JPH1126858A - Qスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法及びqスイッチ発振固体レーザ装置 - Google Patents

Qスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法及びqスイッチ発振固体レーザ装置

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JPH1126858A
JPH1126858A JP9179930A JP17993097A JPH1126858A JP H1126858 A JPH1126858 A JP H1126858A JP 9179930 A JP9179930 A JP 9179930A JP 17993097 A JP17993097 A JP 17993097A JP H1126858 A JPH1126858 A JP H1126858A
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JP
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solid
switch
state laser
laser medium
oscillation
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JP9179930A
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Michio Nakayama
通雄 中山
Hiroshi Yuasa
広士 湯浅
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、安定した出力エネルギー及び尖頭値
でビーム品質の安定性に優れたQスイッチパルス光を得
る。 【解決手段】固体レーザ媒質3及びAO−Qスイッチ4
を各共振器ミラー1、2内に配置し、固体レーザ媒質3
を励起してその誘導光の共振を発生させ、かつAO−Q
スイッチ4をスイッチング動作させてパルス状のレーザ
光を出力する場合、AO−Qスイッチ4をスイッチング
動作開始前に、固体レーザ媒質3を入熱量と放熱量とが
平衡状態になるまで励起し、次に固体レーザ媒質3内の
反転分布がレーザ発振しないレベルまで抑制するように
固体レーザ媒質3に対する励起を停止又は減少し、この
後に、AO−Qスイッチ4を所定の周波数でスイッチン
グ動作させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高繰り返しでパル
ス状のレーザ光を出力するQスイッチ発振固体レーザ装
置の制御方法及びQスイッチ発振固体レーザ装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図6はQスイッチ発振固体レーザ装置の
構成図である。1対の対向配置された共振器ミラー1、
2によりレーザ共振器が構成され、これら共振器ミラー
1、2の間には、Nd:YAGレーザロッド等の固体レ
ーザ媒質3と音響光学的Qスイッチ(以下、AO−Qス
イッチと称する)4とが配置されている。
【0003】固体レーザ媒質3の周囲には、半導体レー
ザ(LD)等の励起源5が配置され、励起源ドライバ6
の駆動制御により光を固体レーザ媒質3に照射して励起
するものとなっている。
【0004】又、AO−Qスイッチ4には、RFドライ
バ7を介してQスイッチ周波数発振器8が接続され、こ
のQスイッチ周波数発振器8からRFドライバ7を所定
周波数でオンーオフする制御信号をRFドライバ7に送
出することによって、AO−Qスイッチ4をスイッチン
グ動作させるものとなっている。
【0005】このような構成であれば、励起源ドライバ
6の制御駆動により励起源5から光が放射されると、こ
の光は固体レーザ媒質3に照射される。この固体レーザ
媒質3は、光の照射により励起され、例えばNd:YA
Gの上準位寿命に従ってレーザ遷移における上準位レベ
ルと下準位レベルとの反転分布量(population inversi
on)が蓄積される。
【0006】このように固体レーザ媒質3の反転分布量
が飽和するまで蓄積されたとき、Qスイッチ周波数発振
器8から出力される制御信号によってRFドライバ7の
RF信号(高周波信号:RF出力)がオフすると、AO
