JPH11262936A - 硬質塩化ビニル樹脂の射出成形方法 - Google Patents

硬質塩化ビニル樹脂の射出成形方法

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JPH11262936A
JPH11262936A JP6881998A JP6881998A JPH11262936A JP H11262936 A JPH11262936 A JP H11262936A JP 6881998 A JP6881998 A JP 6881998A JP 6881998 A JP6881998 A JP 6881998A JP H11262936 A JPH11262936 A JP H11262936A
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JP
Japan
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gate
molded product
gate portion
hot runner
thickness
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JP6881998A
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English (en)
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Satoshi Shimura
吏士 志村
Hitoshi Kawachi
斉 河内
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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    • B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26—Moulds
    • B29C45/27—Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2701—Details not specific to hot or cold runner channels
    • B29C45/2708—Gates

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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬質塩化ビニル樹脂をホットランナ金型を有す
る射出成形用金型から射出して成形する。 【解決手段】(ゲート部内径/ゲート部成形品肉厚)が
0.49以上、1.24以下であるゲート部内径を有す
るホットランナ金型からキャビティへ硬質塩化ビニル樹
脂を充填する。ここで、ゲート部内径は円形ゲートでは
円の直径、矩形ゲートでは短辺の長さ、楕円ゲートでは
楕円の短軸の長さ、その他形状のゲートではゲート内周
の断面形状の最小肉厚とする。ゲート部成形品肉厚はホ
ットランナノズルのゲート部の中心でホットランナノズ
ルの中心軸に沿って軸を取り、その軸に沿ってキャビテ
ィ内で冷却固化した成形品を切断した時の断面の厚さと
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質塩化ビニル樹
脂の射出成形方法に関し、特にホットランナを有する射
出成形用金型を用いた硬質塩化ビニル樹脂の射出成形方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、コールドランナを有する射出
成形用金型におけるランナ切り取り作業をなくして、余
分なランナを作らずにすむホットランナを有する射出成
形用金型が広く使用されている。硬質塩化ビニル樹脂等
の熱分解しやすい樹脂を射出成形する場合では、ゲート
部に断熱手段を施したホットランナを有する射出成形用
金型を使用して射出成形する方法がある(特開平8−3
32653号公報)。
【0003】このホットランナを使用した射出成形方法
では、外観形状に影響する不良(以下「外観不良」とい
う)として、ジェッティング不良とゲート残り不良が発
