JPH11264887A - 原子炉核計装システム、このシステムを備えた原子炉出力分布監視システムおよび原子炉出力分布監視方法 - Google Patents

原子炉核計装システム、このシステムを備えた原子炉出力分布監視システムおよび原子炉出力分布監視方法

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JPH11264887A
JPH11264887A JP10067324A JP6732498A JPH11264887A JP H11264887 A JPH11264887 A JP H11264887A JP 10067324 A JP10067324 A JP 10067324A JP 6732498 A JP6732498 A JP 6732498A JP H11264887 A JPH11264887 A JP H11264887A
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reactor
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power distribution
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Atsuji Hirukawa
厚治 蛭川
Shungo Sakurai
俊吾 桜井
Takafumi Naka
隆文 中
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】固定式の原子炉出力分布測定検出器だけを用い
て炉心の軸方向出力分布を正確に精度よく、能率的に算
出し、監視することができる原子炉出力分布監視システ
ムを提供する。 【解決手段】原子炉炉心3に固定式炉内核計装集合体3
2を配置し、この炉内核計装集合体32からの実測デー
タで炉心出力領域の炉出力分布を測定する原子炉核計装
システム30と、炉心現状データ測定手段52からのデ
ータに基き、3次元核熱水力計算コードにより炉心出力
分布を算出する原子炉出力分布算出装置31とを有す
る。原子炉出力分布測定検出器は、炉内核計装集合体3
2を構成し、核計装管33内に固定式中性子検出器集合
体37とガンマサーモメータ44を収容したものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉の炉心現状
データを基に物理モデルを用いて炉心出力分布を算出す
る原子炉出力分布監視システムに係り、特に、炉心軸方
向に配置した複数の固定式中性子検出手段と固定式γ線
発熱検出手段を用いて炉心出力分布を精度よく正確に求
め、信頼性の高い原子炉核計装システム、このシステム
を備えた原子炉出力分布監視システムおよびその出力分
布監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉のうち、例えば沸騰水型原子炉で
は、炉心の出力分布や熱的状態などの炉心性能を、原子
炉出力分布監視システムに備えられたプロセス制御計算
機により監視することが行われている。
【0003】この炉心出力分布や熱的状態の監視の方法
としては、炉心の現状データ測定手段と、測定された炉
心現状データを基にプロセス制御計算機に内蔵する物理
モデル(炉心三次元核熱水力計算コード)により炉心出
力分布を算出し、最大線出力密度(MLHGR)または
最小限界出力比(MCPR)がそれぞれ所定の運転制限
値を満足している事を確認しつつ原子炉運転を行なって
いる。
【0004】図26および図27は、沸騰水型原子炉の
原子炉出力分布監視システムを一般に示すものである。
沸騰水型原子炉は原子炉格納容器1内に原子炉圧力容器
2が格納されており、この原子炉圧力容器2内に炉心3
が収容されている。この炉心3は、複数の燃料集合体4
および制御棒5などが装荷されて構成されている。炉心
3の燃料集合体4に囲まれた位置に炉内核計装集合体6
が設けられている。
【0005】図27に示すように、4体の燃料集合体4
により形成されたコーナーギャップGには炉内核計装集
合体6が配置されており、その核計装管7内に中性子検
出器8が炉心軸方向の数個所に離散的に配置されてい
る。この中性子検出器8は、いわゆる固定式のもので、
沸騰水型原子炉では通常、4個が燃料軸方向の有効部に
等間隔に分散配置されている。
【0006】さらに、核計装管7内に、TIP(Traver
sing In-Core Probe:移動式炉内計装)導管9を配置
し、1個の移動式中性子検出器(TIP)10を軸方向
に移動可能なように設け、図26に示すように、索引装
置11、TIP駆動装置12、ならびにTIP制御装置
およびTIP中性子束信号処理装置13等によって軸方
向に連続的に中性子束を測定する可動型の中性子束測定
系も設置されている。符号14はペネトレーション部、
15はバルブ機構、16は遮蔽容器である。これら中性
子検出器8および10、その(後述する)信号処理装置
13,17等制御装置を含めて、原子炉核計装システム
24と呼ぶ。
【0007】一方、炉内に配置された固定式中性子検出
器(LPRM検出器)8は、いくつかのグループに分け
られて各グループ毎の平均信号(APRM信号)を作
り、炉心3の出力領域の出力レベルを監視している。中
性子束が急上昇するような異常な過渡事象または事故時
に燃料の破損防止または炉心の破損防止のために制御棒
駆動機構等の原子炉停止系(図示せず)を急速にスクラ
ム動作させる原子炉の安全保護系を構成する。
【0008】ところで、固定式の中性子検出器8は、中
性子照射等により感度変化が個別に生じるので、運転中
に一定期間毎に各中性子検出器8の感度を較正するため
にTIP(移動式中性子検出器)10を操作して、炉心
軸方向の連続的な出力分布を得ると共に、各中性子検出
器8の感度変化を、出力領域検出器信号処理装置17の
利得調整機能によって補正する。
【0009】また、TIP10で得られた中性子束信号
は、原子炉核計装システム24を構成するTIP中性子
束信号処理装置13で炉心軸方向位置と対応した中性子
束信号として処理され、原子炉出力分布算出装置18
(通常、原子力発電所の運転監視用プロセス制御計算機
の内の1台または複数台にプログラムとして内蔵されて
いる。)において、3次元核熱水力計算時の参照出力分
布として読み込まれる。原子炉出力分布算出装置18
は、出力分布算出モジュール19と出力分布学習モジュ
ール20と入出力装置21とを備えている。
【0010】一方、原子炉の炉心現状データ測定手段と
しての現状データ測定器22から得られる制御棒パター
ン、炉心流量、原子炉ドーム圧力、その他各種の炉心現
状データから得られる原子炉熱出力、炉心入口冷却材温
度等のプロセス量を読み込み、現状データ処理装置23
でデータ処理され、原子炉出力分布算出装置18に送ら
れる。現状データ測定器22は実際には複数の監視機器
で構成され、原子炉の各種運転パラメータのプロセスデ
ータを収集する装置の総称であるが、図26には簡単化
のために1つの測定器として例示している。また、現状
データ処理装置23はプロセス制御計算機あるいはその
一部で構成しており、データ処理された炉心現状プロセ
ス量は、出力分布算出装置18に送られ、プロセス制御
計算機に内蔵された3次元核熱水力計算コードにより出
力分布算出モジュール19で炉心出力分布を計算し、そ
の計算結果を出力分布学習モジュール20に送って前記
参照出力分布で学習させて補正し、以後の出力分布予測
計算において原子炉出力分布を精度よく算出している。
【0011】また、従来の炉内核計装集合体6におい
て、移動式中性子検出器10に代えて、図28の一部切
欠き斜視図に示すように、移動式γ線検出器10Aを炉
心軸方向に移動させてγ線束を炉心軸方向に連続的に測
定するものもある。γ線は原子炉炉心3での核分裂量に
比例して発生するので、そのγ線束を測定することによ
り近傍の核分裂量を測定することができる。
【0012】移動式の中性子検出器10やγ線検出器1
0Aを用いることにより、炉心軸方向に配置される複数
の中性子検出器8個々の検出精度のバラツキを較正する
とともに、炉心軸方向に出力分布を連続的に測定するこ
とができるようになっている。
【0013】このように、従来の原子炉核計装システム
においては、炉心3の連続的な軸方向出力分布の測定
は、可動型測定装置である移動式中性子検出器10や移
動式γ線検出器10Aに頼っていた。
【0014】また、従来の原子炉核計装システムとして
特開平6−289182号公報に開示されたものがあ
る。この原子炉核計装システムは、原子炉炉心に炉内核
計装集合体が設けられる。炉内核計装集合体は、核計装
管内に固定式中性子検出器集合体と固定式ガンマサーモ
メータとを収容して構成されるが、固定式ガンマサーモ
メータはγ線発熱検出器を炉心軸方向に多数分散配置さ
れる。γ線発熱検出器は炉心軸方向中央部で間隔を粗
に、炉心軸方向端部で密に配置され、上端に位置するγ
線発熱検出器は、炉心軸方向燃料有効部の上端から15
cm以内の位置に配置させるようになっており、上記γ線
発熱検出器でγ線束を測定している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従来の原子炉核計装シ
ステムにあっては、炉心軸方向の出力分布の監視を精度
よく行うためには、可動型の中性子検出器10あるいは
γ線検出器10Aが必要であり、固定式の中性子検出器
のみとした場合には、精度の高い炉心軸方向の出力分布
の監視を行うことが困難であるという問題があった。
【0016】一方、可動型の中性子検出器10、あるい
はγ線検出器10Aについては、少なくとも1個の中性
子検出器10あるいはγ線検出器10Aを、炉心3を収
容した原子炉圧力容器2の外部から、TIP導管9内を
炉心3の全長(炉心軸方向長さ)に亘って上下に移動さ
せて測定を行うことから、中性子検出器10やγ線検出
器10Aを移動操作させる機械的駆動操作装置が大型化
し、その構造が複雑で移動操作や保全が繁雑となる支障
があった。特に中性子検出器10やγ線検出器10Aを
移動操作させる検出器駆動装置12、TIP導管9を選
択する索引装置11、バルブ機構15、遮蔽容器16な
ど機械的駆動操作装置の維持管理が必要で、しかも移動
型検出器10,10Aが放射化されていることから、そ
の保守管理作業は被曝する可能性を伴う作業となってい
た。
【0017】この観点から原子炉核計装システムに移動
型の測定装置を用いないで、原子炉の炉心軸方向出力分
布を監視する方法が模索されている。
【0018】従来の原子炉核計装システムに用いられる
炉内核計装集合体6には、通常4個の固定式中性子検出
器8と1個の移動式中性子検出器(TIP)10あるい
は移動式γ線検出器10Aが備えられるが、このTIP
に代えて固定式のγ線検出器を固定式中性子検出器8と
同様に配置することが検討されている。
【0019】しかし、固定式γ線検出器を炉心軸方向に
4個配設した場合には、炉心3の上部および下部での出
力を測定することができず、また4個の測定データか
ら、炉心3の上部や下部の測定データを外挿したり4個
の測定データから内挿した場合に、炉心軸方向の各部位
間で互いの出力分布変化の挙動が異なるために大きな測
定誤差を生じて精度が悪化する。
【0020】また、沸騰水型原子炉では炉心3に装荷さ
れる燃料集合体4は、各燃料棒間を所要間隔に保つため
に複数の燃料スペーサが燃料集合体4の軸方向に離散的
に存在する。炉心3の軸方向に離散的に燃料スペーサが
存在するノードについては、燃料スペーサによる減速材
の排除効果で中性子束が低下して出力が局所的に低くな
る凹の出力分布となることが予想されるが、従来のプロ
セス制御計算機に内蔵される3次元核熱水力モデルで取
り扱っていない。このため、原子炉出力分布算出装置1
8では、炉心の軸方向出力分布計算による誤差を移動式
検出器の読み値を学習させることによって補正していた
が、移動式検出器を固定式に代えるとその補正情報が得
られなくなり、燃料スペーサが存在するノード部分の出
力評価に誤差が大きく生じる欠点がある。
【0021】このため、原子炉核計装システムに、仮に
固定式の測定装置のみを備えた場合には、炉心軸方向の
出力分布の測定誤差が大きくなることから、原子炉運転
上の制限条件に対して大きな余裕を予め設ける必要があ
り、この結果、原子炉運転に対する裕度が減少して、稼
働率などへの影響を生ずる支障があった。
【0022】また炉心軸方向の出力分布の測定精度を改
善するためには、固定式のγ線検出器を炉心軸方向に多
数を配置することが考えられるが、この場合には、検出
器信号線が増加し、炉内核計装集合体6の核計装管9内
を通過させ得る検出器接続用ケーブル本数の制約から
も、多数のγ線検出器を配置することには限界がある。
【0023】さらに、特開平6−289182号公報に
記載されたように、多数のγ線発熱検出器を配置した原
子炉核計装システムが考慮されているが、この原子炉核
計装システムでは、γ線発熱寄与範囲解析やγ線発熱に
対する知見が充分でなく、上下端のγ線発熱検出器は少
なくとも一方が炉心軸方向燃料有効部の上下端から15
cm以内の位置に配置されているため、燃料有効部上下端
部のγ線発熱量を正確に精度よく検出することが困難で
あった。
【0024】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、可動型の測定装置を不要とし、固定式測定装
置だけを用いて、炉心の軸方向出力分布を正確に精度よ
く、能率的に算出し、監視することができる原子炉出力
分布監視システムおよびその出力分布監視方法を提供す
ることを目的とする。
【0025】本発明の他の目的は、可動型測定装置を不
要として機械的駆動操作装置を省略でき、構造の簡素化
を図るとともに、作業員の被曝作業を不要あるいは軽減
させた原子炉核計装システムおよびその出力分布監視方
法を提供するにある。
【0026】本発明のさらに他の目的は、固定式測定装
置として炉心軸方向ノード数より極力少ない数を軸方向
に配置したγ線発熱検出手段を用いて、燃料スペーサの
存在を考慮した炉心軸方向出力分布を正確に精度よく算
出でき、信頼性の高い原子炉出力分布監視システムおよ
びその出力分布監視方法を提供するにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明に係る原子炉核計
装システムは、上述した課題を解決するために、請求項
1に記載したように、原子炉の炉心に装荷される多数の
燃料集合体間の間隙に複数の炉内核計装集合体を配置
し、上記炉内核計装集合体は、複数個の固定式中性子検
出器を炉心軸方向に分散配置した固定式中性子検出器集
合体と、上記固定式中性子検出器と少なくとも同じ炉心
軸方向位置に固定式γ線発熱検出器を配置した固定式ガ
ンマサーモメータとを有するものである。
【0028】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉核計装システムは、請求項2に記載し
たように、原子炉核計装システムは、出力領域中性子束
測定装置とガンマサーモメータ出力分布測定装置とから
構成され、上記出力領域中性子束測定装置は、原子炉炉
心に配置される固定式中性子検出器集合体とその信号処
理装置とを備える一方、前記ガンマサーモメータ出力分
布測定装置は原子炉炉心に配置される固定式ガンマサー
モメータとその信号処理装置とを備え、前記原子炉核計
装システムの検出器群を炉内核計装集合体に一体的に収
納し、この炉内核計装集合体で各測定点における中性子
束およびγ線発熱を測定したものである。
【0029】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項3に記載
したように、原子炉核計装システムは、細長い長尺棒状
構造の炉内核計装集合体を備え、上記炉内核計装集合体
の固定式中性子検出器集合体に信号ケーブルを介して接
続された出力領域検出器信号処理装置と、上記炉内核計
装集合体の固定式ガンマサーモメータに信号ケーブルを
介して接続されたガンマサーモメータ信号処理装置とを
有するものである。
【0030】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項4に
記載したように、炉内核計装集合体の固定式中性子検出
器集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性
子検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固
定式ガンマサーモメータは上記固定式中性子検出器と炉
心軸方向配置数が同数でかつ同じ炉心軸方向位置に固定
式γ線発熱検出器が配置されたものである。
【0031】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉核計装システムは、請求項5に記載し
たように、炉内核計装集合体の固定式中性子検出器集合
体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子検出
器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定式ガ
ンマサーモメータは、炉心軸方向に(2N−1)個の固
定式γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発熱検
出器の(2N−1)個のうちN個が前記固定式中性子検
