JPH11274555A - 半導体素子 - Google Patents

半導体素子

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JPH11274555A
JPH11274555A JP7968298A JP7968298A JPH11274555A JP H11274555 A JPH11274555 A JP H11274555A JP 7968298 A JP7968298 A JP 7968298A JP 7968298 A JP7968298 A JP 7968298A JP H11274555 A JPH11274555 A JP H11274555A
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electrode
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JP7968298A
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Hisayuki Miki
久幸 三木
Akira Fukizawa
朗 蕗澤
Mineo Okuyama
峰夫 奥山
Masaharu Oshima
正治 尾嶋
Hiroshi Fujioka
洋 藤岡
Kanta Ono
寛太 小野
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化ガリウム系化合物半導体のp型層に対し
て、低抵抗のオーミック性電極を形成することができる
電極部の構造を開発し、レーザーダイオード等の半導体
素子の特性を改良する。 【解決手段】 窒化ガリウム系化合物半導体からなる半
導体層と該半導体層上に形成された半導体からなるコン
タクト層と、該コンタクト層上に形成された金属からな
る電極とを有する半導体素子において、上記コンタクト
層のバンドギャップを、半導体層側から電極に向かって
連続的にあるいは階段状に狭くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化ガリウム(G
aN)系化合物半導体(Alx Gay In1-x-yN:但
し、0≦x<1、0≦y≦1、0<x+y≦1)からな
る半導体層を有する半導体素子に係わり、特に低抵抗の
オーミック接触が得られる電極を形成するために、改良
された電極部の構造を有する半導体素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、短波長光発光素子用の半導体材料
としてGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。
GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶を始めとし
て、種々の酸化物単結晶やIII −V族化合物単結晶を基
板として、その上に有機金属化学気相成長法(MOCV
D法)や水素化物気相エピタキシー法(HVPE法)、
分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成され
る。
【0003】窒化ガリウム系化合物半導体で形成された
半導体層を素子として利用するためには、該半導体層の
表面に金属製の電極を接触させる。電極を通じて半導体
層に効率的に電流を注入するには、電極と半導体層との
電気的な接触がオーミック性の接触をなしていることに
加え、接触抵抗値が小さいことが望ましい。
【0004】しかしながら、従来、窒化ガリウム系化合
物半導体に代表される大きなバンドギャップを持つ半導
体では、特にp型の導電性を有する半導体層の電極にお
いて抵抗値が十分低いオーミック接触を実現させること
は困難であった。
【0005】一般に大きなバンドギャップを持つp型半
導体に対してオーミック性の接触を形成するためには、
(1)大きな仕事関数を持った金属を接触させる、
(2)電極形成する層を高キャリア濃度層とする、
(3)半導体と金属電極との界面にバンド間準位を形成
するなどの方法が用いられる。しかし、一般の狭いバン
ドギャップを持つ半導体の場合に採用される(1)は、
大きなバンドギャップを持つ半導体では、有効ではな
い。窒化ガリウム系化合物半導体の価電子帯は、ほとん
どの金属の仕事関数よりも深いエネルギー位置にあるか
らである。また、(2)の方法は、p型の窒化ガリウム
系化合物半導体に関しては、p型ドーパントであるMg
の活性化率が低いため、高キャリア濃度層の作製が困難
である。p型ドーパントの高濃度ドープは表面モフォロ
ジーの悪化を招き、現在のところ窒化ガリウム系化合物
半導体の高濃度ドープ層は達成されていない。
【0006】(3)の方法は、p型の窒化ガリウム系化
合物半導体にオーミック性の接触を形成するために、現
在最も多く採用されている。すなわち多くの場合、例え
ばp型GaN層にNiなどの金属の層を形成し、熱処理
を施して半導体層との界面に合金化層を形成し、バンド
間準位を発生させる方法でオーミック接触を形成してい
る。しかしながら、この方法で形成されたバンド間準位
を介したオーミック接触は、高い抵抗値を示すことが多
い。また、合金化層の形成条件によって結果にバラツキ
が生じ、安定したオーミック接触の作製を行うことがで
きない。現在窒化ガリウム系化合物半導体が多く用いら
れている発光ダイオードであれば、(3)の方法で形成
される電極を用いることで素子の機能をある程度引き出
すことができる。しかしながら、レーザーダイオードを
始めとする大電流密度を必要とする素子では、この方法
による電極は接触抵抗が高いため、使用に耐えない。
【0007】そこで、p型窒化ガリウム系化合物半導体
からなる素子に低い接触抵抗のオーミック性の電極を形
成する方法として、電極と窒化ガリウム系化合物半導体
との間に、窒化ガリウム系化合物半導体より狭いバンド
ギャップを有する半導体からなる層を形成する技術が公
開されている。特開平8−97468では、p側電極が
設けられる半導体層を、少なくとも電極側表面がp型I
x Ga1-x N(0<x<1)、p型GaAsまたはp
型GaP、p型Iny Ga1-y As(0<y<1)また
はp型Iny Ga1-y P(0<y<1)とすることによ
って、低抵抗のオーミック性接触を得られるとしてい
る。また、特開平8−213651は窒化ガリウム系化
合物半導体と電極との間にGaPx1-x (x≧0.
9)層とGaPy1-y (y≦0.1)層を交互に積層
した多層膜を有することによって、また、同様に特開平
8−213653はGaPx1-x (0.1≦x≦0.
9)層を有することによって、低抵抗のオーミック性接
触を得ることが可能であるとしている。なお本明細書に
おいては、これらの先行技術に記述のある半導体層を含
めて、窒化ガリウム系化合物半導体からなる半導体層と
金属からなる電極との間に形成される、窒化ガリウム系
化合物半導体からなる半導体層よりも狭いバンドギャッ
プを持つ電極を形成するための半導体の層をコンタクト
層と呼ぶこととする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者らの
実験によると、上記した先行技術に記載されているよう
に、狭いバンドギャップを有する半導体を単層でコンタ
クト層として電極と窒化ガリウム系化合物半導体からな
る半導体層との間に挿入するだけでは、十分に電極の接
触抵抗を低減することはできなかった。図1に、大きい
バンドギャップを持つp型の半導体と電極金属との間
に、単層からなるp型の半導体からなるコンタクト層を
挟んだ場合のバンド構造の図を示す。図1で、1は金属
の仕事関数を示し、1’、1’’は窒化ガリウム系化合
物半導体およびコンタクト層の各々のフェルミレベルを
示し、2はコンタクト層の価電子帯、3は窒化ガリウム
系化合物半導体の価電子帯を示す。金属と半導体との接
触は、金属の仕事関数と各半導体のフェルミレベルを一
致させるように形成されるので、p型半導体であるコン
タクト層および窒化ガリウム系化合物半導体層の価電子
帯2、3のエネルギー位置は図1のようになる。図1か
ら判る通り、狭いバンドギャップを有するp型半導体を
コンタクト層として用いると、電極とコンタクト層との
界面6にはショットキーバリアが形成されず、コンタク
ト層と電極との間ではオーミック性の接触を実現するこ
とができる。しかし、コンタクト層と半導体層との界面
7にポテンシャルバリア8が形成される。結果として、
コンタクト層を挟んだ電極と半導体との間には高いポテ
ンシャルバリアが存在することとなり、接触抵抗の高い
オーミック接触を示すか、ショットキー接触を示すこと
となる。
【0009】つまり、上記の先行例に記載されたように
電極と半導体との間にInGaN、GaAs、GaP、
GaPNなど、電極を形成しようとする窒化ガリウム系
化合物半導体よりも極端にバンドギャップが狭く、金属
の仕事関数よりも深いエネルギー位置に価電子帯が来る
ような半導体でコンタクト層を1層だけ形成した電極部
の構造では、窒化ガリウム系化合物半導体層とコンタク
ト層との間にポテンシャルバリアが形成され、半導体と
電極との間にオーミック性の接触を形成することができ
ない。一方、コンタクト層とGaNとの間にポテンシャ
ルバリアを形成しない程度の比較的広いバンドギャップ
を持つ半導体でコンタクト層を形成した場合には、金属
とコンタクト層との界面にショットキーバリアが形成さ
