるから、数十ミクロン
の大きさのものを使用しなければならない。
【0013】一方、基油に溶解するトレーサは、グリー
ス基油の追跡用である。こちらには基油に溶解しないト
レーサとは異なる金属元素を用いて、グリースの基油と
増ちょう剤とを別々にトレースすることができるように
する必要がある。また、液体のグリース基油と均一に混
合する必要がある。そのため、原子吸光分析により高感
度で検出できる金属元素であって上記とは異なる金属、
例えばMg,Pb等の金属元素を含有する油溶性の有機
金属化合物が好ましい。具体的には4−シクロヘキシル
酪酸マグネシウムや4−シクロヘキシル酪酸鉛等を適当
な溶媒に溶かしたものが使用可能である。なお、これら
の有機金属化合物を溶媒に溶かして液状としたものが市
販されており、その市販品を使用して良い。
ス基油の追跡用である。こちらには基油に溶解しないト
レーサとは異なる金属元素を用いて、グリースの基油と
増ちょう剤とを別々にトレースすることができるように
する必要がある。また、液体のグリース基油と均一に混
合する必要がある。そのため、原子吸光分析により高感
度で検出できる金属元素であって上記とは異なる金属、
例えばMg,Pb等の金属元素を含有する油溶性の有機
金属化合物が好ましい。具体的には4−シクロヘキシル
酪酸マグネシウムや4−シクロヘキシル酪酸鉛等を適当
な溶媒に溶かしたものが使用可能である。なお、これら
の有機金属化合物を溶媒に溶かして液状としたものが市
販されており、その市販品を使用して良い。
【0014】原子吸光分析で検出可能な金属元素は多々
あるが、本発明の基油に溶解しないトレーサ,基油に溶
解するトレーサ中に含有される金属元素には、観察対象
となるグリース中には含有されていないものを選択しな
ければならない。グリースの増ちょう剤に普通に用いら
れている金属石けん中には、例えばCa,Na,Li,
Al等の金属元素が含有されているものがあり、これら
をトレーサ金属元素として使用した場合は共存して干渉
しあい、感度の高いスペクトル分析ができなくなるため
である。なお、PbやZnも鉛石けんや亜鉛石けんとし
て増ちょう剤に含まれるが、これらを増ちょう剤とする
グリースは、通常の軸受用グリースとしての用途には使
用されず、またそれらを含むグリースの場合はPb,Z
n以外の金属元素を含むトレーサを使用すれば良い。
あるが、本発明の基油に溶解しないトレーサ,基油に溶
解するトレーサ中に含有される金属元素には、観察対象
となるグリース中には含有されていないものを選択しな
ければならない。グリースの増ちょう剤に普通に用いら
れている金属石けん中には、例えばCa,Na,Li,
Al等の金属元素が含有されているものがあり、これら
をトレーサ金属元素として使用した場合は共存して干渉
しあい、感度の高いスペクトル分析ができなくなるため
である。なお、PbやZnも鉛石けんや亜鉛石けんとし
て増ちょう剤に含まれるが、これらを増ちょう剤とする
グリースは、通常の軸受用グリースとしての用途には使
用されず、またそれらを含むグリースの場合はPb,Z
n以外の金属元素を含むトレーサを使用すれば良い。
【0015】本発明のグリース挙動観察法にあっては、
前記トレーサを、挙動観察対象のグリースと同一のグリ
ースに所定量混合してトレーサグリースを別途に作成す
る。すなわち、グリースの基油に溶解しないトレーサと
溶解するトレーサを任意の割合で観察対象のグリースと
同一のグリースに直接に混ぜて混練する。なお、トレー
サを混合していないグリースは、以後、ベースグリース
と呼ぶ。
前記トレーサを、挙動観察対象のグリースと同一のグリ
ースに所定量混合してトレーサグリースを別途に作成す
る。すなわち、グリースの基油に溶解しないトレーサと
溶解するトレーサを任意の割合で観察対象のグリースと
同一のグリースに直接に混ぜて混練する。なお、トレー
サを混合していないグリースは、以後、ベースグリース
と呼ぶ。
【0016】このトレーサグリースを少量採取して、例
えば図2に示すように、予めベースグリースを付着させ
ておいた軸受の構成部材、例えばの小つば側軸受蓋2の
内面の溝2mの一部に付着させる。その後、軸3を回転
させることにより内輪4を回転させると、軸受内輪4,
外輪5と軸受蓋1,2で囲まれた空間内に充填されてい
るグリースが流動しはじめる。所定の時間回転させた
後、停止させて大つば側軸受蓋1の内面上に付着したグ
リースを採取し、このグリース中の各トレーサ濃度を原
子吸光分析で測定する。
えば図2に示すように、予めベースグリースを付着させ
ておいた軸受の構成部材、例えばの小つば側軸受蓋2の
内面の溝2mの一部に付着させる。その後、軸3を回転
させることにより内輪4を回転させると、軸受内輪4,
外輪5と軸受蓋1,2で囲まれた空間内に充填されてい
るグリースが流動しはじめる。所定の時間回転させた
後、停止させて大つば側軸受蓋1の内面上に付着したグ
リースを採取し、このグリース中の各トレーサ濃度を原
子吸光分析で測定する。
【0017】かくして、小つば側軸受蓋2から軸受内
部を通り大つば側軸受蓋1へ移動したグリース量を知る
ことができる。また、グリース中の基油に溶解しない
トレーサ,基油に溶解するトレーサの含有比率(A)
を、試験前のトレーサグリース中の両トレーサの含有比
率(B)と比較することにより、グリースがグリースそ
のもので移動したのか、あるいはグリースに加え、離油
したグリース基油が移動しているのかの判断ができる。
部を通り大つば側軸受蓋1へ移動したグリース量を知る
ことができる。また、グリース中の基油に溶解しない
トレーサ,基油に溶解するトレーサの含有比率(A)
を、試験前のトレーサグリース中の両トレーサの含有比
率(B)と比較することにより、グリースがグリースそ
のもので移動したのか、あるいはグリースに加え、離油
したグリース基油が移動しているのかの判断ができる。
【0018】即ち、 (A)=グリース中のトレーサ含有比(基油に溶解するトレーサ濃度/基油に溶 解しないトレーサ濃度) ……(1) (B)=トレーサグリース中のトレーサ含有比(基油に
溶解するトレーサ濃度/基油に溶解しないトレーサ濃
度)……(2)とすると、測定の結果が(A)=(B)
ならば、グリースはグリース状のままの移動であり、離
油した基油の移動はないといえる。一方、(A)>
(B)ならば、グリースに加えてグリースから離油した