出器と同じ炉心軸方向位置に、残りの(N−1)個が前
記固定式中性子検出器間の炉心軸方向中間位置にそれぞ
れ配置されたものである。
【0032】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項6に
記載したように、炉内核計装集合体の固定式中性子検出
器集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性
子検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固
定式ガンマサーモメータは、炉心軸方向に2N個の固定
式γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発熱検出
器の2N個のうちN個が前記固定式中性子検出器と同じ
炉心軸方向位置に、残りの(N−1)個が前記固定式中
性子検出器間の炉心軸方向中間位置に配置され、さらに
残りの1個が前記固定式中性子検出器の最下段位置より
下方の炉心軸方向燃料有効部内に、炉心軸方向有効部端
から15cm以上離れてそれぞれ配置されたものである。
【0033】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項7に記載
したように、炉内核計装集合体の固定式中性子検出器集
合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子検
出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定式
ガンマサーモメータは、炉心軸方向に(2N+1)個の
固定式γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発熱
検出器の(2N+1)個のうちN個が前記固定式中性子
検出器と同じ炉心軸方向位置に、残りの(N−1)個が
前記固定式中性子検出器間の炉心軸方向中間位置に配置
され、さらに残りの1個が前記固定式中性子検出器の最
下段位置より下方の炉心軸方向燃料有効部内に、最後の
1個が前記固定式中性子検出器の最上段位置より上方の
炉心軸方向燃料有効部内に、炉心軸方向燃料有効部端か
ら15cm以上離れてそれぞれ配置されたものである。
【0034】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項8に
記載したように、固定式ガンマサーモメータは、固定式
中性子検出器内の軸方向配置間隔をLとしたとき、固定
式中性子検出器の最下段位置より上方に、L/4の位置
に配置したものである。
【0035】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉核計装システムは、請求項9に記載し
たように、原子炉の炉心を炉心軸方向にノード分割した
とき、固定式中性子検出器の炉心軸方向位置および固定
式γ線発熱検出器の炉心軸方向位置を各ノードの中央に
それぞれ一致させたものである。
【0036】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項10に記
載したように、原子炉の炉心を炉心軸方向にノード分割
したとき、燃料スペーサを炉心軸方向のノード中心に配
置したものである。
【0037】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉核計装システムは、請求項11
に記載したように、固定式中性子検出器集合体を構成す
る各固定式中性子検出器は、同じ炉心軸方向位置に配置
された固定式γ線発熱検出器で較正可能に配置され、各
固定式中性子検出器は同じ炉心軸方向位置のγ線発熱検
出器信号から求められるγ線発熱に換算された量に一致
するように較正されたものである。
【0038】本発明に係る原子炉出力分布監視システム
は、上述した課題を解決するために、請求項12に記載
したように、原子炉炉心の現状データ測定手段からの炉
心現状データに基き、燃料スペーサによるノード出力の
影響を評価した3次元核熱水力計算コードにより中性子
束分布計算を介して炉心出力分布を算出する原子炉出力
分布算出装置と、前記原子炉炉心に配置された固定式の
原子炉核計装システム検出器からの実測データで出力領
域の炉出力分布を測定する原子炉核計装システムとを有
し、前記原子炉出力分布算出装置は、原子炉炉心を炉心
軸方向に複数のノードに分割してノード出力を算出する
一方、燃料スペーサを有するノードについては、燃料ス
ペーサによるノード出力への影響を考慮した出力分布計
算を行なうように設定したものである。
【0039】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉出力分布監視システムは、請求項13
に記載したように、原子炉核計装システムは、固定式中
性子検出器集合体と固定式ガンマサーモメータを核計装
管内に収容した炉内核計装集合体で構成され、上記炉内
核計装集合体は、炉心軸方向に複数個の固定式中性子検
出器が配置される一方、前記固定式ガンマサーモメータ
は、前記固定式中性子検出器と少なくとも同じ炉心軸方
向位置に配置された固定式γ線発熱検出器を備えたもの
である。
【0040】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉出力分布監視システムは、請求項1
4に記載したように、固定式ガンマサーモメータのγ線
発熱検出器のγ線発熱量を求めたいが存在する炉心軸方
向ノードをKとするとき、ノードK以外に上下に隣接す
るノードK−1およびK+1からのγ線発熱量の寄与を
重み相関関数で加算し、各γ線発熱検出器の炉心軸方向
位置におけるγ線発熱量を算出するようにしたものであ
る。
【0041】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る原子炉出力分布監視システムは、請求項15
に記載したように、原子炉出力分布算出装置は、現状デ
ータ測定手段からの炉心現状データを入力し、燃料スペ
ーサによるノード出力の影響を評価した3次元核熱水力
計算コードにより、炉心内の中性子束分布、出力分布、
熱的運転制限値に対する余裕等の炉心出力分布を算出す
る出力分布算出モジュールと、この算出モジュールから
の炉心出力分布計算結果を入力するとともに、この計算
結果を前記原子炉核計装システムからの実測データを参
照し、実測データを反映した炉心出力分布補正量を得る
出力分布学習モジュールと、表示装置を備えた入出力装
置とから構成されたものである。
【0042】また、本発明に係る原子炉出力分布監視方
法は、上述した課題を解決するために、請求項16に記
載したように、炉心現状データ測定手段からの炉心現状
データを原子炉出力分布算出装置に入力し、この原子炉
出力分布算出装置で、燃料スペーサによるノード出力の
影響を評価した3次元核熱水力計算コードを用いて中性
子束分布計算を介して炉心出力分布を計算し、計算した
炉心出力分布の結果からガンマ線発熱量のシミュレーシ
ョン計算を得、この計算値と原子炉核計装システムから
のガンマ線発熱量の測定値との差分を出力分布学習モジ
ュールで所要の測定位置毎に差分補正量として求め、さ
らに軸方向に差分補正量を内外挿して各軸方向ノードの
差分補正量を得、この差分補正量に適合するように前記
計算した炉心出力分布または中性子束分布を核計装管周
囲の各ノードに比例配分で補正して炉心出力分布を補正
算出し、監視する方法である。
【0043】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る原子炉出力分布監視方法は、請求項17に
記載したように、3次元核熱水力計算コードを用いて炉
心出力分布を計算する際、既知の炉心軸方向ノード位置
に設置された燃料スペーサによる中性子束の局所的な歪
みを考慮したノード出力から炉心出力分布を求める方法
である。
【0044】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉出力分布監視方法は、請求項1
8に記載したように、原子炉炉心に装荷される燃料を炉
心軸方向に複数のノードに分割したとき、全ノード数よ
り少ない炉心軸方向ノード位置のガンマ線発熱量を固定
式ガンマサーモメータで測定する方法である。
【0045】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る原子炉出力分布監視方法は、請求項1
9に記載したように、固定式ガンマサーモメータの各ガ
ンマ線発熱検出器を、炉心軸方向に分散配置された固定
式中性子検出器と少なくとも同じ炉心軸方向位置に配置
し、ガンマ線発熱検出器の読み値で固定式中性子検出器
の出力レベル調整を行なう方法である。
【0046】また、本発明に係る原子炉出力分布監視方
法は、上述した課題を解決するために、請求項20に記
載したように、固定式ガンマサーモメータは、γ線発熱
検出器が存在する炉心軸方向ノードをKとするとき、上
下に隣接するノードK−1およびK+1からのγ線発熱
量の寄与を重み相関関数で加算し、各γ線発熱検出器の
炉心軸方向位置におけるγ線発熱量を算出するようにし
たものである。
【0047】
【発明の実施の形態】本発明に係る原子炉核計装システ
ムおよび、このシステムを備えた原子炉出力分布監視シ
ステムの実施の形態について添付図面を参照して説明す
る。
【0048】図1は、本発明に係る原子炉出力分布監視
システムの一実施形態を示す系統図である。この原子炉
出力分布監視システムは、沸騰水型原子炉に適用され、
検出器および信号処理装置で構成された原子炉核計装シ
ステム30と炉心の出力分布を算出する原子炉出力分布
算出装置31とを備える。原子炉出力分布算出装置31
は、プロセス制御計算機の一部であり、炉心性能監視を
行うようになっている。
【0049】一方、沸騰水型原子炉は、原子炉格納容器
1内に原子炉圧力容器2が格納されており、この原子炉
圧力容器2内に炉心3が収容される。炉心3は、減速材
を兼ねる冷却材で冷却されるようになっている。炉心3
には多数の燃料集合体4が図2および図3に示すように
装荷される。多数の燃料集合体4は、4体ずつが組をな
し、4体一組の燃料集合体4間に横断面十字状の制御棒
5が下方から出し入れ可能に装荷される。
【0050】4体一組の燃料集合体4を多数組装荷して
構成される炉心3内に原子炉核計装システムの検出器を
構成する炉内核計装集合体32が複数設けられる。炉内
核計装集合体32は、制御棒5の配置位置とは異なる位
置に配置され、図2および図3に示すように、4体の燃
料集合体4間に形成されるコーナ水ギャップGに配置さ
れる。炉内核計装集合体32は、細長い長尺管状の核計
装管33を備え、この核計装管33内に固定式中性子検
出手段である中性子検出器34および固定式γ検出手段
であるγ線発熱検出器35がそれぞれ複数個ずつ軸方向
に離散的に収容される。
【0051】固定式中性子検出器34は、核計装管33
内で、炉心軸方向の数箇所にLPRM検出器として等間
隔をおいて離散的あるいは分散的に配置され、中性子検
出器集合体(LPRM)37が構成される。固定式中性
子検出器34は沸騰水型原子炉では炉心3の燃料有効部
に通常4個が炉心軸方向に等間隔をおいて分散配置さ
れ、各中性子検出器34は信号ケーブル38によりペネ
トレーション部39を貫通して信号処理装置40に電気
的に接続され、出力領域中性子束測定系41が構成され
る。
【0052】また、核計装管33には炉心軸方向に離散
的に複数の固定式γ線発熱検出器35がガンマサーモメ
ータとして配置され、ガンマ線発熱量を測定している。
このγ線発熱検出器35は固定式中性子検出器34の炉
心軸方向個数と同数以上の個数、例えば8個を炉心軸方
向に有してγ線発熱検出器集合体44がガンマサーモメ
ータ44として構成される。ガンマサーモメータ44の
各γ線発熱検出器35は、信号ケーブル45によりペネ
トレーション部46を貫通してガンマサーモメータ信号
処理装置48に電気的に接続されてガンマサーモメータ
出力分布測定系50が構成される。
【0053】前記出力領域中性子測定系41とガンマサ
ーモメータ出力分布測定系50とから原子炉核計装シス
テム30が構成される。この原子炉核計装システム30
の検出器群を炉内核計装集合体32が収納しており、炉
内核計装集合体32は、炉心3内に予め設定された固定
の測定点において、中性子束とγ線発熱量を測定するよ
うになっている。
【0054】原子炉核計装システム30は、移動式中性
子検出器や移動式のγ線検出器が不要となるので、従来
の原子炉核計装システムに備えられる機械式駆動操作装
置が省略できる。したがって、原子炉核計装システム3
0の構造を簡素化することができる一方、この核計装シ
ステム30は可動部分が不要となるので、メンテナンス
フリー化を図ることが可能となり、作業員の被曝作業を
不要あるいは大幅に軽減させることができる。
【0055】また、原子炉圧力容器2内または図示しな
い一次系配管には、例えば冷却材炉心流量(または近似
的な再循環流量)、炉心圧力と冷却材入口温度、および
制御棒駆動装置における制御棒位置などの炉心プロセス
データを測定する炉心現状データ測定器52が設置され
る。炉心現状データ測定器52は、図1では1つの測定
器のように簡略化して図示しているが、実際には、複数
の炉心プロセスデータを測定あるいは監視する複数の測
定機器で構成される炉心現状データ測定手段である。
【0056】炉心現状データ測定器52はペネトレーシ
ョン部53を貫通する信号ケーブル54を介して現状デ
ータ処理装置55に接続され、プロセスデータ測定系5
6が構成される。プロセスデータ測定系56の現状デー
タ処理装置55は、専用の独立装置ではなくプロセス制
御計算機あるいはその一部として構成してもよい。この
意味でプロセスデータ測定系56は原子炉炉心出力分布
算出装置31を構成するプロセス計算機に備えられる。
このプロセスデータ測定系56は、検出器および信号処
理装置の概念から原子炉核計装システム30の一部を構
成するようにしてもよい。
【0057】さらに、プロセスデータ測定系56、出力
領域中性子束測定系41およびガンマサーモメータ出力
分布測定系50は原子炉出力分布算出装置31に電気的
に接続され、各信号処理装置40,48,55で処理さ
れた信号が原子炉出力分布算出装置31の出力分布算出
モジュール58に入力される。原子炉出力分布算出装置
31は炉心内の中性子束分布、出力分布、熱的運転制限
値に対する余裕等を算出する出力分布算出モジュール5
8と、出力分布算出モジュール58からの計算結果を入
力して補正し、実測プロセスデータを反映した炉心出力
分布を得る出力分布学習モジュール59と、表示装置を
備えた入出力装置60とから構成される。
【0058】原子炉出力分布算出装置31には、ガンマ
サーモメータとしてのγ線発熱検出器35からの検出信
号(γ線発熱測定信号)S1 と、中性子検出器34から
の中性子束検出信号S2 と、炉心現状データ測定器52
からの炉心現状データ検出信号S3 とが出力分布算出装
置31に入力される。
【0059】出力分布算出装置31の出力分布算出モジ
ュール58は、炉心現状データ信号S3 を入力してプロ
セス制御計算機が内蔵する物理モデルを使用して3次元
核熱水力計算コードにより演算処理し、炉心3内の中性
子束分布、出力分布、熱的運転制限値に対する余裕等を
算出するようになっている。この物理モデルは燃料スペ
ーサによるノード出力の影響を考慮したスペーサモデル
であり、この物理モデルを使用して算出された計算結果
は、出力分布補正モジュールとしての出力分布学習モジ
ュール59に入力され、この学習モジュール59では物
理モデルをベースとした出力分布計算結果を、γ線発熱
測定信号S1 を参照して補正し、出力分布算出モジュー
ル58に戻し、このモジュール58で実測データを反映
した信頼性の高い炉心出力分布および熱的制限値に対す
る評価を行なうようになっている。
【0060】ところで、炉内核計装集合体32は、図1
乃至図3に示すように、原子炉核計装システム30を構
成し、固定式の核分裂電離箱(中性子検出手段)として
の中性子検出器集合体である局所出力領域モニタ系(L
PRM)37と、固定式ガンマ線検出手段としてのγ線
発熱検出器集合体であるガンマサーモメータ44とを組
み合せて核計装管33内に一体的に配置したもので、原
子炉の炉心部3に上下方向に延設状態で配設される。
【0061】LPRM37はN個(N≧4)、例えば4
個の固定式の中性子検出器34を軸方向に等間隔をおい
て離散的に有し、ガンマサーモメータ44は例えば8個
あるいは9個のガンマ(γ)線発熱検出器35を軸方向
に離散的に備える。LPRM37の各中性子検出器34
およびガンマサーモメータ44の各ガンマ線発熱検出器
35は核計装管33内に収容される一方、この核計装管
33内を冷却材が上方に向って流れるように案内される
ようになっている。
【0062】図2および図3には、炉心軸方向の燃料有
効部Hに8個のγ線発熱検出器35を配置したガンマサ
ーモメータ44の例が示されている。各γ線発熱検出器
35の炉心軸方向への配置間隔は、LPRM37の各中
性子検出器34の炉心軸方向配置間隔を考慮して定めら
れる。
【0063】具体的には、LPRM37の各中性子検出
器34間の軸方向距離間隔をLとすると、ガンマサーモ
メータ44は、各γ線発熱検出器35の内の4個が固定
式中性子検出器34と同じ軸方向位置に、3個が各中性
