JPH11267845A - チタン又はチタン合金と鉄系材料との接合体および接合方法 - Google Patents

チタン又はチタン合金と鉄系材料との接合体および接合方法

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JPH11267845A JP10074446A JP7444698A JPH11267845A JP H11267845 A JPH11267845 A JP H11267845A JP 10074446 A JP10074446 A JP 10074446A JP 7444698 A JP7444698 A JP 7444698A JP H11267845 A JPH11267845 A JP H11267845A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡便でかつ形状的制約が少なく、連続的接合
が可能で、脆い性質の金属間化合物が生成しにくく、ま
た、厚板部材同士の接合においても能率的で、しかも溶
接部の耐食性に優れているチタン又はチタン合金と鉄系
材料との接合体および接合方法の提供。 【解決手段】 チタン又はチタン合金と鉄系材料との間
が、複数の材質の溶接金属からなっており、チタン側
に、銅合金の溶接金属が配置されて金属接合されている
ことを特徴とするチタン又はチタン合金と鉄系材料との
接合体である。この場合、チタン又はチタン合金と鉄系
材料との間に、チタン側から順に、銅合金、次いでNi
系材料又はCo系材料の溶接金属が配置される。また、
チタン又はチタン合金と鉄系材料との間に、チタン側か
ら順に、銅合金、次いでNi系材料又はCo系材料、鉄
系材料の溶接金属が配置される。更に、上記のチタン又
はチタン合金と鉄系材料との接合体において、チタン側
に配置される銅合金溶接金属をMIGろう付により生成
するチタン又はチタン合金と鉄系材料との接合体の接合
方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海洋、港湾構造物
や化学機器等、耐食性を初めとするチタン又はチタン合
金の特性を利用するための構造物において、主として強
度部材である鉄系材料とチタン又はチタン合金との接合
体およびその接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタン又はチタン合金と鉄系材料との接
合方法における従来の技術としては、爆発圧接や圧延に
より、板材を面接合することでチタンクラッド鋼を得る
技術が挙げられる。また、突合せ接合する技術として
は、摩擦圧接法によるものがみられる。さらに、アーク
熱源による異種材接合法として、最近では、銀ろうを用
いたTIG溶接あるいはプラズマ溶接方法も提案されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、クラッ
ド鋼を得るための方法は、素材を製作するためのもので
あり、これを利用してチタンと鋼を接合することは可能
であるが、部材の形状により適用できないケースが多
く、簡便性の点で劣っている。また、摩擦圧接による方
法は、部材形状に制約されるとともに、長い溶接線を連
続的に接合するのは困難な技術といえるものである。一
方、銀ろうを用いたTIG溶接あるいはプラズマ溶接方
法は、前述の各方法に比べて形状的制約も少なく、かつ
連続的接合も可能な技術である点で簡便な方法といえる
が、溶接施工時の適正条件範囲が狭く、ややもすると溶
接部に極めて脆い性質の金属間化合物を生成してしま
い、ひいては割れが発生する危険性がある。また、厚板
部材同士の接合に適用するには、あまりにも非能率的と
なる問題がある。さらに、銀ろうは必ずしも耐食性の面
で優れているとはいえなく、用途に関して制約を受け易
い問題点を有する。
【0004】このような現実に鑑みて、本発明は、上述
する如き諸問題点の解消を図るために成されたものであ
り、従って本発明の目的は、チタン又はチタン合金と鉄
系材料とを接合する技術において、簡便でかつ形状的制
約が少なく、連続的接合が可能で、脆い性質の金属間化
合物が生成しにくく、また、厚板部材同士の接合におい
