JPH11267763A - 熱間曲げ金属条材及びその製造方法 - Google Patents
熱間曲げ金属条材及びその製造方法Info
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- JPH11267763A JPH11267763A JP10094052A JP9405298A JPH11267763A JP H11267763 A JPH11267763 A JP H11267763A JP 10094052 A JP10094052 A JP 10094052A JP 9405298 A JP9405298 A JP 9405298A JP H11267763 A JPH11267763 A JP H11267763A
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Abstract
金属条材において、熱間曲げ加工を施した領域の端部の
熱境界部に生じる強度低下を低減する。 【解決手段】 金属条材11の熱間曲げ加工を施した領
域11aは焼入れ状態となるが、その端部の熱影響ライ
ン16に沿って強度の低い軟化部11cが形成されるの
で、熱影響ライン16を肉厚方向に対して傾斜させて軟
化部11cも傾斜させ、条材軸線方向の強度に対する軟
化部による強度低下を低減し、熱境界部全体としての条
材軸線方向の強度を向上させる。
Description
金属条材の長手方向の一部区間を熱間曲げ加工して形成
した熱間曲げ金属条材及びその製造方法に関し、例え
ば、石油及びガス輸送配管等の保安要請の特に高い用途
に使用するのに好適な熱間曲げ金属管体及びその製造方
法に関する。
の製造方法としては、直線状の管体の長手方向の所望区
間を熱間曲げ加工する方法が一般的であり、また、その
熱間曲げ加工は、直線状の金属管体の長手方向の狭幅領
域を、それを取り囲むように配置した誘導コイルで塑性
変形容易な赤熱状態に加熱して加熱部を形成し、該加熱
部に曲げモーメントを付与して曲げ変形させ、その直後
に冷却して変形を終了させながら、前記誘導コイルを金
属管体に対して長手方向に相対的に移動させることによ
って加熱部を金属管体の長手方向に移動させる操作を順
次進めて所望区間全体を曲げ変形させるという方法で行
っていた。
間曲げ加工方法で製造した曲げ加工管体は、熱間曲げ加
工の際に加熱された領域(以下加熱領域という)と加熱
されなかった領域(以下非加熱領域という)との境界部
分(以下熱境界部という)の強度(耐力、引張強さな
ど)が他の領域に比べて低下する傾向にあった。この強
度低下は大きくなく、また、狭い領域で生じており、管
体による通常の流体輸送時に輸送圧力によって管体にか
かる応力に対して問題となるようなものではないが、前
記石油、ガス輸送配管などにおいても埋設して使用する
場合が多く、特に大地震時には管体に大きい曲げ応力や
引張応力がかかることから、昨今は、上記した曲げ加工
管体の熱境界部の強度にも関心が及ぶようになってき
た。
熱境界部の強度が低下する理由を検討し、次のような結
果を得た。図8において、管体(API−X65、外径
615mm、肉厚20.2mmのUOE鋼管)1を、図
示位置にセットした誘導コイル2で赤熱状態に加熱し、
その後、誘導コイル2を管体1に対して相対的に矢印A
方向に移動させて曲げ加工を行った後、その管体1の実
肉部分(実際に肉を有する部分。管の場合は管壁)を切
断して金属組織を観察したところ、図示したように、3
つの部分1a、1b、1cに分かれていることが認めら
れた。因みに、曲げ加工の際の管体1の管軸方向に対す
る最高加熱温度分布は曲線3で示すようになっていた。
管体1の断面における第一の部分1aは、曲げ加工のた
めに高温に加熱され、曲げ変形直後に冷却水で急冷され
たことにより焼入れ状態となった領域であり、以下高温
加熱部という。この高温加熱部1aの金属組織はベーナ
イト+フェライトであり、高強度となっていた。第二の
部分1bは、全く加熱されないか又は伝熱によって昇温
するが最高温度が700°C程度以下の部分であり、以
下非加熱部という。この非加熱部1bは管体製造時の圧
延組織(アシキュラーなフェライト+パーライト)を維
持しており、この部分でも、高強度となっている。第三
の部分1cは、高温加熱部1aからの伝熱によって、最
高温度が750〜850°C程度に昇温し、Ac1 〜A
c3 の二相域を履歴した部分であり、その金属組織が、
球状を呈するポリゴナルなフェライト+パーライトとな