生する。通常、充填された樹脂はゲート部の対向面にあ
るキャビティ表面に粘着停止し、次いでファウンテンフ
ローといわれる層流状態でキャビティ内全体に充填され
る。
【0004】しかし、充填される樹脂の先端温度が低か
ったり、ゲート部内径が小さい場合、樹脂は対向面のキ
ャビティ表面に粘着停止せずに蛇行しながらキャビティ
内に充填される。このような充填が起こると金型から取
り出された成形品表面にジェッティング不良といわれる
外観不良が現れる。
【0005】また、キャビティへ樹脂を充填した後、ホ
ットランナノズルのゲート部をキャビティへ充填された
樹脂から離す場合、固化している成形品面と溶融状態の
ゲート部の樹脂を引きちぎる様に切断することになる。
この時、成形品面の固化が不十分であると成形品面に樹
脂が糸を引くように残るゲート残り不良が生じる。
【0006】一般的に、ジェッティング不良ではゲート
部内径を大きくしゲート部の温度(以下「ゲート温度」
という)を高くすることで不良が改善される傾向にあ
り、他方ゲート残り不良では、ゲート部内径を小さく
し、ゲート温度を低くすることで不良が改善される傾向
にある。したがって、これらの不良を解決する対策は相
反する傾向にあることになる。そこで、通常外観不良を
解決するために予備的成形を繰り返し、外観不良が発生
しなくなるまで試行錯誤でゲート部内径寸法を修正して
いた(「射出成形技術理論と実際」 p109−p11
0 プラスチック加工技術協会発行)。また、ゲート温
度の適正範囲も、修正したゲート部内径寸法で予備的成
形を繰り返し決定していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、所望の形状
の成形品を射出成形する場合において、外観不良なく成
形できたとしても、成形品形状を変更するとゲート部内
径の適正寸法とゲート温度の適正範囲が変わる場合が多
い。その結果、ゲート部内径やゲート温度がゲート部内
径の適正寸法やゲート温度の適正範囲を外れて外観不良
がたびたび発生する。そこで、成形品形状が変更される
たびに、試行錯誤でゲート部内径寸法を修正する必要が
あった。
【0008】しかし、理論上は試行錯誤ですべての成形
品形状における適正寸法のゲート部内径寸法と適正範囲
のゲート温度を決定することは可能であるが、実際には
大変な時間と費用が必要である。そこで、本発明の目的
は、上記問題点に鑑み、ホットランナを有する射出成形
用金型を使用した射出成形方法において、所望の外観形
状の成形品すべてについて外観不良の発生を容易に防止
できる硬質塩化ビニル樹脂の射出成形方法を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下「請求項1の射出成形方法」という)は、ゲート部の
温度低下を抑制する手段を有するとともに、ゲート部内
径が(ゲート部成形品肉厚)×0.49〜(ゲート部成
形品肉厚)×1.24の範囲であるホットランナからキ
ャビティ内へ硬質塩化ビニル樹脂を充填することを特徴
とする硬質塩化ビニル樹脂の射出成形方法である。
【0010】請求項1及び請求項2の射出成形方法(以
下「本発明」という)におけるゲートは、特にその形状
は限定されない。円形ゲート、矩形ゲート、楕円ゲート
及びその他形状のゲートなどのいずれのゲート形状であ
ってもこの射出成形方法を適用できる。
【0011】本発明におけるゲート部は、ホットランナ
ノズルのゲート先端部分のことである。
【0012】本発明におけるゲート部の温度低下を抑制
する手段としては、ゲート部の外周に断熱材を設ける手
段や、ゲート部をヒーター等の熱源により加熱する手段
等が挙げられる。
【0013】本発明におけるゲート部内径は、円形ゲー
トでは円の直径、矩形ゲートでは短辺の長さ、楕円ゲー
トでは楕円の短軸の長さのことである。また、その他形
状のゲートではゲート部端面でゲート内周から形成され
るゲート部開口面におけるゲート部の中心を通るゲート
内周幅が最小幅となる幅のことである。
【0014】本発明におけるゲート部成形品肉厚とは、
図10に示す通りホットランナノズルのゲート部の中心
でホットランナノズルの中心軸に沿って軸30を取り、
その軸30に沿ってキャビティ内で冷却固化した成形品
を切断した時の断面肉厚31のことである。
