JPH1126703A - 強誘電体メモリ - Google Patents
強誘電体メモリInfo
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- JPH1126703A JPH1126703A JP9175755A JP17575597A JPH1126703A JP H1126703 A JPH1126703 A JP H1126703A JP 9175755 A JP9175755 A JP 9175755A JP 17575597 A JP17575597 A JP 17575597A JP H1126703 A JPH1126703 A JP H1126703A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 素子形成工程等で生じる還元雰囲気に晒され
た際の酸化物系強誘電体膜の還元を阻止することによっ
て、特に残留分極Qswの劣化を抑制する。 【解決手段】 基板上に順に積層された下部電極、強誘
電体膜および上部電極を具備する強誘電体メモリであ
る。強誘電体膜3は例えばPZTのような強誘電性を示
すペロブスカイト型酸化物等からなる。このような強誘
電体膜3を構成する結晶粒3aの粒界4aおよび三重点
4bには、Si、BおよびPから選ばれる少なくとも 1
種を含有する絶縁相5、例えば硼珪酸ガラスのようなガ
ラス形成成分を用いた非晶質相からなる絶縁相5が存在
している。
た際の酸化物系強誘電体膜の還元を阻止することによっ
て、特に残留分極Qswの劣化を抑制する。 【解決手段】 基板上に順に積層された下部電極、強誘
電体膜および上部電極を具備する強誘電体メモリであ
る。強誘電体膜3は例えばPZTのような強誘電性を示
すペロブスカイト型酸化物等からなる。このような強誘
電体膜3を構成する結晶粒3aの粒界4aおよび三重点
4bには、Si、BおよびPから選ばれる少なくとも 1
種を含有する絶縁相5、例えば硼珪酸ガラスのようなガ
ラス形成成分を用いた非晶質相からなる絶縁相5が存在
している。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体メモリに関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】現在広く用いられているDRAΜ(ダイ
ナミック・ランダム・アクセス・メモリ)のICメモリ
は、電気的に書き込み消去ができるが、電源を切ると記
憶データが全て消えてしまうという大きな欠点を有して
いる。このため、DRΑMと同様な高速、大容量、低消
費電力を保ちながら、電源を切っても記憶されたデータ
が消えない不揮発性を備えた強誘電体メモリ(FRAM
(フェロエレクトリック・ランダム・アクセス・メモ
リ))が非常に注目されている。
ナミック・ランダム・アクセス・メモリ)のICメモリ
は、電気的に書き込み消去ができるが、電源を切ると記
憶データが全て消えてしまうという大きな欠点を有して
いる。このため、DRΑMと同様な高速、大容量、低消
費電力を保ちながら、電源を切っても記憶されたデータ
が消えない不揮発性を備えた強誘電体メモリ(FRAM
(フェロエレクトリック・ランダム・アクセス・メモ
リ))が非常に注目されている。
【0003】FRAMはDRAMのキャパシタ部分を強
誘電体で置き換え、記憶保持機能を持たせたものであ
る。強誘電体は自発的な電気分極を有し、その自発分極
が電場をかけることにより方向が反転する結晶である。
かける電圧の正負を切り換えることにより、+または−
の電荷を結晶表面に誘起することができる。電圧を切っ
ても、この+または−の電荷は保持されるため、不揮発
性とすることができる。この状態を 0と 1に対応させて
メモリを構成している。
誘電体で置き換え、記憶保持機能を持たせたものであ
る。強誘電体は自発的な電気分極を有し、その自発分極
が電場をかけることにより方向が反転する結晶である。
かける電圧の正負を切り換えることにより、+または−
の電荷を結晶表面に誘起することができる。電圧を切っ
ても、この+または−の電荷は保持されるため、不揮発
性とすることができる。この状態を 0と 1に対応させて
メモリを構成している。
【0004】このようなFRAM用の強誘電体膜として
は、電圧を切ったときの電荷(残留分極)が大きいこと
から、例えばジルコンチタン酸鉛(PZT(Pb(Z
r,Ti)Ο3 ))のような強誘電性を示すペロブスカ
イト型酸化物が用いられている。PZT等の強誘電体膜
の成膜方法は、スパッタ法、ΜOCVD法、ゾルゲル
法、ΜOD(メタル・オーガニック・デポジション)
法、レーザーアブレーション法、イオンビームスパッタ
法等多種多様であるが、いずれにしても結晶化のために
熱処理を施す必要がある。
は、電圧を切ったときの電荷(残留分極)が大きいこと
から、例えばジルコンチタン酸鉛(PZT(Pb(Z
r,Ti)Ο3 ))のような強誘電性を示すペロブスカ
イト型酸化物が用いられている。PZT等の強誘電体膜
の成膜方法は、スパッタ法、ΜOCVD法、ゾルゲル
法、ΜOD(メタル・オーガニック・デポジション)
法、レーザーアブレーション法、イオンビームスパッタ
法等多種多様であるが、いずれにしても結晶化のために
熱処理を施す必要がある。
【0005】例えば、スパッタ法では 2種類の熱の与え
方が考えられる。一つは成膜時に基板温度を結晶化温度
以上に保ち、膜形成段階(as depo状態)でぺロブスカイ
ト構造となるようにする方法で、もう一つは低温で成膜
した後に、結晶化のための熱処理を施す方法である。基
板加熱して成膜する方法は、ペロブスカイト構造の結晶
が基板表面から成長していくのでエピタキシャル成長し
やすいが、PZT系強誘電体は温度に非常に敏感である
ため、少しでも温度がずれると結晶は異方性や結晶構造
そのものが変化してしまうおそれがある。さらに、基板
をロードしてから基板温度が安定するまでの時間と基板
面内の熱の均一性を安定させることが非常に難しいた
め、一般的には低温で成膜した後に結晶化熱処理を行う
方法が、安定性、再現性の点から採用されている。
方が考えられる。一つは成膜時に基板温度を結晶化温度
以上に保ち、膜形成段階(as depo状態)でぺロブスカイ
ト構造となるようにする方法で、もう一つは低温で成膜
した後に、結晶化のための熱処理を施す方法である。基
板加熱して成膜する方法は、ペロブスカイト構造の結晶
が基板表面から成長していくのでエピタキシャル成長し
やすいが、PZT系強誘電体は温度に非常に敏感である
ため、少しでも温度がずれると結晶は異方性や結晶構造
そのものが変化してしまうおそれがある。さらに、基板