り、硬度が低く(図8の曲線4参照)且つ強度も低くな
っていた。以下、この部分1cを軟化部という。この軟
化部1cと高温加熱部1aとの境界(以下熱影響ライン
という)6及び軟化部1cと非加熱部1bとの境界7は
肉厚を直角に横切る形となっており、換言すれば、軟化
部1cは高温加熱部1aと非加熱部1bの間に介在する
形で肉厚方向に生じていた。このように熱境界部に肉厚
方向に伸びる軟化部1cが存在するため、その軟化部1
cの幅が5〜10mm程度と狭いにも係わらず、管体1
の管軸方向の強度が低くなっていたと推定される。
低下傾向は軟化部1cによって生じているので、問題解
決には軟化部を無くせばよく、そのためには、軟化部を
熱処理することが考えられる。しかしながら、軟化部の
みを熱処理しても、熱処理を施した領域の両端部に新た
な軟化部が形成されてしまい、解決策とはならない。そ
こで、曲げ加工操作と、管体の直線部の全長(非加熱部
1b及び軟化部1cとなる部分)を曲げ加工区間と同一
熱履歴となるように連続的に熱処理する操作を一連的に
行うことも必要に応じて行われる。しかしながら、直線
部を熱処理する分、操作も工数も増えて、生産性が低下
しコスト高となるという問題が生じる。
ても生じている。
ので、従来熱境界部に生じていた強度低下を、熱処理を
行うことなく低減し、熱境界部の強度を大きくした熱間
曲げ金属条材並びにその製造方法を提供することを目的
とする。
の際の加熱領域と非加熱領域の境界部分すなわち熱境界
部に生じる軟化部による、条材軸線方向の強度低下を低
減するため、熱影響ラインを肉厚方向に対して傾斜させ
たものである。このように熱影響ラインを傾斜させてお
くと、熱影響ラインに沿って生じる軟化部も肉厚方向に
対して傾斜しており、このため金属条材を軟化部の任意
の位置で肉厚方向(条材軸線に直角方向)に切断した断
面には、強度の小さい軟化部のみならず、強度の大きい
高温加熱部或いは非加熱部が存在することとなり、全体
としての条材軸線方向の強度が、軟化部のみの場合に比
べて大きくなる。かくして、熱境界部における条材軸線
方向の強度低下を低減し、強度を大きくできる。
線状の金属条材の長手方向の一部区間に熱間曲げ加工を
施したものにおいて、熱間曲げ加工の際の加熱領域と非
加熱領域との境界部分に生じる熱影響ラインを肉厚方向
に対して傾斜させたことを特徴とする。本発明の対象と
する金属条材の形態は任意であり、例えば、丸形鋼管、
角形鋼管等の鋼管、H形鋼、T形鋼、U形鋼(又はC形
鋼)、L形鋼等の形鋼、棒状或いは板状の鋼材等を挙げ
ることができる。特に、埋設配管は大地震により液状化
現象が起こったときなどに過大な力がかかる恐れがある
ことから、埋設配管に使用する管体には本発明を適用す
ることが好ましい。鋼材以外の金属条材も加熱を経て大
なり小なり軟化するので、本発明の適用対象とすること
ができる。
説明する。図1は、長手方向の一部区間に熱間曲げ加工
を施した本発明の金属条材11の熱境界部における実肉
部分(条材11が管の場合には管壁、H形鋼、L形鋼等
の場合にはウェブやフランジ)の断面を示すものであ
る。図1において、金属条材11は、曲げ加工のために
高温に加熱され且つ強制冷却されて焼入れ状態となった
高温加熱部11aと、加熱温度が低いため条材製造時の
金属組織を維持している非加熱部11bと、両者間に生
じる軟化部11cを有しているが、高温加熱部11aと
非加熱部11bとの境界に形成される熱影響ライン16
を肉厚方向に対して傾斜させている。この構成により、
軟化部11cも肉厚方向に対して傾斜している。このた
め、金属条材11を軟化部11cの任意の位置で肉厚方
向(条材軸線に直角方向)に切断した断面(例えば、A
−A断面)には、強度の小さい軟化部11cのみなら
ず、強度の大きい高温加熱部11a及び/又は非加熱部
11bが存在する。従って、金属条材11の断面全体と
しての条材軸線方向の強度は、図8に示す従来例のよう
に、軟化部1cのみしか存在しない場合に比べて、大幅
に向上しており、熱境界部の強度を大きくできる。
は、傾斜角θを大きくするほど向上するが、その他に
も、金属条材11の肉厚と軟化部11cの幅(熱影響ラ
インに直角方向の寸法)の比率も向上度合に関係する。
従って、傾斜角θの選定に当たっては、金属条材11の
肉厚及び軟化部11cの幅も考慮して定めるが、傾斜角
θの大体の目安としては、25°以上に設定することが
好ましく、更には、45°以上に設定することが一層好
ましい。
間曲げ加工の開始位置に存在するのみならず、曲げ加工