−Qスイッチ4は開放され、レーザ共振器の損失が小さ
くなり、急激にレーザ発振が立ち上がって、結果として
高い尖頭値のQスイッチパルス光が一方の共振器ミラー
2から出力される。
【0007】このQスイッチパルス光は、RF出力がオ
フされるときの反転分布量に基づいた出力エネルギー、
尖頭値を有する。このとき、Qスイッチ周波数発振器8
から出力される制御信号のスイッチング周波数が固体レ
ーザ媒質3の上準位寿命と比較して低い周波数では、R
F信号がオフして、次のオフまでの間に固体レーザ媒質
3の反転分布量は飽和量に達し、常に一定の出力エネル
ギー、尖頭値を有するQスイッチパルス光が出力され
る。
【0008】しかしながら、スイッチング周波数が固体
レーザ媒質3の上準位にある時間と比較して高い周波数
では、RF信号がオフして、次のオフまでの間に固体レ
ーザ媒質3の反転分布量が飽和量に達しないために、最
初に発振するときの反転分布量と2回目以降に発振する
ときの反転分布量とが異なり、図7に示すように、最初
のみ大きな出力エネルギーと高い尖頭値を有するQスイ
ッチパルス光が出力される。
【0009】このように最初のみ大きな出力エネルギー
と高い尖頭値を有するQスイッチパルスを例えばレーザ
加工に適用すると、第1番目のQスイッチパルスによる
加工と第2番目以降のQスイッチパルスによる加工とで
加工条件が異なってしまい、加工不良が生じてしまう不
具合がある。
【0010】このため、このような不具合を改善するた
めに、例えば実公平7−44039号公報に記載されて
いるQスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法がある。
この制御方法は、図6に示すようにQスイッチ周波数発
振器8に入力するQスイッチゲート信号Gを励起源ドラ
イバ6へも入力し、この励起源ドライバ6の動作とQス
イッチ周波数発振器8の動作とをリトリガブルパルスジ
ェネレータという装置を用いて同期させる方法である。
【0011】この制御方法において励起源5に対する励
起源ドライバ6の動作制御は、Qスイッチゲート信号G
が入力されるまで及び第1回目のQスイッチ周波数発振
器8からの制御信号が印加されている間だけ停止させ又
はRF信号をオフしてレーザ共振器の損失が小さくなっ
てもレーザ発振が生じない低い出力で動作させ、Qスイ
ッチゲート信号Gがハイレベルに変わるときに同期して
所定の出力で動作させるものとなる。
【0012】このような方法では、図8の動作タイミン
グ図に示すように、最初のQスイッチ動作ではレーザ発
振が起こらず、2回目以降の出力エネルギーの安定した
一定のピークエネルギーを持つQスイッチパルス光が出
力される。なお、図8に示す動作タイミング図にはQス
イッチゲート信号G、励起源5の動作、レーザ共振器の
損失、固体レーザ媒質3の反転分布量が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Qスイ
ッチゲート信号Gによって励起源ドライバ6とQスイッ
チ周波数発振器8とを同期させる方法では、AO−Qス
イッチ4をスイッチング動作開始させる前後、つまりQ
スイッチゲート信号Gに入力時の前後で固体レーザ媒質
3に入力される励起光量が異なる。
【0014】このため、AO−Qスイッチ4をスイッチ
ング動作後に固体レーザ媒質3内で発生する熱量が変化
し、固体レーザ媒質3内部において温度分布の変化が発
生する。
【0015】この固体レーザ媒質3内部に発生する温度
分布は、熱レンズ効果や熱誘起複屈折などの熱影響を引
き起こし、発振モードやビームプロファイル等のビーム
品質に悪影響を及ぼす。
【0016】そこで本発明は、安定した出力エネルギー
及び尖頭値でビーム品質の安定性に優れたQスイッチ固
体レーザ制御方法及びQスイッチ発振固体レーザ装置を
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1によれば、固体
レーザ媒質及びQスイッチをレーザ共振器内に配置し、
固体レーザ媒質を励起してその誘導光の共振を発生さ
せ、かつQスイッチをスイッチング動作させてパルス状
のレーザ光を出力する際に、Qスイッチの発振に同期し
て固体レーザ媒質を励起させる励起源の出力を制御する
Qスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法において、Q
