JPH11270370A - ターボ過給式ディーゼルエンジンの燃費低減装置 - Google Patents

ターボ過給式ディーゼルエンジンの燃費低減装置

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JPH11270370A
JPH11270370A JP10075984A JP7598498A JPH11270370A JP H11270370 A JPH11270370 A JP H11270370A JP 10075984 A JP10075984 A JP 10075984A JP 7598498 A JP7598498 A JP 7598498A JP H11270370 A JPH11270370 A JP H11270370A
Authority
JP
Japan
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valve
pressure
piston
time
engine
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Application number
JP10075984A
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English (en)
Inventor
Toshio Iijima
寿男 飯島
Yukinori Kawamoto
幸徳 川本
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Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Buhin Kogyo Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
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    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポンピングロスを低減し、燃費の低減を図
る。 【解決手段】 本発明は、ターボ過給機を備えたディー
ゼルエンジンに適用される燃費低減装置1において、流
体圧を蓄える蓄圧室と、蓄圧室の流体圧の供給により押
動されて排気弁2を正規のバルブタイミングとは独立し
て開弁し得るピストン15と、ピストン15に対する流
体圧の給排制御を実行すべく設けられた電磁弁16と、
エンジン運転状態に基づき電磁弁16を切替制御すると
共に、排気弁2を正規のバルブタイミングより早期に開
弁するよう電磁弁16を切り替えるコントローラとを備
えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はターボ過給式ディー
ゼルエンジンの燃費低減装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】排気タービン過給を行うターボ過給式デ
ィーゼルエンジンの場合、本来ポンピングロスはなく、
ポンピングワークが存在し、これが自然吸気ディーゼル
エンジンに対し燃費上、出力上のアドバンテージとなっ
ている。
【0003】図14において、(a) 図はポンピングワー
クの例、(b) 図はポンピングロスの例である。図示する
ように(a) 図ではハッチング部分の線図が右回り、(b)
図では左回りになっている。これは、(a) 図において
は、筒内圧が排気時より吸気時の方が高く、吸気時に吸
気がピストンを押し下げる格好となり、これが正の仕事
として働くことを意味する。逆に、(b) 図においては、
筒内圧が排気時より吸気時の方が低く、ピストンが吸気
をシリンダ内に引っ張ってくる格好となり、これが負の
仕事即ち損失となることを意味する。
【0004】排気タービン過給を行えば、シリンダ内に
入ってくる吸気圧を筒内圧より高めることができ、これ
によってポンピングワークを発生させ、燃費低減、出力
向上を図ることができる。現に舶用エンジン等ではこの