をロードしてから基板温度が安定するまでの時間と基板
面内の熱の均一性を安定させることが非常に難しいた
め、一般的には低温で成膜した後に結晶化熱処理を行う
方法が、安定性、再現性の点から採用されている。
【0006】上記したような結晶化熱処理を含む一般的
なFRAΜの作製プロセスを以下に示す。まず、Si/
SiO2 基板上に下部電極を成膜し、その上にPZT等
からなる強誘電体膜を成膜する。次いで、急速熱処理
(RTA)によりPZT膜を結晶化する。なお、基板加
熱スパッタで成膜と結晶化を同時に行った場合には、急
速熱処理プロセスが不要なときもある。
なFRAΜの作製プロセスを以下に示す。まず、Si/
SiO2 基板上に下部電極を成膜し、その上にPZT等
からなる強誘電体膜を成膜する。次いで、急速熱処理
(RTA)によりPZT膜を結晶化する。なお、基板加
熱スパッタで成膜と結晶化を同時に行った場合には、急
速熱処理プロセスが不要なときもある。
【0007】次に、上部電極を成膜し、この上部電極、
強誘電体膜および下部電極を順にエッチングする。その
上にパッシベーション膜を形成し、上部電極のエッチン
グおよび上部電極のコンタクトエッチングを行った後、
上部電極へのインターコネクション(Ti/TiN)の
成膜およびエッチングを施す。さらに、パッシベーショ
ン膜を形成し、コンタクトエッチング、Ti/TiNの
成膜、Al配線の成膜を行い、これらをエッチングした
後にパッシベーション膜を形成して、目的とするFRA
Mが得られる。
強誘電体膜および下部電極を順にエッチングする。その
上にパッシベーション膜を形成し、上部電極のエッチン
グおよび上部電極のコンタクトエッチングを行った後、
上部電極へのインターコネクション(Ti/TiN)の
成膜およびエッチングを施す。さらに、パッシベーショ
ン膜を形成し、コンタクトエッチング、Ti/TiNの
成膜、Al配線の成膜を行い、これらをエッチングした
後にパッシベーション膜を形成して、目的とするFRA
Mが得られる。
【0008】ここで、上述したFRAMの形成工程にお
いて、パッシベーション膜の形成には、一般的にTEO
S(テトラエトキシシラン)ガスが用いられている。す
なわち、TEOSガスを673K程度の温度でフローして、
パッシベーション膜としてSiΟ2 膜を形成する。この
際、TEOSの熱分解に伴って多量のH2 ガスが発生す
るため、強い還元雰囲気となる。このパッシベーション
膜の形成に伴って生じる強い還元雰囲気によって、PZ
T等の酸化物系強誘電体膜は還元され、電気的特性が劣
化してしまうという問題がある。
いて、パッシベーション膜の形成には、一般的にTEO
S(テトラエトキシシラン)ガスが用いられている。す
なわち、TEOSガスを673K程度の温度でフローして、
パッシベーション膜としてSiΟ2 膜を形成する。この
際、TEOSの熱分解に伴って多量のH2 ガスが発生す
るため、強い還元雰囲気となる。このパッシベーション
膜の形成に伴って生じる強い還元雰囲気によって、PZ
T等の酸化物系強誘電体膜は還元され、電気的特性が劣
化してしまうという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】FRAMに使用される
強誘電体には、 (1)残留分極Qswが大きい、 (2)抗電界
Ec が小さい、 (3)相転移温度・キュリー点Tc が高
い、 (4)結晶化温度が低い、 (5)漏れ電流(リーク電
流)LCが小さい、 (6)疲労特性に優れる、等の特性が
要求される。これらの要求特性の中でも、特に残留分極
Qswはパッシベーション膜の形成等に伴う還元雰囲気に
よる劣化、すなわちPZT等の酸化物系強誘電体膜の還
元による特性劣化が激しく、例えば残留分極Qswが 60%
以上も減少してしまうという問題がある。
強誘電体には、 (1)残留分極Qswが大きい、 (2)抗電界
Ec が小さい、 (3)相転移温度・キュリー点Tc が高
い、 (4)結晶化温度が低い、 (5)漏れ電流(リーク電
流)LCが小さい、 (6)疲労特性に優れる、等の特性が
要求される。これらの要求特性の中でも、特に残留分極
Qswはパッシベーション膜の形成等に伴う還元雰囲気に
よる劣化、すなわちPZT等の酸化物系強誘電体膜の還
元による特性劣化が激しく、例えば残留分極Qswが 60%
以上も減少してしまうという問題がある。
【0010】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、素子形成工程で生じる還元雰囲気に
晒された際の強誘電体膜の還元を阻止することによっ
て、特に残留分極Qswの劣化を抑制することを可能にし
た強誘電体メモリを提供することを目的としている。
になされたもので、素子形成工程で生じる還元雰囲気に
晒された際の強誘電体膜の還元を阻止することによっ
て、特に残留分極Qswの劣化を抑制することを可能にし
た強誘電体メモリを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の強誘電体メモリ
は、請求項1に記載したように、基板上に順に積層され
た下部電極、強誘電体膜および上部電極を具備する強誘
電体メモリにおいて、前記強誘電体膜は、それを構成す
る結晶粒の粒界および三重点に、Si、BおよびPから
選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁相が存在するこ
とを特徴としている。本発明の強誘電体メモリにおい
て、特に請求項2に記載したように、前記絶縁相は非晶
質相であることを特徴としている。
は、請求項1に記載したように、基板上に順に積層され
た下部電極、強誘電体膜および上部電極を具備する強誘
電体メモリにおいて、前記強誘電体膜は、それを構成す
る結晶粒の粒界および三重点に、Si、BおよびPから
選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁相が存在するこ
とを特徴としている。本発明の強誘電体メモリにおい
て、特に請求項2に記載したように、前記絶縁相は非晶
質相であることを特徴としている。
【0012】本発明の強誘電体メモリにおいては、強誘
電体膜の粒界および三重点にSi、BおよびPから選ば
れる少なくとも 1種を含有する絶縁相を第2相として存
在差せている。この粒界および三重点に存在する絶縁相
はバリヤ層として機能するため、素子形成工程で還元雰
囲気に晒されても、強誘電体粒子が還元されることを阻
止することができる。従って、強誘電体膜の還元による
電気特性の劣化、特に残留分極Qswの劣化を抑制するこ
とが可能となる。第2相としての絶縁相が非晶質相であ
る場合、特に強誘電体粒子の周囲を均一にかつ確実に絶