スイッチの発振に同期して固体レーザ媒質を励起させる
励起源の出力を、Qスイッチを発振させているときと停
止させているときとで、固体レーザ媒質内のレーザ遷移
における上準位レベルと下準位レベルとの反転分布量が
ほぼ同一になるように制御するQスイッチ発振固体レー
ザ装置の制御方法である。
【0018】請求項2によれば、固体レーザ媒質及びQ
スイッチをレーザ共振器内に配置し、固体レーザ媒質を
励起してその誘導光の共振を発生させ、かつQスイッチ
をスイッチング動作させてパルス状のレーザ光を出力す
るQスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法において、
Qスイッチをスイッチング動作開始前に、固体レーザ媒
質を入熱量と放熱量とが平衡状態になるまで励起し、次
に固体レーザ媒質内のレーザ遷移における上準位レベル
と下準位レベルとの反転分布がレーザ発振しないレベル
まで抑制するように固体レーザ媒質に対する励起を停止
又は減少し、この後に、Qスイッチを所定の周波数でス
イッチング動作させるQスイッチ発振固体レーザ装置の
制御方法である。
【0019】請求項3によれば、固体レーザ媒質及びQ
スイッチをレーザ共振器内に配置し、固体レーザ媒質を
励起してその誘導光の共振を発生させ、かつQスイッチ
をスイッチング動作させてパルス状のレーザ光を出力す
るQスイッチ発振固体レーザ装置において、Qスイッチ
の発振に同期して固体レーザ媒質を励起させる励起源
と、この励起源の出力を、Qスイッチを発振させている
ときと停止させているときとで、固体レーザ媒質内のレ
ーザ遷移における上準位レベルと下準位レベルとの反転
分布量がほぼ同一になるように駆動するドライバと、を
備えたQスイッチ発振固体レーザ装置である。
【0020】請求項4によれば、固体レーザ媒質及びQ
スイッチをレーザ共振器内に配置し、励起源から出力さ
れた光を固体レーザ媒質に照射してこの固体レーザ媒質
を励起してその誘導光の共振を発生させ、かつQスイッ
チをスイッチング動作させてパルス状のレーザ光を出力
するQスイッチ発振固体レーザ装置において、Qスイッ
チをスイッチング動作開始前に、励起源を点灯動作させ
て固体レーザ媒質の入熱量と放熱量とがほぼ平衡状態に
なるまで固体レーザ媒質を励起する第1の手段と、固体
レーザ媒質への入熱量と放熱量とがほぼ平衡状態に達し
た後、固体レーザ媒質内のレーザ遷移における上準位レ
ベルと下準位レベルとの反転分布がレーザ発振しないレ
ベルまで抑制するように励起源の動作を停止又は所定値
以下の光量に減少させる第2の手段と、固体レーザ媒質
内の反転分布がレーザ発振しないレベルまで抑制された
後、Qスイッチを所定の周波数でスイッチング動作させ
る第3の手段と、を備えたQスイッチ発振固体レーザ装
置である。
【0021】請求項5によれば、請求項4記載のQスイ
ッチ発振固体レーザ装置において、第2の手段は、励起
源の動作をレーザ遷移の上順位寿命時間以上の間停止さ
せる機能を有する。
【0022】請求項6によれば、請求項4記載のQスイ
ッチ発振固体レーザ装置において、第2の手段は、励起
源の動作を規定値の20%以下の出力に制御する機能を
有する。
【0023】
【発明の実施の形態】
(1) 以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参
照して説明する。本発明のQスイッチ発振固体レーザ装
置の制御方法は、Qスイッチの発振に同期して固体レー
ザ媒質を励起させる励起源の出力を制御する、すなわち
Qスイッチの発振に同期して固体レーザ媒質を励起させ
る励起源の出力を、Qスイッチを発振させているときと
停止させているときとで固体レーザ媒質内の反転分布量
が同一になるように制御するものである。
【0024】図1はかかる方法を適用したQスイッチ発
振固体レーザ装置の構成図である。なお、図6と同一部
分には同一符号を付してある。1対の対向配置された共
振器ミラー1、2の間には、Nd:YAGレーザロッド
等の固体レーザ媒質3とAO−Qスイッチ4とが配置さ
れている。
【0025】又、固体レーザ媒質3の周囲(側面)に
は、半導体レーザ(LD)等の励起源5が配置され、励
起源ドライバ10の駆動制御により光を固体レーザ媒質
3に照射して励起するものとなっている。
【0026】又、AO−Qスイッチ4には、RFドライ
バ7を介してQスイッチ周波数発振器8が接続され、こ
