JPH11273664A - 電池用電極の製造方法および電極ならびに電池 - Google Patents

電池用電極の製造方法および電極ならびに電池

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JPH11273664A
JPH11273664A JP10077900A JP7790098A JPH11273664A JP H11273664 A JPH11273664 A JP H11273664A JP 10077900 A JP10077900 A JP 10077900A JP 7790098 A JP7790098 A JP 7790098A JP H11273664 A JPH11273664 A JP H11273664A
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JP
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battery
electrode
mixture layer
negative electrode
positive electrode
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JP10077900A
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English (en)
Inventor
Tokuo Komaru
篤雄 小丸
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Original Assignee
Sony Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電極リードの長手方向に形成されている稜で
セパレータに損傷を与えて内部ショートを引き起こす虞
のない電池用電極の製造方法および電極を提供するとと
もに、サイクル特性が良好な高信頼性を有する電池を提
供する。 【解決手段】 少なくとも、集電体3上に電極合剤層を
形成する工程と、集電体3と電気的に接続する電極リー
ド4を固着する工程とを有する電池用電極の製造方法に
おいて、電極リード4の集電体3との接合面の反対面側
且つ電極リード4の長手方向に形成されている少なくと
も一つの稜(電極リード4のセパレータ7と接する側で
あるとともに長手方向に形成されている一つの稜)に、
内角側に中心を有する円弧辺と斜辺の何れか一方が形成
されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電池用電極の製造方
法および電極ならびに電池に関し、さらに詳しくは、正
極集電体上に正極合剤層を形成した正極と負極集電体上
に負極合剤層を形成した負極とを、セパレータを介して
対向配置するとともに渦巻状に巻回した電池素子を有
し、この電池素子を構成する正極集電体および負極集電
体と電気的に接続する正極リードおよび負極リードとを
有する電池用電極の製造方法および電極ならびに電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR、携帯電話、
ラップトップコンピュータに代表される小型携帯情報処
理装置等の新しいポータブル電子機器が次々に出現し、
益々その高性能化とともに小型軽量化が図られている。
そして、これらの進展に伴い、電子機器の供給電源とし
て使用される電池についても、さらなる小型軽量化とと
もに高エネルギー密度化の要求が益々大となっている。
従来、これらに使用される二次電池としては、鉛電池、
ニッケルカドミウム電池等の水溶液系電池が主流であっ
たが、これらはサイクル特性はほぼ満足するものの、電
池重量やエネルギー密度の点では満足する特性を得るこ
とが困難であった。
【0003】これらを改善するものとして、負極材料
に、リチウムあるいはリチウム合金を用いた非水電解液
二次電池の開発研究が盛んに行われている。この種の二
次電池は高エネルギー密度を有し、自己放電が少ないと
ともに軽量であるという優れた特性を有するが、充放電
サイクル数の増加とともにデンドライト状に結晶成長し
たリチウムが正極に到達して内部ショートを引き起こす
虞があり、信頼性の点で問題となっている。
【0004】これに対して、負極を構成して負極集電体
上に形成される負極合剤層の含有物に炭素材料を使用し
たリチウムイオン二次電池は、炭素層間へのリチウムの
ドープ脱ドープを負極反応に利用するので、充放電サイ
クル数が増加してもデンドライト状のリチウムが析出せ
ず、良好なサイクル特性を有する。一般的に、このリチ
ウムイオン二次電池の負極材料としては炭素材料が用い
られ、正極材料としては主としてリチウムコバルト酸化
物が用いられている。この場合の電池反応は電気化学的
な可逆反応であり、脱ドープされるリチウムイオンが負
極材料と正極材料との間を行き来することで充放電が行
われる。したがって、正極および負極の何れの側におい
てもリチウムイオンが出入りするのみであり、ニッケル
水素電池のように活物質自身の化学的変質は生じない。
このように負極材料に炭素材料を含有させ、正極材料に
リチウムコバルト酸化物を含有させたリチウムイオン二
次電池はメモリ効果もなく、充電状態で放置した後の自
己放電が小であるため、小型携帯情報処理装置用の電源
としての期待が大である。
【0005】ところで、実用化された初期のリチウムイ
オン二次電池において、負極合剤層用の炭素材料として
はコークスやガラス状炭素等、比較的低温で熱処理され
て結晶性が小である非黒鉛系炭素が用いられ、炭酸プロ
ピレンを主体とする電解液が用いられていた。その後、
負極合剤層用の炭素材料として結晶構造が発達した黒鉛
類が用いられ、炭酸エチレンを主体とする電解液を用い
たものが実用化された。
【0006】一般的に、二次電池の形状は円筒形や直方
体であるが、形状の如何に関わらず、反応に伴う電子を
授受するための集電体である金属箔上に活物質、バイン
ダ、溶剤を混合した電極合剤スラリの塗膜を形成し、乾
燥させて得られた薄膜状電極を複数層巻回した、いわゆ
るジェリーロールタイプ電池となっている。このような
ジェリーロールタイプ電池は、電極が薄く且つ反応面積
も大であるため、急速充電が可能であるとともにサイク
ル寿命も大である。上記したニッケルカドミウム電池や
ニッケル水素電池においてもジェリーロールタイプ電池