縁相で覆うことができるため、より顕著な効果を得るこ
とができる。
電体膜の粒界および三重点にSi、BおよびPから選ば
れる少なくとも 1種を含有する絶縁相を第2相として存
在差せている。この粒界および三重点に存在する絶縁相
はバリヤ層として機能するため、素子形成工程で還元雰
囲気に晒されても、強誘電体粒子が還元されることを阻
止することができる。従って、強誘電体膜の還元による
電気特性の劣化、特に残留分極Qswの劣化を抑制するこ
とが可能となる。第2相としての絶縁相が非晶質相であ
る場合、特に強誘電体粒子の周囲を均一にかつ確実に絶
縁相で覆うことができるため、より顕著な効果を得るこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
態について説明する。
【0014】図1は本発明の強誘電体メモリ(FRA
M)の一実施形態の要部構成、すなわちFRAMの電荷
蓄積部を示す断面図である。同図において、1は熱酸化
SiO2 膜を形成したSi基板等の半導体基板、もしく
はMgO単結晶基板やSrTiO3 単結晶基板等からな
る基板である。
M)の一実施形態の要部構成、すなわちFRAMの電荷
蓄積部を示す断面図である。同図において、1は熱酸化
SiO2 膜を形成したSi基板等の半導体基板、もしく
はMgO単結晶基板やSrTiO3 単結晶基板等からな
る基板である。
【0015】基板1上には下部電極2が形成されてい
る。この下部電極2には種々の導電性材料を用いること
ができるが、酸化しにくいPtやRu等の貴金属材料、
導電性を示すRuの酸化物等、SrRuO3 等の導電性
ペロブスカイト型酸化物等を使用することが好ましい。
なお、基板1と下部電極2との間にはTiNや(Ti,
Al)N等の化合物層等を介在させてもよい。
る。この下部電極2には種々の導電性材料を用いること
ができるが、酸化しにくいPtやRu等の貴金属材料、
導電性を示すRuの酸化物等、SrRuO3 等の導電性
ペロブスカイト型酸化物等を使用することが好ましい。
なお、基板1と下部電極2との間にはTiNや(Ti,
Al)N等の化合物層等を介在させてもよい。
【0016】下部電極2上には強誘電体膜3が形成され
ている。強誘電体膜3には、例えば強誘電性を示す酸化
物、例えばペロブスカイト型酸化物を使用することがで
きる。強誘電性を示すペロブスカイト型酸化物として
は、例えばPb(Zr,Ti)O3 (PZT)や(P
b,La)(Zr,Ti)O3 (PLZT)等、あるい
はSrBi2 Ta2 O9 等のSr−Bi−Ta−O系酸
化物、Bi4 Ti3 O12等のBi−Ti−O系酸化物、
Bi−Sr−Ti−O系型酸化物等が例示される。ま
た、BaリッチなBa1-x Srx TiO3 やBaTiO
3 等のペロブスカイト型酸化物を用い、下部電極2との
格子ミスマッチに起因する歪誘起強誘電性を利用して、
強誘電体膜3を構成することも可能である。強誘電体膜
3の膜厚は特に限定されるものではなく、通常のFRA
Mと同様に50〜 300nm程度とすることができる。
ている。強誘電体膜3には、例えば強誘電性を示す酸化
物、例えばペロブスカイト型酸化物を使用することがで
きる。強誘電性を示すペロブスカイト型酸化物として
は、例えばPb(Zr,Ti)O3 (PZT)や(P
b,La)(Zr,Ti)O3 (PLZT)等、あるい
はSrBi2 Ta2 O9 等のSr−Bi−Ta−O系酸
化物、Bi4 Ti3 O12等のBi−Ti−O系酸化物、
Bi−Sr−Ti−O系型酸化物等が例示される。ま
た、BaリッチなBa1-x Srx TiO3 やBaTiO
3 等のペロブスカイト型酸化物を用い、下部電極2との
格子ミスマッチに起因する歪誘起強誘電性を利用して、
強誘電体膜3を構成することも可能である。強誘電体膜
3の膜厚は特に限定されるものではなく、通常のFRA
Mと同様に50〜 300nm程度とすることができる。
【0017】上記したような強誘電体膜3は、例えば図
2に模式的に示すように、それを構成する結晶粒(強誘
電体粒子)3aの粒界4aおよび三重点4bに、Si、
BおよびPから選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁
相5が第2相として存在している。言い換えると、強誘
電体粒子3aの周囲は、粒界4aおよび三重点4bに存
在する絶縁相5により覆われている。
2に模式的に示すように、それを構成する結晶粒(強誘
電体粒子)3aの粒界4aおよび三重点4bに、Si、
BおよびPから選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁
相5が第2相として存在している。言い換えると、強誘
電体粒子3aの周囲は、粒界4aおよび三重点4bに存
在する絶縁相5により覆われている。
【0018】このように、強誘電体膜3を構成する結晶
粒(強誘電体粒子)3aの周囲を絶縁相5で覆うことに
よって、例えば後述するパッシベーション膜7を形成す
る際に生じる強い還元雰囲気から、強誘電性ペロブスカ
イト型酸化物等からなる強誘電体粒子3aを保護するこ
とができる。すなわち、強誘電体粒子3aの周囲(粒界
4aおよび三重点4b)に存在する絶縁相5が還元雰囲
気に対するバリヤ層として機能するため、強誘電性ペロ
ブスカイト型酸化物等の酸化物系強誘電体粒子3aの還
元を抑制することができる。これによって、強誘電体膜
3の電気特性の劣化、特に残留分極Qswの低下を有効に
抑制することが可能となる。
粒(強誘電体粒子)3aの周囲を絶縁相5で覆うことに
よって、例えば後述するパッシベーション膜7を形成す
る際に生じる強い還元雰囲気から、強誘電性ペロブスカ
イト型酸化物等からなる強誘電体粒子3aを保護するこ
とができる。すなわち、強誘電体粒子3aの周囲(粒界
4aおよび三重点4b)に存在する絶縁相5が還元雰囲
気に対するバリヤ層として機能するため、強誘電性ペロ
ブスカイト型酸化物等の酸化物系強誘電体粒子3aの還
元を抑制することができる。これによって、強誘電体膜
3の電気特性の劣化、特に残留分極Qswの低下を有効に
抑制することが可能となる。
【0019】第2相としての絶縁相5は、Si、Bおよ
びPから選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁物、例
えば酸化物からなるものであればよい。Si、Bおよび
Pの各元素は、強誘電体膜3として用いる強誘電性ペロ
ブスカイト型酸化物の結晶粒3aに侵入もしくは置換し
にくいため、これらを含む酸化物を用いることにより強
誘電体膜3の本質的な特性を損うことなく、強誘電体粒
