JPH11264381A - オイルポンプロータ - Google Patents

オイルポンプロータ

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JPH11264381A
JPH11264381A JP9643398A JP9643398A JPH11264381A JP H11264381 A JPH11264381 A JP H11264381A JP 9643398 A JP9643398 A JP 9643398A JP 9643398 A JP9643398 A JP 9643398A JP H11264381 A JPH11264381 A JP H11264381A
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rotor
circle
tooth
oil pump
outer rotor
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Katsuaki Hosono
克明 細野
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    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/10Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member
    • F04C2/102Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing of internal-axis type with the outer member having more teeth or tooth-equivalents, e.g. rollers, than the inner member the two members rotating simultaneously around their respective axes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2/00Rotary-piston machines or pumps
    • F04C2/08Rotary-piston machines or pumps of intermeshing-engagement type, i.e. with engagement of co-operating members similar to that of toothed gearing
    • F04C2/082Details specially related to intermeshing engagement type machines or pumps
    • F04C2/084Toothed wheels

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作動流体の圧力脈動、両ロータの歯面間の摺
動抵抗の増大から、ポンプの運転音が発生しそれに伴っ
てポンプ性能や機械効率の低下が起こり得る。 【解決手段】 基礎円Bi上を転がる第1外転円Eiによ
って創成される外転サイクロイド曲線を歯先、基礎円B
i上を転がる第1内転円Hiに創成される内転サイクロイ
ド曲線を歯溝として歯数n枚のインナーロータ10を形
成し、基礎円Bo上を転がる第2外転円Eoによって創成
される外転サイクロイド曲線を歯溝、基礎円Bo上を転
がる第2内転円Hoに創成される内転サイクロイド曲線
を歯先として歯数n+1枚のアウターロータ20を形成
するものとし、Ei、Hi、Eo、Hoの直径をDi、di
o、doとするとき、 Do>Di,di>do を満たして各ロータを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インナーロータと
アウターロータとの間に形成されるセルの容積変化によ
って流体を吸入、吐出するオイルポンプロータに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来のオイルポンプは、n(nは自然
数)枚の外歯が形成されたインナーロータと、この外歯
に噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウターロータ
と、流体が吸入される吸入ポートおよび流体が吐出され
る吐出ポートが形成されたケーシングとを備えており、
