JPH11263611A - 炭素材料の製法 - Google Patents

炭素材料の製法

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JPH11263611A
JPH11263611A JP10062593A JP6259398A JPH11263611A JP H11263611 A JPH11263611 A JP H11263611A JP 10062593 A JP10062593 A JP 10062593A JP 6259398 A JP6259398 A JP 6259398A JP H11263611 A JPH11263611 A JP H11263611A
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dpp
carbon material
carbon
dppe
carbine
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JP10062593A
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Hisaji Matsui
久次 松井
Chiharu Yamaguchi
千春 山口
Ayumi Yasuda
歩 安田
Noboru Kawase
昇 川瀬
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 室温あるいは室温に近い温度で、高度に構造
の制御された炭素材料を、工業的に大量に合成する方法
を提供する。 【解決手段】 Fe(dppe)2Cl2、Co(dpp
e)2Cl2、Ni(dppe)2Cl2、Fe(dpp
e)2Br2、Co(dppe)2Br2、Ni(dpp
e)2Br2、Fe(dppe)22、Co(dppe)
22およびNi(dppe)22からなる群より選択さ
れる少なくとも1種を触媒として用いて、フッ素原子を
有するポリオレフィン誘導体を反応性陽極電解還元する
ことを特徴とする炭素材料の製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルビン(カーボ
ンVIとも呼ばれる)を含む炭素材料の製造方法、該方
法によって得ることができる炭素材料、該方法に用いる
触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素材料には、フィラーコークスとバイ
ンダーの混練、焼成、黒鉛化によって作られる人造黒鉛
製品、大きな表面積を賦活することによって作られる活
性炭、炭化水素ガスの熱分解によって作られるカーボン
ブラック、さらに気相成長あるいは有機繊維プリカーサ
ーの焼成によって作られる炭素繊維等がある。これらを
製造するには、いずれにおいても、高温を必要とする
か、あるいは物理的に厳しい製造条件を必要とするた
め、化学構造を高度にコントロールすることは難しかっ
た。
【0003】現在、高度に構造のコントロールされた、
新しいカーボン材料の合成に向け、新合成法の開発が進
められている。すなわち、新しい炭素材料であるフラー
レン(H.W.Kroto,et al.,Nature,318(1985)162)、ナノ
チューブが物理的合成法を用いて合成されて以来、物理
的合成法あるいは化学的合成法を用いて、構造の制御さ
れた新しい炭素材料の研究が進められている(W.Weltne
r,Chem.Rev.,89(1989)1713)。
【0004】高度に構造が制御された新しい炭素材料の
合成法は、アーク放電やレーザー等の高エネルギービー
ムを使った物理的な方法と化学的な方法とに大別され
る。これらの中から、合成法の報告されている代表的な
方法について以下に述べる。
【0005】炭素材料の一つであり、三重結合と一重結
合が交互に繋がった線状構造を有するカルビンは、物理
的な方法では1969年にその合成が報告されている
(A.G.Whittaker and P.L.Kintner,Science,165(1969)5
89)。すなわち、パイロリティックグラファイトの角棒
の(0001)面の両側に電極を締め付けて電流を流
し、抵抗加熱により2700〜3000Kのある温度に
達したところで15〜20秒おいたところ(雰囲気は1
-4torrのアルゴンであった)、2550K以上の加熱
に限り、グラファイト棒の一部にはデンドライト構造を
とる銀白色に輝く物質が生成したのである。これは、炭
素原子がグラファイト中でマイグレーションして形成さ
れたもので、自由蒸発した炭素原子が再び凝着したもの
と考えられる。パイロリティックグラファイト表面に生
じた白い炭素の被覆は透明で複屈折性であるとすると、
白色はデンドライト構造からの乱反射によると考えられ
る。この実験では加熱は常圧で行われているから、白い
炭素の合成には隕石衝突から想像されるような高圧力は
必要とされない。
【0006】一方、Kudryavtseyらは、黒鉛のイオンス
パッタリングやアーク放電によってカルビンを含む炭素
材料を合成している。生成した膜の厚みは200〜50
0Åで、単結晶のαカルビンあるいはアモルファス状の
ものができていることを確認している(Y.P.Kudryavtse
y,et al.,Carbon,30(1992)213)。
【0007】下山らはポリ塩化ビニル膜に真空中でレー
ザーを照射し、8個の三重結合炭素と20個の二重結合
炭素からなるカルビン状炭素材料をラマンスペクトル等
から明らかにしている(M.Shimoyama,et al.,Makromol.