子検出器34の中間位置にL/2間隔で、最下段のγ線
発熱検出器35は、最下段の中性子検出器34から下方
にL/4〜L/2の距離であって燃料有効部下端から1
5cm以上の燃料有効部内に、それぞれの軸方向中心がく
るように配置される。最上段の中性子検出器34より上
方にγ線発熱検出器35を設置した場合には、このγ線
発熱検出器35は、最上段の中性子検出器34から上方
にL/4〜L/2の距離であって燃料有効部上端から1
5cm以上の下方の燃料有効部内にくるように配置され
る。
【0064】最下段のγ線発熱検出器35は、燃料有効
長内でできる限り下端近く配置するため、燃料有効長
(現在約371cm)を例えば炉心軸方向に24ノードに
区分した場合、下から2番目の炉心軸方向ノードの軸方
向ほぼ中心にγ線発熱検出器35の中心位置が来るよう
に配置するのが好ましい。このように配置すると、ガン
マサーモメータ44のγ線発熱検出器35で炉心下端側
のγ線発熱が検出可能で、且燃料有効長を炉心軸方向に
出来るだけ広く下端側に測定出来る。これは、最下端の
ノードは中性子の漏洩で出力が元々低く、γ線発熱検出
器35の感度が低い事、さらに、γ線発熱検出器35へ
のガンマ線の寄与範囲が、後述するように、15cm以上
ある事から燃料有効長下端から15cm以上離さないと、
他の炉心軸方向位置のγ線発熱検出器35が軸方向上下
からのγ線の加熱効果を測定しているのに対し、最下端
のγ線発熱検出器35は上方からのγ線発熱寄与のみを
検出して、出力測定の相関式が異なる事を避けるためで
ある。
【0065】また、最近の燃料集合体4の軸方向設計で
は最下端のノードは天然ウランブランケットを使用して
いる事が多いので、この出力の低い天然ウランブランケ
ット部を測定しても、ガンマサーモメータ44の出力信
号が極めて低く、最下段の中性子検出器34よりも下方
で出力分布を内外挿する意味が無くなるためである。
【0066】ところで、ガンマサーモメータ(GT)4
4は図4および図5に示す長尺の棒状構造を有する。
【0067】ガンマサーモメータ44は、直径が例えば
8mmφ程度の細長い長尺ロッド状センサアッセンブリで
あり、炉心軸方向の燃料有効長をほぼカバーする長さを
有する。
【0068】ガンマサーモメータ44は、金属製ジャケ
ットとして例えばステンレス鋼で形成されたカバーチュ
ーブ62内に金属製長尺ロッド状のコアチューブ63が
収容され、カバーチューブ62をコアチューブ63にか
しめ、焼き嵌めあるいは冷し嵌め等で固定している。カ
バーチューブ62とコアチューブ63との間には断熱部
を構成するスリーブ状あるいは環状の空隙部64が形成
され、この環状空隙部64は、軸方向に間隔をおいて複
数個、例えば8個または9個離散的に配置される。環状
空隙部64はコアチューブ63の外表面を周方向に沿っ
て切り欠くことにより形成され、この環状空隙部64内
に熱伝導の低いガス、例えばArガスが封入される。環
状空隙部64はジャケットチューブであるカバーチュー
ブ62側に形成してもよい。
【0069】また、環状空隙部64の形成位置にγ線発
熱検出器35が設けられ、ガンマサーモメータ44のセ
ンサ部を構成している。コアチューブ63は中心部を軸
方向に貫通する内部孔65を有し、この内部孔65にM
Iケーブル化されたケーブルセンサ組立体66がろう付
けまたはかしめ等で固定される。
【0070】ケーブルセンサ組立体66は、中心部にガ
ンマサーモメータ44の較正用棒状発熱体としての内蔵
ヒータ67と複数の温度センサとしての差動型熱電対
(サーモカップル)68を備える。内蔵ヒータ67およ
び各熱電対68は、電気絶縁層または金属/金属合金充
填材69で固められて金属被覆管70内に一体に収容さ
れ、金属被覆管70は外面、内面とも密着する。また、
内蔵ヒータ67は例えばシーズヒータで形成され、ヒー
タ線72が電気絶縁層73を介して、金属被覆管74で
被覆され、一体化される。各熱電対68も同様に熱電対
素線75が電気絶縁層76を介して金属被覆管77で被
覆され、一体化している。
【0071】コアチューブ63の内部孔65に配置され
る差動型熱電対68は、環状空隙部64に対応してそれ
ぞれ配置され、γ線発熱検出器35を構成している。各
熱電対68は、図5に示すように、環状空隙部64で形
成されるセンサ部つまり断熱部の軸方向中央に高温側接
点78aが、断熱部より少し離れた下方位置に低温側接
点78bがくるように設定される(低温側接点78bが
断熱部より少し離れた上方位置でもよい)。熱電対68
はγ線発熱検出器35の数だけ内蔵ヒータ67の周囲に
同心円状に挿入されている。
【0072】ガンマサーモメータ44は、炉内出力分布
検出器(γ線発熱検出器)集合体であり、その炉内出力
分布測定原理は図6(A)および(B)に示されてい
る。
【0073】沸騰水型原子炉等の原子炉では原子炉圧力
容器2内の炉心3に装荷される核燃料の核分裂量に比例
してγ線が発生し、発生したγ線束でガンマサーモメー
タ44の構造体、例えばコアチューブ63を加熱する。
この加熱量はγ線束に比例し、γ線束は近傍の核分裂量
に比例する。ガンマサーモメータ44のセンサー部であ
る各γ線発熱検出器35の環状空隙部64の部分では、
その断熱性のため径方向の冷却材79による除熱が悪い
ので、矢印Aで示すような軸方向に迂回する熱流束が発
生し、温度差が生じる。そこで図5に示すように差動型
熱電対68の高温側接点78aと低温側接点78bを配
置すると、この温度差を電圧信号で検出する事が出来
る。この温度差はγ線発熱量に比例する事から、差動型
熱電対68の電圧信号から局所的な核分裂量に比例した
γ線発熱量を求める事が出来る。これがガンマサーモメ
ータ44の測定原理である。
【0074】一方、燃料集合体4は、図2に示すよう
に、角筒状のチャンネルボックス80内に、多数の燃料
棒を束ねた燃料バンドル(共に図示せず)が収容され
る。燃料バンドルは多数の燃料棒を燃料スペーサ81
(図7のSP位置参照)で正方格子配列に束ねたもので
あり、燃料スペーサ81で各燃料棒間の間隙を保持して
いる。燃料スペーサ81はチャンネル80内に燃料バン
ドルの軸方向に沿って複数個、例えば7個離散的に配置
される。
【0075】燃料集合体4は、上下端が上部タイプレー
トおよび下部タイプレートで拘束され、原子炉の炉心部
3に装荷されるようになっている。燃料集合体4内に収
容される各燃料棒は、例えばジルコニウム合金製の燃料
被覆管内に燃料焼結ペレットを充填し、上下端を端栓で
溶着し、固定したものである。燃料焼結ペレットには例
えば酸化ウラン燃料あるいはウラン・プルトニウム混合
酸化物(MOX)燃料が用いられる。
【0076】沸騰水型原子炉では、原子炉の炉心部3に
多数の燃料集合体4が装荷され、各燃料集合体4はチャ
ンネルボックス80の内外に冷却材通路を形成してい
る。原子炉の炉心部3に多数の燃料集合体4を林立状態
で装荷した原子炉の炉内出力分布の計算は、プロセス制
御計算機に内蔵された3次元核熱水力シミュレーション
計算(3次元核熱水力計算コード)によって原子炉出力
分布算出装置31によって行なわれる。この3次元核熱
水力計算コードはスペーサモデルを有している。
【0077】原子炉出力分布算出装置31は炉心出力分
布算出装置あるいは炉心性能監視装置とも呼ばれ、原子
炉のプロセス制御計算機に内蔵された機能の1つであ
る。この原子炉出力分布算出装置31には、炉心現状デ
ータ測定器52から得られる制御棒パターン、炉心流
量、原子炉ドーム圧力(原子炉圧力容器内圧力)、各種
の運転パラメータの炉心現状データから得られる原子炉
熱出力、炉心入口冷却材温度の検出信号が出力分布算出
モジュール58に入力される。具体的には、現状データ
処理装置55から炉心現状データ信号S3 、信号処理装
置40から中性子束信号S2 が、ガンマサーモメータ信
号処理装置48からγ線発熱量信号S1 が測定データと
してそれぞれ入力される。
【0078】一方、原子炉出力分布算出装置31の出力
分布算出モジュール58には、物理モデルである3次元
核熱水力計算コードが内蔵されており、この3次元核熱
水力計算コードを用いて入力信号が演算処理され、炉心
内出力分布が計算により算出される。この3次元核熱水
力計算コードには、燃料スペーサ81によるノード出力
の影響が予め評価されており、スペーサモデルとしてプ
ロセス制御計算機に内蔵されている。
【0079】燃料集合体4には燃料棒を結束して、所定
の燃料棒間隔に保持するために軸方向に7乃至8個の燃
料スペーサ81が離散的に配置されているが、各燃料ス
ペーサ81の配置効果を従来の3次元核熱水力計算コー
ドでは考慮されていなかった。燃料スペーサ81は主と
して中性子吸収の少ないジルコニウム合金で構成されて
いるが、燃料スペーサ81の存在により、減速材である
冷却水の量が局所的に少なくなり、熱中性子束を減少さ
せる事が分かっている。また、燃料スペーサ81は若干
ながら中性子を吸収する効果も無視出来ない。
【0080】ところで、燃料集合体4の出力分布を計算
する場合に、従来燃料集合体を軸方向に24ノードに分
割して計算する事が多い。分割されるノード数は24が
一般的であるが、原子炉炉心の大きさに応じ12ノード
乃至26ノードのいずれかに分割されたものであっもよ
い。このような燃料スペーサ81の存在によるノード出
力の低下は、炉心3内における軸方向位置または径方向
位置にもよるが、炉心3の各炉心軸方向ノードの平均出
力が1.0になるように規格化した状態で最大0.05
程度(つまりノード平均出力の5%)の誤差があり得る
事が分かってきた。
【0081】ところが、従来の可動式中性子束測定装置
(TIP)では、炉心軸方向24ノードの出力分布を全
て読み込み、全ノード出力を参照測定信号として、炉心
出力分布算出装置31内の3次元核熱水力計算コードで
計算し、その計算結果を、補正する出力分布学習モジュ
ールにおいて、燃料スペーサの存在するノード出力も補
正していたので、結果的に軸方向の燃料スペーサ効果も
正確に取り込まれている。
【0082】しかし、原子炉炉心3の軸方向出力分布を
全炉心軸方向ノードではなく、全ノードである例えば2
4ノードよりも少ない軸方向測定データを基に、3次元
核熱水力計算コードで計算し、その計算結果を学習補正
する場合、スペーサモデルを有しない3次元核熱水力計
算コードで計算した出力分布の結果から、核計装管33
内各位置に対応するγ線発熱検出器部のガンマ線発熱量
を求めると、スペーサのあるノードで学習誤差を生じ、
その影響が他のノードにしわ寄せされる。
【0083】次に、沸騰水型原子炉で採用されている3
次元核熱水力シミュレーション計算コードの物理モデル
を例にとって、原子炉出力算出例を図11のフローチャ
ートを用いて説明する。ここでは、一般に修正一群と呼
ばれる三次元核熱水力計算コードを例にとって説明す
る。
【0084】〔A〕 入力データの読み込み 計算に必要な全炉心冷却材流量、制御棒挿入パターン、
全炉心発生出力レベル、前回計算時の出力分布(第一次
近似)、燃焼度分布、LPRM/GT実測値等のデータ
を3次元核熱水力計算コードに入力する。冷却材流量等
炉心現状データであるのプロセスデータの幾つかは現状
データ測定器52から入手され、プロセスデータ測定系
56で算出される。LPRMおよびGT実測値はLPR
M37の各中性子検出器34およびガンマサーモメータ
(GT)44のγ線発熱検出器35から入力される。前
回計算時の原子炉出力分布(第一次近似)および燃焼度
分布は原子炉出力分布算出装置に保持されている以前の
データである。
【0085】〔B〕 炉心内出力分布P ijk の初期値
の仮定 通常Void Iterationといわれる繰返し計算に必要な初期
値としての炉心内出力分布等を仮定し、この仮定値を以
下の計算のための仮りの炉心内出力分布P ij k として
以下の計算に進む。ここに、添字i,jは炉心3内の燃
料集合体4位置を表わし、kは炉心軸方向位置を表わ
す。
【0086】〔C〕 炉心内ボイド分布計算 次項の〔D〕で述べる実効増倍率、炉心内出力分布計算
に必要な炉心3内の各燃料集合体4のインチャンネルボ
イド率軸方向分布VFijk とバイパス領域の炉心平均ボ
イド率軸方向分布VFBk を計算する事を目的とし、各
燃料集合体4内のインチャネルボイド率分布VFijk
バイパス領域の炉心平均ボイド率分布VFBk は以下の
手順に沿って計算する。
【0087】 各燃料集合体インチャンネル流量Wij
の計算 炉心3に流入する冷却材は炉心底部で各燃料集合体4内
を流れるインチャンネル流と各燃料集合体4内のバイパ
ス領域流に分かれ、炉心頂部出口で再び合流する。従っ
て各燃料集合体4のインチャンネル流量Wijとバイパス
流量BPFは、炉心3内各々の流路を通過する際の圧力
損失が全て等しくなるように、配分計算を行う必要があ
る。
【0088】また、インチャンネル流量配分に大きな影
響を与えるものは燃料集合体4の種類(例えば、8×8
燃料あるいは9×9燃料)とオリフィスの種類(例え
ば、周辺オリフィスと中央オリフィス)であるので、炉
心3内の燃料集合体4の種類毎、オリフィスの種類毎に
熱水力特性代表燃料集合体チャンネル、燃料集合体4の
軸方向各部の圧損係数を入力する。圧損係数は、あらか
じめ炉心熱水力解析コードで燃料集合体4の種類毎、オ
リフィスの種類毎に求めた結果を使用する。インチャン
ネル流量配分の計算は、各燃料集合体4の圧力損失が出
力分布、ボイド分布に依存するので、繰返し計算法によ
り行っている。なお、圧力損失計算には、その燃料チャ
ンネル(チャンネルボックス)内のボイド分布が非常に
大きな影響を与える。
【0089】燃料集合体4の圧力損失は、摩擦圧損、局
所圧損、位置圧損、加速圧損の4つに分けられるが、通
常の単相流に使われる式に二相流摩擦抵抗倍率を掛けた
公知の二相流圧損式が用いられる。
【0090】 各燃料集合体インチャンネルエンタル
ピ軸方向分布Hijk とバイパス領域炉心平均エンタルピ
軸方向分布HBk の計算 このエンタルピ軸方向分布計算では、初期値として仮定
した炉心内出力分布P ijk と〔D〕項ので計算した
各燃料集合体4のインチャンネル流量Wij、入力したバ
イパス領域流量BPFをそれぞれ使用して、各燃料集合
体インチャンネルエンタルピ軸方向分布Hijk とバイパ
ス領域炉心平均エンタルピ軸方向分布HBk を計算す
る。
【0091】各燃料集合体インチャンネル各ノードのエ
ンタルピ上昇要因は、燃料棒中の核分裂により発生した
熱がすでにあり、その他に燃料棒内のガンマ発熱による
寄与、冷却材中の中性子減速と、ガンマ発熱による寄
与、燃料チャンネルを通過してバイパス領域への伝熱の
効果も考慮して、各燃料集合体インチャンネル各ノード
のエンタルピを計算している。
【0092】エンタルピ計算は、入力した炉心入口冷却
材エンタルピ、炉心内出力P ijk、インチャンネル流
量Wijを使用して、各燃料集合体チャンネル毎に、炉心
底部より順次頂部まで行う。
【0093】バイパス領域のエンタルピ軸方向分布は、
バイパス流は炉心底部において、充分一様に混合される
ものと仮定し、バイパス領域のエンタルピ軸方向分布は
炉心平均のみを使用している。バイパス領域各ノードの
エンタルピ上昇要因も、燃料棒中の核分裂により発生し
た熱の他に、バイパス領域内の冷却材、制御棒中の中性
子減速・吸収とガンマ発熱による寄与、燃料チャンネル
内よりバイパス領域への伝熱、バイパス領域から、炉心
外への伝熱の効果も考慮して、バイパス領域の炉心平均
エンタルピ軸方向分布HBk を計算している。
【0094】計算は、入力した炉心入口冷却材エンタル
ピ、バイパス流量BPFと炉心軸方向出力分布Pk
【数1】 を使用して、炉心底部より順次頂部まで行う。
【0095】 各燃料集合体インチャンネルボイド率
軸方向分布VFijk とバイパス領域の炉心平均ボイド率
軸方向分布VFBk の計算 ここでは、〔C〕項で計算した各燃料集合体インチャ
ンネルエンタルピ軸方向分布Hijk とバイパス領域炉心
平均エンタルピ軸方向分布HBk より、各燃料集合体イ
ンチャンネルボイド率軸方向分布VFijk とバイパス領
域平均ボイド率軸方向分布VFBk を計算する。冷却材
エンタルピからボイド量を計算するには、サブクール領
域のボイド量の計算方法として、
【数2】 に代えて、リィキッドエンタルピHLijk を基準として
【数3】 を計算し、フロークォリティXFijk とボイド量との関
係式をドリフトフラックスモデルを適用した式を使用し
てボイド量VFijk を計算している。ここで、hsat
飽和水のエンタルピを、hg は飽和蒸気のエンタルピを
表わす。
【0096】バイパス領域のボイド率軸方向分布VFB
k 、出口のボイド量VFBexもバイパス領域のエンタル
ピ軸方向分布HBk より計算するが、計算方法はインチ
ャンネルの場合と同様である。
【0097】〔D〕 実効増倍率、炉心内出力分布計算 〔D〕項はいわゆる核計算部といわれる部分で、〔C〕
項で計算した炉心内のインチャンネルボイド率軸方向分
布VFijk 、バイパス領域ボイド率軸方向分布VFBk
を使用して、炉心3内各ノードの核定数を計算し、実効
増倍率keff と炉心内出力分布Pijk を計算する。各ノ
ードの出力Pijk はそのノードでの中性子による核分裂
によって計算される。従って炉心内出力分布Pijk を計
算するには、炉心3内の中性子束分布φijk を計算しな
ければならない。いま中性子束φの持つエネルギによ
り、中性子束φを高速中性子束φ1 、中速中性子束
φ2 、熱中性子束φ3 の3群に分割すると、これら3群