インナーロータを回転させることによって外歯が内歯に
噛み合ってアウターロータを回転させ、両ロータ間に形
成される複数のセルの容積変化によって流体を吸入、吐
出するようになっている。
【0003】セルは、その回転方向前側と後側で、イン
ナーロータの外歯とアウターロータの内歯とがそれぞれ
接触することによって個別に仕切られ、かつ両側面をケ
ーシングによって仕切られており、これによって独立し
た流体搬送室を構成している。そして、各セルは外歯と
内歯との噛み合いの過程の途中において容積が最小とな
った後、吸入ポートに沿って移動するときに容積を拡大
させて流体を吸入し、容積が最大となった後、吐出ポー
トに沿って移動するときに容積を減少させて流体を吐出
する。
【0004】上記のような構成を有するオイルポンプ
は、小型で構造が簡単であるため自動車の潤滑油用ポン
プや自動変速機用オイルポンプ等として広範囲に利用さ
れている。自動車に搭載される場合、オイルポンプの駆
動手段としてはエンジンのクランク軸にインナーロータ
が直結されてエンジンの回転によって駆動されるクラン
ク軸直結駆動がある。
【0005】上記のようなオイルポンプについては、ポ
ンプが発する雑音の低減とそれに伴う機械効率の向上を
目的として、インナーロータとアウターロータとを組み
合わせた状態で噛み合い位置から180゜回転した位置
におけるインナーロータの歯先とアウターロータの歯先
との間に適切な大きさのチップクリアランスが設定され
ている。
【0006】チップクリアランスを確保する手段として
は、アウターロータの歯形について均等追い込みを行う
ことで両ロータの歯面間にそれぞれクリアランスを設
け、噛み合い状態において両ロータの歯先間にチップク
リアランスを確保するもの、サイクロイド曲線の平坦化
によるもの等が挙げられる。
【0007】例えば、特開平5−256268号公報に
開示されたオイルポンプは、ピニオン(インナーロー
タ)の歯先および内歯リングギヤ(アウターロータ)の
歯溝が、ピニオンおよび内歯リングギヤのピッチ円上の
第1のサイクロイド生成円が回転することにより生成さ
れる外サイクロイド形状を有し、ピニオンの歯溝および
内歯リングギヤの歯先が、ピニオンおよび内歯リングギ
ヤのピッチ円上の第2のサイクロイド生成円が回転する
ことにより生成される内サイクロイド形状を有する(第
1のサイクロイド生成円の半径は第2のサイクロイド生
成円の半径と異なる)いわゆるサイクロイドポンプであ
る。このオイルポンプにおいては、ピニオンの歯先およ
び内歯リングギヤの歯溝が同じ第1のサイクロイド生成
円によって生成され、ピニオンの歯溝および内歯リング
ギヤの歯先が第2のサイクロイド生成円によって生成さ
れるというように、2つの転円を用いてピニオンおよび
内歯リングギヤの歯形が形成されている。
【0008】上記公報に開示されたポンプにおいては、
ポンプが発する雑音の低減とそれに伴う機械効率の向上
を目的として、内歯リングギヤとピニオンとが最も深く
噛合する点に対向する領域における歯先間において必要
な半径方向クリアランスに相当し、かつピニオンと内歯
リングギヤとが互いに最も深く噛合する点におけるクリ
アランスが大幅に小さくなる程度にまで2つのサイクロ
イド曲線を平坦化し、これによって流体の送出流脈動を
大幅に低減して雑音の発生と機械効率の向上及び寿命の
延命を図る手段が採用されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に開示された
ポンプにおいては、平坦化されたサイクロイド曲線の開
始点および終点と、ピッチ円上の未平坦化サイクロイド
曲線の開始点および終点を直線で結ぶことで閉じたサイ
クロイド曲線を生成しているが、サイクロイド曲線の一
部に直線部分が生まれることでピニオンと内歯リングギ
ヤとの噛み合いが円滑に行われなくなる恐れがある。例
えば、ピニオンと内歯リングギヤとの噛み合い位置か
ら、ピニオンの歯先が内歯リングギヤの歯溝面を滑って
移動する過程において、ピニオンの歯先が曲線部分から
直線部分に移行するとき、ピニオンの歯先が直線部分か
ら曲線部分に移行するときにブレを生じる等して噛み合
いの円滑な進行を妨げることが予想されるからである。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、両ロータが噛み合う過程でのインナーロータの
歯先とアウターロータの歯溝との間隙を適切な大きさに
設定し、両ロータの歯面間の摺動抵抗を低減することで
オイルポンプのポンプ性能および機械効率の向上を図る
