JPH11279470A - 顔料分散水性インク組成物 - Google Patents

顔料分散水性インク組成物

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JPH11279470A
JPH11279470A JP8187298A JP8187298A JPH11279470A JP H11279470 A JPH11279470 A JP H11279470A JP 8187298 A JP8187298 A JP 8187298A JP 8187298 A JP8187298 A JP 8187298A JP H11279470 A JPH11279470 A JP H11279470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信頼性のある印刷性能が得られるとともに、
とりわけ普通紙において品質の優れた画像が得られる顔
料分散水性インク組成物の提供。 【解決手段】 ポリアミノ酸の末端アミノ基に疎水性ポ
リマーが共有結合されてなるポリアミノ酸誘導体を顔料
分散剤としてインク組成物を調製し、そのインク組成物
を用いる。ポリアミノ酸は、アスパラギン酸もしくはグ
ルタミン酸またはそれらの混合物からなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の分野 本発明は、信頼性のある印刷が可能であり、かつ品質の
優れた画像が得られる、インクジェットプリンターに好
ましく用いられる顔料分散水性インク組成物に関する。
【0002】背景技術 インクジェット印刷は、プリンターがコンピュータによ
り発生するデジタル信号等のデジタル信号に応答してイ
ンク滴を生成する非インパクト印刷法である。インク滴
は、紙や透明フィルム等の基材に付着する。インクジェ
ットプリンターは、印字品質、低コスト、比較的静かな
動作、グラフィック形成能により、広く普及している。
サーマル(バブルジット)および圧電ドロップ・オン・
デマンドプリンターは、市場において特に成功し、オフ
ィスおよび家庭でのパソコン用プリンターとして広く用
いられてきている。
【0003】インクジェットプリンターに使用されるイ
ンクは、染料系インクまたは顔料系インクに分類でき
る。染料系インクは、種々の点において満足できるもの
であるが、一般的に耐光性、耐水性に劣ることがある。
印刷物にはある程度の耐久性が期待されるので、染料系
インクにより得た印刷画像が耐光性、耐水性において劣
ることは問題となる。一方、顔料系インクは、耐光性お
よび耐水性に優れる。したがって、耐久性が求められる
印刷物においては、染料系インクよりも顔料系インクが
一般的に好ましい。
【0004】インクジェット記録において主に次の三つ
の事柄が重要とされている。すなわち、(1)信頼性、
(2)乾燥速度、および(3)印刷物品質である。信頼
性は一般に以下の4つの基準で評価される。その第一
は、インク滴重量が経時的に変化せず、かつ良好な方向
性が維持されることを内容とする、連続印刷条件におけ
る耐久性である。良好な方向性は、ノズルから吐出され
たインク滴の角度のずれがノズル面に対して垂直から約
±0.5゜内であることを意味する。その第二は、ノズ
ルが印刷の停止している間に閉塞しないことを内容とす
る、断続印刷条件下における耐久性である。その第三
は、ノズルに対して限定された量の吸引操作を行うこと
により、最初の印刷動作と変わらない印刷動作(インク
滴重量および良好な方向性)を回復できることを内容と
する、プリントヘッド内でのインクの長期保存耐久性で
ある。そして、その第四は、2つの極端な温度条件下に
おける保存、さらには極端な温度に繰り返しさらされた
ときに、長時間にわたりインクがその化学的および物理
的安定性を保持することを内容とする、保存安定性であ
る。
【0005】またさらに、インクの乾燥速度はプリンタ
ーの処理速度を決定する重要な因子である。ページプリ
ンターでは、印刷された用紙上のインクは、次の用紙が
接触する前に乾燥状態になければならない。もしインク
が乾燥しないならば、汚れが生じる。
【0006】印刷物の品質は、一般に、(1)カラー特
性、および(2)非カラー画像特性の2つの因子により
定義される。インクのカラー特性は、光学濃度、および
色相を決定する色座標により測定される。また、画像の
精細度を決定する非カラー特性とは、解像度(単位面積
当たりの液滴数)、1滴当たりの被覆面積、エッジの鋭
さ若しくは鮮鋭度およびサテライト(印刷文字の周囲の
漂遊液滴)若しくはヒゲ等のドット周囲の欠陥を意味す
る。
【0007】インクジェット記録において重要なこと
は、エッジが鋭く、または画像が鮮鋭で、かつできるだ
けヒゲと呼ばれるにじみの少ない印刷物を、「普通紙」
において得ることができるかどうか、ということであ
る。ここで「普通紙」とは、広範な多種多様な市販の
紙、とりわけ静電コピーに用いられる紙を意味する。こ
のような市販の紙は、インクジェットプリンターに適合
された独特の構造、組成または狭い特性のものとはされ
ていない。最近、普通紙に優れた印刷物品質を実現でき
るインクジェットプリンターが、益々求められている。
【0008】普通紙に良好な品質の印刷物を得られるよ
う、適切に構成された顔料系インクは、従来の顔料系イ
ンクや染料系インクよりも好ましい。インク滴が、イン
クジェット印刷により適用され、紙面に接触すると、イ
ンクが接触点から広がり、紙に浸透する。ほとんどの普
通紙に存在するセルロース繊維は、毛管作用により、個
々の繊維の長さ方向に沿って液体を吸い込む芯の役割り
を果たす。
【0009】着色剤を溶剤に均一に溶解した染料系イン
クの場合、着色剤は広がり、浸透し、セルロース繊維の
長さ方向に沿って、着色剤は溶剤と全く同じ程度に吸い
込まれる。染料系インクを用いた場合、得られる着色ド
ットのエッジの明瞭性が悪くヒゲを伴うことがある。
【0010】着色剤を液体に均一に分散した顔料系イン
クの場合、着色剤の分散安定性が紙との接触により失わ
れない限り、着色剤は広がり、浸透し、セルロース繊維
の長さ方向に沿って、溶剤とほぼ同じ程度にまで吸い込
まれる。通常の顔料系インクを用いた場合、得られる着
色ドットのエッジの明瞭性が悪くヒゲを伴うことがあ
る。これに対して、着色剤の分散安定性が紙との接触に
より失われてしまうように構成された顔料系インクで
は、着色剤はひろがらず、浸透せず、すなわちセルロー
ス繊維の長さ方向に沿って吸い込まれない。この種のイ
ンクでは、着色剤は溶剤から効果的に分離する。その結
果、エッジの境界が鮮明で、ヒゲは無視できる程度の着
色ドットが得られる。
【0011】水に顔料を分散させる分散剤は当業者に周
知であり、塗料等の被膜を種々の基材に適用するのに使
用されてきた。安定な顔料の分散は、立体構造的な安定
化のみによるか、または立体構造的な安定化とイオン安
定化との両方の組み合わせにより安定性を付与する顔料
分散剤を用いることにより得られる。
【0012】立体構造的な安定化のみを付与するポリマ
ー分散剤としては、例えば、非イオン性水溶性ポリマー
に属するものであって、ポリビニルアルコール、セルロ
ース樹脂、エチレンオキシド変性フェノールおよびエチ
レンオキシド/プロピレンオキシドポリマーなどが挙げ
られる。このようなポリマーを含有する顔料分散体は紙
と接触しても分散安定性を失わない。従って、エッジの
明瞭性が悪く、ヒゲの生じた印刷画像が得られることが
ある。
【0013】立体構造的な安定化とイオン安定化との両
方を付与するポリマー分散剤としては、例えば、中和し
たアクリル酸、マレイン酸またはビニルスルホン酸のモ
ノマーから構成されたものが挙げられる。適切に構成さ
れたこの種のポリマー分散剤を含有する顔料分散体は、
紙と接触すると分散安定性を失い、エッジ境界が鮮明で
ヒゲが無視できる印刷画像が得られる。紙と接触したと
きに、この種のポリマー分散体が分散安定性を失う機構
を、以下に説明する。
【0014】この種のポリマーは、部分的または完全に
中和した酸官能基を有し、アニオン性高分子電解質とし
て分類できる。典型的に、アニオン性高分子電解質は、