グリース基油が移動したことが分かる。
溶解するトレーサ濃度/基油に溶解しないトレーサ濃
度)……(2)とすると、測定の結果が(A)=(B)
ならば、グリースはグリース状のままの移動であり、離
油した基油の移動はないといえる。一方、(A)>
(B)ならば、グリースに加えてグリースから離油した
グリース基油が移動したことが分かる。
【0019】トレーサグリースを付着させる場所、及び
軸受回転後グリースを採取する場所は任意に設定できる
ため、グリースの挙動を調べたい場所に設定すれば、2
点間でのグリースの移動量を測定できる。
軸受回転後グリースを採取する場所は任意に設定できる
ため、グリースの挙動を調べたい場所に設定すれば、2
点間でのグリースの移動量を測定できる。
【0020】図3に、図1の大つば側軸受蓋1上から採
取したグリース中のトレーサ濃度を測定した結果の一例
を示す。グリース増ちょう剤追跡用の基油に溶解しない
トレーサにはCuを、グリース基油追跡用の基油に溶解
するトレーサにはMgを含有するものを、それぞれ使用
した。大つば側軸受蓋1上の採取グリースから各トレー
サCu,Mgが検出されている。このことは、小つば側
軸受蓋2上から大つば側軸受蓋1に向けて軸受内をグリ
ースが移動したことを示しており、トレーサ濃度が高い
ほどグリースの移動量が多いことを示している。図中の
(A)値は式(1)より求めた測定地点(大つば側軸受
蓋1上)でのグリース中のトレーサ含有比の値、(B)
値は式(2)より求めたトレサグリース中のトレーサ含
有比の値である。(A)>(B)であり、グリースの移
動に加えて、グリースから離油したグリース基油が移動
したことが分かる。
取したグリース中のトレーサ濃度を測定した結果の一例
を示す。グリース増ちょう剤追跡用の基油に溶解しない
トレーサにはCuを、グリース基油追跡用の基油に溶解
するトレーサにはMgを含有するものを、それぞれ使用
した。大つば側軸受蓋1上の採取グリースから各トレー
サCu,Mgが検出されている。このことは、小つば側
軸受蓋2上から大つば側軸受蓋1に向けて軸受内をグリ
ースが移動したことを示しており、トレーサ濃度が高い
ほどグリースの移動量が多いことを示している。図中の
(A)値は式(1)より求めた測定地点(大つば側軸受
蓋1上)でのグリース中のトレーサ含有比の値、(B)
値は式(2)より求めたトレサグリース中のトレーサ含
有比の値である。(A)>(B)であり、グリースの移
動に加えて、グリースから離油したグリース基油が移動
したことが分かる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
グリース中に、トレーサとして互いに異なる金属元素を
含有する基油に溶解しないトレーサと溶解するトレーサ
とを混合したため、従来のように単にグリースの挙動の
みでなく、グリースの挙動に加えてグリースから流出す
る基油の挙動をも観察することが可能になり、その結果
軸受内のグリースの挙動をより詳細に観察でき、ひいて
は軸受の性能向上に大きく貢献することができるという
効果を奏する。
グリース中に、トレーサとして互いに異なる金属元素を
含有する基油に溶解しないトレーサと溶解するトレーサ
とを混合したため、従来のように単にグリースの挙動の
みでなく、グリースの挙動に加えてグリースから流出す
る基油の挙動をも観察することが可能になり、その結果
軸受内のグリースの挙動をより詳細に観察でき、ひいて
は軸受の性能向上に大きく貢献することができるという
効果を奏する。
【図1】本発明の一実施形態としての円すいころ軸受内
部に封入されたグリースの挙動を観察方法を説明する要
部断面図である。
部に封入されたグリースの挙動を観察方法を説明する要
部断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図で、小つば側軸受受蓋の
内面へのトレーサグリース塗布の様子を示す図である。
内面へのトレーサグリース塗布の様子を示す図である。
【図3】図1の軸受における大つば側軸受蓋上から採取
したグリース中のトレーサ濃度の測定結果を示す図であ
る。
したグリース中のトレーサ濃度の測定結果を示す図であ
る。
1 大つば側軸受蓋 2 小つば側軸受蓋 3 軸 4 内輪 5 外輪 6 転動体 7 保持器 9 グリース(ベースグリース) 10 トレーサグリース
Claims (2)
- 【請求項1】 軸受に充填したグリースの一部に、少な
くとも該グリースの基油に溶解するトレーサを含むトレ
ーサグリースを混入させたことを特徴とするトレーサグ
リース含有軸受。 - 【請求項2】 グリース中に、互いに異なる金属元素を
含有する該グリースの基油に溶解しないトレーサ及び溶
解するトレーサを混合し、当該金属元素のグリース中濃
度を原子吸光分析により測定してグリースの挙動を観察
することを特徴とする軸受内グリースの挙動観察方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6352698A JPH11257359A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6352698A JPH11257359A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11257359A true JPH11257359A (ja) | 1999-09-21 |
Family
ID=13231762
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6352698A Pending JPH11257359A (ja) | 1998-03-13 | 1998-03-13 | トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11257359A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7618195B2 (en) * | 2003-05-12 | 2009-11-17 | Volvo Lastvagnar Ab | Wheel bearing arrangement |
-
1998
