JPH11261090A - 太陽電池用基板及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池用基板及びその製造方法

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JPH11261090A
JPH11261090A JP10056907A JP5690798A JPH11261090A JP H11261090 A JPH11261090 A JP H11261090A JP 10056907 A JP10056907 A JP 10056907A JP 5690798 A JP5690798 A JP 5690798A JP H11261090 A JPH11261090 A JP H11261090A
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JP
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insulating film
film
solar cell
insulating
metal plate
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JP10056907A
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Atsushi Kajimoto
淳 梶本
Setsuko Koura
節子 小浦
Kenji Sakado
健二 坂戸
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 下地絶縁膜及び表層絶縁膜をゾル−ゲル法で
形成し、太陽電池用絶縁基板として要求される絶縁特
性,電極材との密着性を改善する。 【構成】 この太陽電池用基板は、基材としての金属板
1の表面に、ゾル−ゲル法による厚み0.5〜10μm
の下地絶縁膜2及び表層絶縁膜3が形成されている。絶
縁膜2,3には、可視光反射率70%以上の絶縁性粉末
4を分散させても良い。金属板基板として、入射光の散
乱多重反射を促進させる微細な凹凸やうねりのある表面
をもつ金属板(d)を使用すると、光電変換効率が向上
する。下地絶縁膜2としては、絶縁特性の高いシリカ系
膜が使用される。表層絶縁膜3は、その上に形成される
金属質電極層に対する密着性に優れた膜に作り込まれ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可撓性,耐熱性,絶縁
性,電極材との密着性に優れた太陽電池用絶縁基板及び
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非晶質Si等からなる太陽電池を形成す
る基板には、ガラス板や金属板が使用されている。なか
でも、金属板は、ガラス板に比較して優れた可撓性を活
用した基板材料として着目されている。金属板を太陽電
池用基板として使用する場合、基板表面を絶縁処理する
必要があり、樹脂系絶縁皮膜,無機系絶縁皮膜等が提案
されている。たとえば、特開昭59−47776号公報
では、スピナー,スプレー,浸漬法で液状樹脂をステン
レス鋼基板の表面に塗布し、高温焼成することにより厚
み2μm程度の高分子樹脂皮膜を形成している。また、
特開昭59−47775号公報では、スパッタリング,
蒸着,イオンプレーティング,プラズマCVD,熱分解
CVD等でSiO 2 ,Al23 ,SiNX ,非晶質S
i等の絶縁皮膜を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】樹脂系絶縁皮膜は、可
撓性があり、耐衝撃性にも優れている。しかし、太陽電
池として働く非晶質Siの堆積時に加熱されると、熱分
解してガスを発生し易く、非晶質Si層に欠陥を導入す
る原因となる。また、耐湿性も十分でないことから、耐
久性の点で問題がある。他方、スパッタリング,蒸着,
イオンプレーティング,プラズマCVD,熱分解CVD
等で無機系絶縁皮膜を設ける方法では、絶縁皮膜が必要
