JPH11283520A - イオン源およびこれに使用する磁気フィルタ - Google Patents

イオン源およびこれに使用する磁気フィルタ

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JPH11283520A
JPH11283520A JP11019895A JP1989599A JPH11283520A JP H11283520 A JPH11283520 A JP H11283520A JP 11019895 A JP11019895 A JP 11019895A JP 1989599 A JP1989599 A JP 1989599A JP H11283520 A JPH11283520 A JP H11283520A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】リボンビームの全長に沿って均一な電流密度を
与えるようにした、イオン源およびそのための磁気フィ
ルタを提供すること。 【解決手段】イオン源材料をイオン化することにより、
イオンを含むプラズマが発生するプラズマ閉込め室76を
形成するハウジングを含み、ハウジングは複数の細長い
開口64を形成する平坦状の壁50を有し、これらの開口を
通してイオンビームがプラズマから引き出される。複数
の細長い開口64は、前記壁内を通る第1軸線に対して互
いに平行に向き、第1軸線が前記壁内を通る第2軸線に
対して直交する。磁気フィルタ90は、プラズマ閉込め室
76内に配置され、プラズマ閉込め室を第1領域86と第2
領域88に分離し、第2軸線から角度θだけ傾斜して平坦
状の壁に対してほぼ平行な平面上にある、複数の平行で
細長い磁石を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にイオン注
入装置のためのイオン源に関し、特に、イオン源用の磁
気フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】イオン注入は、集積回路やフラットパネ
ルディスプレイ等の製品を大規模生産する際に、シリコ
ンウェハまたはガラス基板等の加工物(workpiece) に不
純物を注入するために産業界において標準的に受け入れ
られた技術になってきた。従来のイオン注入装置は、所
望のドーパント元素をイオン化して、それを加速して規
定エネルギのイオンビームを形成できるようにするイオ
ン源を含む。このビームは加工物の表面に向けられ、加
工物にドーパント元素を注入する。
【0003】一般的に、イオンビームの活性化イオンが
加工物の表面に貫入して、その物質の結晶格子に埋め込
まれることによって、所望の導電率を有する領域を形成
する。このイオン注入処理は、一般的に、ガス分子との
衝突によるイオンビームの拡散を防止すると共に、空気
中浮遊粒子によって加工物が汚染される危険性を最小限
に抑える高真空処理室内で実施される。
【0004】従来からのイオン源は、グラファイトで形
成し得る1つの室からなり、この室は、イオン化可能な
ガスをプラズマ内に導くための入口開口と、プラズマが
引き出されてイオンを形成するための出口開口とを有す
る。一般に、プラズマは、加工物にイオン注入する好ま
しいイオンと共に、イオン注入に好ましくないイオン及
びイオン化処理の副産物であるイオンをも含んでいる。
さらに、プラズマは、エネルギーを変化させる電子を含
んでいる。
【0005】このような入力ガスの一例は、加工物を注
入するための正に帯電したリンイオン(P+ )を作るの
に利用されるホスフィン(PH3 )である。ホスフィン
は、水素ガスを含むイオン源室内で希釈され、この混合
物に衝撃を与えるイオン源内で、活性化したフィラメン
トから高エネルギーの電子が放出される。このイオン化
処理の結果として、所望のP+ イオンと共に、出口開口
から引き出される水素イオンが作り出されてイオンビー
ムとなる。
【0006】こうして、水素イオンは、所望のイオンと
共に注入される。水素イオンの十分な電流密度がある
と、これらのイオンは、加工物の望ましくない温度上昇
を生じさせ、半導体基板の表面上のフォトレジストを損
傷する。