れるのを避けることはできない。従って、従来の単層で
構成されるコンタクト層を電極とp型窒化ガリウム系化
合物半導体の間に形成しただけでは、半導体への効果的
な電流注入は達成できなかった。
【0010】そこで本発明の目的は、大きいバンドギャ
ップを持つ半導体、特に窒化ガリウム系化合物半導体の
p型層に対して、低抵抗のオーミック性電極を形成する
ことができる電極部の構造を開発し、レーザーダイオー
ド等の半導体素子の特性を改良することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化ガリウム
系化合物半導体(Alx Gay In1-x-y N:但し、0
≦x<1、0≦y≦1、0<x+y≦1)からなる半導
体層と 該半導体層上に形成された半導体からなるコン
タクト層と、該コンタクト層上に形成された金属からな
る電極とを有する半導体素子において、上記コンタクト
層のバンドギャップが、半導体層側から電極に向かっ
て、連続的にあるいは階段状に狭くなることを特徴とす
る。
【0012】また本発明は、窒化ガリウム系化合物半導
体(Alx Gay In1-x-y N:但し、0≦x<1、0
≦y≦1、0<x+y≦1)からなる半導体層と、該半
導体層上に形成された半導体からなるコンタクト層と、
該コンタクト層上に形成された金属からなる電極とを有
する半導体素子において、上記コンタクト層が、GaA
y1-y (0<y<0.2)からなることを特徴とす
る。
【0013】また本発明は、窒化ガリウム系化合物半導
体(Alx Gay In1-x-y N:但し、0≦x<1、0
≦y≦1、0<x+y≦1)からなる半導体層と、該半
導体層上に形成された半導体からなるコンタクト層と、
該コンタクト層上に形成された金属からなる電極とを有
する半導体素子において、上記コンタクト層が、GaA
y1-y (0<y<0.2)からなり、かつ該コンタ
クト層のバンドギャップが、半導体層側から電極に向か
って、連続的にあるいは階段状に狭くなることを特徴と
する。
【0014】上記本発明は、窒化ガリウム系化合物半導
体からなる半導体層がp型の導電性を有し、かつ上記コ
ンタクト層がp型の導電性を有する場合に特に好適に用
いることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記の目的を達成
するために、窒化ガリウム系化合物半導体で形成された
半導体素子に対して効果的に電流を注入できる電極部の
構造について鋭意検討を行った結果、窒化ガリウム系化
合物半導体からなる半導体層と電極との間に、半導体層
側から電極側に向かって連続的にあるいは階段状にバン
ドギャップが狭くなるようなコンタクト層を形成するこ
とにより、接触抵抗値の小さいオーミック性の電極を形
成することができることを見出した。
【0016】異なるバンドギャップを有する半導体同士
を接触させると、界面にはポテンシャルバリアが形成さ
れることは前述した。形成されるバリアの大きさは、接
触させた半導体の間のバンドギャップの差に依存する。
つまり、界面でのバンドギャップの差が小さい材料同士
の界面に形成されるバリアは小さい。このことより、半
導体から電極に向かって連続的にあるいは階段状にバン
ドギャップが狭くなるようなコンタクト層においては、
バンドギャップが変化する界面で接触する半導体間のバ
ンドギャップの差を小さく抑えて、各界面に形成される
ポテンシャルバリアを小さくすることができる。これに
より、単層でコンタクト層を構成した場合よりも半導体
と電極との間に形成されるバリアを小さく抑えることが
できる。
【0017】本発明に係わる階段状にバンドギャップが
狭くなるようなコンタクト層は、コンタクト層を2層以
上の半導体の層からなる多層構造とすることで作製でき
る。すなわち、窒化ガリウム系化合物半導体からなる半
導体層上に形成される第1の層は、窒化ガリウム系化合
物半導体からなる半導体層よりもやや小さいバンドギャ
ップを持つ半導体とし、第1の層上に形成される第2の
層は、第1の層よりも更にやや小さいバンドギャップを
持つ半導体とする。このようにコンタクト層をなす半導
体各層のバンドギャップを順次狭くし、金属からなる電
極を形成する表面の層に向かってコンタクト層のバンド
ギャップエネルギーが次第に狭くなるように構成する。
このようなコンタクト層の例として、コンタクト層を3
層構造として構成した場合のバンド構造を、模式的に図
2に示す。図2において、1は金属の仕事関数を示し、
1’、1’’は各々窒化ガリウム系化合物半導体および
コンタクト層のフェルミレベルを示し、2a、2b、2
cはコンタクト層の各層の価電子帯、3は窒化ガリウム
系化合物半導体の価電子帯を示す。接触は金属の仕事関
数1と半導体のフェルミレベル1’、1’’のエネルギ
ー位置を一致させるようにして形成される。よって、コ
ンタクト層の各層の価電子帯のエネルギー2a、2b、
2cおよび窒化ガリウム系化合物半導体の価電子帯3の
エネルギーは図2に示したようになり、各半導体の層が
接触する界面7a、7b、7cには、それぞれ8a、8
b、8cのポテンシャルバリアが形成される。前に図1
に示した単層からなるコンタクト層を用いた場合のポテ
ンシャルバリア8と比較して、これらの形成されるポテ
ンシャルバリア8a、8b、8cは、全体として小さ
い。
【0018】本発明に係わるコンタクト層は、階段状に
バンドギャップが変化する以外にもバンドギャップが連
続的に変化し、半導体層側から電極に向かってバンドギ
ャップが狭くなるように構成することができる。この様
なコンタクト層において形成されるポテンシャルを、図
3に模式的に示した。図1、2と同様に、1は金属の仕
事関数を示し、1’、1’’は各々窒化ガリウム系化合
物半導体およびコンタクト層のフェルミレベルを示し、
2はコンタクト層の各層の価電子帯、3は窒化ガリウム
系化合物半導体の価電子帯を示す。接触はこれらのエネ
ルギー位置を一致させるようにして形成されるので、コ
ンタクト層の価電子帯2および窒化ガリウム系化合物半
導体の層の価電子帯3のエネルギーは図3に示したよう
になる。このように連続的にバンドギャップが変化する
コンタクト層を形成すると、バンドギャップの異なる2
種類の半導体が接触する界面は存在せず、ポテンシャル
バリアが形成されない。
【0019】バンドギャップが半導体層側から電極に向
かって連続的にあるいは階段状に狭くなるようなコンタ
クト層を形成する場合、コンタクト層を構成する材料に
は種々の半導体を用いることができる。しかし、コンタ
クト層をなす半導体は、窒化ガリウム系化合物半導体か
らなる層よりもバンドギャップが小さい必要があること
は言うまでもない。コンタクト層を構成する各層の材料
は、各層毎に異なる材料を用いても良いし、同じ材料を
含む混晶であって組成の異なる材料を用いても良い。
【0020】しかし、エピタキシャル成長によってコン
タクト層を積層する場合、格子定数の大きく異なる材料
を接触させて積層することは困難である。したがって、
コンタクト層を構成する各層毎に異なる材料を用いるよ
りも、組成の異なる同じ材料を用いることが、エピタキ
シャル成長によってコンタクト層を積層するためには有
利である。そのために、例えば半導体層がGaNであっ
た場合、GaNよりも小さなバンドギャップを有する材
料として、InGaN、GaAsN、GaPNなどをコ
ンタクト層として用いることができる。
【0021】半導体層がGaNであった場合に、コンタ
クト層のバンドギャップを半導体層側から電極に向かっ
て階段状に狭くなるように構成するためには、前述した
InGaN、GaAsN、GaPNなどをコンタクト層
の材料として用い、その組成を階段状に変化させればよ
い。具体的には、InGaNからなるコンタクト層の場
合はInの組成を階段状に増やせばよく、GaAsNか
らなるコンタクト層の場合はAsの組成を階段状に増や
せばよく、GaPNからなるコンタクト層の場合はPの
組成を階段状に増やせばよい。また、半導体層がGaN
であった場合に、コンタクト層のバンドギャップを半導
体層側から電極に向かって連続的に狭くなるように構成
する場合には、前述したInGaN、GaAsN、Ga
PNなどをコンタクト層の材料として用い、組成を連続
的に変化させればよい。具体的には、それぞれInGa
N、GaAsN、GaPNからなるコンタクト層の場合
には、それぞれIn、As、Pの組成を連続的に増やせ
ばよい。
【0022】本発明に係わるコンタクト層を、InGa
N、GaAsN、GaPNなどの組成の異なる同じ材料
で作製する場合、コンタクト層の材料は組成の変化量に
対するバンドギャップの変化量が大きいことがより望ま
しい。コンタクト層の材料の組成を変化させると、組成
の変化に伴って格子定数が変化する。下地の窒化ガリウ
ム系化合物半導体の結晶とコンタクト層の格子定数が大
きく異なると、前述のようにエピタキシャル成長が難し
くなる。そこで、コンタクト層の材料として組成の変化
量に対するバンドギャップの変化量が大きいものを選ぶ
と、格子定数を大きく変化させずにバンドギャップを大
きく変化させることができる。
【0023】そのため本発明に係わるコンタクト層の材
料としては、GaAsNと表記されるAsを含む窒化ガ
リウム系化合物半導体混晶で構成することが望ましい。
GaAsNの組成は、GaAsy1-y と表記したとき
のyによって表す。GaAsNのバンドギャップは、図
4に示すようなAs組成に対する依存性を示すことが知
られている(S.Sakai et al.、Jpn.
