JPH11280639A - 高分子電解質アンモニウム誘導体 - Google Patents

高分子電解質アンモニウム誘導体

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JPH11280639A
JPH11280639A JP10084495A JP8449598A JPH11280639A JP H11280639 A JPH11280639 A JP H11280639A JP 10084495 A JP10084495 A JP 10084495A JP 8449598 A JP8449598 A JP 8449598A JP H11280639 A JPH11280639 A JP H11280639A
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黒 啓 介 小
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積 欣 志 安
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田 達 弘 岡
Kazuo Onishi
西 和 夫 大
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和 信 吾 瀬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変位量が大きく、構造が簡単で、小型化が容
易であり、かつ応答が速く、柔軟である高分子電解質ア
ンモニウム誘導体を提供する。 【解決手段】 イオン交換樹脂成形品と、該イオン交換
樹脂成形品の表面に相互に絶縁状態で形成された金属電
極とを備え、前記イオン交換樹脂成形品をアルキルアン
モニウムイオン含有水溶液の含水状態において、前記金
属電極間に電位差をかけて、イオン交換樹脂成形品に湾
曲および変形を生じさせることによりアクチュエータと
して機能する高分子電解質アンモニウム誘導体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、高分子電解質アンモニウ
ム誘導体に関し、より詳細にはイオン交換樹脂成形品を
湾曲および変形させることによりアクチュエータとして
機能する高分子電解質アンモニウム誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】医療機器や産業用ロボット、マイクロマ
シンなどの分野において小型でかつ軽量で柔軟性に富む
アクチュエータの必要性が高まっている。
【0003】このようにアクチュエータを小型化すると
慣性力よりも摩擦や粘性力が支配的となるため、モータ
やエンジンのような慣性力を利用してエネルギーを運動
に変える機構は、超小型アクチュエータの動力として用
いることは困難であった。このため、超小型アクチュエ
ータの作動原理としては、静電引力型、圧電型、超音波
式、形状記憶合金式、高分子伸縮式などが提案されてい
る。
【0004】静電引力型アクチュエータは、電極となる
板、棒などを対極に引きつけることによって作動するも
ので、たとえば数十μm離れた対極との間に100V程
度の電圧をかけて電極をたわませるものなどが知られて
いる。圧電型アクチュエータは、チタン酸バリウムなど
のセラミックの圧電素子に数Vの電圧をかけて素子を伸
縮させることによって作動するもので、nm単位の変位
を制御できるものが知られている。超音波式アクチュエ
ータは、圧電素子などで発生させた超音波振動と摩擦力
とを組合せたり、またはずれを生じさせることによって
作動するものである。形状記憶合金式アクチュエータ
は、形状記憶合金が温度によって形状が大きく変化する
ことを利用して、温度変化によって作動するものであ
る。高分子伸縮式アクチュエータは、高分子が温度ある
いはpHの変化や周囲の化学物質の濃度変化によって伸
縮することを利用して作動するものである。
【0005】しかしながら、これらの超小型アクチュエ
ータには、それぞれ作動環境に制限があったり、応答性
が不充分であったり、構造が複雑であったり、また柔軟
性が欠如しているなどの問題点があった。たとえば、高
分子伸縮式アクチュエータを作動させるには、高分子が
接触している溶液を他の塩類を含む溶液に交換する必要
があり、このため小型で速い応答を必要とする用途には
利用困難であった。
【0006】これに対し、小型化が容易であり、応答性
が速く、しかも小電力で作動する高分子アクチュエータ
として、イオン交換膜とこのイオン交換膜の表面で接合
した電極とからなり、イオン交換膜の含水状態において
イオン交換膜に電位差をかけてイオン交換膜に湾曲およ
び変形を生じさせることによりアクチュエータとして機
能することができる高分子アクチュエータが提案されて
いる(特開平4-275078号公報参照)。
【0007】この高分子アクチュエータは、イオン交換
樹脂膜とその表面に相互に絶縁状態で接合した金属電極
とからなり、該イオン交換樹脂膜の含水状態において、
金属電極間に電位差をかけることによりイオン交換樹脂