子3aの周囲を良好に絶縁相5で覆うことができる。
びPから選ばれる少なくとも 1種を含有する絶縁物、例
えば酸化物からなるものであればよい。Si、Bおよび
Pの各元素は、強誘電体膜3として用いる強誘電性ペロ
ブスカイト型酸化物の結晶粒3aに侵入もしくは置換し
にくいため、これらを含む酸化物を用いることにより強
誘電体膜3の本質的な特性を損うことなく、強誘電体粒
子3aの周囲を良好に絶縁相5で覆うことができる。
【0020】絶縁相5の形成材料には、特に低融点のガ
ラス形成成分を使用することが好ましい。すなわち、絶
縁相5はSi、BおよびPから選ばれる少なくとも 1種
を含有する非晶質相からなることが好ましい。Si、B
およびPから選ばれる少なくとも 1種を含有するガラス
形成成分としては、珪酸系ガラス(SiO2 系ガラ
ス)、硼酸系ガラス(B2 O3 系ガラス)、燐酸系ガラ
ス(P2 O5 系ガラス)、硼珪酸系ガラス(B2 O3 −
SiO2 系ガラス)等が挙げられ、これらは種々の融剤
を含んでいてもよい。
ラス形成成分を使用することが好ましい。すなわち、絶
縁相5はSi、BおよびPから選ばれる少なくとも 1種
を含有する非晶質相からなることが好ましい。Si、B
およびPから選ばれる少なくとも 1種を含有するガラス
形成成分としては、珪酸系ガラス(SiO2 系ガラ
ス)、硼酸系ガラス(B2 O3 系ガラス)、燐酸系ガラ
ス(P2 O5 系ガラス)、硼珪酸系ガラス(B2 O3 −
SiO2 系ガラス)等が挙げられ、これらは種々の融剤
を含んでいてもよい。
【0021】Si、BおよびPから選ばれる少なくとも
1種を含有する酸化物等のガラス形成成分は、強誘電体
膜3の結晶化のための熱処理(成膜時加熱および成膜後
の急速熱処理等)により溶融し、液相として強誘電体粒
子3aの周囲に均一にぬれるため、粒界4aおよび三重
点4bに均一に絶縁相5を形成することができる。すな
わち、強誘電体膜3を構成する結晶粒3aの周囲を、よ
り均一に非晶質相からなる絶縁相5で覆うことができ
る。これによって、強誘電体膜3として用いる強誘電性
ペロブスカイト型酸化物を、より有効に還元雰囲気から
保護することが可能となる。
1種を含有する酸化物等のガラス形成成分は、強誘電体
膜3の結晶化のための熱処理(成膜時加熱および成膜後
の急速熱処理等)により溶融し、液相として強誘電体粒
子3aの周囲に均一にぬれるため、粒界4aおよび三重
点4bに均一に絶縁相5を形成することができる。すな
わち、強誘電体膜3を構成する結晶粒3aの周囲を、よ
り均一に非晶質相からなる絶縁相5で覆うことができ
る。これによって、強誘電体膜3として用いる強誘電性
ペロブスカイト型酸化物を、より有効に還元雰囲気から
保護することが可能となる。
【0022】上記した絶縁相5の平均厚さは50nm以下で
あることが好ましい。絶縁相5の平均厚さが50nmを超え
ると、電界の強誘電体粒子3aヘの分担が小さくなるた
め、強誘電体が十分に分極しにくくなり、強誘電体膜3
の残留分極Qswが低下するおそれがある。ただし、絶縁
相5の平均厚さがあまり薄いと、例えば部分的に強誘電
体粒子3aの被覆状態が低下するおそれがあるため、絶
縁相5の平均厚さは 1nm以上であることが好ましい。
あることが好ましい。絶縁相5の平均厚さが50nmを超え
ると、電界の強誘電体粒子3aヘの分担が小さくなるた
め、強誘電体が十分に分極しにくくなり、強誘電体膜3
の残留分極Qswが低下するおそれがある。ただし、絶縁
相5の平均厚さがあまり薄いと、例えば部分的に強誘電
体粒子3aの被覆状態が低下するおそれがあるため、絶
縁相5の平均厚さは 1nm以上であることが好ましい。
【0023】粒界4aおよび三重点4bに絶縁相5を存
在させた強誘電体膜3は、例えば強誘電体膜3をスパッ
タ法で形成する場合、強誘電性ペロブスカイト型酸化物
からなるターゲットに、絶縁相5となるSi、Bおよび
Pから選ばれる少なくとも1種を含有する酸化物、特に
ガラス形成成分を添加し、このようなスパッタターゲッ
トを用いて強誘電体膜3を形成することにより得られ
る。
在させた強誘電体膜3は、例えば強誘電体膜3をスパッ
タ法で形成する場合、強誘電性ペロブスカイト型酸化物
からなるターゲットに、絶縁相5となるSi、Bおよび
Pから選ばれる少なくとも1種を含有する酸化物、特に
ガラス形成成分を添加し、このようなスパッタターゲッ
トを用いて強誘電体膜3を形成することにより得られ
る。
【0024】ここで、強誘電体膜3を低温でスパッタ成
膜(基板加熱なし)する場合、成膜当初の膜は非晶質相
であり、これに急速熱熱処理(RTA)を施すことによ
り強誘電体膜3を結晶化させる。この際、ガラス形成成
分等からなる絶縁相5は溶融し、液相として強誘電体粒
子3aの周囲を均一にぬらす。この後、冷却することに
より強誘電体粒子3の粒界4aおよび三重点4bに非晶
質相からなる絶縁相5を均一に存在させることができ
る。なお、基板加熱してスパッタ成膜する場合において
も、同様に強誘電体粒子3の粒界4aおよび三重点4b
に非晶質相からなる絶縁相5を均一に存在させることが
できる。
膜(基板加熱なし)する場合、成膜当初の膜は非晶質相
であり、これに急速熱熱処理(RTA)を施すことによ
り強誘電体膜3を結晶化させる。この際、ガラス形成成
分等からなる絶縁相5は溶融し、液相として強誘電体粒
子3aの周囲を均一にぬらす。この後、冷却することに
より強誘電体粒子3の粒界4aおよび三重点4bに非晶
質相からなる絶縁相5を均一に存在させることができ
る。なお、基板加熱してスパッタ成膜する場合において
も、同様に強誘電体粒子3の粒界4aおよび三重点4b
に非晶質相からなる絶縁相5を均一に存在させることが
できる。
【0025】強誘電性ペロブスカイト型酸化物からなる
ターゲットへの絶縁相5の形成材料、例えばガラス形成
成分の添加量は、例えば50〜3000ppm 程度とすることが
好ましい。ガラス形成成分等の添加量が50ppm 以下であ
ると、強誘電体粒子3aの周囲を液相で均一にぬらすこ
とが困難となり、バリヤ層としての絶縁相5の機能が低
下するおそれがある。一方、ガラス形成成分等の添加量
が3000ppm を超えると、絶縁相5の厚さが厚くなりす
ぎ、上述したように電界の強誘電体粒子3aヘの分担が
小さくなるため、強誘電体が十分に分極しにくくなり、
残留分極Qswが低下するおそれがある。
ターゲットへの絶縁相5の形成材料、例えばガラス形成
成分の添加量は、例えば50〜3000ppm 程度とすることが
好ましい。ガラス形成成分等の添加量が50ppm 以下であ
ると、強誘電体粒子3aの周囲を液相で均一にぬらすこ
とが困難となり、バリヤ層としての絶縁相5の機能が低