J. Appl. Phys.、32(1993)、
4413.、他)。この図から判るようにGaNにAs
をV族元素として含んだ場合、Asの組成が大きくなる
とバンドギャップが小さくなる。またGaAsNは、G
aNに少量のAsを加えただけでバンドギャップが大き
く減少するという特徴がある。これにより、GaNより
も小さなバンドギャップを持つGaAsNは、GaNに
少量のAsを加えただけでGaN結晶に格子整合したの
と近い形で積層することが可能であり、窒化ガリウム系
化合物半導体と電極との間のコンタクト層として望まし
い材料である。更にGaAsNは、As組成の変化に対
するバンドギャップの変化が大きいため、小さなAs組
成の変化で望むようにバンドギャップを変えることが可
能である。このため、GaAsNからなるコンタクト層
は該層内の格子定数の変化を小さく抑えながらバンドギ
ャップを変えることが可能であり、層内で組成が変化す
るコンタクト層を積層するのに有利である。
【0024】図4に示すように、GaAsNはAs組成
が0.2近くになったところでバンドギャップが0にな
る。コンタクト層に用いるGaAsNの組成がGaNか
ら離れる程に、GaNとコンタクト層との格子定数の差
が大きくなり、GaAsNからなるコンタクト層をGa
Nに格子整合させてエピタキシャル成長させることが困
難となる。そこでGaN上にGaAsN混晶でコンタク
ト層を作製する場合、コンタクト層の組成は、バンドギ
ャップが0以上である組成のうちのGaN側、つまりG
aAsy1-y において0<y<0.2であることが望
ましい。
【0025】階段状にバンドギャップが狭くなるような
コンタクト層は、超格子構造を用いても作製できる。量
子効果を発揮するような小さな膜厚で構成された超格子
においては、膜厚を変化させることによってバンドギャ
ップを制御することができる。このような構造は、例え
ばセレン化亜鉛系化合物半導体からなる発光素子におい
て報告されている(F.Hiei、et al.、El
ectronics Letters、29(199
3)、878〜879頁)。この効果を利用して、窒化
ガリウム系化合物半導体側から電極側へ次第に量子井戸
層の膜厚が大きくなるように超格子を形成し、半導体か
ら電極層へ向かってバンドギャップが小さくなっていく
バンド構造を形成することができる。障壁層を形成する
層は、膜厚を非常に薄く形成することで、トンネル効果
による電流を流通させることができる。
【0026】本発明に係わるコンタクト層の形成は、ど
の様な方法によっても構わない。GaAsNからなるコ
ンタクト層を形成する場合を例にとって説明すると、M
OCVD法による窒化ガリウム系化合物半導体層の成長
が終了した後に、引き続き同じ反応炉にトリメチルガリ
ウム(TMG)などのGa原料と、アルシン(AsH
3 )およびアンモニア(NH3 )を流通することによ
り、窒化ガリウム系化合物半導体層上にコンタクト層を
成長することができる。またこの場合、ビスシクロペン
タジエニルマグネシウム(Cp2 Mg)やジメチル亜鉛
(DMZn)などをコンタクト層の成長時に流通するこ
とで、MgやZnをコンタクト層にドープし、コンタク
ト層をp型導電性とすることができる。
【0027】同様に、窒化ガリウム系化合物半導体層を
MBE法により成長した後で、引き続き同じ反応炉でG
aの原料フラックスとともに、As、Nの原料のフラッ
クスあるいはAsH3 、NH3 などのV族元素を含む水
素化物などを照射することによっても、GaAsNから
なるコンタクト層を形成することができる。またこの場
合、MgやZnなどのビームをコンタクト層の成長と同
時に照射することによって、MgやZnをコンタクト層
にドープし、コンタクト層をp型化することができる。
【0028】また、窒化ガリウム系化合物半導体層を形
成した基板は、一旦該半導体層の成長に用いた反応炉の
外に取り出した後でも、湿式の表面処理を行った後でG
aAsNの成長が可能な反応炉に導入してGaAsN層
の成長を行うことによって、本発明に係わるコンタクト
層を形成することができる。このとき、コンタクト層形
成用の反応炉としてMBE装置やMOCVD装置を用
い、MBE法やMOCVD法によってコンタクト層を形
成することができる。
【0029】またGaAsNからなるコンタクト層は、
GaNからなる半導体層の表面の領域において、Asに
よってGaN半導体結晶のN原子を置き換えることによ
っても形成することができる。このようなNを置き換え
る工程によって、連続的に組成の変化するGaAsN層
を形成することができる。つまり、Nを置き換えたAs
原子は表面からの深さに従って減っていき、Asの浸透
できない深さでは元の窒化ガリウム系化合物半導体であ
る。このようなAs組成の傾斜を持つGaAsNの層
は、半導体層側から電極に向かって連続的にバンドギャ
ップが狭くなるコンタクト層として用いることができ
る。置換処理を行う反応炉として、MBE装置やMOC
VD装置やイオン注入装置を用いることができる。
【0030】上記の装置を用いたGaN半導体層のN原
子の置き換えによるコンタクト層の形成にあたっては、
一旦GaN層の成長を終えた基板を反応炉から取り出
し、湿式の表面処理を行った後で再び反応炉に入れて、
AsによるGaN半導体結晶のN原子の置換を行うこと
ができる。具体的には、反応炉としてMBE装置を用い
るのであれば、基板の温度を300度から900度の温
度に保持して、一定の時間に渡ってGaN系化合物半導
体にAsのフラックスを照射することでAsによるNの
置換処理を行うことができる。また、MOCVD装置を
用いるのであれば、基板の温度を300度から900度
の温度に保持して、一定の時間に渡ってArやH2 など
のキャリアガスと同時にAsH3 を流通することによっ
てAsによるNの置換処理を行うことができる。更に、
イオン注入装置を用いた場合には、装置内に載置した基
板に向けてAsイオンを照射することでGaN化合物半
導体についてのAsによるNの置換処理を行うことがで
きる。このような置換処理は、MOCVD装置やMBE
装置などの装置においてGaN半導体層の成長を終えた
後、基板を反応炉の外に取り出さず、該層の成長を行っ
たのと同じ反応炉内で該層の成長に引き続いて行うこと
も可能である。
【0031】同様に、GaN半導体層のN原子を燐
(P)に置き換えることによって、GaPNからなるコ
ンタクト層を形成することができる。置換処理を行う方
法は、Asによる置換と同様に、MBE装置やMOCV
D装置やイオン注入装置を用いて、上記の工程に準ずる
方法によって行うことができる
【0032】上記のGaNのN原子をAsやPで置き換
えることによってコンタクト層を形成する方法において
は、置き換え処理を行った後で該基板を熱処理を行うこ
とが望ましい。置き換え処理を行っただけでは、形成さ
れたコンタクト層で結晶の乱れを生じている可能性があ
る。しかし、熱処理を行うことによって、コンタクト層
の結晶の乱れを修復することができる。熱処理を行う温
度は、結晶の乱れを修正可能であるように、450度よ
りも高い温度が望ましい。しかしながら、1300度を
超える高温では、GaPNあるいはGaAsNの結晶の
昇華が起きるので、熱処理温度は1300度以下である
方が良い。また、熱処理を行う処理炉の中には、結晶の
昇華を防ぐ目的で、PH3 、AsH3 、NH3 などの半
導体結晶に含まれるV族元素を含む化合物を含むガスを