ような例が見られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アイドリング
運転が必要な車両用エンジンでは、高過給により高い平
均有効圧を発生する程、ポンピングロスが顕著に発生す
るという事実がある。これは、排気弁の開弁タイミング
がアイドリング運転可能なタイミングに設定されている
からで、これだと高過給(高回転、高負荷)時に開弁が
相対的に遅れ、排気時の筒内圧が高くなり、これによっ
て吸気時の筒内圧が排気時より低くなり、ポンピングロ
スが発生してしまう。
【0006】一方、図15は、エンジンが高速、高負
荷、高過給で運転しているときの排気行程における状態
変化を示したものである。図示するように、排気弁が開
き始めるのは一般にピストン下降中の下死点(BDC) 到達
前である。
【0007】排気弁が開いた直後、ピストン下死点到達
前の区間aでは、(c) 図の如くシリンダ内圧力と排気圧
力(排気弁出口圧力)との差が大きく、(b) 図の如く圧
力比(=排気圧力/シリンダ内圧力)が臨界圧力以下に
なっており、排気弁を通過する排気の流速が音速に達す
る。よってこの区間aでは、排気が流出し難く、ブロー
ダウン損失上は有利である。なおブローダウン損失と
は、ピストン下降中に排気の吹出しが生じ、排気圧力に
よるピストン押下げ行程が減少することに基づく損失を
いう。
【0008】しかしながら、ピストンが下死点を過ぎて
上昇行程に至っても、筒内圧が未だ高く、押出し損失、
即ちピストンの排気押出しに基づく損失が増し、これも
ポンピングロス増加の要因となっている。
【0009】このように、車両用ターボ過給式ディーゼ
ルエンジンにおいては、アイドリングが必ず確保できる
ようなバルブタイミング、カム設定で全使用域をカバー
するため、特に高過給時にポンピングロスが増大し、燃
費が悪化するという欠点があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、ターボ過給機
を備えたディーゼルエンジンに適用される燃費低減装置
において、流体圧を蓄える蓄圧室と、蓄圧室の流体圧の
供給により押動されて排気弁を正規のバルブタイミング
とは独立して開弁し得るピストンと、ピストンに対する
流体圧の給排制御を実行すべく設けられた電磁弁と、エ
ンジン運転状態に基づき電磁弁を切替制御すると共に、
排気弁を正規のバルブタイミングより早期に開弁するよ
う電磁弁を切り替えるコントローラとを備えたものであ
る。
【0011】これによれば、排気の開始時期を早めて排
気時の筒内圧を下げることができ、これによって吸気時
の筒内圧との差を少なくし、ポンピングロスひいては燃
費を低減できる。
【0012】なお、上記コントローラが、エンジン運転
状態に基づき所定の遅延時間と所定の出力時間とを決定
し、エンジン回転に基づく基準パルスの入力時から上記
遅延時間を経過した後、上記出力時間だけ、上記電磁弁
に駆動信号を出力するのが好ましい。
【0013】また、上記ピストンと上記電磁弁とが同一
の本体に取り付けられるのが好ましい。
【0014】さらに、上記流体圧がエンジン潤滑油によ
る油圧であって、上記蓄圧室にギャラリ圧の潤滑油をさ
らに昇圧して供給する蓄圧用オイルポンプをさらに備え
るのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って説明する。
【0016】図1は、本発明に係る燃費低減装置をター
ボ過給式ディーゼルエンジンに適用した場合の縦断正面
図、図2は同平面図、図3は同縦断側面図である。エン
ジンは各二個ずつの吸気弁(図示省略)及び排気弁2を
備えた4弁形式のものであり、これら弁がカムシャフト
3のカム4によってロッカーアーム5、バルブブリッジ
6を介して開弁ないしリフトされるようになっている。
このカム4による開弁タイミングを正規のバルブタイミ
ングという。排気弁2はバルブブリッジ6に螺合固定さ
れ、バルブスプリング7によって上方ないし閉弁側に付
勢され、閉弁時にはバルブシート8に着座されるように
なっている。シリンダヘッド9からガイド軸10が起立
され、これがバルブブリッジ6に挿入されてバルブブリ
ッジ6の昇降を案内するようになっている。ロッカーア