ことを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの手段として、請求項1記載のオイルポンプロータ
は、インナーロータが、その基礎円に外接してすべりな
く転がる第1外転円によって創成される外転サイクロイ
ド曲線を歯先の歯形とし、基礎円に内接してすべりなく
転がる第1内転円によって創成される内転サイクロイド
曲線を歯溝の歯形として形成され、アウターロータが、
その基礎円に外接してすべりなく転がる第2外転円によ
って創成される外転サイクロイド曲線を歯溝の歯形と
し、基礎円に内接してすべりなく転がる第2内転円によ
って創成される内転サイクロイド曲線を歯先の歯形とし
て形成されており、インナーロータの基礎円の直径をb
i、第1外転円の直径をDi、第1内転円の直径をdi
アウターロータの基礎円の直径をbo、第2外転円の直
径をDo、第2内転円の直径をdo、インナーロータとア
ウターロータとの偏心量をeとするとき、 bi=n・(Di+di),bo=(n+1)・(Do
o) Di+di=Do+do=2e (n+1)・bi=n・bo かつ、 Do>Di,di>do を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
れている。
【0012】請求項2記載のオイルポンプロータは、請
求項1記載のオイルポンプロータにおいて、インナーロ
ータの歯先とアウターロータの歯先との間隙の大きさを
t(≠0)とするとき、 Di+t/2=Do,di−t/2=do を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
れている。
【0013】請求項3記載のオイルポンプロータは、請
求項2記載のオイルポンプロータにおけるtの値が、 0.03mm≦t≦0.25mm(mm:ミリメート
ル) の範囲に設定されたうえでインナーロータとアウターロ
ータとが構成されている。
【0014】請求項4記載のオイルポンプロータは、請
求項1または2記載のオイルポンプロータにおいて、 0.850≦Di/Do≦0.995 を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
れている。
【0015】インナーロータおよびアウターロータの歯
形を決定するために必要な条件とは、まず、インナーロ
ータについて、第1外転円および第1内転円の転がり距
離が1周で閉じなければならない、つまり第1外転円お
よび第1内転円の転がり距離がインナーロータの基礎円
の円周に等しくなければならないことから、 bi=n・(Di+di) 同様に、アウターロータについて、第2外転円および第
2内転円の転がり距離がアウターロータの基礎円の円周
に等しくなければならないことから、 bo=(n+1)・(Do+do) 次に、インナーロータとアウターロータとが噛み合うこ
とから、 Di+di=Do+do=2e 上記の各式から、 (n+1)・bi=n・bo となり、インナーロータおよびアウターロータの歯形は
これらの条件を満たして構成される。
【0016】ここで、上記の各条件を満たして構成され
るオイルポンプロータについて、 Do>Di,di>do とすると、第2外転円Doによって形成されるアウター
ロータの歯溝の形状に対する第1外転円Diによって形
成されるインナーロータの歯先の形状、および第1内転
円diによって形成されるインナーロータの歯溝の形状
に対する第2内転円doによって形成されるアウターロ
ータの歯先の形状が、噛み合いの過程で両ロータの歯面
間に設けられるバックラッシュを従来に比べて大きく確
保できるようになる。バックラッシュとは、噛み合いの
過程においてインナーロータの荷重のかかる歯面とは反
対側の歯面とアウターロータの歯面との間にできる間隙
である。
【0017】上記の各関係式は、チップクリアランスを
設けて両ロータの歯形を形成した場合も成立しなければ
ならない。そこで、必要とされるチップクリアランスt
を両ロータの噛み合い位置と両ロータの歯先の突き合い
位置(チップクリアランスが設けられる位置)に等分し
(以下、クリアランスとする)、各位置におけるロータ
の歯面間にそれぞれ振り分けるものとする。このクリア
ランスは、次の関係式を用いることで確保することがで
きる。 Di+t/2=Do, di−t/2=do 両ロータの噛み合い位置および両ロータの歯先の突き合
い位置にそれぞれ設けられたクリアランス(t/2)
は、両ロータが組み合わせた状態とすることにより両ロ
ータの歯先の突き合い位置に移行して併合され、チップ
クリアランスtとして作用する。