Chem.,193(1992)569)。
【0008】また、2種類の方法でのカルビン膜の合成
が報告されている(Y.P.Kudryavtsey,et al.,Carbon,30
(1992)213)。すなわち、(A)純グラファイトをター
ゲットとしてスパッタさせ、同時にAr+イオンで衝撃
して膜を作る方法と、(B)2個のグラファイト電極間
に約3000℃のアークをとばして炭素を蒸発させ、冷
却した基板上に凝縮させる方法である。(A)法の膜
は、ほとんど単結晶で、これはαカルビンとみなされ
た。(B)法の膜は、アモルファス部分と配向した部分
とが混在し、配向した膜は6方晶形であることが示され
た。
【0009】カルビンを含む炭素材料は、化学的な方法
では、1973年にその合成が報告されている(V.I.Ka
satochikin,et al.,Carbon,11(1973)70)。すなわち、
アセチレンの脱水素反応をCuCl2溶液中で行ったと
ころ、鎖状のポリイン構造(−C≡C−C≡C−)n
キュムレン構造(=C=C=C=C=)nを含む無定形
炭素を得たのである。ここにおいて、CuCl2は、脱
水素反応触媒の役割もする。鎖状構造であることは赤外
スペクトルのデータの解析から立証された。このものを
真空中で1000℃に加熱すると、炭素マクロ分子の鎖
状構造を保存した新しい白色の同質異形炭素結晶が得ら
れた。著者らは、これを炭素材料の一つであるカルビン
(carbyne)と名付けた。電子線解析とX線回折より、
2つの異形(αカルビン、βカルビン)が存在すること
を示した。この論文のアセチレンから得られたカルビン
は、α相が主体で、これを90kbar、1800℃で5分
間処理すると、より密度の高いβカルビンに転移する。
【0010】ポリアセチレンを塩素化(CHCl)
xし、立体規則性に優れたハロゲン化ポリアセチレンを
作り、その脱ハロゲン化水素を試みて、キュムレンを得
ることを期待したが、ポリイン型の共役三重結合型のカ
ルビンを得た。これは、赤外スペクトルから結論づけら
れた。十分規則正しい結晶を得るに至らず(−C≡C
−)nとしてn=10〜65の鎖長の混合したものとな
った(K.Akagi,et al.,Synth.Metal,17(1987)557)。ま
た、アセチレンを、酸素存在下で、第一銅塩と配位子と
しての第三級アミンからなる触媒を用いて処理して、ポ
リイン組成物を合成する方法の報告がある(特開平3−
44582号)。
【0011】Kavanらは、Liの水銀アマルガム中でポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)膜の脱フッ素化
を行い、膜の表面にカルビンとLiFからなる複合体が
生成したことを報告している(L.Kavan,Synth,Metal,58
(1993)63)。LiFは、線状のカルビン同士が結合して
黒鉛状構造(graphite)に変化するのを抑え、安定化さ
せている。しかし、空気や水が入ってくると、LiFが
移動してしまい、カルビン構造は破壊されるようであ
る。
【0012】カルビンは、鎖長が短いと末端の反応性が
非常に高くなり、不安定である。そこで、環状のカルビ
ンを合成し、単離しようという試みが始まっている。玉
置らは、現在までに16個の環状炭素に6個のOH基が
付いた中間体の合成に成功している(玉置信之、他、日
本化学会第67春季年会、3L1(1994)48)。
【0013】ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のN,
N−ジメチルホルムアミド溶液から作ったPVDF単結
晶膜を、アセトンを混ぜたエタノールの10%カリウム
エチレート溶液で室温で40分間処理し、脱フッ化水素
化してカルビンが得られた(Y.P.Kudryavtsey,et al.,C
arbon,30(1992)213)。元のPVDF膜が単結晶であっ
たにもかかわらず、アモルファスになったが、真空中4
00℃のアニールでキュムレン型のカルビンの結晶化が
生じ、膜面の30%が単結晶になった。