のQスイッチ周波数発振器8からRFドライバ7を所定
の周波数でオンーオフする制御信号をRFドライバ7に
送出することによって、AO−Qスイッチ4を所定の周
波数でスイッチング動作させるものとなっている。
【0027】これら励起源ドライバ10及びQスイッチ
周波数発振器8には、それぞれQスイッチゲート信号G
が入力している。このうち励起源ドライバ10は、AO
−Qスイッチ4を発振させているときと停止させている
ときとで固体レーザ媒質3内の反転分布量が同一になる
ように駆動する機能を有している。
【0028】具体的に励起源ドライバ10は、入力され
るQスイッチゲート信号Gに基づいて図2に示すよう
に、Qスイッチゲート信号Gが印加されてQスイッチパ
ルスを発振するときには、所定の励起源5の出力が所定
の値となるように制御し、かつQスイッチゲート信号G
が印加されていないときには、固体レーザ媒質3内の反
転分布量をQスイッチゲート信号Gが印加されてQスイ
ッチパルスが発振するときの反転分布量とほぼ同じにな
るように励起源5の励起源出力を制御する機能を有して
いる。
【0029】次に上記の如く構成された装置の作用につ
いて図2に示す動作タイミング図を参照して説明する。
Qスイッチ周波数発振器8及び励起源ドライバ10に対
してQスイッチゲート信号Gが入力すると、このうちQ
スイッチ周波数発振器8は、所定周波数でオンーオフす
る制御信号をRFドライバ7に送出する。
【0030】このRFドライバ7は、Qスイッチ周波数
発振器8からの制御信号を入力することによって、RF
信号をAO−Qスイッチ4に送ってこのAO−Qスイッ
チ4をスイッチング動作させる。
【0031】これにより、レーザ共振器内には、図2に
示すようなレーザ共振器損失が生じ、例えばRF信号が
オフすると、AO−Qスイッチ4は開放され、レーザ共
振器の損失が小さくなる。
【0032】一方、励起源ドライバ10は、Qスイッチ
ゲート信号Gに基づき、Qスイッチゲート信号Gが印加
されてQスイッチパルスを発振するときには、励起源5
の出力が所定の励起源出力となるように制御する。
【0033】又、励起源ドライバ10は、Qスイッチゲ
ート信号Gが印加されていないときには、固体レーザ媒
質3内の反転分布量をQスイッチゲート信号Gが印加さ
れてQスイッチパルスが発振するときの反転分布量と同
じになるように励起源5の励起源出力を制御する。
【0034】このようにして励起源ドライバ10の制御
駆動により励起源5から光が放射されると、この光によ
る固体レーザ媒質3への照射によりこの固体レーザ媒質
3は励起され、例えばNd:YAGの上準位寿命に従っ
て反転分布量が飽和するまで蓄積される。
【0035】このように固体レーザ媒質3の反転分布量
が飽和するまで蓄積されたとき、Qスイッチ周波数発振
器8から出力される制御信号によってRFドライバ7の
RF信号がオフすると、AO−Qスイッチ4は開放さ
れ、レーザ共振器の損失が小さくなり、急激にレーザ発
振が立ち上がって、結果として高い尖頭値のQスイッチ
パルス光が一方の共振器ミラー2から出力される。
【0036】このQスイッチパルス光は、RF出力がオ
フされるときの反転分布量に基づいた出力エネルギー、
尖頭値を有する。このようにQスイッチゲート信号Gが
印加されてQスイッチパルスを発振するときに励起源5
の出力が所定の励起源出力となるように制御し、Qスイ
ッチゲート信号Gが印加されていないときに固体レーザ
媒質3内の反転分布量をQスイッチゲート信号Gが印加
されてQスイッチパルスが発振するときの反転分布量と
同じになるように励起源5の励起源出力を制御すること
により、Qスイッチパルス発振時とそれ以外とで、常に
同じ反転分布量となり、図2に示すようにQスイッチゲ
ート信号Gに遅れることなく、第1番目のQスイッチ周
波数信号からQスイッチパルス光が得られ、かつ得られ
るQスイッチパルス列の尖頭値が一定に保たれる。
【0037】このように上記第1の実施の形態において
は、AO−Qスイッチ4の発振に同期して固体レーザ媒
質3を励起させる励起源5の出力を、AO−Qスイッチ
4を発振させたときと停止させているときとで固体レー
ザ媒質3内の反転分布量がほぼ同一になるように制御す
るので、Qスイッチパルス発振時とそれ以外とで、固体
レーザ媒質3内の反転分布量を常に同じにでき、Qスイ
ッチゲート信号Gに遅れることなく、第1番目のQスイ
ッチ周波数信号からQスイッチパルス光を得ることがで