【0018】本発明のオイルポンプロータにおいては、
インナーロータの歯先の歯形がアウターロータの歯溝の
歯形よりも僅かに小さく、かつインナーロータの歯溝の
歯形がアウターロータの歯先の歯形よりも僅かに大きく
なるようにインナーロータ、アウターロータが構成され
るので、バックラッシュが適切な大きさに設定されると
ともにチップクリアランスが適切な大きさに設定され、
これによってチップクリアランスを小さく維持したまま
でバックラッシュを従来に比べて大きく確保できるよう
になり、流体の圧力脈動が生じ難くなるとともに両ロー
タの歯面間の摺動抵抗が低減される。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るオイルポンプロータ
の第1の実施形態を図に示して説明する。図1に示すオ
イルポンプは、n(nは自然数、本実施形態においては
n=10)枚の外歯が形成されたインナーロータ10
と、各外歯と噛み合うn+1枚の内歯が形成されたアウ
ターロータ20とを備え、これらインナーロータ10と
アウターロータ20とがケーシング30の内部に収納さ
れている。
【0020】インナーロータ10、アウターロータ20
の歯面間には、両ロータ10、20の回転方向に沿って
セルCが複数形成されている。各セルCは、両ロータ1
0、20の回転方向前側と後側で、インナーロータ10
の外歯11とアウターロータ20の内歯21とがそれぞ
れ接触することによって個別に仕切られ、かつ両側面を
ケーシング30によって仕切られており、これによって
独立した流体搬送室を形成している。そして、セルCは
両ロータ10、20の回転に伴って回転移動し、1回転
を1周期として容積の増大、減少を繰り返すようになっ
ている。
【0021】インナーロータ10は、回転軸に取り付け
られて軸心Oiを中心として回転可能に支持されてお
り、インナーロータ10の基礎円Biに外接してすべり
なく転がる第1外転円Eiによって創成される外転サイ
クロイド曲線を歯先の歯形とし、基礎円Biに内接して
すべりなく転がる第1内転円Hiによって創成される内
転サイクロイド曲線を歯溝の歯形として形成されてい
る。
【0022】アウターロータ20は、軸心Ooをインナ
ーロータ10の軸心Oiに対して偏心(偏心量:e)さ
せて配置され、軸心Ooを中心としてケーシング30の
内部に回転可能に支持されており、アウターロータ20
の基礎円Boに外接してすべりなく転がる第2外転円Eo
によって創成される外転サイクロイド曲線を歯溝の歯形
とし、基礎円Boに内接してすべりなく転がる第2内転
円Hoによって創成される内転サイクロイド曲線を歯先
の歯形として形成されている。
【0023】ここで、インナーロータ10の基礎円Bi
の直径をbi、第1外転円Eiの直径をDi、第1内転円
iの直径をdi、アウターロータ20の基礎円Boの直
径をbo、第2外転円Eoの直径をDo、第2内転円Ho
直径をdoとするとき、インナーロータ10とアウター
ロータ20との間には次の関係式が成り立つ。なお、こ
こでは寸法単位をmm(ミリメートル)とする。
【0024】まず、インナーロータ10について、第1
外転円Eiおよび第1内転円Hiの転がり距離が1周で閉
じなければならない、つまり第1外転円Eiおよび第1
内転円Hiの転がり距離が基礎円Biの円周に等しくなけ
ればならないことから、 π・bi=n・π・(Di+di) すなわち bi=n・(Di+di) …(Ia) 同様に、アウターロータ20について、第2外転円Eo
および第2内転円Hoの転がり距離が基礎円Boの円周に
等しくなければならないことから、 π・bo=(n+1)・π・(Do+do) すなわち bo=(n+1)・(Do+do) …(Ib) 次に、インナーロータ10とアウターロータ20とが噛
み合うことから、 Di+di=Do+do=2e …(II) 上記の式(Ia)、(Ib)、(II)から、 (n+1)・bi=n・bo …(III) の関係を満たしている。
【0025】さらに、両ロータ10、20の噛み合い位
置から半回転進んだ位置において外歯11の歯先と内歯
21の歯先とが対峙するときに両歯先間に設けられる間
隙、すなわちチップクリアランスの大きさをtとすると
き、 Di+t/2=Do …(IV) di−t/2=do …(V) (Do>Di,di>do)の関係を満たし、かつtの値が 0.03mm≦t≦0.25mm …(VI) の範囲に設定されたうえでインナーロータ10およびア
ウターロータ20が構成されている。(図1はDi
2.9865mm、di=4.6585mm、t=0.
