JPH11279585A - バニラ抽出物の製造方法およびバニラ抽出物 - Google Patents

バニラ抽出物の製造方法およびバニラ抽出物

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JPH11279585A
JPH11279585A JP10102000A JP10200098A JPH11279585A JP H11279585 A JPH11279585 A JP H11279585A JP 10102000 A JP10102000 A JP 10102000A JP 10200098 A JP10200098 A JP 10200098A JP H11279585 A JPH11279585 A JP H11279585A
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vanilla extract
vanilla
woody
extract
woody material
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JP10102000A
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Fuyuki Fukaya
冬樹 深谷
Noritsugu Sasaki
則嗣 佐々木
Akio Hasebe
昭雄 長谷部
Koichi Tanaka
孝一 田中
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Soda Aromatic Co Ltd
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Soda Aromatic Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易且つ短期間で品質安定性良く、バニラ抽出
物に、芳醇感、まろやかさ等の熟成感、さらには高級感
を付与することのできるバニラ抽出物の製造方法とその
バニラ抽出物を提供する。 【解決手段】バニラ抽出物を、木質成分の溶出を抑制し
た木質材料と接触させる改良されたバニラ抽出物の製造
方法であって、この木質成分の溶出を抑制した木質材料
として、表面に炭化層を有する木質材料、もしくは溶剤
で抽出処理された木質材料が用いられ、好適には、酒類
の製造、貯蔵、熟成またはその流通に使用された木質容
器が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熟成感と高
級感を有するバニラ抽出物の製造方法およびそのバニラ
抽出物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】バニラ抽出物の一つであるバニラエキス
トラクトは、バニラアイスクリーム等のバニラ自体の香
味を生かした利用法だけでなく、他のフレーバーの調和
をとるために添加するなど、その使用は広範囲に亘り、
世界で最も需要の高いエキストラクトの一つとなってい
る。また、バニラ抽出物は、経時熟成により芳醇でまろ
やかな香気となることが知られている。この変化は長期
に亘って徐々に進行するものであって、短期間での安定
な品質の供給が困難であり、一般的には、2カ月から1
年以上もの長期間に亘って貯蔵熟成させる方法が採られ
ている。
【0003】そこで従来、バニラ抽出物の熟成感を出す
ためにこれまでいくつかの試みがなされており、特開平
5−95764号公報には、バニラビーンズをエタノー
ル蒸気存在下に熟成させる方法が、また、特開平4−9
4667号公報には、バニラビーンズを少なくとも40
重量%以上のアルコール濃度を有する酒類の香気濃縮画
分で抽出処理し、熟成バニラフレーバーを得る方法が記
載されている。しかしながら、これらの方法では、ある
程度の熟成感は得られるものの、長期貯蔵によって得ら
れる本来の熟成感には及ばないという難点があった。
【0004】さらに、特開昭59−129298号公報
には、バニラビーンズを抽出処理する際、もしくは抽出
処理後に、木質材料を添加共存させる、あるいは、木製
材料で作られた容器に充填して熟成させる方法が記載さ
れている。また、その実施例には、バニラビーンズを、
ブランデーの熟成に使用したホワイトオーク製洋樽の乾
燥破砕物共存下に、抽出処理する方法が記載されてい
る。しかしながら、木製材料に接触させるだけでは、バ
ニラ抽出物に木材様香気が強く付与され、バニラ特有の
香気が損なわれるという難点があった。また、ブランデ
ーの熟成に用いた、ホワイトオーク製洋樽の乾燥破砕物
の使用においても同様であり、木質由来の香気が強く付
与されすぎて、熟成効果とは相反するという難点があっ
た。さらに、この方法では、樽材の乾燥及び破砕工程が
あり、工程上も煩雑であると共に、破砕時の摩擦熱によ
り劣化した樽材香気が付与されることが懸念されるとい