の構造が採用されており、集電体には、例えば特開平6
−20680号公報に開示されている発泡ニッケル等の
発泡金属体が用いられている。この発泡金属体を用いる
ことにより電子導電性は向上するものの、発泡金属体は
硬い金属材料であるとともに端部は針状のエッジが露出
している。このため、電極表面を充分に平滑にすること
ができず、発生したバリがセパレータを貫通して内部シ
ョートを多発させる虞があった。また、発泡金属体は薄
膜化が困難であるため、リチウムイオンのように反応面
積を大とすることが困難である。このような観点から、
リチウムイオン二次電池の方が小型携帯情報処理装置等
の電子機器用電源として優位性があると考えられてい
る。
【0007】図4は電池の概略断面図であり、図5は電
池素子16の概略外観斜視図である。図4に示したよう
に、負極集電体3aの両面に負極合剤層2が形成された
負極1と正極集電体3bの両面に正極合剤層6が形成さ
れた正極5がセパレータ7を介して渦巻状に巻回されて
いる。また、正極集電体3bと電気的に接続して、電池
素子16の渦巻状を臨む一方の面から突出して屈曲した
正極リード4bは、電池蓋11と電気的に接続されてお
り、負極集電体3aと電気的に接続して、電池素子16
の渦巻状を臨む他方の面から突出して屈曲した負極リー
ド4aは、電池缶9の底部と電気的に接続されている。
電池素子16は、これらの負極1、正極5、セパレータ
7、負極リード4aおよび正極リード4b等により概略
構成されている。
【0008】図5に示したように、セパレータ7の最終
端は粘着テープ15等で固定されており、このセパレー
タ7の最終端から内周側近傍には負極集電体3aと電気
的に接続された負極リード4aがある。正極集電体3b
と電気的に接続された正極リード4bは巻回された電池
素子16の内周側にある。そして、これらの正極リード
4bおよび負極リード4aの形状は、たとえば厚さが1
mm、長手方向と直交する方向の幅が5mmの帯状であ
る。
【0009】近年、電池のさらなる高容量化を図るため
に、益々セパレータ7の薄膜化が図られている。このた
め、電池素子16の作製時や充放電による電池素子16
の膨張収縮により正極集電体3bあるいは負極集電体3
aの長手方向に形成されている稜でセパレータ7を損傷
し、内部ショートを引き起こす虞が大となっている。た
とえばリチウムイオン二次電池では、リチウムイオン二
次電池を構成して正極集電体3bの両面に形成される正
極合剤層6の構成材としてLiCoO2 に代表されるリ
チウム含有複合酸化物が使用されている。このリチウム
含有複合酸化物は、充放電の際に結晶格子が膨張収縮
し、正極合剤層6の厚さが最大で10%程度変化する。
また、負極集電体3aの両面に形成され、炭素材料を含
有する負極合剤層2においても、炭素層間にリチウムイ
オンが出入りすることで結晶子が膨張収縮し、負極合剤
層2の厚さが最大で10%程度変化する。すなわち、充
電時において、正極5および負極1の何れも膨張し、セ
パレータ7に大きな応力を与えることとなる。とくに、
電池素子16の外周側にある負極リード4aの長手方向
に形成されている稜の部分に生じる応力は大であり、稜
でセパレータ7を損傷させて内部ショートを引き起こす
虞が大であった。このことは電池素子16の内周側にあ
る正極リード4bにおいても同様にセパレータ7を損傷
させる虞もある。したがって、電池用電極の製造方法に
より正極リード4bや負極リード4aの長手方向に形成
されている稜でセパレータ7を損傷させる虞のない電極
の作製が可能な電池用電極の製造方法を提供し、作製さ
れた電極を用いてサイクル特性が良好な高信頼性を有す
る電池の提供が求められていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、電極
リードの長手方向に形成されている稜でセパレータに損
傷を与えて内部ショートを引き起こす虞のない電池用電
極の製造方法および電極を提供するとともに、サイクル
特性が良好な高信頼性を有する電池を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の電池用電極の製造方法では、少なくとも、
集電体上に電極合剤層を形成する工程と、集電体と電気
的に接続する電極リードを固着する工程とを有する電池
用電極の製造方法において、電極リードの集電体との接
合面の反対面側且つ電極リードの長手方向に形成されて
いる少なくとも一つの稜に、内角側に中心を有する円弧
辺と斜辺の何れか一方が形成されていることを特徴とす
る。
【0012】また、本発明の電極は本発明の電池用電極
の製造方法を用いて作製されたものである。すなわち、
帯状である電極リードの集電体との接合面の反対面側且
つ電極リードの長手方向に形成されている少なくとも一
つの稜に、内角側に中心を有する円弧辺と斜辺の何れか
一方が形成されていることを特徴とする。
【0013】本発明の電池では、少なくとも、正極集電
体上に正極合剤層を形成した正極と負極集電体上に負極
合剤層を形成した負極とを、セパレータを介して対向配
置するとともに渦巻状に巻回した電池素子と、電池素子
の渦巻状を臨む一方の面から突出して正極集電体と電気
的に接続する帯状の正極リードと、渦巻状を臨む他方の
面から突出して負極集電体と電気的に接続する帯状の負
極リードとを有する電池において、正極リードのセパレ
ータと接する側であるとともに長手方向に形成されてい
る少なくとも一つの稜に、内角側に中心を有する円弧辺
と斜辺の何れか一方が形成され、負極リードのセパレー
タと接する側であるとともに長手方向に形成されている
少なくとも一つの稜に、内角側に中心を有する円弧辺と
斜辺の何れか一方が形成されていることを特徴とする。
【0014】正極リードや負極リード等の電極リードの
長手方向と直交する方向の長さで、その長さが大である
方を幅Wとし、その長さが小である方を板厚をtとした
場合の電池用電極の製造方法および電極ならびに電池の
望ましい実施態様について述べる。斜辺を形成する場合
は、斜辺を形成する板厚方向の長さが0.02t以上
0.5t以下であり、幅方向の長さが0.02W以上
0.4W以下が望ましい。円弧辺を形成する場合は、円
弧辺の曲率半径が0.02t以上1.25W以下が望ま
しい。これらの円弧辺あるいは斜辺を形成する加工方法
としては、たとえば機械的に切削する方法、電解研磨等
の電気的方法、酸等で熔解する化学的方法、あるいはこ
