JPH11269539A - 脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 - Google Patents
脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法Info
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- JPH11269539A JPH11269539A JP7430598A JP7430598A JPH11269539A JP H11269539 A JPH11269539 A JP H11269539A JP 7430598 A JP7430598 A JP 7430598A JP 7430598 A JP7430598 A JP 7430598A JP H11269539 A JPH11269539 A JP H11269539A
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- scale
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- austenitic stainless
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- Cleaning And De-Greasing Of Metallic Materials By Chemical Methods (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】オーステナイト系ステンレス鋼板の連続焼鈍酸
洗工程における焼鈍条件を制御することにより、酸洗条
件の変動に依らずに常に脱スケールが完了できる脱スケ
ール技術を提供する。 【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼板を連続焼
鈍するにあたり、焼鈍条件をもとに焼鈍時に生成するス
ケールの厚みを推定し、酸洗でスケールを除去しやすい
スケール厚みとなるように焼鈍条件を修正する。その修
正にあたっては、例えば、酸洗でスケールを除去しやす
いスケール厚みを0.15μm以下または0.25μm
以上に設定するのがよい。
洗工程における焼鈍条件を制御することにより、酸洗条
件の変動に依らずに常に脱スケールが完了できる脱スケ
ール技術を提供する。 【解決手段】オーステナイト系ステンレス鋼板を連続焼
鈍するにあたり、焼鈍条件をもとに焼鈍時に生成するス
ケールの厚みを推定し、酸洗でスケールを除去しやすい
スケール厚みとなるように焼鈍条件を修正する。その修
正にあたっては、例えば、酸洗でスケールを除去しやす
いスケール厚みを0.15μm以下または0.25μm
以上に設定するのがよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーステナイト系
ステンレス鋼板の製造方法に係り、特に、焼鈍中に生成
された酸化スケールの厚さに応じて焼鈍条件を制御する
ことで連続焼鈍酸洗工程における脱スケール性を向上さ
せたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関す
る。
ステンレス鋼板の製造方法に係り、特に、焼鈍中に生成
された酸化スケールの厚さに応じて焼鈍条件を制御する
ことで連続焼鈍酸洗工程における脱スケール性を向上さ
せたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、連続焼鈍酸洗設備における鋼帯の
酸洗脱スケール方法として、例えば特開昭58−147
569号公報に、酸濃度を分析して酸を補給したり酸の
消費量に応じて酸を補給する方法が開示されている。ま
た、特開昭54−069527号公報には、周期的に溶
存金属量を測定することにより適正酸洗能力を保持する
方法が開示されている。特開平03−028386号公
報には、酸洗液中のトータル鉄濃度と2価,3価の鉄イ
オン濃度比を制御することにより酸洗能力を大きくする
方法が、特開平5−331699号公報にはpH制御を
行う方法が開示されている。
酸洗脱スケール方法として、例えば特開昭58−147
569号公報に、酸濃度を分析して酸を補給したり酸の
消費量に応じて酸を補給する方法が開示されている。ま
た、特開昭54−069527号公報には、周期的に溶
存金属量を測定することにより適正酸洗能力を保持する
方法が開示されている。特開平03−028386号公
報には、酸洗液中のトータル鉄濃度と2価,3価の鉄イ
オン濃度比を制御することにより酸洗能力を大きくする
方法が、特開平5−331699号公報にはpH制御を
行う方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記各従来例のよう