の中性子束はφ1 ,φ2 ,φ3 は下記の拡散方程式を解
くことにより得られる。
【0098】
【数4】 上記拡散方程式を解くために、各エネルギ群の中性子束
のバックリング
【数5】 は等しいものと仮定して、高速、中速、低速中性子束の
エネルギ3群の上式を高速中性子群の拡散方程式に集約
して高速中性子束分布φ1ijkのみを計算している。
【0099】炉心内出力分布Pijk は、このようにして
得た高速中性子束分布φ1ijkによる核分裂に、中速中性
子束φ2 、熱中性子束φ3 による効果を加えて計算す
る。
【0100】 実効増加率keff と、炉心内高速中性
子束分布φ1ijkの計算 各エネルギ群の中性子束のバックリングB2 g が等しい
等の仮定をすると、高速中性子束φ1 は以下の拡散方程
式を変形した式に従って炉心内に分布する。
【0101】
【数6】
【0102】ここで、
【数7】
【0103】上式の数値解を得るため、上式を下記の階
差方程式に変換する。
【0104】
【数8】
【0105】
【数9】
【0106】なお、上式では簡単のためノード(i,
j,k)の高速中性子束φ1,ijk をφijk としている。
上述の階差方程式を炉心3内各ノードについて作成し、
これを連立させて、炉心内各ノードの高速中性子束分布
φijk を解く。この高速中性子束分布φijk も繰返し計
算により、数値解を計算する事により求める。この繰返
し計算は、高速中性子束と実効増倍率keff の繰返し計
算を同時に行い、SourceIterationと称している。
【0107】階差式の解法については上述したが、階差
方程式に含まれる各ノードの核定数k ijk
ijk 、A ijk と炉心外面に接する境界条件とを、
階差方程式の解を得るに先だって計算しておく必要があ
る。特に、そのノードと境界におけるボイド量により大
きく変化するので、Void Iteration毎に改めて計算し直
している。
【0108】各燃料集合体4のチャンネルのボイド量は
〔C〕項で計算したインチャンネルボイド量(インチ
ャンネルボイド率軸方向分布)VFijk 、バイパス領域
のボイド量(ボイド率軸方向分布)VFBk を使用して
計算するが、次式で定義する減速材相対履歴密度Uijk
を計算し、これらをパラメータとするフィッティング式
で各ノードの核定数k ijk 、M2 ijk 、A ijk を計
算する。
【0109】
【数10】 Fw:全冷却材流路面積に対するチャンネル内アクティ
ブ冷却材流路面積比である。
【0110】各ノードの核定数k ijk 、M2 ijk 、A
ijk を計算する際には、上述の減速材相対密度Uijk
の他に、減速材相対履歴密度UHijk 、燃焼度Eijk
制御棒の有無Cijk 等もパラメータとし、これらの効果
も必要に応じて考慮される。ここで減速材相対履歴密度
UHijk は、どのようなボイド量履歴で燃焼度Eijk
で燃焼してきたかが核定数に大きな影響を与えているの
で、そのために導入されたパラメータで次式により定義
される。
【0111】
【数11】 なお、核定数k ijk の計算には、〔B〕項で仮定した
出力P ijk を使用してドップラ補正を行い、また、そ
のノードの平衡キセノン量を計算し、このキセノン補正
も行えるようになっている。
【0112】上記フィッティング式の計算に必要な係数
は、燃料集合体核熱水力計算コードで燃料集合体種類
毎、各パラメータ毎に計算した結果を使用して計算し、
ライブラリーデータとして入力される。
【0113】 炉心出力分布Pijk の計算 ここでは〔D〕項で計算した炉心内高速中性子束分布
φijk を使用して出力分布Pijk を計算する。〔D〕項
で仮定した条件を使用すると、ノード(i,j,k)
の出力Pijk は次式で表わされる。
【0114】
【数12】
【外1】
【0115】〔E〕 ボイド繰返し計算収束判定と出力
分布学習 〔E〕項はいわゆるVoid Iteration収束判定といわれて
いる部分である。即ち〔B〕項で仮定した炉心内出力分
布P ijk と、〔D〕項で計算した出力分布Pijk
を比較する。この比較は炉心内全ノードについて行い、
一致していればVoid Iterationは収束した事になる。一
致していなければ、〔B〕項にもどり、出力分布P
ijk の仮定をしなおし、一致するまで、〔B〕項から
〔E〕項までを繰り返し計算する。収束判定は出力分布
の比較と同時に、全炉心の実効倍増率の比較も行ってい
る。
【0116】ところで、出力分布学習する場合は、この
Void Iterationの中で、更にガンマサーモメータ(G
T)44の実測値からのγ線発熱量(実測発熱量)と計
算した出力分布Pijk からのγ線発熱量(計算発熱量)
とを比較し、その発熱量差分を比の形で求める。この差
分の比をGT検出器35が存在しない軸方向ノードに対
しても内外挿して、各GT44が存在する炉心座標位置
およびGT44が存在しないが炉心の対称性からその実
測値が適用できる核計装管座標のGT44のγ線発熱計
算量の軸方向24ノードの(実測値)/(計算値)差分
データとして求める。
【0117】図10におけるBCFijk がこれである。
このBCFijk に適合するようにGT44周囲のノード
出力分布の計算値を補正し、再度GT44のγ発熱計算
量が実測値に一致するように、Void Iterationを繰り返
す。
【0118】Void Iterationが収束し、GT44のγ線
発熱計算量も実測値と一致し、計算した出力分布Pijk
が前回繰り返しと一致したら、〔F〕項の炉心3内の熱
的余裕値の計算に進む。一致していなければ、〔B〕項
にもどり、出力分布P ijkの仮定をしなおし、一致す
るまで、〔B〕項から〔E〕項までを繰り返し計算す
る。
【0119】〔F〕 熱的余裕値の計算 〔F〕項は、Void Iterationで収束した数値解を使用し
て、炉心3内各ノードの熱的余裕値を計算する。ただし
Void Iterationで得た解は、各ノードの平均値であり、
熱的余裕値を計算する場合は、各ノードの最高出力発生
燃料棒について計算する必要がある。そこで〔D〕項
で計算した各ノードの出力Pijk をそのノードの燃料棒
本数で割り、局所出力ピーキング係数を乗じて、各ノー
ドの最高出力発生燃料棒の発生出力をまず初めに計算し
ている。以下に述べる熱的余裕の計算は上記各ノードの
最高出力発生燃料棒について行っている。
【0120】熱的余裕の上記計算に必要な局所出力ピー
キング係数に大きな影響を与えるものとして、そのノー
ドのボイド量、燃焼度があるが、この他に、そのノード
に隣接または近傍の制御棒挿入の有無がある。そこで本
計算コードでは、これらの3つの変数をパラメータにフ
ィッティング式で各ノード毎に局所出力ピーキング係数
を計算している。フィッティング式に必要な係数は、あ
らかじめ燃料集合体核特性計算コードで燃料集合体4
毎、各パラメータ毎に計算した結果を使用して計算し、
本計算コードにライブラリーデータとして入力されてい
る。
【0121】 最大線出力密度LHGRijk の計算 ノード(i,j,k)の最大線出力密度LHGRijk
すでに各ノードの最高出力発生燃料棒の発生出力が計算
されているので、これを軸方向単位ノード長ΔZで割っ
て得られる。
【0122】炉心内全ノードの最高線出力密度を全炉心
最大線出力密度MLHGRとする。
【0123】 最小限界出力比MCPRの計算 限界出力比CPRは次式で定義されている。
【0124】
【数13】
【0125】限界出力CPは、計算対象になっている燃
料集合体4が沸騰遷移を起すと予測される出力であり、
実燃料棒形状を模擬した実験に基づくGEXL相関式に
より求められる。
【0126】限界出力比CPRは対象燃料集合体4が沸
騰遷移に至るまでの熱的余裕を示す指標である。本計算
コードでは各燃料集合体4毎に限界出力比CPRを計算
しているが、その中で最も小さいものを最小限界出力比
MCPRとする。
【0127】〔G〕 計算結果の出力 〔G〕項では必要に応じて計算結果を出力する。
【0128】上記のような繰り返し計算で、各燃料集合
体4の軸方向出力分布を求めるが、これは典型的な手法
を示したもので、実際にはこの方法に更に2次的な補正
モデルを導入して、出力分布や実効増倍率の精度を高め
る工夫がなされているのが普通であるが、本発明の本筋
では無いので省略する。
【0129】原子炉の出力分布算出方法はそれらにも適
用可能であり、次に述べるような所に特徴がある。即
ち、燃料スペーサ85のある炉心軸方向ノードの核定数
ij k 、M2 ijk 、A ijk のパラメータについて
は、燃料スペーサの効果を考慮する事である。
【0130】例えばk ijk は、制御棒が挿入されてい
ない状態を例に取ると、
【数14】 となり、無限増倍率は求められるが、ここで履歴相対水
密度UH及び瞬時相対水密度Uの値に対して従来は燃料
スペーサ81の効果を考慮していない。
【0131】一方、減速材相対密度Uijk は(10)式
で定義されており、
【数15】 と定義していたものを、各燃料スペーサ81については
燃料スペーサ無視の場合のインチャンネル流路内のボイ
ド率VFijk からスペーサ部については更に追加計算
し、新しい減速材相対密度Uijk,spを下記のように算出
する。
【0132】
【数16】
【0133】(10A)式で定義した減速材(水)相対
密度Uijk,spを、各燃料集合体4の各スペーサ位置毎に
履歴水相対密度UHとしてデータ保存し、燃料スペーサ
81のあるノードの無限増倍率は、以下のように求め
る。
【0134】例えば原子炉の炉心部3に制御棒5が挿入
されていない状態を例に取ると、(14)式に示す、燃
料スペーサのあるノードでの平均の無限増倍率kはス
ペーサ無視の値k ijk,UNと、同様に定義される燃料ス
ペーサを考慮した、(但し、UとUHは燃料スペーサを
考慮した値Usp、UHspに置き直された)無限増倍率k
ijk,UN,sp との荷重平均と調節因子(C0 +C1 U+
2 2 )によって以下の様に表現される。このC0
1 、C2 は燃料タイプによって異なる定数である。す
なわち、(14)式は、(14A)式のように書き換え
られる。
【0135】
【数17】 ここで、Vs は燃料スペーサ81の存在するノードにお
ける軸方向体積割合等を考慮した重み係数である。
【0136】同様に、M2 ijk 、A ijk 等の、燃料ス
ペーサのあるノードの値も、燃料スペーサ無視の減速材
相対密度Uijk 、と燃料スペーサ考慮の減速材相対密度
ij k,spの値によって求まるそれぞれの値に、無限増倍
率と同じように荷重平均
【数18】 で定義する。
【0137】制御棒5が炉心3に挿入された場合の状態
も、同様に従来からのデータライブラリーの作成方法で
ある、制御棒5の非挿入状態に対する挿入状態の比の形
で、容易に行える。
【0138】このように定義する事によって、燃料スペ
ーサ81の存在するノードの無限増倍率、移動面積等の
ライブラリーデータが補正出来、中性子束が燃料スペー
サ81の存在するノードでより正確に求められる。
【0139】この定義におけるノード出力の算出は、燃
料スペーサ81の存在するノードに対しては、(12)
式と同じ形で得られる。
【0140】
【数19】 ここで添え字に*がついているものは、スペーサの効果
を考慮するため、ノード平均のパラメータ算出にあたっ
てスペーサ有りの場合のパラメータを荷重平均化処理し
て求めた事を示す。その方法は(14A)式、(15)
式、(16)式で例示したと同じ方法である。
【0141】ここまでの説明では、修正一群の拡散方程
式は、各エネルギ群の中性子束φ1,φ2 ,φ3 のバッ
クリングが等しいと仮定して求めたものであるが、炉心
軸方向ノード内の熱中性子束分布が隣接のノードとの間
のスペクトルミスマッチ効果により基本モードからずれ
る事による影響を考慮した場合にも、この考え方はその
ままと入り込み可能である。さらに、修正一群拡散方程
式を使わず、三群拡散方程式を使う場合には、Dg ,Z
g ,νgΣfg ,Σslg の各定数を燃料スペーサを考慮し
ない値と考慮した値との荷重平均と調節因子によって
(14B),(14C)式のように一般的に表わすこと
ができる。ここでは制御棒を挿入しない場合の核定数を
例に示す。
【0142】
【数20】
【0143】
【数21】
【0144】したがって、例示のような修正一群コード
にとどまらず、一般的にこのスペーサモデルは適用でき
る。
【0145】次に上記中性子束分布監視システム及び炉
心出力分布算出方法の構成による作用について説明す
る。
【0146】第1の実施形態では、原子炉出力分布算出
装置31は炉心3における現状データ測定器52から得
られる制御棒パターン、炉心流量、原子炉ドーム圧力、
炉心入り口冷却材温度その他各種の炉心現状データは現
状データ処理装置(プロセス制御計算機を含む)55に
データ収集され、原子炉熱出力等が計算される。炉心現
状データ測定器52は、実際には複数の監視機器から成
り、原子炉の各種運転パラメータのプロセスデータを収
集する装置の総称として表しており、簡単化のために一
つの測定器として表示している。現状データ処理装置5
5で処理されたプロセスデータは更に炉心出力分布算出
装置31(プロセス制御計算機の一部または別置きの専
用計算機が考えられる)内の3次元核熱水力計算コード
に各種必要データが転送される。3次元核熱水力計算コ
ードはこれらのプロセスデータおよび炉心核計装データ
S1、S2を用い炉心内出力分布を計算する。
【0147】この炉心出力分布計算において従来のよう
に燃料スペーサ81を考慮しない核定数パラメータの外
に、燃料スペーサ81のあるノードに対しては、補正用
のスペーサ核定数パラメータを保持する。また燃料スペ
ーサ部位の履歴相対水密度についても(10A)式を
(11)式のように積分処理して減速材相対履歴密度U
ijk,spを保持する。例えば(14A)式、(15)
式、(16)式に示すように燃料スペーサ81のあるノ
ードについては、燃料スペーサ81の効果を必要に応じ
て燃焼度、履歴水相対水密度、瞬時水相対密度の関数と
して反映したパラメータを荷重平均して、ノード平均値
を求める。これによって、修正一群の差分(階差)方程
式を解いて、一群のノード平均中性子束を算出過程で、
燃料スペーサの効果による一群中性子束の低下効果が反
映される。
【0148】更に一群中性子束φ1 からノード平均出力
を求めるにおいて、2群、3群中性子束φ2 ,φ3 の寄
与も反映する必要があるが、この時にも燃料スペーサ8
1のあるノードについては、(12)式に代わって(1
2A)式を用いるので、燃料スペーサ81の一群中性子
束φ1 への効果が、一群では拡散係数が大きく余りスペ
ーサ効果の寄与が大きく無く、エネルギ群の第3群の中
性子束φ3 が低下する事による効果をこの中で大きく考
慮している。なお、(12A)式ではΣ 1ijkも燃料ス
ペーサ81によるスペーサ効果を荷重平均で取り込んで
いるが、簡略化のためスペーサ効果を考慮しないΣ1ijk
としてもよい。
【0149】この結果、燃料スペーサ81の存在するノ
ードに対しては、従来の出力分布計算法では考慮出来な
かったスペーサ部ノードの出力低下を正確に反映でき
る。
【0150】しかも、本実施形態のように軸方向出力分
布を24よりも少なく、LPRM検出器34と同じ4個
か、4個よりも多い測定データで、燃料スペーサによる
ノード出力の影響を評価した3次元核熱水力計算コード
で学習補正する。
【0151】実際のガンマサーモメータ44の熱電対出
力信号S1 は、ガンマサーモメータ信号処理装置48で
電圧からガンマ線発熱量に換算され、原子炉出力分布算
出装置31に入力される。この原子炉出力算出装置31
では、3次元核熱水力算出モジュール58で計算した炉
心出力分布から得たガンマ線発熱量のシミュレーション
計算値と測定値のγ線発熱量の差分補正量をここでは比
の形で出力分布補正(学習)モジュール59で求める。
また、出力分布学習モジュール59では、この軸方向に
限定された数の差分の比、すなわち計算ガンマ線発熱量
と測定ガンマ線発熱量の比のデータを軸方向の各ノード
に直線または2次曲線で内外挿し、全炉心軸方向ノード
のγ線発熱量差分補正量とする。
【0152】さらに、原子炉出力算出装置31における
出力分布学習モジュール59の学習補正を図10のフロ
ーチャートを参照して説明する。
【0153】原子炉出力算出装置31の出力分布算出モ
ジュール58は、プロセス制御計算機に内蔵され、燃料
スペーサによるノード出力の影響を考慮した3次元核熱
水力計算コードを用いて、上述した手法により炉内出力
分布を算出する。
【0154】さらに、γ線発熱検出器35位置における
γ線発熱量計算値Wck,m は、計算で得られたノード出
力の内、γ線発熱検出器35の回りの4体の燃料集合体
4のγ線発熱検出器の高さ位置に相当するノード及びこ
のノードの上下隣接ノードの出力を基に次式により算出
する。
【0155】
【数22】
【0156】一方、γ線発熱量測定点k,mにおけるγ
線発熱量Wmk,m 実測値が出力分布学習モジュール59
に入力され、上記γ線発熱量計算値Wck,m をγ線発熱
量測定値Wmk,m と比較して、次式により補正係数BC
k,m を求める。
【0157】
【数23】
【0158】このγ線発熱量補正係数BCFk,m は、実
測したγ線発熱量測定値と物理モデルによるγ線発熱量
計算値の誤差を示す指標である。また、γ線発熱量はγ
線発熱検出器35回りの燃料の出力に比例しているの
で、出力分布計算値Pk,m,n を補正係数BCFk,m で次
