JPH11280867A - 無段変速装置 - Google Patents

無段変速装置

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JPH11280867A
JPH11280867A JP8400298A JP8400298A JPH11280867A JP H11280867 A JPH11280867 A JP H11280867A JP 8400298 A JP8400298 A JP 8400298A JP 8400298 A JP8400298 A JP 8400298A JP H11280867 A JPH11280867 A JP H11280867A
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continuously variable
variable transmission
speed
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power
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Shinji Miyata
慎司 宮田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H37/00Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00
    • F16H37/02Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings
    • F16H37/06Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts
    • F16H37/08Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing
    • F16H37/0833Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths
    • F16H37/084Combinations of mechanical gearings, not provided for in groups F16H1/00 - F16H35/00 comprising essentially only toothed or friction gearings with a plurality of driving or driven shafts; with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts with differential gearing with arrangements for dividing torque between two or more intermediate shafts, i.e. with two or more internal power paths at least one power path being a continuously variable transmission, i.e. CVT
    • F16H37/086CVT using two coaxial friction members cooperating with at least one intermediate friction member

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トロイダル型無段変速機34の構成部材に加
わる荷重を軽減して、耐久性の向上を図る。 【解決手段】 低速時には、低速用クラッチ57を接続
し、高速用クラッチ58及び後退用クラッチ61の接続
を断つ。高速時には、高速用クラッチ58を接続し、低
速用クラッチ57及び後退用クラッチ61の接続を断
つ。高速時にはトロイダル型無段変速機34の出力側デ
ィスク4にトルクが加わる。このトルクは、全体として
の減速比が高速側に変位する程小さくなる。この分、ト
ロイダル型無段変速機34の構成部材に加わる荷重の軽
減を図れる。又、各部材の連結状態を工夫する事によ
り、構成部材の数を少なくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車用
の変速機として利用する、トロイダル型無段変速機を組
み込んだ無段変速装置の改良に関し、小型で、しかもト
ロイダル型無段変速機の構成部材の耐久性を確保できる
構造を実現するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車用変速機として、図7〜8
に略示する様なトロイダル型無段変速機を使用する事が
研究されている。このトロイダル型無段変速機は、例え
ば実開昭62−71465号公報に開示されている様
に、入力軸1と同心に入力ディスク2を支持し、この入
力軸1と同心に配置した出力軸3の端部に出力ディスク
4を固定している。トロイダル型無段変速機を納めたケ
ーシングの内側には、上記入力軸1並びに出力軸3に対
し捻れの位置にある枢軸5、5を中心として揺動するト
ラニオン6、6を設けている。
【0003】即ち、これら各トラニオン6、6の両端部
外側面には、上記枢軸5、5を、互いに同心に、それぞ
れ上記入力軸1及び出力軸3の軸方向と直角方向に設け
ている。又、各トラニオン6、6の中心部には変位軸
7、7の基端部を支持し、上記枢軸5、5を中心として
各トラニオン6、6を揺動させる事により、各変位軸
7、7の傾斜角度の調節を自在としている。各トラニオ
ン6、6に支持した変位軸7、7の周囲には、それぞれ
パワーローラ8、8を回転自在に支持している。そし
て、これら各パワーローラ8、8を、上記入力、出力両
ディスク2、4の間に挟持している。これら入力、出力
両ディスク2、4の互いに対向する内側面2a、4a
は、それぞれ断面が、上記枢軸5を中心とする円弧を当
該ディスクの中心軸を中心に回転させて得られる凹面を
なしている。そして、球状凸面に形成された各パワーロ
ーラ8、8の周面8a、8aを、上記両内側面2a、4
aに当接させている。
【0004】上記入力軸1と入力ディスク2との間に
は、ローディングカム式の押圧装置9を設け、この押圧
装置9によって、上記入力ディスク2を出力ディスク4
に向け、弾性的に押圧自在としている。この押圧装置9
は、入力軸1と共に回転するカム板10と、保持器11
により保持された複数個(例えば4個)のローラ12、
12とから構成している。上記カム板10の片側面(図
7〜8の左側面)には、円周方向に亙る凹凸面であるカ
ム面13を形成し、上記入力ディスク2の外側面(図7
〜8の右側面)にも、同様のカム面14を形成してい
る。そして、上記複数個のローラ12、12を、上記入
力軸1の中心に対して放射方向の軸を中心とする回転自
在に支持している。
【0005】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の使用時、入力軸1の回転に伴ってカム板10が回転
すると、カム面13によって複数個のローラ12、12
が、入力ディスク2の外側面に形成したカム面14に押
圧される。この結果、上記入力ディスク2が上記複数の
パワーローラ8、8に押圧されると同時に、上記1対の
カム面13、14と複数個のローラ12、12との押し
付け合いに基づいて、上記入力ディスク2が回転する。
そして、この入力ディスク2の回転が、上記複数のパワ
ーローラ8、8を介して出力ディスク4に伝達され、こ
の出力ディスク4に固定の出力軸3が回転する。
【0006】上記入力軸1と出力軸3との間の回転速度
比(減速比)を変える場合で、先ず入力軸1と出力軸3
との間で減速を行なう場合には、枢軸5、5を中心とし
て各トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ8、
8の周面8a、8aが図7に示す様に、入力ディスク2
の内側面2aの中心寄り部分と出力ディスク4の内側面
4aの外周寄り部分とにそれぞれ当接する様に、各変位
軸7、7を傾斜させる。反対に、増速を行なう場合に
