JPH1126879A - 化合物半導体発光素子 - Google Patents

化合物半導体発光素子

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JPH1126879A
JPH1126879A JP17742297A JP17742297A JPH1126879A JP H1126879 A JPH1126879 A JP H1126879A JP 17742297 A JP17742297 A JP 17742297A JP 17742297 A JP17742297 A JP 17742297A JP H1126879 A JPH1126879 A JP H1126879A
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JP
Japan
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layer
compound semiconductor
emitting device
semiconductor light
light emitting
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JP17742297A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takamori
毅 高森
Takeshi Kamijo
健 上條
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一部を酸化して形成した酸化層を有する化合
物半導体発光素子において、発光効率の低下を防ぐこと
ができること。 【解決手段】 キャリア含有層(15および23bb)
と酸化層19bとを含む化合物半導体発光素子におい
て、キャリア含有層と酸化層との間に、キャリア含有層
を構成する化合物半導体材料のバンドギャップ(禁制帯
幅)よりも大きいバンドギャップを有する材料を含んで
なる中間薄膜(17および21)が設けてあり、この中
間薄膜の膜厚は、キャリア含有層内のキャリアの、中間
薄膜と酸化層との界面付近に発生する界面準位へのトラ
ップを回避することができる程度の膜厚とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、化合物半導体中
に酸化層を含んだ半導体発光素子に関し、特に、発光効
率の低下を防ぐことのできる化合物半導体発光素子に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、化合物半導体の表面に酸化層
を形成した半導体素子は知られている。このような酸化
層は、例えば、化合物半導体の表面のパッシベーション
として用いられたり、また、化合物半導体発光素子の光
出力面の保護膜や、化合物半導体発光素子の多層膜積層
構造の一部を酸化して形成された電流狭窄層として使用
されたり、また、化合物半導体発光素子の多層膜反射鏡
の一部を酸化して形成されて、反射率の向上を図る目的
等で使用される。
【0003】ここで、一部が酸化して形成された酸化層
を含む多層膜積層構造を有する化合物半導体発光素子と
しては、例えば、文献1:K.D.Choquette et al.IEEE P
hotonics Technology Letters.vol.7 no.11 pg.1237-12
39 1995 "Fabrication and Performance of Selectivel
y Oxidized Vertical-Cavity Lasers"に記載されている
ものがある。この文献の化合物半導体発光素子において
は、酸化層として多層膜積層構造の一部を酸化して形成
された電流狭窄層を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記文献1の半導体発
光素子(以下、半導体レ−ザとも称する。)は、結晶成
長させて形成したAlGaAs層とGaAs層とから構
成される多層膜積層構造を有していて、この多層膜積層
構造に接して、活性層が設けられている。また、活性層
に接しているAlGaAs層の組成はAl0.98Ga0.02
Asで、他のAlGaAs層の組成(Al0.92Ga0.08
As)よりもAlの含有量が大きくなっている。これ
は、多層膜中に電流狭窄層を形成するためである。すな
わち、活性層に接しているAlGaAs層の一部を酸化
する際、選択的に活性層に接している層を酸化するため
である。Alを多く含有する化合物半導体膜の酸化レー
トは他の膜と比べて高くなることは知られている。