の終了位置にも存在している。本発明は、これらの開始
位置及び終了位置の両方に適用することが最も好ましい
が、必要に応じていずれか一方のみに適用してもよい。
造方法を説明する。上記した熱影響ライン16は、熱履
歴における最高加熱温度が焼入れ可能な最低温度であっ
た位置に形成されるので、金属条材の曲げ始めの部分な
どの加熱開始位置或いは曲げ終わりの部分などの加熱終
了位置において、焼入れを生じる最低温度の等温線が肉
厚方向に対して傾斜するような温度分布を形成させれば
よい。このような温度分布の形成は、実肉部分の片面に
対する予熱、後熱の適宜取り入れ、加熱手段による加熱
温度パターンの選定、冷却の適宜取り入れ等によって行
うことが可能であり、中でも、実肉部分片面側と反対面
側とで加熱開始時の冷却開始位置及び加熱終了時の赤熱
開始位置に差をつけることにより容易に上記等温線を肉
厚方向に対して傾斜させることができ、好ましい。
つの実施の形態は加熱開始部に関するものであって、直
線状の金属条材の長手方向の狭幅領域を赤熱状態に加熱
して加熱部を形成し、該加熱部に曲げモーメントを付与
して曲げ変形させ、その直後に冷却しながら前記加熱部
を金属条材の長手方向に移動させて、長手方向の所望区
間を熱間曲げ加工する方法において、加熱開始時に、前
記金属条材の実肉部分を片面側から加熱し、同時にその
加熱領域内に加熱開始側から食い込ませる形で、反対面
側に配した冷却手段によって反対面側から冷却媒体を吹
き付けることにより、前記実肉部分内における反対面側
の冷却前線の位置を片面側よりも加熱終了側にずらし
て、前記等温線を肉厚方向に対して傾斜させることを特
徴とする。そして、この構成により、加熱開始位置にお
ける熱境界部の熱影響ラインを肉厚方向に対して傾斜さ
せることができる。
るものであって、直線状の金属条材の長手方向の狭幅領
域を赤熱状態に加熱して加熱部を形成し、該加熱部に曲
げモーメントを付与して曲げ変形させ、その直後に冷却
しながら前記加熱部を金属条材の長手方向に移動させ
て、長手方向の所望区間を熱間曲げ加工する方法におい
て、加熱終了時に、前記金属条材の実肉部分を片面側か
ら加熱し、同時にその加熱領域内に加熱終了側から食い
込ませる形で、反対面側に配した冷却手段によって反対
面側から冷却媒体を吹き付けることにより、前記実肉部
分内における反対面側の赤熱前線の位置を片面側よりも
加熱開始側にずらして、前記等温線を肉厚方向に対して
傾斜させることを特徴とする。そして、この構成によ
り、加熱終了位置における熱境界部の熱影響ラインを肉
厚方向に対して傾斜させることができる。
合には、金属管を外面側から誘導コイルで加熱し、本発
明方法固有の上記冷却については、内面側から冷却媒体
を吹き付けて冷却する構成とすることが、実施するため
の設備構成を簡単にできるので好ましい。なお、この場
合、曲げ開始から終了に至る間の曲げ変形直後の冷却に
ついては、上記本発明方法に係る上記冷却と併せて内面
側から行っても良く、或いは、又、通常通り外面側から
行っても良く、更には、厚肉管の場合など両面側から行
うようにしてもよい。
に適用した実施例を説明する。図2は本発明の一実施例
による熱間曲げ加工鋼管(金属条材)21を示す概略断
面図である。この熱間曲げ加工鋼管21は、直線状の鋼
管の長手方向の一部区間を90°に熱間曲げ加工して形
成した曲げ部21Aと、その両端に続く直管部21B、
21Cを有している。そして、その曲げ部21Aの全域
(ハッチングで示す領域)は曲げ加工により焼入れされ
た状態となっており、その両端にそれぞれ熱影響ライン
22、23が生じている。この熱影響ライン22、23
はそれぞれ、肉厚方向に対して傾斜しており、これによ
って軸線方向の強度低下が小さくなっている。
造方法及びそれに用いる装置を説明する。図3は熱間曲
げ加工を行う装置の概略断面図であり、31は支点Oを
中心に旋回可能に設けられた旋回アーム、32は旋回ア
ーム31に取り付けられ、曲げ加工すべき鋼管21を把
持するクランプ、34は鋼管21の長手方向の狭幅領域
を赤熱状態に加熱する誘導コイルであり、加熱領域のク
ランプ32側の端部に冷却水等の冷却媒体35を吹き付
ける冷却手段を備えている。この誘導コイル34は、支
点Oを通り且つ直線状の鋼管21の軸線に直角な曲げ基
準面P−P上に配置されている。36は鋼管21の端部
を把持するテールクランプであり、図示しない駆動装置
によって鋼管21を軸線方向に矢印Bで示す方向に移動
させる構成となっている。
れた冷却装置である。この冷却装置38は鋼管21の内