【0014】ポリテトラフルオロエチレンフィルムを、
化学的にあるいは電気化学的に還元し、その表面をカー
ボン状材料とし、フィルムの接着性を改善する試みが以
前よりなされてきた(米国特許3,967,018(1976);米国
特許3,296,011(1967);英国特許765,284(1957))。ただ
し、この方法は、フィルム表面だけをカーボン状材料に
するもので、炭素材料を得る目的には、収率の点から問
題があった。
【0015】以上、構造の制御された炭素材料の最近の
合成法について述べたが、構造を高度に制御するため
に、まだ多くの課題を残している。物理的合成について
は、抵抗加熱、イオンスパッタリング、アーク放電等の
方法が用いられてきた。カルビンには、すでに6種以上
の異形があることが知られており、また、2800K以
上の高温では反応性活性種が多数知られている。実際、
2800K以上では、C1、C2、C3、C4、C5等の分
子種が知られており、特にC3の分子種が多量に生成す
る。特定のカルビンを再現性よく合成するためには、反
応性活性種のコントロールが不可欠で、この部分での開
発が望まれている。
【0016】化学的合成については、アセチレンの脱水
素重合と、ハロゲン化した鎖状の炭化水素から脱ハロゲ
ン化水素によって共役鎖を構築していくアプローチがと
られてきた。前者は爆発の危険性のある方法で、今後の
発展は望みにくい。後者は部分的にハロゲンが残存する
ことが指摘されている。従って、脱ハロゲン化水素反応
を完全に進める方法の開発が望まれている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】従来の炭素材料の製造
法は高温を要するため、高度に構造を制御した炭素材料
を得るのは困難であった。また、アーク放電やレーザー
等の高エネルギービームを使った物理的な方法により、
フラーレンやナノチューブの合成がなされてきたが、工
業的な大量合成には適さなかった。本発明は、室温ある
いは室温に近い温度で、高度に構造の制御された炭素材
料を、工業的に大量に合成する方法を提供することを課
題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、室温あるいは
室温に近い温度で、高度に構造の制御された炭素材料
を、工業的に大量に合成するために、アニオンとして脱
離する官能基、すなわちフッ素原子を有するポリオレフ
ィン誘導体を、電極電解還元するものである。
【0019】すなわち、本発明は以下の炭素材料の製
法、炭素材料、製法に用いる触媒を提供するものであ
る。
【0020】1. Fe(dppe)2Cl2、Co(d
ppe)2Cl2、Ni(dppe)2Cl2、Fe(dp
pe)2Br2、Co(dppe)2Br2、Ni(dpp
e)2Br2、Fe(dppe)22、Co(dppe)
22およびNi(dppe)22からなる群より選択さ
れる少なくとも1種を触媒として用いて、フッ素原子を
有するポリオレフィン誘導体を反応性陽極電解還元する
ことを特徴とする炭素材料の製法。
【0021】2. 反応性陽極としてMg、Alまたは
Pbを用い、陰極としてステンレス鋼またはカーボンを
用いることを特徴とする上記項1に記載の炭素材料の製
法。
【0022】3. フッ素原子を有するポリオレフィン
誘導体がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴
とする上記項1または2に記載の炭素材料の製法。
【0023】4. 上記項1〜3のいずれか1項に記載
の製法により得ることができる炭素材料。
【0024】5. Fe(dppe)2Cl2、Co(d
ppe)2Cl2、Ni(dppe)2Cl2、Fe(dp
pe)2Br2、Co(dppe)2Br2、Ni(dpp
e)2Br2、Fe(dppe)22、Co(dppe)
22およびNi(dppe)22からなる群より選択さ
れる少なくとも1種からなり、フッ素原子を有するポリ
オレフィン誘導体を反応性陽極電解還元して炭素材料を
製造する際に用いる触媒。