う難点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、容
易且つ短期間で品質安定性良く、バニラ抽出物に、芳醇
感、まろやかさ等の熟成感、さらには高級感を付与する
ことのできるバニラ抽出物の製造方法を提供することを
目的とするものである。
【0006】本発明はまた、上記製造方法で得られた芳
醇感、まろやかさ等の熟成感および高級感のあるバニラ
抽出物を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、バニラ抽出
物を、木質成分の溶出を抑制した木質材料と接触させる
ことにより、バニラ抽出物中へ溶出する木質成分調整す
ることで、バニラ特有の優れた香気を損なうことなく、
上記目的が達成されることを見いだし、本発明をなすに
至った。
【0008】即ち本発明は、バニラ抽出物を、接触面か
らの成分溶出を抑制した木質材料と接触せしめ、短期間
貯蔵することにより、優れた熟成感、芳醇感、高級感を
付与させることを特徴とするバニラ抽出物の製造方法で
ある。
【0009】本発明の木質成分の溶出を抑制した木質材
料としては、表面に炭化層を有する木質材料や溶剤で抽
出処理された木質材料が好ましく用いられ、さらには、
酒類の製造、貯蔵、熟成またはその流通に使用された木
質容器が好ましく用いられる。また、バニラ抽出物と木
質材料を接触せしめた後、10日以上の貯蔵熟成期間を
とることが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】バニラ抽出物は、バニラビーンズ
を抽出処理して得られる。本発明で使用されるバニラビ
ーンズの種類としては、Vanilla planifolia 由来のブ
ルボン豆、メキシコ豆、インドネシア豆、及び、Vanill
a tahitiense 由来のタヒチ豆等が挙げられるが、本発
明ではこれらに何等限定されない。
【0011】バニラビーンズは、収穫した時には匂いが
ないが、キュアリングと呼ばれる発酵・熟成・乾燥工程
を経た後、特有の香気を発現する。このキュアリング工
程を経たバニラビーンズは、長さや色等により、エクス
トラ>ファースト>セカンド>サード>フォース>イン
フェリア(Extra>First>Second>Third>Fourth>Inf
erior)のようにグレード分けされて供給されるが、低
価格/低品質の無選別品(Whole Loose)などもある。
本発明で使用されるバニラビーンズは、これらの如何な
るグレードの品質のものでも良い。高品質のビーンズを
用いた場合、まろやか且つ芳醇な熟成感が得られると共
に、より一層の高級感が付与される。また、低級な品質
のビーンズを用いると、通常は、苦味、えぐ味および藁
臭味が強く発現するが、本発明によれば、高級感と熟成
感が付与されるため、これらの好ましくない香気・呈味
が抑えられ、あるいは消失する。従って、本発明の一実
施形態としては、低品質・低価格のバニラビーンズの利
用が、経費削減を含めた意味で好適に例示できるが、本
発明は勿論これらに限定されるものではない。
【0012】本発明において出発物質として利用される
バニラ抽出物は、公知の如何なる方法により得られたバ
ニラ抽出物でも良く、例えば、バニラビーンズをそのま
ま、もしくは適宜裁断したものを、水、アルコール、メ
タノール、プロパノール、アセトン、プロピレングリコ
ール、グリセリン、酢酸エチル、ヘキサン、あるいはこ
れらの混合溶媒等に添加し、抽出して得られるエキスト
ラクト、更にこれらエキストラクトの溶剤部分を、常法
により留去して得られるオレオレジン等を例示すること
ができる。好適には、含水アルコールを用いて抽出した
エキストラクト、あるいは、ヘキサン抽出後、溶剤を留
去して得られるオレオレジンが例示されるが、勿論これ
らに限定されるものではない。
【0013】本発明では、かかるバニラ抽出物に、木質
成分の溶出を抑制した木質材料を接触させるが、このよ
うな木質材料の一形態としては、表面に炭化層を付与し
た各種木材を挙げることができる。ここで使用される木
質材料の種類は、特に限定されるものではないが、ホワ
イトオーク、カシ、ブナ、クヌギ、スギ、ヒノキ、マ
ツ、およびカヤなどの樹種が例示される。
【0014】木質材料の表面を炭化させる方法として
は、既知の如何なる手段を用いても良い。具体的には、
赤熱した石炭または木炭の上方に木質材料をかざし、表
面に炭化層を形成させる方法、さらには、木質材料を赤
熱した鉄材に接触させ、炭化層を形成させる方法を例示
できるが、何等これらに限定されるものではない。
【0015】またこの炭化層の厚みとしては、好ましく
は約0.5〜10mm、より好ましくは約1〜4mmが
例示される。炭化層の厚みの違いにより、得られる熟成
感や付与される香気を調整することができるため、所望
の熟成感、高級感を有するバニラ抽出物を得ることが可
能である。