面全周に冷却水等の冷却媒体39を鋼管21の軸線に対
して、図3に示すように右方向に傾斜させて吹き付ける
ことができ、また、図6に示すように左方向にも傾斜さ
せて吹き付けることができる構成となっている。冷却装
置38は支持部材40によって保持されており、その支
持部材40には冷却装置38を鋼管21の軸線方向の所
望位置に移動させるための移動機構(図示せず)が連結
されている。
法を説明する。まず、図3に示す状態に、曲げ加工前の
直線状の鋼管21をセットする。次いで、誘導コイル3
4に通電して鋼管21の加熱を開始すると共にその加熱
領域の端部に冷却媒体35を吹き付け、同時に、鋼管2
1の内側に位置する冷却装置38からも冷却媒体39を
鋼管21の内面に吹き付ける。ここで、冷却装置38に
より冷却媒体39を吹き付けて冷却する領域は、図4に
拡大して示すように、鋼管21の実肉部分を外面側から
誘導コイル34で加熱する際の加熱領域内に曲げ開始側
(即ち加熱開始側、矢印B側)から食い込んだ領域と
し、赤熱状態の加熱部41の内面側での冷却開始位置を
外面側よりも曲げ終了側(即ち加熱終了側、矢印C側)
にずらしている。かくして、加熱開始部における赤熱状
態の加熱部41の等温線42、42a、42b等は肉厚
方向に対して傾斜した状態となる。
始し、加熱部41が曲げ加工を行うための所定の温度に
達すると、テールクランプ36による鋼管21の矢印B
方向の移動を開始する。これにより、旋回アーム31に
よって鋼管21に曲げモーメントが付与され、鋼管21
は加熱部41のところで曲げ変形し、且つ曲げ変形を生
じた直後の部分が冷却媒体35で冷却固化される。そし
て、図5に示すように、鋼管21が矢印B方向の移動を
続け、それによって旋回アーム31が旋回することによ
り、鋼管21が連続的に熱間曲げ加工される。なお、曲
げ開始時以外には、鋼管21の内側に配置された冷却装
置38による冷却媒体の鋼管内面への吹き付けは行って
も、行わなくてもよい。
に、鋼管21の曲げ加工すべき区間の後端が誘導コイル
34による加熱領域に接近した時点で、鋼管21の内部
の冷却装置38が冷却媒体39の鋼管内面への吹き付け
を開始する。この時の冷却装置38により冷却媒体39
を吹き付けて冷却する領域は、図7に拡大して示すよう
に、鋼管21の実肉部分を外面側から誘導コイル34で
加熱する際の加熱領域内に曲げ終了側(即ち加熱終了
側、矢印C側)から食い込んだ領域とし、加熱部41の
内面側での赤熱開始位置を外面側よりも曲げ開始側(即
ち加熱開始側、矢印B側)にずらしている。かくして、
曲げ終了部における加熱部41の等温線43、43a、
43b等は肉厚方向に対して傾斜した状態となるので、
この加熱部41が、鋼管21の曲げ加工すべき区間の後
端に達する迄この状態を維持させる。そして、所定の曲
げ加工が行われた時点で、テールクランプ36による鋼
管21の移動及び誘導コイル34による加熱を停止し、
曲げ加工を終了する。以上の工程により、図2に示すよ
うに、曲げ部21Aと、その両端に続く直管部21B、
21Cを有した構成の曲げ鋼管21が製造される。な
お、図3〜図7の各図において、冷却媒体35、39を
斜めに吹き付けているのは、対象面上の一線を境とし
て、その一方側の領域を冷やし、他方側の領域を冷やさ
ないようにするためであって上記一線は言わば冷却前線
である。冷却領域の規制は冷却前線とすべき線上にエア
を噴射することによっても行える。
ち加熱開始時には、図4に示すように、赤熱状態に加熱
した加熱部41の加熱開始側の端部には、肉厚方向に対
して傾斜した等温線42、42a、42bが形成されて
おり、また、曲げ加工の終了時即ち加熱終了時にも、図
7に示すように、赤熱状態に加熱した加熱部41の加熱
終了側の端部には、肉厚方向に対して傾斜した等温線4
3、43a、43bが形成されている。しかして、熱影
響ライン22、23は、これらの等温線42、42a、
42b又は等温線43、43a、43bに平行に生じる
ことから、曲げ部21Aの両端に、肉厚方向に対して傾
斜した熱影響ライン22、23が生じることになる。
a、42bの傾斜、或いは図7における等温線43、4
3a、43bの傾斜の度合は、冷却媒体39の吹き付け
により冷却される領域の前線を鋼管21の軸線方向に移
動させることにより、或いは冷却媒体の吹き付け量を増
減させて冷却効果を変化させること等により調整可能で
ある。従って、これらの調整によって熱影響ライン2
2、23の傾きを所望のように調整できる。
曲げ基準面P−P上に常時位置させる構成としている