は、上記トラニオン6、6を揺動させ、各パワーローラ
8、8の周面8a、8aが図8に示す様に、入力ディス
ク2の内側面2aの外周寄り部分と出力ディスク4の内
側面4aの中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、
各変位軸7、7を傾斜させる。各変位軸7、7の傾斜角
度を図7と図8との中間にすれば、入力軸1と出力軸3
との間で、中間の減速比を得られる。
【0007】又、図9〜10は、実願昭63−6929
3号(実開平1−173552号)のマイクロフィルム
に記載された、より具体化されたトロイダル型無段変速
機の1例を示している。入力ディスク2と出力ディスク
4とは円管状の入力軸15の周囲に、それぞれニードル
軸受16、16を介して、回転自在に支持している。
又、カム板10は上記入力軸15の端部(図9の左端
部)外周面にスプライン係合させ、鍔部17により上記
入力ディスク2から離れる方向への移動を阻止してい
る。そして、このカム板10とローラ12、12とによ
り、上記入力軸15の回転に基づいて上記入力ディスク
2を、上記出力ディスク4に向け押圧しつつ回転させる
押圧装置9を構成している。上記出力ディスク4には出
力歯車18を、キー19、19により結合し、これら出
力ディスク4と出力歯車18とが同期して回転する様に
している。
【0008】1対のトラニオン6、6の両端部は1対の
支持板20、20に、揺動並びに軸方向(図9の表裏方
向、図10の左右方向)に亙る変位自在に支持してい
る。そして、上記各トラニオン6、6の中間部に形成し
た円孔21、21部分に、変位軸7、7を支持してい
る。これら各変位軸7、7は、互いに平行で且つ偏心し
た支持軸部22、22と枢支軸部23、23とを、それ
ぞれ有する。このうちの各支持軸部22、22を上記各
円孔21、21の内側に、ラジアルニードル軸受24、
24を介して、回転自在に支持している。又、上記各枢
支軸部23、23の周囲にパワーローラ8、8を、別の
ラジアルニードル軸受25、25を介して、回転自在に
支持している。
【0009】尚、上記1対の変位軸7、7は、上記入力
軸15に対して180度反対側位置に設けている。又、
これら各変位軸7、7の各枢支軸部23、23が各支持
軸部22、22に対し偏心している方向は、上記入力、
出力両ディスク2、4の回転方向に関し同方向(図10
で左右逆方向)としている。又、偏心方向は、上記入力
軸15の配設方向に対しほぼ直交する方向としている。
従って、上記各パワーローラ8、8は、上記入力軸15
の配設方向に亙る若干の変位自在に支持される。この結
果、回転力の伝達状態で構成各部材に加わる大きな荷重
に基づく、これら構成各部材の弾性変形に起因して、上
記各パワーローラ8、8が上記入力軸15の軸方向(図
9の左右方向、図10の表裏方向)に変位する傾向とな
った場合でも、上記構成各部品に無理な力を加える事な
く、この変位を吸収できる。
【0010】又、上記各パワーローラ8、8の外側面と
上記各トラニオン6、6の中間部内側面との間には、パ
ワーローラ8、8の外側面の側から順に、スラスト玉軸
受26、26とスラストニードル軸受27、27とを設
けている。このうちのスラスト玉軸受26、26は、上
記各パワーローラ8、8に加わるスラスト方向の荷重を
支承しつつ、これら各パワーローラ8、8の回転を許容
するものである。又、上記各スラストニードル軸受2
7、27は、上記各パワーローラ8、8から上記各スラ
スト玉軸受26、26を構成する外輪28、28に加わ
るスラスト荷重を支承しつつ、前記各枢支軸部23、2
3及び上記外輪28、28が、前記支持軸部22、22
を中心に揺動する事を許容する。
【0011】更に、上記各トラニオン6、6の一端部
(図10の左端部)にはそれぞれ駆動ロッド29、29
を結合し、これら各駆動ロッド29、29の中間部外周
面に駆動ピストン30、30を固設している。そして、
これら各駆動ピストン30、30を、それぞれ駆動シリ
ンダ31、31内に油密に嵌装している。
【0012】上述の様に構成するトロイダル型無段変速
機の運転時に、入力軸15の回転は、押圧装置9を介し
て入力ディスク2に伝わる。そして、この入力ディスク
2の回転が、1対のパワーローラ8、8を介して出力デ
ィスク4に伝わり、更にこの出力ディスク4の回転が、
出力歯車18より取り出される。入力軸15と出力歯車
18との間の回転速度比を変える場合には、上記1対の
駆動ピストン30、30を互いに逆方向に変位させる。
これら各駆動ピストン30、30の変位に伴って上記1
対のトラニオン6、6が、それぞれ逆方向に変位し、例
えば図10の下側のパワーローラ8が同図の右側に、同
図の上側のパワーローラ8が同図の左側に、それぞれ変
位する。この結果、これら各パワーローラ8、8の周面
8a、8aと上記入力ディスク2及び出力ディスク4の
内側面2a、4aとの当接部に作用する、接線方向の力
の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴っ
て上記各トラニオン6、6が、支持板20、20に枢支
された枢軸5、5を中心として、互いに逆方向に揺動す
る。この結果、前述の図7〜8に示した様に、上記各パ
ワーローラ8、8の周面8a、8aと上記各内側面2
a、4aとの当接位置が変化し、上記入力軸15と出力
歯車18との間の回転速度比が変化する。
【0013】尚、この様に上記入力軸15と出力歯車1
8との間で回転力の伝達を行なう際には、構成各部材の
弾性変形に基づいて上記各パワーローラ8、8が、上記
入力軸15の軸方向に変位し、これら各パワーローラ
8、8を枢支している前記各変位軸7、7が、前記各支
持軸部22、22を中心として僅かに回動する。この回
動の結果、前記各スラスト玉軸受26、26の外輪2
8、28の外側面と上記各トラニオン6、6の内側面と
が相対変位する。これら外側面と内側面との間には、前
記各スラストニードル軸受27、27が存在する為、こ
の相対変位に要する力は小さい。従って、上述の様に各
変位軸7、7の傾斜角度を変化させる為の力が小さくて
済む。
【0014】上述の様に構成され作用するトロイダル型
無段変速機を実際の自動車用の無段変速機に組み込む場
合、遊星歯車機構と組み合わせて無段変速装置を構成す
る事が、特開平1−169169号公報、同1−282
266号公報に記載されている様に、従来から提案され
ている。図11は、この様な従来から提案されている無
段変速装置の基本構成を略示している。駆動源であるエ
ンジン32の駆動軸33(クランクシャフト)は、上述
した図9〜10に示す様な構成を有するトロイダル型無
段変速機34の入力軸15(図9〜10参照)に結合し
ている。又、デファレンシャルギヤ35(本発明の実施
の形態を示す図1、3〜6及び後述する図12参照)を
介して駆動輪を駆動する為の出力軸36は、遊星歯車機
構37を構成する太陽歯車38(図1、3〜6、12参
照)に結合固定して、この太陽歯車38と共に回転する
様にしている。
【0015】又、上記トロイダル型無段変速機34の出
力ディスク4(図1、3〜6、7〜9、12参照)と上
記遊星歯車機構37の一部の構成部材とを第一の動力伝
達機構38により、回転力の伝達を可能な状態に接続し
ている。又、上記駆動軸33及び入力軸15と上記遊星
歯車機構37の他の構成部材とを第二の動力伝達機構3
9により、回転力の伝達を可能な状態に接続自在として
いる。更に、上記駆動軸33及び入力軸15と出力軸3
6との間の変速状態を、高速走行モードと低速走行モー
ドと後退モードとの3種類のモードに切り換え自在な、
切換手段とを備える。そして、上記第一の動力伝達機構
38の減速比αと上記第二の動力伝達機構39の減速比
βとの比β/αを、上記トロイダル型無段変速機34の
最大増速時の減速比(図7に示した状態での入力軸1と
出力軸3との間の減速比)iH とほぼ同じとしている。
【0016】上述の図11に示す様な無段変速装置は、
所謂パワー・スプリット型と呼ばれるもので、低速走行
モードでは上記駆動軸33及び入力軸15と出力軸36
との間の動力を、総て上記トロイダル型無段変速機34
を通じて伝達する。これに対して高速走行モードでは、