【0005】しかしながら、酸化層が形成されたAlG
aAs層の領域と、AlGaAs層に接するGaAs層
との界面や、酸化層と活性層との界面付近に界面準位
(非発光再結合中心とも称する。)が大量に形成されて
しまう。そのため、活性層内において発光再結合するキ
ャリアが、この非発光再結合中心にトラップされて消滅
してしまい、その結果活性層の発光強度が著しく減少す
るという問題がある。
【0006】この問題に対して、従来、以下のような対
策が提案されている。
【0007】その対策とは、多層膜積層構造のうち酸化
層を有する膜と活性層との間に中間層を設ける方法であ
る。この方法によって、活性層に非発光再結合中心が発
生するのを防ぎ、活性層のキャリアを保護しようとする
ものである。この方法は、例えば、文献2:L.A.Graham
et al.Applied Physics Letters vol.70 no.7 pg.814-
816 1997 "Exciton spectral splitting near room tem
perture from high contrast semiconductor microcavi
ties" に記載されている。この文献に記載された方法で
は、酸化したAlAs層とGaAs層との多層膜構造ミ
ラーと、InGaAsおよびGaAsを含んで構成され
る量子井戸構造の活性層とを含む半導体微小共振器構造
に関して報告されている。この構造を構成する多層膜構
造ミラーの選択酸化されるAlAs層と活性層との間
に、組成がAl0.67Ga0.33AsというAlの含有率が
少ないAlGaAs膜とGaAs膜とで構成される中間
層を設けている。この中間層を設けることにより、この
AlGaAs膜は酸化されず、しかもGaAs膜との界
面付近に非発光再結合中心が発生することもないため
に、活性層のキャリアを消滅することはなくなると報告
されている。
【0008】上記の中間層として用いたAlの含有率の
小さいAlGaAs膜とGaAs膜とを合わせた膜の厚
さは150nmという厚さである。これは、中間層を多
層膜反射鏡の一部として用いていることに起因して生ず
る弊害を回避するためであるる。すなわち、この膜厚
は、中間層で反射した光と他の多層膜で反射した光とが
干渉を起こして打ち消し合うことにより取り出せる光の
強度が下がってしまうのを防ぐため、中間層で反射した
光の位相がずれないように発光する光の波長を考慮して
決定されている。ところが、この中間層は実質的に発光
に寄与する層ではない。特に、中間層がn型あるいはp
型にドーピングされている層である場合には、活性層か
ら発生した光をこの中間層が吸収してしまって、その結
果、実質的な発光強度が低下してしまうという問題があ
った。
【0009】このため、一部を酸化して形成した酸化層
を有する化合物半導体発光素子において、発光効率の低
下を防ぐことのできる素子の出現が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】このため、この発明によ
れば、キャリア含有層と酸化層とを含む化合物半導体発
光素子において、キャリア含有層と酸化層との間に、キ
ャリア含有層を構成する化合物半導体材料のバンドギャ
ップ(禁制帯幅)よりも大きいバンドギャップを有する
材料を含んでなる中間薄膜が設けてあり、およびこの中
間薄膜の膜厚は、キャリア含有層内のキャリアの、中間
薄膜と酸化層との界面付近に発生する界面準位へのトラ
ップを回避することができる程度の膜厚とすることを特
徴とする。
【0011】このような構成によれば、キャリア含有層
と酸化層との間には、キャリア含有層を構成する化合物
半導体材料のバンドギャップよりも大きいバンドギャッ
プを有する材料を含んでなる中間薄膜が設けてある。こ
のため、キャリア含有層とこの層に接する層との界面に
発生する界面準位によって、キャリア含有層内のキャリ
アがトラップされて消滅するようなことはなくなる。ま
た、この中間薄膜の膜厚は、キャリア含有層内のキャリ
アが中間薄膜を通り抜けることができない程度の厚さを
有していればよい。発光素子において、キャリア含有層
が活性層であって、しかもこの活性層に接する中間薄膜
がn型あるいはp型にドーピングされているとき、この
膜が厚いと活性層で発生する光を中間薄膜が吸収してし
まうおそれがある。上記のようにキャリアが中間薄膜を
通り抜けることができない程度に薄い膜であれば、光の
吸収はほとんどない。
【0012】また、例えば、発光素子として発光波長程
度という薄い活性層を有する微小共振器構造の素子を用
いていて、キャリア含有層を上記の薄い活性層とした場
合、活性層の光の閉じ込め効果を十分に得るためには活