成形品に湾曲および変形を生じさせることを特徴として
いる。
【0008】このような高分子アクチュエータでは、イ
オン交換樹脂成形品表面に化学めっき、電気めっき、真
空蒸着、スパッタリング、塗布、圧着、溶着などの方法
によって電極が形成されている。
【0009】たとえば、化学めっきでは、イオン交換膜
表面をエッチングしたのち、めっき触媒を担持し、めっ
き浴に浸漬することによってイオン交換膜表面にめっき
を行い電極を形成している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような高分子アクチュエータは、変位量が充分とはいえ
なかった。また、例えば、特開平4-275078号公報に記載
された高分子アクチュエータのように対イオンとしてN
a+、H+を用いたものでは、変位量を大きくし、かつ応
答性を高めるために、電極間の印加電圧を上げると、イ
オン交換樹脂成形品内部の水が電気分解しやすく、これ
によって気泡が発生しやすいという問題もあった。この
ため、さらに大きな変位量を発生することが可能であ
り、使用時に気泡が発生しにくく、しかも応答性が良好
な高分子アクチュエータの出現が望まれていた。
【0011】本発明は、上記のような従来技術に伴う問
題点を解決しようとするものであって、電圧印加時に水
の電気分解による気泡の発生が起こりにくく、変位量お
よび変位力が大きく、応答が速く、柔軟で、しかも構造
が簡単で、小型化が容易な高分子アクチュエータを提供
することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したよう
な従来技術における課題および目的を達成するために発
明されたものであって、本発明に係る高分子電解質アン
モニウム誘導体は、イオン交換樹脂成形品と、該イオン
交換樹脂成形品の表面に相互に絶縁状態で形成された金
属電極とを備え、前記イオン交換樹脂成形品をアルキル
アンモニウムイオン含有水溶液の含水状態において、前
記金属電極間に電位差をかけて、イオン交換樹脂成形品
に湾曲および変形を生じさせることによりアクチュエー
タとして機能するものである。
【0013】このようにイオン交換樹脂成形品の対イオ
ンを特定のアルキルアンモニウムイオンに交換すること
によって、通常使用されている対イオンがNa+またはH
+のイオン交換樹脂と比べて、高電圧を印加しても、気
泡の発生が起こりにくくなる。また、このような高分子
電解質アンモニウム誘導体では、通常イオンに伴われて
水分子が電極に移動して、移動側の電極近傍で含水率が
増大して、成形品が膨潤することによって伸び、一方、
移動側と反対側の電極近傍では含水率が低下して収縮す
る。このため、対イオンを前記のようなアルキルアンモ
ニウムイオンに交換すると、電極間での含水率の差がさ
らに大きくなり、湾曲率、すなわち変位量が大きくな
る。
【0014】このようなアルキルアンモニウムイオンと
しては、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウ
ムイオンを含んでいることが好ましく、このようなイオ
ンを含んでいると、電極間での含水率の差をさらに大き
くし、湾曲率、すなわち変位量をより大きくすることが
できる。
【0015】
【化4】
【0016】(式中、R1〜R4は互いに同一であっても
異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有
炭化水素基、または窒素含有炭化水素基であり、かつR
1〜R4の少なくとも1つは水素原子以外の基であり、R
1〜R4のうち2個以上が連結して環を形成してもよ
い。) 本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体では、ア
ルキルアンモニウムイオンが、上記一般式(1)で表され
るイオン自体であることが好ましく、特に、CH3+
3、C25+3、(CH3)2+2、(C25)2+2
(C49)2+2、(C511)2+2、(CH3)3+H、
(C25)3+H、(C49)3+H、(C511)3+H、
(CH3)4+、(C25)4+、(C37)4+、(C49)4
+、H3+(CH2)4+3、H2C=CHCH2+HC
3、H3+(CH2)4+2(CH2)4+3、HC≡C
CH2+2、CH3CH(OH)CH2+3、H3+(C
2)5OH、H3+CH(CH2OH)2、(HOCH2)2
(CH2+3)2、C25OCH2CH2+3または
【0017】
【化5】
【0018】が好ましい。より好ましくは(C49)3+
H、(C511)3+H、(C37)4 +、(C49)4+
ある。このような本発明の高分子電解質アンモニウム誘
導体は、構造が簡単で、小型化が容易であり、しかも高
電圧を印加しても、成形品内部の水が電気分解による気
泡を抑制することが可能であり、かつ応答が速く、大き
な変位量を発生することが可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づいて詳細に説明する。図1および図2は、