12mmとして構成されたインナーロータ10およびア
ウターロータ20を示す。)
【0026】ケーシング30には、両ロータ10、20
の歯面間に形成されるセルCのうち、容積が増大過程に
あるセルCに沿って円弧状の吸入ポート(図示せず)が
形成されているとともに、容積が減少過程にあるセルC
に沿って円弧状の吐出ポート(図示せず)が形成されて
いる。
【0027】セルCは、外歯11と内歯21との噛み合
いの過程の途中において容積が最小となった後、吸入ポ
ートに沿って移動するときに容積を拡大させて流体を吸
入し、容積が最大となった後、吐出ポートに沿って移動
するときに容積を減少させて流体を吐出するようになっ
ている。
【0028】ところで、上記のように構成されたオイル
ポンプロータにおいては、上記式(IV)、(V)の関係
を満たすことにより、インナーロータ10の歯先の歯形
がアウターロータ20の歯溝の歯形よりも僅かに小さ
く、かつインナーロータ10の歯溝の歯形がアウターロ
ータ20の歯先の歯形よりも僅かに大きくなるようにイ
ンナーロータ10、アウターロータ20が構成されてい
る。これにより、バックラッシュが適切な大きさに設定
されるとともにチップクリアランスが適切な大きさに設
定され、チップクリアランスを小さく維持したままでバ
ックラッシュが従来に比べて大きく確保されており、流
体の圧力脈動が生じ難くなるとともに両ロータの歯面間
の摺動抵抗が低減されている。
【0029】そこで、このことをふまえたうえで、 t<0.03mm …(VII) の範囲を満たしてtの値を設定しインナーロータ10と
アウターロータ20とを構成したとすると、チップクリ
アランスが狭過ぎるために、容積が減少過程にあるセル
Cから絞り出される流体に圧力脈動が生じてキャビテー
ション雑音が発生しポンプの運転音が大きくなるととも
に、圧力脈動によって両ロータの回転が円滑に行われな
くなってしまう。
【0030】しかも、両ロータが噛み合う過程では、外
歯11の荷重のかかる歯面の後方に位置する反対側の歯
面と内歯21の歯面との間にできる間隙、すなわちバッ
クラッシュが狭過ぎるために、両ロータの噛み合い点以
外でも歯面間に摺動抵抗を生じるようになるため、イン
ナーロータ10がアウターロータ20を回転させるため
の駆動トルクが増大してオイルポンプ自体の機械効率が
低下してしまうばかりか、両ロータの歯面の摩耗が激し
くなって耐久性の低下が起こり得る。
【0031】一方、 t>0.25mm …(VIII) の範囲を満たしてtの値を設定しインナーロータ10と
アウターロータ20とを構成したとすると、チップクリ
アランスが広くなって流体の圧力脈動が生じなくなり運
転音が低減するとともに、バックラッシュが広がって摺
動抵抗が減少し機械効率が向上するが、その反面、チッ
プクリアランスが広くなることで個々のセルCにおける
液密性が損われてしまい、ポンプ性能、特に容積効率を
悪化させてしまう。しかも、正確な噛み合い位置での駆
動トルクの伝達が行われなくなり回転の損失が大きくな
るためにやはり機械効率が低下してしまう。
【0032】図2は、tの値と、ポンプの機械効率ζお
よび容積効率ηとの関係を示すグラフである。このグラ
フによると、上記式(VII)を満たす範囲では、容積効
率ηは高く安定するものの、tが小さくなるほど機械効
率ζが非常に低い値を示すことが解る。また、上記式
(VIII)を満たす範囲では、tが大きくなるほど機械効
率ζ、容積効率ηともに低い値を示すことが解る。さら
にグラフから、より好適なtの値は、 0.05mm≦t≦0.20mm を満たす範囲に含まれ、最も好適なtの値は0.12付
近であることが解る。ることが解る。
【0033】したがって、グラフからも解るように上記
式(VI)を満たしてインナーロータ10とアウターロー
タ20とを構成すれば、バックラッシュが適切な大きさ
に設定されるとともにチップクリアランスが適切な大き
さに設定され、チップクリアランスを小さく維持したま
までバックラッシュを従来に比べて大きく確保すること
ができ、流体の圧力脈動が生じ難くなるとともに両ロー
タの歯面間の摺動抵抗が低減されるので、ポンプの運転
音を低く抑えつつ、容積効率が高くポンプ性能に優れ、
かつ駆動トルクが小さく機械効率に優れたオイルポンプ
を実現することができる。
【0034】次に、本発明に係るオイルポンプロータの
第2の実施形態を図に示して説明する。図3に示すオイ
ルポンプは、m(mは自然数、本実施形態においてmは
10)枚の外歯111が形成されたインナーロータ11