【0007】イオンビームに引き出すために役立つ不要
のイオン数を減少させるために、イオン源内に磁石を設
けて、イオン化したプラズマを分離することが知られて
いる。この磁石は、望ましくないイオン及び高エネルギ
ーの電子を出口開口から離れたイオン源室の一部に閉込
め、かつ望ましいイオンと低エネルギーの電子を出口開
口に近いイオン源室の一部に閉込める。
【0008】このような磁石配列は、本明細書に参考と
して包含され、本発明の譲受人に属する米国特許出願番
号第08/756,970号に開示されている。また、
イオン源室内に設けた磁石構造の他の例は、ロイング(L
eung) 等に付与された米国特許第4,447,732
号、及び桑原氏の特開平8−209341号に示されて
いる。これらの参考文献は共に、互いに平行に配置され
た複数の長手方向に伸びた磁石からなる磁気フィルタを
示している。
【0009】フラットパネルディスプレイ等の大きい表
面積にイオンを注入する場合の応用には、リボンビーム
イオン源を利用することができる。リボンビームは、米
国特許出願番号第08/756,970号に示すよう
に、イオン源室における複数の細長い出口開口を用いて
形成される。複数の出口開口によってリボンビームの幅
を調整することができ、また、単一開口が設けられた場
合よりもビーム電流密度及びエネルギーをより大きく変
動させることができる。
【0010】複数の出口開口の各々は、イオン源によっ
て出力される全イオンビームの一部を出力する。取り巻
き開口間に配置された複数の開口によって出力されるビ
ーム部分は、他の取り巻き開口によって出力されたビー
ム部分と重なり合う。
【0011】しかしながら、多数の開口を有するリボン
ビームイオン源において、米国特許第4,447,73
2号または特開平8−209341号に示されたような
磁気フィルタを用いると、好ましくないイオンビーム電
流特性を生じる。特に、長手方向に伸びた(柱状の)磁
石をイオン源の細長い出口開口に対して直交させて配置
すると、リボンビームの長さ方向に沿って不均一なビー
ム電流を生じる。
【0012】これらの電流の不均一性は、磁石が配置さ
れた最も近くの開口から出力された、増加電流によるも
のである。多数の開口とこれらの開口に対知る磁石の直
交配置により、各開口に対するこれらの効果が累積し、
リボンビームの長さ方向に沿って全ビーム電流における
重大な変動が生じる。この電流の不均一性は、加工物の
イオン注入における不均一性をもたらすことになる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、リボンビームの全長に沿って均一な電流密度を
与えるようにした、イオン源およびそのための磁気フィ
ルタを提供することである。
【0014】さらなる本発明の目的は、公知のイオン源
用の磁気フィルタに特有の好ましくないビーム電流特性
により損害を被ることのないイオン源用の磁気フィルタ
を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は各請求項に記載の構成を有する。本発明
は、イオン源のための磁気フィルタを提供する。また、
本発明のイオン源は、イオン源材料をイオン化すること
により、イオンを含むプラズマが発生するプラズマ閉込
め室を形成するハウジングを含んでいる。このハウジン
グは、複数の細長い開口を形成する平坦状の壁を有し、
これらの開口を通してイオンビームが前記プラズマから
引き出される。複数の細長い開口は、前記壁内を通る第
1軸線に対して互いに平行に向き、第1軸線が前記壁内
を通る第2軸線に対して直交している。
【0016】磁気フィルタは、プラズマ閉込め室内に配
置され、プラズマ閉込め室を第1領域と第2領域に分離
する。この磁気フィルタは、第2軸線から角度θだけ傾
斜して平坦状の壁に対してほぼ平行な平面上にある、複
数の平行で細長い磁石を含んでいる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は、本発明のイオン源の磁気フィル
タを包含するイオン注入装置10を示す。図示したイオ
ン注入装置10は、フラットディスプレイパネルP等の
大面積の基板に注入するために用いられる。
【0018】注入装置10は、一対のパネルカセット1