マグネシウム、カルシウム、およびアルミニウム等の多
価カチオンと結合する。多価カチオンが結合する強度お
よび感度は、線電荷密度と高分子電解質の構造に依存す
る。部分的または完全に中和した酸官能基を有するポリ
マーを含有する適切に構成された顔料分散体では、ポリ
マーは、一般に普通紙の表面に存在する多価カチオンに
結合する。もし多価カチオンの結合が十分であるなら
ば、分散剤のアニオン電荷密度が部分的または完全に中
和される。電荷の中和により、イオン安定化が失われる
とともに、着色剤の分散安定性がなくなる。上記したよ
うに、着色剤の分散安定性がなくなると、着色剤が溶剤
から分離する。その結果、ヒゲの無い、エッジの境界が
鮮明な印刷画像が得られることとなる。
【0015】高分子電解質に多価カチオンが結合する強
度および感度は、高分子電解質の線電荷密度および構造
に依存する。一般的に、高分子電解質の線電荷密度が大
きいほど、高分子電解質と多価カチオンとの間の結合相
互作用が大きい。中和した酸官能基が隣接モノマー単位
上にあるポリマーの線電荷密度は、中和した酸官能基が
非イオン性モノマー単位をはさんで点在するモノマー単
位上にあるポリマーよりも大きい。例えば、ポリアクリ
ル酸の線電荷密度は、アクリル酸とスチレンとのランダ
ムポリマーよりも大きい。高分子電解質の構造も、ま
た、多価カチオンが結合する強度と感度に影響を及ぼ
す。もし、高分子電解質上の結合部位が多価カチオンの
イオン半径に最適に整合する形状および配位環境を有す
るならば、高分子電解質と多価カチオンとの間の結合相
互作用は、特別の構造上の特徴を有しない類似の高分子
電解質よりも大きい。Ca2+(イオン半径:1.14オ
ングストローム;六配位)について最適である結合部位
は、Mg2+(イオン半径:0.86オングストローム;
六配位)に対しては必ずしも最適ではないことは明らか
である。一方で、Ca2+(イオン半径:1.14オング
ストローム;六配位)について最適である結合部位は、
一価Na+ (イオン半径:1.16オングストローム;
六配位)によく結合することは容易に理解される。
【0016】しかしながら、親水性である中和されたア
クリル酸、マレイン酸、またはビニルスルホン酸のモノ
マーのみから構成されているポリマー分散剤は、安定な
顔料分散体を生じない。その理由は、親水性官能基が通
常の顔料の表面に十分に付着しないからである。安定な
顔料分散体を得ることができるのは、ポリマー分散剤も
顔料の表面に吸着しかつ付着する一つ以上の疎水性部分
を含有する場合のみである。従って、立体構造的な安定
化とイオン安定化との両方を付与するポリマー分散剤
は、疎水性部分と親水性部分との両方を含有しなければ
ならない。
【0017】米国特許第4,597,794号には、顔
料を、親水性に中和されたカルボン酸官能基と顔料表面
に付着する疎水性芳香族環官能基とを有するランダムポ
リマーを用いて分散した、インクジェットプリンター用
水性インク分散体が記載されている。このポリマーはラ
ンダムコポリマーであるので、線電荷密度は低く、典型
的な普通紙の表面上の多価カチオンに対する感度は低い
と思われる。
【0018】米国特許第5,085,698号には、顔
料をABまたはBABブロックコポリマーを用いて分散
した、インクジェットプリンター用水性インク分散液が
記載されている。このブロックコポリマーの部分Aは、
アクリル酸エステルまたはアクリル酸アミドの疎水性水
不溶性ホモポリマーまたはコポリマーである。また、こ
のブロックコポリマーの部分Bは、アクリル酸、アクリ
ル酸アミドまたはエステルのアルコール部が親水性を有
するアクリル酸エステルの親水性水溶性ホモポリマーま
たはコポリマーである。アクリル酸を有する部分Bを有
するブロックコポリマーでは、酸官能基は、有機塩基、
アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物およびそれ
らの混合物からなる群から選択される中和剤で中和され
る。この公報に記載されている実施例および比較例は、
独立した疎水性部分と親水性部分とを有するABまたは
BABブロックコポリマー顔料分散体を用いて配合され
たインクが、疎水性モノマーと親水性モノマーとのラン
ダムコポリマーを用いて配合されたインクよりも、印字
性能において優れることを示している。さらに、ブロッ
クコポリマーが疎水性部分B上に高線電荷密度を有する
ことから、上記したランダムコポリマーよりも、一般的
な普通紙の表面上の多価カチオンに対し感度がよいと思
われる。しかし、親水性部分Bは高線電荷密度を有して
いるが、多価カチオンへの結合に有利に働く特別な構造
上の特徴を有していない。
【0019】一方で、ポリアスパラギン酸およびポリグ
ルタミン酸が多価カチオンとの結合に適した構造を有す
ることを報告する文献はいくつか存在する。例えば、ポ
リグルタミン酸が、その構造的な適合性から、ポリビニ
ルスルホン酸と比較して炭酸マグネシウムおよび炭酸カ
ルシウムの沈殿を遅らせることが報告されている(Jour
nal of Crystal Growth, vol.35,145-52(1976))。ま
た、ポリアスパラギン酸については、硫酸カルシウムの
沈殿を抑制する点において、ポリアクリル酸よりも優れ
ることが報告されている(Adv.Chem.Ser.,vol.248,99-1
11(1996))。しかしながら、これら文献は、ポリアスパ
ラギン酸またはポリグルタミン酸を疎水性ポリマーと組
み合わせること、さらにはそのようなポリマーが顔料分
散剤として機能することを開示も示唆もしていない。
【0020】
【発明の概要】本発明者は、今般、新規なポリアミノ酸
誘導体が顔料分散剤として優れ、かつこの誘導体を含ん
だインク組成物によれば良好な画像が実現できるとの知
見を得た。本発明はかかる知見に基づくものである。
【0021】従って、本発明は、信頼性のある印刷性能
が得られるとともに、とりわけ普通紙において品質の優
れた画像が得られる顔料分散水性インク組成物の提供を
その目的としている。
【0022】そして、本発明による顔料分散水性インク
組成物は、(a)水と水溶性有機溶剤とを少なくとも含
んでなる溶媒と、(b)顔料と、そして(c)アスパラ
ギン酸もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物から
なるポリアミノ酸のアミノ末端に、疎水性ポリマーが共
有結合されてなるポリアミノ酸誘導体とを含んでなるも
のである。
【0023】
【発明の具体的説明】インク組成物 本発明によるインク組成物は、インク組成物を用いた記
録方式に用いられる。インク組成物を用いた記録方式と
は、例えば、インクジェット記録方式、ペン等による筆
記具による記録方式、その他各種の印字方式が挙げられ
る。特に本発明によるインク組成物は、インクジェット
記録方法に好ましく用いられる。
【0024】ポリアミノ酸誘導体 本発明によるインク組成物に含まれるポリアミノ酸誘導
体は、ポリアミノ酸部分と、そのポリアミノ酸部分のア
ミノ末端に共有結合された疎水性ポリマーとからなる。
そして、このポリアミノ酸部分は、アスパラギン酸もし
くはグルタミン酸またはそれらの混合物からなる。
【0025】このポリアミノ酸誘導体は、本発明による
インク組成物中において、顔料を良好に分散させる機能
を担っているものと考えられる。さらに、このポリアミ
ノ酸誘導体の添加によって、本発明によるインク組成物
は良好な印字特性を有し、かつ高品質の印刷画像を実現
する。その理由は定かではないが、このポリアミノ酸誘
導体は疎水性部分と親水性部分を合わせ持つものであ
り、従来知られたこの二つの部分を有するタイプの分散
剤と同様の機序ではあるが、より改善された機序によっ
て顔料を安定に分散させ、かつヒゲのない良好なドット
を形成可能としているためであると予想される。
【0026】より具体的には、まず、疎水性ポリマー部
分が顔料表面に吸着し、顔料粒子を水性溶媒中に良好に
分散させる。一方、ポリアミノ酸誘導体のポリアミノ酸
部分は、多価カチオンと選択的かつ強力に結合する構造
を有しているものと考えられる。そして、この結合はポ