式により修正することで、物理モデルの誤差を排除した
信頼性の高い出力分布を得ることができる。但し、Pa
k,m,n は補正されたγ線発熱量測定点k,mにおけるノ
ード出力を表す。
【0159】
【数24】
【0160】ところで、ガンマサーモメータ44のγ線
発熱検出器35は炉心軸方向に断続的に存在するのみで
あり、このγ線発熱検出器35が存在しないノード位置
では、補正係数BCFk,m を求めることができない。こ
のため、他の炉心軸方向ノードについては測定点k,m
において得られた補正係数BCFk,m を直線または2次
曲線で内外挿することにより求め、補正係数BCFk,m
を用いて軸方向全ノード出力Pak,m,n を得る。また、
炉心径方向位置でガンマサーモメータ44の存在しない
燃料集合体は、炉心の対称性から同一の位置のガンマサ
ーモメータ44の信号を使って同様に学習補正する。こ
こで添え字kは炉心軸方向ノードを示している。添え字
m、nは核計装管位置との関係で燃料集合体4の炉心座
標を示しているだけであり、(1)式から(16)式で
使用している燃料集合体4の炉心座標i,jと読み替え
る事が出来る。
【0161】なお、γ線発熱量実測値を参照した物理モ
デルの計算する出力分布の補正方法としては、この他に
次に示すような方法もある。
【0162】(8)式のボイド繰り返し計算を経て得ら
れた中性子束φk,m,n を補正係数BCFk,m で修正して
補正中性子束φak,m,n を次式で得る。
【0163】
【数25】 但し、GFk,m はγ線発熱量から中性子束への変換式
で、あらかじめ格子計算によって算出したものである。
【0164】この補正中性子束φak,m,n を(8)式に
代入した場合、当然ながら(8)式は満足されない。そ
こで次の式と(8)式において各エネルギ群の中性子束
のバックリングB2 i,j,k を修正した(8)式を満足す
る(B2 i,j,k +ΔB2 i,j, k )を得る。但し、ΔB2
i,j,k は補正中性子束φai,j,k が(8)式を満足する
ための中性子束のバックリングB2 i,j,k の補正量を表
す。
【0165】
【数26】
【0166】γ線発熱検出器35の存在しない軸方向位
置に対しても、軸方向に直線または2次曲線で内外挿し
て求めた補正係数BCFk,m を使用して算出した全炉心
軸方向ノードの補正中性子束φak,m,n つまり炉心内中
性子束分布φi,j,k を求めることができるので、炉心径
方向に対しては対称性を利用することにより、このバッ
クリング補正量ΔB2 i,j,k は全ての炉心軸方向ノード
に対して算出できる。
【0167】以上のように算出された出力分布は、図1
に示す入出力装置60の表示装置を介して表示される。
【0168】このように、物理モデルとして3次元核熱
水力計算コードを内蔵した出力分布算出モジュール58
で、核計装管33周囲の4燃料集合体4の炉心軸方向各
ノードの出力を先に求めたノード出力補正量に適合する
ように、周囲ノードに計算結果に比例配分で補正量を配
分し、それに対応した各ノードの出力調整因子または一
群中性子束調整因子を予想し、3次元各熱水力計算コー
ド内蔵の出力分布算出モジュール58に返す。この3次
元核熱水力繰返し計算と学習補正の繰返し計算を行っ
て、最終的に各炉心軸方向ノードの前回(n−1)のノ
ード出力Pn−1と今回(n)計算のノード出力Pnの
差が一定値より小さければ繰り返し計算が収斂したとし
て運転制限値の計算を行い計算を終了する。この流れを
図10に示す。
【0169】図7において曲線a(▲印の曲線)は、3
次元核熱水力(シミュレーション)計算コードに燃料ス
ペーサ部分による中性子束の局所的な歪みを考慮した場
合の燃料集合体4の出力分布計算結果である。曲線b
(■印の曲線)は燃料スペーサ81による中性子束の歪
みを考慮しない炉心出力分布の計算結果である。図7に
おいて、曲線a、bはGT信号が得られる位置はGT信
号に一致するように補正された結果を示している。
【0170】図7のA部を拡大した図を図8に破線bで
示す。一方、図8にはガンマサーモメータ(GT)の測
定点データに基づく真値が実線で示す曲線cで表わされ
ている。
【0171】図8の破線dは、補正前のノード出力曲線
を示すものであり、補正前のノード出力曲線dは、燃料
スペーサの存在が考慮されていない2次元核熱水力計算
コートで計算されたものである。この補正前のノード出
力曲線dを、GT測定点データに基づいて補正すると、
燃料スペーサSPが存在するノードにガンマサーモメー
タ(GT)44の出力信号もある場合には、補正前ノー
ド出力曲線dのGT位置での中性子束歪が考慮されてい
ない分より大きくマイナス側に出力補正され、このノー
ドに隣接する上下ノードも同じ比例配分でマイナス側に
出力補正される。
【0172】ノード出力補正は、核計装管周囲ノード間
で比例配分で補正されるために、学習補正量ΔSaが大
きく、GT位置間に出力ピークを有すると、燃料スペー
サSPが存在しないノードはノード出力がより高いにも
かかわらず、ピーク位置にノードのGT測定データが存
在しないため、ピーク位置は過大補正量ΔMaとなり、
補正後のノード出力は曲線bで示され、ノード出力ピー
ク値を過小評価してしまう不具合がある。
【0173】一方、図7のB部に示すように、燃料スペ
ーサSPの存在しない炉心軸方向ノードにガンマサーモ
メータ(GT)44の測定データが存在して、燃料スペ
ーサSPの存在するノードにはGT44の測定データが
存在しない場合は、学習補正量が小さく、燃料スペーサ
SPのあるノードの出力が中性子束の局所的な歪みを考
慮していない分過大評価される。
【0174】これに対し、3次元核熱水力計算コード
が、本発明のように、燃料スペーサSPによるノード出
力の影響効果を評価出来る場合は、図7の曲線aに示す
ように、最初から燃料スペーサSPによる軸方向出力分
布に凹凸を有しているので軸方向に補正量が内外挿され
ても過大補正の不具合が無くなる。
【0175】すなわち、図7に示すように核計装管位置
のGT検出器35のγ線発熱量から、γ線発熱量とノー
ド出力との相関式(ここでは詳細は省略する)により換
算されたGT検出器35周囲のノード出力に一致するよ
うに、3次元核熱水力計算コードで学習計算した炉心出
力分布の結果から、燃料スペーサ81を考慮した出力分
布算出方法の方が図7乃至図9の効果説明からも、少な
い軸方向GT44の各GT検出器35の測定データから
精度の良い学習補正が出来、原子炉出力分布を精度よ
く、効率的に得られる事が分かる。
【0176】次に、本発明に係る原子炉核計装システム
の第2実施形態について説明する。
【0177】この実施形態に示された原子炉核計装シス
テムは、原子炉の炉心3に原子炉出力検出装置を構成す
る炉内核計装集合体32が、炉心径方向に複数設けられ
ている。炉内核計装集合体32は図12および図13に
示すように、4体の燃料集合体4間に装荷される核計装
管33を備え、この核計装管33内に固定式LPRMと
しての中性子検出器集合体37と固定式ガンマサーモメ
ータ44が一体的に収容される。
【0178】中性子検出器集合体(LPRM)37は炉
心軸方向に所定の間隔をおいてN個の固定式中性子検出
器34が分散配置される。固定式の中性子検出器34は
例えば4個配置される。一方、ガンマサーモメータ44
は、複数の固定式γ線発熱検出器34が配設され、各γ
線発熱検出器34のうちN個、例えば4個が固定式中性
子検出器34と同じ軸方向位置に配置される。
【0179】図12および図13は、ガンマサーモメー
タ44の各γ線発熱検出器35が、N個の固定式LPR
M37の固定式中性子検出器34と同じ軸方向位置に分
散配置された例を示す。この炉内核計装集合体32にお
いては、固定式LPRM37の各中性子検出器34の利
得調整を同じ炉心軸方向位置に配置された固定式ガンマ
サーモメータ44のγ線発熱検出器34の測定値を用い
て直接較正するようにした原子炉核計装システム30に
対応するものである。
【0180】原子炉核計装システム30と原子炉出力分
布算出装置31の全体的構成は、図1に示す原子炉出力
分布監視システムと異ならないので、重複部分の説明を
省略する。
【0181】図12および図13に示された原子炉核計
装システムの検出器である炉内核計装集合体は、ガンマ
サーモメータ44のγ線発熱検出器34の炉心軸方向個
数Nが固定式中性子検出器34の炉心軸方向設置数Nと
同じでかつ同じ炉心軸方向位置に配置されている。
【0182】固定中性子検出器(LPRM検出器)34
のLPRM検出信号S2 は図1に示すように、出力領域
検出器信号処理装置40で信号処理される。この信号処
理装置40の中には前置増幅器、高圧電源、波高弁別回
路、利得調整回路等が含まれるが詳細は省略する。出力
領域検出器信号処理装置40の中では複数のLPRM検
出信号S2 を平均して出力領域平均出力信号(APRM
信号)を作り、このAPRM信号レベルが所定の値を越
えたら安全保護系の論理回路に,原子炉をスクラムさせ
るためのトリップ信号を送るようになっている。安全保
護系の論理回路は所定の論理判断にしたがって、複数の
APRMがトリップ信号を出している状態がスクラムを
要する運転状態である事を判断してスクラム動作をさせ
る。
【0183】原子炉炉心3の出力領域の中性子検出器
(LPRM検出器)34は電離箱型検出器で、この中性
子検出器34の外壁内面に核分裂物質(ウラン)が塗布
され、外壁と中心電極との間に高電圧を印加したもので
ある。中性子検出器34内は電離ガスとして不活性ガス
Arが封入される。電離箱型形式の中性子検出器34に
おいては、後続する増幅器、波高弁別フィルター等の電
子回路の特性が経時的に変化し、いわゆるドリフト現象
を生じる。更に中性子検出器34の外壁内面塗布のウラ
ンのU235の量の変化によっても検出感度が変化す
る。これらの変化要因があるのでAPRM信号として使
用される個々のLPRM信号は適切に較正された上でA
PRM信号に使用される必要がある。
【0184】一方、ガンマサーモメータ44のγ線発熱
検出器35を構成する差動型熱電対68(図4および図
5参照)の測定信号(mV信号)S1 は、図示しないA
/D変換プロセッサーにより、アナログ信号からデジタ
ル信号に変換した後、デジタルで増幅される。このた
め、差動型熱電対68の出力信号S1 が放射線場でも変
化が少ないことからドリフトが少ない特性がある。
【0185】この原子炉核計装システムでは、固定式L
PRM37の各中性子検出器34と同じ位置にガンマサ
ーモメータ44のγ線発熱検出器35を、すなわちガン
マサーモメータ(GT)検出部を配置するため、移動式
中性子検出器(TIP)のように移動させてLPRM検
出器位置の信号を求める必要がない。
【0186】本実施形態の原子炉核計装システムは、固
定式中性子検出器34の信号出力の較正を軸方向の同一
レベルに存するγ線発熱検出器35からの検出信号から
算出したγ線発熱量を用いて直接行うことによって、3
次元核熱水力シミュレーション計算コードが装荷されて
いる出力分布算出装置を介さずに高速で信頼性高く較正
できる。
【0187】この炉内核計装集合体32において、LP
RM検出器34と同じ位置のGT検出器部信号S1 を直
接電子的に検索して、電子的なデータの読み取り及びγ
線発熱量への換算だけでγ線発熱量の測定を行なうこと
ができ、極めて短時間の所要時間(例えば5分乃至10
分)で行え、更に1回/日または1回/時間のような高
頻度にLPRM検出器34の較正が可能になる。
【0188】その場合に、LPRM検出器の信号レベル
2 を、ガンマサーモメータ(GT)44のγ線発熱量
に較正すると、APRMのLPRM入力信号が局所出力
に比例しかつプロセス制御計算機に内蔵されている3次
元核熱水力シミュレーション計算コードの物理モデルに
よる計算結果に依存しない良い局所平均出力への較正が
出来る。GTのγ線発熱量は、ほぼGT周囲のノード平
均出力に比例し、核計装管33側の燃料集合体コーナ燃
料棒の局所出力分布にはLPRM検出器34の場合と比
較して余り大きくは依存しない。
【0189】このように短時間の間隔でLPRM検出信
号を較正する場合はLPRM検出器34のウラン同位体
元素成分の変化、燃料集合体4の断面内の局所出力分布
の変化はゼロと仮定する事が出来る。しかも、LPRM
検出信号レベルがLPRM検出器34周囲ノードの平均
出力に近い値に較正されることから、例え、LPRM検
出器34の生信号レベルが燃料集合体断面の局所出力の
重みを含んでいても、ノード出力が変化すればLPRM
信号も比例して変化する。したがって、従来の原子炉核
計装システムのように3次元核熱水力シミュレーション
モデルの計算結果による予想LPRM信号を介してLP
RM信号を較正するよりも信頼性が高く、原子炉出力分
布算出装置31が一時的に故障またはメンテナンス中で
も容易にLPRM検出器信号S2 の較正が出来る。
【0190】特に出力領域検出器信号処理装置40は、
安全保護系を構成する装置であり、ガンマサーモメータ
信号処理装置48もプロセス計算機よりは信頼度の高い
マイクロプロセッサを含むデジタル回路で容易に簡単な
ソフトで構成出来るので、物理モデルを持ち多数の内蔵
データを使って繰り返し収斂計算をする原子炉出力分布
算出装置31の計算結果に頼るより本発明の方が信頼性
が高い。
【0191】この原子炉核計装システムではGT44が
固定して原子炉の炉心3内に配置され、そのGT検出器
部の一部は少なくとも炉心軸方向設置数がLPRM検出
器34の軸方向設置数と同じでかつ同一炉心軸方向位置
にあるので、LPRM検出器34の較正の目的からは最
小数で構成されたGT測定系である。3次元核熱水力シ
ミュレーション計算コードが充分精度が良く、GT検出
器部が炉心軸方向に少なくて、学習データポイントが少
なくても、スペーサモデルが3次元核熱水力シミュレー
ションで充分考慮されていれば、この原子炉核計装シス
テムのように炉心軸方向にGT検出器部、すなわちγ線
発熱検出器35の設置数が部が少なくても良い。
【0192】この原子炉核計装システムにより、炉心3
内の全GT検出器35のスキャンは、TIPのように機
械的な移動を伴わないので、極めて短時間(約5分から
10分)にLPRM検出器位置近傍のノード出力に近い
γ線発熱量を算出できる。ドリフトの少ないγ線発熱検
出器35の読み値で固定中性子検出器34の出力レベル
の調整(利得調整)を行うに当たって、プロセス制御計
算機の計算による炉心軸方向出力分布計算結果を用いず
とも行えるので、安全保護系の一部を構成する出力領域
局所出力検出器(LPRM検出器)の個々のドリフト等
による感度変化を、信頼性良く較正出来る。
【0193】したがって従来はLPRM検出器の較正の
ために必要であった、可動型の中性子束測定装置または
γ線束測定装置を不要とすることができる。ガンマサー
モメータ44は固定式とすることができ、しかもγ線発
熱検出器35の設置数をLPRM検出器34と同数で少
なくてよく、最小のGT測定系の構成とする事が出来
る。
【0194】本実施形態に示された原子炉核計装システ
ムは、γ線発熱検出器35の軸方向個数が固定中性子検
出器34の軸方向設置数と同じでかつ同じ軸方向位置に
配置されている。このため、ドリフトの少ないγ線発熱
検出器35の読み値で固定式中性子検出器34の出力レ
ベルの調整(利得調整)を行う際、プロセス制御計算機
の計算による軸方向出力分布計算結果の直径または2次
曲線による軸方向内外挿を用いずとも中性子検出器34
の出力レベル調整を行える。したがって、原子炉の安全
保護系の一部を構成する出力領域局所出力検出器(LP
RM検出器)34の個々のドリフト等による感度変化
を、信頼性良く較正出来る。
【0195】通常、出力領域の中性子検出器(LPRM
検出器)34として用いられるのは電離箱型検出器で中
性子検出器34の外壁内面に核分裂物質(ウラン)が塗
布され、外壁と中心電極との間に高電圧を印加したもの
である。中性子検出器34内は電離ガス、例えばArが
封入されている。このような電離箱型形式の中性子検出
器34においては、後につながる増幅器、波高弁別フィ
ルター等の電子回路の特性が経時的に変化し、いわゆる
ドリフト現象を生じる。さらに中性子検出器34の外壁
内面塗布のウランのU235量の変化によっても中性子
検出感度が変化する。この中性子検出感度の変化を補正
するため、従来からTIP装置で較正するのであるが、
TIP装置は、移動式中性子検出器を炉心軸方向に移動
させるために大掛りな機械的駆動操作装置を必要とす
る。これに対し、本実施形態では、TIP装置を不要と
し、LPRM検出器34と同じ位置に固定したGT検出
器35を配置するので、TIP装置のように移動させ
て、LPRM検出器34の軸方向位置の信号を内外挿で
求めることなく直接得られる。
【0196】さらに、LPRM検出器34の出力信号は
主に燃料集合体4のコーナーギャップにおける熱中性子
束に応じた検出信号を発生している関係から、その信号
レベルは周囲4体の燃料集合体4の平均ノード出力のみ
ならず、コーナーギャップの熱中性子束レベルに強く寄
与する核計装管33のコーナーギャップ側の燃料集合体
4のコーナー燃料棒の局所出力ピーキングも関係してい
る。この局所出力ピーキングは核燃料の燃焼に伴って変
化するものであり、従来TIP装置でLPRM検出器3
4を較正する場合には、約1ケ月に一回の頻度で行って
いる事から、その間の中性子検出器34の劣化(変化)
も考慮して補正されることになる。