性層とその両側に位置する反射鏡との距離をなるべく近
くする必要がある。活性層と隣接させて反射鏡を設ける
のが最適であるが、反射鏡の一部として酸化層を用いて
いると、活性層と反射鏡との界面に非発光再結合中心が
発生するおそれがある。よって、より薄い中間層を活性
層と反射鏡との間に設ければよい。このため、上記した
中間薄膜を設ければ、活性層の光の閉じ込め効果を十分
に得ることができる。
【0013】また、発光素子の電流狭窄層を形成するた
めに酸化層を用いている場合においても、活性層と酸化
層との間にこの発明の中間薄膜を設けることによって、
キャリアを中間薄膜にほとんど拡散させることなく、活
性層に注入することができる。また、中間薄膜を設ける
ことによって活性層内のキャリアが界面準位にトラップ
されることもない。
【0014】また、上記発明において、化合物半導体発
光素子中に含まれる層を構成する化合物半導体として
は、例えば III−V族化合物半導体または、II−VI族化
合物半導体とするのがよい。具体的には III−V族化合
物として、例えばAlGaAsやAlAsを使用するこ
とができる。またII−VI族化合物として、例えばZnS
eが使用できる。
【0015】また、上記発明の化合物半導体発光素子に
おいて、キャリア含有層をGaAS層とし、酸化層をA
xy 層とし、および中間薄膜をAlGaAs層とす
るのがよい。ただし、xおよびyは0より大きい正の値
とする。
【0016】このGaAs層は活性層であり、Alx
y 層がこの活性層の片側あるいは両側に位置して、電流
狭窄層の一部となっていたり、反射鏡の一部として用い
られていたりする場合に、GaAsよりもバンドギャッ
プの大きいAlGaAsを含んでなる中間薄膜をGaA
s層とAlxy 層との間に介在させることによって、
発光に必要なキャリアを活性層(GaAs層)内に閉じ
込めることができる。また、AlGaAs層は十分薄い
膜であるので、活性層で発生した光をAlGaAs層で
吸収してしまうのを防ぐことができる。
【0017】また、キャリア含有層を第1AlGaAs
層とし、酸化層をAlxy 層とし、および中間薄膜を
第1AlGaAs層のAl組成比よりも高いAl組成比
を有する第2AlGaAs層としてもよい。ただし、x
およびyは0より大きい正の値とする。
【0018】中間薄膜である第2AlGaAs層はAl
組成比がキャリア含有層(活性層)よりも高いためにバ
ンドギャップが大きい層となる。このためキャリアを活
性層内に閉じ込めることができる。
【0019】また、キャリア含有層をInGaAsとG
aAsとを含む量子井戸構造層とし、酸化層をAlx
y (ただし、xおよびyは0より大きい正の値)とし、
中間薄膜をAlGaAs層としてもよい。
【0020】この量子井戸構造層も活性層として用い
る。この活性層と酸化層(Alxy)との間にAlG
aAs層を設ければ、活性層とAlGaAs層との界面
に非発光再結合中心が発生することはないため、活性層
厚が電子の発光波長程度に薄いような活性層のキャリア
の減少を抑えることができる。したがってキャリアの閉
じ込め効果を向上させることができる。また、AlGa
As層の厚さをキャリアが通り抜けできない程度に薄い
膜にしたために、AlGaAs膜が活性層で発生する光
を吸収してしまうのを防ぐことができ、光の閉じ込め効
果を高めることもできる。
【0021】また、中間薄膜であるAlGaAs層のA
l組成比を0.05から0.9までの範囲内の値とする
のがよい。すなわち、Al0.05Ga0.95AsからAl
0.9 Ga0.1 Asまでの組成のAlGaAs層とすれば
よい。このような組成範囲内においては、AlGaAs
層の酸化レートは、酸化してAlxy 層となるAlA
s層の酸化レートよりもずっと低いために好ましい中間
薄膜が得られる。
【0022】また、好ましくは、AlGaAs層のAl
組成比を0.38にするのがよい。そして、このとき、
AlGaAs層の膜厚は15nmから30nmまでの範
囲内の厚さに設定するのがよい。
【0023】中間薄膜であるAl0.38Ga0.62Ga層を
用いた発光素子において、活性層内のキャリアの通り抜
けによる発光強度の低下が、発光素子として使用するの
に悪影響を及ぼさないようにするためには、この中間薄
膜の膜厚を15nm以上にするのが好ましい。また、こ
の中間薄膜がドーピングされている場合には活性層で発
生する光を吸収してしまうおそれがあるので、素子の発
光強度を維持するためには、中間薄膜の膜厚を30nm
以下とするのが好ましい。
【0024】また、より好ましくは、AlGaAs層の
Al組成比を0.38としたときのAlGaAs層の膜
厚を20nmから30nmまでの範囲内の値とするのが