【0015】本発明のおけるゲート部内径は、(ゲート
部成形品肉厚×0.49)〜(ゲート部成形品肉厚×
1.24)の範囲である。ゲート部内径が(ゲート部成
形品肉厚×0.49)に満たないとジェッティング不良
を発生する。また、(ゲート部成形品肉厚×1.24)
を超えるとゲート残り不良を発生する。
【0016】本発明に用いるホットランナとして、可動
プローブによりゲートを開閉するシャットオフプローブ
を設置したホットランナは適用できない。なぜなら、シ
ャットオフプローブはその構造上、硬質塩化ビニル樹脂
が樹脂流路に滞留して熱分解しやすい。しかし、本発明
に用いるホットランナは可動プローブによりゲートを開
閉するシャットオフプローブを設置したホットランナ以
外であれば特に限定されない。例えば、熱伝導プロー
ブ、加熱プローブ(「射出金型設計・製作の理論と実
際」P101〜P104 日本プラスチック加工技術協
会発行)を設置したホットランナが使用できる。
【0017】また、硬質塩化ビニル樹脂の最低樹脂成形
可能温度から最高樹脂成形可能温度までの成形可能温度
幅内で射出成形可能とするために、請求項2記載の発明
(以下「請求項2の射出成形方法」という)は、ゲート
部の温度低下を抑制する手段を有するとともに、ゲート
部内径が(ゲート部成形品肉厚)×0.66〜(ゲート
部成形品肉厚)×0.86の範囲であるホットランナか
らキャビティ内へ硬質塩化ビニル樹脂を充填する構成と
した。
【0018】(作用)本発明により、成形品形状の異な
るキャビティであってもゲート部内径が請求項記載の所
定の範囲内にあれば、ホットランナノズルから射出充填
された溶融樹脂はゲート部の対向面にあるキャビティ表
面に粘着停止し、次いで流れてくる樹脂が、すでに粘着
停止した樹脂を覆うように粘着停止する。したがって、
キャビティ表面に粘着停止した樹脂はその面積を広げな
がらキャビティ内全体に充填される。これにより、ジェ
ッティング不良が発生しない。
【0019】また、キャビティへ樹脂を充填した後、ホ
ットランナノズルのゲート部をキャビティへ充填された
樹脂から離す場合、固化している成形品面と溶融状態の
ゲート部の樹脂を引きちぎる様に切断できる。これによ
り、ゲート残り不良を発生しない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、まず硬質塩化ビニル樹脂
の射出成形方法における適正なゲート部内径の範囲を決
定した方法について図に基づいて詳しく説明する。
【0021】外観不良を発生させない(ゲート部内径/
ゲート部成形品肉厚)の良好な範囲はゲート部内径寸法
とゲート温度を変数とした射出成形品の試作に基づいて
決定した。図1に試作に使用した射出成形装置の構成を
説明する。射出成形用装置は射出成形用金型1と射出成
形機10から主に構成されている。射出成形用金型1
は、スプルブッシュ2とマニホールド3とホットランナ
ノズル4のそれぞれ内部に樹脂流路が設けられており、
樹脂流路の周りにはヒーター5が取り付けられている。
ヒーター5が樹脂流路内の樹脂を加熱して溶融状態に保
っている。
【0022】ゲート部6とキャビティブロック7との接
触部分には熱伝導抑制のための断熱部材8が取り付けら
れている。接触部分の断熱部材8は特に限定しないが、
この射出成形用金型1では、ゲート部6外側周囲にポリ
イミド(三井東圧化学社製、商品グレード「オーラ
ム」)からなる断熱部材8を設けた。
【0023】マニホールド3とホットランナノズル4を
主要な構成要素とするホットランナ9は、固定側型板1
4とスペーサ13とキャビティブロック7から主に形成
されている固定型内に内蔵されている。ホットランナノ
ズル4は円形ゲートを使用し、ゲート部6はオープンゲ
ートタイプとした。キャビティブロック7とコアブロッ
ク11とから、3mmの平板300gを製造できるキャ
ビティ12が形成されており、成形品の取り数は1個取
りとした。
【0024】次に、試作における射出成形方法について
説明する。硬質塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、商品名
「TG815」)を用いた。ホットランナ9の樹脂流路
内の樹脂温度をゲート部6を除いて175℃に保った。
ゲート部内径を直径1.0mm、直径1.5mm、直径