れらを組み合わせた方法等で形成することができる。
【0015】正極リードおよび負極リード等の電極リー
ドの材質としては、正極合剤層および負極合剤層を構成
する正極材料と負極材料のそれぞれが作動する電位によ
って適宜選択することができる。水溶液系電解液二次電
池では、溶媒である水の電気分解電位よりも酸化還元電
位が高い金属であれば何れも使用可能であり、アルカリ
性電解液あるいは酸性電解液に耐える材質が好ましい。
たとえばニッケルカドミウム二次電池やニッケル水素二
次電池では金属ニッケルやステンレス合金等が使用可能
である。非水電解液二次電池では、正極合剤層を構成す
る正極材料の作動する電位よりも酸化還元電位が高い金
属であれば何れも使用可能であり、負極リード用の材質
としてはリチウムと反応性のない金属が何れも使用可能
である。とくに、リチウムイオン二次電池の正極リード
用の材質としてはアルミニウムが好ましく、負極リード
用の材質としては銅、ニッケル、チタンが好ましい。
【0016】非水電解液二次電池の一例を挙げれば、リ
チウム金属やリチウム金属と電気化学的に合金反応が生
じるものを負極合剤層を構成する負極材料に用いた二次
電池がある。リチウム金属と合金反応を生じる金属とし
てはAl、Bi、Cd、Pb、Sn、Si、Zn等があ
る。また、合金あるいは金属間化合物の中にLiと合金
を形成するものとしてはLiB、β−LiAl/Cu、
Cd/Sn、Bi/Cd、Pb/Cd、Cd/Sn、B
i/Cd/Pb、Pb/Cd/Sn等がある。
【0017】非水電解液二次電池に用いられる正極材料
は特に限定されないが、十分なリチウムを負極側が有し
ない場合には、Mx y (但し、Mは遷移金属であり、
1≦x≦6、1≦y≦13)で表される複合遷移金属酸
化物を用いることができる。また、リチウムを負極側が
有しない場合には、層間化合物等が十分なリチウムを含
有しているものを用いることができる。たとえば、Li
MO2 (但し、MはCo、Ni、Mn、Fe、Al、
V、Tiのうちの何れか一種)で表されるリチウムと遷
移金属で構成された複合金属酸化物やリチウムを含有す
る層間化合物等がある。
【0018】電解液としては、電解質が非水溶媒に溶解
された非水電解液が用いられる。電解質を溶解する非水
溶媒としては、エチレンカーボネート等の比較的誘電率
が大であるものを主溶媒に用いることが前提となるが、
複数成分の低粘度溶媒を添加する必要がある。高誘電率
溶媒としてはプロピレンカーボネート、ブチレンカーボ
ネート、ビニレンカーボネート、スルホラン類、ブチロ
ラクトン類、バレロラクトン類などが好ましい。低粘度
溶媒としてはジエチルカーボネート、ジメチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、メチルプロピルカー
ボネート等の対称あるいは非対称の鎖状炭酸エステルが
好ましく、さらに二種以上低粘度溶媒を混合して用いた
ものも好ましい。とくに、負極合剤層を構成する負極材
料に黒鉛材料を用いる場合、好ましい非水溶媒の主溶媒
としてはエチレンカーボネートを挙げることができる
が、エチレンカーボネートの水素原子をハロゲン元素で
置換した構造の化合物も好ましいものとして挙げること
ができる。
【0019】また、プロピレンカーボネートのように黒
鉛材料と反応性があるものの、主溶媒としてのエチレン
カーボネートやエチレンカーボネートの水素原子をハロ
ゲン元素で置換した構造の化合物に対して、その一部を
ごく少量の第二成分溶媒で置換することでも、良好な特
性の非水溶媒の主溶媒を得ることができる。その第二成
分溶媒としてはプロピレンカーボネート、ブチレンカー
ボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエト
キシメタン、γ−ブチロラクトン、バレロラクトン、テ
トラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソ
ラン、スルホラン、メチルスルホラン等が使用可能であ
り、その添加量としては10Vol%未満が好ましい。
このような非水溶媒に溶解する電解質としては、この種
の電池に用いられるものであれば何れも一種以上混合し
ての使用が可能である。たとえば、LiPF6 が好まし
いが、その他LiClO4 、LiAsF6 、LiB
4 、LiB(C6 5 4 、CH3 SO3 Li、CF
3 SO3 Li、LiN(CF3 SO2 2、LiC(C
3SO2 3、LiCl、LiBr等も使用可能であ
る。
【0020】ところで、本発明をとくに好適に適用でき
る事例としては、リチウムイオン二次電池がある。以
下、その詳細について説明する。リチウムイオン二次電
池用のドープ脱ドープが可能な負極合剤層を構成する負
極材料としては、炭素材料や金属酸化物がある。炭素材
料としては黒鉛材料、易黒鉛化性炭素材料、難黒鉛化性
炭素材料等がある。
【0021】難黒鉛化性炭素材料としては(002)面
間隔が0.37nm以上、真密度が1.70g/cm3
未満、空気中での示差熱分析(DTA)において700
℃以上に発熱ピークを持たないという物性パラメータを
示す材料が好適である。一例を挙げればフルフリルアル
コールあるいはフルフラールのホモポリマー、コポリマ
ー及び他の樹脂との共重合により構成されたフラン樹脂
を焼成し、炭素化したものがある。これらの出発材料と
なる有機材料としてはフェノール樹脂、アクリル樹脂、
ハロゲン化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイ
ミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセチレン、ポリ(p
−フェニレン)等の共役系樹脂、セルロースおよびその
誘導体、任意の有機高分子系化合物を使用することがで
きる。また、特定のH/C原子比を有する石油ピッチに
酸素を含む官能基を導入した、いわゆる酸素架橋したも
のも、上記したフラン樹脂と同様に、炭素化の過程(4
00℃以上)で溶融することなく固相状態で最終の難黒
鉛化性炭素材料とすることができる。
【0022】上記した石油ピッチはコールタール、エチ
レンボトム油、原油等の高温熱分解で得られるタール
類、アスファルト等を蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチ
ーム蒸留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によ