動力を上記遊星歯車機構37を介して伝達し、この動力
の一部をこの遊星歯車機構37から上記トロイダル型無
段変速機34に循環させる。即ち、低速走行時には前記
エンジン32の駆動力を上記トロイダル型無段変速機3
4のみで伝達し、高速走行時には上記駆動力を上記遊星
歯車機構37で伝達する事により、高速走行時に上記ト
ロイダル型無段変速機34に加わるトルクの低減を図る
様にしている。この様に構成する事により、上記トロイ
ダル型無段変速機34の構成各部材の耐久性を向上させ
ると同時に、無段変速装置全体としての伝達効率の向上
を図れる。
【0017】上述した様な、パワー・スプリット型と呼
ばれる無段変速装置は、高速走行時にトロイダル型無段
変速機を通じて伝達するトルクの軽減を図り、耐久性の
向上と伝達効率の向上とを図れる反面、構造が複雑にな
り、小型・軽量化を図りにくい。例えば、前記特開平1
−169169号公報に記載された発明の場合には、遊
星歯車機構を2組設けると共に、トロイダル型無段変速
機の出力ディスクと各遊星歯車機構の太陽歯車とを、駆
動軸と二段目の遊星歯車機構のリングギヤとを、出力軸
と同じくキャリアとを、それぞれ結合している。この
為、構造が複雑で大型になり、重量が嵩む事が避けられ
ない。
【0018】これに対して、特開平9−89072号公
報には、トロイダル型無段変速機と1個の遊星歯車機構
とを組み合わせて成る無段変速装置が記載されている。
但し、この公報に記載された無段変速装置は、低速走行
時には駆動力を遊星歯車機構とトロイダル型無段変速機
とを介して伝達し、高速走行時には上記駆動力をこのト
ロイダル型無段変速機のみで伝達する、所謂ギヤード・
ニュートラル型と呼ばれるものである。この様なギヤー
ド・ニュートラル型の無段変速装置の場合には、発進時
から低速走行時にかけて、上記トロイダル型無段変速機
に大きなトルクが加わる。この為、小型化とこのトロイ
ダル型無段変速機の構成各部材の耐久性確保との両立を
図る事が難しい他、伝達効率の確保も難しい。
【0019】
【先発明の説明】上述の様な事情に鑑みて本発明者等は
先に、パワー・スプリット型でしかも1個の遊星歯車機
構により構成できる構造として、図12に示す様な構造
の無段変速装置を発明(特願平9−302569号)し
た。先ず、この先発明に係る無段変速装置に就いて説明
する。入力軸40の入力側端部(図12の左端部)と、
駆動軸であるエンジン41のクランクシャフト42の出
力側端部(図12の右端部)との間には発進クラッチ4
3を、これらクランクシャフト42及び入力軸40に対
し直列に設けている。従って、これらクランクシャフト
42と入力軸40とを、互いに同心に配置している。こ
れに対して、上記入力軸40の回転に基づく動力を取り
出す為の出力軸44を、この入力軸40と平行に配置し
ている。そして、この入力軸40の周囲にトロイダル型
無段変速機34を、上記出力軸44の周囲に遊星歯車機
構37を、それぞれ設けている。
【0020】上記トロイダル型無段変速機34を構成す
るカム板10は、上記入力軸40の中間部で出力側端部
寄り(図1の右寄り)部分に固定している。又、入力側
ディスク2と出力側ディスク4とは、上記入力軸40の
周囲に、ニードル軸受等、図示しない軸受により、この
入力軸40に対し、互いに独立した回転を自在に支持し
ている。そして、上記カム板10の片面(図1の左面)
に形成したカム面13と入力軸2の外側面に形成したカ
ム面14との間にローラ12、12を挟持し、押圧装置
9を構成している。従って、上記入力側ディスク2は上
記入力軸40の回転に伴い、上記出力側ディスク4に向
け押圧されつつ回転する。
【0021】又、上記入力側ディスク2の内側面2aと
上記出力側ディスク4の内側面4aとの間に複数個(通
常2〜3個)のパワーローラ8、8を挟持し、これら各
パワーローラ8、8の周面8a、8aと上記両内側面2
a、4aとを当接させている。これら各パワーローラ
8、8は、トラニオン6、6及び変位軸7、7(図7〜
10参照。図1、3〜6及び図12には省略。)によ
り、回転自在に支持している。上記トロイダル型無段変
速機34は、従来から広く知られているトロイダル型無
段変速機と同様に、上記トラニオン6、6を揺動させて
上記各パワーローラ8、8を支持している変位軸7、7
の傾斜角度を変える事により、上記入力側ディスク2と
上記出力側ディスク4との間の減速比(増速状態となる
1未満の数値の場合も含む)を変える。
【0022】又、上記遊星歯車機構37を構成する太陽
歯車45は、前記出力軸44の入力側端部(図1の右端
部)に固定している。従ってこの出力軸44は、上記太
陽歯車45の回転に伴って回転する。この太陽歯車45
の周囲にはリング歯車46を、上記太陽歯車45と同心
に、且つ回転自在に支持している。そして、このリング
歯車46の内周面と上記太陽歯車45の外周面との間
に、複数個(通常は3〜4個)の遊星歯車組47、47
を設けている。これら各遊星歯車組47、47は、それ
ぞれ1対ずつの遊星歯車48a、48bを組み合わせて
成る。これら1対ずつの遊星歯車48a、48bは、互
いに噛合すると共に、外径側に配置した遊星歯車48a
を上記リング歯車46に噛合させ、内径側に配置した遊
星歯車48bを上記太陽歯車45に噛合させている。こ
の様に各遊星歯車組47、47をそれぞれ1対ずつの遊
星歯車48a、48bにより構成するのは、上記リング
歯車46と太陽歯車45との回転方向を一致させる為で
ある。
【0023】上述の様な遊星歯車組47、47は、キャ
リア49の片側面(図1の右側面)に、上記出力軸44
と平行な枢軸50a、50bにより、回転自在に支持し
ている。又、上記キャリア49は、上記出力軸44の中
間部に、ニードル軸受等、図示しない軸受により、回転
自在に支持している。
【0024】又、上記キャリア49と前記出力側ディス
ク4とを、第一の動力伝達機構38により、回転力の伝
達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機
構38は、互いに噛合した第一、第二の歯車51、52
により構成している。即ち、第一の歯車51を上記出力
側ディスク4の外側面(図12の左側面)部分に、この
出力側ディスク4と同心に固定し、第二の歯車52を上
記キャリア49の片側面(図1の左側面)部分に、この
キャリア49と同心に固定している。従って上記キャリ
ア49は、上記出力側ディスク4の回転に伴って、この
出力側ディスク4と反対方向に、上記第一、第二の歯車
51、52の歯数に応じた速度で回転する。
【0025】一方、前記入力軸40と上記リング歯車4
6とは、第二の動力伝達機構39により回転力の伝達を
可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝達
機構39は、第一、第二のスプロケット53、54と、
これら両スプロケット53、54同士の間に掛け渡した
チェン55とにより構成している。即ち、第一のスプロ
ケット53を上記入力軸40の出力側端部(図12の右
端部)で前記カム板10から突出した部分に固定すると
共に、第二のスプロケット54を伝達軸56の入力側端
部(図12の右端部)に固定している。この伝達軸56
は、前記出力軸44と同心に配置すると共に、転がり軸
受等、図示しない軸受により、回転自在に支持してい
る。従って上記伝達軸56は、上記入力軸40の回転に
伴って、この入力軸40と同方向に、上記第一、第二の
スプロケット53、54の歯数に応じた速度で回転す
る。
【0026】又、先発明の無段変速装置は、クラッチ機
構を備える。このクラッチ機構は、上記キャリア49と
第二の動力伝達機構39の構成部材である上記伝達軸5
6との何れか一方のみを、上記リング歯車46に接続す
る。図示の例の場合に、このクラッチ機構は、低速用ク
ラッチ57と高速用クラッチ58とから成る。このうち
の低速用クラッチ57は、上記キャリア49の外周縁部
と上記リング歯車46の軸方向一端部(図12の左端
部)との間に設けている。この様な低速用クラッチ57
は、接続時には、前記遊星歯車機構37を構成する太陽
歯車45とリング歯車46と遊星歯車組47、47との
相対変位を阻止し、これら太陽歯車45とリング歯車4
6とを一体的に結合する。又、高速用クラッチ58は、