2,14、ロードロック組立体16、ロードロック組立
体とパネルカセット間でパネルを移送するロボットまた
はエンドエフェクタ18、プロセス室22を与えるプロ
セス室ハウジング20、およびイオン源26を与えるイ
オン源ハウジング24とを含んでいる(図2ないし図8
参照)。
【0019】パネルは、プロセス室22内でイオン源か
ら出てプロセスハウジング20内の開口28を通過する
イオンビームによって順次直列に処理される。絶縁性ブ
ッシュ30は、プロセス室ハウジング20とイオン源ハ
ウジング24とを互いに電気的に絶縁する。
【0020】パネルPは、以下のように、注入装置10
によって処理される。エンドエフェクタ18はカセット
から処理すべきパネルを180°回転させて取り除く。
そして、取り除かれたパネルをロードロック組立体16
内の所定位置に移動する。ロードロック組立体16は、
複数のパネルを複数の位置に載置することができる。プ
ロセス室22には、エンドエフェクタ18と同様の構造
であるピックアーム32を含む移送アセンブリが設けら
れている。
【0021】ピックアーム32は、同じ位置からパネル
を取り除くので、ロードロック組立体は、ピックアーム
に関して複数の蓄積位置のいずれかに包含された、選択
パネルを位置付けるために垂直方向に移動可能である。
この目的のために、モータ34は、リードスクリュー3
6を駆動してロードロック組立体を垂直方向に移動す
る。ロードロック組立体には、リニア軸受38が設けら
れ、固定の円筒軸40に沿ってスライドし、プロセス室
ハウジング20に対してロードロック組立体16を適切
な位置に位置決める。
【0022】破線42は、ピックアーム32がロードロ
ック組立体において最も低い位置からパネルを移動する
とき、ロードロック組立体16があると想像される最上
の垂直位置を示している。スライド用の真空シール装置
(図示略)がロードロック組立体16とプロセス室ハウ
ジング20の間に設けられ、ロードロック組立体16の
垂直移動の間、両装置内の真空状態を維持する。
【0023】ピックアーム32は、水平位置P1(即
ち、パネルがカセット12内にあるとき、及びパネルが
エンドエフェクタ18によって取り扱われるときと同一
の相対位置)において、パネルPをロードロック組立体
16から移動する。このとき、ピックアーム32は、図
1の破線によって示すように、矢印44の方向にパネル
を水平位置P1から垂直位置P2に向けて移動する。転
換アセンブリは、図1において、左から右に向けてイオ
ン源によって発生しさらに開口28から放出されるイオ
ンビームの通路を横切って、垂直方向に位置決めされた
パネルを走査方向に移動する。
【0024】イオン源はリボンビームを出力する。ここ
で用いられる「リボンビーム」とは、ここでは、長手方
向軸線に沿って伸びる長さ寸法と、この長手方向軸線に
直交する軸線に沿って伸び、長さよりもかなり小さい寸
法の幅を有する細長いイオンビームを意味する。またこ
こで用いられる「直交する」とは、ほぼ垂直を意味す
る。
【0025】リボンビームは、大きな表面積の加工物を
イオン注入するのに効果的であることが知られており、
その理由は、リボンビームは、このリボンビームが少な
くとも1方向の寸法を越える長さを有している限り、加
工物の全表面積をイオン注入するのに単一の一方向通路
にだけビームが通過すればよいからである。
【0026】図1の装置において、リボンビームは、処
理される平坦状のパネルの最も短い寸法を越える長さを
有する。このようなリボンビームを図1のイオン注入装
置に使用すると、いくつかの利点が与えられ、さらに、
単一走査によって完全な注入を得ることができる。
【0027】例えば、このリボンビームイオン源によっ
て、同一システム内で同一のイオン源を使用して異なる
大きさのパネルサイズを処理することができ、また、選
択されたイオンビーム電流に応じてパネルの走査速度を
制御することにより均一な注入量を得ることができる。
【0028】図2ないし図8は、このイオン源26を詳
細に示す。図2は、図1のイオン源ハウジング24内に
設けられたイオン源26の斜視図である。図2に示すよ
うに、イオン源26は、一般的並列配置された形式で、