流通させておくことが望ましい。
【0033】また本発明は、p型の導電性を有する窒化
ガリウム系化合物半導体層上に電極を設ける場合に、特
に有効である。p型の窒化ガリウム系化合物半導体で
は、価電子帯がエネルギー的に深い位置にあるため、シ
ョットキーバリアを形成しない金属電極を形成できない
ことは既に述べた。本発明のコンタクト層を形成するこ
とにより、このようなバンドギャップの大きいp型の半
導体層に対して、オーミック性の接触をする電極を形成
することが可能となる。さらに、p型半導体層と金属か
らなる電極との間にコンタクト層を形成する場合には、
コンタクト層自体がp型の導電性を持つことが望まし
い。コンタクト層をp型とするために、コンタクト層に
はMgやZnなどのII族元素や、SiやGeなどのIV族
元素をドープすることができる。
【0034】本発明のコンタクト層に接触させて電極を
形成する金属は、Pt、Pd、Au、Niなどの、大き
な仕事関数を持つ金属とすることが望ましい。p側電極
に用いる金属としては、金属の仕事関数が、接触する半
導体の価電子帯のエネルギーに近い方が望ましい。窒化
ガリウム系化合物半導体においては、価電子帯が真空準
位から大きなエネルギーにあるため、仕事関数が大きい
金属を電極として用いた方が、ポテンシャルバリアを形
成せずに半導体に対してオーミック性の接触を形成しや
すい。また、仕事関数の大きな金属を用いることによ
り、コンタクト層内でのバンドギャップの変化量を小さ
く抑えることが可能となる。
【0035】また本発明では、コンタクト層上に金属か
らなる電極を形成するために、蒸着法やスパッタ法を用
いることができる。また、形成した電極とコンタクト層
との密着性の向上の目的で、熱処理を行うことができ
る。熱処理はArやN2 などの不活性ガス中で行い、温
度は400度から600度の間で行うことが好ましい。
400度以下では電極の密着性が得られない。600度
以上の温度では、結晶の表面に荒れを生じることがあ
る。
【0036】
【作用】本発明の意図するように、コンタクト層を連続
的または階段状にバンドギャップが狭くなるように構成
した場合、バンドギャップが変化する界面で接触する半
導体間のバンドギャップの差を小さく抑えて、各界面に
形成されるポテンシャルバリアを小さくすることができ
る。またコンタクト層の材料はGaAsN混晶が望まし
い。GaAsNはGaNに少量のAsを加えることによ
りバンドギャップが大きく減少するという特徴がある。
これにより、GaNよりも小さなバンドギャップを持つ
GaAsNは、GaN結晶に格子整合したのと近い形で
積層することが可能である。特にコンタクト層が、Ga
Asy1-y (0<y<0.2)からなり、かつ該コン
タクト層のバンドギャップが、半導体層側から電極に向
かって、連続的にあるいは階段状に狭くなる場合、該コ
ンタクト層はGaN層と格子整合したのと近い形で、し
かもコンタクト層内の格子定数の変化を小さく抑えなが
ら積層でき、かつポテンシャルバリアの形成を抑制する
ことができる。
【0037】
【実施例】(実施例1)本実施例1では、基板上に窒化
ガリウム系化合物半導体からなる半導体層が積層され、
該半導体層上に本発明に係わるコンタクト層が形成され
た半導体基板を用いて、発光素子(LED)を作製した
例を説明する。本実施例1で用いた半導体基板は、サフ
ァイア基板9上に、膜厚が20nmのAlNをバッファ
層10として、膜厚が1μmでキャリア濃度が1×10
18cm-3のSiをドープしたn型GaN層11、膜厚5
nmのIn0.3 Ga0.7 N活性層12、膜厚150nm
でMgをドープしたキャリア濃度5×1017cm-3のp
型AlGaNクラッド層13、膜厚500nmでMgを
ドープしたキャリア濃度5×1017cm-3のp型GaN
層15を順に積層した半導体基板である。この半導体基
板のp型GaN層15上に、各々Mgを5×1019cm
-3ドープしたGaAs0.010.99からなる第1の層16
a、GaAs0.050。95からなる第2の層16b、Ga
As0.10.9 からなる第3の層16cの3層からなる
コンタクト層16を形成し、図5に断面図を示すような
発光素子を形成した。
【0038】コンタクト層の形成は以下の手順で行っ
た。まず、MOCVD法によりサファイア基板上に半導
体の層の成長が終わった後、半導体基板を一旦反応炉か
ら取り出した。取り出した半導体基板を硫酸と過酸化水
素の1:1の混合溶液に10分間含浸したのち、イオン
交換水の流水で5分間洗浄した。続いて同試料を濃塩酸
に10分間含浸し、同様にイオン交換水の流水で5分間
洗浄した。洗浄終了後、乾燥させた窒素ガスで半導体基
板の表面をブローして水滴を除去した。
【0039】この半導体基板を、試料導入用のチャンバ
ー、反応用のチャンバー、反応用のチャンバーには赤外
線式の試料加熱装置、Asのセル、Gaのセル、Mgの
セル、およびNH3 とrfクラッカーを搭載したMBE
装置中に導入した。半導体基板を導入用のチャンバーか
ら反応用のチャンバーに移送した後、反応チャンバーの
圧力を1×10-11 Torrになるまで真空引きした。
真空度を確認後、半導体基板の後ろ側に取り付けられた
赤外線加熱装置を用いて、基板温度を550℃まで上昇
させた。基板温度が上昇するのを待つ間に、Ga、A
s、Mgの各セルの温度を900度、700度、700
度に昇温した。基板温度が安定してから、NH3 のrf
クラッカーの出力を上げてNラジカルのビーム照射を開
始し、同時にGaとAsのセルの射出口を遮っていたシ
ャッタを開けて、AsビームおよびGaビームを照射し
た。また、極微量のMgのビームも、同時に照射を開始
した。初めの10分間は、NH3 から発生するNラジカ
ルのビームとAsのビームに含まれる原子のモル比を9
9:1となるように調節した。ビームを10分間照射し
たのち、Nラジカルの照射量とAsビームの照射量を変
化させて、95:5となるようにした。この状態で更に
10分間放置した後、今度はNラジカルの照射量とAs
ビームの照射量を、10:90となるように変化させ
た。10分間ビームを照射したあと、シャッタを閉じて
各ビームの照射を停止した。ビームの照射を停止した後
は、再び真空度が1×10-11 Torrまで下がるのを
待ってから、基板の温度を室温まで降温した。降温を確
認した後、半導体基板をビームを照射した真空チャンバ
ーから導入用のチャンバーに移送し、大気中に取り出し
た。
【0040】以上の作業によって、p型GaN層15表
面には、16a、16b、16cの3層からなる、Mg
をドープされたp型のGaAsNからなるコンタクト層
16が形成された。形成されたコンタクト層の構造を確
認するために、同じ手順によってGaN基板上に3層か
らなるGaAsNの層を成長した基板を、断面TEMに
て観察した。その結果、コンタクト層を構成する各層の
膜厚は100nmであり、全体として300nmの膜厚
を持つコンタクト層が形成されていた。また、断面TE
M装置に搭載されたエネルギー分散X線分光法(ED
S)により、各層の組成はp型GaN層側から、GaA
0.010.99、GaAs0.050。95、GaAs0.1
0.9 であることが判った。従って、バンドギャップはp
型GaN層15では3.42eVであり、これに接触す
るコンタクト層の第1層目16aは3.18eV、第2
層目16bでは2.33eV、第3層目16cでは1.