下するおそれがある。一方、ガラス形成成分等の添加量
が3000ppm を超えると、絶縁相5の厚さが厚くなりす
ぎ、上述したように電界の強誘電体粒子3aヘの分担が
小さくなるため、強誘電体が十分に分極しにくくなり、
残留分極Qswが低下するおそれがある。
【0026】上述した強誘電体膜3の上には上部電極6
が設けられており、これらによりFRAMの電荷蓄積部
が構成されている。上部電極6には、下部電極2と同様
なPt、Ru、Ru酸化物、導電性ペロブスカイト型酸
化物等を使用することができ、またその厚さは特に限定
されるものではないが、10〜 100nm程度とすることが好
ましい。
が設けられており、これらによりFRAMの電荷蓄積部
が構成されている。上部電極6には、下部電極2と同様
なPt、Ru、Ru酸化物、導電性ペロブスカイト型酸
化物等を使用することができ、またその厚さは特に限定
されるものではないが、10〜 100nm程度とすることが好
ましい。
【0027】なお、FRAMの電荷蓄積部の具体的なデ
バイス構造は特に限定されるものではなく、平面型、ス
タック型、内堀り式トレンチ型等、種々の構造を適用す
ることができる。また、上記したFRAMの電荷蓄積部
を構成する各層2、3、6の成膜方法はスパッタ法に限
定されるものではなく、CVD法、MOD法、レーザー
アブレーション法等の種々の成膜方法を適用することが
できる。
バイス構造は特に限定されるものではなく、平面型、ス
タック型、内堀り式トレンチ型等、種々の構造を適用す
ることができる。また、上記したFRAMの電荷蓄積部
を構成する各層2、3、6の成膜方法はスパッタ法に限
定されるものではなく、CVD法、MOD法、レーザー
アブレーション法等の種々の成膜方法を適用することが
できる。
【0028】図中7はパッシベーション膜であり、例え
ばTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを用いて形成
したSiΟ2 膜が適用される。本発明は、例えばこのT
EOSガスを用いたパッシベーション膜7の形成時に生
じる還元雰囲気から、強誘電性ペロブスカイト型酸化物
等の酸化物系強誘電体膜3を保護、すなわち酸化物系強
誘電体膜3の還元を阻止することによって、優れた電気
特性、特に優れた残留分極Qswを得るものである。
ばTEOS(テトラエトキシシラン)ガスを用いて形成
したSiΟ2 膜が適用される。本発明は、例えばこのT
EOSガスを用いたパッシベーション膜7の形成時に生
じる還元雰囲気から、強誘電性ペロブスカイト型酸化物
等の酸化物系強誘電体膜3を保護、すなわち酸化物系強
誘電体膜3の還元を阻止することによって、優れた電気
特性、特に優れた残留分極Qswを得るものである。
【0029】ただし、酸化物系強誘電体膜3の残留分極
Qsw等に悪影響を及ぼす還元雰囲気は、TEOSガスの
分解に伴って生じるものに限られるものではない。例え
ば、トランジスタ側のW配線を形成する際にも、同様に
還元雰囲気が生成される。このような種々の素子形成工
程により生じる還元雰囲気に対して、本発明による絶縁
相5は効果を発揮するものである。
Qsw等に悪影響を及ぼす還元雰囲気は、TEOSガスの
分解に伴って生じるものに限られるものではない。例え
ば、トランジスタ側のW配線を形成する際にも、同様に
還元雰囲気が生成される。このような種々の素子形成工
程により生じる還元雰囲気に対して、本発明による絶縁
相5は効果を発揮するものである。
【0030】また、本発明は初期の残留分極Qswの劣化
を抑制するだけではなく、疲労特性と呼ばれる長期の残
留分極Qswの劣化抑制に対しても効果を発揮するもので
ある。すなわち、本発明の強誘電体メモリによれば、長
期間にわたって良好な残留分極Qswが得られる。
を抑制するだけではなく、疲労特性と呼ばれる長期の残
留分極Qswの劣化抑制に対しても効果を発揮するもので
ある。すなわち、本発明の強誘電体メモリによれば、長
期間にわたって良好な残留分極Qswが得られる。
【0031】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
価結果について述べる。
【0032】実施例1 まず、表面に厚さ 100nmの熱酸化SiO2 膜を形成した
Si基板上に、下部電極として厚さ 180nmのRu膜をス
パッタ法により形成した。スパッタはArガスを50sccm
導入し、出力300Wで行った。次に、Pb(Zr0.52Ti
0.48)O3 (PZT)にホウ珪酸ガラスを 100ppm 添加
したPZTターゲットを用いて、厚さ250nmのΡZT膜
をスパッタ法により形成した。成膜後、873Kで30秒の急
速熱処理を行った。その後、厚さ 180nmのRu膜をスパ
ッタ法で成膜し、これを 100nm角にリフトオフして上部
電極とした。
Si基板上に、下部電極として厚さ 180nmのRu膜をス
パッタ法により形成した。スパッタはArガスを50sccm
導入し、出力300Wで行った。次に、Pb(Zr0.52Ti
0.48)O3 (PZT)にホウ珪酸ガラスを 100ppm 添加
したPZTターゲットを用いて、厚さ250nmのΡZT膜
をスパッタ法により形成した。成膜後、873Kで30秒の急
速熱処理を行った。その後、厚さ 180nmのRu膜をスパ
ッタ法で成膜し、これを 100nm角にリフトオフして上部
電極とした。
【0033】上記した強誘電体膜としてのPZT膜の微
構造を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察したと
ころ、PZT結晶粒の粒界にはBとSiを含有する平均
厚さが約 1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約10
〜30nmの三角状の異相が存在していた。この異相を電子
線回折で分析したところ、ハローパターンが得られたこ
とから非晶質相であることが確認できた。
構造を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で観察したと
ころ、PZT結晶粒の粒界にはBとSiを含有する平均
厚さが約 1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約10
〜30nmの三角状の異相が存在していた。この異相を電子
線回折で分析したところ、ハローパターンが得られたこ
とから非晶質相であることが確認できた。
【0034】次に、上部電極上にTEOSガスを用いて
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を実