よい。
【0025】上記の範囲内の膜厚においては、酸化層を
用いない従来の発光素子と同程度の発光強度の光が得ら
れる。
【0026】また、この発明の化合物半導体発光素子に
おいて、キャリア含有層をGaAs層とし、酸化層をA
x Ga1-x As層を酸化した層とし、中間薄膜をAl
の組成比がAlx Ga1-x As層のAlの組成比よりも
低いAlGaAs層とするのがよい。ただし、xは0よ
りも大きく、1よりも小さい正の値とする。
【0027】酸化層は、Alx Ga1-x As層を酸化し
て形成する。Alの組成比が高いほうが酸化レートが高
いため、酸化させない中間薄膜のAl組成比は低くす
る。
【0028】また、キャリア含有層をAly Ga1-y
s層(ただし、0<y<1)とする。)とし、酸化層を
Alx Ga1-x As層(ただし、0<x<1とする。)
を酸化した層とし、および中間薄膜をAlの組成比がA
x Ga1-x As層よりも低く、かつAly Ga1-y
s層よりも高いAlGaAs層としてもよい。
【0029】また、キャリア含有層をInGaAsとG
aAsとを含む量子井戸構造層として、上記のように酸
化層をAlx Ga1-x As層を酸化した層とし、中間薄
膜をAlの組成比がAlx Ga1-x As層のAlの組成
比よりも低いAlGaAs層としてもよい。
【0030】また、中間薄膜としてのAlGaAs層の
Alの組成比は0.05から0.9までの範囲内の値と
するのがよい。この範囲内の組成比よりも高いAlの組
成比のAlGaAs層を酸化して形成すれば、好ましい
中間薄膜および酸化層が得られる。
【0031】また、好ましくは、AlGaAs層のAl
組成比を0.38とする。そして発光強度を考慮したと
き、このAlGaAs層を有する素子が、発光素子とし
て使用可能なAlGaAs層の膜厚は、15nmから3
0nmまでの範囲内の値である。
【0032】また、上記のAl組成比を0.38に設定
したAlGaAs層を有する、酸化層を含んだ発光素子
において、酸化層を含まない従来の発光素子と同程度の
より好ましい発光強度が得られるのは、AlGaAs層
の膜厚が20nmから30nmまでの範囲内の値であ
る。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図を参照してこの発明の実
施の形態につき説明する。なお、図中、各構成成分の大
きさ、形状および配置関係は、この発明が理解できる程
度に概略的に概略的に示してあるに過ぎず、したがって
発明を図示例に限定するものではない。また、図におい
て、図を分かり易くするために断面を示すハッチング
(斜線)は一部分を除き省略してある。
【0034】ここでは、キャリア含有層と酸化層とを含
む化合物半導体発光素子として、半導体面発光レーザを
例に挙げる。
【0035】図1は、この実施の形態で作製する半導体
面発光レーザの構成を模式的に示す断面図である。
【0036】図1において、n型GaAs基板11の表
面には、複数のAlGaAs層13aとGaAs層13
bとを交互に積層してなるn型DBR(Distributed Br
aggReflector)ミラー13が形成されている。
【0037】そして、このn型DBRミラー13の表面
にはInGaAs/GaAs量子井戸構造からなる活性
層15が設けられている。
【0038】さらに、この活性層15の上面にはAlの
組成比が0.38であるAlGaAs薄膜からなる第1
中間薄膜17が約20nmの膜厚で設けられている。
【0039】この第1中間薄膜17の表面に電流狭窄層
19が設けられていて、この電流狭窄層19は、中央部
に未酸化AlAsからなる直径約2μmの電流チャネル
部19aを備えており、その周囲は酸化AlAs(Al
xy とも称する。)からなる電流阻止部19bとなっ
ている。
【0040】また、この電流狭窄層19の表面にはAl
の組成比が0.38であるAlGaAs薄膜からなる第
2中間薄膜21が約20nmの膜厚で設けられている。
【0041】この第2中間薄膜21の表面には複数のA
lGaAs層23aとGaAs層23bとを交互に積層
してなるp型DBRミラー23が形成されている。
【0042】そしてn型GaAs基板11の裏面にはn
型電極25が、p型DBRミラー23の表面にはp型電
極27が、それぞれ設けられている。
【0043】なお、n型DBRミラー13の一部、活性
層15、電流狭窄層19、第1および第2中間薄膜(1
7および21)、p型DBRミラー23およびp型電極
27は、直径約20μmの円筒形に形成されている。
【0044】このような構造の半導体面発光レーザにお
いて、中間薄膜を設けていない従来のレーザでは、酸化
