JPH11266775A - サワーブレッドの製造方法 - Google Patents

サワーブレッドの製造方法

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JPH11266775A
JPH11266775A JP9835298A JP9835298A JPH11266775A JP H11266775 A JPH11266775 A JP H11266775A JP 9835298 A JP9835298 A JP 9835298A JP 9835298 A JP9835298 A JP 9835298A JP H11266775 A JPH11266775 A JP H11266775A
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紀子 斎藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従前数日間を要し、且つ生産管理が面倒なサ
ワーブッレドの製造を、容易に且つ24時間以内の製造
を可能とする。 【解決手段】 生米等の乳酸菌発酵物を磨砕して得た乳
液状の発酵種を、パンの第一次原料粉に添加混捏し、乳
酸発酵のみを先行させて乳酸生地を一旦製出し、この乳
酸生地に、第二次原料を添加混合してパン生地を製出
し、常法通り製パンを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サワーブレッドの製造
方法に関するものであり、本発明にいうサワーブレッド
は、小麦パン、ライ麦パン、米パン等の特に原料粉の違
いや、型焼きパン、天板パン、直焼パン等の焼き方の相
違等にかかわらず、相応の酸味を有するパン全てを含む
ものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】サワー
ブレッドは、古来より実施されている乳酸発酵生地を焼
成した酸味や香味に優れたパンで、ライ麦や、小麦粉に
存在する乳酸菌や、酪酸菌等を自然発酵させたり、小麦
粉に酢、イースト等を加えて発酵させ、元種を作り、こ
れに継ぎ種と称する複雑な工程を経て製造されている。
そして前記の種を製造するのに2〜7日を要し、而も原
料粉には、乳酸菌等必要とする菌の他雑菌も付着してお
り、元種の製造に際して、これらの雑菌も同時に繁殖
し、目的とする酸味や香味を得ることが難しい等の技術
課題を有している。このため従前の手法では、品質の均
等な製品を得難く大量生産に不適当である。
【0003】また従来より酸味や香味の改善手段として
乳酸菌を使用する手法が多数提案されている。例えば特
公昭59−15604号公報には、小麦粉を主体とする
培地で培養した乳酸菌(ラクトバチルス サンフランシ
スコ菌)を培地と共に、特公昭63−63170号公報
には、ライ麦に由来する乳酸菌を、特公昭57−174
96号公報には、ホップ汁、モルトエキストラクト及び
小麦粉の混合物を培養基質として乳酸菌を発酵培養した
発酵液を、また特開平1−128741号公報には、リ
ンゴ酸を代謝して乳酸の蓄積を増大させる能力を備えた
乳酸菌(特公平7−93857号公報には、前記の乳酸
菌がアルコール耐性乳酸菌と指摘している)を、従前と
同様の中種用生地に混入したり、ストレート法を採用す
る生地に混入する手段が開示されている。
【0004】前記の乳酸菌のパン生地への混入使用例に
おいては、パン生地の発酵工程の3〜5時間程度では、
菌の栄養分が、イースト菌によって使い尽くさてしまう
同時に、イースト発酵によって生成されるアルコールに
よって乳酸発酵が著しく抑制され、乳酸生成量が少なく
サワーブレッドとはならない。従前の乳酸菌添加は、単
に通常のパンの風味改善のため使用されているにすぎな
く、たんなる乳酸菌添加では本格的なサワーブレッドを
製造することはできない。そこで本発明は、短時間で且
つ大量生産に適するサワーブレッドの新規な製造方法を
提案したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るサワーブレ
ッドの製造方法は、乳酸発酵工程とイースト発酵工程を
完全に分離し、且つ乳酸菌の付与条件を特定して、乳酸
発酵の効率化を図ったものである。即ち生米等の乳酸菌
発酵物を磨砕して得た乳液状の発酵種を、パンの第一次
原料粉に添加混捏し、乳酸発酵のみを先行させ、生地中
に乳酸として重量比0.5%以上生成させた乳酸生地を
一旦製出し、この乳酸生地に、パン生地となる二次原料
を加えて、常法とおりの手段をもってパンを製造するこ
とを特徴としたものである。
【0006】又本発明は、前記の原料粉として米粉を使
用して、米パンであるサワーブレッドの製造を提案し、
更に第一次原料粉に対して2%のスキムミルクを添加混
合することで、乳酸菌の生成量の増加を図った製造方法
を提案したものである。
【0007】表1に示した組成のように、小麦粉(第一
次原料粉)に、乳酸菌発酵液を所定量添加し、その発酵
を観察したのが表2である。表2の酸度の項に示した酸
の殆どは乳酸である。尚乳酸菌発酵種となる発酵液は、
特開平9−182569号公報に開示されているよう
に、精白米を水洗した後に食塩存在下で乳酸発酵を行
い、発酵液と共に残存米を粉砕して全体を乳液状とし