0と、各外歯と噛み合うm+1枚の内歯121が形成さ
れたアウターロータ120とを備え、これらインナーロ
ータ110とアウターロータ120とがケーシング13
0の内部に収納されている。
【0035】ここで、第1の実施形態と同様に、インナ
ーロータ110の軸心Oiに対するアウターロータ12
0の軸心Ooの偏心量をe、インナーロータ110の基
礎円Biの直径をbi、第1外転円Eiの直径をDi、第1
内転円Hiの直径をdi、アウターロータ120の基礎円
oの直径をbo、第2外転円Eoの直径をDo、第2内転
円Hoの直径をdoとしたとき、インナーロータ110と
アウターロータ120との間には次の関係式が成り立
つ。
【0036】まず、インナーロータ110について、 bi=m・(Di+di) …(IXa) 同様に、アウターロータ120について、 bo=(m+1)・(Do+do) …(IXb) 次に、インナーロータ110とアウターロータ120と
が噛み合うことから、 Di+di=Do+do=2e …(X) 上記の式(IXa)、(IXb)、(X)から、 (m+1)・bi=m・bo …(XI)
【0037】さらにインナーロータ110およびアウタ
ーロータ120は、第2外転円Eoの直径Doに対する第
1外転円Eiの直径Diの比を示す値が、 0.850≦Di/Do≦0.995 …(XII) の範囲を満して構成されている。(図4はDi/Doの値
を0.95として構成されたインナーロータ110およ
びアウターロータ120を示す。)
【0038】上記のように構成されたオイルポンプロー
タにおいては、両ロータの噛み合いの関係を考慮して、
インナーロータ110の歯先の歯形がアウターロータ1
20の歯溝の歯形よりも大きくなる、すなわちDi/Do
の値が1以上となることはなく、Di/Doの値が1より
も小さい値をとるように設計されている。
【0039】そこで、このことをふまえたうえで、 Di/Do>0.995 …(XIII) の範囲を満たしてインナーロータ110とアウターロー
タ120とを構成したとすると、インナーロータ110
の歯先とアウターロータ120の歯先との間隙、チップ
クリアランスが狭くなり過ぎ、容積が減少過程にあるセ
ルCから絞り出される流体に圧力脈動が生じてキャビテ
ーション雑音が発生しポンプの運転音が大きくなるとと
もに、圧力脈動によって両ロータの回転が円滑に行われ
なくなってしまう。
【0040】しかも、両ロータが噛み合う過程では、外
歯111の荷重のかかる歯面の後方に位置する反対側の
歯面と内歯121の歯面との間にできる間隙、すなわち
バックラッシュが狭くなり過ぎ、両ロータの噛み合い点
以外でも歯面間に摺動抵抗を生じるようになるため、イ
ンナーロータ110がアウターロータ120を回転させ
るための駆動トルクが増大してオイルポンプ自体の機械
効率が低下してしまうばかりか、両ロータの歯面の摩耗
が激しくなって耐久性の低下が起こり得る。
【0041】一方、 Di/Do<0.850 …(XIV) の範囲を満たしてインナーロータ110とアウターロー
タ120とを構成したとすると、チップクリアランスが
広くなって流体の圧力脈動が生じなくなり運転音が低減
するとともに、バックラッシュが広がって摺動抵抗が減
少し機械効率が向上するが、その反面、チップクリアラ
ンスが広くなることで個々のセルCにおける液密性が損
われてしまい、ポンプ性能、特に容積効率を悪化させて
しまう。
【0042】図4は、Di/Doの値と、ロータを回転さ
せるために必要な駆動トルクTおよびポンプの容積効率
ηとの関係を示すグラフである。このグラフによると、
上記式(XIII)の範囲では、容積効率ηは高く安定する
ものの、Di/Doの値が大きくなるほど駆動トルクTが
急激に増加することが解る。また、上記式(XIV)の範
囲では、駆動トルクTは低く安定するものの、Di/Do
の値が小さくなるほど容積効率ηが急激に低下すること
が解る。
【0043】さらにグラフから、より好適なDi/Do
値は、 0.95≦Di/Do≦0.99 の範囲に含まれ、最も好適なDi/Doの値は0.95で
あることが解る。
【0044】したがって、グラフからも解るように上記
式(XII)を満してインナーロータ110とアウターロ
ータ120とを構成すれば、バックラッシュが適切な大
きさに設定されるとともにチップクリアランスが適切な
大きさに設定され、チップクリアランスを小さく維持し
たままでバックラッシュを従来に比べて大きく確保する