本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体の最適な
実施例を示す概略断面図である。この実施例において高
分子電解質アンモニウム誘導体(高分子アクチュエー
タ)1は、細長い矩形平板状のイオン交換樹脂成形品2
と、該イオン交換樹脂成形品2の表面に相互に絶縁状態
で形成された電極3a,3bとを備えている。そして、
イオン交換樹脂成形品2の含水状態において、前記電極
間に電位差をかけることにより、イオン交換樹脂成形品
を湾曲および変形させるようになっている。
【0020】この電極3a,3bには、一対のリード線
4a,4bの一端がそれぞれ電気的に接続されていると
ともに、この各リード線4a,4bは、電源5に接続さ
れている。
【0021】なお、イオン交換樹脂成形品2としては、
上記矩形平板状に限定されるものでではなく、膜状、円
柱状、円筒状のものなどであってもよい。このようなイ
オン交換樹脂成形品2を構成するイオン交換樹脂として
は、陽イオン交換樹脂、両イオン交換樹脂が挙げられ
る。このうち、陽イオン交換樹脂が、高分子電解質アン
モニウム誘導体の変位量を大きくすることができるので
好適に使用される。
【0022】このような陽イオン交換樹脂としては、ポ
リエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン
酸基、カルボキシル基などの官能基が導入されたものが
挙げられ、特に、フッ素樹脂にスルホン酸基、カルボキ
シル基などの官能基が導入された陽イオン交換樹脂が好
ましい。
【0023】また、このような陽イオン交換樹脂は、イ
オン交換容量が0.8〜3.0meq/g、好ましくは1.4〜
2.0meq/gのものが望ましい。すなわち、このようなイ
オン交換容量の陽イオン交換樹脂を使用すれば、さらに
高分子電解質アンモニウム誘導体の変位量を大きくする
ことができるからである。
【0024】電極3a,3bを構成する金属としては、
金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムなどが挙
げられる。イオン交換樹脂成形品表面に形成される電極
は、たとえば、使用されるイオン交換樹脂成形品が膜状
の場合、形成される電極の厚さが、図2(a)のようにイ
オン交換樹脂成形品の表面に形成された金属電極の厚さ
をa1とし、金属電極を含めたイオン交換樹脂成形品の
厚さをb1としたときに、a1/b1が0.03〜0.4
0、好ましくは0.15〜0.30の範囲にあることが望
ましい。このような比にあると、変位量が大きく、かつ
表面抵抗の低い高分子電解質アンモニウム誘導体を得る
ことができる。
【0025】また、イオン交換樹脂成形品の形状が円筒
状である場合、外筒部表面、内筒部表面、あるいは外筒
部および内筒部の両表面に金属電極が形成されたもので
あってもよい。
【0026】図2(b)のようにイオン交換樹脂成形品の
外筒部表面に金属電極が形成されている場合、金属電極
の厚さをa2とし、金属電極を含めた円筒状のイオン交
換樹脂成形品の筒状部の厚さをb2としたときに、a2
2が0.02〜0.70、好ましくは0.30〜0.50
の範囲にあることが望ましい。このような比にあると、
変位量が大きく、かつ表面抵抗の低い高分子電解質アン
モニウム誘導体を得ることができる。
【0027】図2(c)のようにイオン交換樹脂成形品の
内筒部表面に金属電極が形成されている場合、金属電極
の厚さをa3とし、金属電極を含めたイオン交換樹脂成
形品の筒状部の厚さをb3としたときに、a3/b3が0.
02〜0.70、好ましくは0.30〜0.50の範囲に
あることが望ましい。このような比にあると、変位量が
大きく、かつ表面抵抗の低い高分子電解質アンモニウム
誘導体を得ることができる。
【0028】図2(d)のようにイオン交換樹脂成形品の
内筒部および外筒部の両表面に金属電極が形成されてい
る場合、金属電極を含めたイオン交換樹脂成形品の筒状
部の厚さをb4とし、金属電極が形成されていないイオ
ン交換樹脂成形品の筒状部の厚さをCとしたときに、C
/b4が0.20〜0.95、好ましくは0.45〜0.7
0の範囲にあることが望ましい。さらに外筒部表面に形
成された金属電極の厚さをa4とし、内筒部表面に形成
された金属電極の厚さをa5としたときに、a4/a5
0.05〜20.0、好ましくは0.50〜2.00の
範囲にあることを望ましい。このような比にあると、変
位量が大きく、かつ表面抵抗の低い高分子電解質アンモ
ニウム誘導体を得ることができる。
【0029】本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘
導体は、表面に相互に絶縁状態で金属電極が形成された
イオン交換樹脂成形品を、アルキルアンモニウムイオン
を含む水溶液中で浸漬して、対イオンを該アルキルアン
モニウムイオンに交換することによって作製することが
できる。このとき、アルキルアンモニウム塩の濃度とし
ては、イオン交換樹脂の官能基と等量以上のアルキルア
ンモニウム塩が含まれていればよく、具体的には、0.