リアミノ酸誘導体の電荷を中和させるのに十分なもので
あり、この結合により顔料粒子を安定に分散させていた
状態が破壊される。従って、本発明によるインク組成物
が紙などの記録媒体上に付着すると、紙上に存在してい
る多価カチオンとポリアミノ酸部分とが結合し、インク
組成物の分散状態が破壊され、着色剤が溶媒と分離す
る。その結果、着色剤が記録媒体上において広がらず、
ヒゲのない良好なドットが形成されるものと考えられ
る。以上の理論はあくまで予想であって、本発明はこの
理論に拘束されるものではない。
【0027】本発明によるインク組成物におけるこのポ
リアミノ酸誘導体の添加量は、本発明の効果が得られる
範囲で適宜決定されてよいが、約0.1〜30重量%程
度が好ましく、より好ましくは0.1〜20重量%であ
る。
【0028】ポリアミノ酸部分 本発明において、ポリアミノ酸部分は、アスパラギン酸
もしくはグルタミン酸またはそれらの混合物からなる。
このポリアミノ酸部分は、上記したような本発明による
有利な効果が得られる限りにおいて、アスパラギン酸お
よびグルタミン酸以外のアミノ酸を含んでなることがで
きる。本発明の好ましい態様によれば、ポリアミノ酸部
分のアスパラギン酸および/またはグルタミン酸の含量
は、90重量%を超えるのが好ましい。
【0029】本発明において使用されるポリアミノ酸部
分の数平均分子量は、約700〜10,000である。
より好ましくは約800〜約4000である。
【0030】本発明においてポリアミノ酸中に存在する
アスパラギン酸はD−体であってもL−体であってもよ
く、またそれらが混在していてもよい。また、アスパラ
ギン酸と隣り合うアミノ酸とのペプチド結合は、アスパ
ラギン酸のα位のカルボキシル基を介するものであって
もよく、またβ位のカルボキシル基を介するものであっ
てもよい。また、グルタミン酸についても、ポリアミノ
酸中に存在するグルタミン酸はD−体であってもL−体
であってもよく、またそれらが混在していてもよい。さ
らに、グルタミン酸と隣り合うアミノ酸とのペプチド結
合は、α位のカルボキシル基を介するものであってもよ
く、またγ位のカルボキシル基を介するものであっても
よい。
【0031】ポリアスパラギン酸は、L−アスパラギン
酸を出発原料として二工程からなる工業的方法により調
製することができる。まず、第一の工程において、結晶
L−アスパラギン酸を200℃以上の温度において加熱
重合させ、ポリコハク酸イミドを得る。この反応は単純
な縮合反応であり、副生成物は水のみである。第二の工
程において、ポリコハク酸イミドを50〜60℃の加熱
水性スラリーとし、化学量論的に当量の塩基の存在下に
おいて加水分解を行い、ポリアスパラギン酸を塩の形態
で得る。典型的には、水酸化ナトリウムをスラリーのp
Hが10を超えない量加える。この方法の詳細はAdvanc
es in Chemistry Series,vol.248,pp.99-111(1996)に記
載がある。この方法によって得られたポリアスパラギン
酸は、β位のカルボン酸を介したペプチド結合が70%
程度であり、α位のカルボン酸を介したペプチド結合が
30%程度であり、かつ数平均分子量が約2,000で
ある。より低分子のポリアスパラギン酸は、スラリーの
pHを12以上とし加水分解を行うことによって得るこ
とができる。
【0032】一方、ポリグルタミン酸は種々の微生物学
的な方法によって得ることができる。典型的なポリグル
タミン酸を産生可能な微生物としては、Bacillus liche
nformis ATCC 9954aが挙げられる。この微生
物により産生されるポリグルタミン酸は、ペプチド結合
のほぼ全てがγ位のカルボキシル基を介したものであ
り、かつ数平均分子量が約100,000以上のもので
ある。本発明において好ましく用いられる分子量のポリ
グルタミン酸は、高分子のポリグルタミン酸を加水分解
酵素、例えば Aspergillus属由来のポリグルタメートハ
イドロラーゼ、Myrothecium属由来のポリグルタミン酸
ハイドロラーゼと反応させて得ることができる。
【0033】また、ポリアスパラギン酸、ポリグルタミ
ン酸、およびポリアスパラギン酸およびポリグルタミン
酸のコポリマーは、モノベンジルエステルで保護された
α−アミノ酸のN−カルボキシ無水物(NCA)を用い
て製造することも可能である。アスパラギン酸のモノベ
ンジル保護体は市販されており、例えばL−アスパラギ
ン酸β−ベンジルエステルは Sigma Chemical 社から入
手可能である。また、グルタミン酸のモノベンジルエス
テルも市販されており、例えばL−グルタミン酸γ−ベ
ンジルエステルは Sigma Chemical 社から入手可能であ
る。これらのモノベンジルエステル保護体は、例えば保
護体をTHFに溶解し、これとベンゼン中のホスゲンと
を反応させることによって、対応するNCA誘導体に変
換できる(例えば、Biopolymers,Vol.15,1869-71(1976)
を参照)。
【0034】この対応するNCA誘導体を重合させ、そ
の後保護基であるベンジル基をのぞくことによって、ポ
リアスパラギン酸またはポリグルタミン酸を得ることが
できる。同様に、アスパラギン酸とポリグルタミン酸と
のコポリマーは、対応するNCA誘導体の混合物を重合
させ、その後保護基であるベンジル基をのぞくことによ
って得ることができる。一般的には、NCA誘導体単独
の重合またはその混合物の重合は、例えばジオキサンま
たは塩化メチレンのような溶媒中で、トリエチルアミン
またはベンジルアミノのようなアミン開始剤を用いて行
うことができる。α位のカルボキシル基を介したペプチ
ド結合を有する比較的高い分子量のポリマー(例えば約
100,000)は、このような方法によって好ましく
製造することができる。ベンジル基の脱保護は、トリフ
ルオロ酢酸およびメタンスルホン酸との混合物を用いて
実施することができる。室温における約30分以上の反
応により、得られたポリマー中のベンジル基は0.1%
以下とすることができる。トリフルオロ酢酸とメタンス
ルホン酸の混合物によるベンジル基の脱保護反応が起こ
ると同時に、競争反応としてポリマー鎖の切断が生じ
る。0℃から常温の間には、ポリマー鎖の切断反応速度
がベンジル基の脱保護反応速度より遅い。従って、時間
と温度を注意深く制御することによって、本発明におい
て好ましい範囲にある分子量を有するポリアミノ酸を得
ることができる。
【0035】疎水性ポリマー部分 本発明において疎水性ポリマー部分は、スチレンまたは
スチレン誘導体、ビニルピリジンまたはビニルピリジン
誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエンお
よびイソプレンからなる群から選択される少なくとも1
種のモノマーから調製されるホモポリマーまたはコポリ
マーである。モノマーは適宜選択されてよいが、その例
としては、スチレン、α−メチルスチレン、3−メチル
スチレン、4−メチルスチレン、4−tert−ブチル
スチレン、3−ニトロスチレン、3−フルオロスチレ
ン、4−フルオロスチレン、2−ビニルピリジン、4−
ビニルピリジン、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタク
リレート、tert−ブチルメタクリレート、ヘキシル
メタクリレート、2−エチル−ヘキシルメタクリレー
ト、オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、フェニルメタクリレー
ト、2−エトキシエチルメタクリレート、2−トリメチ
ルシロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリ
レート、p−トリルメタクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、
ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレ
ート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、