36eVとなり、GaN層側から表面に向かって階段状
に狭くなっている。また、各層にはp型ドーパントであ
るMgがドープされており、導電型はp型である。
【0041】コンタクト層16の成長を行った半導体基
板に、図6に示した半導体発光素子用電極を以下の方法
で形成した。コンタクト層成長を行った半導体基板を、
硫酸と過酸化水素の混合溶液と塩酸を用いた湿式表面処
理を行った後、真空蒸着機の真空チャンバーに導入し、
3×10-6Torrまで真空引きした。真空度を確認後
に電子線加熱装置で蒸着材料であるNi片を加熱し、試
料との間を遮っていたシャッターを開けてNiの蒸着を
開始した。水晶振動子式の膜厚計で蒸着膜の厚みをモニ
ターしながら蒸着を続け、800nmになったところ
で、シャッターを閉じて蒸着を終了した。真空チャンバ
から取り出した半導体基板に、一般にフォトリソグラフ
ィーと呼ばれる手法によってレジストによるマスクによ
るパターンを形成し、塩酸に含浸して望まれるパターン
の形状にNiからなるp側電極17が形成された半導体
基板を得た。更に、ドライエッチングによってn側電極
18を形成する部分のn層を露出させ、露出した部分1
9にAlよりなるn側電極18を形成した。
【0042】以上の工程によって電極を形成した半導体
基板の裏面20を、機械化学研磨と呼ばれる手法によっ
てミラー状に研磨した。最後に、上記の電極を形成した
半導体基板を400μm角のチップに切断し、リードフ
レーム上に研磨したサファイア基板の裏面20を上にし
て載置して、発光ダイオードとした。電流20mAにお
ける発光出力が150μW、順方向電圧は1.6Vを示
した。順方向電圧が1.6Vと小さいことは、コンタク
ト層の効果によりp型の電極部で低抵抗のオーミック接
触が実現していることを示している。
【0043】(実施例2)本実施例2では、基板上に窒
化ガリウム系化合物半導体からなる半導体層が積層さ
れ、該半導体層上に本発明に係わるコンタクト層が形成
された半導体基板を用いて、発光素子(LED)を作製
した別の例を説明する。本実施例2に用いた半導体基板
は、サファイア基板9上に、膜厚50nmのGaNをバ
ッファ層10として、膜厚1μmでキャリア濃度が1×
1018cm-1のSiをn型GaN層11、膜厚50nm
のZnとSiをドープしたn型In0.06Ga0.94N活性
層12、膜厚150nmのMgをドープしたキャリア濃
度5×1017cm-3のp型Al0.15Ga0.85Nクラッド
層13、膜厚500nmのMgをドープしたキャリア濃
度5×1017cm-3のp型GaN層15を順に積層した
半導体基板である。この半導体基板のp型GaN層の上
に、Mgを5×1019cm-3ドープしたp型のGaP
0.010.99とGaP0.20.8 を交互に積層することに
より構成した、超格子構造によるコンタクト層16を形
成し、電極を形成して、図7に断面図を示すような半導
体素子を作製した。
【0044】半導体基板上に、超格子構造からなるコン
タクト層16を以下の手順で形成した。MBE法により
サファイア基板の上に半導体層の成長が終了した後、該
半導体基板を反応炉の外に取り出し、硫酸と過酸化水素
の混合溶液を用いた湿式処理を行い、その後、水洗し、
塩酸を用いた湿式処理を行って水洗した。水洗後の半導
体基板は乾燥させた窒素ガスを吹き付けて半導体層表面
の水滴を吹き飛ばした。この半導体基板を、試料導入用
のチャンバー、反応用のチャンバー、反応用のチャンバ
ー内には、赤外線加熱式の試料加熱装置、Gaのセル、
Pのセル、Mgのセル、およびNH3 ガス導入口とrf
クラッカーを搭載したMBE装置に導入した。導入用の
チャンバーから反応用のチャンバーに半導体基板を移送
後、真空チャンバーを1×10-11 Torrまで真空引
きした。真空度を確認した後、Ga、P、Mgの各セル
の温度を900度、600度、800度に上げて、蒸気
をセル内に充満させておいた。また、半導体基板の後方
に取り付けられた赤外線加熱装置を用いて、基板の温度
を400度まで昇温させた。
【0045】基板の温度が安定したことを確認後、セル
のビーム射出口を遮っていたシャッターを開けて、Ga
およびPのビームの照射を開始した。また、Mgのセル
のシャッターも同時に解放し、Mgのビームをも照射し
た。同時に、NH3 ガス導入口を開けてrfクラッカー
の出力を上昇させて、基板に向けてNラジカル種を照射
した。照射するNとPのビーム強度の比を20:80と
して3秒間の成長をおこなったあと、ビーム強度の比を
1:99として20秒間の成長を行った。次に、強度の
比を再び20:80に戻して4秒間の成長をおこない、
更に強度の比を再び1:99に戻して20秒間の成長を
行った。次に、強度の比を再び20:80に戻して5秒
間の成長をおこない、更に強度の比を再び1:99に戻
して20秒間の成長を行った。次に、強度の比を再び2
0:80に戻して6秒間の成長をおこない、更に強度の
比を再び1:99に戻して20秒間の成長を行った。次
に、強度の比を再び20:80に戻して8秒間の成長を
おこない、更に強度の比を再び1:99に戻して20秒
間の成長を行った。次に、強度の比を再び20:80に
戻して11秒間の成長をおこない、更に強度の比を再び
1:99に戻して20秒間の成長を行った。次に、強度
の比を再び20:80に戻して17秒間の成長をおこな
い、更に強度の比を再び1:99に戻して20秒間の成
長を行った。そして最後に、強度の比を再び20:80
に戻して8分20秒間の成長を行った。その後、Ga、
P、Mgのセルのシャッターを閉じて、各ビームの照射
を停止し、同時にrfクラッカーの出力を降下し、1時
間を掛けて基板の温度を室温まで下降させた。室温まで
温度が降温した半導体基板は、導入用のチャンバーに戻
し、大気中に取り出した。
【0046】でき上がったコンタクト層16の構造を図
8に示す。上記の方法で作製された超格子構造の量子効
果により、コンタクト層はバンドギャップが3.42e
Vであるp型GaN層15からバンドギャップが1.1
0eVのGaP0.20.8 からなる最表面のコンタクト
層に向かって、バンドギャップが階段状に狭くなってい
る。また、各層にはp型ドーパントであるMgがドープ
されており、導電型はp型となっている。
【0047】以上の工程によりコンタクト層成長を行っ
た半導体基板に、実施例1と同じ形状の半導体発光素子
用電極を形成した。コンタクト層を形成した半導体基板
を、rfスパッタ装置の真空チャンバーに導入し、3×
10-6Torrまで真空引きし、チャンバー内にArを
流通し、rf波の発生を開始した。150Wまでrf波
の出力を上昇させ、Pd膜の成長を3分間行い、シャッ
ターを閉じて成長を終了した。その後、一般にフォトリ
ソグラフィーと呼ばれる手法によって、希望する形状の
Pdからなるp側電極17が形成された半導体基板を得
た。更に、ドライエッチングによってn側電極18を形
成する部分のn層を露出させ、露出した部分19にAl
とTiの合金よりなるn側電極18を形成した。
【0048】以上の工程によって電極を形成した半導体
基板の裏面20を、機械化学研磨と呼ばれる手法によっ
てミラー状に研磨した。最後に、上記の電極を形成した
半導体基板を400μm角のチップに切断し、研磨した
サファイア基板の裏面20が上になるようにリードフレ
ーム上に載置し、結線して発光ダイオードとした。電流
20mAにおける発光出力が120μW、順方向電圧は
1.8Vを示した。順方向電圧が1.8Vと小さいこと
は、コンタクト層の効果によりp型の電極部で低抵抗の
オーミック接触が実現していることを示している。
【0049】(実施例3)本実施例3では、基板上に窒
化ガリウム系化合物半導体からなる半導体層が積層さ
れ、該半導体層上に本発明に係わるコンタクト層が形成
された半導体基板を用いて、レーザー素子を作製した例
を説明する。本実施例3に用いた半導体基板は、サファ
イア基板9上に膜厚50nmのGaNバッファ層10、