01〜10mol/l 、好ましくは0.1〜1.0mol/lであ
ればよい。
【0030】アルキルアンモニウムイオンとしては、下
記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムイオンを
含むものが好ましい。また、アルキルアンモニウムイオ
ン自体が下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウ
ムイオンであるものも好ましい。
【0031】
【化6】
【0032】(式中、R1〜R4は互いに同一であっても
異なっていてもよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有
炭化水素基、または窒素含有炭化水素基であり、かつR
1〜R4の少なくとも1つは水素原子以外の基であり、R
1〜R4のうち2個以上が連結して環を形成してもよ
い。) このようなアルキルアンモニウムイオンとしては、CH
3+3、C25+ 3、(CH3)2+2、(C25)2
+2、(CH3)3+H、(C25)3+H、(CH 3)4+
(C25)4+、(C37)4+、(C49)4+、H3
+(CH2)4+3、H2C=CHCH2+HCH3、H3
+(CH2)4+2(CH2)4+3、HC≡CCH2
+2、CH3CH(OH)CH2+3、H3+(CH2)5
H、H3+CH(CH2OH)2、(HOCH2)2C(CH2
+3)2、C25OCH2CH2+3または
【0033】
【化7】
【0034】が好ましい。より好ましくは(C49)3+
H、(C511)3+H、(C37)4 +、(C49)4+
ある。これらのアルキルアンモニウムイオンは、単独で
使用してもよく、また2種以上混合して使用してもよ
い。本発明では、通常、このようなアルキルアンモニウ
ムイオンの塩化物、臭化物、ヨウ化物が使用される。
【0035】本発明のような高分子電解質アンモニウム
誘導体では、イオンに伴われて水分子が電極に移動する
ので、移動側の電極近傍で含水率が高くなり、膨潤して
伸びることになり、一方、移動側と反対側の電極近傍で
は含水率が低下して収縮される。このような、移動する
イオンとして、アルキルアンモニウムイオンのようにイ
オン半径の大きいものを使用すると、電極間での含水率
の差がさらに大きくなるので、湾曲率、すなわち変位量
が大きくなる。このため本発明で得られた高分子電解質
アンモニウム誘導体は、従来の高分子電解質アンモニウ
ム誘導体に比べて、素子の変位量が大きくなる。またア
ルキルアンモニウムイオンのように、Na+、H+と比べ
て高い電圧が印加されてもイオン交換樹脂成形品内に含
浸している水が電気分解しにくく、これによって、気泡
の発生を抑制することができる。このため本発明に係る
高分子電解質アンモニウム誘導体は、従来の高分子電解
質アンモニウム誘導体に比べて、高い電圧を印加するこ
とも可能となり、応答性を高めることができる。
【0036】なお、イオン交換樹脂成形品表面への金属
電極形成方法としては、従来公知の方法を特に制限なく
採用することが可能である。特に、以下の工程で金属電
極を形成することが望ましい。 (i)前記イオン交換樹脂成形品に金属錯体を水溶液中で
吸着させる工程(吸着工程)、(ii)イオン交換樹脂成形品
に吸着した金属錯体を、還元剤により還元して前記イオ
ン交換樹脂成形品表面に金属を析出させる工程(析出工
程)、(iii)金属が析出したイオン交換樹脂成形品を洗浄
液で洗浄する工程(洗浄工程)。
【0037】上記のような工程で金属電極を形成する場
合、使用するイオン交換樹脂成形品の表面を予め粗化し
てもよい。膜表面の粗化処理としては、たとえば、サン
ドブラスト処理、サンドペーパー処理などが挙げれる。
表面の粗化の程度は、表面層が削られている程度であれ
ばよい。
【0038】このような粗化処理を行うことによって、
イオン交換樹脂成形品の表面と、その上に形成される電
極との接触面積が増大し、高分子電解質アンモニウム誘
導体の変位量を大きくすることができる。
【0039】また、本発明では、金属電極を形成する際
に、予め使用するイオン交換樹脂成形品に以下のような
処理を、単独あるいは組み合わせて施してもよい。 水処理:熱水中で、イオン交換樹脂成形品を煮沸す
る。
【0040】塩酸処理:25体積%程度の希塩酸中で、
イオン交換樹脂成形品を保持する。 NaOH処理:0.1程度の水酸化ナトリウム水溶液中で、
イオン交換樹脂成形品を保持する。
【0041】アルコール処理:イオン交換樹脂成形品
を、メタノール、エタノールなどのアルコール中に浸漬
する。 オートクレーブ処理:イオン交換樹脂成形品を、オー
トクレーブ中で、110〜150℃で加熱する。
【0042】金属電極を形成するために使用される金属
錯体としては、金錯体、白金錯体、パラジウム錯体、ロ
ジウム錯体、ルテニウム錯体などの金属錯体を使用する
ことができる。これらのうち、金錯体または白金錯体が
好ましく、とくに金錯体が高分子電解質アンモニウム誘
導体の変位量を大きくすることができるので好ましい。
【0043】これらの金属錯体のイオン交換樹脂成形品
への吸着は、イオン交換樹脂成形品を前記金属錯体を含
む水溶液に浸漬することによって行われる。また、この
ような金属錯体の還元は、還元剤を含む水溶液中に、金
属錯体が吸着されたイオン交換樹脂成形品を浸漬するこ
とによって行われる。
【0044】還元剤としては、使用する金属錯体の種類
にもよるが、たとえば亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン、
水素化ホウ素カリウムなどが使用可能である。また、金
属錯体を還元する際に、必要に応じて、酸またはアルカ
リを添加してもよい。
【0045】金属錯体を吸着させたイオン交換樹脂成形
品を還元する場合、金属錯体と還元剤との接触によっ
て、イオン交換樹脂成形品の表面から金属の析出が生
じ、続いて膜内部の金属錯体が膜表面近傍(析出した金
属の方に)に移動して還元されて金属が析出する。すな
わち、イオン交換樹脂成形品の表面から内部に向かって
金属の結晶成長が進むことになる。したがって、このよ
うな金属の析出が、イオン交換樹脂成形品表面だけでは
なく、表面近くの内部にも析出しているため、イオン交