ステアリルアクリレート、フェニルアクリレート、2−
エトキシエチルアクリレート、2−トリメチルシロキシ
エチルアクリレート、グリシジルアクリレート、p−ト
リルアクリレート、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、ブタジエンおよびイソプレンが挙げられる。
【0036】本発明における疎水性ポリマーは、通常の
アニオン重合法を用いて調製できる。アニオン重合は
「リビング」高分子カルバニオンを使用することから、
酸素、湿気および他の不純物に関して厳しい条件を重合
反応中維持しなければならない。したがって、溶媒およ
びモノマーは重合前に厳密に精製しなければならない。
【0037】通常のアニオン重合法を用いて調製した疎
水性ポリマーは、分子量分布が極めて狭い。ポリマーの
重量平均分子量を数平均分子量で割った分散度で表した
とき、典型的なポリマーの分散度は、1.5未満であ
り、一般的には1.0〜1.3の範囲である。ポリマー
の重量平均分子量と数平均分子量の両方とも、既知分子
量のポリマー標準を用いて校正したカラムを用いて、サ
イズクロマトグラフィーから得ることができる。本発明
の好ましい態様によれば、本発明において疎水性ポリマ
ーの数平均分子量は10,000以下が好ましく、より
好ましくは5,000以下であり、最も好ましくは2,
000以下である。また、本発明において疎水性ポリマ
ーの数平均分子量は300以上であるのが好ましい。従
って、好ましい数平均分子量は300〜2,000の範
囲である。
【0038】アニオン重合についての技術分野において
周知のように、多数の求電子剤が「リビング」高分子カ
ルバニオンと反応して官能基末端ポリマーを生じさせ
る。疎水性高分子部分をポリアミノ酸のアミノ末端へ共
有結合させるためには、このような官能基末端ポリマー
が望ましい。カルボキシ末端、ヒドロキシ末端およびア
ミノ末端ポリマーが、常法により容易に調製できる。
【0039】疎水性高分子部分をポリアミノ酸のアミノ
末端へ共有結合させるためには、カルボキシ末端疎水性
ポリマー、すなわちN−アシル化アミノ末端ポリアミノ
酸に対して結合させうるものの利用が好ましい。カルボ
キシ末端疎水性ポリマーは、二酸化炭素と、「リビン
グ」アニオン性ポリマーとを反応させることによって得
ることができる。カルボキシ末端疎水性ポリマーは、常
法に従い容易にN−アシル化誘導体(例えば、カルボキ
シルハライド末端ポリマーまたはカルボン酸無水物末端
ポリマー)に変換することができる。
【0040】ポリアミノ酸誘導体の製造 上記したように、米国特許第5,085,698号に
は、疎水性(A)部分と親水性(B)部分を有するAB
またはBABブロックコポリマーからなる顔料分散剤の
利用が、ランダムコポリマーと比較した場合に有利であ
ることが明瞭に示されている。一種類の疎水性ポリマー
をポリアミノ酸のアミノ末端へ共有結合させることによ
り、米国特許第5,085,698号の分類によりAB
ブロックコポリマーとして分類できるポリアミノ酸誘導
体が得られる。また、二種類の疎水性ポリマーをポリア
ミノ酸の複数のカルボキシル基へ共有結合させることに
より、上記特許の分類では分類できないポリアミノ酸誘
導体が得られる。本発明において利用される、一種の疎
水性ポリマーがポリアミノ酸のアミノ末端へ有結合され
た構造を有するポリアミノ酸誘導体は、以下に説明する
方法によって好ましく製造することができる。
【0041】上に記載したポリアミノ酸は、疎水性ポリ
マーを化学的に結合可能な二種の官能基を有している。
すなわち、アスパラギン酸単位およびグルタミン酸単位
ごとに存在する複数のカルボキシル基と、ポリアミノ酸
の末端に存在する唯一のアミノ基である。ここで、カル
ボキシル基への疎水性ポリマーのカルボキシ基への結合
は、ポリアミノ酸の多価カチオンへの結合に悪影響を及
ぼすことが予想される。
【0042】従って、疎水性ポリマーを結合させてよい
ポリアミノ酸の唯一の官能基は末端のアミノ基である。
よって、疎水性ポリマーを末端アミノ基へ共有結合させ
ることにより、本発明において用いられるポリアミノ酸
誘導体を製造する。アミノ基はポリアミノ酸の末端に存
在するので、疎水性ポリマーの共有結合は、ポリアミノ
酸部分と普通紙の表面に存在する多価カチオンとの間の
結合相互作用を遮るものとはならない。
【0043】疎水性ポリマーをポリアミノ酸の末端アミ
ノ基に共有結合させるために数多くの方法が有効である
が、本発明において好ましい方法は、カルボキシルハラ
イド末端ポリマーまたはカルボン酸無水物末端ポリマー
を用いたN−アシル化である。ポリアミノ酸の末端アミ
ノ基のN−アシル化によりアミドが形成される。アミド
は化学的に強力な結合であり、強い酸性またはアルカリ
条件下においてのみ加水分解される。このような化学的
に強力な結合は、インク組成物の用途、とりわけインク
ジェット記録用インク組成物の用途において十分なもの
である。
【0044】カルボキシルハライドおよびカルボン酸無
水物のようなアシル化剤を用いたアミノ基のアシル化の
ための一般的な方法は種々知られており、これら一般的
な方法をカルボキシルハライド末端ポリマーまたはカル
ボン酸無水物末端ポリマーに適用することができる。例
えば、Inoue らは、ジエチレントリアミノペンタ酢酸無
水物を用いて、ピリジン中65℃、24時間で、キトサ
ンをN−アシル化している(Adv.Chitin Science,vol.
1,271(1996))。この方法を、ジエチレントリアミノペ
ンタ酢酸無水物に代えてカルボン酸無水物末端疎水性ポ
リマーに適用することで、ポリアミノ酸のアミノ基をア
シル化することができる。また、Georgらは、低分子量
の有機酸クロライドを用い、炭酸水素ナトリウムをpH
緩衝液として用いたSchotten-Baumann条件下で、N−無
ベンゾイルタキソールをN−アシル化している(Bioorg
anic and Medicinal Chemistry Letters,Vol.4,No.2,33
5(1994))。この方法を、低分子量の有機酸クロライド
に代えてカルボキシルハライド末端ポリマーに適用する
ことで、ポリアミノ酸のアミノ基をアシル化することが
できる。
【0045】上記以外の方法の種々の方法によっても疎
水性ポリマーをポリアミノ酸の末端アミノ基に導入する
ことが可能である。例えば、グリコ複合体の合成および
スクリーニングに使用されている手法もポリアミノ酸に
適用できる。この方法の第一工程において、大過剰のホ
モ二官能試薬、ジスクシンイミジルスベレート(DS
S)を用いて、末端アミノ基を選択的にアミド化する。
この結果、一つのN−ヒドロキシスクシンイミジルエス
テルがそのまま残り、さらに誘導化できる。そして、第
二工程では、DSS変性グリコシルアミン誘導体を、ア
ミン官能化疎水性ポリマーを用いて選択的にアミド化す
る。最終的に、8炭素スペーサ基により、一つの疎水性
ポリマーがアミノ酸のアミノ末端に単共有結合すること
となる。
【0046】顔料 本発明において用いられる顔料は、有機または無機顔料
のいずれかまたはその混合物であってよい。本明細書で
使用される用語「顔料」は、不溶性顔料を意味する。
【0047】顔料粒子は、顔料分散インクがインクジェ
ット印刷装置、とりわけ直径が典型的に10〜50μm
である吐出ノズルを通って自由に流れるに十分な程度に
小さいものであることが望ましい。顔料の粒径は、好ま
しくは10μm以下、より好ましくは0.1μm以下で
ある。
【0048】選択された顔料は、乾燥または未乾燥の形
態で使用できる。通常、顔料は、水性媒体中で製造さ
れ、この顔料は水湿潤プレスケーキとして得られる。こ
のプレスケーキの形態では、顔料は、乾燥形態である程
度には凝集しない。未乾燥プレスケーキの形態での顔料
は、インクの製造工程において乾燥顔料ほどの解凝集を
必要としない。
【0049】本発明において利用可能な顔料としては、
以下のものなどが挙げられる:シムラーファーストイエ
ローGF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.