き、かつ得られるQスイッチパルス列の尖頭値を一定に
保つことができる。
【0038】これにより、安定した出力エネルギー及び
尖頭値でビーム品質の安定性に優れたQスイッチパルス
列を出力できる。従って、例えばレーザ加工に適用した
場合、第1番目のQスイッチパルスによる加工と第2番
目以降のQスイッチパルスによる加工とで加工条件が異
なってしまい、加工不良を生じてしまうといった不具合
がなくなり、かつワークを移動しながらの加工等を行う
場合でも時間遅れを考慮する必要がなく、加工装置が煩
雑となり、高価となってしまうことを防ぐことができ
る。
【0039】なお、上記第1の実施の形態では、励起源
5を固体レーザ媒質3の側面して、固体レーザ媒質3を
側面から励起する構成としているが、これに限らずQス
イッチパルス発振時とそれ以外とで、常に同じ反転分布
量とする役割を具備するものであれば、その励起手段や
励起源の種類、励起方法、励起方向を変更してもよい。 (2) 次に本発明の第2の実施の形態について図面を参照
して説明する。
【0040】本発明のQスイッチ発振固体レーザ装置の
制御方法は、AO−Qスイッチをスイッチング動作開始
前に、固体レーザ媒質を入熱量と放熱量とがほぼ平衡状
態になるまで励起し、次に固体レーザ媒質内の反転分布
がレーザ発振しないレベルまで抑制するように固体レー
ザ媒質に対する励起を停止又は減少し、この後に、AO
−Qスイッチを所定の周波数でスイッチング動作させる
ものとなっている。
【0041】図3はかかる方法を適用したQスイッチ発
振固体レーザ装置の構成図である。なお、図6と同一部
分には同一符号を付してある。1対の対向配置された共
振器ミラー1、2の間には、Nd:YAGレーザロッド
等の固体レーザ媒質3とAO−Qスイッチ4とが配置さ
れている。
【0042】又、固体レーザ媒質3の周囲には、半導体
レーザ(LD)等の励起源5が配置され、励起源ドライ
バ6の駆動制御により光を固体レーザ媒質3に照射して
励起するものとなっている。
【0043】又、AO−Qスイッチ4には、RFドライ
バ7を介してQスイッチ周波数発振器8が接続され、こ
のQスイッチ周波数発振器8からRFドライバ7を所定
の周波数でオンーオフする制御信号をRFドライバ7に
送出することによって、AO−Qスイッチ4を所定の周
波数でスイッチング動作させるものとなっている。
【0044】これら励起源ドライバ6及びQスイッチ周
波数発振器8には、タイミング制御装置20が接続さ
れ、これにQスイッチゲート信号Gが入力している。こ
のタイミング制御装置20は、Qスイッチゲート信号G
を励起源ドライバ6及びQスイッチ周波数発振器8に送
るタイミングを制御して、これら励起源ドライバ6及び
Qスイッチ周波数発振器8を動作制御する機能を有して
いる。
【0045】具体的にタイミング制御装置20は、AO
−Qスイッチ4をスイッチング動作開始前に、前記励起
源ドライバ6にQスイッチゲート信号Gを送出して励起
源5を点灯動作させ、固体レーザ媒質3への入熱量と放
熱量とがほぼ平衡状態になるまで固体レーザ媒質3を励
起する第1の機能を有している。
【0046】又、タイミング制御装置20は、励起源5
を点灯動作させて、固体レーザ媒質3の内部温度がほぼ
平衡状態に達した後、固体レーザ媒質3内の反転分布を
レーザ発振しないレベルまで抑制するように励起源ドラ
イバ6へのQスイッチゲート信号Gの送出を停止して励
起源5の動作を停止する、又は励起源5から出力される
光量を所定値以下に減少させるように制御する第2の機
能を有している。
【0047】又、タイミング制御装置20は、固体レー
ザ媒質3内の反転分布がレーザ発振しないレベルまで抑
制された後、励起源ドライバ6に再びQスイッチゲート
信号Gを送出し、これと同時にQスイッチ周波数発振器
8にもQスイッチゲート信号Gを送出してAO−Qスイ
ッチ4を所定の周波数でスイッチング動作させる第3の
機能を有している。
【0048】次に上記の如く構成された装置に作用につ
いて図4に示す動作タイミング図を参照して説明する。
先ず、タイミング制御装置20は、時刻t1 にQスイッ
チゲート信号Gがハイレベルになると、このハイレベル
となったQスイッチゲート信号Gを励起源ドライバ6に
対して送る。
【0049】この励起源ドライバ6は、ハイレベルのQ
スイッチゲート信号Gが入力すると、このハイレベルと
なった時点t1 から所定の出力で励起源5を点灯動作さ