が、本発明はこの構成に限らず、曲げ加工の開始時及び
終了時に誘導コイル34を移動させる場合にも適用可能
である。例えば、図2に示すような曲げ鋼管において、
曲げ部21Aの両端の直管部に移行する部分の曲率をな
だらかに変化させるため、曲げ開始時には、図3におい
て誘導コイル34を曲げ基準面P−Pより右方向に離れ
た所望位置に位置させ、その状態で熱間曲げ加工を開始
すると共に誘導コイル34を曲げ基準面P−Pに向かっ
て移動させ、曲げ基準面P−Pに達した後は、その位置
に停止させて曲げ加工を継続し、曲げ終了時には、誘導
コイル34を図6に示す位置から左方向に離れた所望位
置まで順次移動させて曲げ加工を終了するという曲げ方
法(ぼかし曲げ)が知られており、この場合にも本発明
を適用可能である。また、曲げ部21Aの両端の直管部
を適当な長さだけ熱処理するため、曲げ開始前に、図3
において誘導コイル34を曲げ基準面P−Pより右方向
に離れた位置に位置させ、その位置で加熱を開始すると
共に誘導コイル34を曲げ基準面P−Pに向かって移動
させて鋼管の熱処理を行い、曲げ基準面P−Pに達した
後は、その位置に停止させて曲げ加工を行い、曲げ終了
時には、誘導コイル34を図6に示す位置から左方向に
所望量だけ移動させて熱処理を行うという方法も知られ
ており、この場合にも本発明を適用可能である。いずれ
の場合においても、誘導コイル34による加熱開始時及
び加熱終了時にはそれぞれ、図4、図7に示すように内
面側からの冷却媒体39の吹き付けによる冷却によっ
て、等温線42、43を肉厚方向に対して傾斜させれば
よい。
して曲げ加工を行った結果を表1に示す。使用した鋼管
は、グレード;API−X65のものであり、これを曲
げ半径が3DR(Dは鋼管外径)及び5DRとなるよう
に曲げ加工した。得られた曲げ加工鋼管の曲げ開始側の
熱境界部(直管部と曲げ部の境界部分)を切断して断面
を観察し、熱影響ラインの傾斜角θ(図1参照)を測定
した。また、その熱境界部が標点間の中央となるように
試験片を切り出し、JIS 12C号の試験片とした。
この試験片について、鋼管の長手方向引張試験を行い、
耐力、引張強さ及び伸びを測定した。これらの結果を表
1に示す。更に、比較のため、曲げ半径が5DRとなる
ように曲げ加工した曲げ加工鋼管の直管部及び曲げ部に
ついても、同様の引張試験を行ったので、その結果を表
1に示す。
厚方向に対して傾斜させることにより、耐力、引張強さ
が増加しており、特に、傾斜角θを47°以上とした場
合にその効果が顕著に現れ、直管部や曲げ部にほぼ匹敵
するような強度特性となっていた。
属条材は、曲げ加工時の熱境界部に生じる熱影響ライン
を肉厚方向に対して傾斜させたことにより、その熱境界
部に生じる軟化部による条材軸線方向の強度低下を少な
くできており、換言すれば、熱境界部の条材軸線方向の
強度が従来に比べて大きくなっており、その結果、埋設
配管や建築物の構造体として使用し、大地震などで過大
な力が作用した際の耐久性のレベルが向上するという効
果を有している。
加工を行う場合に、前記金属条材の実肉部分を片面側か
ら加熱し、加熱開始時に或いは加熱終了時に、加熱領域
内の特定領域に反対面側から冷却媒体を吹き付けるとい
う簡便な手段によって、前記実肉部分内における等温線
を肉厚方向に対して傾斜させて、得られた曲げ加工金属
条材の加熱開始部或いは加熱終了部における熱境界部の
熱影響ラインを肉厚方向に対して傾斜させる構成とした
ので、熱境界部の強度低下を低減した曲げ加工金属条材
を安価に製造できるという効果を有している。
す概略断面図
略断面図
工装置の概略断面図
実肉部分及びその周辺を示す概略断面図
す概略断面図
示す概略断面図
す概略断面図
図及びその部分の熱履歴及び表面硬度を示すグラフ
Claims (6)
- 【請求項1】 直線状の金属条材の長手方向の一部区間
に熱間曲げ加工を施した熱間曲げ金属条材において、熱
間曲げ加工の際の加熱領域と非加熱領域との境界部分に
生じる熱影響ラインを肉厚方向に対して傾斜させたこと
を特徴とする熱間曲げ金属条材。 - 【請求項2】 前記熱影響ラインが肉厚方向に対して4
5°以上の傾斜を有していることを特徴とする請求項1
記載の熱間曲げ金属条材。 - 【請求項3】 直線状の金属条材の長手方向の狭幅領域
を赤熱状態に加熱して加熱部を形成し、該加熱部に曲げ
モーメントを付与して曲げ変形させ、その直後に冷却し
ながら前記加熱部を金属条材の長手方向に移動させて、
長手方向の所望区間を熱間曲げ加工する方法において、