2.5mm、直径3mm、直径3.5mmとした5種類
のホットランナノズル4を用意し、射出成形用金型1に
順番に取り付け、各ホットランナノズル4ごとにゲート
温度を140℃、155℃、175℃、190℃の4通
りの成形条件でそれぞれ試作した。
【0025】それぞれの成形条件で試作した成形品に対
して、ジェッティング不良発生度合いを最もひどい外観
不良が発生した状態を7として1〜7の7段階に官能評
価し、官能評価が4以下であれば不良が発生していない
ものとした。また、ゲート残り不良についても同様に官
能評価した。
【0026】それらの結果をもとに横軸に(ゲート部内
径/ゲート部成形品肉厚)、縦軸にゲート温度をとった
コンター図を作成した。これらのコンター図において、
官能評価が4であった成形条件をもとに官能評価が4で
ある線をコンター図に記入した。官能評価が4である線
は図2に図示したジェッティング不良未発生限界線15
であり、図3に図示したゲート残り不良未発生限界線1
6である。
【0027】ゲート温度の上限として硬質塩化ビニル樹
脂の最高成形可能温度17(190℃)、下限として硬
質塩化ビニル樹脂の最低成形可能温度18(140℃)
をコンター図に記入し、最高成形可能温度17と最低成
形可能温度18と官能評価が4以下である範囲を囲み、
それぞれジェッティング不良未発生範囲、ゲート残り不
良未発生範囲を求めた。
【0028】図2にジェッティング不良未発生範囲を図
中斜線で示し、図3にゲート残り不良未発生範囲を図中
斜線で示す。図2と図3の範囲を重ねることにより、図
4に示すようにジェッティング不良がなくゲート切れに
ついても良好な範囲を求めた。ゲート温度と(ゲート部
内径/ゲート部成形品肉厚)をこの範囲内に設定すれば
ジェッティング不良とゲート残り不良が共に生じない成
形品の製造が可能になる。硬質塩化ビニル樹脂用のホッ
トランナの場合は(ゲート部内径/ゲート部成形品肉
厚)の範囲が0.49〜1.24である時、ジェッティ
ング不良とゲート残り不良が共に生じない成形品の製造
が可能になる。
【0029】なお、図4を参照すると所望の(ゲート部
内径/ゲート部成形品肉厚)におけるゲート温度の最適
範囲が求まるので、外観不良を発生させないゲート部内
径の寸法ごとにゲート温度の最適範囲を決定することが
できる。また、(ゲート部内径/ゲート部成形品肉厚)
のより好ましい範囲は、0.66〜0.86である。樹
脂の最低成形可能温度18とジェッティング不良未発生
限界線15との交点以上の値から樹脂の最高成形可能温
度17とゲート残り不良未発生限界線16との交点以下
の値までの範囲であるので、ゲート温度の適切な範囲が
樹脂の成形可能な温度範囲が最大になる成形可能温度幅
に一致する。
【0030】このように、ゲート部内径とゲート部温度
との関係にゲート部成形品肉厚を関係づけることによ
り、初めて硬質塩化ビニル樹脂成形品の外観不良を発生
させない(ゲート部内径/ゲート部成形品肉厚)の良好
な範囲を決定することができた。
【0031】次に、外観不良を発生させない範囲が成形
品形状によらないことを確かめるために管継手(積水化
学工業社製、商品名「DVDL150」、ゲート部成形
品肉厚6.3mm)を試作した。
【0032】試作には図1の射出成形用装置を使用した
が、キャビティブロック7とコアブロック11は管継手
(積水化学工業社製、商品名「DVDL150」、ゲー
ト部成形品肉厚6.3mm)を成形できる金型(図示し
ない)に変更した。ホットランナノズル4のゲート部内
径の直径とゲート温度条件を表1に示した各条件に変更
してそれぞれ試作した。
【0033】
【表1】
【0034】図4で図示された(ゲート部内径/ゲート
部成形品肉厚)の良好な範囲に表1に示した各条件でそ
れぞれ試作した成形品の官能評価を重ね書きして図5に
示した。ここで、試作した成形品の官能評価に次に説明
する記号を用いた。 ◎:ジェッティング不良未発生、ゲート残り不良未発生 ○:ジェッティング不安定 △:ジェッティング不良発生 ●:ゲート切れ不安定 ▲:ゲート残り不良発生 図5より、ゲート部成形品肉厚3mmの平板成形品で求
めた成形品の外観不良を発生させない範囲が成形品形状
の異なるゲート部成形品肉厚6.3mmの継手成形品に
も適用できることがわかった。
【0035】これにより、(ゲート部内径/ゲート部成