ーム5は、その一端のプッシュピン11でバルブブリッ
ジ6のピン受け部12を上方から押し、バルブブリッジ
6及び両排気弁2を同時に押し下げるようになってい
る。
【0017】燃費低減装置1は、ロッカーアーム5、バ
ルブブリッジ6及び両排気弁2に並列配置されたアクチ
ュエータユニット13を有する。アクチュエータユニッ
ト13は本体14を有し、本体14にはピストン15と
電磁弁16とが取り付けられる。このアクチュエータユ
ニット13は、蓄圧室をなすコモンレール17から高油
圧の供給を受け、この油圧によってピストン15を押動
し、排気弁2を正規のバルブタイミングと独立して開弁
させるというものである。ピストン15の駆動タイミン
グは電磁弁16で規定されることとなる。アクチュエー
タユニット13は各シリンダ毎に一つずつ設けられる。
【0018】本体14はシリンダヘッド9にボルト14
cで固定される。本体14には貫通穴14aとピストン
挿入穴14bとが設けられ、それぞれ油圧制御室18と
ピストン室19とを区画している。電磁弁16は、それ
ぞれ同軸配置された電磁ソレノイド20、ガイドスリー
ブ21、スプール弁22、リターンスプリング23及び
スプリング受け部材24で構成される。電磁ソレノイド
20の下端の雄ねじ部20aにガイドスリーブ21が圧
入され、ガイドスリーブ21内に昇降自在にスプール弁
22が挿入されると共に、リターンスプリング23の挿
入後、ガイドスリーブ21の下端にスプリング受け部材
24が圧入されることで、電磁弁16はユニット化され
ている。電磁弁16は貫通穴14aに上方から挿入され
て雄ねじ部20aによって螺合固定され、ガイドスリー
ブ21及びその内部の部品が貫通穴14a内に収められ
るようになっている。ガイドスリーブ21の外周には上
下に二か所、Oリングとバックアップリングとの組合せ
26が設けられるようになっている。
【0019】コモンレール17及び本体14は油圧配管
28で接続され、油圧配管28は本体14及びガイドス
リーブ21の入口穴29,30に連通される。一方、ガ
イドスリーブ21の入口穴30の下方に出口穴31が設
けられ、出口穴31は本体14の出口穴32を介してピ
ストン室19に連通される。スプール弁22は、上端が
閉じられた円筒状に形成されると共に、外周部の長手方
向中央部が縮径されて、ガイドスリーブ21内面との間
に軸方向に長い連通路33を区画している。
【0020】そこで、図5に示すように、電磁ソレノイ
ド20が励磁(ON)されると、スプール弁22がリター
ンスプリング23の付勢力に抗じて下降し、連通路33
により入口穴29(図に現れず),30と出口穴31,
32とを連通するようになる。コモンレール17からは
油圧配管28を通じて常時油圧(流体圧)が供給されて
おり、このときは油圧がピストン室19に供給されるよ
うになる。また、図6に示すように、電磁ソレノイド2
0が非励磁(OFF )となれば、スプール弁22がリター
ンスプリング23の付勢力等によって上昇し、入口穴2
9(図に現れず),30と出口穴31,32とが遮断さ
れ、ピストン室19への油圧供給が停止されると共に、
ピストン室19の油圧が出口穴31,32、ガイドスリ
ーブ21内を通じてスプリング受け部材24のチョーク
穴34から排出されるようになる。ここで油圧がエンジ
ン潤滑油によるものなので、排出された潤滑油はそのま
ま動弁機構の潤滑等に用いられることになる。このよう
に電磁弁16は、ONのとき供給側に、OFF のときに排出
側にそれぞれ切り替わることとなる。
【0021】特に、チョーク穴34が絞りを形成するた
め、電磁ソレノイド20がOFF とされたときの油圧排出
は比較的緩慢に行われる。
【0022】次に、図1乃至図3に示すように、ピスト
ン15は、ピストン挿入穴14bの内面に沿って摺動可
能な大径の摺動部35と、摺動部35の軸心位置から下
方に延出する小径の軸部36とから一体的になる。ピス
トン15の下方には押動部材37が設けられ、押動部材
37は上端が閉じられた円筒状に形成されると共に、シ
リンダヘッド9から起立された案内軸38が挿通され
る。これによって押動部材37は案内軸38に沿って昇
降可能となる。また、押動部材37は二重のリターンス