に、鋼帯の酸洗脱スケール時の酸の条件を最適条件に維
持する方法では、酸濃度の測定や予測が必要であり、そ
の結果に基づいて酸を補給しなけらばならない。しかし
ながら、酸濃度の測定,予測はバッチ処理で行われるた
めにリアルタイムの制御になっておらず、次の測定まで
の間に必然的に有効酸濃度が減少し、かつ溶解金属イオ
ン濃度が増加するため、酸能力が低下する。したがって
酸補給寸前の条件下では、脱スケール不良が発生する場
合がある。
に、鋼帯の酸洗脱スケール時の酸の条件を最適条件に維
持する方法では、酸濃度の測定や予測が必要であり、そ
の結果に基づいて酸を補給しなけらばならない。しかし
ながら、酸濃度の測定,予測はバッチ処理で行われるた
めにリアルタイムの制御になっておらず、次の測定まで
の間に必然的に有効酸濃度が減少し、かつ溶解金属イオ
ン濃度が増加するため、酸能力が低下する。したがって
酸補給寸前の条件下では、脱スケール不良が発生する場
合がある。
【0004】本発明は、このような従来の脱スケール技
術の問題点を解決するためになされたものであり、オー
ステナイト系ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗工程におけ
る焼鈍条件を制御することにより、酸洗条件の変動に依
らずに常に脱スケールが完了できる脱スケール技術を提
供することを目的とする。
術の問題点を解決するためになされたものであり、オー
ステナイト系ステンレス鋼板の連続焼鈍酸洗工程におけ
る焼鈍条件を制御することにより、酸洗条件の変動に依
らずに常に脱スケールが完了できる脱スケール技術を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る本発明は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼板を連続焼鈍するにあたり、焼鈍条件をもとに
焼鈍時に生成するスケールの厚みを推定し、酸洗でスケ
ールを除去しやすいスケール厚みとなるように焼鈍条件
を修正することを特徴とする。
めに、請求項1に係る本発明は、オーステナイト系ステ
ンレス鋼板を連続焼鈍するにあたり、焼鈍条件をもとに
焼鈍時に生成するスケールの厚みを推定し、酸洗でスケ
ールを除去しやすいスケール厚みとなるように焼鈍条件
を修正することを特徴とする。
【0006】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1に係る発明であるオーステナイト系ステンレス鋼板の
製造方法において、前記連続焼鈍の焼鈍条件を修正する
にあたり、酸洗でスケールを除去しやすいスケール厚み
を0.15μm以下または0.25μm以上に設定す
る。
1に係る発明であるオーステナイト系ステンレス鋼板の
製造方法において、前記連続焼鈍の焼鈍条件を修正する
にあたり、酸洗でスケールを除去しやすいスケール厚み
を0.15μm以下または0.25μm以上に設定す
る。
【0007】そして、請求項3に係る発明は、上記請求
項1又は請求項2に係る発明であるオーステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法において、前記焼鈍条件とし
て、焼鈍炉の均熱温度および均熱時間を用いる。
項1又は請求項2に係る発明であるオーステナイト系ス
テンレス鋼板の製造方法において、前記焼鈍条件とし
て、焼鈍炉の均熱温度および均熱時間を用いる。
【0008】ここに、均熱温度は焼鈍炉出側の鋼帯の温
度(最高到達温度)、均熱時間は鋼帯の温度が再結晶開
始温度(均熱開始温度)に到達してから焼鈍炉を出るま
での時間とする。
度(最高到達温度)、均熱時間は鋼帯の温度が再結晶開
始温度(均熱開始温度)に到達してから焼鈍炉を出るま
での時間とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明者は、オーステナイト系
ステンレス鋼板製造の焼鈍酸洗工程における脱スケール
性の改善について鋭意研究を重ねた結果、一定範囲の焼
鈍条件及び酸洗条件の下では、焼鈍時に形成された酸化
スケールの脱スケール性は当該酸化スケールの厚さのみ
に依存することを見出し、本発明をなすに至った。すな
わち、本発明にあっては、酸化スケールの厚さを常に適
正脱スケール領域に維持するように、焼鈍工程における
均熱板温および均熱時間を制御する。これにより、酸洗
の条件が、例えば表1に示す範囲内で変動し次第にその
下限値に近づいても、オーステナイト系ステンレス鋼板
の脱スケールが常に完了する操業を可能にするものであ
る。
ステンレス鋼板製造の焼鈍酸洗工程における脱スケール
性の改善について鋭意研究を重ねた結果、一定範囲の焼
鈍条件及び酸洗条件の下では、焼鈍時に形成された酸化
スケールの脱スケール性は当該酸化スケールの厚さのみ