加熱開始時に、金属条材の実肉部分の、加熱手段を配し
た片面側の冷却開始位置よりも加熱終了側にずらした位
置で反対面側の冷却を開始させることにより、前記実肉
部分内における加熱開始時の等温線を肉厚方向に対して
傾斜させたことを特徴とする熱間曲げ金属条材の製造方
法。 - 【請求項4】 直線状の金属条材の長手方向の狭幅領域
を赤熱状態に加熱して加熱部を形成し、該加熱部に曲げ
モーメントを付与して曲げ変形させ、その直後に冷却し
ながら前記加熱部を金属条材の長手方向に移動させて、
長手方向の所望区間を熱間曲げ加工する方法において、
加熱終了時に、金属条材の実肉部分の、加熱手段を配し
た片面側の赤熱開始位置よりも加熱開始側にずらした位
置で反対面側の赤熱を開始させることにより、前記実肉
部分内における加熱終了時の等温線を肉厚方向に対して
傾斜させたことを特徴とする熱間曲げ金属条材の製造方
法。 - 【請求項5】 金属条材の実肉部分の、前記反対面側に
係る冷却開始位置又は赤熱開始位置の調整を、該反対面
側に冷却手段を配し、冷却媒体を吹き付けて冷却する領
域を調整して行う、請求項3又は4に記載の熱間曲げ金
属条材の製造方法。 - 【請求項6】 金属条材が金属管であって、請求項3〜
5のいずれか1項に記載の方法を、金属管の外面側から
誘導加熱し、内面側から冷却媒体を吹き付けて冷却する
構成にて実施することを特徴とする熱間曲げ金属条材の
製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09405298A JP3856940B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 熱間曲げ金属条材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09405298A JP3856940B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 熱間曲げ金属条材及びその製造方法 |
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| Publication Number | Publication Date |
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| JP3856940B2 JP3856940B2 (ja) | 2006-12-13 |
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ID=14099789
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP09405298A Expired - Fee Related JP3856940B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 熱間曲げ金属条材及びその製造方法 |
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|---|---|
| JP (1) | JP3856940B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015504005A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-02-05 | アクティエボラゲット・エスコーエッフ | フラッシュバット溶接によって鋼構成要素を製造する方法、および本方法を用いて作成された構成要素 |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP09405298A patent/JP3856940B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015504005A (ja) * | 2011-12-20 | 2015-02-05 | アクティエボラゲット・エスコーエッフ | フラッシュバット溶接によって鋼構成要素を製造する方法、および本方法を用いて作成された構成要素 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3856940B2 (ja) | 2006-12-13 |
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