プリング39,39によって上方に付勢され、軸部36
の下面に常時当接される。つまりリターンスプリング3
9,39が、押動部材37を介してピストン15を上方
に付勢している。
【0023】ここで、押動部材37及びバルブブリッジ
6には、径方向外方に突出する突出部40,41が一体
的に設けられ、押動部材37の突出部40はバルブブリ
ッジ6の突出部41の上面に当接されている。
【0024】この構成によれば、図5に示すように、電
磁ソレノイド20がONとされピストン室19に油圧供給
が行われると、ピストン15がその油圧によって下方に
押動され、これに伴って押動部材37、バルブブリッジ
6及び排気弁2が押し下げられる。これにより排気弁2
は開弁ないしリフトされる。このときのリフト量はカム
4による正規のリフト量より小さい。一方、図6に示す
ように、電磁ソレノイド20がOFF とされピストン室1
9の油圧が排出されれば、ピストン15が押動部材37
及びバルブブリッジ6を介し、リターンスプリング3
9,39及びバルブスプリング7によって上昇される。
これにより排気弁2は閉弁される。
【0025】このように、ピストン15は、電磁ソレノ
イド20のON/OFFに応じて、排気弁2を正規のバルブタ
イミングとは独立して開閉することができる。ただし、
ピストン15によるリフト(以下ピストンリフトとい
う)とカム4によるリフト(以下カムリフトという)と
が互いに干渉した場合はリフト量の多い方が優先され
る。例えば、ピストン15が排気弁2を開弁していると
き、カム4が正規のタイミングで排気弁2を開弁しよう
とした場合、カム4によるリフト量が上回れば、突出部
40,41同士が離れ、バルブブリッジ6がロッカーア
ーム5のみにより押し下げられる。そして排気弁2はカ
ム4のみによってリフトされるようになる。
【0026】ここで、ピストン15の下降量、つまり排
気弁2のピストンリフト量は以下のリリーフ機構によっ
て所定量に制限される。即ち、図8に示すように、ピス
トン15の軸心部には、ピストン室19のオイルをリー
クさせるためのリーク穴42が設けられ、リーク穴42
は逆T字状に形成されて下方の末端が外部に開放されて
いる。一方、ピストン室19の上壁にはストッパボルト
43が所定位置まで螺合され、ロックナット44によっ
て位置が固定されている。ストッパボルト43の内部の
中空穴45にリターンスプリング46とチェックピン4
7とが配設され、チェックピン47はリターンスプリン
グ46によって下方に付勢されている。中空穴45の内
側壁にストップリング46aが係止され、チェックピン
47の下降が規制されている。チェックピン47は、ピ
ストン15の頂面に当接してリーク穴42を塞ぎ得るよ
うになっている。
【0027】これにおいては、ピストン15が油圧を受
けて下降する際、チェックピン47がリーク穴42を塞
ぎつつ、ピストン15に追従して下降する。しかしなが
ら、その下降がストップリング46aで規制されると、
その位置からピストン15が下がった瞬間、リーク穴4
2が開き、ピストン室19のオイルがリーク穴42から
排出される。これによってピストン室19の最大油圧値
が規定され、ピストン15ないし排気弁2の下降量も一
定量に制限される。ここではストッパボルト43の位置
がピストン15の下降量、排気弁2のピストンリフト量
を決定するようになるが、これは外部から容易に調節す
ることができる。即ち、ロックナット44を緩め、スト
ッパボルト43の位置を調節してロックナット44を再
度締め付ければ、位置調節が達成される。
【0028】なお、このようなリリーフ作用により、エ
ンジンオーバーラン時のジャンプ、バウンス等に基づく
排気弁2とエンジンピストンとの衝突を防止できる。ま
たオイルにエアが混入した場合でもエアをオイルととも
に排出できる。
【0029】ところで、図4に示すように、電磁ソレノ
イド20は電子制御装置であるコントローラ48に電気
的に接続されている。コントローラ48は、ここでは本
装置専用でECUと組み合わせて使用されるが、別段他
の電子制御装置と兼用であっても構わない。コントロー
ラ48の構成、機能は後に明らかとなる。ここでコント