前壁50、後壁52、頂壁54、底壁56、及び側壁5
8,60を各々有している。図2に示す斜視図では、後
壁52、底壁56、及び側壁60は隠れている。これら
の壁は図2に見える外側表面と図2からは見ることがで
きない内側表面を有し、共にプラズマ閉込め室76(図
4参照)を形成する。イオン源26の後壁52、頂壁5
4、底壁56、及び側壁60は、前壁50と全く同様
に、アルミニウムまたは他の適当な材料により作ること
ができる。
【0029】複数の細長い開口64は、イオン源26の
前壁50に設けられている。図示の例では、このような
3つの開口64a〜64cが示され、互いに平行に向い
ている。各開口は、イオン源によって出力される全イオ
ンビームの一部を出力する。取り巻き開口(即ち、中間
開口)間に配置された複数の開口によって出力されるビ
ーム部分は、他の取り巻き開口(即ち、外側開口)によ
って出力されるビーム部分と重なり合う。したがって、
イオン源によって出力されるイオンビームの幅は、開口
の数と形状を選択することによって調整できる。
【0030】細長い開口64の各々は、高い縦横比を有
する。即ち、長手方向軸線66に沿う開口またはスロッ
トの長さ寸法は、直交軸線68(軸線66に対して垂直
な)に沿う開口の幅寸法をはるかに越えている。軸線6
6,68は、前壁50と同一平面にあり、それゆえ、細
長い開口64とも同一平面である。一般的に、開口の長
さ(軸線66に沿う)寸法は、少なくとも開口の幅(軸
線68に沿う)寸法の少なくとも50倍である。このよ
うに大きな縦横比(例えば、50:1を越える)は、リ
ボン状のイオンビームを形成し、このビームは、大きな
面積の加工物をイオン注入するために特に適している。
【0031】図3は、イオン源26の前壁50の別の実
施形態を示し、細長い開口64の各々は、直線状に配置
された複数の小さな円形開口70を有している。このイ
オン源には、細長い棒磁石72,74が設けられ、これ
らの磁石は、それぞれ外側54,58に隣接して配置さ
れている。棒磁石72は、長手方向軸線66にほぼ平行
にかつ直交軸線68にほぼ垂直に伸びている。棒磁石7
4は、直交軸線68にほぼ平行にかつ長手方向軸線66
に垂直に伸びている。
【0032】図2には示されていないが、同一形状の棒
磁石72は、背面の壁52と底面の壁56に配置され、
頂面の壁54にある棒磁石に平行に伸びている。また、
図2には示されていないが、同一形状の棒磁石74は、
側面の壁60に配置され、側面の壁58にある棒磁石に
平行に伸びている。これらの磁石は、以下でより詳細に
説明するために、図4ないし図8に示されている。
【0033】図4に示すように、イオン源の各壁は、以
下の方法でプラズマが発生する室76を形成する。従来
公知のように、イオン源ガスが、入口(図示略)を通り
かつ一対のコイル形状をしたフィラメントまたはエキサ
イター(exciters)78によってイオン化されて室76内
に導かれる。このエキサイター78は、電気リード線8
0を介して電気的に励磁されるもので、タングステンフ
ィラメントからなり、適当な温度に加熱して電子の熱イ
オン放出を行う。
【0034】無線周波帯(RF)のエキサイター、例え
ば、RFアンテナを用いて、イオン化した電子を発生す
ることができる。電子は、プラズマ室内でプラズマを形
成するために、イオン源ガスと相互に反応してイオン化
する。
【0035】プラズマは、プラズマ室76内に形成さ
れ、細長いスロット64の長手方向軸線66に平行に向
いている棒磁石72によって室の中央に集中する。図5
A及び図5Bに示すように、棒磁石72は、各磁石のN
極とS極が端部と端部にあるのではなくて磁石の長さ方
向に沿って分極化されるように配置されている。その結
果、磁力線82は、隣接する磁石72のN極からS極に
走り、プラズマ室76の中心に向けてプラズマを集中さ
せるマルチ−カスプ(muti cusp) 形の磁場を形成する。
【0036】プラズマ室の外側に配置された引出し電極
(図示略)は、従来公知のように、細長い開口64を通
してプラズマを引き出す。この引出されたプラズマは、
ターゲットパネルに向かって条件付けされかつ指向され
ているイオンビーム84を形成する。上述したように、