- 1998-03-13 JP JP6352698A patent/JPH11257359A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7618195B2 (en) * | 2003-05-12 | 2009-11-17 | Volvo Lastvagnar Ab | Wheel bearing arrangement |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| Luglio et al. | PM2. 5 concentration and composition in subway systems in the Northeastern United States | |
| Noda et al. | X-ray CT imaging of grease behavior in ball bearing and numerical validation of multi-phase flows simulation | |
| US4203725A (en) | Method and test kit for the on-site determination of the presence of contaminant material in lubricating oil | |
| US6652148B2 (en) | Rolling bearing | |
| Ham et al. | Task-based exposure assessment of nanoparticles in the workplace | |
| JPH11257359A (ja) | トレーサグリース含有軸受及びそのグリースの挙動観察方法 | |
| CN101782522B (zh) | 化妆品中汞的快速检测方法及其试剂盒 | |
| Klaus et al. | Effects of P32 Impurities on the Behavior of Tricresyl Phosphate-32 as an Antiwear Additive | |
| Kostal et al. | Novel in-situ observation of the grease constituents in elastohydrodynamic contacts by fluorescence microscopy | |
| EP1540289A1 (fr) | Procede et dispositif pour la determination en continu de la consommation en huile lubrifiante d'un moteur a combustion interne | |
| Estevanes et al. | Forensic characterization and differentiation of automotive lubricating greases using Fourier transform infrared spectroscopy and scanning electron microscopy-energy dispersive X-ray spectroscopy | |
| US20030144159A1 (en) | Fluorescent grease and bearings having the same therein | |
| Spear et al. | Comparison of methods for personal sampling of inhalable and total lead and cadmium-containing aerosols in a primary lead smelter | |
| Scholz et al. | Speciation of copper and zinc compounds relevant for the hazard property (HP) 14 classification of municipal solid waste incineration bottom and fly ashes | |
| Van Netten et al. | Occupational exposure to elemental constituents in fingerprint powders | |
| US20020002121A1 (en) | Fluorescent grease and bearings having the same therein | |
| Xará et al. | Laboratory study on the leaching potential of spent alkaline batteries using a MSW landfill leachate | |
| JP7451174B2 (ja) | 油中金属成分の検出測定方法 | |
| Sakai | Visualization techniques of grease fluidity | |
| Xue | Effect of contamination particles on lithium grease deterioration in sealed ball bearings | |
| Chakraborti et al. | Potentiometric determination of sulfur in waters, chemicals, iron, steel and fly ash with a cadmium sulfide membrane electrode | |
| CN101581664A (zh) | 锂基润滑脂含铁量的光谱分析中修正因子的确定方法 | |
| Jin | The effect of contamination particles on lithium grease deterioration in sealed ball bearings | |
| Naka et al. | Out-particles of lubricating grease in rolling bearings and ball screws | |
| Racolta et al. | Ion beam-based studies for tribological phenomena |