せる。
【0050】この励起源5の点灯動作により、この励起
源5から出力された光は、固体レーザ媒質3に照射さ
れ、この固体レーザ媒質3を励起する。この固体レーザ
媒質3は、図4に示すように励起源5からの光の照射に
より励起され、その反転分布量が次第に増加し、飽和量
に漸近していく。
【0051】これと共に固体レーザ媒質3の内部温度も
上昇し、固体レーザ媒質3への入熱量と放熱量とが平衡
に達する温度に漸近していく。実際には、固体レーザ媒
質3として例えば直径6mmの円筒状のNd:YAGレ
ーザロッドが用いられ、このNd:YAGレーザロッド
に対して側面から励起源5からの光により50W/cm
3 の励起が行われ、かつこのNd:YAGレーザロッド
に対する冷却を同じくNd:YAGレーザロッドの側面
から水冷によって行っている。
【0052】このような励起によりNd:YAGレーザ
ロッドへの励起入力の80%程度がNd:YAGレーザ
ロッドの発熱量となる。このような場合、Nd:YAG
レーザロッドの内部温度は、解析により例えば図5に示
すように上昇して入熱量と放熱量とがほぼ平衡になる温
度に漸近する。
【0053】同図から分かるように本実施の形態の構成
では、Nd:YAGレーザロッドを図4に示す時刻t1
で励起開始してからNd:YAGレーザロッドの内部温
度が時間t2 で平衡状態になると、このときの時刻t1
から時間t2 までの時間taは、例えば5秒以上とする
ことにより固体レーザ媒質3の内部温度はほぼ平衡状態
に達する。
【0054】このように固体レーザ媒質3の内部温度が
ほぼ平衡状態に達した後、タイミング制御装置20は、
固体レーザ媒質3内の反転分布をレーザ発振しないレベ
ルまで抑制するように励起源5の動作を停止するために
Qスイッチゲート信号Gの送出を一時的にオフする。
【0055】このQスイッチゲート信号Gの送出の一時
的なオフにより励起源5は光の出力を停止し、これによ
り固体レーザ媒質3に対する励起が一時的に停止され
る。この固体レーザ媒質3に対する励起の一時的な停止
は、レーザ遷移の上準位にある寿命時間以上だけ停止す
るものとなる。
【0056】なお、タイミング制御装置20は、励起源
5の動作を停止するに限らず、固体レーザ媒質3内の反
転分布がレーザ発振しないレベルまで抑制するように固
体レーザ媒質3に対する励起を減少させる、すなわち励
起源5からの出力光量を減少させてもよい。
【0057】この固体レーザ媒質3の内部の反転分布が
レーザ発振しないレベルまで抑制するように固体レーザ
媒質3に対する励起を減少させる場合、励起源5の動作
を規定値の20%以下の出力に制御するものとなる。
【0058】このように固体レーザ媒質3に対する励起
を停止すると、固体レーザ媒質3の反転分布量は自然放
出により指数関数的に減少する。この反転分布量の減少
する割合は、固体レーザ媒質3の上準位にある時間で予
測できる。例えばこの固体レーザ媒質3の上準位にある
時間の5倍以上の時間すなわち時間tb だけ停止すれ
ば、反転分布量はQスイッチゲート信号Gのオフする前
の0.7%以下となり、レーザ発振することはない。
【0059】ここで、Nd:YAGレーザロッドの上準
位にある時間は約200μsであり、この固体レーザ媒
質3の上準位にある時間の5倍の時間(tb =1ms)
だけ励起入力を停止すると、Nd:YAGレーザロッド
への平均入熱量の変化は0.1%であり、Nd:YAG
レーザロッドの内部温度変化は、非常に小さく、無視で
きるものとなる。
【0060】このように固体レーザ媒質の上準位にある
時間の5倍以上の時間Qスイッチゲート信号Gをオフし
て時間tb が経過すると、この後、タイミング制御装置
20は、時刻t3 に再び励起源ドライバ6に対してQス
イッチゲート信号Gを送り、かつこれと同時にQスイッ
チ周波数発振器8にもQスイッチゲート信号Gを送る。
【0061】このように励起源ドライバ6及びQスイッ
チ周波数発振器8にQスイッチゲート信号Gが送られる
と、励起源ドライバ6の制御駆動により励起源5から光
が放射されて固体レーザ媒質3に照射される。
【0062】この固体レーザ媒質3は、励起源5から光
の照射により再び励起され、例えばNd:YAGであれ
ば、このNd:YAG上準位寿命に従って反転分布量が
飽和するまで蓄積される。
【0063】このように固体レーザ媒質3の反転分布量
が飽和するまで蓄積されたとき、Qスイッチ周波数発振