【0016】また、バニラ抽出物に接触させる、木質成
分の溶出を抑制した木質材料の一形態としては、木質材
料を溶剤等で処理し、不要の木材様香気成分を予め抽出
除去する方法を挙げることができる。処理に用いられる
溶剤としては、水、アルコール、メタノール、プロパノ
ール、アセトン、プロピレングリコール、グリセリン、
ヘキサン、酢酸エチル、あるいはこれらの混合溶媒等を
例示することができ、より好適には、10〜80重量%
の含水アルコールが示されるが、本発明ではこれらに限
定されない。
【0017】木質材料の処理方法としては、木質材料が
これら溶媒に接触すれば良く、簡便には木質材料をこれ
ら溶媒に浸漬することが例示されるが、これらに限定さ
れるものではない。木質材料を溶剤に接触させる時間と
しては、産業上の見地から1〜30日、好ましくは5〜
15日を例示できるが、30日以上溶剤に接触させて
も、何等差し支えはない。
【0018】また、木質材料の表面に炭化層を付与した
後、さらに溶剤処理することもできる。例えば、直火で
木質材料の表面を炭化させた後、さらに任意の溶剤と接
触させ、不要の木材様香気成分を抽出することにより、
バニラ抽出物に付与される木質材料の炭化時に生成した
成分も除去等調整することができる。
【0019】さらに、バニラ抽出物に接触させる、木質
成分の溶出を抑制した木質材料の一形態としては、酒類
の製造、貯蔵、熟成またはその流通に使用された木質容
器を挙げることができる。これらは、木質容器内面に炭
化層を有するものもあり、また、酒類は衆知の如くアル
コールを含有するため、先の二形態のいずれか/あるい
は両方を満たしている。これら木質容器の多くは、廃物
として容易に入手でき、更にはバニラ抽出物を直接充
填、貯蔵できるため、木質成分の溶出を抑制した木質材
料として好適である。酒類の製造、貯蔵、熟成またはそ
の流通に使用された木質容器の具体例としては、ウイス
キー(スコッチ、バーボン等)、シェリー酒、ワイン、日
本酒、および焼酎等の熟成に用いた使用済みの樽を例示
することができるが、勿論これらに限定されるものでは
ない。
【0020】本発明では、バニラ抽出物を、一定の条件
下に、木質成分の溶出を抑制した木質材料に接触させ、
貯蔵して熟成させる。
【0021】バニラ抽出物を、木質成分の溶出を抑制し
た木質材料に接触させる場合、木質材料の大きさ、即ち
表面積の大きさにより異なるが、20×20×20mm
角程度の木質材料の場合、バニラ抽出物1重量部に対し
て0.05〜0.2重量部の木質材料を浸漬することを
例示できる。また、木質成分の溶出を抑制した木質容器
に充填する場合の充填量は、容器容積の50%以上が好
ましいが、70〜100%とすることがより好適であ
る。
【0022】バニラ抽出物の貯蔵場所としては、一般的
な倉庫等が例示されるが、一定品質の熟成を行なうに
は、温度と湿度の管理された室内とすることがより好ま
しい。
【0023】バニラ抽出物の貯蔵温度としては、特に規
制はないが、0〜70℃、より好ましくは10〜40℃
を例示できる。10℃以下の低温下においては、バニラ
抽出物の熟成が延滞し、40℃以上の高温では、熟成が
より早く進行するが、やや芳醇感、まろやかさに欠けた
熟成バニラ抽出物となる。
【0024】木質材料共存下におけるバニラ抽出物の貯
蔵期間としては、特に規制はないが、好ましくは10日
以上、より好ましくは15日以上とするのが良い。木質
成分の溶出を抑制した木質材料に接触させたバニラ抽出
物の熟成は、約15日程度で急速に進行し、約1カ月
で、一般的な方法による1年間の貯蔵以上の熟成効果が
得られるため、従来の方法に較べ、大幅な熟成期間の短
縮が可能である。これらの事由から、15日〜1カ月の
貯蔵期間とすることが最も好適である。
【0025】また、短期間で熟成および高品位化が進行
するため、再現良く品質の安定したバニラ抽出物を得る
ことができる。
【0026】このようにして得られた本発明のバニラ抽
出物は、各種飲食品類、嗜好品類、化粧品類、および衛
生・医薬品類などのフレーバーに好適に使用される。
【0027】
【実施例】[実施例1]5mm程度の長さに裁断した、低
価格/低品質(Whole Loose)のインドネシア産バニラ
ビーンズ60kgを、480kgの50vol%アルコ
ールと共にステンレス製釜に入れ、60℃で7時間抽出
した。常法により固液分離し、清澄なバニラエキストラ
クト452kgを得た。
【0028】得られたバニラエキストラクトを、モルト
ウイスキーの熟成に用いた使用済み木製樽(ホッグスヘ
ッド樽、内面炭化層約1〜2mm、容量320L)に、
150kg(約165L)充填し、これを室温25℃、
相対湿度70%に調節された倉庫に貯蔵した。1カ月ま
では5日ごとに、1カ月から3カ月までは10日ごと
に、3カ月から6カ月までは半月ごとに、6カ月以降は
1カ月ごとに、それぞれサンプリングを行なった。
【0029】[比較例1]実施例1で得られたバニラエキ