ても能率的で、しかも溶接部の耐食性に優れているチタ
ン又はチタン合金と鉄系材料との接合体および接合方法
を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、本発明者等によって鋭意研究と実験を
重ねた結果、以下に述べる構成とすることにより、上記
課題を解決できることを見出し、ここに本発明を完成す
るに至ったものである。
【0006】即ち、本発明に係る請求項1の発明に関し
ては、チタン又はチタン合金と鉄を主成分とする材料と
の接合体において、チタン又はチタン合金と鉄系材料と
の間が、複数の材質の溶接金属からなっており、チタン
側に、銅合金の溶接金属が配置されて金属接合されてい
ることを特徴とするチタン又はチタン合金と鉄系材料と
の接合体である。
【0007】また、本発明に係る請求項2の発明は、前
記請求項1の発明に関して、チタン又はチタン合金と鉄
系材料との間に、チタン側から順に、銅合金、次いでN
i系材料又はCo系材料の溶接金属が配置されているこ
とを特徴とするチタン又はチタン合金と鉄系材料との接
合体である。
【0008】また、本発明に係る請求項3の発明は、前
記請求項1の発明に関して、チタン又はチタン合金と鉄
系材料との間に、チタン側から順に、銅合金、次いでN
i系材料又はCo系材料、鉄系材料の溶接金属が配置さ
れていることを特徴とするチタン又はチタン合金と鉄系
材料との接合体である。
【0009】また、本発明に係る請求項4の発明は、請
求項1乃至請求項3のいずれかに記載のチタン又はチタ
ン合金と鉄系材料との接合体において、チタン側に配置
される銅合金溶接金属をMIGろう付により生成するこ
とを特徴とするチタン又はチタン合金と鉄系材料との接
合体の接合方法である。
【0010】このような本発明によれば、その実施に際
して下記の事柄が重要なポイントとして挙げられる。即
ち、チタン又はチタン合金(以下、両者を総称してチタ
ンという)と鉄系材料例えば鋼とを直接溶融接合したと
すると、極めて脆弱な金属間化合物が生成し、割れの発
生を避けるのは困難であることが知られている。従っ
て、溶材を介在する場合を含めて、直接接合する際に、
如何にしてチタンと鋼における鉄を溶融混合させること
なく、溶接金属そのものの濡れ性を確保するとともに、
チタンと鋼の界面近傍に脆い反応層を生成させないよう
にすることが本発明の重点となるのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付図面を併せ参照しながら具体的に説明する。
【0012】図1には、本発明の第1実施形態に係る接
合体の接合部断面図が示される。この第1実施形態に係
る接合体では、先ずチタン1側の接合部に銅合金溶接金
属(ろう付金属)3の層を形成させる。この銅合金溶接
金属3はチタン1母材の希釈を抑えるためとして形成さ
れるものである。次いで、銅合金溶接金属3と鉄系材料
2との接合部にNi系溶接金属(又はCo系溶接金属)
4を形成させる。このような方法によりチタン1と鉄系
材料2との突合せになる接合が行われるとともに、銅合
金溶接金属3へのTiの侵入が抑制され、さらには、N
i系溶接金属(又はCo系溶接金属)4へのTiの侵入
が抑えられるため、それぞれ脆い金属間化合物の生成に
よる割れ現象を防止することができるのである。
【0013】なお、Ni系溶接金属(又はCo系溶接金
属)4へは、銅合金溶接金属3からのCuおよび鉄系材
料2からの鉄が希釈により侵入するが、それらは何れも
脆い化合物は生成しないため、健全な突合せ継手が得ら
れるのである。
【0014】チタン1側への銅合金溶接金属3の形成方
法については、細径の銅合金ワイヤを用いて、不活性ガ
ス雰囲気でアーク溶接する、いわゆるMIGろう付法を
適用するのが最適である。即ち、MIGろう付による方
法では、通常のアーク溶接によるものに比べて極めて低
い電流条件を適用することができる。これは、ワイヤに
融点の低い銅合金を用いること、および細径ワイヤを用
いることによる効果である。このような溶材により、チ
タン1側にチタン母材の希釈を抑えたかたちで、銅合金
溶接金属3を形成させるのがこの実施形態における重要
なポイントとなる。
【0015】この場合、MIGろう付により継手の開先