層を含む電流狭窄層とキャリア含有層である活性層とは
接触して設けられていた。このため、電流狭窄層と活性
層との界面付近に発生する界面準位(非発光再結合中
心)によって、活性層内のキャリアがトラップされて消
滅してしまう可能性があった。さらに、この電流狭窄層
はp型DBRミラーの最下層膜とも接触していたため
に、電流狭窄層へ注入されるキャリアが、電流狭窄層と
ミラーの最下層膜との界面に発生する界面準位によっ
て、トラップされるおそれもあった。
【0045】このため、この実施の形態の半導体面発光
レーザにおいては、酸化層である酸化AlAsからなる
電流阻止部19bを有する電流狭窄層19を挟んだ両面
側、つまりキャリア含有層である活性層15と電流狭窄
層19との間、および、電流狭窄層19とキャリア含有
層であるp型DBRミラー23の最下層膜23bbとの
間に、それぞれAlGaAs薄膜からなる中間薄膜(1
7および21)が設けられている。
【0046】この中間薄膜(17および21)は活性層
15の半導体材料(InGaAs、GaAs)やp型D
BRミラー23の最下層膜23bbの半導体材料(Ga
As)のバンドギャップよりも大きいバンドギャップを
有する材料(ここでは、Al組成比が0.38であるA
lGaAs)からなる薄膜である。また、この中間薄膜
の膜厚は20nmという薄さの膜である。
【0047】この中間薄膜(17および21)によっ
て、活性層15と活性層15に接する中間薄膜17との
界面には非発光再結合中心は発生しないために、発光に
必要なキャリアがトラップされて消滅することはなくな
る。また、同様にp型DBRミラー23と電流狭窄層1
9との間に設けた第2中間薄膜21によって、p型DB
Rミラー23側から電流狭窄層19の電流チャネル部1
9aに導入されるべきキャリアがトラップされるのを防
ぐことができる。
【0048】このため、酸化層に起因して発生する非発
光再結合中心によって発光に必要なキャリアがトラップ
されてしまうことが原因で、半導体面発光レーザの出力
光の発光強度が低下する問題は解決することができる。
【0049】次に、レーザの出力光の好ましい発光強度
を得るためには中間薄膜の膜厚をどのように設定すれば
よいか実験した例につき図2を参照して説明する。
【0050】この例では、基板上に酸化AlAs層と、
酸化AlAs層の上側に量子井戸構造の活性層とを設
け、酸化AlAs層と活性層との間に膜厚を変えた中間
薄膜を介在させた構造の実験用素子を用いる。
【0051】まず、通常の結晶成長方法を用いてGaA
s基板31上に、GaAsバッファ層33、AlAs
層、AlGaAs中間薄膜35、GaAsスペーサ層3
7、InGaAs層39、GaAsキャップ層41の順
で積層して、積層構造を形成する。この後、この積層構
造を有する素子のAlAs層のみを選択的に酸化する。
酸化方法としては、例えば水蒸気が満たされていて、温
度が400℃に保たれた酸化炉中に上記素子を導入して
一定時間(例えば40分)熱処理するものがある。これ
により、AlAs層は酸化層43となる。
【0052】ここでは、AlGaAs中間薄膜35のA
l組成比を0.38とし、膜厚を0(中間薄膜を用いな
い場合)、10nm、20nm、30nmと変化させ
る。例えば、AlGaAs中間薄膜35の膜厚を20n
mとするとき、GaAsバッファ層を400nmの厚
さ、AlAs層を364nmの厚さにそれぞれ形成し、
InGaAs/GaAs量子井戸構造40を構成するG
aAsスペーサ層37を116nmの厚さ、InGaA
s層39(この層のInの組成比は0.2とする。)を
7nmの厚さ(井戸幅)、GaAsキャップ層41を4
00nmの厚さに形成する。この実験用素子において、
各層の厚さは層構造に起因する干渉効果を最低の状態で
一定となるように設定してある。このため、AlGaA
s中間薄膜を設けないときはGaAsスペーサ層37を
136nmの厚さにし、中間薄膜35の膜厚が10nm
のときにはGaAsスペーサ層37の厚さを126nm
とし、中間薄膜35の膜厚が30nmのときにはGaA
sスペーサ層37の厚さを106nmとして、AlGa
As中間薄膜35の厚さとGaAsスペーサ層37の厚
さとを合わせて136nmとなるようにしている。
【0053】このような素子の発光強度を測定すれば、
ほとんど活性層から発生する光のみの強度を測定するこ
とができる。
【0054】発光強度の測定は、例えば、室温フォトル
ミネセンス測定を行い、励起にAr(アルゴン)レーザ
の514.5nmの波長の輝線を用いて、励起強度は5
0W/cm2 とする。発光強度の測定結果を図3に示
す。
【0055】図3は、この実験用素子の活性層からの発
光スペクトルの積分強度を、AlAs層を選択酸化する