上記伝達軸56と、上記リング歯車46に支持板59を
介して固定した中心軸60との間に設けている。これら
低速用クラッチ57と高速用クラッチ58とは、何れか
一方のクラッチが接続された場合には、他方のクラッチ
の接続が断たれる様に、制御回路(油圧、電気)を構成
している。
【0027】又、上記リング歯車46と、無段変速装置
のハウジング(図示省略)等、固定の部分との間には、
後退用クラッチ61を設けている。この後退用クラッチ
61は、自動車を後退させるべく、上記出力軸44を逆
方向に回転させる為に設けている。この後退用クラッチ
61は、上記低速用クラッチ57と高速用クラッチ58
との何れか一方が接続された状態では、接続が断たれ
る。又、この後退用クラッチ61が接続された状態で
は、上記低速用クラッチ57と高速用クラッチ58と
は、何れも接続が断たれる。即ち、前記発進クラッチ4
3を除く、残り3個のクラッチ57、58、61は、何
れか1個が接続されると、残り2個のクラッチの接続は
断たれる。
【0028】更に、上記出力軸44とデファレンシャル
ギヤ35とを、第三〜第五の歯車62〜64で構成する
第三の動力伝達機構65により接続している。従って、
上記出力軸44が回転すると、これら第三の動力伝達機
構65及びデファレンシャルギヤ35を介して左右1対
の駆動軸66、66が回転し、自動車の駆動輪を回転駆
動させる。
【0029】上述の様に構成する先発明に係る無段変速
装置の作用は、次の通りである。先ず、低速走行時に
は、上記低速用クラッチ57を接続すると共に、上記高
速用クラッチ58及び後退用クラッチ61の接続を断
つ。この状態で上記発進クラッチ43を接続し、前記入
力軸40を回転させると、トロイダル型無段変速機34
のみが、上記入力軸40から出力軸44に動力を伝達す
る。即ち、低速用クラッチ57の接続に伴って、前記リ
ング歯車46とキャリア49とが一体的に結合され、前
記遊星歯車機構37を構成する各歯車45、46、48
a、48b同士の相対回転が不能になる。又、上記高速
用クラッチ58及び後退用クラッチ61の接続が断たれ
る事により、上記リング歯車46は、前記伝達軸56の
回転速度に関係なく回転自在となる。
【0030】従って、この状態で上記入力軸40を回転
させると、この回転は前記押圧装置9を介して入力側デ
ィスク2に伝わり、更に複数のパワーローラ8、8を介
して出力側ディスク4に伝わる。更に、この出力側ディ
スク4の回転は、第一の動力伝達機構38を構成する第
一、第二の歯車51、52を介してキャリア49及びリ
ング歯車46に伝わる。上述の様にこの状態では、遊星
歯車機構37を構成する各歯車45、46、48a、4
8b同士の相対回転が不能になっているので、上記出力
軸44が、上記キャリア49及びリング歯車46と同じ
速度で回転する。
【0031】この様な低速走行時に、入力側、出力側両
ディスク2、4同士の間の減速比を変える際の作用自体
は、前述の図7〜10に示した従来のトロイダル型無段
変速機の場合と同様である。勿論、この状態では、上記
入力軸40と出力軸44との間の減速比、即ち、無段変
速装置全体としての減速比は、トロイダル型無段変速機
34の減速比に比例する。又、この状態では、このトロ
イダル型無段変速機34に入力されるトルクは、上記入
力軸40に加えられるトルクに等しくなる。尚、低速走
行時には、前記第二の動力伝達機構39を構成する第
一、第二のスプロケット53、54とチェン55とは、
空回りするだけである。
【0032】これに対して、高速走行時には、前記高速
用クラッチ58を接続すると共に、前記低速用クラッチ
57及び後退用クラッチ61の接続を断つ。この状態で
前記発進クラッチ43を接続し、上記入力軸40を回転
させると、この入力軸40から前記出力軸44には、上
記第二の動力伝達機構39を構成する第一、第二のスプ
ロケット53、54及びチェン55と前記遊星歯車機構
58とが、動力を伝達する。
【0033】即ち、上記高速走行時に上記入力軸40が
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達機構39並
びに高速用クラッチ58を介して中心軸60に伝わり、
この中心軸60を固定したリング歯車46を回転させ
る。そして、このリング歯車46の回転が複数の遊星歯
車組47、47を介して太陽歯車45に伝わり、この太
陽歯車45を固定した上記出力軸44を回転させる。上
記リング歯車46が入力側となった場合に上記遊星歯車
機構37は、上記各遊星歯車組47、47が停止してい
る(太陽歯車45の周囲で公転しない)と仮定すれば、
上記リング歯車46と太陽歯車45との歯数の比に応じ
た(1未満の)減速比で増速を行なう。但し、上記各遊
星歯車組47、47は上記太陽歯車45の周囲を公転
し、無段変速装置全体としての減速比は、これら各遊星
歯車組47、47の公転速度に応じて変化する。そこ
で、上記トロイダル型無段変速機34の減速比を変え
て、上記遊星歯車組47、47の公転速度を変えれば、
上記無段変速装置全体としての減速比を調節できる。
【0034】即ち、図示の例では、上記高速走行時に上
記各遊星歯車組47、47が、上記リング歯車46と同
方向に公転する。そして、これら各遊星歯車組47、4
7の公転速度が遅い程、上記太陽歯車45を固定した出
力軸44の回転速度が速くなる。例えば、上記公転速度
とリング歯車46の回転速度(何れも角速度)が同じに
なれば、上記リング歯車46と出力軸44の回転速度が
同じになる。これに対して、上記公転速度がリング歯車
46の回転速度よりも遅ければ、上記リング歯車46の
回転速度よりも出力軸44の回転速度が速くなる。反対
に、上記公転速度がリング歯車46の回転速度よりも速
ければ、上記リング歯車46の回転速度よりも出力軸4
4の回転速度が遅くなる。
【0035】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機34の減速比を減速側に変化(大きく
する)させる程、無段変速装置全体の減速比は増速側に
変化する(減速比の値が小さくなる)。この様な高速走
行時の状態では、上記トロイダル型無段変速機34に、
入力側ディスク2からではなく、出力側ディスク4から
トルクが加わる(低速時に加わるトルクをプラスのトル
クとした場合にマイナスのトルクが加わる)。即ち、前
記高速用クラッチ58を接続した状態では、前記エンジ
ン41から入力軸40に伝達されたトルクは、前記押圧
装置10が前記入力側ディスク2を押圧する以前に、前
記第二の動力伝達装置39を介して前記遊星歯車機構3
7のリング歯車46に伝達される。従って、入力軸40
の側から上記押圧装置10を介して入力側ディスク2に
伝達されるトルクは殆どなくなる。
【0036】一方、上記第二の動力伝達装置39を介し
て前記遊星歯車機構37のリング歯車46に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車組47、47から、キ
ャリア49及び第一の動力伝達機構38を介して出力側
ディスク4に伝わる。この様に出力側ディスク4からト
ロイダル型無段変速機34に加わるトルクは、無段変速
装置全体の減速比を増速側に変化させるべく、トロイダ
ル型無段変速機34の減速比の値を大きくする程小さく
なる。この結果、高速走行時に上記トロイダル型無段変
速機34に入力されるトルクを小さくして、このトロイ
ダル型無段変速機34の構成部品の耐久性向上を図れ
る。
【0037】更に、図12に示した構造で、自動車を後
退させるべく、前記出力軸44を逆回転させる際には、
前記低速用、高速用両クラッチ57、58の接続を断つ
と共に、前記後退用クラッチ61を接続する。この結
果、上記リング歯車46が固定され、上記各遊星歯車組
47、47が、このリング歯車46並びに前記太陽歯車
45と噛合しつつ、この太陽歯車45の周囲を公転す
る。この結果、この太陽歯車45並びにこの太陽歯車4
5を固定した出力軸44が、前述した高速走行時並びに
上述した低速走行時とは逆方向に回転する。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】上述した様な先発明に
係る無段変速装置は、特開平1−169169号公報に