て、相当量(目安として106個/ml以上程度)の乳
酸菌を含有するものである。
【0008】
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】表1及び表2から、発酵液10%重量添加
により、9時間程度まで緩やかに発酵が進み、それ以上
となると、乳酸の生成速度が高まることが確認できた。
また発酵液は最初の添加量が1%重量以下の場合には、
乳酸生成が不十分であることが確認できた。
【0011】更に乳酸菌の栄養原としてタンパク質やミ
ネラルを補充する乳酸発酵促進材としてスキムミルクを
添加すると、無添加に比較して同一時間の発酵におい
て、乳酸の生成量が増加することが確認できた。
【0012】また第一次原料粉として、米粒の細胞膜を
加水分解したり又は軟化させるヘミセルラーゼ、ペクチ
ナーゼ、ペクチンエステラーゼ等の酵素を作用させた後
に乾燥微細粉化して製出した酵素処理米粉を採用した試
験結果が表3、4であり、米粉の場合でも充分乳酸生地
となることが確認できた。
【0013】
【表3】
【0014】
【表4】
【0015】
【表5】
【0016】
【表6】
【0017】更に第一次原料粉として、発酵液を得るた
めに使用した乳酸発酵米自体を乾燥してパウダーとした
乳酸発酵米粉を採用した結果が表5、6である。同試料
の場合でも乳酸生成量は、充分に確保でき、乳酸生地と
なることが確認できた。尚前記乳酸発酵米パウダーの使
用に際しては、原料粉自体がpH3.8前後となりその
ままでは乳酸発酵が進まないので、予め炭酸ナトリウム
等の調整材を加える必要がある。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について説
明する。 <第一実施例>第一実施例は、小麦粉パンの例で、その
製造工程は図1に例示したとおり、乳酸生地製出工程、
パン生地製出工程、仕上げ焼成工程からなり、乳酸生地
製出工程は、乳酸を含有した種生地を製出するもので、
強力粉(第一次原料粉)1050g、米乳酸発酵液15
0g、上白糖21g、スキムミルク30g、水585g
を立型ケーキミキサーでミキシング(L2分、H1分)
を行い、恒温器(パン用ホイロ)で30℃を維持して1
晩(16時間)の乳酸発酵を行い、乳酸生地を得たもの
である。尚前記の乳酸発酵過程では、生地の膨張が確認
されず、発酵開始時の原形を保っていた。即ちグルテン
の組織破壊は生じない。
【0019】パン生地製出工程は、前記の乳酸生地に第
二次原料を追加して、本練りを行い、所定の発酵を行
い、パン生地を得るものである。第二次原料は、強力粉
(第二次原料粉)450g、ドライイースト37.5
g、上白糖84g、食塩22.5g、水360g、ショ
ートニング105gで、前記の第二次原料と乳酸生地と
を混捏し、40分のフロアータイムをおいて発酵させる
ものである。
【0020】そして次に仕上げ焼成工程を行うもので、
この工程は、従前のパン製造と同様に、220g毎に分
割して丸め、ねかせ(ベンチタイム:中間発酵)15
分、並びに整型を行い、3斤用食パン型に6個づつ型詰
めを行い、27℃のホイロで60分の二次発酵を行って
から、200℃のオーブンで50分の焼成を行い、食パ
ンを得たものである。
【0021】焼成後の食パンは、形状、表皮の質、肉相
とも良好であり、食味は、コクがあり口どけも良好であ
るが、酸味がやや強く感じられた。
【0022】従って乳酸生地を製出し、この乳酸生地に
第二原料を加えて本練りを行い、常法通り製パンを行う
と、容易にサワーブレッドを製造することができたもの
である。
【0023】また前記の実施例に於いて、第二原料粉を
乳酸生地の第一次原料粉の2倍としても、充分酸味を備
えたサワーブレッドを製出することができたもので、酸
味調整は、乳酸生地に対する第二次原料の量の調整で容
易に行うことができる。更に、本練り後の発酵時間は、
前記実施例に於いては、従前の中種法と同様に第二次原
料との本練り後の発酵時間を短くしたが、乳酸生地自体
はイースト発酵が全く行われていないので、パン生地製
出工程での発酵を充分行うようにしても良い。小麦パン
のサワーブレッドの場合、第一次原料粉を100部とし
た他の材料の最適範囲を図1の数値として示した。
【0024】<第二実施例>第二実施例は、米粉パンの
例で、その製造工程は基本的に前記小麦粉パンと同様で
あり、乳酸生地製出工程では、粳精米を所定の酵素処理
を施してから乾燥粉砕した米粉500g、乳酸菌発酵液
50g、上白糖10g、スキムミルク10g、水400
gを混合して捏ね、団子状の生地をつくり、30℃16
時間の乳酸発酵を行い、乳酸生地を得たものである。
【0025】次のパン生地製出工程では、前記と同様の
米粉(第二次原料粉)350g、粉末グルテン150
g、増粘多糖類10g、ドライイースト25g、上白糖
90g、食塩15g、水400g、ショートニング15
0gと、前記乳酸生地とを混捏し、40分のフロアータ
イムをおいて発酵させるものである。
【0026】そして次に仕上げ焼成工程では、前記パン
生地を80g毎に分割して丸め、ねかせ(ベンチタイ
ム:中間発酵)15分、並びに整型(球形)を行い、2
7℃のホイロで40分の二次発酵を行ってから、210
℃のオーブンで18分の焼成を行い、米パンを得たもの
である。
【0027】焼成後の米パンは、形状、表皮の質、肉相