【0025】本明細書において、dppeは、1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン[(C652
CH2CH2P(C652]を意味する。
【0026】
【発明の実施の形態】フッ素原子を有するポリオレフィ
ン誘導体を電極電解還元するにおいては、支持電解質、
通電助剤を溶解した非水系溶媒中で、マグネシウム、ア
ルミニウム、鉛等の反応性電極を、2電極法においては
陽極に、3電極法においては対電極に用いることが好ま
しい。
【0027】フッ素原子を有するポリオレフィン誘導体
としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビ
ニリデンが挙げられ、ポリテトラフルオロエチレンが好
ましい。フッ素原子を有するポリオレフィン誘導体は、
その一部が塩素原子で置換されていても良い。
【0028】支持電解質としては、LiCl、LiCl
4、LiBF4、NH4Cl、NH4ClO4、NH4BF
4、(CH34NCl、(CH34NClO4、(C
34NBF4が挙げられ、LiClが好ましい。支持
電解質の使用割合は、溶媒に対して、通常0.01〜1
0重量%であり、好ましくは0.5〜5重量%である。
【0029】通電助剤としては、FeCl2、Fe(C
lO42、Fe(BF42が挙げられ、FeCl2が好
ましい。通電助剤の使用割合は、溶媒に対して、通常
0.1〜30重量%であり、好ましくは1〜20重量%
である。
【0030】非水系溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリルが
挙げられ、テトラヒドロフランが好ましい。非水系溶媒
の使用量は、フッ素原子を有するポリオレフィン誘導体
に対して、通常20〜200重量倍であり、好ましくは
50〜100重量倍である。
【0031】この還元反応は、反応原料であるフッ素原
子を有するポリオレフィン誘導体に電子が移動し、その
反応中間体から脱離する官能基がアニオンとして脱離す
ることにより、ポリオレフィン誘導体に炭素ラジカルが
生成し、隣り合う炭素ラジカルがカップリングすること
よりなる。この反応が連続することにより、ポリオレフ
ィン誘導体から、高度に多重結合が発達し、高分子の構
造としては、反応原料であるポリオレフィン誘導体の構
造を残すポリマー、あるいは炭素材料が得られる。ただ
し、隣り合う炭素ラジカルがカップリングするだけでな
く、異なる主鎖に存在する炭素ラジカルのカップリング
(クロスリンク)や、炭素ラジカルの生成点での分解、
不均化等の副反応を伴う。
【0032】そこで、副反応を低減するために、M(d
ppe)22[式中、MはFe、CoまたはNi;Xは
Cl、BrまたはI]を触媒として添加して、主反応を
優先させるのである。このM(dppe)22の使用割
合は、溶媒に対して、通常0.01〜5重量%であり、
好ましくは0.1〜2重量%である。
【0033】本発明の電極電解還元は、窒素、アルゴン
ガス、ヘリウム等の不活性ガス下で行われるのが好まし
い。
【0034】本発明の電極電解還元は、通常5〜50V
を印加し、10〜30Vを印加するのが好ましい。
【0035】また、本発明の電極電解還元は、通常−2
0〜10℃で、好ましくは−10〜5℃で、通常5〜2
4時間、好ましくは8〜12時間行う。
【0036】本発明の製法で得ることのできる炭素材料
は、カルビンを含む。また、カルビンとカルビン以外の
非晶質カーボンを含む場合もある。非晶質カーボンとし
ては、グラファイト、菱面体グラファイト、ロンズダラ
イト、チャオアイト、ガラス状カーボン等が挙げられ
る。
【0037】特に、ラマンスペクトル(励起波長:48
8nm)で観測されるC≡Cに起因するバンド(2100
cm-1)と非晶質カーボンに起因するバンド(1560cm
-1)の面積比率において、C≡Cに起因するバンドの面
積比率が50〜70であって、三重結合を大量に含有す
るカルビン様炭素材料が好ましい。
【0038】
【実施例】実施例1 フラスコに、LiCl(0.8g)、FeCl2(0.