り得ることができる。この場合、石油ピッチのH/C原
子比が重要であり、難黒鉛化炭素とするためにはH/C
原子比を0.6〜0.8とする必要がある。これらの石
油ピッチに酸素を含む官能基を導入する手段は限定され
ないが、たとえば硝酸、混酸、硫酸、次亜塩素酸等の水
溶液による湿式法あるいは酸化性ガス(空気、酸素)に
よる乾式法、硫黄、硝酸アンモニア、過硫酸アンモニ
ア、塩化第二鉄等の固体試薬による反応等を用いること
ができる。酸素含有率は特に限定されないが、好ましく
は3%以上、さらに好ましくは5%以上である。この酸
素含有率は最終的に作製される炭素材料の結晶構造に影
響を与える。すなわち、酸素含有率がこの範囲内である
とともに(002)面間隔を0.37nm以上とすれ
ば、空気気流中でのDTAは700℃以上に発熱ピーク
がなく、負極容量が大となる。
【0023】また、リン、酸素、炭素を主成分とする化
合物も上記した難黒鉛化性炭素材料と同様の物性パラメ
ータを示し、利用可能である。さらに、他のあらゆる有
機材料においても、酸素架橋処理等によって固相炭素化
過程を経て難黒鉛化炭素となれば使用可能であり、酸素
架橋を行うための処理法は限定されない。上記した原料
有機材料を用いて炭素材料を得る場合、たとえば300
℃〜700℃で炭化した後、昇温速度1℃/min〜1
00℃/min、到達温度900℃〜1300℃、到達
温度での保持時間0〜30時間程度の条件で焼成すれば
良い。もちろん、場合によっては炭化操作を省略しても
良い。
【0024】黒鉛材料を負極活物質に用いると、容量が
大である電池を得ることができる。使用可能な黒鉛材料
としては、真密度が2.1g/cm3 以上が好ましく、
さらに好ましい真密度は2.18g/cm3 以上であ
る。このような真密度を得るには、X線解析法で得られ
る(002)面間隔が好ましくは0.340nm未満、
さらに好ましくは0.335nm以上0.337nm以
下を満足し、(002)面のc軸結晶子厚みが14.0
nm以上であることが必要である。
【0025】また、黒鉛材料はJIS−K−1469に
記載された方法による嵩密度が0.4g/cm3 以上の
ものを用いることにより良好なサイクル特性を得ること
ができる。嵩密度が0.4g/cm3 以上の黒鉛材料を
用いて構成された負極は良好な電極構造を有し、負極合
剤層から黒鉛材料が剥がれ落ちる虞がない。嵩密度が
0.4g/cm3 以上の黒鉛材料を用いれば良好なサイ
クル特性を得ることができるが、好ましい嵩密度は0.
5g/cm3 以上であり、さらに好ましい嵩密度は0.
6g/cm3 以上である。また、さらに良好なサイクル
特性を得るには、黒鉛材料の嵩密度が上記した範囲であ
るとともに、下記の式1に示した形状パラメータxの平
均値xave が125以下の粉末を用いるのが好ましい。
【0026】x=(W/T)×(L/T) (1) 但し、Tは粉末の最も厚さの薄い部分厚みであり、Lは
粉末の長軸方向の長さであり、Wは粉末の長軸と直交す
る方向の長さである。この形状パラメータx の値が小で
あるほど底面積に対する高さが高く、偏平度が小である
ことを示している。
【0027】嵩密度が上記した範囲内であるとともに形
状パラメータxの平均値xave が125以下である黒鉛
材料粉末を用いた負極合剤層は、黒鉛材料の偏平度が小
さく規制されている分だけ電極構造がさらに良好なもの
となり、良好なサイクル特性を得ることができる。形状
パラメータxの平均値xave が125以下であれば良好
なサイクル特性を得ることができるが、好ましくは形状
パラメータxの平均値xave が2以上115以下であ
り、さらに好ましい形状パラメータxの平均値xave
2以上100以下である。
【0028】また、黒鉛材料として嵩密度および形状パ
ラメータxの平均値xave が上記範囲であって、窒素吸
着BET法により求められる比表面積が9m2 /g以下
の黒鉛材料を用いた場合、さらに良好なサイクル特性を
得ることができる。これは、黒鉛粒子に付着したサブミ
クロンの微粒子が嵩密度の低下に影響していると考えら
れる。すなわち、微粒子が付着した場合に比表面積が増
加することから、同様の粒度であっても比表面積が小で
ある黒鉛粒子を用いた方が微粒子の影響がなく高い嵩密
度が得られ、結果として良好なサイクル特性を得ること
ができる。黒鉛粉末の比表面積が9m2 /g以下であれ
ば良好なサイクル特性を得ることができるが、好ましい
比表面積としては7m2 /g以下であり、さらに好まし
くは5m2 /g以下である。
【0029】また、実用電池として高い安全性および信
頼性を得るためには、レーザ回折法により求められる粒
度分布において、累積10%粒径が3μm以上であると
ともに累積50%粒径が10μm以上であり、さらに累
積90%粒径が80μm以下である黒鉛粉末を用いるこ
とが望ましい。電極に充填される黒鉛粉末は粒度分布に
幅を持たせた方が効率よく充填でき、正規分布により近
い方が好ましい。ただし、過充電等の異常事態に電池が
発熱する場合があり、粒径が小である粒子の分布数が多
い場合には発熱温度が高くなる傾向にあるため好ましく
ない。
【0030】また、電池を充電する際に黒鉛層間ヘリウ
ムイオンが挿入されるため、結晶子が約10%膨張し、
電池内において正極やセパレータを圧迫して、初充電時
に内部ショート等の初期不良を起こす虞があるが、大き
な粒子の分布が多い場合にはこの不良の発生率が高くな
る傾向にあるため好ましくない。
【0031】粒径の大きい粒子から小さい粒子までバラ
ンス良く配合された粒度分布を有する黒鉛粉末を用いる
ことにより、高い信頼性を有する実用電池が可能とな
る。たとえば、レーザ回折法により求められる粒度分布
において、累積10%粒径が3μm以上であるとともに
累積50%粒径が10μm以上であり、さらに累積90
%粒径が70μm以下である黒鉛粉末を用いることが望
ましい。とくに、累積90%粒径が60μm以下の場
合、初期不良率が大きく低減される。
【0032】実用電池としての負荷特性を向上させるた
めには黒鉛粒子の破壊強度の平均値が5.9×107
/m2 以上であることが望ましい。負荷特性には放電時
のイオンの動きやすさが影響するが、とくに電極中に空
孔が多く存在する場合には電解液も十分存在し良好な特
性を示す。
【0033】一方、結晶性が高い黒鉛材料は、a軸方向
に黒鉛六角網面が発達しており、その積み重なりによっ
てc軸の結晶子が成り立っているが、炭素六角網面同志