ローラ48には回転センサ49が接続されている。回転
センサ49は、カムシャフト3のスリット付円盤3aを
利用して、カムシャフト3の所定角度回転毎に基準パル
スを発生する。
【0030】また、同図に示すように、本装置1は、大
気圧程度のエンジン潤滑油を高圧まで高めてコモンレー
ル17に蓄えるための油圧発生装置50を有する。特に
ここではその一部をエンジンに通常装備されるオイルポ
ンプ等と共用にしている。
【0031】油圧発生装置50は、オイルパン51に貯
留された大気圧程度のエンジン潤滑油を吸入して吐出す
るエンジン潤滑用オイルポンプ52を有する。このオイ
ルポンプ52から吐出されたオイルの圧力は、リリーフ
弁53で管理され、リリーフ弁53を経たオイルはオイ
ルフィルタ54を通過した後、オイルギャラリ55に貯
えられる。ここから種々の配管を通じてオイルが各エン
ジン潤滑部に供給される訳だが、ここではそのギャラリ
圧のオイルがさらに、フィルタ56を経た後、蓄圧用オ
イルポンプ57で高圧まで昇圧されるようになってい
る。蓄圧用オイルポンプ57から吐出されたオイルは、
蓄圧用リリーフ弁58で所定のコモンレール圧に調整さ
れる。そしてこのコモンレール圧のオイルがコモンレー
ル17に供給され蓄えられる。59は圧力計である。
【0032】蓄圧用オイルポンプ57は、カムシャフト
3に通常設けられるタイミングギヤ60で駆動されるよ
うになっている。これによって蓄圧用オイルポンプ57
はエンジン回転数の1/2 の回転数で回転駆動されること
となる。図中、破線はオイルの戻り経路を示す。
【0033】さて、以上の構成にかかる本装置の動作内
容は図9に示す如きである。ここで図9は本装置単体で
の動作をシミュレーションした結果で、横軸にはクラン
ク角がとってある。先ず、所定のクランク角(ここでは
エンジンピストンの圧縮上死点)で回転センサ49から
基準パルスが発生すると、コントローラ48が所定の遅
延時間T1を経過した時点で、所定の出力時間T2だけ電磁
ソレノイド20に駆動信号(ON信号)を出力する。こう
なるとその時間だけ電磁弁16が供給側に切り替わり、
コモンレール17の高圧油がピストン15に供給され、
ピストン15が押動部材37、バルブブリッジ6を介し
て排気弁2を開弁させる。出力時間T2が経過すると、コ
ントローラ48が電磁ソレノイド20をOFF にするの
で、これによって電磁弁16が排出側に切り替わり、ピ
ストン室19のオイルが排出され、ピストン15が上昇
し、排気弁2が閉弁する。出力時間T2が短時間であるた
め、ピストン室19への油圧供給はパイロット的に行わ
れ、排気弁2のリフトカーブは図示するように山形とな
る。上段の線図はピストン室19の供給側(入口側)の
圧力を示しており、ピストン室19への油圧供給が行わ
れると圧力が低下する。aで示す圧力低下部分が最初に
排気弁2を静止状態から動かすための慣性油圧である。
一方、bで示す圧力上昇部分が油圧排出時のバルブスプ
リング7、リターンスプリング39,39による戻り油
圧である。
【0034】これと対応したコントローラ48の構成、
機能を以下に説明する。図4に示すように、コントロー
ラ48は、強電部(ドライバ)をなし電磁ソレノイド2
0に駆動信号を出力するソレノイド駆動回路と、弱電部
をなしソレノイド駆動回路への出力信号を成形する演算
回路とからなる。演算回路は具体的には、クロック、ゲ
ート1、ゲート2、カウンタ1、カウンタ2、カウンタ
比較器1、カウンタ比較器2、及び遅延時間T1、出力時
間T2のマップをメモリしたROM からなる。
【0035】クロックは一定時間間隔で時間パルスを発
生しており、そのパルスをゲート1に常時送出してい
る。一方ゲート1は、回転センサ49から基準パルスを
入力した時点で、いわゆる開状態となり、カウンタ1に
時間パルスを送出する。カウンタ1では、その時間パル
スのパルス数をカウントしてそのカウント数をカウンタ
比較器1に送る。
【0036】ここで、遅延時間T1、出力時間T2のマップ
には、エンジン回転数及びエンジン負荷に対応する各時
間T1,T2の値が設定されている。エンジン回転数及びエ
ンジン負荷のデータはECUから送られ、これらに基づ
きコントローラ48は、基準パルス入力時の遅延時間T