に依存することを見出し、本発明をなすに至った。すな
わち、本発明にあっては、酸化スケールの厚さを常に適
正脱スケール領域に維持するように、焼鈍工程における
均熱板温および均熱時間を制御する。これにより、酸洗
の条件が、例えば表1に示す範囲内で変動し次第にその
下限値に近づいても、オーステナイト系ステンレス鋼板
の脱スケールが常に完了する操業を可能にするものであ
る。
【0010】なお、酸洗槽は3槽構成とし、第1槽が中
性塩電解、第2槽が混酸(フッ酸と硝酸)、第3槽が硝
酸電解である。
性塩電解、第2槽が混酸(フッ酸と硝酸)、第3槽が硝
酸電解である。
【0011】
【表1】
【0012】以下に、その実施形態を説明する。まず、
本願発明者は、多くの実験の結果得られた焼鈍条件と酸
化スケールの厚さとの関係から、酸化スケールの厚さを
焼鈍条件から間接的に推定することを可能にした。その
経緯について述べる。
本願発明者は、多くの実験の結果得られた焼鈍条件と酸
化スケールの厚さとの関係から、酸化スケールの厚さを
焼鈍条件から間接的に推定することを可能にした。その
経緯について述べる。
【0013】本発明を適用できるオーステナイト系ステ
ンレス鋼の化学成分の範囲を表2に示す。
ンレス鋼の化学成分の範囲を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】この範囲の成分組成を有するオーステナイ
ト系ステンレス鋼を、表3に示す焼鈍条件の範囲で、そ
の均熱板温及び均熱時間を種々変化させて焼鈍処理し、
生成した酸化スケールの厚さを測定することにより、焼
鈍条件の変化と酸化スケール厚さとの関係を求めた。但
し、一般に酸化スケールの厚さを直接測定することは困
難である。そこで本発明では、GDS発光分光分析法に
よるSiピークまでのスパッタ時間から間接的にスケー
ル厚さを算出した。
ト系ステンレス鋼を、表3に示す焼鈍条件の範囲で、そ
の均熱板温及び均熱時間を種々変化させて焼鈍処理し、
生成した酸化スケールの厚さを測定することにより、焼
鈍条件の変化と酸化スケール厚さとの関係を求めた。但
し、一般に酸化スケールの厚さを直接測定することは困
難である。そこで本発明では、GDS発光分光分析法に
よるSiピークまでのスパッタ時間から間接的にスケー
ル厚さを算出した。
【0016】
【表3】
【0017】図1に、均熱板温及び均熱時間で記述した
焼鈍条件と前記スパッタ時間との関係を示す。なお、本
発明では、均熱板温は「焼鈍炉出側の鋼帯の温度(最高
到達板温),℃、以下にTssと略記することもあ
る)」と定義する。また、均熱時間は「鋼帯の温度が再
結晶開始温度(均熱開始温度)に到達してから焼鈍炉を
出るまでの時間,sec、以下にtsと略記することも
ある)」と定義する。
焼鈍条件と前記スパッタ時間との関係を示す。なお、本
発明では、均熱板温は「焼鈍炉出側の鋼帯の温度(最高
到達板温),℃、以下にTssと略記することもあ
る)」と定義する。また、均熱時間は「鋼帯の温度が再
結晶開始温度(均熱開始温度)に到達してから焼鈍炉を
出るまでの時間,sec、以下にtsと略記することも
ある)」と定義する。
【0018】図1から、高温かつ長時間焼鈍になるにつ
れて、Siピークまでのスパッタ時間が長くなっていく
こと、すなわち酸化スケール層が厚くなっていくことが
わかる。
れて、Siピークまでのスパッタ時間が長くなっていく
こと、すなわち酸化スケール層が厚くなっていくことが
わかる。
【0019】また前記GDSによる分析結果から、酸化
スケールの大部分がCr2 03 として存在していること
が判明した。Cr2 03 の酸化挙動は次式(1)に示す
放物線則に従い、緻密で均一な外部酸化層を形成するこ
とが知られている。
スケールの大部分がCr2 03 として存在していること
が判明した。Cr2 03 の酸化挙動は次式(1)に示す
放物線則に従い、緻密で均一な外部酸化層を形成するこ
とが知られている。
【0020】 ΔW= (kp.t)1/2 …… (1) ΔW:酸化増量(g/cm2 ) kp:酸化速度定数(g2 /cm4 ・sec) t :時間(sec) ここで生成する酸化スケールはCr2 03 のみとし、生
成時から放物線則が成り立つとすると、Cr2 03 に対
する酸化速度定数kpの温度依存性はアレニウスの式に
基づき速度論的に次式に従う。
成時から放物線則が成り立つとすると、Cr2 03 に対
する酸化速度定数kpの温度依存性はアレニウスの式に
基づき速度論的に次式に従う。
【0021】 kp=3.16×10-4・exp(−2.06×104 /T) …(2) T:温度(℃) 式(2)を式(1)に代入し、Tについて整理すると T=2.06×104 /ln(3.16×10-4・t/ΔW2 ) …(3) 一方、Cr2 03 の密度5.2g/cm3 、Crの原子
量を52、酸素の原子量を16とすると、酸化スケール