厚みに成長するまで時間がかかり、製造コストが高くな
る。
【0004】更に、無機系絶縁皮膜の上層に電極材及び
非晶質Si層を積層する過程で、熱膨張係数の違いから
無機系絶縁皮膜に微小なクラックが生じると、太陽電池
のセル間で短絡を発生させることになる。しかも、シリ
カ系皮膜は、絶縁性に優れているものの、シリコンの有
機系化合物を主成分とする浴から製膜されたものである
ため、硬化時にCH3 基が残存し易い欠点がある。CH
3 基が残存しているシリカ系皮膜の上に電極材を積層す
ると、電極材/シリカ系皮膜の界面で剥離が生じ、良好
な太陽電池を構成できなくなる。本発明は、このような
問題を解消すべく案出されたものであり、それぞれ異な
った機能が付与された下地絶縁膜及び表層絶縁膜をゾル
−ゲル法で金属板表面に形成することにより、ピンホー
ル欠陥の発生を抑え絶縁抵抗が高く、電極材や非晶質S
i層の積層時にクラックの発生を抑制でき、電極材/絶
縁層の界面剥離を抑制した太陽電池用絶縁基板を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池用絶縁
基板は、その目的を達成するため、金属板を基板とし、
ゾル−ゲル法で形成された絶縁抵抗の高い下地絶縁膜
と、組成が異なる浴を用いたゾル−ゲル法で形成され電
極材に対する密着性に優れた表層絶縁膜が形成されてい
ることを特徴とする。下地絶縁膜及び表層絶縁膜は、そ
れぞれ膜厚0.5〜10μmの酸化物層で形成される。
下地絶縁膜や表層絶縁膜には、可視光反射率70%以上
の無機化合物等の絶縁性無機粉末を分散させることがで
きる。表層絶縁膜としては、表面にOH基を配向された
膜が好ましい。下地絶縁膜と表層絶縁膜との間には、更
にゾル−ゲル法による単数又は複数の絶縁層が設けるこ
ともできる。
【0006】下地絶縁膜は、アルコキシシラン,(1)
の構造を持つオルガノアルコキシシラン,金属アルコキ
シド,水,酸及び増粘剤を有機溶媒に溶解させた溶液に
金属板を浸漬,塗布,スプレー等で接触させ、金属板に
付着した溶液を乾燥・焼成することにより形成される。
次いで、異なる組成の溶液に金属板を接触させ、同様な
乾燥・焼成により表層絶縁膜を形成する。金属アルコキ
シドとしては、金属アルコキシドとしてアルミニウムア
ルコキシド,チタンアルコキシド,アルカリ金属又はア
ルカリ土類金属を含むアルコキシドの1種類又は2種以
上が使用される。
【0007】 X:ビニル基,エポキシ基,アミノ基,メタクリロキシ
基又はメルカプト基 R:アルキル基
【0008】
【作用】ゾル−ゲル法は、金属板表面に酸化物層を形成
させる方法として従来から使用されており、比較的低温
で酸化物層を形成できる長所をもっている。しかし、従
来のゾル−ゲル法では、膜厚が1μm以下の薄膜が得ら
れるに過ぎない。このような薄膜は、多数のピンホール
を含み絶縁性が十分でないことから、太陽電池用基板の
絶縁層として使用できない。ところで、本発明者等は、
オルガノアルコキシシランを膜強化剤として、ヒドロキ
シアルキルセルロースを増粘剤としてアルコキシドに添
加したコーティング溶液を使用すると、比較的厚膜の酸
化物層が形成されることを見出し、特開平9−2066
80号公報で紹介した。基本となるゾル−ゲル浴は、ア
ルミニウムアルコキシド,アルコキシシラン,オルガノ
アルコキシシラン,アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属の1種又は2種以上を含むアルコキシド,アルコ
ールアミン,水を含み、各アルコキシドを溶解させるた
めアルコール系の溶剤を使用する。アルコール系溶剤に
溶解したアルコキシドは、水添加によって加水分解し、
水酸化物となる。しかし、急激な加水分解では沈澱物が
生成するので、アルコールアミンの添加によって加水分
解の反応速度を調整する。
【0009】このゾル−ゲル浴を金属板に浸漬,塗布,
スプレー等でコーティングすると、アルミニウムアルコ
キシド,アルコキシシラン,アルカリ金属,アルカリ土
類金属のアルコキシド等の加水分解された水酸化物が付
着する。この状態で金属板を加熱すると合成反応が進行