換樹脂成形品と金属電極との接触面積は、従来の化学め
っき法に比べて大きくなっている。このため、このよう
な金属錯体の吸着・析出を繰り返すことによって、さら
にイオン交換樹脂成形品内部に金属の析出が進み、イオ
ン交換樹脂成形品と金属電極との接触面積がさらに増大
する。これにより、電極活性点が増え、電極へ移動する
イオンも増加する。
【0046】このようにして電極が形成されたイオン交
換樹脂成形品は、洗浄工程によって析出していない金属
錯体および還元剤が除去される。洗浄液として水、水酸
化ナトリウム水溶液、硫酸水溶液、塩酸水溶液を使用す
ることが好ましい。これらの洗浄液を使用すると、未反
応の金属錯体および還元剤の除去を効率よく行うことが
できる。このとき使用される水酸化ナトリウム水溶液の
濃度は、0.01〜5.0モル/リットル、好ましくは
0.1〜1モル/リットルの範囲にあることが望まし
い。また硫酸水溶液の濃度は、0.01〜6モル/リッ
トル、好ましくは0.1〜6モル/リットルの範囲にあ
ることが望ましい。さらに塩酸水溶液の濃度は、0.0
1〜6モル/リットル、好ましくは0.1〜3モル/リ
ットルの範囲にあることが望ましい。
【0047】金属電極を形成する際に、このようなイオ
ン交換樹脂成形品への金属錯体の吸着工程、析出工程お
よび洗浄工程を繰り返して、イオン交換樹脂成形品表面
に金属電極を形成してもよい。このような工程を繰り返
すことによって、高分子電解質アンモニウム誘導体の変
位量を増大させることができる。
【0048】このようにして形成された電極間の絶縁
は、成形品が膜状である場合には金属電極が形成された
イオン交換樹脂成形品の端部を切断することによって行
うことができる。また、成形品が円筒状または円柱状等
である場合には、レーザー光を金属電極が形成されたイ
オン交換樹脂成形品に照射して金属電極の一部を削っ
て、電極間に絶縁帯を設けることによって、電極間の絶
縁を行うことができる。
【0049】さらに、電極形成後のイオン交換樹脂成形
品に、前記〜のような処理を施してもよい。さらに
また、形成された電極上に、追加の電極層を設けてもよ
い。追加の電極層は、化学めっき、電気めっき、真空蒸
着、スパッタリング、塗布、圧着、溶着などの方法によ
って形成することができる。このような追加の電極層
は、イオン交換樹脂成形品表面またはイオン交換樹脂成
形品内部に形成された金属層と同一のものであっても、
異なるものであってもよい。このように追加の電極層を
設けることによって、さらに高分子電解質アンモニウム
誘導体の変位力を増大させることができる。
【0050】このような方法で製造が形成された本発明
の高分子電解質アンモニウム誘導体は、作動時に、イオ
ン交換樹脂成形品が含水状態である必要がある。ここで
含水状態とは、イオン交換樹脂成形品内部が、前記した
ようなアルキルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化
物などを含む水溶液に含水されている状態をいう。本発
明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体では、このよ
うな水溶液を含水していれば、水中であっても、高湿度
の大気中であっても作動することができる。
【0051】このような高分子電解質アンモニウム誘導
体の作動原理は、イオン交換樹脂成形品の表面に相互に
絶縁状態で電位差がかかると、図3に示すようにイオン
交換樹脂成形品中の+イオン6が陰極側に移動し、この
+イオンに伴われて水分子が膜内で移動するため、陽極
側と陰極側とで水分量に差ができるためである。すなわ
ち、+イオンに伴われて水分子が移動した陰極側におい
て含水率が高まることにより膨潤して伸び、逆に、陽極
側では含水率が低下するため、収縮し、それにより、イ
オン交換樹脂成形品が湾曲するからである。
【0052】このような本発明に係る高分子電解質アン
モニウム誘導体は、電極間に0.1〜4Vの直流電圧を
かけると、数秒以内に素子長の1〜3倍程度の変位を得
ることができる。またこのような高分子電解質アンモニ
ウム誘導体は、柔軟に作用することができる。さらにま
た、3V程度の電圧を印加しても、イオン交換樹脂成形
品内に含まれる水の電気分解が抑制され、これに伴う気
泡の発生がない。
【0053】このような高分子電解質アンモニウム誘導
体を用いた応用例としては、たとえば図4に示す誘導体
が挙げられる。この応用例においては、誘導体としての
ガイドワイヤ11は、細長いたとえば合成樹脂やステン
レス製のチューブからなる線状部材12と、この線状部
材12の先端に接合した高分子電解質アンモニウム誘導
体13とから構成されている。
【0054】アクチュエータ13は、やや細長い矩形平
板状のイオン交換樹脂成形品14の両面に、本発明に係
る方法で形成された一対の電極を有し、この電極15
a,15bに電圧を印加することにより、高分子電解質
アンモニウム誘導体13が2方向に湾曲するようになっ
ている。
【0055】そして、この各電極15a,15bには、
一対のリード線16a,16bの一端がそれぞれ電気的
に接合されている。この各リード線16a,16bは、
線状部材12の内部に位置して該線状部材12の全長に
わたって延び、各リード線16a、16bの他端は、操
作制御部17に接続されている。
【0056】この操作制御部17には切換操作可能な操
作レバー18が備えられ、この操作レバー18の操作に
ともなって、前記操作制御部17の内部に内蔵された2
極双投スイッチ19を介して、電源20から前記一対の
リード線16a、16bに流れる電流の方向が切り替え
られるようになっている。
【0057】すなわち、図5において、2極双投スイッ
チ19が実線で示す位置にある時には、一方のリード線
16aが+の電極に、他方のリード線16bが−の電極
にそれぞれ接続され、2極双投スイッチ19が操作制御
部17の操作レバー18の操作に伴って、中立位置から
二点鎖線で示すように切り替えられると、今度は逆に、
一方のリード線16aが−の電極に、他方のリード線1
6bに+の電極にそれぞれ接続されるようになってい
る。
【0058】このようにして、陽極および陰極を切替操
作することにより、高分子電解質アンモニウム誘導体1