の結合はファンデルワールス力という弱い結合であるた
め応力に対して変形しやすい。 そのため、黒鉛粉末の
粒子を圧縮成形して電極に充填する際、低温で焼成され
た炭素質材料よりもつぶれやすく空孔を確保するのが困
難である。したがって、黒鉛粉末粒子の破壊強度が高い
ほどつぶれにくく、空孔を作りやすくなるため負荷特性
を向上することが可能となる。
【0034】黒鉛材料としては、上記したような結晶
性、真密度、嵩密度、形状パラメータxの平均値
ave 、比表面積、粒度分布、粒子破壊強度を有するも
のであれば天然黒鉛、あるいは有機材料を炭素化し、さ
らに高温処理された人造黒鉛であっても良い。この人造
黒鉛を作製するに際して出発材料となる有機材料として
は、石炭やピッチが代表的なものである。
【0035】ピッチとしてはコールタール、エチレンボ
トム油、原油等の高温熱分解で得られるタール類、アス
ファルト等を蒸留(真空蒸留、常圧蒸留、スチーム蒸
留)、熱重縮合、抽出、化学重縮合等の操作によって得
られるものや、木材乾留時に生成するピッチ等がある。
これらの石炭やピッチは、炭素化の途中の最高400℃
程度で液状で存在し、その温度で保持することで芳香環
同志が縮合、多環化して積層配向した状態となる。その
後500℃程度以上の温度になると固体の炭素前駆体、
すなわち、セミコークスを形成する。このような過程は
液層炭素化過程と称されており、易黒鉛化炭素を生成す
る代表的なものである。
【0036】その他のピッチとなる他の出発原料として
はポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアセテート、ポリビ
ニルブチラート、3,5−ジメチルフェノール樹脂、ナ
フタレン、フェナントレン、アントラセン、トリフェニ
レン、ピレン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン等
の縮合多環炭化水素化合物、その他誘導体(たとえば、
これらのカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸イ
ミド等)あるいは混合物、アセナフチレン、インドー
ル、イソインドール、キノリン、イソキノリン、キノキ
サリン、フタラジン、カルバゾール、アクリジン、フェ
ナジン、フェナントリジン等の縮合複素環化合物あるい
はその誘導体がある。
【0037】上記したような有機材料を出発原料として
所望の人造黒鉛を生成するには、たとえば上記した有機
材料を窒素等の不活性ガス気流中300℃〜700℃で
炭化した後、不活性ガス気流中における昇温速度1℃/
min〜100℃/min、到達温度900℃〜150
0℃、到達温度での保持時間0〜30時間程度の条件で
か焼し(このプロセスまで経たものが易黒鉛化性炭素材
料である)、さらに2000℃以上、好ましくは250
0℃以上の熱処理をすることにより得ることができる。
もちろん、場合によっては炭化やか焼操作を省略しても
良い。なお、生成される黒鉛材料は分級あるいは粉砕分
級して負極材料に供されるが、粉砕は炭化あるいはか焼
の前後あるいは黒鉛化前の昇温過程の間の何れで行って
も良く、この場合、最終的には粉末状態で黒鉛化のため
の熱処理が行われる。
【0038】さらに嵩密度が大であるとともに破壊強度
が大である黒鉛材料粉末を得るには、炭素材料成形体を
熱処理し、黒鉛化して黒鉛化成形体としたものを粉砕分
級することが望ましい。黒鉛化成形体は、一般的にフィ
ラーとなるコークスと、成形剤あるいは焼結剤としての
バインダーピッチで構成されており、これらを混合して
成形した後にバインダーピッチの炭素化を行い、ピッチ
を含浸しての炭素化を行い、さらに黒鉛化を行うことに
より得ることができる。また、フィラー自体に成形性、
焼結性を付与した原料を用いても、同様にして黒鉛化成
形体を得ることができる。黒鉛化成形体は熱処理後に粉
砕分級して負極材料に供されるが、成形体自体の硬度が
大であるため粉砕粉としては嵩密度が大であり、破壊強
度が大である材料を得ることができる。
【0039】黒鉛化成形体はフィラーとなるコークスと
バインダーピッチで構成されるため、黒鉛化後に多結晶
体となり、且つ、原料に硫黄や窒素といった元素を含
み、熱処理時にガスとなって発生する。したがって、そ
の通路にはミクロな空孔が存在し、負極材料としてのリ
チウムドープ脱ドープ反応が進行しやすい。さらに、生
成工程における処理効率が大である利点も有する。
【0040】負極材料としては、リチウムイオンのドー
プ脱ドープ可能な金属酸化物が使用可能である。この金
属酸化物としては遷移金属を含む酸化物が好適である。
たとえば酸化鉄、酸化ルテニウム、酸化モリブデン、酸
化タングステン、酸化チタン、酸化錫等を主体とする結
晶化合物あるいは非晶質化合物があり、とくに充放電電
位が比較的金属リチウムに近い化合物が好ましい。
【0041】正極材料はとくに限定されないが、十分な
量のリチウムを含んでいることが望ましい。たとえばL
iMO2 (ただし、Mは少なくともCo、Ni、Mn、
Fe、Al、V、Tiのうちの何れか一種)で表される
リチウムと遷移金属で構成された複合金属酸化物やリチ
ウムを含んだ層間化合物が好適である。この場合の正極
合剤は、定常状態(例えば5回程度充放電を繰り返した
後)で負極炭素質材料1g当たり250mAh以上の充
放電容量相当分のリチウムを含むことが必要であり、3
00mAh以上の充放電容量相当分のリチウムを含むこ
とがより好ましい。なお、リチウムは必ずしも正極合剤
から全て供給される必要はなく、要は電池系内に炭素質
材料1g当たり250mAh以上の充放電容量相当分の
リチウムが存在すれば良く、リチウムの量は電池の放電
容量に基づいて決定される。
【0042】上述した手段による作用を以下に記す。帯
状の電極リードのセパレータと接する側であるとともに
長手方向に形成されている稜に斜辺あるいは円弧辺を形
成すれば、電池素子の膨張収縮に伴い電極リードの稜で
セパレータに作用する応力を緩和する作用があり、セパ
レータの損傷を防止するとともに内部ショートを防止す
る。とくに、充放電が繰り返される二次電池において
は、電池素子の膨張収縮が繰り返されてもセパレータを
損傷させる虞がなく、サイクル特性の向上を図ることが
できる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明の電池用電極の製造方法お