記載された無段変速機に比べれば、構造が簡単で小型・
軽量化を図れる。但し、小型自動車用に、より小型且つ
軽量の無段変速機装置を実現する為、或はより高効率の
無段変速装置を実現する為には、更に改良する事が望ま
れる。即ち、上述した先発明に係る無段変速装置の場合
には、遊星歯車機構37を構成する太陽歯車45とリン
グ歯車46との回転方向を一致させる為に、これら両歯
車45、46同士の間に、それぞれ2個ずつの遊星歯車
48a、48bを組み合わせて成る遊星歯車組47、4
7を設けている。この為、これら遊星歯車48a、48
bの数が、遊星歯車機構を構成するのに最低限必要な遊
星歯車の数の2倍必要になり、その分だけ、無段変速装
置の小型・軽量化を図りにくくなる。又、歯車同士の噛
合部が多くなる分、噛合部で発生する摩擦損失等に基づ
く動力損失が多くなり、無段変速装置全体としての伝達
効率の向上を図りにくくなる。本発明は、この様な事情
に鑑み、高速走行時にトロイダル型無段変速機を通じて
伝達するトルクの軽減を図れ、しかも小型且つ軽量に構
成できる、実用的な構造を実現すべく発明したものであ
る。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明の無段変速装置の
うち、請求項1に記載した無段変速装置は、例えば特開
平1−169169号公報等に記載されて従来から知ら
れている無段変速装置と同様に、駆動源に接続される入
力軸及び駆動すべき部分に接続される出力軸と、入力デ
ィスクと出力ディスクとの間に挟持した複数個のパワー
ローラの傾斜角度を変える事により上記入力ディスクと
出力ディスクとの間の減速比を変えるトロイダル型無段
変速機と、太陽歯車とリング歯車と遊星歯車を回転自在
に支持するキャリアとから成る遊星歯車機構と、これら
トロイダル型無段変速機と遊星歯車機構とを連結する1
対の動力伝達機構と、上記入力軸と出力軸との間の変速
状態を、少なくとも高速走行モードと低速走行モードと
の2種類のモードに切り換え自在な切換手段とを備え、
低速走行モードでは上記入力軸と出力軸との間の動力を
総て上記トロイダル型無段変速機を通じて伝達し、高速
走行モードでは動力を上記遊星歯車機構により伝達する
と共に、一部の動力をこの遊星歯車機構を介して上記ト
ロイダル型無段変速機に循環させる。
【0040】特に、請求項1に記載した無段変速装置に
於いては、上記遊星歯車機構のうち、上記低速走行モー
ド時に上記出力ディスクから上記遊星歯車機構に回転力
を伝達すると共に、上記高速走行モード時に上記遊星歯
車機構から上記出力ディスクに動力を循環させる為の第
一の動力伝達機構の端部に結合されている部材が上記太
陽歯車である。又、上記遊星歯車機構のうち、高速走行
モード時に上記入力軸から上記遊星歯車機構に回転力を
伝達する第二の動力伝達機構の端部に結合されている部
材が上記キャリアである。更に、上記出力軸と上記リン
グ歯車とが結合されている。
【0041】又、請求項2に記載した無段変速装置は、
駆動軸により回転駆動される入力軸と、この入力軸の回
転に基づく動力を取り出す為の出力軸と、トロイダル型
無段変速機と、遊星歯車機構とを備える。そして、この
トロイダル型無段変速機は、互いに同心に配置した入力
ディスクと出力ディスクとの間に挟持した複数個のパワ
ーローラの傾斜角度を変える事により、上記入力軸の回
転に基づいて回転する入力ディスクと上記出力ディスク
との間の減速比を変えるものである。又、上記遊星歯車
機構は、太陽歯車と、この太陽歯車の周囲に配置して上
記出力軸と結合されたリング歯車と、同心円上に配置し
た複数本の枢軸によりそれぞれ上記太陽歯車及びリング
歯車と噛合する1個ずつの遊星歯車をそれぞれ回転自在
に支持する複数本の枢軸を設けたキャリアとから成る。
そして、上記太陽歯車と上記出力ディスクとを第一の動
力伝達機構により回転力の伝達を可能な状態に接続する
と共に、上記入力軸と上記キャリアとを第二の動力伝達
機構により回転力の伝達を可能な状態に接続自在として
いる。又、上記入力軸と出力軸との間の変速状態を高速
走行モードと低速走行モードと後退モードとの3種類の
モードに切り換え自在な切換手段を備える。更に、上記
第一の動力伝達機構の減速比αと上記第二の動力伝達機
構の減速比βとの比β/αを、上記トロイダル型無段変
速機の最大増速時の減速比iH とほぼ同じとしている。
各減速比α、βをこの様に規制する理由は、上記低速走
行モードと高速走行モードとの切り換え時に、無段変速
装置全体としての減速比が不連続になる事を、防止若し
くは低減する為である。
【0042】
【作用】上述の様に構成する本発明の無段変速装置の作
用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、入力軸
と出力軸との間の動力を総て上記トロイダル型無段変速
機を通じて伝達する。この為に例えば、遊星歯車機構を
構成する太陽歯車とリング歯車とキャリアとのうちの何
れかの部材同士を結合し、これら太陽歯車とリング歯車
とキャリアとを、太陽歯車を中心として一体的に回転さ
せる。この状態ではトロイダル型無段変速機のみが、入
力軸から出力軸に動力を伝達する。この低速走行時に入
力、出力両ディスク同士の間の減速比を変換する際の作
用は、前述の図7〜10に示した従来のトロイダル型無
段変速機の場合と同様である。勿論、この状態では、上
記入力軸と出力軸との間の減速比、即ち無段変速装置全
体としての減速比は、トロイダル型無段変速機の減速比
に比例する。又、この状態では、このトロイダル型無段
変速機に入力されるトルクは、上記入力軸に加えられる
トルクに等しくなる。
【0043】これに対して、高速走行時には、動力を上
記遊星歯車機構により伝達すると共に、一部の動力をこ
の遊星歯車機構を介して上記トロイダル型無段変速機に
循環させる。この状態では、上記トロイダル型無段変速
機の出力ディスクに、この遊星歯車機構を構成する太陽
歯車からトルクが伝わる。又、この状態では、上記無段
変速装置全体としての減速比は、遊星歯車の公転速度に
応じて変化する。そこで、上記トロイダル型無段変速機
の減速比を変えて、上記遊星歯車の公転速度を変えれ
ば、上記無段変速装置全体としての減速比を調節でき
る。即ち、この状態では、トロイダル型無段変速機の減
速比を減速側に変化させる程、無段変速装置全体の減速
比の値は小さくなる(増速側に変化する)。この様な高
速走行時の状態では、無段変速装置全体の減速比の値を
小さくすべく(変速比を増速側に変化させるべく)、ト
ロイダル型無段変速機の減速比の値を大きくする(減速
側に変化させる)程、このトロイダル型無段変速機に入
力されるトルクが小さくなる。この結果、高速走行時に
上記トロイダル型無段変速機に入力されるトルクを小さ
くして、このトロイダル型無段変速機の構成部品の耐久
性向上並びに伝達効率の向上を図れる。
【0044】上述の作用に就いては、前述した先発明の
無段変速装置の場合と同様である。特に、本発明の無段
変速装置の場合には、第一の動力伝達機構の端部に太陽
歯車を、第二の動力伝達機構の端部にキャリアを、それ
ぞれ結合する事で、遊星歯車機構を構成する太陽歯車と
リング歯車との回転方向を互いに逆にできる。この為、
1個の遊星歯車をこれら太陽歯車とリング歯車との双方
に噛合させる事が可能になり、無段変速装置の小型・軽
量化と伝達効率の向上とを図れる。
【0045】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態の第
1例を示している。本発明の無段変速装置は、前述の図
12に示した先発明に係る無段変速装置と同様に、駆動
源であるエンジン41のクランクシャフト42につなが
って、このエンジン41により回転駆動される入力軸4
0を備える。この入力軸40の入力側端部(図1の左端
部)と上記クランクシャフト42の出力側端部(図1の
右端部)との間には、トルクコンバータ、電磁クラッチ
等の発進クラッチ43を、これらクランクシャフト42
及び入力軸40に対し直列に設けている。従って図示の
例の場合には、これらクランクシャフト42と入力軸4
0とを、互いに同心に配置している。これに対して、上
記入力軸40の回転に基づく動力を取り出す為の円管状