【0197】所で、固定式ガンマサーモメータ(GT)
44では炉内に固定配置され、炉心3内の全GT検出器
35のスキャンは、TIPのように機械的な移動を伴わ
ないので(約1時間から2時間必要)、電子的なデータ
の読み取り及びγ線発熱への電子回路による換算だけで
行え、極めて短時間の所要時間(例えば5分乃至10
分)で行え、しかも1回/日または1回/時間のような
高頻度にLPRM検出器34の較正が可能になる。
【0198】LPRM検出器34を較正する場合、LP
RM検出器34の信号レベルをGT44のγ線発熱量換
算量に較正すると、原子炉の安全保護系の入力信号が局
所出力に比例しかつプロセス制御計算機に内蔵されてい
る3次元核熱水力シミュレーションモデルによる計算結
果に依存しない良い局所平均局所出力への較正が出来
る。ここにおいて、固定式ガンマサーモメータ44のγ
線発熱量は、ほぼGT44周囲のノード平均出力に比例
し、核計装管30側のコーナ燃料棒の局所出力分布には
余り大きく依存しないので、GT44周囲の燃料集合体
4の局所出力に比例した較正を精度よく行なうことがで
きる。
【0199】図14および図15は本発明に係る原子炉
核計装システムおよびそれを含んだ出力分布監視システ
ムの第3実施形態を示すものである。
【0200】この実施形態に示された原子炉出力分布監
視システムは、図1に示された原子炉出力分布監視シス
テムと全体的に構成を同じくし、原子炉核計装システム
30と原子炉出力分布算出装置31を備える。
【0201】この原子炉出力分布監視システムは、原子
炉核計装システム30を構成する原子炉出力検出装置と
しての炉内核計装集合体32を改善したものである。炉
内核計装集合体32は、原子炉の炉心3に複数装荷さ
れ、核計装管33内に収容された固定式中性子検出器集
合体(LPRM)37と固定式ガンマサーモメータ44
で構成される。
【0202】固定式LPRM37は、炉心軸方向に、N
個(N≧4)の固定式中性子検出器34が一定の間隔L
をおいて分散配置され、ガンマサーモメータ44は(2
N−1)個の固定式γ線発熱検出器35が炉心軸方向に
配置される。各γ線発熱検出器35のうちN個が、固定
式中性子検出器34と同じ炉心軸方向位置に配置され、
残りの(N−1)個は、固定式中性子検出器34の炉心
軸方向中間位置にL/2間隔に配置される。
【0203】図14および図15に示された原子炉核計
装システムは、固定式LPRM37を構成する固定式中
性子検出器35の設置数Nが4個の場合を示している。
【0204】例えば、沸騰水型原子炉において現在主流
の炉心軸方向有効長は約146インチ(3708mm)で
あり、この炉心3を8等分してLPRM検出器34およ
びγ線発熱検出器35を配置すると、炉心軸方向のL/
2間隔は約18インチ(457mm)となる。
【0205】このように等間隔L/2にGT検出器部で
あるγ線発熱検出器35を配置し、γ線発熱検出器35
で炉心軸方向有効長の下端から上端をカバーすることに
よって、3次元核熱水力シミュレーション計算コードの
計算精度を炉心軸方向全体にわたって学習補正によって
保証する事が出来、第二の実施形態よりも細かく炉心軸
方向に学習補正する事が出来るので、3次元核熱水力計
算コードの精度が保証しやすくなる効果がある。
【0206】本実施形態に示された原子炉核計装システ
ムは、固定式中性子検出器34の設置数N個と同じ数、
同じ軸方向位置に固定式γ線発熱検出器35を配し、さ
らに(N−1)個の固定式γ線発熱検出器35を前記N
個の固定式中性子検出器34の中間位置に配する事によ
って、炉心軸方向により多数のγ線発熱検出器35を配
置してGT検出器信号を得、第2実施形態に示された原
子炉核計装システムよりも軸方向出力分布測定精度を上
げる事ができる。
【0207】図16および図17は、本発明に係る原子
炉出力分布監視システムの第4実施形態を示すものであ
る。
【0208】この実施形態に示された原子炉出力分布監
視システムは、図1に示された原子炉出力分布監視シス
テムと全体的な構成を同じくし、原子炉核計装システム
30と原子炉出力分布算出装置31とを備える。
【0209】この原子炉出力分布監視システムは、原子
炉核計装システム30を構成する炉内核計装集合体32
を改善したものである。炉内核計装集合体32は、核計
装管33内に固定式中性子検出器集合体(LPRM)3
7と固定式ガンマサーモメータ44が一体的に収容さ
れ、棒状構造に形成される。
【0210】中性子検出器集合体32は、固定式中性子
検出器(LPRM検出器)34が軸方向にN個(N≧
4)一定の同一間隔(距離)Lにおいて分散配置される
一方、ガンマサーモメータ44は固定式γ線発熱検出器
35が2N個軸方向に所要の間隔をおいて配置される。
2N個のγ線発熱検出器35のうちN個は固定式中性子
検出器34と同じ軸方向位置に配置され、残りの(N−
1)個は固定式中性子検出器34の軸方向中間位置に配
置され、最後の1個は固定式中性子検出器34の最下段
位置よりさらに下方に距離L/2〜L/4離れた位置に
配置される。最下方のγ線発熱検出器35も炉心軸方向
の燃料有効部内に配置される。
【0211】図16および図17に示された原子炉核計
装システムでは、固定式中性子検出器35の配置数Nが
4個の場合を示す。現在主流の沸騰水型原子炉(BW
R)の炉心3を8等分して固定式中性子検出器34およ
びγ線発熱検出器35を配置すると、炉心軸方向のL/
2間隔は約18インチ(457mm)となる。
【0212】拡散方程式を使ったプロセス制御計算機に
おける修正1群の3次元核熱水力シミュレーション計算
コードでは、炉心軸方向上下端のノードは中性子漏洩の
影響で計算精度が悪く成りやすい所である。しかし、B
WRの特性として炉心下端側はボイドの発生が少なく炉
出力的にも高くなり易いことから、炉心下部は計算誤差
の可能性があってもより精度良く計算する必要がある。
したがって、炉心下部にはGT測定信号との差分の外挿
による学習よりも固定式γ線発熱検出器35を実際に内
挿して学習する方が精度的に優れている。このことか
ら、本実施形態に示すように炉心下端側に、最下段の中
性子検出器34よりも更に下方にL/4〜L/2の範囲
で固定式γ線発熱検出器35を設定する事が望ましい。
【0213】固定式γ線発熱検出器35を最下端に配置
する位置、すなわち、最下端の固定式中性子検出器34
から下方の距離については、最近のBWR燃料集合体の
軸方向設計で上下端1ノードづつ(時には上端側は2ノ
ード分)天然ウランブランケット領域としている事か
ら、上下端部の炉出力が極めて低く、この上下端位置ま
で測定する必要性が精度上無い事から、燃料有効長下端
から1ノード以上(約15cm)上方に固定式γ線発熱検
出器(GT検出器)35の軸方向中心を設定する事が望
ましい。
【0214】また、GT検出器35は炉心軸方向に上下
15cmの範囲の平均出力に応じて応答することが分かっ
ている事から、固定式中性子検出器34の設置数NがN
=4の場合、最下端のGT検出器35を最下端の中性子
検出器34と燃料有効長下端の中間点約L/4(約9i
n)とする事は妥当であり望ましい。
【0215】もし、燃料有効長下端より15cm以内の軸
方向上方距離に設定した場合、このGT検出器用にGT
読み値の周囲ノード出力との相関式を別個用意するか、
GT読み値の計算結果に最下端のGT検出器35からの
GT測定信号に若干の測定誤差が含まれる事を容認しな
ければならない。
【0216】本実施形態に示された原子炉核計装システ
ムは、第3実施形態に示された原子炉核計装システムの
γ線発熱検出器35の軸方向配置に加えて、更に最下段
の固定式中性子検出器34の下方にγ線発熱検出器35
を配置するので、燃料有効長をほぼ均等にカバーしてγ
線発熱検出器35を配置する事になり、外挿量が減るの
で、出力が燃料有効部上端近傍より高い下端近傍のノー
ド出力がより高精度に炉心出力分布の測定結果から算出
する事ができる。
【0217】図18および図19は、本発明に係る原子
炉核計装システムの第5実施形態を示すものである。
【0218】この実施形態に示された原子炉出力分布監
視システムは、図1に示された原子炉出力分布監視シス
テムと全体的な構成を同じくし、原子炉核計装システム
30と原子炉出力分布算出装置31とを備える。
【0219】この原子炉出力分布監視システムは、原子
炉核計装システム30を構成する炉内核計装集合体32
を改善したものである。炉内核計装集合体32は、長尺
の棒状構造に形成され、核計装管33内に固定式中性子
検出器集合体(LPRM)37と固定式ガンマサーモメ
ータ44が一体的に収容される。
【0220】固定式中性子検出器集合体(LPRM)3
7は、核計装管33内の軸方向に固定式中性子検出器
(LPRM検出器)34がN個(N≧4)一定の同一間
隔(距離)Lをおいて分散配置される一方、固定式ガン
マサーモメータ44は固定式γ線発熱検出器(GT検出
器)35が軸方向に所要の間隔をおいて(2N+1)個
配置される。(2N+1)個のγ線発熱検出器35のう
ち、N個が固定式中性子検出器34と同じ軸方向位置に
配置され、残りの(N−1)個の固定式中性子検出器3
4間の軸方向中間位置に配置され、さらに残りの2個は
最下段および最上段の固定式中性子検出器34より下方
および上方位置に配置される。最下段のγ線発熱検出器
35は最下段の中性子検出器34よりさらに距離L/4
〜L/2下方位置で、炉心に軸方向の燃料有効部内に、
また最上段のγ線発熱検出器35は、最上段の中性子検
出器34よりさらに所要距離、例えばL/4上方位置
で、燃料有効部内に配置される。
【0221】図18および図19に示された原子炉核計
装システムでは、固定式中性子検出器34の配置数Nが
4個の場合を示す。ここでも、原子炉の炉心軸方向のL
/2間隔は、例えば約18インチ(457mm)となる。
この原子炉核計装システムは、第4実施形態に示された
原子炉核計装システムにおける固定式γ線発熱検出器3
5の設置数2N個の例に、さらに1個追設したものであ
る。追設された固定式γ線発熱検出器35は、最上段の
固定式中性子検出器34よりさらに軸方向上方位置で燃
料有効部内に配置した例である。
【0222】最上段の固定式中性子検出器34より軸方
向上方位置で燃料有効部内に固定式γ線発熱検出器35
を配置することにより、燃料有効長上端近傍における炉
心軸方向出力分布の測定値とシミュレータ(プロセス制
御計算機)による計算値の誤差の外挿量が少なくなり、
炉心上端部の軸方向出力分布の精度が向上する。従来の
熱中性子束を測定する中性子検出器では、核計装管33
の上端近傍が、上部格子板の下面に形成される孔部へ挿
入されるプランジャー構造であり、そのプランジャー構
造が炉心部の核計装管33の大半の部分の構造と異なる
ために、熱中性子束の歪みを有しているが、γ線発熱検
出器35ではγ線の透過力が大きく核計装管構造の影響
を受け難い。したがって、前記固定中性子検出器34の
最上段のものよりも更に上方の燃料有効部にγ線発熱検
出器35を配置する事は炉心軸方向出力分布のより詳細
な測定及びプロセス制御計算機における3次元核熱水力
シミュレータの学習精度を上げる上からも好ましい。
【0223】なお、最上段のγ線発熱検出器35の位置
は燃料有効長の上端から15cm以上下方が前述と同じ理
由で好ましい。
【0224】本実施形態に示された原子炉核計装システ
ムは、第3実施形態に示された原子炉核計装システムの
γ線発熱検出器35の軸方向配置に加えて、更に最上段
の固定式中性子検出器34の上方及び最下段の固定式中
性子検出器34の下方にγ線発熱検出器35をそれぞれ
配置するので、炉心軸方向の燃料有効長をほぼ均等にカ
バーしてγ線発熱検出器35を配置する事になり、外挿
量が減るので、上下端のノード出力がより高精度に出力
分布の測定結果から算出する事ができる。
【0225】図20および図21は、本発明に係る原子
炉出力分布監視システムの第6実施形態を示すものであ
る。
【0226】この実施形態に示された原子炉出力分布監
視システムは、全体的な構成を図1に示された原子炉出
力分布監視システムと同じくし、原子炉核計装システム
30と原子炉出力分布算出装置31とを備える。
【0227】この原子炉出力分布監視システムも、原子
炉核計装システム30を構成する炉内核計装集合体32
を改善したものである。炉内核計装集合体32は棒状構
造に形成された原子炉出力分布測定装置であり、核計装
管33内に固定式中性子検出器集合体(LPRM)37
と固定式ガンマサーモメータ44が一体的に収容され
る。
【0228】原子炉核計装システム30を構成する炉内
核計装集合体32は、第3実施形態乃至第5実施形態に
示された原子炉核計装システムの炉内核計装集合体に、
固定式γ線発熱検出器(GT検出器)35を最下段の固
定式中性子検出器34より上方に、距離L/4の位置に
追設したものである。ここに、距離Lは固定式中性子検
出器34の軸方向配置間隔である。図20および図21
は、固定式中性子検出器34の設置数Nが4個の場合を
示している。
【0229】沸騰水型原子炉(BWR)では炉心軸方向
有効長が144または146インチの炉心3が一般的で
あり、炉心軸方向を24ノードに等分割した場合、燃焼
集合体4の軸方向出力分布で線出力密度の運転中の最大
値が生じ易い炉心軸方向ノードは下から数えて4ノード
から6ノードである。特に原子炉運転サイクル前半に
は、最大線出力密度の運転制限値の範囲内で出来るだけ
下方出力ピークの運転を許容して、運転サイクル末期で
炉心軸方向中央または上方ピーク出力分布にする炉心反
応度有効利用の運転方法(BSO運転)では、運転サイ
クル初期から中期にかけて、炉心下方から4ノードから
6ノードで最大線出力密度が生じ易い。最大線出力密度
に対する余裕を精度良く評価する観点からは、このノー
ド近傍にγ線発熱検出器35が配置されていると、炉心
軸方向出力分布の最大ピーク部近傍で測定値からの学習
補正が出来、測定精度が向上するので好都合である。
【0230】本実施形態の原子炉核計装システムは、炉
内核計装集合体32における複数の固定式γ線発熱検出
器35が、第3実施形態乃至第5実施形態に示された原
子炉核計装システムに備えられる固定式γ線発熱検出器
の設置位置に加えて、最下段の固定式中性子検出器34
より上方に距離L/4の位置にもγ線発熱検出器35を
追加配置した例である。追設されたγ線発熱検出器35
の位置は、最近の高燃焼度8×8燃料または高燃焼度9
×9燃料炉心において、炉心軸方向で最大ピーキングが
生じやすい位置である。したがって、この位置に固定式
γ線発熱検出器35を配すると、最大線出力密度を生じ
易い炉心位置で精度良く出力分布監視が出来、測定精度
が向上する。特に固定式ガンマサーモメータ44におい
て、炉心軸方向に配置できるガンマ線発熱検出器35の
設置数が機械設計的に制限される場合に、制限された数
の中で精度の向上を図る点から最適化させ得る利点があ
る。
【0231】次に、本発明に係る原子炉出力分布監視シ
ステムの第7実施形態を説明する。
【0232】この実施形態の原子炉出力分布監視システ
ムは、原子炉核計装システムを構成する炉内核計装集合
体32を、特に固定式中性子検出器と固定式γ線発熱検
出器の配置位置を改善したものである。原子炉出力分布
監視システムの全体的な構成は図1に示された原子炉出
力分布監視システムと異ならないので説明を省略する。
【0233】この原子炉出力分布監視システムは、原子
炉核計装システムを構成する炉内核計装集合体32内に
固定式中性子検出器集合体(LPRM)37と固定式ガ
ンマサーモメータ44が一体的に備えられる構成は、前
述した各実施形態と異ならないが、中性子検出器集合体
(LPRM)37の各固定式中性子検出器35の炉心軸
方向位置が、原子炉出力分布算出装置31で取り扱われ
る燃料軸方向ノード分割のノード中央に一致し、さら
に、γ線発熱検出器35の炉心軸方向位置も前記ノード
の中央と一致させたものである。
【0234】本実施形態の原子炉核計装システムは、γ
線発熱検出器35の応答を出力分布算出装置31で計算
する際、ガンマ線の飛程が熱中性子より長いことを考慮
して、γ線発熱検出器35の存する軸方向ノードだけで
なく隣接する上下ノードからのγ線発熱量の寄与も考慮
することにより、最小限の計算で出力分布算出精度を向
上させたものである。
【0235】核燃料の核分裂反応により発生するγ線
は、その飛程が熱中性子に比べて長いので、γ線発熱検
出器35は、炉心軸方向の燃料有効部内であって、燃料
有効端から炉心軸方向に15cm以上離れて配置する必要
がある。
【0236】今、図22を参照すると、図22は原点
に、燃料横断面に分布した面状γ線源(γ面線源)があ
り、核計装管33の軸方向(X軸方向)にγ線発熱検出
器を設置した場合の検出感度分布を示す図である。この
検出感度分布結果から分かるように、γ線発熱量はγ面
線源からの軸方向距離に応じて級数的に減少するが、固
定式ガンマサーモメータ(GT)44へのγ線発熱の寄
与は6インチ(15cm)以上の軸方向距離からもありG
T44読み値の計算精度を良くするには約23cm程度の
軸方向距離内の出力分布を考慮する必要がある。したが
って、γ線発熱検出器35が存するノードと隣接軸方向
ノードの出力に差がある場合は、γ線発熱検出器35の
読み値に影響する事が分かる。そこで炉心軸方向出力分
布の変化を考慮して次式のように炉心軸方向に積分して
求める必要がある。
【0237】
【数27】 ここで、燃料集合体核特性計算コード及びγ線輸送計算
で行われる固定式ガンマサーモメータ(GT)44への