施して、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素
子を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で
1時間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加
することによりヒステリシス曲線を測定した。その結
果、残留分極Qswは47μC/cm2 であった。
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を実
施して、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素
子を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で
1時間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加
することによりヒステリシス曲線を測定した。その結
果、残留分極Qswは47μC/cm2 であった。
【0035】一方、本発明との比較例として、Pb(Z
r0.52Ti0.48)O3 にガラス成分を添加していないタ
ーゲットを用いる以外は、上記実施例1と同様にして、
FRAΜ素子を作製した。この比較例1のPZT膜中に
は、粒界や三重点に異相は存在していなかった。この比
較例1のFRAM素子を実施例1と同様に、酸素分圧が
10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1時間保持した
後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することにより
ヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極Qsw
は11μC/cm2 であった。
r0.52Ti0.48)O3 にガラス成分を添加していないタ
ーゲットを用いる以外は、上記実施例1と同様にして、
FRAΜ素子を作製した。この比較例1のPZT膜中に
は、粒界や三重点に異相は存在していなかった。この比
較例1のFRAM素子を実施例1と同様に、酸素分圧が
10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1時間保持した
後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することにより
ヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極Qsw
は11μC/cm2 であった。
【0036】次に、実施例1と比較例1の疲労特性を比
較した。すなわち、実施例1および比較例1の各FRA
M素子に、±5Vで 5msecの矩形電圧を1010回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例1は
Qswの低下率が -5%であったのに対して、比較例1では
Qswが-60%と大幅に低下していた。
較した。すなわち、実施例1および比較例1の各FRA
M素子に、±5Vで 5msecの矩形電圧を1010回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例1は
Qswの低下率が -5%であったのに対して、比較例1では
Qswが-60%と大幅に低下していた。
【0037】実施例2 表面に厚さ 100nmの熱酸化SiO2 膜を形成したSi基
板上に、下部電極として厚さ20nmのTi膜と厚さ 180nm
のPt膜をスパッタ法により形成した。スパッタはAr
ガスを50sccm導入し、出力300Wで行った。次に、SrB
i2 Ta2 O9にホウ珪酸ガラスを 100ppm 添加したタ
ーゲットを用いて、厚さ 250nmのSrBi2 Ta2 O9
膜をスパッタ法により形成した。スパッタはArガスを
50sccm、O2 ガスを10sccm導入し、出力300W、基板加熱
873Kで行った。その後、厚さ180nmのPt膜をスパッタ
法で成膜し、これを 100nm角にリフトオフして上部電極
とした。
板上に、下部電極として厚さ20nmのTi膜と厚さ 180nm
のPt膜をスパッタ法により形成した。スパッタはAr
ガスを50sccm導入し、出力300Wで行った。次に、SrB
i2 Ta2 O9にホウ珪酸ガラスを 100ppm 添加したタ
ーゲットを用いて、厚さ 250nmのSrBi2 Ta2 O9
膜をスパッタ法により形成した。スパッタはArガスを
50sccm、O2 ガスを10sccm導入し、出力300W、基板加熱
873Kで行った。その後、厚さ180nmのPt膜をスパッタ
法で成膜し、これを 100nm角にリフトオフして上部電極
とした。
【0038】上記した強誘電体膜としてのSrBi2 T
a2 O9 膜の微構造を走査型透過電子顕微鏡(STE
M)で観察したところ、粒界にはBとSiを含有する平
均厚さが約 1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約
10〜30nmの三角状の異相が存在していた。この異相を電
子線回折で分析したところ、ハローパターンが得られた
ことから非晶質相であることが確認できた。
a2 O9 膜の微構造を走査型透過電子顕微鏡(STE
M)で観察したところ、粒界にはBとSiを含有する平
均厚さが約 1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約
10〜30nmの三角状の異相が存在していた。この異相を電
子線回折で分析したところ、ハローパターンが得られた
ことから非晶質相であることが確認できた。
【0039】次に、上部電極上にTEOSガスを用いて
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を行
って、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素子
を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1
時間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加す
ることによりヒステリシス曲線を測定した。その結果、
残留分極Qswは18μC/cm2 であった。
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を行
って、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素子