よび電極ならびに電池は、正極と負極がセパレータを介
して対向配置されるとともに渦巻状に巻回され、この渦
巻状を臨む一方の面から突出して正極集電体と電気的に
接続する正極リードと、他方の面から突出して負極集電
体と電気的に接続する負極リードとを有する電池素子が
電池缶内に収納された構成の一次電池およびアルカリ二
次電池、鉛二次電池、非水電解液二次電池等の二次電池
に適用することができる。以下、電極リードの長手方向
と直交する方向から切断した概略断面図である図1〜図
3を参照して実験例1〜実験例3について説明するが、
電池の概略構成は従来の技術において図4を参照して説
明した事例と同様であるので、重複する説明を省略す
る。なお、図中の構成要素で従来の技術と同様の構造を
成しているものについては、同一の参照符号を付すもの
とする。
【0044】実験例1 本実験例は、図1に示したように、電極リード4のセパ
レータ7と接する側であるとともに長手方向に形成され
ている一つの稜に斜辺が形成されているものを用いて非
水電解液二次電池を作製した事例である。先ず、フィラ
ーとなる石炭系コークス100重量部に対し、バインダ
ーとなるコールタール系ピッチを30重量部加え、たと
えば約100℃で混合した後、プレス装置を用いて圧縮
成形し、炭素成形体の前駆体を作製した。
【0045】次に、作製された炭素成形体の前駆体を、
たとえば1000℃以下で熱処理して得た炭素材料成形
体に、たとえば200℃以下で溶融させたバインダーピ
ッチを含浸し、再び上記した熱処理を行うというバイン
ダーピッチ含浸工程/焼成工程を数回繰り返した。その
後、この炭素成形体を不活性雰囲気で、たとえば270
0℃で熱処理して黒鉛化成形体を作製した後、粉砕分級
して黒鉛粒子粉末を作製した。なお、このとき作製され
た黒鉛試料粉末をX線回折測定を行った結果、(00
2)面の面間隔は0.337nm、(002)面のc軸
結晶子厚みが50.0nm、ピクノメータ法による真密
度は2.23g/cm3 、嵩密度は0.83g/c
3 、形状パラメータxの平均値xave は10、BET
法による比表面積が4.4m2 /g、レーザ回折法によ
る粒度分布は平均粒径が31.2μm、累積10%粒径
が12.3μm、累積50%粒径が29.5μm、累積
90%粒径が53.7μm、黒鉛粒子の破壊強度の平均
値が6.96×107 N/m2 であった。なお、嵩密度
及び黒鉛粒子の破壊強度については、以下に説明する測
定方法を用いた。
【0046】嵩密度測定方法 嵩密度D(g/cm3 )はJIS−K−1469に記載
の方法で求めた。すなわち、予め質量を測定しておいた
容量100cm3 のメスシリンダを斜めにし、これに試
料粉末である黒鉛粒子粉末100cm3 を匙を用いて徐
々に投入する。そして、全体の質量を最小目盛0.1g
で測り、その質量からメスシリンダの質量を差し引くこ
とでメスシリンダ中の黒鉛粒子粉末の質量W(g)を求
める。さらに、黒鉛粒子粉末が投入されたメスシリンダ
にコルク栓をし、その状態のメスシリンダをゴム板に対
して約5cmの高さから50回落下させ、圧縮された黒
鉛粒子粉末の容積V(cm3 )を読み取る。このように
して嵩密度DはD=W/Vにより求めることができる。
【0047】破壊強度の測定方法 破壊強度の測定装置としては島津製作所製の島津微小圧
縮試験機(商品名、MCTM−500)を用いた。先
ず、付属の光学顕微鏡にて黒鉛粒子粉末を観察し、最も
長い部分の長さが平均粒径の±10%であるような粉末
を10個選択する。 そして、選択した10個の粉末に
ついて、個々に荷重をかけて破壊強度を測定し、測定さ
れた破壊強度値から黒鉛粒子の破壊強度の平均値を求め
た。
【0048】次に、負極の集電体3に負極合剤層を以下
のようにして形成した。作製された黒鉛粒子粉末90重
量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部
を混合して負極合剤を調整し、これを溶剤であるN−メ
チルピロリドンに分散させてスラリにした。このスラリ
を厚さが10μmの帯状銅箔である集電体3の両面に塗
布し、乾燥させた後、所定の圧力で圧縮成形して帯状の
集電体3に負極合剤層を形成した。
【0049】次に、正極の集電体3に正極合剤層を以下
のようにして形成した。炭酸リチウム0.5モルと炭酸
コバルト1モルを混合し、この混合物を空気中、温度9
00℃で5時間焼成した。得られた材料についてX線回
折測定を行った結果、JCPDSファイルに登録された
LiCoO2 のピークと良く一致していた。このLiC
oO2 を粉砕し、レーザ回折法で得られる累積50%粒
径が15μmのLiCoO2 粉末を作製した。そして、
このLiCoO2 粉末95重量部と炭酸リチウム粉末5
重量部を混合し、この混合物の87重量部、導電剤とし
て鱗片状黒鉛(商品名KS−15、ロンザ社製)8重量
部、ピッチ系粒状炭素(d002=0.337nm、L
c=30nm、嵩密度=0.57g/cm3 、累積50
%粒径=16μm)2重量部、結着剤としてポリフッ化
ビニリデン3重量部を混合して正極合剤を調整し、これ
を溶剤であるN−メチルピロリドンに分散させてスラリ
にした。このスラリを厚さが20μmの帯状アルミニウ
ム箔である正極の集電体3の両面に塗布し、乾燥させた
後、所定の圧力で圧縮成形して帯状の集電体3に正極合
剤層を形成した。
【0050】次に、図1に示したように、負極合剤層が
形成された負極の集電体3に、その長手方向の一つの稜
に斜辺が形成された電極リード4(負極リード)を溶接
して負極電極を作製した。同様にして、正極合剤層が形
成された正極の集電体3に、その長手方向の一つの稜に
斜辺が形成された電極リード4(正極リード)を溶接し
て正極電極を作製した。この場合、電極リード4と集電
体3との接合面は電極リード4の斜辺が形成されていな
い側である。電極リード4に形成される斜辺は、板厚t
方向の長さがAであり、幅W方向の長さがBである。本
実験例では、負極の電極リード4としてニッケル製のも
のを用い、正極の電極リード4としてアルミニウム製の
ものを用いた。これらの外形寸法は同様であり、各々の
板厚tは1mmであり幅Wは5mmである。そして、A
の値が0.01mm、0.02mm、0.10mm、
0.50mm、0.70mm、0.90mmのように
(0.01×t)〜(0.90×t)の範囲で変化さ
せ、Bの値が0.05mm、0.10mm、0.25m
m、0.50mm、1.50mm、2.00mm、2.