実際のγ線発熱量の計算は炉心軸方向に一様なγ線源の
分布つまり一様な軸方向出力分布を想定して算出された
ものであり、それを基に(21)式を再定義すると、
【数28】 で表わされる。
【0238】一方、図22からγ線発熱量は、約23cm
以上遠い炉心軸方向からの寄与は無視出来る事が分か
る。一般的なBWRにおいては、炉心3は例えば24ノ
ードに分割され、1ノードがほぼ6インチ(15cm)で
ある。したがって、γ線発熱量の検出には、直接隣接す
るノードと更に1ノード遠い隣接ノードを考えれば十分
である。
【0239】今、仮に固定式γ線発熱検出器35を炉心
3の軸方向ノードの中央に位置するように定めれば、図
23に示すようにGTセンサー部であるγ線発熱検出器
35の存する軸方向ノードと上下両側に隣接するノード
を考慮するだけで良く、且積分範囲も上下同じ長さに出
来るので、関係式が単純になる。上述した(17)式が
この場合の例である。
【0240】これに対し固定式ガンマサーモメータ(G
T)44のGTセンサ部である固定式γ線発熱検出器
(GT検出器)35が炉心3の軸方向ノードの軸方向中
央に無い場合は、図24に示すように表わされ、隣接ノ
ード以外のγ線発熱量Wの影響も受ける。したがって、
図25に示すように、一旦仮の軸方向ノード中央のセン
サ読み値を計算して、更に実際のセンサー位置の読み値
に内挿して求める事が必要であり、それに比較すればγ
線発熱検出器35が軸方向ノード中心に配置されるとγ
線発熱量の検出がより簡単である。
【0241】本実施形態に示すように、固定式ガンマサ
ーモメータ44のγ線発熱検出器(GTセンサー部)3
5の炉心軸方向位置をノードの軸方向中央と一致させる
事はGT44の存在するあるノードと上下に隣接するノ
ードのノード平均出力との多項式に簡略化出来る。
【0242】
【数29】
【0243】なお、燃料スペーサの炉心軸方向位置をノ
ードの軸方向中央位置に一致させると、燃料スペーサに
よる炉心軸方向中性子束の凹部の影響が、ノード平均中
性子束、ノード平均出力分布の計算結果にのみ影響し、
隣接ノードへの影響配分を3次元BWRシミュレータ計
算コードに相関式として用意せずとも済むので好都合で
ある。
【0244】本実施形態の原子炉出力分布監視システム
においては、原子炉核計装システム30を構成する炉内
核計装集合体32の固定式中性子検出器34およびγ線
発熱検出器35が共に燃料軸方向ノード分割のノード中
心に配置した例である。固定式中性子検出器34がノー
ド中心に無い場合は、炉心軸方向の隣接ノードの読み値
のγ線発熱量分布から内挿して補正しなければならず、
面倒であった。
【0245】また、γ線発熱検出器35は検出器位置に
寄与するγ線源、つまり出力分布は15cm以内は有為な
割合で寄与するので、γ線発熱検出器35が軸方向ノー
ド約15cm高さの中央に配置されたとしても、上下の隣
接ノードの出力分布の影響を受ける。隣接ノードからの
出力分布の影響はγ線発熱検出器35からの設置距離z
のイクスポネンシャルに近い関数で級数的に減衰する。
したがって、γ線発熱検出器35が軸方向ノードの中心
に無い場合は、γ線発熱検出器35が存在するノード及
び隣接ノード内での軸方向出力分布の軸方向非対称な重
み分布で読み値を算出する必要があり、逆にγ線発熱検
出器35の読み値から周囲の出力分布に換算する場合に
は計算が楽なように軸方向に内挿または外挿してノード
中心の読み値を算出する必要がある。
【0246】本実施形態の原子炉核計装システムでは、
γ線発熱検出器35を軸方向ノードの中心に配する様に
する事で、全てのγ線発熱検出器35の設置位置につい
てこの相関式内の隣接ノードの重みが同じに出来るので
簡単になり、精度が向上する。
【0247】さらに燃料スペーサの軸方向配置も軸方向
ノードの中心に一致させると、3次元核熱水力シミュレ
ーション計算モデルにおける中性子束の軸方向歪みが、
ノード中心で最大になり、ほぼ当該ノードの平均化され
たデータの置き換えだけで燃料スペーサの軸方向効果が
考慮出来るので、3次元核熱水力シミュレーション計算
モデルにおける中性子束の軸方向歪みの計算精度が向上
する。
【0248】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る原子炉
核計装システム、このシステムを備えた原子炉出力分布
監視システムおよび原子炉出力分布監視方法において
は、可動型中性子検出器またはγ線検出器等の移動型測
定装置を不要とし、固定式原子炉核計装検出器だけを用
いて炉心の軸方向出力分布を精度よく能率的に算出し、
実測値を反映した信頼性の高い炉心出力分布計算結果を
得ることができる。
【0249】また、本発明に係る原子炉核計装システ
ム、このシステムを備えた原子炉出力分布監視システム
および原子炉出力分布監視方法においては、移動型測定
装置を不要として移動型測定装置の牽引装置、駆動装置
等の大掛りな機械的駆動装置を省略でき、構造の簡素化
を図るとともにメンテナンス作業時の被曝問題を軽減あ
るいは不要にしたものである。
【0250】請求項1に係る発明においては、炉内核計
装集合体(原子炉出力分布測定装置)を核計装管内に収
容された固定式中性子検出器集合体と固定式ガンマサー
モメータで構成したので、可動型中性子検出器あるいは
γ線検出器を不要にでき、移動型測定装置の牽引装置、
駆動装置等の大掛りな機械的駆動操作装置を不要にし、
構造の簡素化やメンテナンス作業の簡素化を図ることが
できる。
【0251】また、請求項1および4に係る発明におい
ては、固定式ガンマサーモメータの各固定式γ線発熱検
出器を炉心軸方向に分散配置された固定式中性子検出器
と少なくとも同じ炉心軸方向位置に配置したので、ドリ
フトの少ないγ線発熱検出器の読み値で固定式中性子検
出器の出力レベルの調整(利得調整)を行なうことがで
き、固定式中性子検出器の出力レベル調整をプロセス制
御計算機の計算による炉心出力分布計算結果を用いずと
も行えるので、安全保護系の一部を構成する固定式中性
子検出器集合体(出力領域局所出力検出器)の個々のド
リフト等による感度変化を、信頼性良く較正出来る。
【0252】請求項2および3に係る発明においては、
原子炉出力分布測定装置に移動型測定装置やその牽引装
置、駆動装置等の機械的駆動装置が不要となり、構造の
簡素化が図れ、原子炉出力分布監視装置と可動部分を不
要としたので、メンテナンス作業が簡素化される一方、
固定式ガンマサーモメータを採用したので、そのメンテ
ナンスフリー化を図ることができる。
【0253】請求項5に係る発明においては、固定式中
性子検出器N個と同じ数、同じ炉心軸方向位置に固定式
γ線発熱検出器を配置し、(N−1)個の固定式γ線発
熱(GT)検出器を前記N個の中間位置に配置する事に
よって、より炉心軸方向に多数のGT検出器信号を得、
請求項4および5に記載の発明よりも炉心軸方向出力分
布測定精度を上げる事が出来る。
【0254】請求項6に係る発明においては、請求項5
の発明のγ線発熱検出器の炉心軸方向配置に加えて、さ
らに最下段の固定式中性子検出器より下方にγ線発熱検
出器を配置するので、燃料有効長をほぼ均等にカバーし
てγ線発熱検出器を配置することができ、実測値と計算
値の差分の外挿量が減るので、燃料有効部上端近傍より
出力が高い下端近傍のノード出力がより高精度に炉心出
力分布の測定結果から算出することができる。
【0255】請求項7に係る発明においては、請求項5
の発明のγ線発熱検出器の炉心軸方向配置に加えて、さ
らに最上段の固定式中性子検出器より上方および最下段
の固定式中性子検出器よりの下方に、γ線発熱検出器を
それぞれ配置するので、燃料有効長をほぼ均等にカバー
してγ線発熱検出器を配置する事になり、外挿量が減る
ので、上下端のノード出力がより高精度に炉心出力分布
測定結果から算出することができる。
【0256】請求項8に係る発明においては、請求項5
乃至7記載の固定式γ線発熱検出器の配置位置に加え
て、γ線発熱検出器を最下段の固定式中性子検出器より
0.25Lの距離上方の位置にも追加配置したものであ
る。この追加位置は、最近の高燃焼度8×8燃料または
高燃焼度9×9燃料の炉心において、炉心軸方向で最大
出力ピーキングが生じやすい位置である点に着目し、こ
の位置に固定式γ線発熱検出器を配すると、最大線出力
密度を生じ易い炉心位置で精度良く出力分布監視が出
来、出力分布測定精度が向上する。特に請求項7の発明
に組み合わせると、炉心軸方向に配置できるガンマ線発
熱検出器の数が機械設計的に制限される場合に、制限さ
れた数の中で炉心出力分布精度の向上を図る点から最適
化させ得る利点がある。
【0257】請求項9に係る発明は、固定式中性子検出
器およびγ線発熱検出器が共に原子炉出力分布算出装置
で用いられる3次元核熱水力計算コードにおける燃料軸
方向ノード分割のノード中心に配置することで、全ての
γ線発熱検出器位置について隣接ノードの重みが同じに
出来るので炉心出力分布計算が簡単になり、測定精度が
向上する。
【0258】固定式中性子検出器がノード中心に無い場
合は、軸方向の隣接ノードの読み値中性子束分布から実
際の軸方向位置に内挿して補正していた。また、γ線発
熱検出器は検出器の位置に寄与するγ線源、つまり出力
分布は15cm以内は有為な割合で寄与するので、γ線発
熱検出器が軸方向ノード約15cm高さの中央に配された
としても、上下の隣接ノードの出力分布の影響を受け
る。その影響は検出器からの距離zのイクスポネンシャ
ルに近い関数で減衰する。したがって、γ線発熱検出器
が炉心軸方向ノードの中心に無い場合は、γ線発熱検出
器が存在するノード及び隣接ノード内での軸方向の出力
分布の軸方向非対称な重み分布で読み値を算出する必要
があり、逆にγ線発熱検出器の読み値から周囲の出力分
布に換算する場合には計算が楽なように軸方向に内挿ま
たは外挿してノード中心の読み値を算出する必要があ
る。
【0259】請求項10に係る発明においては、燃料ス
ペーサの炉心軸方向配置も軸方向ノードの中心に一致さ
せたので、3次元核熱水力シミュレーション計算コード
における燃料スペーサによる中性子束の軸方向歪みが、
ノード中心で最大になり、ほぼ当該ノードの平均化され
たデータの置き換えだけで燃料スペーサによる中性子束
の局所的歪み効果が考慮出来るので、3次元核熱水力シ
ミュレーション計算モデルにおける中性子束の軸方向歪
みの計算精度を向上させることができる。
【0260】請求項11に係る発明においては、固定式
中性子検出器の信号出力の較正を炉心軸方向の同一レベ
ルに存するγ線発熱検出器信号から算出したγ線発熱量
を用いて直接行うことによって、3次元核熱水力シミュ
レーション計算コードが装荷されている出力分布算出装
置を介さずに高速で信頼性高く固定式中性子検出器から
の信号出力の較正を精度よく行なうことができる。
【0261】請求項12に係る発明においては、燃料ス
ペーサによるノード出力の影響を評価した3次元核熱水
力計算コードを用いて炉心出力分布計算を行ない、最初
から炉心軸方向の計算された炉心出力分布に凹凸を有し
ているので、出力ピーク値の過大評価補正や燃料スペー
サのあるノード出力の過大評価補正の不具合を解消で
き、炉心出力分布を精度よく正確に学習補正でき、信頼
性の高い炉心出力分布を得ることができる。
【0262】請求項13に係る発明においては、γ線発
熱検出器が少なくとも前記固定式中性子検出器の軸方向
個数と同じでかつ同じ軸方向位置に配置されているの
で、ドリフトの少ないγ線発熱検出器の読み値で固定式
中性子検出器の出力レベルの調整(利得調整)を行うこ
とができ、この出力レベル調整にプロセス計算機の計算
による軸方向出力分布計算結果を用いずとも行なうこと
ができ、安全保護系の一部を構成する固定式中性子検出
器集合体(出力領域局所出力検出器)の個々のドリフト
等による感度変化を、信頼性良く較正出来る。
【0263】また、固定式ガンマサーモメータ(GT)
は炉心部に固定して配置され、炉心内の各γ線発熱検出
器(GT検出器)のスキャンは、TIPのように機械的
な移動を伴うことがなく、電子的なデータの読み取り及
びγ線発熱への電子回路による換算だけで行え、極めて
短時間の所要時間(例えば5分乃至10分)で行え、更
に1回/日または1回/時間のような高頻度に固定式中
性子検出器(LPRM検出器)の較正が可能になる。そ
の場合に、LPRM検出器の信号レベルをGTのγ線発
熱量(ぼぼGT周囲のノード平均出力に比例し、核計装
管側コーナー燃料棒の局所出力分布には余り大きくは依
存しない)換算量に較正すると、安全保護系の入力信号
が局所出力に比例し、かつプロセス制御計算機に内蔵さ
れている3次元核熱水力シミュレーション計算モデルに
よる炉心出力分布計算結果に依存しない良い局所平均出
力への較正を簡単に行なうことができる。
【0264】また、請求項13に係る発明と請求項5,
6または7とを組み合せることにより、固定式中性子検
出器の配置数と同じ数、同じ軸方向位置に固定式γ線発
熱検出器を配置し、さらに固定式中性子検出器内の炉心
軸方向中間位置に少くとも固定式γ線発熱検出器をそれ
ぞれ配置したので、炉心軸方向により多数のγ線発熱検
出器(GT検出器)信号を得て、炉心軸方向の出力分布
測定精度を向上させることができる。
【0265】請求項13に係る発明と請求項9とを組み
合せることにより、原子炉出力分布測定装置における複
数の固定式γ線発熱検出器が、請求項5,6または7に
記載の位置に加えて、最下段の固定式中性子検出器より
上方0.25Lの位置にも追加配置したものであり、こ
の位置に固定式γ線発熱検出器を配すると、最大線出力
密度を生じ易い炉心位置で精度良く出力分布監視が出
来、炉心出力分布測定精度が向上する。
【0266】請求項13に係る発明と請求項9とを組み
合せると、固定式中性子検出器およびγ線発熱検出器が
共に燃料軸方向ノード分割のノード中心に配置すること
により、全てのγ線発熱検出器位置について上下の隣接
ノードのγ線発熱量の重みが同じに出来るので炉心出力
分布の測定が簡単になり、測定精度が向上する。
【0267】請求項13に係る発明と請求項11とを組
み合せると、固定式中性子検出器の信号出力の較正を軸
方向の同一レベルに存するγ線発熱検出器信号から算出
したγ線発熱量を用いて直接行うことによって、3次元
核熱水力計算コードが装荷されている出力分布算出装置
を介さずに高速で信頼性高く較正できる。
【0268】請求項14に係る発明においては、原子炉
出力分布算出装置は、出力分布算出モジュールで燃料ス
ペーサによるノード出力の影響を評価した3次元核熱水
力計算コードを物理モデルとして内蔵したプロセス制御
計算機を用いて炉心出力分布を計算し、この計算された
炉心出力分布結果を出力分布学習モジュールで原子炉核
計装システムからの実測データと比較することにより、
実測データを反映した炉心出力分布を精度よく効率的に
得ることができる。
【0269】請求項15に係る発明においては、γ線発
熱検出器の応答を出力分布算出装置で計算するにおい
て、ガンマ線の飛程が熱中性子より長いことを考慮し
て、検出器の存する軸方向ノードだけでなく隣接する上
下ノードからの寄与も考慮することにより、最小限の計
算で出力分布算出精度が向上する。
【0270】請求項16に係る発明においては、燃料ス
ペーサによるノード出力の影響を評価した3次元核熱水
力計算コードを用いて炉心現状データ測定手段からの炉
心現状データから炉心出力分布を計算し、計算コードで
炉心出力分布結果からγ線発熱量のシミュレーション計
算値を得、この計算値を原子炉核計装システムの各測定
位置からのガンマ線発熱量の測定値と比較し、計算した
炉心出力分布または中性子束分布を各ノードに比例配分
で補正したので、測定値に対応した信頼性の高い炉心出
力分布を精度よく正確に計算することができる。
【0271】請求項17に係る発明においては、3次元
核熱水力計算コードが、燃料スペーサによる、当該ノー
ドの出力影響効果を評価出来るようにしたので、最初か
ら燃料スペーサによる軸方向出力分布の凹凸を有してお
り、ノード出力の過小評価補正や過大評価補正の不具合
を無くすことができる。
【0272】請求項18に係る発明においては、炉心軸
方向の出力分布を、全ノード数より少ないノード位置か
らの軸方向測定データでγ線発熱量を求めればよく、全
てのノードの出力分布を測定しなくても、信頼性の高い
炉心出力分布を測定することができる。
【0273】請求項19に係る発明においては、ガンマ
線発熱検出器の読み値で固定式中性子検出器の出力レベ
ル調整を行なうことができ、固定式中性子検出器による
中性子束測定感度の劣化を簡単かつ容易に短時間で較正
することができる。
【0274】請求項20に係る発明においては、γ線発
熱検出器の応答を出力分布算出装置で計算する際、ガン
マ線の飛程が熱中性子より長いことを考慮して、γ線発
熱検出器の存する炉心軸方向ノードだけでなく隣接する
上下ノードからのγ線発熱量寄与も考慮することによ
り、最小限の計算で出力分布算出精度を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る原子炉出力分布監視システムの実
施形態の概要を示すブロック構成図。
【図2】本発明に係る原子炉核計装システムの第1実施
形態を示すもので、原子炉核計装システムの原子炉出力
分布測定装置の検出器配置例を示す一部切欠き斜視図。
【図3】図2に示された原子炉出力分布測定装置の検出