ピグメントイエロー12)、シムラーファーストイエロ
ーGFR(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.
ピグメントイエロー13)、シムラーファーストイエロ
ー5GF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.
ピグメントイエロー14)、Irgalite Yel
low CG(Ciba−Geigy社製;C.I.ピ
グメントイエロー16)、シムラーファーストイエロー
HGF(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピ
グメントイエロー17)、シムラーファーストイエロー
4117(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.
ピグメントイエロ−73)、シムラーファーストイエロ
ー4191N(大日本インキ化学工業株式会社製;C.
I.ピグメントイエロー74)、シムラーファーストイ
エロー4181(大日本インキ化学工業株式会社製;
C.I.ピグメントイエロー83)、Chromoph
thal Yellow 3G(Ciba−Geigy
社製;C.I.ピグメントイエロー93)、Chrom
ophthal Yellow GR(Ciba−Ge
igy社製;C.I.ピグメントイエロー95)、シム
ラーファーストイエロー4186(大日本インキ化学工
業株式会社製;C.I.ピグメントイエロー97)、H
ansa Brilliant Yellow 10G
X(Hoechst Celanese社製;C.I.
ピグメントイエロー98)、Permanent Ye
llowG3R−01(Hoechst Celane
se社製;C.I.ピグメントイエロー114)、Ch
romophthal Yellow 8G(Ciba
−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー12
8)、Irgazin Yellow 5GT(Cib
a−Geigy社製;C.I.ピグメントイエロー12
9)、Hostaperm Yellow H4G(H
oechst Celanese社製;C.I.ピグメ
ントイエロー151)、シムラーファーストイエロー4
192(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピ
グメントイエロー154)、Hostaperm Or
ange GR(Hoechst Celanese社
製;C.I.ピグメントオレンジ43)、Paliog
en Orange(BASF社製;C.I.ピグメン
トオレンジ51)、シムラーブリリアントカーミン(大
日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントレ
ッド57:1)、 ファーストゲンスーパーマゼンタ
(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメン
トレッド122)、Paliogen Red L38
70(BASF社製;C.I.ピグメントレッド12
3)、Hostaperm Scarlet GO(H
oechst Celanese社製;C.I.ピグメ
ントレッド168)、Permanent Rubin
e F6B(Hoechst Celanese社製;
C.I.ピグメントレッド184)、Monastra
l Magenta(Ciba−Geigy社製;C.
I.ピグメントレッド202)、Monastral
Scarlet(Ciba−Geigy社製;C.I.
ピグメントレッド207)、ファーストゲンブルーGP
−100(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.
ピグメントブルー15:2)、ファーストゲンブルーG
NPR(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピ
グメントブルー15:3)、ファーストゲンブルーGN
PS(大日本インキ化学工業株式会社製;C.I.ピグ
メントブルー15:4)、Micracet Blue
R(Ciba−Geigy社製;C.I.ピグメント
ブルー60)、ファーストゲングリーンS(大日本イン
キ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントグリーン
7)、ファーストゲングリーン2YK(大日本インキ化
学工業株式会社製;C.I.ピグメントグリーン3
6)、ファーストゲンスーパーレッド(大日本インキ化
学工業株式会社製;C.I.ピグメントバイオレット1
9)、ファーストゲンスーパーバイオレット(大日本イ
ンキ化学工業株式会社製;C.I.ピグメントバイオレ
ット23)、Monastral Maroon RT
−229−D(Ciba−Geigy社製;C.I.ピ
グメントバイオレット42)、Raven 1170
(Columbian Chemicals社製C.
I.ピグメントブラック7),スペシャルブラック4A
(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック
7)、FW10(Degussa社製;C.I.ピグメ
ントブラック7)、およびColour Blacks
(Degussa社製ピグメントブラック7)。
【0050】本発明組成物中における顔料の量は、約
0.1〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量
%である。
【0051】 水は、本発明の顔料分散水性インク組成物のための主要
溶媒である。本発明によるインク組成物中の水性キャリ
ア媒体の量は70〜99.8重量%であるのが好まし
い。インク組成物に含ませることができる追加成分をさ
らに以下に示す。
【0052】塩基 顔料分散剤のポリアミノ酸部分を水性媒体に可溶化する
ために、カルボン酸官能基の一部分または全ての中和を
必要とすることがある。このための適当な塩基として
は、有機塩基、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸
化物およびそれらの混合物などが挙げられる。適当な塩
基としては、例えば、以下のものが挙げられる:メチル
アミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モルホリ
ン、N−メチルモルホリン、モノエタノールアミン、ジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル
−モノエタノールアミン、N,N−ジメチル−モノエタ
ノールアミン、N−メチル−ジエタノールアミン、テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド、アンモニア、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化ルビジウムおよび水酸化セシウム。
【0053】水溶性補助溶媒 上記した成分の他に、インクは、任意に一種以上の水溶
性有機溶媒を含有できる。水溶性有機溶媒は、よく知ら
れており、(1)イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール等のアルコール類、(2)アセトン、メチルエチ
ルケトン等のケトン類、(3)テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、(4)エチルアセテート、プ
ロピレンカルボネート等のエステル類、(5)エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
1,5−ペンタンジオール、1,2,6−ヘキサントリ
オール、チオジグリコール、グリセロール等の多価アル
コール類、(6)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレング
リコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピル
エーテル、エチレングリコールモノ−イソプロピルエー
テル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、
エチレングリコールモノ−sec−ブチルエーテル、エ
チレングリコールモノ−イソブチルエーテル、エチレン
グリコールモノ−tert−ブチルエーテル、、エチレ
ングリコールモノ−n−アミルエーテル、エチレングリ
コールモノ−n−ヘキシルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレ
ングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレン
グリコールモノ−イソプロピルエーテル、プロピレング
リコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノ−sec−ブチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノ−イソブチルエーテル、プロピレングリコール
モノ−tert−ブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジ
エチレングリコールモノ−イソプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリ
コールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモ
ノ−n−プロピルエーテルおよびジプロピレングリコー
ルモノ−n−ブチルエーテル等の多価アルコール類の低
級アルキルエーテル、(7)尿素、ピロリドン、N−メ
チル−2−ピロリドン等の窒素含有化合物、(8)ジメ
チルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド等のイ
オウ含有化合物などがある。インクに使用される補助溶
媒の総量は特に限定されないが、好ましくは、補助溶媒
は0.5〜40重量%の範囲で存在する。
【0054】他の成分 上記で記載した成分の他に、インクは、アニオン性また
は非イオン性界面活性剤からなる群から選択される一種
以上の浸透性付与界面活性剤を任意に含有してよい。ア
ニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、高級ア
ルコール硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホネー
トおよび高級アルコールリン酸エステル塩などが挙げら
れる。非イオン界面活性剤としては、例えば、アセチレ
ンジオールのエチレンオキシド付加物、高級アルコール
のエチレンオキシド付加物、アルキルフェノールのエチ
レンオキシド付加物、脂肪族エチレンオキシド付加物、
高級アルコール脂肪酸エステルのエチレンオキシド付加
物、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物、脂
肪酸アミドのエチレンオキシド付加物、ポリプロピレン
グリコールのエチレンオキシド付加物、多価アルコール
の脂肪酸エステル、アルカノールアミン脂肪酸アミドお
よびエチレンオキシド−プロピレンオキシドコポリマー
などが挙げられる。米国、18195、ペンシルベニア
州アレンタウンにあるAir Products an
d Chemicals社より入手できるアセチレン系
ジオールのエチレンオキシド付加物が好ましく使用され
る。これらの例としては、サーフィノール465(エト
キシル化テトラメチルデシンジオール)、サーフィノー
ルCT−136(アセチレン系ジオールとアニオン界面
活性剤との配合物)、サーフィノールGA(アセチレン
系ジオール配合物)およびサーフィノールTG(エチレ
ングリコールへのアセチレン系ジオールの配合物)が挙
げられる。インクにおける浸透性付与界面活性剤の使用
量は、特に限定されないが、好ましくは、0.01〜5
重量%の範囲である。上記浸透性付与界面活性剤の他
に、pH緩衝剤、殺生剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤お
よび酸化防止剤等の添加剤を含有してよい。インクの全
ての組成物の量は、インクの粘度が20℃で10cps
未満であるように選択される。
【0055】インクの調製 本発明のインク組成物は、適当な方法を用いて上記した
成分を分散・混合することにより一工程で調製できる。
また、インク組成物は、1)上記した成分の一部分を分
散・混合し、2)その後、残りの成分を分散液に添加・
混合することにより、二工程で調製することもできる。
分散工程は、ボールミル、サンドミル、アトリッター、
ロールミル、アジテータミル、ヘンシェルミキサー、コ
ロイドミル、超音波ホモジェナイザー、ジェットミルま
たはオングミルを用いて行い、均一分散液を得ることが
できる。
【0056】まず着色インクを濃縮形態で調製した後、
この濃縮分散液を希釈してインクジェットプリンターに
使用するのに適当な濃度としてよい。また、一般的に、
顔料分散水性インク組成物を、好ましくは金属メッシュ
フィルターまたはメンブレンフィルターを用いて、濾過
することが望ましい。濾過は、濾過されているインク組
成物に圧力を加えるか、濾過装置の受容端の圧力を減少
することによって行ってもよい。また、遠心分離を使用
して、インクジェットプリンターのプリントヘッドのノ
ズルの障害を生じることのある大きな粒子を除去しても
よい。
【0057】
【実施例】本発明を以下の実施例によってさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0058】以下の実施例において、有機溶媒は一般的
な方法によって精製されたものを用いる。1,4−ジオ
キサンは水酸化カリウムで予備的に乾燥した後、アルゴ
ン下ナトリウムワイヤーの存在下蒸留する。トリエチル
アミンはフタル酸無水物の存在下還流し、その後蒸留す
る。トリフルオロ酢酸は、1%トリフルオロ酢酸無水物
と共に還流した後、蒸留する。メタンスルホン酸、酢酸
エチル、アニソール、およびイソプロピルエーテルは A
ldrich Chemical 社から入手し、そのまま用いる。
【0059】ポリアミノ酸の製造 以下の実施例に使用するポリアスパラギン酸は、以下の
一般的な方法を用いて調製することができる。β−ベン
ジル−L−アスパラギン酸エステルのN−カルボン酸無
水物は、β−ベンジル−L−アスパラギン酸(Aldrich
Chemical 社から入手可能)を出発原料として、Fuller
et al.の方法(Biopolymers, Vol.15,1869-71(1976))
により、収率約80%で得ることができる。66gのβ
−ベンジル−L−アスパラギン酸エステルのN−カルボ
ン酸無水物を2リットルの1,4−ジオキサンにアルゴ
ン雰囲気下撹拌しながら溶解する。この溶液に、1,4
−ジオキサン1リットルに1mlのトリエチルアミンを
溶解した溶液を加える。この溶液をアルゴン雰囲気下で
10時間、室温で撹拌する。次に、イオン交換水2リッ
トルを、上記の1,4−ジオキサン溶液に加え、混合液
を1時間撹拌する。溶液の容量が80%減るまで溶媒を
減圧下留去し、精製した固形物を濾取する。得られた固
形物を水で数回洗い、減圧下乾燥する。収率は約70%
程度である。
【0060】ポリ(β−ベンジル−L−アスパラギン
酸)のベンジルの脱保護および低分子量化は次のように
実施する。46gのポリ(β−ベンジル−L−アスパラ
ギン酸)をトリフルオロ酢酸(375ml)およびアニ
ソール(68ml)の混合液に溶解する。この溶液をア
イスバスで0℃まで冷却する。冷却したこの溶液に、メ
タンスルホン酸(375ml)を加え、混合物を0℃で
30分間撹拌する。アイスバスをはずし、攪拌を60分
間続けながら溶液の温度を室温まで上げる。次に、反応
液を6.5リットルのイソプロピルエーテルに加える。
生じた析出物を濾取し、イソプロピルエーテルで数回洗
い、減圧下乾燥する。
【0061】以下の実施例に使用するポリグルタミン酸
は、以下の一般的な方法を用いて調製することができ
る。γ−ベンジル−L−グルタミン酸エステルのN−カ
ルボン酸無水物は、γ−ベンジル−L−グルタミン酸
(Aldrich Chemical 社から入手可能)を出発原料とし
て、Fuller et al.の方法(前掲文献)により、収率約
90%で得ることができる。70gのγ−ベンジル−L
−グルタミン酸エステルのN−カルボン酸無水物を2リ
ットルの1,4−ジオキサンにアルゴン雰囲気下撹拌し
ながら溶解する。この溶液に、1,4−ジオキサン1リ
ットルに1mlのトリエチルアミンを溶解した溶液を加
える。この溶液をアルゴン雰囲気下で10時間、室温で
撹拌する。次に、イオン交換水2リットルを、上記の
1,4−ジオキサン溶液に加え、混合液を1時間撹拌す
る。溶液の容量が80%減るまで溶媒を減圧下留去し、
精製した固形物を濾取する。得られた固形物を水で数回
洗い、減圧下乾燥する。収率は約70%程度である。
【0062】ポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸)
のベンジルの脱保護および低分子量化は次のように実施
する。63gのポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン
酸)をトリフルオロ酢酸(500ml)およびアニソー
ル(90ml)の混合液に溶解する。この溶液をアイス
バスで0℃まで冷却する。冷却したこの溶液に、メタン
スルホン酸(500ml)を加え、混合物を0℃で30
分間撹拌する。アイスバスをはずし、攪拌を65分間続
けながら溶液の温度を室温まで上げる。次に、反応液を
9.0リットルのイソプロピルエーテルに加える。生じ
た析出物を濾取し、イソプロピルエーテルで数回洗い、
減圧下乾燥する。
【0063】ポリアミノ酸誘導体溶液A N−ポリアスパラルチル−ポリスチレン−ω−カルボキ