器8から出力される制御信号によってRFドライバ7の
RF信号がオフされると、AO−Qスイッチ4は開放さ
れ、レーザ共振器の損失が小さくなり、急激にレーザ発
振が立ち上がって、結果として高い尖頭値のQスイッチ
パルス光が一方の共振器ミラー2から出力される。
【0064】このQスイッチパルス光は、RF出力がオ
フされるときの反転分布量に基づいた出力エネルギー、
尖頭値を有する。この結果、最初のRF出力時には、上
記の如く一時的な固体レーザ媒質3への励起入力の停止
により反転分布量が小さくなってレーザ発振は起こら
ず、2回目以降のRF出力から、常にQスイッチ周波数
で決まるQスイッチ間隔の時間に対応した一定の反転分
布量でレーザ発振が行われる。
【0065】このように上記第2の実施の形態において
は、AO−Qスイッチ4をスイッチング動作開始前に、
固体レーザ媒質3を入熱量と放熱量とがほぼ平衡状態に
なるまで励起し、次に固体レーザ媒質3内の反転分布が
レーザ発振しないレベルまで抑制するように固体レーザ
媒質3に対する励起を停止又は減少し、この後に、AO
−Qスイッチ4を所定の周波数でスイッチング動作させ
るので、固体レーザ媒質3の内部において温度分布の変
化が発生せずに熱レンズ効果や熱誘起複屈折などの熱影
響を引き起こすこともない。
【0066】そして、固体レーザ媒質3への励起入力が
AO−Qスイッチ4の発振開始前後で変化がなく、固体
レーザ媒質3の温度分布もAO−Qスイッチ4の発振開
始前後で変化がなく、最初に発振したQスイッチパルス
光から安定したビーム品質が得られる。
【0067】すなわち、常にQスイッチ周波数で決まる
Qスイッチ間隔の時間に対応した一定の反転分布量でレ
ーザ発振ができ、常に一定で安定した出力エネルギーと
尖頭値で、ビーム品質の安定性に優れQスイッチパルス
光、すなわち発振モードやビームプロファイル等のビー
ム品質が同じQスイッチ発振したQスイッチパルス光を
出力できる。
【0068】なお、本発明は、上記第1及び第2の実施
の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよ
い。例えば、上記第1及び第2の実施の形態では、固体
レーザ媒質3としてNd:YAGレーザロッドを用い、
励起源5として連続発振の半導体レーザを用い、さらに
QスイッチとしてAO−Qスイッチ4を用いたが、Qス
イッチ発振を行うことができるのであれば、材料、材
質、Qスイッチング方式を変えても、同様な効果を得る
ことができる。
【0069】このうち固体レーザ媒質3としては、N
d:YLF或いはNd:YVO4 を用いたQスイッチ発
振固体レーザ装置にも適用できる。又、初めに励起源5
を動作する時間ta を5秒以上とし、固体レーザ媒質3
の励起入力を一時的に停止する時間tb を1msとした
が、レーザ媒質や出力カップリング、レーザ共振器の損
失、Qスイッチパルス光の得たい出力安定度に応じてこ
れら時間ta 、tb を最適な時間に変えてもよい。
【0070】
【発明の効果】以上詳記したように本発明の請求項1〜
2によれば、安定した出力エネルギー及び尖頭値でビー
ム品質の安定性に優れたQスイッチ発振固体レーザ装置
の制御方法を提供できる。又、本発明の請求項3〜6に
よれば、安定した出力エネルギー及び尖頭値でビーム品
質の安定性に優れたQスイッチ発振固体レーザ装置を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるQスイッチ発振固体レーザ装置
の第1の実施の形態を示す構成図。
【図2】同装置の動作タイミング図。
【図3】本発明に係わるQスイッチ発振固体レーザ装置
の第2の実施の形態を示す構成図。
【図4】同装置の動作タイミング図。
【図5】Nd:YAGレーザロッドの内部温度の上昇を
示す図。
【図6】従来のQスイッチ発振固体レーザ装置の構成
図。
【図7】同装置から出力されるパルスレーザの出力エネ
ルギー及び先頭値を示す図。
【図8】励起源とAO−Qスイッチとを同期させたとき
の動作タイミング図。
【符号の説明】
1,2…共振器ミラー、 3…固体レーザ媒質、 4…AO−Qスイッチ、 5…励起源、 6…励起源ドライバ、 7…RFドライバ、 8…Qスイッチ周波数発振器、 10…励起源ドライバ、 20…タイミング制御装置。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体レーザ媒質及びQスイッチをレーザ