器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図4】図2に示された原子炉出力分布測定装置に備え
られる固定式ガンマサーモメータを破断して示す斜視
図。
【図5】図4に示された固定式ガンマサーモメータの構
造例を示す部分的な縦断面図。
【図6】(A)は本発明に係る原子炉核計装システムに
備えられる原子炉出力分布測定検出器の配置例を示す
図、(B)は上記原子炉出力分布測定検出器に備えられ
る固定式ガンマサーモメータのγ線発熱を測定する原理
を示す説明図およびγ線発熱の温度分布図。
【図7】原子炉の炉心軸方向出力分布の比較特性曲線図
であり、本発明に係る原子炉核計装システムの一実施形
態で採用されるスペーサモデルを有した3次元核熱水力
計算コードとスペーサモデルを内蔵しない従来の3次元
核熱水力計算コードの場合のガンマサーモメータによる
学習補正結果を示す燃料集合体の軸方向出力分布の比較
図。
【図8】図7のA部を拡大して示すもので、スペーサモ
デルを有しない場合の学習補正の過大補正効果を示す説
明図。
【図9】図7のA部を拡大して示すもので、スペーサモ
デルを有する場合の学習補正の効果を示す説明図。
【図10】本発明に係る原子炉出力分布監視システムの
原子炉出力分布算出装置に備えられる出力分布算出モジ
ュールと出力分布補正モジュールの炉心出力分布計算お
よび学習の流れを示す図。
【図11】本発明に係る原子炉核計装システムを沸騰水
型原子炉の3次元核熱水力計算コード(修正一群コード
の例)に適用したフローチャートを示す図。
【図12】本発明に係る原子炉核計装システムの第2実
施形態を示すもので、原子炉出力分布測定検出器(炉内
核計装集合体)の検出器配置例を示す一部切欠き斜視
図。
【図13】図12に示された原子炉出力分布測定検出器
の検出器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図14】本発明に係る原子炉核計装システムの第3実
施形態を示すもので、原子炉出力分布測定検出器の検出
器配置例を示す一部切欠き斜視図。
【図15】図14に示された原子炉出力分布測定検出器
の検出器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図16】本発明に係る原子炉核計装システムの第4実
施形態を示すもので、原子炉出力分布測定検出器の検出
器配置例を示す一部切欠き斜視図。
【図17】図16に示された原子炉出力分布測定検出器
の検出器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図18】本発明に係る原子炉核計装システムの第5実
施形態を示すもので、原子炉出力分布測定検出器の検出
器配置例を示す一部切欠き斜視図。
【図19】図18に示された原子炉出力分布測定検出器
の検出器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図20】本発明に係る原子炉核計装システムの第6実
施形態を示すもので、原子炉出力分布測定検出器の検出
器配置例を示す一部切欠き斜視図。
【図21】図20に示された原子炉出力分布測定検出器
の検出器配置例を示す一部切欠き正面図。
【図22】本発明に係る原子炉核計装システムに備えら
れるガンマサーモメータ(GT)へのγ線発熱のγ線面
源からの距離の効果説明図。
【図23】ガンマサーモメータのγ線発熱検出器(GT
検出器)をノード中心に設置した場合における隣接ノー
ドからのγ線発熱量(ノード出力)の寄与割合を説明す
る図。
【図24】ガンマサーモメータのγ線発熱検出器をノー
ド中心に設置しない場合の隣接ノードからのγ線発熱量
(ノード出力)の寄与割合を説明する図。
【図25】ガンマサーモメータ(GT)が燃料軸方向ノ
ードの中心に位置しない場合のGT応答の求め方を示す
説明図。
【図26】従来の原子炉出力分布監視システムの概要を
示すブロック構成図。
【図27】従来の原子炉核計装システムに備えられる原
子炉出力分布測定検出器として固定式中性子検出器集合
体(LPRM)と移動型中性子検出器を組み合せた例を
示す図。
【図28】従来の原子炉核計装システムに備えられる原
子炉出力分布測定検出器として固定式中性子検出器集合
体と移動型γ線検出器を組み合せた例を示す図。
【符号の説明】
1 原子炉格納容器 2 原子炉圧力容器 3 炉心 4 燃料集合体 5 制御棒 30 原子炉核計装システム 31 原子炉出力分布算出装置(炉心性能監視装置) 32 炉内核計装集合体(原子炉出力分布測定検出器) 33 核計装管 34 固定式中性子検出器(固定式中性子検出手段、L
PRM検出器) 35 固定式γ線発熱検出器(固定式γ線検出手段、ガ
ンマサーモメータ) 37 中性子検出器集合体(LPRM) 38 信号ケーブル 39 ペネトレーション部 40 信号処理装置(出力領域検出器信号処理装置) 41 出力領域中性子束測定系 44 ガンマサーモメータ 45 信号ケーブル 46 ペネトレーション部 48 ガンマサーモメータ信号処理装置 50 ガンマサーモメータ出力分布測定系 52 炉心現状データ測定装置 53 ペネトレーション部 54 信号ケーブル 55 現状データ処理装置 56 プロセスデータ測定系 58 出力分布算出モジュール 59 出力分布学習モジュール(出力分布補正モジュー
ル) 60 入出力装置(表示装置) 62 カバーチューブ(ジャケットチューブ) 63 コアーチューブ 64 環状空隙部 65 内部孔 66 ケーブルセンサ組立体 67 内蔵ヒータ(棒状発熱体、シーズヒータ) 68 熱電対(温度センサ、シーズ熱電対) 69 電気絶縁層 70 金属被覆管 72 ヒータ線 73 電気絶縁層 74 金属被覆層 75 熱電対素線 76 電気絶縁層 77 金属被覆層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原子炉の炉心に装荷される多数の燃料集
    合体間の間隙に複数の炉内核計装集合体を配置し、上記
    炉内核計装集合体は、複数個の固定式中性子検出器を炉
    心軸方向に分散配置した固定式中性子検出器集合体と、
    上記固定式中性子検出器と少なくとも同じ炉心軸方向位
    置に固定式γ線発熱検出器を配置した固定式ガンマサー
    モメータとを有することを特徴とする原子炉核計装シス
    テム。
  2. 【請求項2】 原子炉核計装システムは、出力領域中性
    子束測定装置とガンマサーモメータ出力分布測定装置と
    から構成され、上記出力領域中性子束測定装置は、原子
    炉炉心に配置される固定式中性子検出器集合体とその信
    号処理装置とを備える一方、前記ガンマサーモメータ出
    力分布測定装置は原子炉炉心に配置される固定式ガンマ
    サーモメータとその信号処理装置とを備え、前記原子炉
    核計装システムの検出器群を炉内核計装集合体に一体的
    に収納し、この炉内核計装集合体で各測定点における中
    性子束およびγ線発熱を測定した請求項1に記載の原子
    炉核計装システム。
  3. 【請求項3】 原子炉核計装システムは、細長い長尺棒
    状構造の炉内核計装集合体を備え、上記炉内核計装集合
    体の固定式中性子検出器集合体に信号ケーブルを介して
    接続された出力領域検出器信号処理装置と、上記炉内核
    計装集合体の固定式ガンマサーモメータに信号ケーブル
    を介して接続されたガンマサーモメータ信号処理装置と
    を有する請求項1に記載の原子炉核計装システム。
  4. 【請求項4】 炉内核計装集合体の固定式中性子検出器
    集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子
    検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定
    式ガンマサーモメータは上記固定式中性子検出器と炉心
    軸方向配置数が同数でかつ同じ炉心軸方向位置に固定式
    γ線発熱検出器が配置された請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の原子炉核計装システム。
  5. 【請求項5】 炉内核計装集合体の固定式中性子検出器
    集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子
    検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定
    式ガンマサーモメータは、炉心軸方向に(2N−1)個
    の固定式γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発
    熱検出器の(2N−1)個のうちN個が前記固定式中性
    子検出器と同じ炉心軸方向位置に、残りの(N−1)個
    が前記固定式中性子検出器間の炉心軸方向中間位置にそ
    れぞれ配置された請求項1ないし3のいずれかに記載の
    原子炉核計装システム。
  6. 【請求項6】 炉内核計装集合体の固定式中性子検出器
    集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子
    検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定
    式ガンマサーモメータは、炉心軸方向に2N個の固定式
    γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発熱検出器
    の2N個のうちN個が前記固定式中性子検出器と同じ炉
    心軸方向位置に、残りの(N−1)個が前記固定式中性
    子検出器間の炉心軸方向中間位置に配置され、さらに残
    りの1個が前記固定式中性子検出器の最下段位置より下
    方の炉心軸方向燃料有効部内に、炉心軸方向有効部端か
    ら15cm以上離れてそれぞれ配置された請求項1ないし
    3のいずれかに記載の原子炉核計装システム。
  7. 【請求項7】 炉内核計装集合体の固定式中性子検出器
    集合体は、炉心軸方向にN個(N≧4)の固定式中性子
    検出器が所定の間隔をおいて分散配置される一方、固定
    式ガンマサーモメータは、炉心軸方向に(2N+1)個
    の固定式γ線発熱検出器が配置され、上記固定式γ線発
    熱検出器の(2N+1)個のうちN個が前記固定式中性
    子検出器と同じ炉心軸方向位置に、残りの(N−1)個
    が前記固定式中性子検出器間の炉心軸方向中間位置に配
    置され、さらに残りの1個が前記固定式中性子検出器の
    最下段位置より下方の炉心軸方向燃料有効部内に、最後
    の1個が前記固定式中性子検出器の最上段位置より上方
    の炉心軸方向燃料有効部内に、炉心軸方向燃料有効部端
    から15cm以上離れてそれぞれ配置された請求項1ない
    し3のいずれかに記載の原子炉核計装システム。
  8. 【請求項8】 固定式ガンマサーモメータは、固定式中
    性子検出器内の軸方向配置間隔をLとしたとき、固定式
    中性子検出器の最下段位置より上方に、L/4の位置に
    配置した請求項5乃至7のいずれかに記載の原子炉核計
    装システム。
  9. 【請求項9】 原子炉の炉心を炉心軸方向にノード分割
    したとき、固定式中性子検出器の炉心軸方向位置および
    固定式γ線発熱検出器の炉心軸方向位置を各ノードの中
    央にそれぞれ一致させた請求項1乃至8のいずれかに記
    載の原子炉核計装システム。
  10. 【請求項10】 原子炉の炉心を炉心軸方向にノード分
    割したとき、燃料スペーサを炉心軸方向のノード中心に
    配置した請求項1乃至9のいずれかに記載の原子炉核計
    装システム。
  11. 【請求項11】 固定式中性子検出器集合体を構成する
    各固定式中性子検出器は、同じ炉心軸方向位置に配置さ
    れた固定式γ線発熱検出器で較正可能に配置され、各固
    定式中性子検出器は同じ炉心軸方向位置のγ線発熱検出
    器信号から求められるγ線発熱に換算された量に一致す
    るように較正された請求項1乃至10のいずれかに記載
    の原子炉核計装システム。
  12. 【請求項12】 原子炉炉心の現状データ測定手段から
    の炉心現状データに基き、燃料スペーサによるノード出
    力の影響を評価した3次元核熱水力計算コードにより中
    性子束分布計算を介して炉心出力分布を算出する原子炉
    出力分布算出装置と、前記原子炉炉心に配置された固定
    式の原子炉核計装システム検出器からの実測データで出
    力領域の炉出力分布を測定する原子炉核計装システムと
    を有し、前記原子炉出力分布算出装置は、原子炉炉心を
    炉心軸方向に複数のノードに分割してノード出力を算出
    する一方、燃料スペーサを有するノードについては、燃
    料スペーサによるノード出力への影響を考慮した出力分
    布計算を行なうように設定したことを特徴とする原子炉
    出力分布監視システム。
  13. 【請求項13】 原子炉核計装システムは、固定式中性
    子検出器集合体と固定式ガンマサーモメータを核計装管
    内に収容した炉内核計装集合体を有し、上記炉内核計装
    集合体は、炉心軸方向に複数個の固定式中性子検出器が
    分散配置される一方、前記固定式ガンマサーモメータ
    は、前記固定式中性子検出器と少なくとも同じ炉心軸方
    向位置に配置された固定式γ線発熱検出器を備えた請求
    項12に記載の原子炉出力分布監視システム。
  14. 【請求項14】 原子炉出力分布算出装置は、現状デー
    タ測定手段からの炉心現状データを入力し、燃料スペー
    サによるノード出力の影響を評価した3次元核熱水力計
    算コードにより、炉心内の中性子束分布、出力分布、熱
    的運転制限値に対する余裕等の炉心出力分布を算出する
    出力分布算出モジュールと、この算出モジュールからの
    炉心出力分布計算結果を入力するとともに、この計算結
    果を前記原子炉核計装システムからの実測データを参照
    し、実測データを反映した炉心出力分布補正量を得る出
    力分布学習モジュールと、表示装置を備えた入出力装置
    とから構成された請求項12または13に記載の原子炉
    出力分布監視システム。
  15. 【請求項15】 固定式ガンマサーモメータのγ線発熱
    検出器のγ線発熱量を求めたい炉心軸方向ノードをKと
    するとき、炉心軸方向ノードKの上下に隣接するノード
    K−1およびK+1からのγ線発熱量の寄与を重み相関
    関数で加算し、各γ線発熱検出器の炉心軸方向位置にお
    けるγ線発熱量を算出するようにした請求項12乃至1
    4のいずれかに記載の原子炉出力分布監視システム。
  16. 【請求項16】 炉心現状データ測定手段からの炉心現
    状データを原子炉出力分布算出装置に入力し、この原子
    炉出力分布算出装置で、燃料スペーサによるノード出力
    の影響を評価した3次元核熱水力計算コードを用いて中
    性子束分布計算を介して炉心出力分布を計算し、計算し
    た炉心出力分布の結果からガンマ線発熱量のシミュレー
    ション計算を得、この計算値と原子炉核計装システムか
    らのガンマ線発熱量の測定値との差分を出力分布学習モ
    ジュールで所要の測定位置毎に差分補正量として求め、
    さらに軸方向に差分補正量を内外挿して各軸方向ノード
    の差分補正量を得、この差分補正量に適合するように前
    記計算した炉心出力分布または中性子束分布を核計装管
    周囲の各ノードに比例配分で補正して炉心出力分布を補
    正算出し、監視することを特徴とする原子炉出力分布監
    視方法。
  17. 【請求項17】 3次元核熱水力計算コードを用いて炉
    心出力分布を計算する際、既知の炉心軸方向ノード位置
    に設置された燃料スペーサによる中性子束の局所的な歪
    みを考慮したノード出力から炉心出力分布を求める請求
    項16に記載の原子炉出力分布監視方法。
  18. 【請求項18】 原子炉炉心に装荷される燃料を炉心軸
    方向に複数のノードに分割したとき、全ノード数より少
    ない炉心軸方向ノード位置のガンマ線発熱量を固定式ガ
    ンマサーモメータで測定する請求項16または17に記
    載の原子炉出力分布監視方法。
  19. 【請求項19】 固定式ガンマサーモメータの各ガンマ
    線発熱検出器を、炉心軸方向に分散配置された固定式中
    性子検出器と少なくとも同じ炉心軸方向位置に配置し、
    ガンマ線発熱検出器の読み値で固定式中性子検出器の出
    力レベル調整を行なう請求項18に記載の原子炉出力分
    布監視方法。
  20. 【請求項20】 固定式ガンマサーモメータの検出器の
    γ線発熱量を求めたい炉心軸方向ノードをKとすると
    き、炉心軸方向ノードKの上下に隣接するノードK−1
    およびK+1からのγ線発熱量の寄与を重み相関関数で
    加算し、各γ線発熱検出器の炉心軸方向位置におけるγ
    線発熱量を算出する原子炉出力分布監視方法。
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