の厚さΔL(μm)と酸化増量ΔWの関係は、 ΔW=5.2×10-4・ΔL・3×16/(2×52十3×16)…(4) 式(4)を式(3)に代入すると、 T=2.06×104 /ln(1.17×104 ・t/ΔL2 ) …(5) を得る。
量を52、酸素の原子量を16とすると、酸化スケール
の厚さΔL(μm)と酸化増量ΔWの関係は、 ΔW=5.2×10-4・ΔL・3×16/(2×52十3×16)…(4) 式(4)を式(3)に代入すると、 T=2.06×104 /ln(1.17×104 ・t/ΔL2 ) …(5) を得る。
【0022】さらに式(5)中の温度Tおよび時間tを
先に定義した均熱板温Tssおよび均熱時間tsに変換
すると次式(6)を得る。 Tss=2.06×104 /ln(2.93×103 ・ts/ΔL2 )− 273 ……(6) この式(6)を用いることにより、任意の均熱板温およ
び均熱時間について生成する酸化スケール厚ΔLを求め
ることができるようになった。図2に、式(6)による
理論スケール厚と焼鈍条件との関係を表した等高線図を
示す。
先に定義した均熱板温Tssおよび均熱時間tsに変換
すると次式(6)を得る。 Tss=2.06×104 /ln(2.93×103 ・ts/ΔL2 )− 273 ……(6) この式(6)を用いることにより、任意の均熱板温およ
び均熱時間について生成する酸化スケール厚ΔLを求め
ることができるようになった。図2に、式(6)による
理論スケール厚と焼鈍条件との関係を表した等高線図を
示す。
【0023】図1と図2の等高線図が類似することか
ら、オーステナイト系ステンレス鋼板の酸化スケールの
生成挙動が放物線則に従うことがわかる。そこで、酸化
スケール厚をGDS分析によるSiピークまでのスパッ
タ時間で直線近似すると式(7)を得る。図3に、理論
酸化スケール厚ΔLとGDSによるSiピークまでのス
パッタ時間tsiとの関係を示す。
ら、オーステナイト系ステンレス鋼板の酸化スケールの
生成挙動が放物線則に従うことがわかる。そこで、酸化
スケール厚をGDS分析によるSiピークまでのスパッ
タ時間で直線近似すると式(7)を得る。図3に、理論
酸化スケール厚ΔLとGDSによるSiピークまでのス
パッタ時間tsiとの関係を示す。
【0024】 tsi=4.42×10・ΔL+1.02 ……(7) 本発明では、以上のようにして酸化スケール厚を焼鈍条
件により間接的に推定することを可能にした。
件により間接的に推定することを可能にした。
【0025】続いて、本発明の脱スケールにおける上記
酸化スケール厚に基づく焼鈍条件の制御について述べ
る。以上のようにして求めた酸化スケール厚みから、オ
ーステナイト系ステンレス鋼板の適正脱スケール焼鈍範
囲(均熱板温及び均熱時間)を以下のように限定するこ
とができるが、その場合の酸洗浴の条件は、先に表1に
示した実操業上可能な酸洗条件範囲の下限値とする。
酸化スケール厚に基づく焼鈍条件の制御について述べ
る。以上のようにして求めた酸化スケール厚みから、オ
ーステナイト系ステンレス鋼板の適正脱スケール焼鈍範
囲(均熱板温及び均熱時間)を以下のように限定するこ
とができるが、その場合の酸洗浴の条件は、先に表1に
示した実操業上可能な酸洗条件範囲の下限値とする。
【0026】本願発明者は、オーステナイト系ステンレ
ス鋼の脱スケール性は、生成スケールの性状およびスケ
ール厚みから次の3種類に区別できることを見出した。 (1)低温短時間タイプの焼鈍では、光沢を有する黄色
っぽいテンパーカラー状のスケールを生成する。スケー
ル厚みは0.15μm以下で、最初の中性塩電解酸洗で
その大部分が溶解してしまう。その結果引き続く混酸浸
漬過程で地鉄表面と混酸との接触面積が大きくなり、脱
クロム層があまり発達していないにも関わらず完全に脱
スケールが完了する。
ス鋼の脱スケール性は、生成スケールの性状およびスケ
ール厚みから次の3種類に区別できることを見出した。 (1)低温短時間タイプの焼鈍では、光沢を有する黄色
っぽいテンパーカラー状のスケールを生成する。スケー
ル厚みは0.15μm以下で、最初の中性塩電解酸洗で
その大部分が溶解してしまう。その結果引き続く混酸浸
漬過程で地鉄表面と混酸との接触面積が大きくなり、脱
クロム層があまり発達していないにも関わらず完全に脱
スケールが完了する。
【0027】(2)高温長時間タイプの焼鈍では、光沢
の全くない緑色のスケールを生成する。スケール厚みは
0.25μm以上で、中性塩電解ではほとんど除去され
ず厚いスケールに覆われたままであるが、酸素との親和
力がFeより大きいCrが優先的に選択酸化されて外方
拡散する結果、脱クロム層が深く発達している。そのた
めに、引き続く混酸浸漬での酸の浸透性が高く、スケー
ルの溶解が促進されて脱スケールが完了する。
の全くない緑色のスケールを生成する。スケール厚みは
0.25μm以上で、中性塩電解ではほとんど除去され