の出力軸44を、この入力軸40と平行に、この入力軸
40と独立した回転自在に配置している。そして、この
入力軸40の周囲にトロイダル型無段変速機34を、上
記出力軸44の周囲側方(図1の右方)に遊星歯車機構
37を、それぞれ設けている。
【0046】上記トロイダル型無段変速機34を構成す
るカム板10は、上記入力軸40の中間部に固定してい
る。又、入力ディスク2と出力ディスク4とは、上記入
力軸40の周囲に、ニードル軸受等、図示しない軸受に
より、この入力軸40に対し、互いに独立した回転を自
在に支持している。そして、上記カム板10の片面(図
1の右面)に形成したカム面13と入力ディスク2の外
側面に形成したカム面14との間にローラ12、12を
挟持し、押圧装置9を構成している。従って、上記入力
ディスク2は上記入力軸40の回転に伴い、上記出力デ
ィスク4に向け押圧されつつ回転する。
【0047】又、上記入力ディスク2の内側面2aと上
記出力ディスク4の内側面4aとの間に複数個(通常2
〜3個)のパワーローラ8、8を挟持し、これら各パワ
ーローラ8、8の周面8a、8aと上記両内側面2a、
4aとを当接させている。これら各パワーローラ8、8
は、トラニオン6、6及び変位軸7、7(図7〜10参
照。図1には省略。)により、回転自在に支持してい
る。上記トロイダル型無段変速機34は、従来から広く
知られているトロイダル型無段変速機と同様に、上記ト
ラニオン6、6を揺動させて上記各パワーローラ8、8
を支持している変位軸7、7の傾斜角度を変える事によ
り、上記入力ディスク2と上記出力ディスク4との間の
減速比を変える。
【0048】又、上記遊星歯車機構37を構成するリン
グ歯車46は、前記出力軸44の入力側端部(図1の右
端部)に固定している。従ってこの出力軸44は、上記
リング歯車46の回転に伴って回転する。このリング歯
車46の内側には太陽歯車45を、このリング歯車46
と同心に、且つ回転自在に支持している。そして、この
リング歯車46の内周面と上記太陽歯車45の外周面と
の間に、複数個(通常は3〜4個)の遊星歯車48、4
8を設けている。これら各遊星歯車48、48は、それ
ぞれ上記リング歯車46と上記太陽歯車45とに噛合さ
せている。
【0049】上述の様な各遊星歯車48、48は、キャ
リア49に設けた、上記出力軸44と平行な枢軸50、
50により、回転自在に支持している。又、上記キャリ
ア49の中心部にその一端部(図1の右端部)を結合し
た第一の伝達軸67は、上記出力軸44を緩く挿通した
状態で、ニードル軸受等、図示しない軸受により、回転
自在に支持している。即ち、上記出力軸44を図示しな
いハウジングの内側に、やはり図示しない軸受により回
転自在に支持し、上記第一の伝達軸67を上記出力軸4
4の内側に挿通している。そして、この第一の伝達軸6
7を、上記ハウジング或は出力軸44の内側に、やはり
図示しない軸受により、回転自在に支持している。
【0050】又、上記太陽歯車45と前記出力ディスク
4とを、第一の動力伝達機構38aにより、回転力の伝
達を可能な状態に接続している。この第一の動力伝達機
構38aは、上記出力ディスク4と同心に固定された第
一の歯車51と、上記太陽歯車45を一端部(図1の左
端部)に固定した第二の伝達軸68の他端部に固定した
第二の歯車52と、これら第一、第二の歯車51、52
同士の間に設けたアイドル歯車69とにより構成してい
る。従って上記太陽歯車45は、上記出力ディスク4の
回転に伴って、この出力ディスク4と同方向に、上記第
一、第二の歯車51、52の歯数の比に応じた速度で回
転する。
【0051】一方、前記入力軸40と上記キャリア49
とは、第二の動力伝達機構39aにより、回転力の伝達
を可能な状態に接続自在としている。この第二の動力伝
達機構39aは、互いに噛合する駆動歯車70と従動歯
車71とにより構成している。即ち、駆動歯車70を上
記入力軸40の中間部で上記発進クラッチ43寄り(図
1の左寄り)部分に固定すると共に、従動歯車71を、
前記第一の伝達軸67の他端部(図1の左端部)に固定
している。図示の例では、上記駆動歯車70の歯数と従
動歯車71の歯数とを、互いに等しくしている。従って
上記第一の伝達軸67は、上記入力軸40の回転に伴っ
て、この入力軸40と反対方向に、この入力軸40と同
速で回転する。
【0052】又、本発明の無段変速装置は、クラッチ機
構を備える。このクラッチ機構は、前記第一、第二の伝
達軸67、68のうちの何れか一方の伝達軸のみを、上
記キャリア49に接続する。本例の場合に、このクラッ
チ機構は、上記第二の伝達軸68と上記キャリア49と
の間に設けた低速用クラッチ57と、上記第一の伝達軸
67の中間部に、この第一の伝達軸67と直列に設けた
高速用クラッチ58とから成る。このうちの低速用クラ
ッチ57は、接続時には、前記遊星歯車機構37を構成
する太陽歯車45とリング歯車46と遊星歯車48、4
8との相対変位を阻止し、これら太陽歯車45とリング
歯車46とを一体的に結合する。これら低速用クラッチ
57と高速用クラッチ58とは、何れか一方のクラッチ
が接続された場合には、他方のクラッチの接続が断たれ
る様に、制御回路(油圧、電気)を構成している。
【0053】又、図示の例では、上記キャリア49と、
無段変速装置のハウジング(図示省略)等、固定の部分
との間に、後退用クラッチ61を設けている。この後退
用クラッチ61は、自動車を後退させるべく、前記出力
軸44を逆方向に回転させる為に設けている。この後退
用クラッチ61は、上記低速用クラッチ57と高速用ク
ラッチ58との何れか一方が接続された状態では、接続
が断たれる。又、この後退用クラッチ61が接続された
状態では、上記低速用クラッチ57と高速用クラッチ5
8とは、何れも接続が断たれる。即ち、前記発進クラッ
チ43を除く、残り3個のクラッチ57、58、61
は、何れか1個が接続されると、残り2個のクラッチの
接続は断たれる。
【0054】更に、図示の例では、上記出力軸44とデ
ファレンシャルギヤ35とを、第三、第四の歯車62、
63で構成する第三の動力伝達機構65aにより接続し
ている。従って、上記出力軸44が回転すると、これら
第三の動力伝達機構65a及びデファレンシャルギヤ3
5を介して左右1対の駆動軸66、66が回転し、自動
車の駆動輪を回転駆動させる。
【0055】上述の様に構成する本例の無段変速装置の
作用は、次の通りである。先ず、低速走行時には、上記
低速用クラッチ57を接続すると共に、上記高速用クラ
ッチ58及び後退用クラッチ61の接続を断つ。この状
態で上記発進クラッチ43を接続し、前記入力軸40を
回転させると、トロイダル型無段変速機34のみが、上
記入力軸40から出力軸44に動力を伝達する。即ち、
低速用クラッチ57の接続に伴って、前記太陽歯車45
とキャリア49とリング歯車46とが一体的に結合さ
れ、前記遊星歯車機構37を構成する各歯車45、4
6、48同士の相対回転が不能になる。又、上記高速用
クラッチ58及び後退用クラッチ61の接続が断たれる
事で、上記キャリア49は、前記第一の伝達軸67の他
端部に固定した従動歯車71の回転速度に関係なく、回
転自在となる。
【0056】従って、この状態で上記入力軸40を回転
させると、この回転は前記押圧装置9を介して入力ディ
スク2に伝わり、更に複数のパワーローラ8、8を介し
て出力ディスク4に伝わる。更に、この出力ディスク4
の回転は、第一の動力伝達機構38aを構成する第一、
第二の歯車51、52及びアイドル歯車69を介して太
陽歯車45及びキャリア49に伝わる。上述の様にこの
状態では、遊星歯車機構37を構成する各歯車45、4
6、48同士の相対回転が不能になっているので、上記
リング歯車46に結合固定した出力軸44が、上記太陽
歯車45及びキャリア49と同じ速度で回転する。
【0057】この様な低速走行時に、入力側、出力側両
ディスク2、4同士の間の減速比を変える際の作用自体
は、前述の図7〜10に示した従来のトロイダル型無段
変速機の場合と同様である。勿論、この状態では、上記
入力軸40と出力軸44との間の減速比、即ち、無段変
速装置全体としての減速比は、トロイダル型無段変速機
34の減速比に比例する。又、この状態では、このトロ
イダル型無段変速機34に入力されるトルクは、上記入