を任意かつ積極的に変形させることができる。また、本
発明に係る製造方法によれば、図6に示されるような円
筒状の高分子電解質アンモニウム誘導体40を作製する
こともできる。
【0059】このような円筒状の高分子電解質アンモニ
ウム誘導体40では、まず、円筒状イオン交換樹脂成形
品41に、前述したような方法で金属錯体を吸着させ、
還元剤により該金属錯体を還元して、前記イオン交換樹
脂成形品41表面に金属を析出させる。このような金属
錯体の吸着・還元および金属の析出操作を繰り返して析
出金属を成長させ、イオン交換樹脂成形品41表面から
内部へと金属層を形成する。
【0060】次に、金属層がその外表面近傍に形成され
た円筒状イオン交換樹脂成形品41の表面に、レーザー
加工装置からレーザー光を照射することによって、照射
部分の金属層を除去して、溝形状の絶縁帯42および複
数の相互に電気的に絶縁された金属電極43a,43b,
43c,43dを形成する。
【0061】図6に示す高分子電解質アンモニウム誘導
体は、この各金属電極43a、43b、43c、43d
に、リード線44a、44b、44c、44dの一端を
それぞれ電気的に接続し、イオン交換樹脂成形品41を
挟んで互いに対向する電極43aと43c、43bと4
3dに電圧を印加することにより、4方向に湾曲するこ
とができ、しかもこの湾曲の方向を組み合わせることよ
り、回転できるようになっている。
【0062】なお、このような金属電極はイオン交換樹
脂成形品の内周面に設けられていてもよく、また内周
面、外周面の双方に設けられていてもよい。
【0063】
【実施例】以下、本発明について実施例に基づき説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0064】
【比較例1】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.1N NaOH
水溶液に24時間浸漬したものを試験片とし、表・裏の
電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)し
て、変位量を測定するとともに、気泡が発生する電圧
(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0065】なお、曲げ変位量は、図7に示すように試
験片の一方から8mmの位置を白金板で挟んで、水中に保
持し、かつ白金板からリード線をのばし、ポテンショス
タットを介して試験片の両端の金電極に印加することで
行った。変位量は固定端から10mmの位置の変位をレーザ
ー変位計を用いて測定した。
【0066】結果を表1に示す。
【0067】
【実施例1】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.5M (C2H
5)NH 3Cl水溶液に24時間浸漬したものを試験片とし、
表・裏の電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形
波)して、変位量を測定するとともに、気泡が発生する
電圧(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0068】結果を表1に示す。
【0069】
【実施例2】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.5M (C
H3)2NH 2Cl水溶液に24時間浸漬したものを試験片と
し、表・裏の電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの
方形波)して、変位量を測定するとともに、気泡が発生
する電圧(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0070】結果を表1に示す。
【0071】
【実施例3】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.5M (C2H
5)3NHCl水溶液に24時間浸漬したものを試験片とし、
表・裏の電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形
波)して、変位量を測定するとともに、気泡が発生する
電圧(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】
【実施例4】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.5M (C3H
7)4NCl水溶液に24時間浸漬したものを試験片とし、表
・裏の電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形
波)して、変位量を測定するとともに、気泡が発生する
電圧(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0074】結果を表1に示す。
【0075】
【実施例5】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、0.5M (C4H
9)4NCl水溶液に24時間浸漬したものを試験片とし、表
・裏の電極を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形
波)して、変位量を測定するとともに、気泡が発生する
電圧(0.1Hzの方形波)を測定した。
【0076】結果を表1に示す。
【0077】
【実施例6】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、下記に示
すアルキルアンモニウムイオンの塩化物水溶液(濃度0.5
M)に24時間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極
を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変
位量を測定するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hz
の方形波)を測定した。
【0078】
【化8】