し、金属板の表面に酸化物層が形成される。このときの
加熱は、100〜600℃程度で、従来の無機系酸化物
を焼き付ける温度に比較して大幅に低い。そのため、金
属板に熱的な悪影響を及ぼすことなく、しかも酸化物本
来の優れた絶縁性を呈する絶縁層となる。形成された絶
縁層は、従来のゾル−ゲル法による酸化物層と異なり、
オルガノアルコキシシラン添加によりシリカの網目構造
の結合が強化され、ヒドロキシアルキルセルロースの添
加により急激な溶剤の蒸発に伴うクラックの発生が抑制
されることから厚く成長し、金属板に対する密着性も良
好である。
【0010】本発明にあっては、図1に示すように金属
板1の表面にゾル−ゲル法で下地絶縁膜2を形成する。
下地絶縁膜2には高い絶縁特性が要求されるため、金属
酸化物を用いる。代表的にはシリカ系,アルミナ系,チ
タニア系等の絶縁膜があるが、なかでもシリカ系の膜が
高い絶縁抵抗を示す。下地絶縁膜は、要求される絶縁特
性を付与する上で0.5〜10μmの膜厚をもつことが
好ましい。0.5μmに満たない膜厚では、下地絶縁膜
に含まれているピンホール等の欠陥により影響が大きく
なり、絶縁特性が低下する。しかし、10μmを超える
厚膜に下地絶縁膜を形成すると、広幅のクラックが発生
し易く、却って絶縁特性を低下させる。
【0011】下地絶縁膜2の上に、更に表層絶縁膜3を
同様なゾル−ゲル法で形成する。表層絶縁膜3によって
下地絶縁膜2のピンホールやミクロクラック等が封鎖さ
れるため、下地絶縁膜2の絶縁特性が更に向上する。た
だし、表層絶縁膜3には、その上に電極となる金属層が
形成されることから、電極材に対する密着性に優れた膜
を形成する必要がある。電極材と同一の金属を含む膜で
あれば、電極材に対する密着性に優れた膜となる。電極
材としてはAlが一般的であり、絶縁性も必要とされる
ことからアルミナ系酸化物が表層絶縁膜として有効であ
る。代表的には、ゼオライトの絶縁膜がある。表層絶縁
膜3も、要求される密着性を確保する上で0.5〜10
μmの膜厚をもつことが好ましい。0.5μmに満たな
い膜厚では電極材に対する密着性改善効果が小さく、逆
に10μmを超える厚膜では表層絶縁膜にクラックが発
生し易く、下地絶縁膜との密着性が高い場合に下地絶縁
膜まで及ぶクラックとなって却って絶縁性を低下させ
る。
【0012】また、電極材との密着性改善に有効なOH
基を表面に配向させた表層絶縁膜3を形成すると、電極
材/絶縁膜界面での剥離が防止される。OH基を表面に
配向させた絶縁膜は、たとえばチタンアルコキシドのよ
うな加水分解され易いものを金属アルコキシドとして使
用して有機物の残留が少ない状態にすること、或いは親
水基をもつオルガノアルコキシシランを使用し表層に水
が吸着し易い状態にすることによって製膜される。因み
に、絶縁抵抗の高いシリカ系絶縁膜で金属板1を2層コ
ートすると、十分な絶縁特性が得られるものの、絶縁膜
の上に形成される電極材が剥離し易くなる。すなわち、
アルコキシシランを含むゾル−ゲル浴を金属板1に付着
させ、加熱硬化してシリカ系絶縁膜にするとき、クラッ
クの発生を防止するため300〜500℃の比較的低温
で加熱されるが、加熱時に分解されることなくCH3
等が絶縁層表面に残留し易い。残留CH3 基は、絶縁膜
の上に電極層を積層する際、絶縁膜と電極層との密着性
に悪影響を及ぼし、形成された電極層が剥離し易くな
る。
【0013】少なくとも2工程のゾル−ゲル法で金属板
1の表面に、図1(a)に示すように下地絶縁層2及び
表層絶縁層3を形成するとき、下地絶縁層2で優れた絶
縁特性が得られ、表層絶縁層3で電極材に対する密着性
が改善される。その結果、太陽電池用に適した絶縁基板
となる。酸化物,窒化物,炭化物等の絶縁性粉末を分散
させたゾル−ゲル浴を使用すると、絶縁性粉末4が分散
した厚膜の絶縁膜が得られる。絶縁性粉末4は、下地絶
縁膜2及び表層絶縁膜3に分散させ(図1b)、表層絶
縁膜3のみに分散させ(図1c)、或いは下地絶縁膜2
のみに分散させてもよい。絶縁性粉末4は、クラック発
生を抑制する作用を呈し、絶縁膜2,3の厚膜化を容易
にする。なかでも、可視光反射特性が高い粉末を絶縁性
粉末4として使用すると、太陽電池を構成したときの入