48g)、Fe(dppe)2Cl2(0.05g)を溶
解したテトラヒドロフラン(THF、30ml)とポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(10mm×
10mm×0.01mm)10枚を仕込んだ。陽極にマグネ
シウム電極、陰極にステンレス鋼電極を用い、アルゴン
気流下、2電極法で陽極、陰極間に25Vを印加し、0
℃で10時間反応させた。黒色になったPTFEフィル
ムをTHFで洗浄し、真空乾燥した。生成物のラマンス
ペクトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因す
るバンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因する
バンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率
は表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因す
るバンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含
有するカルビン様炭素材料が合成された。
【0039】実施例2 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてCo
(dppe)2Cl2を脱ハロゲンカップリング触媒とし
て用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペ
クトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因する
バンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバ
ンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は
表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因する
バンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有
するカルビン様炭素材料が合成された。
【0040】実施例3 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてNi
(dppe)2Cl2を脱ハロゲンカップリング触媒とし
て用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペ
クトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因する
バンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバ
ンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は
表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因する
バンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有
するカルビン様炭素材料が合成された。
【0041】実施例4 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてFe
(dppe)2Br2を脱ハロゲンカップリング触媒とし
て用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペ
クトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因する
バンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバ
ンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は
表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因する
バンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有
するカルビン様炭素材料が合成された。
【0042】実施例5 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてCo
(dppe)2Br2を脱ハロゲンカップリング触媒とし
て用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペ
クトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因する
バンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバ
ンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は
表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因する
バンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有
するカルビン様炭素材料が合成された。
【0043】実施例6 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてNi
(dppe)2Br2を脱ハロゲンカップリング触媒とし
て用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペ
クトル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因する
バンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバ
ンド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は
表1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因する
バンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有
するカルビン様炭素材料が合成された。
【0044】実施例7 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてFe
(dppe)22を脱ハロゲンカップリング触媒として
用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペク
トル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因するバ
ンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバン
ド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は表
1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因するバ
ンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有す
るカルビン様炭素材料が合成された。
【0045】実施例8 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてCo
(dppe)22を脱ハロゲンカップリング触媒として
用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペク
トル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因するバ
ンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバン
ド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は表
1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因するバ
ンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有す
るカルビン様炭素材料が合成された。
【0046】実施例9 実施例1においてFe(dppe)2Cl2に代えてNi
(dppe)22を脱ハロゲンカップリング触媒として
用い、同様の電解還元を行った。生成物のラマンスペク
トル(励起波長:488nm)では、C≡Cに起因するバ
ンド(2100cm-1)と非晶質カーボンに起因するバン
ド(1560cm-1)が観測されるが、その面積比率は表
1に示すようになった。すなわち、C≡Cに起因するバ
ンドの面積比率の方が大きく、三重結合を大量に含有す
るカルビン様炭素材料が合成された。
【0047】 表1 生成物のラマンスペクトルにおけるC≡Cに起因するバンド(21 00cm-1)と非晶質カーボンに起因するバンド(1560cm-1)の比率 バンド面積比率 (2100cm -1) (1560cm -1 実施例1 62.0 38.0 実施例2 59.6 40.4 実施例3 64.2 35.8 実施例4 60.3 39.7 実施例5 68.9 32.1 実施例6 69.8 30.2 実施例7 61.3 38.7 実施例8 63.4 36.6 実施例9 57.6 42.4
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素原子を有するポ
リオレフィン誘導体を反応性陽極電解還元するにおい
て、よりC≡C含有量の多いカルビン様炭素材料の合成
が可能になった。従って、室温あるいは室温に近い温度
で、高度に構造の制御された炭素材料を、工業的に大量
に合成するのに有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川瀬 昇 京都府京都市下京区中堂寺南町17 株式会 社関西新技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe(dppe)2Cl2、Co(dpp
    e)2Cl2、Ni(dppe)2Cl2、Fe(dpp
    e)2Br2、Co(dppe)2Br2、Ni(dpp
    e)2Br2、Fe(dppe)22、Co(dppe)
    22およびNi(dppe)22からなる群より選択さ
    れる少なくとも1種を触媒として用いて、フッ素原子を
    有するポリオレフィン誘導体を反応性陽極電解還元する
    ことを特徴とする炭素材料の製法。
  2. 【請求項2】 反応性陽極としてMg、AlまたはPb
    を用い、陰極としてステンレス鋼またはカーボンを用い
    ることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料の製法。
  3. 【請求項3】 フッ素原子を有するポリオレフィン誘導
    体がポリテトラフルオロエチレンであることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の炭素材料の製法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製
    法により得ることができる炭素材料。
  5. 【請求項5】 Fe(dppe)2Cl2、Co(dpp
    e)2Cl2、Ni(dppe)2Cl2、Fe(dpp
    e)2Br2、Co(dppe)2Br2、Ni(dpp
    e)2Br2、Fe(dppe)22、Co(dppe)
    22およびNi(dppe)22からなる群より選択さ
    れる少なくとも1種からなり、フッ素原子を有するポリ
    オレフィン誘導体を反応性陽極電解還元して炭素材料を
    製造する際に用いる触媒。
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