【0079】結果を表1に示す。
【0080】
【実施例7】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、下記に示
すアルキルアンモニウムイオンの塩化物水溶液(濃度0.5
M)に24時間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極
を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変
位量を測定するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hz
の方形波)を測定した。
【0081】
【化9】
【0082】結果を表1に示す。
【0083】
【実施例8】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、下記に示
すアルキルアンモニウムイオンの塩化物水溶液(濃度0.5
M)に24時間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極
を介して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変
位量を測定するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hz
の方形波)を測定した。
【0084】
【化10】
【0085】結果を表1に示す。
【0086】
【実施例9】金電極が形成された矩形イオン交換イオン
樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm×2
0mmの大きさに切断したものを試験片として、H2C=C
HCH2+2CH3の塩化物水溶液(濃度0.5M)に24時
間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極を介して電
圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変位量を測定
するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hzの方形波)
を測定した。
【0087】結果を表1に示す。
【0088】
【実施例10】金電極が形成された矩形イオン交換イオ
ン樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm
×20mmの大きさに切断したものを試験片として、CH3
CH(OH)CH2+3の塩化物水溶液(濃度0.5M)に
24時間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極を介
して電圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変位量
を測定するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hzの方
形波)を測定した。
【0089】結果を表1に示す。
【0090】
【実施例11】金電極が形成された矩形イオン交換イオ
ン樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm
×20mmの大きさに切断したものを試験片として、H3+
CH(CH2OH)2の塩化物水溶液(濃度0.5M)に24時
間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極を介して電
圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変位量を測定
するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hzの方形波)
を測定した。
【0091】結果を表1に示す。
【0092】
【実施例12】金電極が形成された矩形イオン交換イオ
ン樹脂成形品(イオン交換容量1.8meq/g)を、1.0mm
×20mmの大きさに切断したものを試験片として、C25
OCH2CH2+3の塩化物水溶液(濃度0.5M)に24時
間浸漬したものを試験片とし、表・裏の電極を介して電
圧を印加(0.1Hz、1.5Vの方形波)して、変位量を測定
するとともに、気泡が発生する電圧(0.1Hzの方形波)
を測定した。
【0093】結果を表1に示す。
【0094】
【表1】
【0095】以上の結果から、上記一般式(1)で表され
るアンモニウムイオンにイオン交換樹脂の対イオンを交
換した高分子電解質アンモニウム誘導体は、比較例1の
ように従来より用いられているNa+を対イオンとする高
分子電解質アンモニウム誘導体と比べて、変位量が大き
く、しかも気泡が発生する電圧が高くなることがわかっ
た。
【0096】
【発明の効果】本発明に係る高分子電解質アンモニウム
誘導体は、イオン交換樹脂成形品の対イオンを特定のア
ルキルアンモニウムイオンに交換している。このため、
通常使用されている対イオンがNa+またはH+のイオン
交換樹脂と比べて、高電圧を高分子電解質アンモニウム
誘導体の電極間に印加しても、成形品内部の水の電気分
解が起こりにくく、気泡の発生が抑制される。このた
め、本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体は、
従来品の高分子電解質アンモニウム誘導体と比べて、高
い電圧を印加することが可能となり、応答性を高くな
る。
【0097】また、このような高分子電解質アンモニウ
ム誘導体では、イオンに伴われて水分子が電極に移動し
て、移動側の電極近傍で含水率が増大して、成形品が膨
潤することによって伸び、一方、移動側と反対側の電極
近傍では含水率が低下して収縮する。このため、対イオ
ンを前記のようなアルキルアンモニウムイオンに交換す
ると、このイオンに伴われて電極に移動する水分子が増
え、電極間での含水率の差がさらに大きくなり、湾曲
率、すなわち変位量が大きくなる。
【0098】したがって、本発明は上記のような構成で
あるので、構造が簡単で、小型化が容易であり、応答が
速く、変位量が大きい高分子電解質アンモニウム誘導体
を得ることができる。