1、出力時間T2をマップからルックアップする。もっと
も、エンジン運転状態を示す他の要素、例えば水温、吸
気圧等を含めて各時間T1,T2を決定するようにしてもよ
い。
【0037】こうして決定された遅延時間T1と、カウン
タ1のカウント数とがカウンタ比較器1で比較される。
そしてカウント数が遅延時間T1に相当する値となったな
らば、カウンタ比較器1からソレノイド駆動回路に命令
信号が出される。こうなればソレノイド駆動回路が電磁
ソレノイド20に駆動信号を出力する。
【0038】カウンタ比較器1による命令信号はゲート
2にも出力される。この時点でゲート2が開状態とな
り、カウンタ2にクロックからの時間パルスが送出され
る。カウンタ比較器2では、前述の如く決定された出力
時間T2とカウンタ2によるカウント数とが比較される。
そしてカウント数が出力時間T2に相当する値となったな
らば、カウンタ比較器2からソレノイド駆動回路に、駆
動信号送出停止のための命令信号が出される。こうなれ
ば、ソレノイド駆動回路が駆動信号の送出を停止する。
以上により図9の動作が達成される。
【0039】ここで、図10には、本装置の油圧応答特
性を調べた試験結果が示されている。基準パルスの代わ
りに近接スイッチの信号が用いられ、この信号発生時か
ら所定の遅延時間T1を経過した後、所定の出力時間T2の
間だけ、電磁ソレノイド20に駆動信号(ソレノイド印
加電圧)が出力されている。これによって電磁ソレノイ
ド20に電流が流れ、やや遅れてピストン室19の油圧
が立ち上がる。本装置には僅かながらこのような応答遅
れが存在する。
【0040】さて、上述のように本装置では、遅延時間
T1、出力時間T2の決定の仕方により排気弁2の開弁タイ
ミングをいかようにも設定できる。そこで本装置では、
排気弁2の開弁タイミングを図11に示すように決定す
ることとしている。
【0041】同図も図9と同様のシミュレーション結果
であり、本装置をエンジンに適用した例であるが、同図
に示されるように、排気弁2は正規のバルブタイミン
グ、つまりカムリフトによる開弁より早期に開弁される
ようになっている。またそうなるように遅延時間T1、出
力時間T2が決定されている。基準パルスが圧縮上死点で
発生するのは同様で、このパルス発生後、所定の遅延時
間T1を経て、所定の出力時間T2だけ電磁ソレノイド20
が励磁され、一瞬遅れて排気弁2がリフトするようにな
っている。このリフト期間と正規のリフト期間とはオー
バーラップし、図示例では排気弁2がピストンリフトに
より最大リフトした付近からカムリフトに移行する。も
っとも、ピストンリフトによるリフト開始時期、リフト
期間、リフト量は、遅延時間T1、出力時間T2の決定の仕
方により自由に変化させることができる。例えば、リフ
ト開始時期を早めたいときは遅延時間T1を短くすればよ
い。またリフト期間、リフト量を多くしたいときは、出
力時間T2を長くすれば、油圧排出時期が遅れるのでリフ
ト期間が長くなり、ピストン室19の油圧値が増大する
のでリフト量が多くなる。ただしオーバーラップさせる
ことは必須である。こうして、現在のエンジン運転状態
に最も適した排気弁早開きを達成できることになる。
【0042】図12は、本装置適用のエンジンを実際に
運転したときの試験結果である。同図から、実際の結果
がシミュレーション結果にほぼ一致していることが分か
る。
【0043】このような排気弁早開きを行うことで以下
のような利点が得られる。上述したように、車両用ター
ボ過給式ディーゼルエンジンでは、アイドリングが必ず
確保できるようなバルブタイミングに設定されているた
め、高過給時にポンピングロスが増大し、燃費が悪化し
てしまう。しかし、本装置を適用し、高過給時に排気弁
早開きを行うようにすれば、排気時の筒内圧を下げら
れ、ポンピングロスを低減できる。
【0044】図13は図14(b) の吸排気行程の部分に
相当する拡大図である。破線は本装置不適用、実線は本
装置適用の場合を示す。図示するように、本装置不適用
の場合、排気時の筒内圧と吸気時の筒内圧との差ΔP1
が大きく、大きなポンピングロスが発生している。しか
し本装置適用の場合は、新膨張線qが発生し、エンジン