膜厚1μmでキャリア濃度1×1018cm-3のSiドー
プしたn型GaN層11、膜厚100nmでキャリア濃
度1×1018cm-3のSiドープしたn型In0.1 Ga
0.9 N層21、膜厚500nmでキャリア濃度1×10
18cm-3のSiドープしたn型Al0.14Ga0.86Nクラ
ッド層22、膜厚100nmでキャリア濃度1×1018
cm-3のSiドープしたn型GaN光閉じこめ層23、
In0.02Ga0.98N層とIn0.15Ga0.85N層の組み合
わせを3層繰り返し積層した多重量子井戸活性層24、
膜厚100nmでキャリア濃度5×1017cm-3のp型
Al0.2 Ga0.8 Nキャップ層25、膜厚200nmで
キャリア濃度5×1017cm-3のp型GaN光閉じこめ
層26、膜厚30nmでキャリア濃度5×1017cm-3
のp型Al0.14Ga0.86Nクラッド層13、膜厚50n
mでキャリア濃度5×1017cm-3のp型GaN層15
を、MOCVD法によって積層した半導体基板である。
この半導体基板上に、組成が連続的に変化するGaAs
Nからなるコンタクト層16を積層した。図9に作製し
たレーザー素子の断面図を示す。
【0050】コンタクト層の成長は以下の手順で行っ
た。まず、MOCVD法によって、サファイア基板上に
半導体層の成長が終了した後、半導体基板は一旦反応炉
から大気中に取り出した。そして、硫酸と過酸化水素の
混合溶液で湿式処理を行った。その後、Ga原料である
トリメチルガリウム(TMG)、p型ドーパントのMg
原料であるビスシクロペンタジエニルマグネシウム(C
2 Mg)のバブラー、およびキャリアガスであるAr
及びH2 、Nの原料であるNH3 、Asの原料であるA
sH3 のガスボンベおよび、それぞれが反応炉に流通す
るための配管、流量を制御するためのマスフローコント
ローラーを装備したMOCVD装置の反応炉内のカーボ
ン製のサセプタ上に、上記の半導体基板を載置した。反
応炉は石英ガラス製で、基板を加熱するためのrfコイ
ル中に設置されている。
【0051】半導体基板を導入後、反応炉内をArガス
で置換し、rfコイルに通電して、サセプタとともに半
導体基板の温度を1000度に昇温した。昇温中、基板
温度が500度になった時点から、反応炉内にNH3
流通を開始した。加えて、昇温中にTMGのバブラーに
水素ガスを流通してバブリングによるTMGの取り出し
を開始した。バブリングによって発生したTMGの蒸気
は、キャリアガスと一緒に除害装置への配管へ流通さ
せ、除害装置を通して大気中へ放出させておいた。
【0052】温度が1000度となって安定したことを
確認した後、TMGの供給バルブとAsH3 の供給バル
ブを切り替えて、反応炉内にTMGとAsH3 の流通を
開始した。また同時に、ドーパントであるMgの原料で
あるCp2 Mgの供給バルブも切り替えて、Cp2 Mg
を供給させた。ここまで反応炉内に流通させていた、N
3 とArガスについてもそのままの流量で供給を継続
した。AsH3 とTMGの流通を開始した直後から、各
気体原料の流量は保ったままで、rfコイルを制御して
半導体基板の温度を徐々に下げた。温度の変化量は、1
分間に5度の割合で時間に対して線形に下がるように制
御し、60分で700度まで降温した。1000度から
700度の温度範囲においてはAsH3 もNH3 もほぼ
100%分解する。1000度においてはAsの昇華速
度が著しく、Asはほとんど結晶中に取り込まれない。
Asの昇華速度は温度に依存するため、成長温度を低下
させることで、成長する結晶のAs組成を制御すること
ができる。Asの取り込まれ量は温度の低下とともに増
加する。例えば、成長温度850度においてはGaAs
0.050.85という組成の結晶が成長し、成長温度700
度においてはGaAs0.10.8 という組成の結晶が成
長した。このように、連続的に温度を変化させながら成
長を行うことで、連続的に組成の異なる結晶を成長する
ことができる。
【0053】基板温度が700度に達したところで、T
MGの流通を停止した。その後、同じ速度で温度を降温
し、温度が400度まで低下したことを確認した後、A
sH3 、NH3 の流通を停止した。更に同じ速度で降温
を続け、基板温度を室温まで低下させた。400度から
室温までの降温中は反応炉内にはArガスを流通した。
【0054】確認の目的で、上記と同様にGaAsN層
の成長を行った別のGaN基板について、Arイオンス
パッタでGaAsN層を表面側からエッチングしながら
オージェ電子分光(AES)法で、深さ方向にAsとN
の定量を行った。結果を図10に示す。図10で横軸は
表面からの深さを示す。AsとNの組成を定量した結果
27、28より、GaAsN層の組成は結晶表面ではG
aAs0.10.8 であり、Asの組成は深さ方向に対し
てほぼ線形に変化して小さくなってゆき、表面から約2
00nmの深さではGaNであることが判った。この結
果、電極を形成する面ではバンドギャップは1.36e
Vであり、表面から深さが深くなるに従って連続的に広
くなる。表面から200nmの位置から半導体の構成材
料はGaNであり、バンドギャップは3.42eVとな
っている。
【0055】以上の工程によって作製したエピタキシャ
ル基板を、アニール用の赤外線加熱式ゴールドファーネ
ス炉に導入し、窒素雰囲気中で800度において30分
間に渡って熱処理した。以上の熱処理によって、Mgを
ドープした各層25、26、13、15、およびMgを
ドープしたコンタクト層16のp型キャリアが活性化さ
れた。
【0056】上記の方法によりコンタクト層を形成した
半導体基板に、図11に模式図を示した形状の電極を以
下の方法で形成し、レーザー素子とした。上記のコンタ
クト層を形成した半導体基板を、rf式スパッタ装置の
真空チャンバーに導入し、3×106 Torrまで真空
引きしたあと、Arガスを導入してrf波の発生を開始
した。rf波の出力を150Wまで上昇させたあと、半
導体基板とターゲットの間を遮っていたシャッタを開
け、10分間に渡って半導体基板のコンタクト層の表面
にAu膜の形成を行った。この作業により半導体基板表
面には約800nmの厚みのAu膜が形成された。その
後一般にフォトリソグラフィーと呼ばれる手法によっ
て、目的とする形状のAuからなる電極17を形成し
た。その後、ドライエッチングによってn側電極を形成
する部分のn層を露出させ、同時にレーザー発振用のミ
ラー面29を作製した。n層の露出した部分19にSi
を重量で1%含有するAlよりなるn側電極18を形成
し、n側電極のオーミック接触を形成するための熱処理
を行った。このようにして電極を形成した半導体を40
0μm角のチップに切断し、基盤上に実装してレーザー
ダイオードとした。作製したレーザーダイオードに、室
温にて通電したところ、電流90mA以上の電流を注入
した時、誘導放出と見られる強い発光を得た。発光をス
クリーンに照射すると、発光スポット内には干渉縞が発
生して発光がコヒーレントなレーザー光であることが確
認できた。このときの電圧は3.0Vであり、コンタク
ト層を用いないレーザー素子の値よりも小さかった。素
子に通電し、レーザー光を発振させたままエージングテ
ストを行ったところ、10000時間を超えて安定した
発振を示した。本発明のコンタクト層を用いてエージン
グ時間が長くなったことは、p側電極の接触抵抗値を小
さくして、通電時の発熱を低減したことによる効果であ
る。
【0057】(実施例4)本実施例4では、基板上に窒
化ガリウム系化合物半導体からなる半導体層が積層さ
れ、該半導体層上に本発明に係わるコンタクト層が形成
された半導体基板を用いて、レーザー素子を作製した別
の例を説明する。本実施例4に用いた半導体基板は、サ
ファイア基板9上にバッファ層を用いることなく水素化
物を用いた気相エピタキシャル成長(Hydrite
Vaper Phase Epitaxisy)法によ
って成長したGaN層30を有するウエハ31を基板と