力軸40に加えられるトルクに等しくなる。尚、低速走
行時には、前記第二の動力伝達機構39aを構成する駆
動歯車70及び従動歯車71は、空回りするだけであ
る。
【0058】これに対して、高速走行時には、前記高速
用クラッチ58を接続すると共に、前記低速用クラッチ
57及び後退用クラッチ61の接続を断つ。この状態で
上記入力軸40を回転させると、この入力軸40から前
記出力軸44には、上記第二の動力伝達機構39aを構
成する上記駆動歯車70及び従動歯車71と前記遊星歯
車機構37とが、動力を伝達する。
【0059】即ち、上記高速走行時に上記入力軸40が
回転すると、この回転は上記第二の動力伝達機構39a
並びに高速用クラッチ58を介してキャリア49に伝わ
り、このキャリア49を回転させる。そして、このキャ
リア49の回転が複数の遊星歯車48、48を介してリ
ング歯車46に伝わり、このリング歯車46を固定した
上記出力軸44を回転させる。上記キャリア49が入力
側となった場合に上記遊星歯車機構37は、上記太陽歯
車45が停止している(リング歯車46の内側で回転し
ない)と仮定すれば、このリング歯車46と太陽歯車4
5との歯数の比、並びに上記キャリア49の回転速度に
応じた減速比(1未満の値)で、このキャリア49とリ
ング歯車46との間で動力を伝達する。但し、上記太陽
歯車45は上記リング歯車46の内側で回転し、無段変
速装置全体としての減速比は、この太陽歯車45の回転
速度に応じて変化する。そこで、上記トロイダル型無段
変速機34の減速比を変えて、上記太陽歯車45の回転
速度を変えれば、上記無段変速装置全体としての減速比
を調節できる。
【0060】即ち、図示の例では、上記高速走行時に上
記太陽歯車45が、上記キャリア49と同方向に回転す
る。又、リング歯車46と太陽歯車45との歯数の比
を、上記キャリア49とリング歯車46との間で増速を
行なえる値に規制している。そして、上記太陽歯車45
の回転速度が遅い程、上記リング歯車46を固定した出
力軸44の回転速度が速くなる様にしている。例えば、
上記トロイダル型無段変速機34を最大増速状態とし、
上記太陽歯車45の回転速度とキャリア49の回転速度
(何れも角速度)が同じになれば、上記キャリア49と
出力軸44との回転速度が同じになる。これに対して、
上記太陽歯車45の回転速度がキャリア49の回転速度
よりも遅ければ、上記キャリア49の回転速度よりも出
力軸44の回転速度が速くなる。
【0061】従って、上記高速走行時には、前記トロイ
ダル型無段変速機34の減速比を大きくする(減速側に
変化させる)程、無段変速装置全体の減速比は増速側に
変化する。この様な高速走行時の状態では、上記トロイ
ダル型無段変速機34に、入力ディスク2からではな
く、出力ディスク4からトルクが加わる(低速時に加わ
るトルクをプラスのトルクとした場合にマイナスのトル
クが加わる)。即ち、前記高速用クラッチ58を接続し
た状態では、前記エンジン41から入力軸40に伝達さ
れたトルクは、前記押圧装置10が前記入力ディスク2
を押圧する以前に、前記第二の動力伝達機構39aを介
して前記遊星歯車機構37のキャリア49に伝達され
る。従って、入力軸40の側から上記押圧装置10を介
して入力ディスク2に伝達されるトルクは殆どなくな
る。
【0062】一方、上記第二の動力伝達機構39aを介
して前記遊星歯車機構37のキャリア49に伝達された
トルクの一部は、前記各遊星歯車48、48から、太陽
歯車45及び第一の動力伝達機構38aを介して出力デ
ィスク4に伝わる。この様に出力ディスク4からトロイ
ダル型無段変速機34に加わるトルクは、無段変速装置
全体の減速比を小さくすべく(増速側に変化させるべ
く)、トロイダル型無段変速機34の減速比を大きくす
る程小さくなる。この結果、高速走行時に上記トロイダ
ル型無段変速機34に入力されるトルクを小さくして、
このトロイダル型無段変速機34の構成部品の耐久性向
上を図れる。
【0063】更に、図1に示した構造で、自動車を後退
させるべく、前記出力軸44を逆回転させる際には、前
記低速用、高速用両クラッチ57、58の接続を断つと
共に、前記後退用クラッチ61を接続する。この結果、
上記キャリア49が固定され、上記各遊星歯車48、4
8が自転のみ可能で公転不能になる。この結果、トロイ
ダル型無段変速機34を介して回転駆動される太陽歯車
45の回転に伴って、前記リング歯車46及びこのリン
グ歯車46に連結固定した出力軸44が、前述した高速
走行時並びに上述した低速走行時とは逆方向に回転す
る。
【0064】尚、図2は、上述した第1例の構造で、無
段変速装置全体としての減速比(横軸)を連続して変化
させる場合に、トロイダル型無段変速機34の減速比
(左側縦軸)と、このトロイダル型無段変速機34を通
過するトルク(右側縦軸)とが変化する状態の1例を示
している。これら各減速比並びにトルクの関係は、トロ
イダル型無段変速機34の減速幅、遊星歯車機構37の
歯数比、第二の動力伝達機構39aの減速比等に応じて
変わる。本発明を実施する場合にこれらの値並びに構造
は、設計的に定める。図2に記載した各線を得る為の条
件としては、トロイダル型無段変速機34の減速比の幅
を凡そ4倍(2.0〜0.5)とし、遊星歯車機構37
の減速比(太陽歯車45の歯数/リング歯車46の歯
数)は0.5、第一の動力伝達機構38aの減速比は
2、第二の動力伝達機構39aの減速比は1であるとし
て計算した。又、低速用クラッチ57と高速用クラッチ
58との切り換えは、無段変速装置全体としての減速比
が1の場合(トロイダル型無段変速機の減速比が0.5
の場合)に行なうとした。
【0065】この様な条件により、図1に示す様な無段
変速装置を設計した場合を示す図2で、実線aは、上記
トロイダル型無段変速機34の減速比を、破線bは、エ
ンジン41から入力軸40に伝えられたトルクのうち、
トロイダル型無段変速機34を通過するトルクの大きさ
の割合を、それぞれ表している。この様な図2から明ら
かな通り、本発明の無段変速装置によれば、無段変速装
置全体としての減速比を4〜0.73とし、この無段変
速装置全体としての減速比を最も小さく(0.73)し
た状態で、上記トロイダル型無段変速機34を通過する
トルクの大きさを、エンジン41から入力軸40に伝え
られるトルクの9%程度に抑えられる。この様に、遊星
歯車機構37を含み、歯車式動力伝達機構に比べて動力
損失が大きい(伝達効率が90%程度である)上記トロ
イダル型無段変速機34を通過するトルクを小さくする
事により、無段変速装置全体としての伝達効率を十分に
(計算上は99%程度に)大きくできる。
【0066】尚、実際の無段変速装置を構成する場合に
は、無段変速装置全体としての減速比が1の場合に常に
低速用クラッチ57と高速用クラッチ58との切り換え
を行なう様にすると、上記減速比が1の前後で走行して
いる場合に、頻繁にこれら両クラッチ56、57の切り
換えが行なわれる。この様な事態は、運転者に違和感を
与えるだけでなく、これら各クラッチ56、57の耐久
性にも悪影響を及ぼす。従って、実際の無段変速装置を
構成する場合には、上記減速比が高くなる場合と低くな
る場合とで上記各クラッチ56、57の切り換えのタイ
ミングを変える、所謂ヒステリシスを設ける。
【0067】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合には、クランクシャフト4
2と入力軸40とを直接連結し(図1に示した発進クラ
ッチ43を省略し)、低速用クラッチ57に発進クラッ
チとしての機能を合わせ持たせている。この為に本例の
場合には、上記低速用クラッチ57として、湿式多板ク
ラッチ、或はトルクコンバータ付クラッチ等、低速時に
滑りを起こせる構造のものを使用する。その他の構成及
び作用は、実現できる減速比や高速走行時にトロイダル
型無段変速機34を通過するトルクの軽減割合等も含
め、上述した第1例の場合と同様である。
【0068】次に、図4は、本発明の実施の形態の第3
例を示している。本例の場合には、エンジン41に対す
るトロイダル型無段変速機34、遊星歯車機構37、第
一、第二の動力伝達機構38a、39aの配置を前後
(図1、3左右)逆にしている。又、低速用クラッチ5