とも良好であり、食味は良好であり、酸味も前記第一実
施例に比較して乳酸菌発酵液の比率を少なくしたので、
穏やかな酸味となった。
【0028】本発明は、前記の酵素処理米粉の他、乳酸
発酵米の乾燥米粉についても、乳酸発酵生地を得ること
ができたことが認められるので、米粉は前記の酵素処理
米以外でも適用でき、また第一次原料粉及び第二次 原
料粉として、異なる種類のものを組み合わせても適用で
きるし、また小麦粉と米粉を混ぜたものを原料粉として
も良い。米粉を使用する場合には、グルテンの不足分を
別途補うようにすると良いのみであり、発酵時間や、焼
成時間等は、原料粉の種別に応じて最適なものを決定す
れば良いものである。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明は、乳酸発酵のみを
先行させた乳酸生地を一旦製出し、この乳酸生地に、第
二次原料を添加して本練りを行い、常法通りの仕上げ焼
成を行ってサワーブレッドを製造するもので、従前では
数日間を要したサワーブレッドを、乳酸生地の仕込から
パン生地の製造及び焼成が24時間以内で達成できるも
のであり、而も大量生産から少量生産まで、生産量調整
が容易に行うことができ、工場生産でも各市井のパン屋
においても容易にサワーブレッドの製造が可能となるも
のである。
【0030】更に乳酸生地の製造において、乳酸菌の成
育温度は10〜40℃と幅が広く厳密な温度管理を必要
とせず、更に乳酸菌の圧倒的な優位下での乳酸発酵であ
るため、その他の雑菌の増殖を抑制し、食品衛生の面か
らも安全性が高いという利点も有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のフロチャート(小麦パンの
場合)。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年6月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】前記の乳酸菌のパン生地への混入使用例に
おいては、パン生地の発酵工程の3〜5時間程度では、
菌の栄養分が、イースト菌によって使い尽くされてしま
い同時に、イースト発酵によって生成されるアルコール
によって乳酸発酵が著しく抑制され、乳酸生成量が少な
くサワーブレッドとはならない。従前の乳酸菌添加は、
単に通常のパンの風味改善のため使用されているにすぎ
なく、たんなる乳酸菌添加では本格的なサワーブレッド
を製造することはできない。そこで本発明は、短時間で
且つ大量生産に適するサワーブレッドの新規な製造方法
を提案したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 紀子 新潟県新津市緑町20番地 (72)発明者 中村 幸一 新潟県加茂市大字上高柳427番地 (72)発明者 石動 晴美 新潟市鳥屋野2丁目13番5号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生米等の乳酸菌発酵物を磨砕して得た乳
    液状の発酵種を、パンの第一次原料粉に添加混捏し、乳
    酸発酵のみを先行させ、生地中に重量比0.5%以上の
    乳酸を生成させた乳酸生地を製造し、前記乳酸生地に新
    たに第二次原料粉、イースト、砂糖、食塩、油脂等のパ
    ン生地に必要とする原料を所定量加えて本練りを行いパ
    ン生地とし、常法どおり、発酵、分割、ねかし、整型、
    焼成等の必要とする各工程により製造することを特徴と
    するサワーブレッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第一次原料粉及び第二次原料粉の双方若
    しくは一方に、米粉若しくは米粉と小麦粉の混合物を使
    用し、本練り時に、第二次原料粉の米粉量に応じた量の
    グルテンを添加して米パンとした請求項1記載のサワー
    ブレッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 第一次原料粉に対して重量比で2%程度
    のスキムミルクを、第一次原料粉混捏時に添加してなる
    請求項1又は2記載のサワーブレッドの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009142181A (ja) * 2007-12-13 2009-07-02 Probio International:Kk パンの製造方法
JP2010035507A (ja) * 2008-08-07 2010-02-18 Nisshin Flour Milling Inc パン類の製造方法
JP2014023454A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Meiji Co Ltd 風味と食感に優れたピザクラストの製造方法
WO2019208506A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 三菱商事ライフサイエンス株式会社 ベーカリー製品用食感改良剤

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