シアミド 20.0gのポリアスパラギン酸と、6.0gの水酸化
リチウム一水和物とを500mlのイオン交換水に溶解
し、撹拌する。次に、5gの炭酸リチウムを加える。激
しく撹拌しているこの炭酸リチウムを分散させたポリア
スパラギン酸塩溶液に、20.0gの塩化ω−カルボキ
シル末端を有するポリスチレン(Mn=1600、Poly
mer Source 社、Dorval、カナダ)を酢酸エチル400
mlに溶解した溶液を、滴下する。滴下後、溶液をさら
に4時間撹拌し続ける。アイスバスを用いて溶液を冷却
し、濃塩酸を滴下し、過剰の炭酸リチウムを中和する。
濃塩酸の添加を溶液のpHが1.5に達するまで続け
る。次に、溶液を減圧下蒸発乾固させる。残渣をトルエ
ンで何度か洗い、ポリスチレン誘導体を除く。洗液を捨
て、残った固形物を減圧下、恒量となるまで乾燥させ
る。
【0064】乾燥した固形物をイオン交換水に入れ、ポ
リアミノ酸誘導体の40重量%の混合物を得る。この混
合物を激しく撹拌し、N,N−ジメチルエタノールアミ
ンを2〜3時間かけて滴下する。その後、混合物のpH
が8.0となり変化しなくなるまで激しく攪拌を続け
る。少量の不溶物を濾取する。固形物濃度が約25重量
%となるようにさらにイオン交換水を加える。
【0065】ポリアミノ酸誘導体溶液B N−ポリアスパラルチル−ポリ(2−ビニルピリジン)
−ω−カルボキシアミド 塩化ω−カルボキシル末端を有するポリスチレンに代え
て、塩化ω−カルボキシル末端を有するポリ(2−ビニ
ルピリジン)(Mn=1500、Polymer Source 社、D
orval、カナダ)を用いた以外は、上記ポリアミノ酸誘
導体溶液Aと同様にして調製する。
【0066】ポリアミノ酸誘導体溶液C N−ポリグルタミル−ポリスチレン−ω−カルボキシア
ミド ポリアスパラギン酸に代えてポリグルタミン酸を用いた
以外は、上記ポリアミノ酸誘導体溶液Aと同様にして調
製する。
【0067】ポリアミノ酸誘導体溶液D N−ポリグルタミル−ポリ(2−ビニルピリジン)−ω
−カルボキシアミド ポリアスパラギン酸に代えてポリグルタミン酸を用いた
以外は、上記ポリアミノ酸誘導体溶液Bと同様にして調
製する。
【0068】実施例1 以下に示す成分を混合し、この混合物を、合計重量がこ
の混合物の1.5倍のガラスビーズ(直径1.7mm)
を入れたサンドミル(安川製作所製)によって分散す
る。微粉砕を2時間実施する。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 5重量% ポリアミノ酸誘導体溶液A(固形分25重量%) 10重量% グリセリン 15重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 65重量% ガラスビーズを粗ステンレスメッシュで濾去する。得ら
れた混合物97部をビーカーに移し、トリエチレングリ
コールモノブチルエーテル3部を加え希釈する。混合物
を2時間撹拌する。次に、未分散粒子を3ミクロンメン
ブレンフィルターにより混合物から濾去して、インクジ
ェット印刷用インクを得る。
【0069】実施例2 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 5重量% ポリアミノ酸誘導体溶液B(固形分25重量%) 10重量% グリセリン 15重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 65重量%
【0070】実施例3 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 5重量% ポリアミノ酸誘導体溶液C(固形分25重量%) 10重量% グリセリン 15重量% 1,5−ペンタンジオール 4重量% イオン交換水 66重量%
【0071】実施例4 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
1と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 5重量% ポリアミノ酸誘導体溶液D(固形分25重量%) 10重量% グリセリン 15重量% ジエチレングリコール 5重量% イオン交換水 65重量%
【0072】実施例5 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。 シムラーファーストイエロー4191N(大日本インキ化学工業社製;C.I .ピグメントイエロー74) 2重量% ポリアミノ酸誘導体溶液B(固形分25重量%) 4重量% グリセロール 15重量% ジエチレングリコール 10重量% エタノール 3重量% イオン交換水 66重量% ガラスビーズを粗ステンレスメッシュで濾去する。次
に、未分散粒子を3ミクロンメンブレンフィルターによ
り混合物から濾去して、インクジェット印刷用インクを
得る。
【0073】実施例6 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 ファーストゲングリーンS(大日本インキ化学工業社製;C.I.ピグメント グリーン7) 2.5重量% ポリアミノ酸誘導体溶液A(固形分25重量%) 5重量% グリセロール 12重量% ジエチレングリコール 8重量% 1−プロパノール 3.5重量% イオン交換水 69重量%
【0074】実施例7 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 シムラーブリリアントカーミン(大日本インキ化学工業社製;C.I.ピグメ ントレッド57:1) 2重量% ポリアミノ酸誘導体溶液C(固形分25重量%) 4重量% グリセロール 15重量% 1,4−ブタンジオール 5重量% ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル 1.5重量% イオン交換水 72.5重量%
【0075】実施例8 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 ファーストゲンブルーGNPR(大日本インキ化学工業社製;C.I.ピグメ ントブルー15:3) 3重量% ポリアミノ酸誘導体溶液D(固形分25重量%) 6重量% グリセロール 18重量% 2−プロパノール 4重量% イオン交換水 69重量%
【0076】比較例1 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルにより分散する。微粉砕後の処理もまた実施例
5と同様の方法で行い、インクジェット印刷に適当なイ
ンクを得る。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 5重量% Joncryl62(SC Johnson Polymer社製;アクリル 樹脂溶液;固形分34重量%) 12重量% グリセリン 15重量% ジエチレングリコール 5重量% 1−プロパノール 3重量% イオン交換水 60重量%
【0077】比較例2 以下に示す成分を混合し、混合物を実施例1と同様のサ
ンドミルで分散する。この例で使用するポリマー分散剤
は、米国特許第5,085,698号に記載の方法によ
り調製したメチルメタクリレート//メチルメタクリレ
ート/メタクリル酸ブロックコポリマー(MMA//M
MA/MA)である。ブロックコポリマーを、N,N−
ジメチルエタノールアミンで中和し、そして固形分25
重量%の溶液が得られるように希釈する。 FW18(Degussa社製;C.I.ピグメントブラック7) 20重量% MMA//MMA/MAブロックコポリマー(固形分25重量%) 40重量% ジエチレングリコール 14重量% イオン交換水 26重量% ガラスビーズを、粗ステンレス製メッシュで濾去する。
分散液1部をビーカーに移し、20重量%ジエチレング
リコール水溶液3部で希釈する。得られた混合物を2時
間攪拌する。次に、未分散粒子を3ミクロンメンブラン
フィルターで混合物から濾去することにより、インクジ
ェット印刷用インクを得る。
【0078】連続印刷試験 上記インクの連続印刷条件下での信頼性を以下のように
して評価する。まず、インクを脱泡し、熱シール性アル
ミニウムパックにシールする。次にインクをMJ−80
0Cプリンタ(セイコーエプソン社製)のプリントヘッ
ドに装填する。最初にノズルの全てを使用するラインパ
ターンを印刷して、インクが全てのノズルから良好な方
向性で吐出される状態とする。印刷パターンを、断続的
なベタブロックと全てのノズルから吐出されるラインパ
ターンを有するものに変更する。組み合わせパターンを
A4サイズの用紙全面に連続印刷する。印刷した用紙に
ついて、100枚ごとに、飛行曲がり、ノズルの詰ま
り、およびベタブロックの光学濃度の減少(5%未満)
がないかどうかを評価する。比較例1を除く試験したイ
ンクの全てについて、印刷した10,000枚の用紙に
関して飛行曲がり、ノズルの詰まり、そして光学濃度の
減少は観察されないと予想される。比較例1について