ストラクトを、200Lステンレスドラム缶に130k
g( 約143L)充填し、これを 室温25℃、相対湿
度70%に調節された倉庫に貯蔵した。実施例1と同様
にサンプリングを行なった。
【0030】[試験例1]実施例1及び比較例1で得られ
たサンプルについて、良く訓練された20名のパネラー
により、2点比較法で香気/味覚を評価した。15日経
過時サンプルと1カ月経時サンプルの評価結果を、それ
ぞれ表1と表2に示す。なお、それ以降の経時結果は、
表2と同様であり、実施例1のサンプルの方が比較例1
のサンプルに比べ、優れていた。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】[試験例2]常法により乳脂肪分12%のア
イスクリーム生地を調整し、実施例1及び比較例1で得
られたサンプルを、それぞれ0.75%添加してアイス
クリームを試作した。これらのアイスクリームを、良く
訓練された20名のパネラーにより、熟成感について1
0段階評点法で評価した。なお、貯蔵期間0のサンプル
を0点とした。得点を平均し、その結果を概略化して図
1に示した。
【0034】試験例1および試験例2の結果から明らか
な如く、香気/味覚比較、およびアイスクリームに添加
しての香気/味覚比較の何れにおいても、熟成期間を問
わず、樽詰め熟成したエキストラクトは、ステンレスド
ラム缶で熟成したエキストラクトに比べ、優れた熟成感
を有していた。また、樽詰め貯蔵したエキストラクト
は、高バランスに洋酒感が付与され、高級感、芳醇感、
およびまろやかさに優れていた。製造直後のエキストラ
クトは、藁用臭味が顕著であったが、樽詰め貯蔵するこ
とにより、藁用臭味は経時に減少、消失した。
【0035】[実施例2]実施例1で得られたバニラエキ
ストラクトを、バーボンウイスキーの熟成に用いた使用
済み樽(バーレル樽、内面炭化層約3〜4mm、容量1
80L)に、120kg(132L)充填し、これを室
温25℃、相対湿度70%に調節された倉庫に貯蔵し
た。1カ月までは5日ごとに、1カ月から3カ月までは
10日ごとに、3カ月から6カ月までは半月ごとに、6
カ月以降は1カ月ごとにサンプリングを行なった。
【0036】[比較例2]実施例1で得られたバニラエキ
ストラクトを、200Lステンレスドラム缶に130k
g(約143L)充填し、これを室温25℃、相対湿度
70%に調節された倉庫に貯蔵した。実施例2と同様に
サンプリングをなった。
【0037】[試験例3]実施例2及び比較例2で得られ
たサンプルについて、良く訓練された20名のパネラー
により、2点比較法で香気/味覚を評価した。15日経
過時サンプルと1カ月経時サンプルの評価結果を、それ
ぞれ表3と表4に示す。なお、それ以降の結果経時は、
表4と同様であり、実施例2のサンプルの方が比較例2
のサンプルに比べて優れていた。
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】[試験例4]常法により乳脂肪分12%のア
イスクリーム生地を調整し、実施例2及び比較例2で得
られたサンプルを何れも0.75%添加してアイスクリ
ームを試作した。これらのアイスクリームを、良く訓練
された20名のパネラーにより、熟成感について10段
階評点法で評価した。なお、貯蔵期間0のサンプルを0
点とした。得点を平均し、その結果を概略化して示した
ものが図−2である。
【0041】試験例3、試験例4の結果から明らかな如
く、香気/味覚比較及び、アイスクリームに添加しての
香気/味覚比較の何れにおいても、熟成期間を問わず、
樽詰め熟成したエキストラクトは、ステンレスドラム缶
で熟成したエキストラクトに比べ、優れた熟成感、高級
感を有しており、試験例1、2と同様の結果を得た。実
施例 2では、更に、バーボンウイスキー様の好ましい
香りを伴い、通常のバニラエキストラクトとは差別化さ
れた、優れた香気を有していた。
【0042】[実施例3]約20×20×20mm角の製
樽材(White Oak)1kgを、50重量%のアルコール溶
液5kgに、浸漬した。製樽材は、7日後アルコール溶
液から分離し、1日間放置した。これを、実施例1で得
られたバニラエキストラクト10kgとともに20Lス
テンレス缶に充填し、室温25℃、相対湿度70%に調
節された倉庫に貯蔵した。1カ月までは5日ごとに、1
カ月から3カ月までは10日ごとに、3カ月から6カ月
までは半月ごとに、6カ月以降は1カ月ごとにサンプリ
ングを行なった。
【0043】[比較例3]実施例1で得られたバニラエキ
ストラクトを、18Lステンレス缶に10kg充填し、
これを室温25℃、相対湿度70%に調節された倉庫に
貯蔵した。実施例3と同様にサンプリングを行なった。
【0044】[比較例4]実施例1で得られたバニラエキ
ストラクトを20Lステンレス缶に10kg充填し、こ
れに、何等処理を施していない約20×20×20mm