ことができ、流体の圧力脈動が生じ難くなるとともに両
ロータの歯面間の摺動抵抗が低減されるので、ポンプの
運転音を低く抑えつつ、容積効率が高くポンプ性能に優
れ、かつ駆動トルクが小さく機械効率に優れたオイルポ
ンプを実現することができる。
【0045】図5は、Di/Doの値を0.984として
構成されたインナーロータ110およびアウターロータ
120を備えるオイルポンプを示している(インナーロ
ータ110の歯数mは11)。このオイルポンプロータ
においては、チップクリアランスおよびバックラッシュ
が小さめに設定されており、図4のグラフからも解るよ
うに、駆動トルクの低減よりも容積効率の向上に重点が
おかれたものといえる。このようにDi/Doの値は、オ
イルポンプに求められる特性を十分考慮して適宜選択す
ることが望ましい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のオ
イルポンプロータによれば、インナーロータが、その基
礎円に外接してすべりなく転がる第1外転円によって創
成される外転サイクロイド曲線を歯先の歯形とし、基礎
円に内接してすべりなく転がる第1内転円によって創成
される内転サイクロイド曲線を歯溝の歯形として形成さ
れ、アウターロータが、その基礎円に外接してすべりな
く転がる第2外転円によって創成される外転サイクロイ
ド曲線を歯溝の歯形とし、基礎円に内接してすべりなく
転がる第2内転円によって創成される内転サイクロイド
曲線を歯先の歯形として形成されるものとし、インナー
ロータの基礎円の直径をbi、第1外転円の直径をDi
第1内転円の直径をdi、アウターロータの基礎円の直
径をbo、第2外転円の直径をDo、第2内転円の直径を
o、インナーロータとアウターロータとの偏心量をe
とするとき、 bi=n・(Di+di),bo=(n+1)・(Do
o) Di+di=Do+do=2e (n+1)・bi=n・boo>Di,di>do の関係を満たしてインナーロータとアウターロータとを
構成することにより、インナーロータの歯先の歯形がア
ウターロータの歯溝の歯形よりも僅かに小さく、かつイ
ンナーロータの歯溝の歯形がアウターロータの歯先の歯
形よりも僅かに大きくなるようにインナーロータ、アウ
ターロータが構成されるので、両ロータの噛み合いの関
係が良好に保たれて円滑な回転を得ることができる。
【0047】請求項2記載のオイルポンプロータによれ
ば、チップクリアランスの大きさをtとするとき、 Di+t/2=Do,di−t/2=do の関係を満たしてインナーロータとアウターロータとを
構成することにより、常に所定の大きさのチップクリア
ランスを確保することができる。
【0048】請求項3記載のオイルポンプロータによれ
ば、 0.03mm≦t≦0.25mm の範囲に設定したうえでインナーロータとアウターロー
タとを構成することにより、バックラッシュが適切な大
きさに設定されるとともにチップクリアランスが適切な
大きさに設定され、チップクリアランスを小さく維持し
たままでバックラッシュを従来に比べて大きく確保する
ことができる。これにより、流体の圧力脈動が生じ難く
なるとともに両ロータの歯面間の摺動抵抗が低減される
ので、ポンプの運転音を低く抑えつつ、容積効率が高く
ポンプ性能に優れ、かつ駆動トルクが小さく機械効率に
優れたオイルポンプを実現することができる。
【0049】請求項4記載のオイルポンプロータによれ
ば、 0.850≦Di/Do≦0.995 を満たしてインナーロータとアウターロータとを構成す
ることにより、バックラッシュが適切な大きさに設定さ
れるとともにチップクリアランスが適切な大きさに設定
され、チップクリアランスを小さく維持したままでバッ
クラッシュを従来に比べて大きく確保することができ
る。これにより、流体の圧力脈動が生じ難くなるととも
に両ロータの歯面間の摺動抵抗が低減されるので、ポン
プの運転音を低く抑えつつ、容積効率が高くポンプ性能
に優れ、かつ駆動トルクが小さく機械効率に優れたオイ
ルポンプを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るオイルポンプロータの第1の実
施形態を示す図であって、インナーロータとアウターロ
ータとが、 Di+t/2=Doi−t/2=do の関係を満たし、さらにtの値が t=0.12mm に設定されて構成されたオイルポンプロータを備えるオ
イルポンプを示す平面図である。
【図2】 tの値を任意に選択した場合、その値を採用