形品肉厚)は成形品形状によらず、成形品の外観不良を
発生させない範囲を説明する一般的な指標とすることが
できる。すなわち、ゲート部成形品肉厚が同一である場
合には、成形品形状の異なっていてもゲート部内径の適
正範囲は同一となる。逆に、ゲート部内径がすでに決め
られている場合には、そのゲート部内径で外観不良なく
成形可能な成形品肉厚の範囲が求められる。
【0036】これに基づいた具体的な実施の形態とし
て、管継手(積水化学工業社製、商品名「DVDL5
0」、ゲート部成形品肉厚3.1mm)に相当する管継
手をホットランナを有する射出成形用金型を使用して射
出成形した。
【0037】図6に示す射出成形用装置において、キャ
ビティブロック7とコアブロック11を管継手(積水化
学工業社製、商品名「DVDL50」、ゲート部成形品
肉厚3.1mm)を製造する金型(図示しない)に変更
した。成形品取り数2個取りにするためホットランナノ
ズル4を2個設けた。これらの変更点以外は図1に示し
た射出成形用金型1と同様の構成とした。
【0038】ゲート形状は円形ゲートとし、ゲート部内
径は直径2.3mmとして、(ゲート部内径/ゲート部
成形品肉厚)を成形品の外観不良を発生させない範囲内
にある0.74とした。ホットランナ9の樹脂流路内の
樹脂温度をゲート部6を除いて175℃に保ち、硬質塩
化ビニル樹脂(徳山積水社製、商品名「TG815」)
を射出して管継手(積水化学工業社製、商品名「DVD
L50」、ゲート部成形品肉厚3.1mm)を製造し
た。
【0039】製造された管継手の物性を熱弛緩試験と破
壊瞬間水圧試験により評価した。 (熱弛緩試験)試験方法はISO580に記載の英文及
び訳文に従った。管継手を他の試験体やオーブンの壁に
接触しないように注意して、可能ならば受け口の1箇所
を立ててオーブンに入れ、150℃±2℃で30分間加
熱した。加熱された管継手を取り出した後、室温で自然
冷却させて管継手のゲート部変形度合いや管内面の剥離
発生の有無を観察した。
【0040】熱弛緩試験後の管継手のゲート部に変形は
観察されず、管内面に剥離の発生は観察されなかった。
【0041】(破壊瞬間水圧試験)図7に示すように管
継手20両端に内径50mmで長さ20cmの硬質塩化
ビニル管21を挿入して接着し、接着後3日間放置して
接着面を乾燥させた。次いで、硬質塩化ビニル管21の
端部を140℃のオイルバスに浸して加熱して柔らかく
しジグ22a、22bを装着させた。
【0042】装着させたジグ22aには止め栓23が取
り付けられており、他方ジグ22bには耐圧ホース24
を通して加圧ポンプ(図示しない)から管継手20と硬
質塩化ビニル管21の接続体25の管路へ注水できる流
路が設けられている。
【0043】ジグ22aの止め栓23を外し、加圧ポン
プ側から注水を行い管路を水で充満させた後、止め栓2
3をして、安全のため水槽内に接続体25を沈めた。
【0044】まず、加圧ポンプから10kgf/cm2
の水圧を2分間かけたまま放置し、漏水や割れがないか
確認した。確認の後、10kgf/cm2 から加圧して
いき接続体25の破壊が起こる瞬間の水圧(破壊瞬間水
圧)を測定した。
【0045】破壊が起こった瞬間の水圧の平均値は7
1.75(kgf/cm2 )であり、測定に使用した管
継手ごとの破壊瞬間水圧のばらつきは少なかった。
【0046】(比較例)従来のコールドランナを有する
射出成形用金型を使用して成形された管継手(積水化学
工業社製、商品名「DVDL50」、ゲート部成形品肉
厚3.1mm)について、管継手の物性を熱弛緩試験と
破壊瞬間水圧試験により実施例と同様に評価した。熱弛
緩試験後の管継手を観察すると、ゲート部の裏面に当た
る管内面に内面剥離の発生が見られた。また、ゲート部
を中心に大きな変形が見られた。
【0047】破壊瞬間水圧試験では、破壊が起こった瞬
間の水圧の平均値は50.4(kgf/cm2 )であ
り、測定に使用した管継手ごとの破壊瞬間水圧のばらつ
きは大きかった。実施例と比較例で行った熱弛緩試験後
の管継手の外観形状を図8に示した。図8(a)は管継
手の正面図、図8(b)は管継手の側面図である。実施
例により製造された管継手Aは左側、従来のコールドラ
ンナを使用して成形された管継手Bは右側に図示した。
【0048】従来のコールドランナを使用して成形され