    共振器内に配置し、前記固体レーザ媒質を励起してその
    誘導光の共振を発生させ、かつ前記Qスイッチをスイッ
    チング動作させてパルス状のレーザ光を出力する際に、
    前記Qスイッチの発振に同期して前記固体レーザ媒質を
    励起させる励起源の出力を制御するQスイッチ発振固体
    レーザ装置の制御方法において、前記Qスイッチの発振
    に同期して前記固体レーザ媒質を励起させる励起源の出
    力を、前記Qスイッチを発振させているときと停止させ
    ているときとで、前記固体レーザ媒質内のレーザ遷移に
    おける上準位レベルと下準位レベルとの反転分布量がほ
    ぼ同一になるように制御することを特徴とするQスイッ
    チ発振固体レーザ装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 固体レーザ媒質及びQスイッチをレーザ
    共振器内に配置し、前記固体レーザ媒質を励起してその
    誘導光の共振を発生させ、かつ前記Qスイッチをスイッ
    チング動作させてパルス状のレーザ光を出力するQスイ
    ッチ発振固体レーザ装置の制御方法において、 前記Qスイッチをスイッチング動作開始前に、前記固体
    レーザ媒質を入熱量と放熱量とが平衡状態になるまで励
    起し、次に前記固体レーザ媒質内のレーザ遷移における
    上準位レベルと下準位レベルとの反転分布がレーザ発振
    しないレベルまで抑制するように前記固体レーザ媒質に
    対する励起を停止又は減少し、この後に、前記Qスイッ
    チを所定の周波数でスイッチング動作させることを特徴
    とするQスイッチ発振固体レーザ装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 固体レーザ媒質及びQスイッチをレーザ
    共振器内に配置し、前記固体レーザ媒質を励起してその
    誘導光の共振を発生させ、かつ前記Qスイッチをスイッ
    チング動作させてパルス状のレーザ光を出力するQスイ
    ッチ発振固体レーザ装置において、 前記Qスイッチの発振に同期して前記固体レーザ媒質を
    励起させる励起源と、 この励起源の出力を、前記Qスイッチを発振させている
    ときと停止させているときとで、前記固体レーザ媒質内
    のレーザ遷移における上準位レベルと下準位レベルとの
    反転分布量がほぼ同一になるように駆動するドライバ
    と、を具備したことを特徴とするQスイッチ発振固体レ
    ーザ装置。
  4. 【請求項4】 固体レーザ媒質及びQスイッチをレーザ
    共振器内に配置し、励起源から出力された光を前記固体
    レーザ媒質に照射してこの固体レーザ媒質を励起してそ
    の誘導光の共振を発生させ、かつQスイッチをスイッチ
    ング動作させてパルス状のレーザ光を出力するQスイッ
    チ発振固体レーザ装置において、 前記Qスイッチをスイッチング動作開始前に、前記励起
    源を点灯動作させて前記固体レーザ媒質の入熱量と放熱
    量とがほぼ平衡状態になるまで前記固体レーザ媒質を励
    起する第1の手段と、 前記固体レーザ媒質への入熱量と放熱量とがほぼ平衡状
    態に達した後、前記固体レーザ媒質内のレーザ遷移にお
    ける上準位レベルと下準位レベルとの反転分布がレーザ
    発振しないレベルまで抑制するように前記励起源の動作
    を停止又は所定値以下の光量に減少させる第2の手段
    と、 前記固体レーザ媒質内の反転分布がレーザ発振しないレ
    ベルまで抑制された後、前記Qスイッチを所定の周波数
    でスイッチング動作させる第3の手段と、を具備したこ
    とを特徴とするQスイッチ発振固体レーザ装置。
  5. 【請求項5】 前記第2の手段は、前記励起源の動作を
    レーザ遷移の上順位寿命時間以上の間停止させる機能を
    有することを特徴とする請求項4記載のQスイッチ発振
    固体レーザ装置。
  6. 【請求項6】 前記第2の手段は、前記励起源の動作を
    規定値の20%以下の出力に制御する機能を有すること
    を特徴とする請求項4記載のQスイッチ発振固体レーザ
    装置。
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