射光の多重反射が促進され、光電変換効率が向上する。
可視光反射特性が高い粉末としては、Al23 ,Zn
O,MgO,SiO2 ,TiO2 ,ZnO,MgO,C
aCO3 ,MgCO3 等がある。
【0014】下地絶縁膜2はゾル−ゲル浴と金属板1の
表面との接触界面で成長し、表層絶縁膜3はゾル−ゲル
浴と下地絶縁膜2との接触界面で成長する。そのため、
形成される絶縁膜2,3は、金属板1の表面形態を正確
に倣った均一膜厚となる。そこで、金属板1を凹凸やウ
ネリのある表面(図1d)にすると、その表面凹凸を倣
った酸化物第1層2が形成される。凹凸やウネリのある
酸化物第1層2は、入射光の乱反射や多重反射を促進さ
せ、光閉じ込め効果によって光電変換効率を向上させ
る。たとえば、Rz 1.0μm,Rmax 1.4μmの表
面粗さ及び圧延方向のウネリをもつ微細な凹凸が金属板
1の表面に形成されていると、その上に形成された絶縁
皮膜が基材の表面凹凸やウネリを倣ったものとなり、入
射光の多重散乱反射が促進される。このような表面粗さ
やウネリは、仕上げ冷間圧延時の圧延率を20%以上,
圧延速度を400m/分以上とし、研磨番手#100〜
#400で研磨したワークロールを使用して仕上げ圧延
等を施すことにより金属板1に付けることができる。
【0015】下地絶縁膜2と表層絶縁膜3との間には、
更にゾル−ゲル法によって単層又は複層の中間絶縁膜を
設けることができる。下地絶縁膜と表層絶縁膜との密着
性が高いほど、加熱等により表層絶縁膜に発生するクラ
ックが伝播して下地絶縁膜までもが割れることがある。
クラックの発生は、下地絶縁膜と表層絶縁膜との間で熱
膨張係数が違うことに起因する。そこで、下地絶縁膜と
表層絶縁膜との間に、中間的な組成をもつ中間層を設け
ることによってクラックの発生及び伝播が防止される。
たとえば、下地絶縁膜をシリカ膜,表層絶縁膜をゼオラ
イト膜とする場合、中間層にはシリカ比率の高い膜を形
成する。中間層用のゾル−ゲル浴は、アルコキシシラン
の濃度を高くする以外はゼオライトコーティング用のゾ
ル−ゲル浴と同様に調製される。
【0016】
【実施例】実施例1:メチルエトキシシラン:1.0モ
ル,リン酸:0.05モル,水:4.0モルをブタノー
ル:7.0モルに溶解した後、1質量%のヒドロキシプ
ロピルセルロースを添加し、24時間撹拌して下地絶縁
膜用ゾル−ゲル浴を調製した。得られたゾル−ゲル浴
は、透明で、100時間撹拌放置しても安定であった。
アルミニウムイソプロポキシド:1.0モル,オルトケ
イ酸テトラエチル:2.5モル,ナトリウムメトキシ
ド:1.0モル,トリイソプロパノールアミン:4.0
モル,水:7.0モルをブチルセルソルブ:15モルに
溶解し、24時間撹拌して表層絶縁膜用ゾル−ゲル浴を
調製した。得られたゾル−ゲル浴は、透明で、100時
間撹拌放置しても安定であった。板厚0.15mmのス
テンレス鋼板を脱脂し、下地絶縁膜用ゾル−ゲル浴をロ
ールコータで塗布し、400℃で1分間焼成することに
より膜厚1.3μmの下地絶縁膜を形成した。30分か
けて放冷した後、表層絶縁膜用ゾル−ゲル浴をロールコ
ータで塗布し、400℃で1分間焼成することにより膜
厚1.3μmの表層絶縁膜を形成した。形成された下地
絶縁膜及び表層絶縁膜は、何れも均一で緻密な構造をも
つ透明膜であった。
【0017】実施例2:基板を溶融55%Al−Znめ
っき鋼板とし、実施例1と同じ条件でコーティングし
た。形成された下地絶縁膜及び表層絶縁膜は、共に膜厚
が1.4μmで、均一で緻密な構造をもつ透明膜であっ
た。 実施例3:実施例1の下地絶縁膜用ゾル−ゲル浴及び表
層絶縁膜用ゾル−ゲル浴にAl23 :20重量部を添
加し、ロールコータの周速を上げる以外は実施例1と同
じ条件でコーティングした。形成された下地絶縁膜及び
表層絶縁膜は、共に膜厚が4.2μmで、均一で緻密な
構造をもつ白色膜であった。
【0018】実施例4:表面粗さを調節するために冷間
圧延した板厚0.15mmの溶融Alめっき鋼板を脱脂
し、実施例1と同じ下地絶縁膜用ゾル−ゲル浴を用いて
引上げ法でコーティングした後、400℃で2分間焼成