ピストン下死点到達前の筒内圧の落ち込みが早く、結果
的にエンジンピストン上昇中の筒内圧も下がっている。
これによって圧力差ΔP2 が小さくなり、ポンピングロ
スの低減を達成できる。そして燃費を低減できる。
【0045】また、筒内圧が早く落ち込む結果、エンジ
ンピストン上昇時の押出し損失も低減され、燃費がさら
に低減する。
【0046】ここで、エンジンピストン下死点到達前は
筒内圧が高い方がブローダウン損失上有利であり、本装
置適用の場合逆に不利となる。つまり、排気エネルギが
早期にシリンダ内から流出してしまう結果、筒内圧がそ
の分下がり、ピストン押下げに寄与しなくなってしま
う。
【0047】しかし、ここではその喪失分の排気エネル
ギをターボ過給機で回収でき、損失を補填することがで
きる。即ち、早期に排出された排気エネルギでターボ過
給機のタービンをより駆動でき、これによって過給圧を
高め、出力向上による燃費低減等を図れる。そして多量
の低温の新気をシリンダ内に送り込めるようにもなり、
燃焼温度の低下によるNOx 発生量低減が達成できる。
【0048】このように、本装置を用いた場合は燃費が
大幅に低減され、しかもNOx 発生量も低減できるように
なる。
【0049】ここで、本装置は排気弁2をいつでも自由
に開弁させることができるので、高過給時に限らず、中
・低過給時等いつでも作動させることが可能である。よ
ってエンジンの全使用域においてポンピングロスを低減
し、燃費を低減できる。場合によってはポンピングワー
クとなることも期待でき、こうなればさらなる燃費低減
が実現される。本装置適用のエンジンにさらにインター
クーラを組み合わせれば、燃焼温度がさらに低下し、NO
x 発生も抑えられる。
【0050】他にも、本装置では、電磁弁16のチョー
ク穴34により、ピストン室19から油圧を排出する
際、排出速度を抑えて油圧排出を緩慢にできる。これに
より、ピストン15が一気に上昇することがなくなり、
排気弁2の上昇速度も抑えて着座時(閉弁時)の衝撃を
抑制できる。そして打撃騒音の低減、耐久性の向上等も
図れる。
【0051】さらに、本装置はシンプルに構成され、特
にアクチュエータユニット13が、同一の本体14にピ
ストン15と電磁弁16とを取り付けたコンパクトな構
成であるため、シリンダヘッド9内に容易に組み込むこ
とができる。また、本装置はエンジンと独立した構成で
あるため、エンジンに任意的に付加することができる
し、故障した際もフェールセーフが確保できる。
【0052】他の実施の形態としては図7に示すような
ものが考えられる。前記実施の形態では、ピストン15
でバルブブリッジ6を押し下げ、両方の排気弁2を開弁
させるようになっていたが、ここでは一方の排気弁2の
みを開弁させる構成となっている。即ち、排気弁2の上
方にプッシュロッド62とピストン15とが同軸配置さ
れ、ピストン15はプッシュロッド62を介して排気弁
2を押し下げるようになっている。プッシュロッド62
はスリーブ63に摺動自在に挿通され、スリーブ63は
バルブブリッジ6に螺合され、ナット64で固定され
る。ここでは図示する排気弁2がバルブブリッジ6に固
定されておらず、図示しない他方の排気弁2のみがバル
ブブリッジ6に固定される。プッシュロッド62とスリ
ーブ63の下端部とはテーパ嵌合するようになってい
る。
【0053】この構成によれば、バルブブリッジ6がエ
ンジンのカム4で押し下げられず静止しているとき、ピ
ストン15が油圧で押し下げられれば、プッシュロッド
62がスリーブ63内を下降して排気弁2を押し下げ
る。一方、バルブブリッジ6がエンジンのカム4で押し
下げられたときは、スリーブ63下端部のテーパ部がプ
ッシュロッド62下端部のテーパ部に係合するので、プ
ッシュロッド62と排気弁2とが同時に押し下げられ
る。このときピストン15が下降しなければプッシュロ
ッド62がピストン15から離れる。
【0054】他の構成の相違点としては、本体14内に
リターンスプリング39とスプリング受け65とが設け
られる点、電磁弁16が倒立配置されている点等が揚げ
られる。このような1弁駆動方式を採用するか、2弁駆