7を、太陽歯車45を固定した第一の伝達軸67と出力
軸44を介してリング歯車46に固定した第三の歯車6
2との間に設けている。その他の構成及び作用は、実現
できる減速比や高速走行時にトロイダル型無段変速機3
4を通過するトルクの軽減割合等も含め、前述した第1
例の場合と同様である。尚、低速用クラッチ57は、上
記遊星歯車機構37を構成する3種類の歯車45、4
6、48の相対変位を阻止できるものであれば、図示の
各例の部分以外の部分に装着しても良い。
【0069】次に、図5は、本発明の実施の形態の第4
例を示している。本例の場合には、クランクシャフト4
2と入力軸40とを直接連結し(図4に示した発進クラ
ッチ43を省略し)、低速用クラッチ57に発進クラッ
チとしての機能を合わせ持たせている。その他の構成及
び作用は、実現できる減速比や高速走行時にトロイダル
型無段変速機34を通過するトルクの軽減割合等も含
め、上述した第3例の場合と同様である。
【0070】次に、図6は、本発明の実施の形態の第5
例を示している。本例の場合には、トロイダル型無段変
速機34aとして、それぞれ2個ずつの入力ディスク
2、2と出力ディスク4、4とを、動力の伝達方向に関
して互いに並列に設けた、所謂ダブルキャビティ型のも
のを使用している。この様なダブルキャビティ型のトロ
イダル型無段変速機34aを使用する事により、このト
ロイダル型無段変速機34aを通過可能なトルクを大き
くして、第1〜4例の場合よりも大きな出力を有するエ
ンジン41を備えた自動車用の無段変速装置の実現を可
能にしている。トロイダル型無段変速機34aの構造を
変えた以外の構成及び作用は、実現できる減速比や高速
走行時にトロイダル型無段変速機34aを通過するトル
クの軽減割合等も含め、前述した第1例の場合と同様で
ある。
【0071】
【発明の効果】本発明は、以上に述べた通り構成され作
用するので、比較的簡単で、小型、軽量、且つ低コスト
で造れる構造にも拘らず、無段変速装置に組み込んだト
ロイダル型無段変速機の構成部品に加わる荷重を軽減し
て、耐久性の向上を図ると共に、伝達効率の向上も図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す略構成図。
【図2】トロイダル型無段変速機の減速比と、無段変速
装置全体としての減速比と、入力トルクとトロイダル型
無段変速機を通過するトルクとの関係とを示す線図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す略構成図。
【図4】同第3例を示す略構成図。
【図5】同第4例を示す略構成図。
【図6】同第5例を示す略構成図。
【図7】従来から知られているトロイダル型無段変速機
の基本構造を、最大減速時の状態で示す部分切断側面
図。
【図8】同じく最大増速時の状態で示す部分切断側面
図。
【図9】従来から知られているトロイダル型無段変速機
の具体的構造の1例を示す部分断面図。
【図10】図9のA−A断面図。
【図11】本発明の対象となる無段変速装置の基本構成
を示すブロック図。
【図12】先発明の1例を示す略構成図。
【符号の説明】
1 入力軸 2 入力ディスク 2a 内側面 3 出力軸 4 出力ディスク 4a 内側面 5 枢軸 6 トラニオン 7 変位軸 8 パワーローラ 8a 周面 9 押圧装置 10 カム板 11 保持器 12 ローラ 13 カム面 14 カム面 15 入力軸 16 ニードル軸受 17 鍔部 18 出力歯車 19 キー 20 支持板 21 円孔 22 支持軸部 23 枢支軸部 24 ラジアルニードル軸受 25 ラジアルニードル軸受 26 スラスト玉軸受 27 スラストニードル軸受 28 外輪 29 駆動ロッド 30 駆動ピストン 31 駆動シリンダ 32 エンジン 33 駆動軸 34、34a トロイダル型無段変速機 35 デファレンシャルギヤ 36 出力軸 37 遊星歯車機構 38、38a 第一の動力伝達機構 39、39a 第二の動力伝達機構 40 入力軸 41 エンジン 42 クランクシャフト 43 発進クラッチ 44 出力軸 45 太陽歯車 46 リング歯車 47 遊星歯車組 48、48a、48b 遊星歯車 49 キャリア 50、50a、50b 枢軸 51 第一の歯車 52 第二の歯車 53 第一のスプロケット 54 第二のスプロケット 55 チェン 56 伝達軸 57 低速用クラッチ 58 高速用クラッチ 59 支持板 60 中心軸 61 後退用クラッチ 62 第三の歯車 63 第四の歯車 64 第五の歯車 65、65a 第三の動力伝達機構 66 駆動軸 67 第一の伝達軸 68 第二の伝達軸 69 アイドル歯車 70 駆動歯車 71 従動歯車

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動源に接続される入力軸及び駆動すべ
    き部分に接続される出力軸と、入力ディスクと出力ディ
    スクとの間に挟持した複数個のパワーローラの傾斜角度
    を変える事により上記入力ディスクと出力ディスクとの
    間の減速比を変えるトロイダル型無段変速機と、太陽歯
    車とリング歯車と遊星歯車を回転自在に支持するキャリ
    アとから成る遊星歯車機構と、これらトロイダル型無段
    変速機と遊星歯車機構とを連結する1対の動力伝達機構
    と、上記入力軸と出力軸との間の変速状態を、少なくと
    も高速走行モードと低速走行モードとの2種類のモード
    に切り換え自在な切換手段とを備え、低速走行モードで
    は上記入力軸と出力軸との間の動力を総て上記トロイダ
    ル型無段変速機を通じて伝達し、高速走行モードでは動
    力を上記遊星歯車機構により伝達すると共に、一部の動
    力をこの遊星歯車機構を介して上記トロイダル型無段変
    速機に循環させる無段変速装置に於いて、上記遊星歯車
    機構のうち、上記低速走行モード時に上記出力ディスク
    から上記遊星歯車機構に回転力を伝達すると共に、上記
    高速走行モード時に上記遊星歯車機構から上記出力ディ
    スクに動力を循環させる為の第一の動力伝達機構の端部
    に結合されている部材が上記太陽歯車であり、同じく高
    速走行モード時に上記入力軸から上記遊星歯車機構に回
    転力を伝達する第二の動力伝達機構の端部に結合されて
    いる部材が上記キャリアであり、上記出力軸と上記リン
    グ歯車とが結合されている事を特徴とする無段変速装
    置。
  2. 【請求項2】 駆動軸により回転駆動される入力軸と、
    この入力軸の回転に基づく動力を取り出す為の出力軸
    と、トロイダル型無段変速機と、遊星歯車機構とを備
    え、このトロイダル型無段変速機は、互いに同心に配置
    した入力ディスクと出力ディスクとの間に挟持した複数
    個のパワーローラの傾斜角度を変える事により、上記入
    力軸の回転に基づいて回転する入力ディスクと上記出力
    ディスクとの間の減速比を変えるものであり、上記遊星
    歯車機構は、太陽歯車と、この太陽歯車の周囲に配置し
    て上記出力軸と結合されたリング歯車と、同心円上に配
    置した複数本の枢軸によりそれぞれ上記太陽歯車及びリ
    ング歯車と噛合する1個ずつの遊星歯車をそれぞれ回転
    自在に支持する複数本の枢軸を設けたキャリアとから成
    るものであり、上記太陽歯車と上記出力ディスクとを第
    一の動力伝達機構により回転力の伝達を可能な状態に接
    続すると共に、上記入力軸と上記キャリアとを第二の動
    力伝達機構により回転力の伝達を可能な状態に接続自在
    とし、更に、上記入力軸と出力軸との間の変速状態を高
    速走行モードと低速走行モードと後退モードとの3種類
    のモードに切り換え自在な切換手段を備え、上記第一の
    動力伝達機構の減速比αと上記第二の動力伝達機構の減
    速比βとの比β/αを、上記トロイダル型無段変速機の
    最大増速時の減速比iH とほぼ同じとした無段変速装
    置。
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