25mm、2.50mmのように(0.01×W)〜
(0.50×W)の範囲で変化させたものを組み合わせ
た計48通りの正極電極および負極電極を作製した。
【0051】次に、負極合剤層が形成され電極リード4
が溶接された負極電極と正極合剤層が形成され電極リー
ド4が溶接された正極電極を、たとえば厚さが25μm
の微多孔性ポリプロピレンフィルムで構成されたセパレ
ータ7を介して、負極電極、セパレータ7、正極電極、
セパレータ7の順に積層してから複数回巻回し、外形1
8mmの電池素子を作製した。
【0052】次に、ニッケルメッキを施した鉄製の電池
缶内の底部に絶縁板を配設し、その上から作製した電池
素子を収納し、またその上に絶縁板を配設し、正極の電
極リード4を電池蓋に溶接するとともに負極の電極リー
ド4を電池缶の底部に溶接した。
【0053】次に、電池缶内にエチレンカーボネートと
ジメチルカーボネートとの等容量混合溶媒中にLiPF
6 を1mol/lの割合で溶解した電解液を注入した。
【0054】次に、アスファルトで表面を塗布した封口
ガスケットを介して電池缶をかしめることにより、電流
遮断機構を有する安全弁装置、PTC素子および電池蓋
を固定し、電池内の機密を保持させ、直径18mm高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0055】実験例2 本実験例は、図2に示したように、電極リード4のセパ
レータ7と接する側であるとともに長手方向に形成され
ている二つの稜に円弧辺が形成されているものを用いて
非水電解液二次電池を作製した事例である。本実験例
は、実験例1に示した事例の斜辺が形成された電極リー
ド4の代わりに、円弧辺を形成した電極リード4を用い
て実験例1と同様の工程を経て直径18mm高さ65m
mの円筒型非水電解液二次電池を作製した。なお、電極
リード4と集電体3との接合面は電極リード4の円弧辺
が形成されていない側である。また、負極の電極リード
4と正極の電極リード1の材質および外形寸法は同様で
あり、曲率半径Rの値は0.01mm、0.02mm、
0.05mm、0.10mm、0.30mm、0.40
mm、0.45mm、0.50mm、1.00mm、
2.50mm、3.00mm、4.00mm、5.00
mm、6.25mmのように(0.01×t)〜(1.
25×W)の範囲で変化させた計14通りのものを作製
した。
【0056】実験例3 本実験例は、図3に示したように、電極リード4の長手
方向に形成されている四つの稜全てに円弧辺が形成され
ているものを用いて非水電解液二次電池を作製した事例
である。本実験例は、実験例1に示した事例の斜辺が形
成された電極リード4の代わりに、四つの稜全てに円弧
辺を形成した電極リード4を用いて実験例1と同様の工
程を経て直径18mm高さ65mmの円筒型非水電解液
二次電池を作製した。また、負極の電極リード4と正極
の電極リード4の材質および外形寸法は同様であり、曲
率半径Rの値は0.01mm、0.02mm、0.05
mm、0.10mm、0.30mm、0.40mm、
0.45mm、0.50mm、1.00mm、2.50
mm、3.00mm、4.00mm、5.00mm、
6.25mmのように(0.01×t)〜(1.25×
W)の範囲で変化させた計14通りのものを作製した。
【0057】比較例1 本比較例は、実験例1〜3の事例と比較するため、全く
斜辺や円弧辺を形成しない従来の電極リード4(負極リ
ードおよび正極リードの何れにも)を用いたものであ
り、他は実験例1と同様の工程を経て直径18mm高さ
65mmの円筒型非水電解液二次電池を作製した。
【0058】実験例1〜3および比較例1で作製した円
筒型非水電解液二次電池について、最大充電電圧4.2
V、充電電流1Aで3時間充電を行い、各々の電池の開
回路電圧V1を測定した。次に、24時間放置後に電池
の開回路電圧V2を測定し、V1とV2との差が0.2
V以上のものを不良品と判定し、良品率を算出した。実
験例1の事例の結果は表1に示し、実験例2および3の
事例の結果は表2に示す。なお、比較例1の事例では良
品率が95.0%であった。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】表1から明らかなように、電極リード4の
セパレータ7と接する側であるとともに長手方向の稜に
斜辺を形成し、且つ、斜辺の板厚t方向の長さA寸法が
0.02mm〜0.50mmであり、斜辺の幅W方向の
長さBの値が0.10mm〜2.00mmの範囲内のも
のの良品率は95.5%以上であった。すなわち、A寸
法が0.02×t以上0.50×t以下で、B寸法が
0.02×W以上0.40×W以下の、表1において太
線で囲まれ、本発明が適用された事例のものは、従来良
品率95.0%が限界であったものと比較して、0.5
%〜2%良品率の向上を図ることができ、本発明の有効
性を確認することができた。
【0062】また、表2から明らかなように、電極リー
ド4のセパレータ7と接する側であるとともに長手方向
の稜に、曲率半径Rが0.02mm以上の円弧辺を形成
した実験例2および長手方向四カ所の稜全てに、曲率半
径Rが0.02mm以上の円弧辺を形成した実験例3の
ものの良品率は96.0%以上であった。すなわち、R
寸法が0.02×t以上1.25W以下の、表2におい
て太線で囲まれ、本発明が適用された事例のものは、従
来良品率95.0%が限界であったものと比較して、1
%〜4.7%良品率の向上を図ることができ、本発明の
有効性を確認することができた。
【0063】上記した実験例1では、電極リード4のセ
パレータ7と接する側であるとともに長手方向に形成さ
れている一つの稜に斜辺を形成した事例を示したが、本
発明はこれに限定されるものではない。たとえば、電極
リード4のセパレータ7と接する側であるとともに長手
方向に形成されている二つの稜に斜辺を形成したもので
も良い。また、電極リード1の長手方向に形成されてい
る稜に円弧辺を形成するものでは、電極リード1のセパ
レータ7と接する側の一つの稜に円弧辺を形成したもの
でも良い。
【0064】
【発明の効果】本発明の電池用電極の製造方法によりセ
パレータを損傷させる虞のない電極を提供することがで
きる。そして、この電極を用いて作製された電池はサイ
クル特性が良好な高信頼性を有する電池を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電極リードの概略断面図である。
【図2】 本発明の電極リードの概略断面図である。
【図3】 本発明の電極リードの概略断面図である。
【図4】 従来の電池の概略断面図である。
【図5】 従来の電極素子の概略外観斜視図である。
【符号の説明】 1…負極、2…負極合剤層、3…集電体、3a…負極集
電体、3b…正極集電体、4…電極リード、4a…負極