動方式を採用するかはエンジンに応じて定めればよい。
【0055】他にも本発明は種々の実施の形態を採用し
得る。
【0056】
【発明の効果】以上要するに本発明は以下の如き優れた
効果を発揮する。
【0057】(1) ポンピングロスを低減し、燃費を
低減できる。
【0058】(2) 燃焼温度を下げられ、NOx 発生量
を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃費低減装置の縦断正面図であ
る。
【図2】同平面図である。
【図3】同縦断側面図である。
【図4】本装置の全体構成図である。
【図5】本装置作動時の縦断側面図である。
【図6】本装置非作動時の縦断側面図である。
【図7】他の実施の形態を示す縦断面図である。
【図8】リリーフ機構を示す半断面図である。
【図9】本装置単体の動作をシミュレーションした結果
を示すタイムチャートである。
【図10】本装置の油圧応答特性線図である。
【図11】本装置をエンジンに適用した場合の動作をシ
ミュレーションした結果を示すタイムチャートである。
【図12】本装置適用のエンジンを実際に運転させた場
合のタイムチャートである。
【図13】本装置適用の場合と不適用の場合とにおける
吸排気行程のPV線図である。
【図14】PV線図を示し、(a) はポンピングワークの
例、(b) はポンピングロスの例である。
【図15】エンジンの排気行程における状態変化図であ
る。
【符号の説明】
1 燃費低減装置 2 排気弁 17 コモンレール 14 本体 15 ピストン 16 電磁弁 48 コントローラ 57 蓄圧用オイルポンプ T1 遅延時間 T2 出力時間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ターボ過給機を備えたディーゼルエンジ
    ンに適用される燃費低減装置において、流体圧を蓄える
    蓄圧室と、該蓄圧室の流体圧の供給により押動されて排
    気弁を正規のバルブタイミングとは独立して開弁し得る
    ピストンと、ピストンに対する流体圧の給排制御を実行
    すべく設けられた電磁弁と、エンジン運転状態に基づき
    電磁弁を切替制御すると共に、排気弁を正規のバルブタ
    イミングより早期に開弁するよう電磁弁を切り替えるコ
    ントローラとを備えたことを特徴とするターボ過給式デ
    ィーゼルエンジンの燃費低減装置。
  2. 【請求項2】 上記コントローラが、エンジン運転状態
    に基づき所定の遅延時間と所定の出力時間とを決定し、
    エンジン回転に基づく基準パルスの入力時から上記遅延
    時間を経過した後、上記出力時間だけ、上記電磁弁に駆
    動信号を出力する請求項1記載のターボ過給式ディーゼ
    ルエンジンの燃費低減装置。
  3. 【請求項3】 上記ピストンと上記電磁弁とが同一の本
    体に取り付けられた請求項1又は2記載のターボ過給式
    ディーゼルエンジンの燃費低減装置。
  4. 【請求項4】 上記流体圧がエンジン潤滑油による油圧
    であって、上記蓄圧室にギャラリ圧の潤滑油をさらに昇
    圧して供給する蓄圧用オイルポンプをさらに備えた請求
    項1乃至3いずれかに記載のターボ過給式ディーゼルエ
    ンジンの燃費低減装置。
JP10075984A 1998-03-24 1998-03-24 ターボ過給式ディーゼルエンジンの燃費低減装置 Pending JPH11270370A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015140724A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 本田技研工業株式会社 内燃機関のポンプ損失算出装置

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JP2015140724A (ja) * 2014-01-29 2015-08-03 本田技研工業株式会社 内燃機関のポンプ損失算出装置

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