た管継手Bを観察すると、ゲート部の裏面に当たる管内
面に内面剥離aの発生が見られた。また、ゲート部を中
心に大きな変形bが見られた。実施例と比較例で行った
破壊瞬間水圧試験について、図9に測定された破壊瞬間
水圧を図示した。実施例により製造された管継手Aは左
側、従来のコールドランナを使用して成形された管継手
Bは右側に図示した。図9に図示された実施例の破壊瞬
間水圧は、図示された記号の中央横線が平均値に対応
し、中央横線を囲む四角の枠は中央横線と枠を構成する
上の線もしくは下線との幅が標準偏差に対応し、枠外に
ある上下の横線がそれぞれ最大値と最小値に対応するよ
うに図示されている。
【0049】実施例の破壊瞬間水圧は比較例よりかなり
高く、実施例により製造された管継手の強度は比較例に
比べて著しく向上している。しかも、実施例の破壊瞬間
水圧は比較例より標準偏差が小さく、成形品ごとの強度
のばらつきが小さい。
【0050】
【発明の効果】請求項1の射出成形方法によれば、所望
の成形品形状すべてについて外観不良を発生させずに射
出成形することができる。
【0051】また、(ゲート部内径/ゲート部成形品肉
厚)は成形品の外観不良を発生させない範囲を説明する
一般的な指標とすることができる。さらに、耐熱変形性
と破壊強度の高い硬質塩化ビニル樹脂成形品を製造する
ことができる。加えて、成形品ごとの破壊強度のばらつ
きも抑えることができる。
【0052】請求項2の射出成形方法によれば、さら
に、硬質塩化ビニル樹脂の最低樹脂成形可能温度から最
高樹脂成形可能温度までの成形可能温度幅内で射出成形
可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硬質塩化ビニル樹脂を射出成形できるホットラ
ンナを内蔵した射出成形装置を示す概略断面図
【図2】ジェッティング不良の未発生範囲を図示したコ
ンター図
【図3】ゲート残り不良の未発生範囲を図示したコンタ
ー図
【図4】ジェッティング不良とゲート残り不良が共に未
発生となる範囲を図示したコンター図
【図5】成形品形状とジェッティング不良とゲート残り
不良が共に未発生となる範囲との関係図
【図6】成形品の取り数を2個とするホットランナを内
蔵した射出成形装置の概略断面図
【図7】破壊瞬間水圧試験に使用した試験体の外観を示
す側面図
【図8】(a)熱弛緩試験を行った後の試験体の外観を
示す正面図 (b)熱弛緩試験を行った後の試験体の外観を示す側面
図
【図9】破壊瞬間水圧試験における破壊瞬間水圧の測定
結果をまとめた図
【図10】ゲート部成形品肉厚を図中に示したホットラ
ンナ側面断面図
【符号の説明】
1 射出成形用金型 2 スプルブッシュ 3 マニホールド 4 ホットランナノズル 5 ヒーター 6 ゲート部 7 キャビティブロック 8 断熱部材 9 ホットランナ 10 射出成形機 11 コアブロック 12 キャビティ 13 スペーサ 14 固定側型板 15 ジェッティング不良未発生限界線 16 ゲート残り不良未発生限界線 17 最高成形可能温度 18 最低成形可能温度 20 管継手 21 塩化ビニル管 22a ジグ 22b ジグ 23 止め栓 24 耐圧ホース 30 軸 31 ゲート部成形品肉厚 A 実施例により製造された管継手 B 従来のコールドランナにより製造された管継手 a 内面剥離 b 変形

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲート部の温度低下を抑制する手段を有
    するとともに、ゲート部内径が(ゲート部成形品肉厚×
    0.49)〜(ゲート部成形品肉厚×1.24)の範囲
    であるホットランナからキャビティ内へ硬質塩化ビニル
    樹脂を充填することを特徴とする硬質塩化ビニル樹脂の
    射出成形方法。
  2. 【請求項2】 ゲート部の温度低下を抑制する手段を有
    するとともに、ゲート部内径が(ゲート部成形品肉厚×
    0.66)〜(ゲート部成形品肉厚×0.86)の範囲
    であるホットランナからキャビティ内へ硬質塩化ビニル
    樹脂を充填することを特徴とする硬質塩化ビニル樹脂の
    射出成形方法。
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