した。形成された下地絶縁膜は、膜厚が0.5μmで、
均一で緻密な構造をもつ透明膜であった。次いで、実施
例1のゾル−ゲル浴にTiO2 粉末10重量部を添加し
た表層絶縁膜用ゾル−ゲル浴を用い、引上げ法でコーテ
ィングした後、400℃で2分間焼成した。形成された
下地絶縁膜は、膜厚が1.5μmで、均一で緻密な構造
をもつ白色膜であった。
【0019】実施例5:表面粗さをRz 1.28μm,
max 1.63μmに調整し、且つ表面粗さに一方向の
うねりをつけたステンレス鋼板を使用する以外は、実施
例1と同じゾル−ゲル浴を用いてステンレス鋼板をコー
ティングした。形成された下地絶縁膜及び表層絶縁膜
は、共に膜厚1.2μmで、均一で緻密な構造をもつ白
色膜であり、ステンレス鋼板の表面形態を正確に倣って
一方向のうねりが付けられていた。 比較例1:実施例1と同じ方法で、膜厚1.3μmの下
地絶縁膜のみを形成した。 比較例2:実施例3と同じ方法で、膜厚4.0μmの下
地絶縁膜のみを形成した。
【0020】比較例3:実施例1と同じ方法で膜厚1.
3μmの第1層絶縁膜を形成した後、その上に第1層と
同様の酸化皮膜を第2層絶縁膜として形成した。第1層
及び第2層共に、絶縁膜の膜厚は1.3μmであり、何
れも均一で緻密な構造をもつ透明膜であった。 比較例4:Al23 に替えてCuOを添加したゾル−
ゲル浴を用いる以外は、実施例3と同じ方法で絶縁膜を
形成した。形成された絶縁膜は、第1層及び第2層共に
膜厚3.9μmで、均一且つ緻密な構造をもつ灰色膜で
あった。
【0021】実施例1〜5及び比較例1〜4で絶縁膜が
形成された金属板を太陽電池用基板として使用し、常法
に従って次のようにして太陽電池を形成した。先ず、加
熱した基板表面に酸化インジウム及び酸化錫の混合物を
蒸着させ、下部電極を所定間隔で形成した。そして、下
部電極上に非晶質Si膜をプラズマCVD法で形成し、
下部電極に対応する透光性上部電極として酸化インジウ
ム膜を非晶質Si膜上にスパッタリング法で形成した。
更に、透光性上部電極の上に高分子樹脂を一様に塗布
し、焼成することにより、透光性パシベーション膜を形
成した。
【0022】得られた各太陽電池について、山下電装株
式会社製のソーラシミュレータを用いて光電変換効率を
測定した。実施例1〜4の基板を使用した太陽電池で
は、10%の光電変換効率を示した。ウネリのあるステ
ンレス鋼板を使用した実施例5では、11%と高い光電
変換効率が得られた。これに対し、比較例1の基板を使
用した太陽電池では、絶縁膜に微細なクラックやピンホ
ールが発生しており、光電変換効率も0〜7%の低い範
囲でばらついていた。比較例2の基板を使用した太陽電
池でも、絶縁膜に微細なクラックやピンホールが発生
し、光電変換効率も2〜8%の低い範囲でばらついてい
た。比較例3の基板を使用した場合、金属質の電極と絶
縁膜との界面に全面剥離が生じたため、太陽電池を構成
できなかった。比較例4の基板を使用した太陽電池で
は、添加したCuOの可視光反射率が低いため、光電変
換効率も6%と低い値を示した。この対比から明らかな
ように、実施例1〜5で絶縁膜が形成された金属板は、
何れも高性能の太陽電池用絶縁基板として使用されるこ
とが判る。
【0023】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の太陽電
池用基板は、絶縁層として有効な膜厚の下地絶縁膜及び
表層絶縁膜の少なくとも2層をゾル−ゲル法で金属板の
表面に形成しているため、従来の有機系絶縁層に比較し
て耐熱性,耐湿性に優れ、非晶質Si堆積時等にガスを
発生することがなく、しかも優れた密着性で金属質の電
極を形成できる。ゾル−ゲル法で形成される絶縁膜は、
従来の無機系絶縁層に比較すると非常に簡便な方法で形
成され、優れた絶縁特性を呈する絶縁層となる。しか
も、下地絶縁膜の上に表層絶縁膜を形成するため、下地
絶縁膜の絶縁抵抗が改善されると共に、電極材/絶縁膜
界面での剥離が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゾル−ゲル法で下地絶縁膜及び表層絶縁膜の