を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1
時間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加す
ることによりヒステリシス曲線を測定した。その結果、
残留分極Qswは18μC/cm2 であった。
【0040】一方、本発明との比較例として、SrBi
2 Ta2 O9 にガラス成分を添加していないターゲット
を用いる以外は、上記実施例2と同様にして、FRAΜ
素子を作製した。この比較例2のSrBi2 Ta2 O9
膜中には、粒界や三重点に異相は存在していなかった。
この比較例2のFRAM素子を実施例2と同様に、酸素
分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1時間保持
した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することに
よりヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極
Qswは 2μC/cm2 であった。
2 Ta2 O9 にガラス成分を添加していないターゲット
を用いる以外は、上記実施例2と同様にして、FRAΜ
素子を作製した。この比較例2のSrBi2 Ta2 O9
膜中には、粒界や三重点に異相は存在していなかった。
この比較例2のFRAM素子を実施例2と同様に、酸素
分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で 1時間保持
した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することに
よりヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極
Qswは 2μC/cm2 であった。
【0041】次に、実施例2と比較例2の疲労特性を比
較した。すなわち、実施例2および比較例2の各FRA
M素子に、±3Vで 5msecの矩形電圧を1012回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例2は
Qswの低下率が -3%であったのに対して、比較例2では
Qswが-51%と大幅に低下していた。
較した。すなわち、実施例2および比較例2の各FRA
M素子に、±3Vで 5msecの矩形電圧を1012回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例2は
Qswの低下率が -3%であったのに対して、比較例2では
Qswが-51%と大幅に低下していた。
【0042】実施例3 表面に厚さ 100nmの熱酸化SiO2 膜を形成したSi基
板上に、下部電極として厚さ 180nmのPt膜をスパッタ
法により形成した。スパッタはArガスを50sccm導入
し、出力300Wで行った。次に、Bi4 Ti3 O12にホウ
珪酸ガラスを100ppm添加したターゲットを用いて、厚さ
250nmのBi4 Ti3 O12膜をスパッタ法により形成し
た。スパッタはArガスを50sccm、O2 ガスを10sccm導
入し、出力300W、基板加熱873Kで行った。その後、厚さ
180nmのPt膜をスパッタ法で成膜し、これを 100nm角
にリフトオフして上部電極とした。
板上に、下部電極として厚さ 180nmのPt膜をスパッタ
法により形成した。スパッタはArガスを50sccm導入
し、出力300Wで行った。次に、Bi4 Ti3 O12にホウ
珪酸ガラスを100ppm添加したターゲットを用いて、厚さ
250nmのBi4 Ti3 O12膜をスパッタ法により形成し
た。スパッタはArガスを50sccm、O2 ガスを10sccm導
入し、出力300W、基板加熱873Kで行った。その後、厚さ
180nmのPt膜をスパッタ法で成膜し、これを 100nm角
にリフトオフして上部電極とした。
【0043】上記した強誘電体膜としてのBi4 Ti3
O12膜の微構造を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で
観察したところ、粒界にはBとSiを含有する平均厚さ
が約1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約10〜30n
mの三角状の異相が存在していた。この異相を電子線回
折で分析したところ、ハローパターンが得られたことか
ら非晶質相であることが確認できた。
O12膜の微構造を走査型透過電子顕微鏡(STEM)で
観察したところ、粒界にはBとSiを含有する平均厚さ
が約1nmの異相が存在し、また三重点には一辺約10〜30n
mの三角状の異相が存在していた。この異相を電子線回
折で分析したところ、ハローパターンが得られたことか
ら非晶質相であることが確認できた。
【0044】次に、上部電極上にTEOSガスを用いて
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を行
って、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素子
を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で30
分間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加す
ることによりヒステリシス曲線を測定した。その結果、
残留分極Qswは25μC/cm2 であった。
パッシベーション膜を形成し、さらに素子形成工程を行
って、FRAM素子を作製した。得られたFRAM素子
を、酸素分圧が10-8Paで673Kに保持された電気炉中で30
分間保持した後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加す
ることによりヒステリシス曲線を測定した。その結果、
残留分極Qswは25μC/cm2 であった。
【0045】一方、本発明との比較例として、Bi4 T
i3 O12にガラス成分を添加していないターゲットを用
いる以外は、上記実施例3と同様にして、FRAΜ素子
を作製した。この比較例3のBi4 Ti3 O12膜中に
は、粒界や三重点に異相は存在していなかった。この比
較例3のFRAM素子を実施例3と同様に、酸素分圧が
10-8Paで673Kに保持された電気炉中で30分間保持した
後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することにより
ヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極Qsw
は 5μC/cm2 であった。
i3 O12にガラス成分を添加していないターゲットを用
いる以外は、上記実施例3と同様にして、FRAΜ素子
を作製した。この比較例3のBi4 Ti3 O12膜中に
は、粒界や三重点に異相は存在していなかった。この比
較例3のFRAM素子を実施例3と同様に、酸素分圧が
10-8Paで673Kに保持された電気炉中で30分間保持した
後、大気中に取り出して5Vの電圧を印加することにより
ヒステリシス曲線を測定した。その結果、残留分極Qsw
は 5μC/cm2 であった。
【0046】次に、実施例3と比較例3の疲労特性を比
較した。すなわち、実施例3および比較例3の各FRA
M素子に、±3Vで 5msecの矩形電圧を1012回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例3は
Qswの低下率が -5%であったのに対して、比較例3では
Qswが-58%と大幅に低下していた。
較した。すなわち、実施例3および比較例3の各FRA
M素子に、±3Vで 5msecの矩形電圧を1012回印加し、そ
の後の残留分極Qswを測定した。その結果、実施例3は
Qswの低下率が -5%であったのに対して、比較例3では
Qswが-58%と大幅に低下していた。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の強誘電体
メモリによれば、素子形成工程等で生じる還元雰囲気に
よる強誘電体粒子の還元を阻止することができるため、
残留分極Qswの劣化を抑制することが可能となる。すな
わち、強誘電体メモリにとって重要な特性である残留分
極Qswに優れる強誘電体メモリを、再現性よく提供する
ことが可能となる。
メモリによれば、素子形成工程等で生じる還元雰囲気に
よる強誘電体粒子の還元を阻止することができるため、
残留分極Qswの劣化を抑制することが可能となる。すな
わち、強誘電体メモリにとって重要な特性である残留分
極Qswに優れる強誘電体メモリを、再現性よく提供する
ことが可能となる。
【図1】 本発明の強誘電体メモリの一実施形態の要部
構成を示す断面図である。
構成を示す断面図である。
【図2】 図1に示す強誘電体メモリにおける強誘電体
膜の微構造を模式的に示す図である。
膜の微構造を模式的に示す図である。
1………基板 2………下部電極 3………強誘電体膜 3a……強誘電体粒子 4a……粒界 4b……三重点 5………絶縁相(非晶質相) 6………上部電極 7………パッシベーション膜
Claims (2)
- 【請求項1】 基板上に順に積層された下部電極、強誘
電体膜および上部電極を具備する強誘電体メモリにおい
て、 前記強誘電体膜は、それを構成する結晶粒の粒界および
三重点に、Si、BおよびPから選ばれる少なくとも 1
種を含有する絶縁相が存在することを特徴とする強誘電
体メモリ。 - 【請求項2】 請求項1記載の強誘電体メモリにおい
て、 前記絶縁相は非晶質相であることを特徴とする強誘電体
メモリ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9175755A JPH1126703A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 強誘電体メモリ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9175755A JPH1126703A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 強誘電体メモリ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1126703A true JPH1126703A (ja) | 1999-01-29 |
Family
ID=16001694
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9175755A Pending JPH1126703A (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 強誘電体メモリ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1126703A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6511763B1 (en) * | 1999-10-12 | 2003-01-28 | Murata Manufacturing Co. Ltd. | Piezoelectric ceramic material, electronic part using the ceramic |
| CN100431044C (zh) * | 2003-09-30 | 2008-11-05 | 三洋电机株式会社 | 铁电体存储器 |
| US7456548B2 (en) | 2006-05-09 | 2008-11-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Piezoelectric element, piezoelectric actuator, and ink jet recording head |
-
1997
- 1997-07-01 JP JP9175755A patent/JPH1126703A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US6511763B1 (en) * | 1999-10-12 | 2003-01-28 | Murata Manufacturing Co. Ltd. | Piezoelectric ceramic material, electronic part using the ceramic |
| CN100431044C (zh) * | 2003-09-30 | 2008-11-05 | 三洋电机株式会社 | 铁电体存储器 |
| US7456548B2 (en) | 2006-05-09 | 2008-11-25 | Canon Kabushiki Kaisha | Piezoelectric element, piezoelectric actuator, and ink jet recording head |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040803 |