前、すなわち酸化層を設けていない素子の発光スペクト
ルの積分強度で規格化した値を、AlGaAs中間薄膜
の厚みを横軸に取ってプロットしてある。図3によれ
ば、中間薄膜の厚さが10nmでは、発光強度は中間薄
膜を設けない場合と同じ位低くなっている。これは、中
間薄膜が薄過ぎるために、キャリアである電子が膜を通
り抜けてしまって中間薄膜と酸化層(酸化したAlAs
層)との界面付近に発生している非発光再結合中心にト
ラップされていると考えられる。中間薄膜が20nm以
上の厚さのときは、酸化層を用いていない発光素子の発
光強度と同じ強度の光が得られている。また、実際の発
光素子にこの中間薄膜を適用する場合は、電流を流すた
めに中間薄膜もn型あるいはp型にドーピングされてい
ることが考えられる。このため中間薄膜内にもキャリア
が存在するので、中間薄膜の厚さが厚くなると活性層で
発生した光を吸収してしまうおそれがある。このため3
0nm以内の膜厚にするのが好ましい。また、発光素子
において、用いる目的によっては、中間薄膜の厚さを1
5nm程度にしたときの発光強度の光でも十分利用でき
ると考えられる。このため、Alの組成比が0.38で
あるAlGaAs中間薄膜を酸化層とキャリア含有層と
の間に介在させるような発光素子においては、この中間
薄膜の厚さを15nmから30nmまでの範囲内の厚さ
に設定するのがよい。また、より好ましくは、中間薄膜
の厚さを20nmから30nmまでの範囲内の厚さに設
定するのがよい。この範囲内の膜厚の中間薄膜を有す
る、酸化層およびキャリア含有層を含む化合物半導体発
光素子においては、酸化層を含まない発光素子と同程度
の発光強度の光を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、キ
ャリア含有層と酸化層とを含む化合物半導体発光素子に
おいて、このキャリア含有層と酸化層との間に十分に薄
い中間薄膜を設ける。このような構造にすることによっ
て、キャリア含有層内のキャリアの消滅を防ぐことがで
きる。また、この中間薄膜は十分に薄いために、キャリ
ア含有層を活性層とした場合には活性層で発生する光を
活性層内に閉じ込めて、中間薄膜に光が吸収されるのを
回避できる。
【0057】このため、酸化層を有する発光素子におい
て、発光効率を向上させることができる。このため、酸
化層を含まない発光素子の発光強度と同じ程度の発光強
度の光を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態の説明に供する概略的な
断面図である。
【図2】実施の形態の実験用素子の概略的な断面図であ
る。
【図3】実施の形態の実験用素子の、中間薄膜の膜厚と
発光強度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
11:n型GaAs基板 13:n型DBRミラー 13a:AlGaAs層 13b:GaAs層 15:活性層(キャリア含有層) 17:第1中間薄膜(AlGaAs薄膜) 19:電流狭窄層 19a:電流チャネル部 19b:電流阻止部(酸化層) 21:第2中間薄膜(AlGaAs薄膜) 23:p型DBRミラー 23a:AlGaAs層 23b:GaAs層 23bb:最下層膜(キャリア含有層) 25:n型電極 27:p型電極 31:GaAs基板 33:GaAsバッファ層 35:AlGaAs中間薄膜 37:GaAsスペーサ層 39:InGaAs層 40:量子井戸構造 41:GaAsキャップ層 43:酸化したAlAs層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャリア含有層と酸化層とを含む化合物
    半導体発光素子において、 前記キャリア含有層と前記酸化層との間に、前記キャリ
    ア含有層を構成する化合物半導体材料のバンドギャップ
    (禁制帯幅)よりも大きいバンドギャップを有する材料
    を含んでなる中間薄膜が設けてあり、 および、該中間薄膜の膜厚は、前記キャリア含有層内の
    キャリアの、前記中間薄膜と酸化層との界面付近に発生
    する界面準位へのトラップを回避することができる程度
    の膜厚とすることを特徴とする化合物半導体発光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記化合物半導体を III−V族化合物半導体とすること
    を特徴とする化合物半導体発光素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記化合物半導体をII−VI族化合物半導体とすることを