【0099】したがって、本発明に係る高分子電解質ア
ンモニウム誘導体をマイクロデバイスの案内部材本体の
先端部に接合すると、操作制御部による操作によって、
任意かつ積極的に湾曲(変形)させることができるの
で、案内部材本体の先端部に接続した、ハサミ、鉗子、
スネア、レーザメス、スパチュラなどのマイクロサージ
ェリーの医療器具、各種センサー、工具などのマイクロ
デバイスの誘導性能を向上することができ、これによっ
て、目的部位へ任意の方向に向けることができ、その操
作が熟練を要することなく、迅速かつ容易に行うことが
できる。
【0100】従って、このようなマイクロデバイスおよ
びそれを備えたマイクロマシンを、例えば、眼球手術、
腹腔鏡下手術、微少血管縫合手術などのマイクロサージ
ェリー技術においてピンセット、ハサミ、鉗子、スネ
ア、レーザメス、スパチュラ、クリップなどの医療器具
に適用すれば、検査や治療時における患者に与える苦痛
を極力和らげ、患者に対する肉体的、精神的負担を低減
することができる。
【0101】また、このようなマイクロデバイスおよび
それを備えたマイクロマシンを、発電設備等のプラン
ト、航空機エンジン等の機械システムの配管系統やエン
ジン内部等の検査、補修等を行う各種センサーや、補修
用工具などに適用すれば、補修作業に手間や時間を要せ
ず、確実に行うことが可能となる。
【0102】また、本発明に係る高分子電解質アンモニ
ウム誘導体は、上記以外に、高周波振動によるマイクロ
ポンプ、リハビリ用補助動力マッサージ器などの健康器
具、湿度計、湿度計コントロール装置、ソフトマニュピ
ュレーター、水中バルブ、ソフト運搬装置などの工業用
機器、金魚および海草などの水中モービル、動く釣り餌
および推進ヒレなどのホビー用品などにも好適に使用す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体
の電圧無印加状態の概略断面図である。
【図2】本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体
の一実施例を示す概略図である。
【図3】本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体
の電圧印加状態の概要断面図である。
【図4】本発明に係る高分子電解質アンモニウム誘導体
の応用例を示す概要図である。
【図5】図4の要部を拡大して示す模式図である。
【図6】本発明に係るさらに別の高分子電解質アンモニ
ウム誘導体の実施例を示す概略図である。
【図7】実施例1〜5および比較例で測定する変位量の
測定原理を示す概略図である。
【符号の説明】
1 高分子電解質アンモニウム誘導体 2 イオン交換樹脂成形品 3,3a,3b 電極 4 4a,4b リード線 5 電源 6 イオン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安 積 欣 志 大阪府池田市緑丘1丁目8番31号 工業技 術院大阪工業技術研究所内 (72)発明者 岡 田 達 弘 茨城県つくば市東1−1 工業技術院物質 工学工業技術研究所内 (72)発明者 大 西 和 夫 兵庫県尼崎市武庫之荘東1丁目26−10− 304 (72)発明者 瀬 和 信 吾 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口2806−4

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イオン交換樹脂成形品と、該イオン交換樹
    脂成形品の表面に相互に絶縁状態で形成された金属電極
    とを備え、前記イオン交換樹脂成形品をアルキルアンモ
    ニウムイオン含有水溶液の含水状態において、前記金属
    電極間に電位差をかけて、イオン交換樹脂成形品に湾曲
    および変形を生じさせることによりアクチュエータとし
    て機能する高分子電解質アンモニウム誘導体。
  2. 【請求項2】前記アルキルアンモニウムイオンが、下記
    一般式(1)で表されるイオンを少なくとも含むアルキル
    アンモニウムイオンであることを特徴とする請求項1に
    記載の高分子電解質アンモニウム誘導体。 【化1】 (式中、R1〜R4は互いに同一であっても異なっていて
    もよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有炭化水素基、
    または窒素含有炭化水素基であり、かつR1〜R4の少な
    くとも1つは水素原子以外の基であり、R1〜R4のうち
    2個以上が連結して環を形成してもよい。)
  3. 【請求項3】前記アルキルアンモニウムイオンが、下記
    一般式(1)で表されるイオンであることを特徴とする請
    求項1に記載の高分子電解質アンモニウム誘導体。 【化2】 (式中、R1〜R4は互いに同一であっても異なっていて
    もよく、水素原子、炭化水素基、酸素含有炭化水素基、
    または窒素含有炭化水素基であり、かつR1〜R4の少な
    くとも1つは水素原子以外の基であり、R1〜R4のうち
    2個以上が連結して環を形成してもよい。)
  4. 【請求項4】前記一般式(1)で表されるイオンが、CH3
    +3、C25+3、(CH3)2 +2、(C25)2+
    2、(C49)2+2、(C511)2+2、(CH3)3
    +H、(C25)3+H、(C49)3+H、(C511)3+
    H、(CH3)4+、(C25) 4+、(C37)4+、(C4
    9)4+、H3+(CH2)4+3、H2C=CHCH2
    +HCH3、H3+(CH2)4+2(CH2)4+3、HC
    ≡CCH2+2、CH3CH(OH)CH2+3、H3
    +(CH2)5OH、H3+CH(CH2OH)2、(HOCH2)
    2C(CH2+3)2、C25OCH2CH2+3または 【化3】 であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    の高分子電解質アンモニウム誘導体。
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