ず厚いスケールに覆われたままであるが、酸素との親和
力がFeより大きいCrが優先的に選択酸化されて外方
拡散する結果、脱クロム層が深く発達している。そのた
めに、引き続く混酸浸漬での酸の浸透性が高く、スケー
ルの溶解が促進されて脱スケールが完了する。
【0028】(3)前述した両者の中間タイプの焼鈍で
は、赤みがかった半光沢のスケールを生成する。スケー
ル厚みは0.20μm前後で、中性塩電解酸洗後はスケ
ールが厚く残っている部分と地鉄が見える部分が混在し
ている。引き続く混酸浸漬後も中性塩電解で厚く残った
部分のスケールがそのまま残存し、結果として脱スケー
ル不良となる。これは、スケール残存部の内部脱クロム
層がそれほど深くなく、混酸浸漬における酸の浸透性を
高めるまでに至らないためである。
は、赤みがかった半光沢のスケールを生成する。スケー
ル厚みは0.20μm前後で、中性塩電解酸洗後はスケ
ールが厚く残っている部分と地鉄が見える部分が混在し
ている。引き続く混酸浸漬後も中性塩電解で厚く残った
部分のスケールがそのまま残存し、結果として脱スケー
ル不良となる。これは、スケール残存部の内部脱クロム
層がそれほど深くなく、混酸浸漬における酸の浸透性を
高めるまでに至らないためである。
【0029】以上を総括すると、脱スケール不良を防ぐ
には、脱スケールが困難である中間タイプの焼鈍(スケ
ール厚ΔLが0.20μm前後)の範囲にならないよう
に焼鈍条件を制御すれば良いといえる。
には、脱スケールが困難である中間タイプの焼鈍(スケ
ール厚ΔLが0.20μm前後)の範囲にならないよう
に焼鈍条件を制御すれば良いといえる。
【0030】以上の知見に基づき、本発明にあっては、
スケール厚みが0.15μm以下あるいは0.25μm
以上になるように焼鈍条件を修正する。これにより、実
操業において必然的に生じる酸洗条件の変動に依存せず
に、換言すれば酸洗条件の範囲の下限に近づいても、常
に脱スケールを完了させることが可能になる。 (実施例)以下に本発明の実施例を示す。
スケール厚みが0.15μm以下あるいは0.25μm
以上になるように焼鈍条件を修正する。これにより、実
操業において必然的に生じる酸洗条件の変動に依存せず
に、換言すれば酸洗条件の範囲の下限に近づいても、常
に脱スケールを完了させることが可能になる。 (実施例)以下に本発明の実施例を示す。
【0031】表4に、オーステナイト系ステンレス鋼か
らなる3種類の供試材A,B,Cの化学成分を示した。
らなる3種類の供試材A,B,Cの化学成分を示した。
【0032】
【表4】
【0033】これらの各供試材について、表5に示すよ
うな種々の焼鈍条件(均熱板温Tssと均熱時間ts)
で焼鈍を行った後、表6に示す酸洗条件(表1の酸洗条
件範囲の下限値に近く設定)で酸洗して、脱スケール性
を検討した。
うな種々の焼鈍条件(均熱板温Tssと均熱時間ts)
で焼鈍を行った後、表6に示す酸洗条件(表1の酸洗条
件範囲の下限値に近く設定)で酸洗して、脱スケール性
を検討した。
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】図4は、均熱板温Tss及び均熱時間ts
で表した焼鈍条件と、得られた脱スケール実績との関係
をプロットしたものである。図4中の×印は、脱スケー
ルが完了しなかった焼鈍条件を示す。
で表した焼鈍条件と、得られた脱スケール実績との関係
をプロットしたものである。図4中の×印は、脱スケー
ルが完了しなかった焼鈍条件を示す。
【0037】これから、実操業において酸能力が最も低
くなった酸洗条件下でも、理論スケール厚が0.20μ
m前後にならないような焼鈍を実施することによって、
脱スケール不良は発生しないことを確認できた。
くなった酸洗条件下でも、理論スケール厚が0.20μ
m前後にならないような焼鈍を実施することによって、
脱スケール不良は発生しないことを確認できた。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る脱ス
ケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製
造方法によれば、オーステナイト系ステンレス鋼板を連
続焼鈍するにあたって、生成する酸化スケールの厚さを
焼鈍条件から推定し、酸洗でスケールが除去しやすいス
ケール厚みとなるように焼鈍条件を修正するようにした
ので、オーステナイト系ステンレス鋼板の脱スケール不
良を完全になくすことができるようになった。
ケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製
造方法によれば、オーステナイト系ステンレス鋼板を連
続焼鈍するにあたって、生成する酸化スケールの厚さを
焼鈍条件から推定し、酸洗でスケールが除去しやすいス
ケール厚みとなるように焼鈍条件を修正するようにした