角の製樽材(White Oak)1kgを浸漬した。これを室温
25℃、相対湿度70%に調節された倉庫に貯蔵し、実
施例3と同様にサンプリングを行なった。
【0045】[試験例5]試験例3及び比較例3で得られ
たサンプルについて、良く訓練された20名のパネラー
により、2点比較法で香気/味覚を評価した。15日経
過時サンプルと1カ月経時サンプルの評価結果を、それ
ぞれ表5と表6に示す。なお、それ以降の経時結果は、
表6と同様であり、実施例3のサンプルの方が比較例3
のサンプルに比べ、優れていた。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】[試験例6]実施例3および比較例4で得ら
れたサンプルについて、良く訓練された20名のパネラ
ーにより、官能評価した。その結果、何等処理を施して
いない製樽材を浸漬したバニラエキストラクトは、木材
様香気が付加され、バニラ特有の香気が著しく損なわれ
ていた。また、熟成感は、比較例3と同等であり、製樽
材添加による熟成効果促進傾向はみられなかった。これ
らの結果を概略化して図3及び図4に示した。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、バニラ抽出物を木質成
分の溶出を抑制した木質材料と接触させるという簡便な
方法により、熟成の促進、短期間での高品位化を図るこ
とができ、また再現良く品質の安定したバニラ抽出物が
得られる。
【0050】また、通常は廃棄物となる、酒類の製造、
貯蔵、熟成またはその流通に用いた使用済み木質容器を
有効に利用でき、その木質容器にバニラ抽出物を貯蔵す
ることにより、きわめて短期間で、優れた熟成感、芳醇
感、高級感を有し、高品質でナチュラル感溢れたバニラ
抽出物を品質安定性良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例1の結果を概略化して示したグラフで
ある。
【図2】 試験例3の結果を概略化して示したグラフで
ある。
【図3】 試験例6の結果を概略化して示したグラフで
ある。
【図4】 試験例6の結果を概略化して示したグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 孝一 大阪市中央区博労町1丁目9番8号−802 株式会社ソダコスモ内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バニラ抽出物を、木質成分の溶出を抑制
    した木質材料と接触せしめることを特徴とするバニラ抽
    出物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記木質材料が表面に炭化層を有する木
    質材料であることを特徴とする請求項1記載のバニラ抽
    出物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記木質材料が溶剤で抽出処理された木
    質材料であることを特徴とする請求項1記載のバニラ抽
    出物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記木質材料が、酒類の製造、貯蔵、熟
    成またはその流通に使用された木質容器であることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバニラ抽出物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記バニラ抽出物と該木質材料を接触せ
    しめ10日以上貯蔵熟成させることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のバニラ抽出物の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の少なくともいずれか一つ
    の製造方法を用いて製造してなるバニラ抽出物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1992679A1 (fr) * 2007-05-16 2008-11-19 Thierry Mugler Parfums Procédé de bonification de fragrance et extraits de parfum obtenus

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EP1992679A1 (fr) * 2007-05-16 2008-11-19 Thierry Mugler Parfums Procédé de bonification de fragrance et extraits de parfum obtenus
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