リード、4b…正極リード、5…正極、6…正極合剤
層、7…セパレータ、8…絶縁板、9…電池缶、10…
封口ガスケット、11…電池蓋、12…安全弁装置、1
3…PTC素子、14…センターピン、15…粘着テー
プ、16…電池素子
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01M 10/40 H01M 10/40 Z

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、 集電体上に電極合剤層を形成する工程と、 前記集電体と電気的に接続する帯状の電極リードを固着
    する工程とを有する電池用電極の製造方法において、 前記電極リードの前記集電体との接合面の反対面側であ
    るとともに長手方向に形成されている少なくとも一つの
    稜に、内角側に中心を有する円弧辺と斜辺の何れか一方
    が形成されていることを特徴とする電池用電極の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記電極リードの板厚をtとして長手方
    向と直交する方向の幅をWとしたとき、 前記斜辺を形成する前記板厚方向の長さが0.02t以
    上0.5t以下であるとともに、前記幅方向の長さが
    0.02W以上0.4W以下であることを特徴とする請
    求項1に記載の電池用電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極リードの板厚をtとして長手方
    向と直交する方向の幅をWとしたとき、 前記円弧辺の曲率半径が0.02t以上1.25W以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の電池用電極の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電極合剤層が、少なくともニッケル
    水酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の
    電池用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電極合剤層が、少なくともカドミウ
    ムおよび水素吸蔵合金の何れか一種を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の電池用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電極合剤層が、少なくとも金属複合
    酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載の電
    池用電極の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電極合剤層が、少なくともリチウム
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の電池用電
    極の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電極合剤層が、少なくとも遷移金属
    複合酸化物を含有することを特徴とする請求項1に記載
    の電池用電極の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記電極合剤層が、少なくともリチウム
    をドープし、且つ脱ドープ可能な炭素材料を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電池用電極の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記炭素材料が、少なくとも難黒鉛化
    性炭素材料および黒鉛材料の何れか一種であることを特
    徴とする請求項9に記載の電池用電極の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の電池用電極の製造方
    法により作製されたことを特徴とする電極。
  12. 【請求項12】 少なくとも、 正極集電体上に正極合剤層を形成した正極と負極集電体
    上に負極合剤層を形成した負極とを、セパレータを介し
    て対向配置するとともに渦巻状に巻回した電池素子と、 前記電池素子の前記渦巻状を臨む一方の面から突出し、
    前記正極集電体と電気的に接続する帯状の正極リード
    と、 他方の面から突出し、前記負極集電体と電気的に接続す
    る帯状の負極リードとを有する電池において、 前記正極リードの前記セパレータと接する側であるとと
    もに長手方向に形成されている少なくとも一つの稜に、
    内角側に中心を有する円弧辺と斜辺の何れか一方が形成
    され、 前記負極リードの前記セパレータと接する側であるとと
    もに長手方向に形成されている少なくとも一つの稜に、
    内角側に中心を有する円弧辺と斜辺の何れか一方が形成
    されていることを特徴とする電池。
  13. 【請求項13】 前記正極リードおよび前記負極リード
    の各々の板厚をtとして長手方向と直交する方向の幅を
    Wとしたとき、 前記斜辺を形成する前記板厚方向の長さが0.02t以
    上0.5t以下であるとともに、前記幅方向の長さが
    0.02W以上0.4W以下であることを特徴とする請
    求項12に記載の電池。
  14. 【請求項14】 前記正極リードおよび前記負極リード
    の各々の板厚をtとして長手方向と直交する方向の幅を
    Wとしたとき、 前記円弧辺の曲率半径が0.02t以上1.25W以下
    であることを特徴とする請求項12に記載の電池。
  15. 【請求項15】 前記正極合剤層が少なくともニッケル
    水酸化物を含有し、 前記負極合剤層が少なくともカドミウムおよび水素吸蔵
    合金の何れか一方を含有することを特徴とする請求項1
    2に記載の電池。
  16. 【請求項16】 前記正極合剤層が少なくとも金属複合
    酸化物を含有し、 前記負極合剤層が少なくともリチウムを含有することを
    特徴とする請求項12に記載の電池。
  17. 【請求項17】 前記正極合剤層が少なくとも遷移金属
    複合酸化物を含有し、 前記負極合剤層が少なくともリチウムをドープし、且つ
    脱ドープ可能な炭素材料を含有することを特徴とする請
    求項12に記載の電池。
  18. 【請求項18】 前記炭素材料が少なくとも難黒鉛化性
    炭素材料および黒鉛材料の何れか一種であることを特徴
    とする請求項17に記載の電池。
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