ので、オーステナイト系ステンレス鋼板の脱スケール不
良を完全になくすことができるようになった。
【図1】焼鈍条件とGDSによるSiピークまでのスパ
ッタ時間の関係を示す図である。
ッタ時間の関係を示す図である。
【図2】焼鈍条件と理論スケール厚との関係を示す図で
ある。
ある。
【図3】理論スケール厚とGDSによるSiピークまで
のスパッタ時間の関係を示す図である。
のスパッタ時間の関係を示す図である。
【図4】焼鈍条件と脱スケール実績の関係を示す図であ
る。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 オーステナイト系ステンレス鋼板を連続
焼鈍するにあたり、焼鈍条件をもとに焼鈍時に生成する
スケールの厚みを推定し、酸洗でスケールを除去しやす
いスケール厚みとなるように焼鈍条件を修正することを
特徴とする脱スケール性に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 前記連続焼鈍の焼鈍条件を修正するにあ
たり、酸洗でスケールを除去しやすいスケール厚みを
0.15μm以下または0.25μm以上に設定するこ
とを特徴とする請求項1記載の脱スケール性に優れたオ
ーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 前記焼鈍条件として、焼鈍炉の均熱温度
および均熱時間を用いる請求項1または請求項2記載の
脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7430598A JPH11269539A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7430598A JPH11269539A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11269539A true JPH11269539A (ja) | 1999-10-05 |
Family
ID=13543296
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7430598A Pending JPH11269539A (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | 脱スケール性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11269539A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013119643A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 塗装耐食性と曲げ疲労特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
| JP2019085595A (ja) * | 2017-11-01 | 2019-06-06 | 新日鐵住金株式会社 | 熱延鋼板の酸洗性向上方法 |
| JP2021021085A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-18 | 日本製鉄株式会社 | ステンレス鋼管の製造方法 |
| JP2021110039A (ja) * | 2019-12-30 | 2021-08-02 | 武▲漢▼大学 | 超臨界高温蒸気におけるマルテンサイト耐熱鋼の酸化膜の厚さの計算方法 |
-
1998
- 1998-03-23 JP JP7430598A patent/JPH11269539A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013119643A (ja) * | 2011-12-06 | 2013-06-17 | Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp | 塗装耐食性と曲げ疲労特性に優れた高強度熱延鋼板およびその製造方法 |
| JP2019085595A (ja) * | 2017-11-01 | 2019-06-06 | 新日鐵住金株式会社 | 熱延鋼板の酸洗性向上方法 |
| JP2021021085A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-18 | 日本製鉄株式会社 | ステンレス鋼管の製造方法 |
| JP2021110039A (ja) * | 2019-12-30 | 2021-08-02 | 武▲漢▼大学 | 超臨界高温蒸気におけるマルテンサイト耐熱鋼の酸化膜の厚さの計算方法 |
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