全面を施工することも技術的には可能であるが、厚板継
手の場合には非能率的であること、および層数の増加に
伴い、融合不良等の欠陥の発生機会が増加するため、チ
タン1側へ銅合金溶接金属3を形成させた後は、Ni系
もしくはCo系の溶接材料4によって鉄系材料2と銅合
金溶接金属3を通常のアーク溶接を行うことで、健全性
の確保ならびに接合作業の能率化が図れることになる。
【0016】図2には、本発明の第2実施形態に係る接
合体の接合部断面図が示される。この図2に示される第
2実施形態に係る接合体の例のように、チタン1側に銅
合金溶接金属3、Ni系溶接金属(又はCo系溶接金
属)4を順次形成させた後、このNi系溶接金属(又は
Co系溶接金属)4と鉄系材料2との間を、通常の鉄系
溶接材料5で溶接することも可能であり、このような接
合体では、開先面積が大きい場合に、殊にコスト面でよ
り有効な方法である。
【0017】以上説明した各実施形態に関して、銅合金
溶接金属、Ni系溶接金属、鉄系溶接材料およびCo系
溶接金属としては、下記に示される各種材料の中から適
当なものを選定することができる。 (1) 銅合金溶接材料: ・JISZ3341におけるYCuSi B, YCuAl、YCuAlNi
A, YCuAlNi B,YCuSn A 等。中でも好ましいのは、 YCuS
i BとYCuAl 。 (2) Ni系溶接材料: ・JISZ3224におけるDNiCu-1, DNiCu-4, DNiCrF
e-1J, DNiCrFe-3 等の被覆アーク溶接材料。 ・JISZ3334におけるYNi-1, YNiCu-1、7, YNiCr
Fe-5、6, YNiCr-3,YNiMo-1 、3 、7, YNiCrMo-1、2 、3
、4 、8, YNiFeCr-1等。 (3) 鉄系溶接材料: ・JISZ3211 軟鋼用被覆アーク溶接棒 ・JISZ3212 高張力鋼用被覆アーク溶接棒 ・JISZ3221 ステンレス鋼用被覆アーク溶接棒 ・JISZ3223 モリブデン鋼及びクロムモリブデ
ン鋼被覆アーク溶接棒 ・JISZ3225 9%Ni鋼用被覆アーク溶接棒 ・JISZ3312 軟鋼及び高張力鋼用ソリッドワイ
ヤ ・JISZ3313 軟鋼及び高張力鋼用フラックス入
りワイヤ ・JISZ3316 軟鋼及び高張力鋼用ティグ溶接棒
及びワイヤ ・JISZ3317 モリブデン鋼及びクロムモリブデ
ン鋼用マグ溶接ソリッドワイヤ ・JISZ3318 モリブデン鋼及びクロムモリブデ
ン鋼用フラックス入りワイヤ ・JISZ3321 溶接用ステンレス鋼棒及びワイヤ ・JISZ3323 ステンレス鋼アーク溶接フラック
ス入りワイヤ (4) Co系溶接材料:JIS規格としてはないが、代表
的な溶接材料としてステライトと称する溶接材料があ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について添付図面を参
照しながら比較例と比較して説明する。
【0019】第1実施例 本第1実施例においてはチタン厚板材と鋼材の突合せ溶
接試験を行ったものであり、図3に示すような、厚さ2
5mm×幅150mm×長さ300mmのチタン厚板又はTi
−6Al−4V合金厚板(図3における左側の厚板)
と、厚さ25mm×幅150mm×長さ300mmの鋼材(図
3における右側の厚板)とのそれぞれの突合せ継手に対
して、本発明の特許請求の範囲の記載内容に基づく手段
で接合を試みた。この場合の溶接方法、溶接材料及び溶
接条件は下記〔表1〕に示す通りである。なお、表中の
溶接個所a,b,cは、図4(イ)、(ロ)に示した接
合部断面図における図中の各記号部a,b,cに対応す
る。また、チタン側に施工するMIGろう付及びNi系
溶接材料によるMIG溶接については、開先を組立てる
前に、予め開先面に対して行った。
【0020】溶接後、浸透探傷試験及び断面調査によ
り、割れ発生の有無を調べた。その結果、いずれの継手
とも割れを初めとする欠陥は認められず、健全な接合部
が得られていることが確認された。
【0021】
【表1】
【0022】第2実施例 本第2実施例においてはチタン厚板材と鋼材の突合せ溶
接試験を行ったものであり、第1実施例と同様の試験材