    特徴とする化合物半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記キャリア含有層をGaAs層とし、前記酸化層をA
    xy 層(ただし、xおよびyはそれぞれ0より大き
    い正の値とする)とし、および前記中間薄膜をAlGa
    As層とすることを特徴とする化合物半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記キャリア含有層を第1AlGaAs層とし、前記酸
    化層をAlxy 層(ただし、xおよびyはそれぞれ0
    より大きい正の値とする)とし、および前記中間薄膜を
    前記第1AlGaAs層のAl組成比よりも高いAl組
    成比を有する第2AlGaAs層とすることを特徴とす
    る化合物半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記キャリア含有層をInGaAsとGaAsとを含む
    量子井戸構造層とし、前記酸化層をAlxy 層(ただ
    し、xおよびyはそれぞれ0より大きい正の値)とし、
    および前記中間薄膜をAlGaAs層とすることを特徴
    とする化合物半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の化合物半導体発光素子
    において、前記AlGaAs層のAl組成比を0.05
    から0.9までの範囲内の値とすることを特徴とする化
    合物半導体発光素子。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記AlGaAs層のAl組成比を0.38としたと
    き、該AlGaAs層の膜厚を15nmから30nmま
    での範囲内の値とすることを特徴とする化合物半導体発
    光素子。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載の化合物半導体発光素子
    において、 前記AlGaAs層のAl組成比を0.38としたと
    き、該AlGaAs層の膜厚を20nmから30nmま
    での範囲内の値とすることを特徴とする化合物半導体発
    光素子。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載の化合物半導体発光素
    子において、 前記キャリア含有層をGaAs層とし、前記酸化層をA
    x Ga1-x As層(ただし、0<x<1とする。)を
    酸化した層とし、および前記中間薄膜をAlの組成比が
    前記Alx Ga1-x As層よりも低いAlGaAs層と
    することを特徴とする化合物半導体発光素子。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載の化合物半導体発光素
    子において、 前記キャリア含有層をAly Ga1-y As層(ただし、
    0<y<1とする。)とし、前記酸化層をAlx Ga
    1-x As層(ただし、0<x<1とする。)を酸化した
    層とし、および前記中間薄膜をAlの組成比が前記Al
    x Ga1-x As層よりも低く、かつ前記Aly Ga1-y
    As層よりも高いAlGaAs層とすることを特徴とす
    る化合物半導体発光素子。
  12. 【請求項12】 請求項2に記載の化合物半導体発光素
    子において、 前記キャリア含有層をInGaAsとGaAsとを含む
    量子井戸構造層とし、前記酸化層をAlx Ga1-x As
    層(ただし、0<x<1とする。)を酸化した層とし、
    および前記中間薄膜をAlの組成比が前記Alx Ga
    1-x As層よりも低いAlGaAs層とすることを特徴
    とする化合物半導体発光素子。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の化合物半導体発光
    素子において、 前記AlGaAs層のAl組成比を0.05から0.9
    までの範囲内の値とすることを特徴とする化合物半導体
    発光素子。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載の化合物半導体発光
    素子において、 前記AlGaAs層のAl組成比を0.38としたと
    き、該AlGaAs層の膜厚を15nmから30nmま
    での範囲内の値とすることを特徴とする化合物半導体発
    光素子。
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