は、5000枚未満で飛行曲がりが生じると予想され
る。
【0079】断続印刷試験 上記インクの断続印刷条件下での信頼性を以下のように
して評価する。まず、インクを脱泡し、熱シール性アル
ミニウムパックにシールする。次に、インクを、MJ−
800Cプリンタのプリントヘッドに装填する。ノズル
の全てを使用するラインパターンを最初に印刷して、イ
ンクが全てのノズルから良好な方向性で吐出される状態
とする。インク一滴を各ノズルから順次吐出した後、プ
リントヘッドにキャップをしない状態でかつインクを吐
出しない休止時間を設ける印刷パターンに変更する。全
てのノズルから1ドットを吐出した後休止時間とするこ
のパターンを、休止時間の長さを5秒単位で増加させな
がら連続的に反復する。例えば、最初の休止時間が5
秒、二番目の休止時間が10秒、三番目の休止時間が1
5秒のようにする。ノズルが最初に吐出不良を生じる休
止時間の時間間隔を記録する。比較例1を除く試験した
インクの全てについて、最初のノズルの吐出不良が生じ
る前の最小時間間隔は90秒超であると予想される。比
較例1については、吐出不良前の最小時間間隔は60秒
未満であると予想される。
【0080】長期保存試験 上記インクのプリントヘッドにおける長期保存について
の信頼性を以下のように評価する。まず、インクを脱泡
し、熱シール性アルミニウムパックにシールする。次
に、インクをMJ−800Cプリンタのプリントヘッド
に装填する。最初にノズルの全てを使用するラインパタ
ーンを印刷して、インクが全てのノズルから良好な方向
性で吐出される状態とする。次に、インク供給源をプリ
ントヘッドから外すとともに、プリンターからプリント
ヘッドを取り外す。このプリントヘッドを、キャップを
せずに恒温オーブン中40℃に7日間保存する。プリン
トヘッドをプリンターに再び取付け、インク供給源をプ
リントヘッドに再び取り付ける。プリンターのクリーニ
ング操作を実施した後、ノズルの全てを使用するライン
パターンの印刷を行う。クリーニング操作とその後のラ
インパターンの印刷を、全てのノズルにより良好な方向
性(飛行曲がりがない)で印刷できるまで反復し、全て
のノズルが回復するまでのクリーニング回数を記録す
る。比較例1を除く試験したインクの全てについて、完
全に回復するのに必要とするクリーニング回数は3回以
下と予想される。比較例1については、クリーニング操
作を10回行った後でも全てのノズルの完全回復は達成
されないと予想される。
【0081】熱サイクル試験 上記インクの2つの極端温度(−30℃および60℃)
での信頼性を以下のように評価する。まず、インクを脱
泡し、30mLガラス試料瓶に密封する。試料瓶を60
℃の恒温オーブンに入れ、この温度条件下で24時間保
存する。試料をオーブンから取り出し、−30℃の恒温
冷凍庫に移し、この温度条件で24時間保存する。この
二温度サイクルを合計10サイクルが完了するまで反復
する。最後のサイクルの後、インクを室温に解凍し、ガ
ラス試料瓶を震盪することなく逆さまにし、試料瓶の底
に析出物がないか調べる。比較例1を除く試験したイン
クの全てについて、析出物は観察されないと予想され
る。比較例1については析出物が観察されると予想され
る。
【0082】乾燥時間試験 ベタブロックパターンを印刷し、印刷したパターンを1
0秒づつ間隔を増しながら拭き取ることにより、上記イ
ンクの乾燥時間を評価する。印刷は、MJ−800Cプ
リンタを用いて実施し、記録紙はゼロックス4024紙
を使用して、印刷したインクがよごれなくなる時間を記
録する。試験した全てのインクについて、乾燥時間は3
0秒未満であると予想される。
【0083】印字品質試験 印字品質を、MJ−800Cプリンタを用いて以下のよ
うに評価する。標準的な漢字を、ゴシックおよび明朝を
用いて4ポイントの文字の大きさで、かつ720dpi
で印刷する。記録紙として4種類の普通紙、すなわちゼ
ロックス4024、ゼロックスR、やまゆり、およびC
onqueror Laidを使用する。印字サンプル
を光学顕微鏡を用いて観察し、印字品質の評価を以下の
基準に従い行う。 評価A:漢字が鮮明であり且つ文字内の内部空白にイン
クの入り込みがない。 評価B:漢字は鮮明であるが、画数が約15を超える漢
字において内部空白に多少のインクの入り込みが見られ
る。 評価NG:漢字が鮮明でなく、画数が約10を超える漢
字において内部空白に顕著なインクの入り込みが見られ
る。 印字品質試験の結果は、以下の表1に示されるとおりと
予想される。
【0084】
【表1】

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料分散水性インク組成物であって、 (a)水と水溶性有機溶剤とを少なくとも含んでなる溶
    媒と、 (b)顔料と、そして (c)アスパラギン酸もしくはグルタミン酸またはそれ
    らの混合物からなるポリアミノ酸の末端アミノ基に疎水
    性ポリマーが共有結合されてなるポリアミノ酸誘導体と
    を含んでなる、インク組成物。
  2. 【請求項2】前記ポリアミノ酸誘導体が、ポリアミノ酸
    部分のアスパラギン酸および/またはグルタミン酸の含
    量が90重量%を超えるものである、請求項1に記載の
    インク組成物。
  3. 【請求項3】前記疎水性ポリマーが、スチレンまたはス
    チレン誘導体、ビニルピリジンまたはビニルピリジン誘
    導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、ア
    クリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン、お
    よびイソプレンからなる群から選択される少なくとも一
    種から製造されたホモポリマーまたはコポリマーであ
    る、請求項1または2に記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】顔料0.1〜10重量%と、ポリアミノ酸
    誘導体0.1〜20重量%と、溶媒70〜99.8重量
    %とを含有してなる、請求項1〜3のいずれか一項に記
    載のインク組成物。
  5. 【請求項5】前記ポリアミノ酸部分の数平均分子量が7
    00以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の
    インク組成物。
  6. 【請求項6】前記疎水性ポリマー部分の数平均分子量が
    300以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載
    のインク組成物。
  7. 【請求項7】前記ポリアミノ酸部分が、有機塩基、アル
    カノールアミン、アルカリ金属水酸化物、およびそれら
    の混合物からなる群から選択された中和剤で中和された
    ものである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のイン
    ク組成物。
  8. 【請求項8】インクジェット記録方法に用いられる、請
    求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 【請求項9】インク組成物を付着させて記録媒体に印字
    を行う記録方法であって、インク組成物として請求項1
    〜7のいずれか一項に記載のインク組成物を用いる、方
    法。
  10. 【請求項10】インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を
    記録媒体に付着させて印字を行うインクジェット記録方
    法であって、インク組成物として請求項1〜9のいずれ
    か一項に記載のインク組成物を用いる、インクジェット
    記録方法。
  11. 【請求項11】請求項9または10に記載の記録方法に
    よって記録が行われた、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006016546A (ja) * 2004-07-02 2006-01-19 Asahi Kasei Chemicals Corp 水性インク組成物
WO2008136041A1 (ja) * 2007-04-17 2008-11-13 Toru Mizukami インキ及び塗料用の蓄光性組成物、蓄光粒子体の製造方法
JP2011231569A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Taiheiyo Precast Concrete Industry Co Ltd 避難誘導機能を有する階段ブロック
CN120118551A (zh) * 2025-03-28 2025-06-10 联冠(开平)胶粘制品有限公司 应用于uv打印及碳带打印的高分子薄膜涂层及薄膜胶带

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