して用い、該GaN層30の上に、膜厚1μmでキャリ
ア濃度1×1018cm-3のSiドープしたn型GaN層
11、膜厚100nmでキャリア濃度1×1018cm-3
のSiドープしたn型In0.1 Ga0.9 N層21、膜厚
500nmでキャリア濃度1×1018cm-3のSiドー
プしたn型Al0.14Ga0.86Nクラッド層22、膜厚1
00nmでキャリア濃度1×1018cm-3のSiドープ
したn型GaN光閉じこめ層23、In0.02Ga0.98
層とIn0.15Ga0.85N層の組み合わせを3層繰り返し
積層した多重量子井戸活性層24、膜厚100nmでキ
ャリア濃度5×1017cm-3のp型Al0.2 Ga0.8
キャップ層25、膜厚200nmでキャリア濃度5×1
17cm-3のp型GaN光閉じこめ層26、膜厚30n
mでキャリア濃度5×1017cm-3のp型Al0.14Ga
0.86Nクラッド層13、膜厚50nmでキャリア濃度5
×1017cm-3のp型GaN層15を、MOCVD法に
よって積層した半導体基板である。この基板上に連続的
に組成の変化するGaAsNからなるコンタクト層16
を形成した。作製したレーザー素子の断面図を図12に
示す。
【0058】コンタクト層16の形成は以下の手順で行
った。まずMBE法によってサファイア基板上に窒化ガ
リウム系半導体層の成長後、半導体基板は一旦反応炉か
ら大気中に取り出した。そして、硫酸と過酸化水素の混
合溶液で湿式処理を行った後で、Asセルを搭載したM
BE装置の真空チャンバーの中に導入した。導入用のチ
ャンバーから反応用チャンバーに半導体基板を移送した
後、真空チャンバーを1×10-11 Torrになるまで
真空引きし、半導体基板を載置したホルダーの後方に取
り付けられた赤外線加熱装置で、基板の温度を600度
に上昇させた。温度が安定したのを確認後、Asセルの
射出口を遮っていたシャッターを解放し、基板にAsビ
ームを照射した。これにより、p型GaN層の表面側の
N原子をAsによって置き換えた。30分間Asビーム
を照射した後、シャッターを閉じてビームの照射を止め
た。ビームの照射を止めた後、基板の温度を室温近くま
で降温し、反応用のチャンバーから導入用のチャンバー
へ移送し、Asビームを照射した半導体基板を大気中に
取り出した。
【0059】上記のAsビームの照射を終えた半導体基
板を、AsH3 ガスとArガスのボンベと、これらのガ
スを反応炉に流通するための配管、および流通量を制御
するためのマスフローコントローラーを搭載した反応炉
において熱処理した。上記の半導体基板は抵抗加熱式の
ヒータ上に置かれたカーボン製のサセプター上に載置
し、反応炉は一旦真空引きした後、Arガスでパージし
た。30分間Arガスを流通した後、ヒーターへの通電
を開始し、半導体基板の温度を450度まで上昇させ
た。昇温途中で基板の温度が400度となった時、As
3 ガスを反応炉に導入するためのバルブを開けてAs
3 ガスの流通を開始した。AsH3 を流通したのは、
熱処理中にGaN中に入り込んだAsの昇華を抑えるた
めである。その後引き続き温度を上昇させ、450度に
なったことを確認した後、温度を保持したまま、1時間
に渡って熱処理を行った。熱処理が終了した後、AsH
3の流通を停止し、温度を室温まで降温し、半導体基板
を大気中に取り出した。
【0060】以上の処理で形成されたコンタクト層16
の構造を確認するため、上と同様の方法でAsビーム照
射を行った別のGaNを積層した半導体基板について、
Arイオンスパッタで半導体層表面をエッチングしなが
らオージェ電子分光(AES)法で、深さ方向にAsの
定量を行った。結果は実施例3と同じように、結晶の組
成は結晶表面ではGaAs0.10.8 であり、Asの組
成は深さ方向に対してほぼ線形に変化して小さくなって
ゆくことが判った。表面から約50nmの深さではGa
Nとなっていた。この結果、電極を形成する面ではバン
ドギャップは1.36eVであり、表面から深さが深く
なるに従って連続的に広くなる。表面から50nmの位
置から、半導体の構成材料はGaNであり、バンドギャ
ップは3.42eVとなっている。また、コンタクト層
はp型ドーパントであるMgがドープされており、導電
型はp型である。
【0061】上記のようなAsビーム照射と熱処理を行
った半導体基板に以下の手順で実施例3と同じ形状の電
極を形成し、レーザー素子とした。上記のコンタクト層
を形成した半導体基板について、硫酸と過酸化水素の混
合溶液と塩酸を用いた湿式表面処理を行った後、真空蒸
着機の真空チャンバーに導入し、3×106 Torrま
で真空引きした。真空度を確認後に電子線加熱装置で蒸
着材料であるPt片を加熱し、試料との間を遮っていた
シャッターを開けてPtの蒸着を開始した。水晶振動子
式の膜厚計で蒸着膜の厚みをモニターしながら蒸着を続
け、800nmになったところで、シャッターを閉じて
蒸着を終了した。真空チャンバから取り出した半導体基
板に、一般にフォトリソグラフィーと呼ばれる手法によ
って、レジストによるマスクによるパターンを形成し、
塩酸に含浸して望まれるパターンの形状にPtからなる
電極17が形成された半導体基板を得た。更に、ドライ
エッチングによってn側電極を形成する部分のn層を露
出させ、同時にレーザー発振のためのミラー端面を作製
した。n層の露出した部分19にAlとTiの合金より
なるn側電極18を形成した。電極を形成後、450度
で10分間のアニールを施した。このようにして電極を
形成した半導体基板を400μm角のチップに切断し、
基盤上に実装してレーザーダイオードとした。
【0062】作製したレーザーダイオードに、室温にて
通電したところ、電流90mA以上の電流を注入した
時、誘導放出と見られる強い発光を得た。発光をスクリ
ーンに照射すると、発光スポット内には干渉縞が発生し
て発光がコヒーレントなレーザー光であることが確認で
きた。このときの電圧は3.0Vであり、コンタクト層
を用いない素子の値よりも小さかった。素子に通電し、
レーザー光を発振させたままエージングテストを行った
ところ、10000時間を超えて安定した発振を示し
た。本発明のコンタクト層を用いてエージング時間が長
くなったことは、p側電極の接触抵抗値を小さくして、
通電時の発熱を低減したことによる効果である。
【0063】(比較例1)MOCVD法で作製した、実
施例1で用いたものと同じ半導体基板上に、p型のGa
Asからなる単層コンタクト層を形成し、その上に実施
例1と同じ材質、形状の電極構造を形成し、発光素子を
作製した。1層のp型GaAsからなるコンタクト層
は、実施例1に用いたのと同じMBE装置を用いて、基
板温度500度にてGaフラックスとAsフラックスを
同時に流通することで作製した。その後実施例1と同じ
工程で電極パターンを用いて発光ダイオードとしたとこ
ろ、電流20mAにおける発光出力が80μW、順方向
電圧は3.2Vを示した。この試料のp型GaN層と電
極の間に形成されるポテンシャルは、図1のようにな
る。つまり、順方向電圧が実施例1と比較して大きいこ
とは、コンタクト層とp型GaN層との間に形成された
大きなポテンシャルバリア8が原因であると考えられ
る。
【0064】(比較例2)MOCVD法で作製した実施
例3で用いたものと同じ半導体基板上に、p型のGaP
0.90.1 からなる単層のコンタクト層16を形成し、
その上にAuからなるp側電極17を形成してレーザー
素子を作製した。p型GaP0.90.1 コンタクト層1
6は、実施例3に用いたものと同じMOCVD装置を用
いて、基板温度450度にてTMGとPH3 およびNH
3 を流通して形成した。実施例3と同じ工程および電極
パターンを用いてレーザー素子を作製したところ、実施
例3と同様に電流を90mA流したときにレーザーの発
振が見られた。しかし、その時の電圧は5Vであり実施
例3と比較して大きな値であった。この電流を流し続け
たところ、10分後にレーザーの発振が停止した。素子