2層が形成された金属板(a),絶縁粉末を分散させた
下地絶縁膜及び表層絶縁膜をもつ金属板(b),表層絶
縁膜のみに絶縁粉末を分散させた金属板(c)及び表面
にうねりを付けた金属板表面に形成された絶縁膜(d)
の各断面図

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板を基板とし、ゾル−ゲル法で形成
    された絶縁抵抗の高い下地絶縁膜と、組成の異なる浴を
    用いたゾル−ゲル法で形成され電極材に対する密着性に
    優れた表層絶縁膜が形成されていることを特徴とする太
    陽電池用絶縁基板。
  2. 【請求項2】 表層絶縁膜の表面にOH基が配向されて
    いる請求項1記載の太陽電池用絶縁基板。
  3. 【請求項3】 下地絶縁膜及び表層絶縁膜がそれぞれ膜
    厚0.5〜10μmの酸化物層である請求項1又は2記
    載の太陽電池用絶縁基板。
  4. 【請求項4】 下地絶縁膜及び/又は表層絶縁膜に絶縁
    性無機粉末が分散している請求項1〜3の何れかに記載
    の太陽電池用絶縁基板。
  5. 【請求項5】 絶縁性無機粉末が可視光反射率70%以
    上の無機化合物である請求項4記載の太陽電池用絶縁基
    板。
  6. 【請求項6】 下地絶縁膜と表層絶縁膜との間に、ゾル
    −ゲル法による単数又は複数の絶縁層が設けられている
    請求項1〜5の何れかに記載の太陽電池用絶縁基板。
  7. 【請求項7】 アルコキシシラン,(1)の構造を持つ
    オルガノアルコキシシラン,金属アルコキシド,水,酸
    及び増粘剤を有機溶媒に溶解させた溶液に金属板を接触
    させ、金属板に付着した溶液を乾燥・焼成して下地絶縁
    膜を形成した後、異なる組成の溶液に金属板を接触さ
    せ、金属板に付着した溶液を乾燥・焼成して表層絶縁膜
    を形成することを特徴とする太陽電池用絶縁基板の製造
    方法。 X:ビニル基,エポキシ基,アミノ基,メタクリロキシ
    基又はメルカプト基 R:アルキル基
  8. 【請求項8】 金属アルコキシドとしてアルミニウムア
    ルコキシド,チタンアルコキシド,アルカリ金属又はア
    ルカリ土類金属を含むアルコキシドの1種類又は2種以
    上を使用する請求項7記載の太陽電池用絶縁基板の製造
    方法。
JP10056907A 1998-03-09 1998-03-09 太陽電池用基板及びその製造方法 Withdrawn JPH11261090A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001185747A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Nisshin Steel Co Ltd 耐熱性に優れた太陽電池用絶縁基板及びその製造方法
US6441301B1 (en) 2000-03-23 2002-08-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Solar cell and method of manufacturing the same
JP2007502536A (ja) * 2003-08-12 2007-02-08 サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ 新規な金属ストリップ
JP2013089697A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Nippon Steel Sumikin Materials Co Ltd 太陽電池用絶縁被膜付きステンレス箔及びその製造方法
JP2014516467A (ja) * 2011-03-08 2014-07-10 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 酸化アルミニウムベースの金属配線バリア

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