に対して、種々の溶接材料及び溶接方法で突合せ接合を
試み、割れ発生の有無を調べた。溶接方法、溶接材料、
割れの有無及び判定結果は下記〔表2〕に示す通りであ
る。なお、割れの発生を回避できなかったもの、総合評
価(割れの有無及び溶接安定性で評価した)が良くない
ものについては「×」、割れが認められないもの、総合
評価が良好なものについては「○」で示している。
【0023】〔表2〕にから明らかなように、本発明の
特許請求の範囲から外れる条件の比較例No.1〜N
o.4については、少なくともチタン側の溶接個所に割
れが多く認められて総合評価は不良であり、一方、本発
明に係る各実施例No.5〜No.10については、N
o.5のものに鉄系材料側の溶接個所に僅かな割れが認
められた以外、割れが全く存在しなく、総合評価が良好
であったことが確認された。
【0024】
【表2】
【0025】以上述べた本発明の実施の形態並びに実施
例に関しては、突合せ継手を例示してのものであるが、
本発明は、かかる突合せ接合に限定されるものではな
く、重ねすみ肉接合にも当然適用することが可能であっ
て、特許請求の範囲に記載の構成要件を満足し得るもの
である限りにおいて種々の変型になる他の接合手段も本
発明の範囲に包含されることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。即ち、
本発明によれば、チタン又はチタン合金と鉄を主成分と
する材料との接合体において、チタン又はチタン合金と
鉄系材料との間が、複数の材質の溶接金属からなってい
て、チタン側から順に、銅合金、Ni系材料又はCo系
材料、鉄系材料の溶接金属のうちの少なくとも銅合金が
配置されている構成としたことにより、接合加工に際し
ての適用の制約が少なくて汎用性に富んでいるととも
に、接合対象物の形状的制約が少なく、連続的接合が可
能であり、さらに脆い性質の金属間化合物が生成しにく
く、また、厚板部材同士の接合においても能率的であっ
て、しかも溶接部の耐食性が優れている利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る接合体の接合部断
面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る接合体の接合部断
面図である。
【図3】厚板による突合せ継手の断面図である。
【図4】明細書における〔表1〕及び〔表2〕中の各溶
接個所a,b,cを示す接合部断面図である。
【符号の説明】
1…チタン 2…鉄系材料 3…銅
合金溶接金属 4…Ni系溶接金属 5…鉄系溶接材料 a…チタン側から第1層の溶接個所 b…チタン側か
ら第2層の溶接個所 c…チタン側から第3層の溶接個所

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン又はチタン合金と鉄を主成分とす
    る材料との接合体において、チタン又はチタン合金と鉄
    系材料との間が、複数の材質の溶接金属からなってお
    り、チタン側に、銅合金の溶接金属が配置されて金属接
    合されていることを特徴とするチタン又はチタン合金と
    鉄系材料との接合体。
  2. 【請求項2】 チタン又はチタン合金と鉄系材料との間
    に、チタン側から順に、銅合金、次いでNi系材料又は
    Co系材料の溶接金属が配置されている請求項1に記載
    のチタン又はチタン合金と鉄系材料との接合体。
  3. 【請求項3】 チタン又はチタン合金と鉄系材料との間
    に、チタン側から順に、銅合金、次いでNi系材料又は
    Co系材料、鉄系材料の溶接金属が配置されている請求
    項1に記載のチタン又はチタン合金と鉄系材料との接合
    体。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のチタン又はチタン合金と鉄系材料との接合体におい
    て、チタン側に配置される銅合金溶接金属をMIGろう
    付により生成することを特徴とするチタン又はチタン合
    金と鉄系材料との接合体の接合方法。
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