を調べたところ、Pt製のp側電極17が溶解して剥離
しており、ところどころに黒い付着物が見られた。これ
より、p側電極界面に発生した発熱による温度の上昇
で、電極層が破壊されたものと思われる。
【0065】なお、本発明の実施の形態は、上記の実施
例に限定されるものではない。上記の実施例では、コン
タクト層の材料にGaAsNとGaPNを用いた場合に
ついて述べたが、コンタクト層の材料としてはこれに限
られるものではなく、InGaNなどを用いることも可
能である。また、電極を構成する金属材料についても、
Au、Pd、Pt、Niについて述べたが、これらに限
られるものではない。
【0066】
【発明の効果】本発明の半導体素子においては、コンタ
クト層を、そのバンドギャップが窒化ガリウム系化合物
半導体からなる半導体層側から電極に向かって、連続的
にあるいは階段状に狭くなるように構成している。これ
により、特にp型の窒化ガリウム系化合物半導体からな
る半導体層とコンタクト層との間、あるいはコンタクト
層の各層の間、あるいはコンタクト層と電極との間に形
成されるポテンシャルバリアを小さくすることができ
る。その結果、特に窒化ガリウム系化合物半導体のp型
層に対して、低抵抗のオーミック性電極を形成すること
が可能となり、発光ダイオードやレーザーダイオード等
の半導体素子の特性を改良することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のp型の半導体と電極金属との間に単層か
らなるコンタクト層を挟んだ場合のバンド構造の図。
【図2】本発明に係わるp型の半導体と電極金属との間
に階段状にバンドギャップが狭くなるコンタクト層を3
層構造として形成した場合のバンド構造の図。
【図3】本発明に係わるp型の半導体と電極金属との間
に連続的にバンドギャップが狭くなるコンタクト層を形
成した場合のバンド構造の図。
【図4】GaAsNのバンドギャップのAs組成に対す
る依存性を示す図。
【図5】実施例1に係わる発光素子の断面図。
【図6】実施例1に係わる発光素子の電極形状を示す
図。
【図7】実施例2に係わる発光素子の断面図。
【図8】実施例2に係わるコンタクト層の断面図。
【図9】実施例3に係わるレーザー素子の断面図。
【図10】実施例3で作製したコンタクト層中のAsと
Nの深さ方向プロファイル。
【図11】実施例3に係わるレーザー素子の電極形状を
示す図。
【図12】実施例4に係わるレーザー素子の断面図。
【符号の説明】
1 金属の仕事関数 1’ 窒化ガリウム系化合物半導体層のフェルミレベル 1’’ コンタクト層のフェルミレベル 2 コンタクト層の価電子帯 2a コンタクト層の第1の層の価電子帯 2b コンタクト層の第2の層の価電子帯 2c コンタクト層の第3の層の価電子帯 3 窒化ガリウム系化合物半導体の価電子帯 4 コンタクト層の伝導帯 4a コンタクト層の第1の層の伝導帯 4b コンタクト層の第2の層の伝導帯 4c コンタクト層の第3の層の伝導帯 5 窒化ガリウム系化合物半導体の伝導帯 6 電極とコンタクト層との界面 7 コンタクト層と窒化ガリウム系化合物半導体層との
界面 7a コンタクト層の第1の層と窒化ガリウム系化合物
半導体層との界面 7b コンタクト層の第2の層と第1の層との界面 7c コンタクト層の第3の層と第2の層との接触界面 8 ポテンシャルバリア 8a ポテンシャルバリア 8b ポテンシャルバリア 8c ポテンシャルバリア 9 サファイア基板 10 バッファ層 11 n型GaN層 12 活性層 13 p型クラッド層 15 p型GaN層 16 コンタクト層 16a コンタクト層の第1の層 16b コンタクト層の第2の層 16c コンタクト層の第3の層 16d 膜厚0.3nmのGaP0.20.8 の井戸層 16e 膜厚2nmのGaP0.010.99の障壁層 16f 膜厚0.4nmのGaP0.20.8 の井戸層 16g 膜厚0.5nmのGaP0.20.8 の井戸層 16h 膜厚0.6nmのGaP0.20.8 の井戸層 16i 膜厚0.8nmのGaP0.20.8 の井戸層 16j 膜厚1.1nmのGaP0.20.8 の井戸層 16k 膜厚1.7nmのGaP0.20.8 の井戸層 16l 膜厚50nmのGaP0.20.8 の表面層 17 p側電極 18 n側電極 19 n層を露出した部分 20 サファイア基板の裏面(光取り出し面) 21 n型InGaN層 22 n型クラッド層 23 n型GaN光閉じこめ層 24 多重量子井戸活性層 25 p型キャップ層 26 p型GaN光閉じこめ層 27 As組成の深さ方向プロファイル 28 N組成の深さ方向プロファイル 29 レーザー発振用ミラー面 30 n型GaN層 31 n型GaN基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾嶋 正治 東京都文京区本郷7丁目3番1号 東京大 学大学院工学系研究科内 (72)発明者 藤岡 洋 東京都文京区本郷7丁目3番1号 東京大 学大学院工学系研究科内 (72)発明者 小野 寛太 東京都文京区本郷7丁目3番1号 東京大 学大学院工学系研究科内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化ガリウム系化合物半導体(Alx
    y In1-x-y N:但し、0≦x<1、0≦y≦1、0
    <x+y≦1)からなる半導体層と、該半導体層上に形
    成された半導体からなるコンタクト層と、該コンタクト
    層上に形成された金属からなる電極とを有する半導体素
    子において、上記コンタクト層のバンドギャップが、半
    導体層側から電極に向かって、連続的にあるいは階段状
    に狭くなることを特徴とする半導体素子。
  2. 【請求項2】 窒化ガリウム系化合物半導体(Alx
    y In1-x-y N:但し、0≦x<1、0≦y≦1、0
    <x+y≦1)からなる半導体層と、該半導体層上に形
    成された半導体からなるコンタクト層と、該コンタクト
    層上に形成された金属からなる電極とを有する半導体素
    子において、上記コンタクト層が、GaAsy1-y
    (0<y<0.2)からなることを特徴とする半導体素
    子。
  3. 【請求項3】 窒化ガリウム系化合物半導体(Alx
    y In1-x-y N:但し、0≦x<1、0≦y≦1、0
    <x+y≦1)からなる半導体層と、該半導体層上に形
    成された半導体からなるコンタクト層と、該コンタクト
    層上に形成された金属からなる電極とを有する半導体素
    子において、上記コンタクト層が、GaAsy1-y
    (0<y<0.2)からなり、かつ該コンタクト層のバ
    ンドギャップが、半導体層側から電極に向かって、連続
    的にあるいは階段状に狭くなることを特徴とする半導体
    素子。
  4. 【請求項4】 上記窒化ガリウム系化合物半導体からな
    る半導体層がp型の導電性を有し、かつ上記コンタクト
    層がp型の導電性を有することを特徴とする請求項1乃
    至3記載の半導体素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008526013A (ja) 2004-12-23 2008-07-17 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 窒化物半導体発光素子及びその製造方法

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KR101245439B1 (ko) 2005-09-26 2013-03-19 아바고 테크놀로지스 이씨비유 아이피 (싱가포르) 피티이 리미티드 P-형 GaN상의 저항 접점

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