して構成されたインナーロータとアウターロータとを備
えるオイルポンプの機械効率ζおよびポンプの容積効率
ηを示すグラフである。
【図3】 本発明に係るオイルポンプロータの第2の実
施形態を示す図であって、インナーロータとアウターロ
ータとが、 0.850≦Di/Do≦0.995(Di/Do=0.9
5) を満たして構成されたオイルポンプロータを備えるオイ
ルポンプを示す平面図である。
【図4】 Di/Doの値を任意に選択した場合、その値
を採用して構成されたインナーロータとアウターロータ
とを備えるオイルポンプの駆動トルクTおよびポンプの
容積効率ηを示すグラフである。
【図5】 本発明に係るオイルポンプロータの他の実施
形態を示す図であって、インナーロータとアウターロー
タとが、 0.850≦Di/Do≦0.995(Di/Do=0.9
84) を満たして構成されたオイルポンプロータを備えるオイ
ルポンプを示す平面図である。
【符号の説明】
10 インナーロータ 11 外歯 20 アウターロータ 21 内歯 30 ケーシング Bi インナーロータの基礎円 Bo アウターロータの基礎円 Ei 第1外転円 Hi 第1内転円 Eo 第2外転円 Ho 第2内転円 t チップクリアランス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 n(nは自然数)枚の外歯が形成された
    インナーロータと、該外歯と噛み合うn+1枚の内歯が
    形成されたアウターロータと、流体が吸入される吸入ポ
    ートおよび流体が吐出される吐出ポートが形成されたケ
    ーシングとを備え、両ロータが噛み合って回転するとき
    に両ロータの歯面間に形成されるセルの容積変化により
    流体を吸入、吐出することによって流体を搬送するオイ
    ルポンプに用いられるオイルポンプロータにおいて、 インナーロータが、その基礎円に外接してすべりなく転
    がる第1外転円によって創成される外転サイクロイド曲
    線を歯先の歯形とし、基礎円に内接してすべりなく転が
    る第1内転円によって創成される内転サイクロイド曲線
    を歯溝の歯形として形成され、アウターロータが、その
    基礎円に外接してすべりなく転がる第2外転円によって
    創成される外転サイクロイド曲線を歯溝の歯形とし、基
    礎円に内接してすべりなく転がる第2内転円によって創
    成される内転サイクロイド曲線を歯先の歯形として形成
    されており、 インナーロータの基礎円の直径をbi、第1外転円の直
    径をDi、第1内転円の直径をdi、アウターロータの基
    礎円の直径をbo、第2外転円の直径をDo、第2内転円
    の直径をdo、インナーロータとアウターロータとの偏
    心量をeとするとき、 bi=n・(Di+di),bo=(n+1)・(Do
    o) Di+di=Do+do=2e (n+1)・bi=n・bo かつ、 Do>Di,di>do を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
    れていることを特徴とするオイルポンプロータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオイルポンプロータにお
    いて、 インナーロータの歯先とアウターロータの歯先との間隙
    の大きさをt(≠0)とするとき、 Di+t/2=Do,di−t/2=do を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
    れていることを特徴とするオイルポンプロータ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のオイルポンプロータにお
    いて、 0.03mm≦t≦0.25mm(mm:ミリメート
    ル) の範囲に設定されたうえでインナーロータとアウターロ
    ータとが構成されていることを特徴とするオイルポンプ
    ロータ。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載のオイルポンプロ
    ータにおいて、 0.850≦Di/Do≦0.995 を満たしてインナーロータとアウターロータとが構成さ
    れていることを特徴とするオイルポンプロータ。
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