取り巻き開口間に配置された開口から出力するビーム部
分は、その他の取り巻き開口によって出力されるビーム
部分と重なり合い、全体のビーム出力を形成する。
【0037】プラズマ室76内でイオン化されるイオン
源ガスは、例えば、水素で希釈することができるホスフ
ィン(PH3 )である。この結果、生じるホスフィンの
プラズマは、PHn+イオン及びP+ イオンを含む。この
PHn+イオン及びP+ イオンに加えて、プラズマ室76
内で起こるイオン化プロセスは、水素(Hn+)イオンと
高エネルギーの電子を発生する。この水素イオンはパネ
ルに対して不要な加熱及びそれに伴うパネルの損傷を生
じさせるので、ターゲットパネルへのイオン注入に対し
て時々好ましくないものとなる。
【0038】プラズマ室76は、磁気フィルタ90によ
って分離された第1領域86とフィルタを介した第2領
域とに分割される。図6に示すように、磁気フィルタ9
0は、複数の棒磁石90a〜90nを含んでいる。この
磁気フィルタ90は、(a) 第1領域86におけるプラズ
マの閉じ込めが高いプラズマ密度となるように改善し、
(b) 第1領域から第2領域へ高エネルギーの電子が移動
するのを防止して、第2領域においてより低い電子エネ
ルギー(さらに、温度)となるようにする。
【0039】これら2つの効果は、それぞれの領域にお
けるPHn+イオンとHn+イオンの相対的比率に影響を与
え、プラズマ閉込め室の第2領域におけるPHn+イオン
とP + イオンの割合を増加させる。
【0040】図8に示すように、複数の磁石90は、磁
石72と同様の向きに磁化されている。即ち、これらの
磁石90は、(端部と端部が磁化されるのではなく)磁
石の長さ方向に沿って各磁石のN極とS極が並ぶように
磁化されている。これらの磁石は、互いに磁極が対向す
るように同一方向に磁化されている。このように、図7
で示すように、磁力線92は、隣接配置された磁石の対
向磁極間に伸びている。
【0041】この磁力線は、マルチ−カスプ形の磁場を
形成し、プラズマをプラズマ室内で第1,第2領域に分
離するのに役立つ。こうして、磁石90は、高エネルギ
ーの電子が室76の第1領域86から第2領域88へ通
過するのを妨げるフィルタとして機能する。こうして、
イオンビームが、第2領域88から引き出される。
【0042】図8において、磁石90は、水等の適当な
冷却流体96で満たされた細長いチューブ94内に配置
されている。図6及び図7に示すように、磁石90は、
室76内に配置されており、その結果、磁石は、互いに
平行に置かれ、かつ軸線68に対して角度θだけ傾斜し
ている。平行に隣接する磁石90は、軸線66に対して
平行に距離Lだけ離れている。平行に隣接した複数の細
長い開口64は、(図6及び図9に見られるように)距
離Dだけ離れている。これらの寸法の関係は、図9及び
図10に関して以下で説明される。
【0043】図9及び図10に示すように、細長い開口
64a〜64cの各々は、電流部分(Ia 〜Ic のそれ
ぞれ)を出力し、これらは結合して、軸線66に沿うイ
オンビーム84の全電流曲線(Itotal =Ia +Ib +
Ic )を形成する。リボンビームを形成するイオン注入
装置において、軸66に沿うビーム電流曲線は、走査方
向に対して直交する方向における加工物のイオン注入量
を直接決定するのに重要である。
【0044】複数の棒磁石90a〜90nで構成される
磁気フィルタから生じる磁界は、個々の細長い開口から
引き出されたイオン電流に変動を与える。図9におい
て、リボンビームの磁石配列により、棒磁石90a〜9
0nが細長いスロット64a〜64cに対して直交する
ように向けられ、Ia 〜Ic の個々の電流出力曲線は、
軸線66に沿って同一の向きにある。これらの各曲線
は、棒磁石90a〜90nの軸線に相当し、これらの磁
石によって作り出される磁界に基づいた軸線66に沿う
位置での電流出力変動値を有する。
【0045】全イオンビーム電流Itotal は個々の電流
Ia 〜Ic の累積値であるので、これらの個々の変動値
が付加されて、長手方向軸線66に沿う非均一電流密度
のイオンビームが発生する。
【0046】しかし、図10において、各磁石は、軸線
68,66に対して角度θだけ傾斜し、前壁50に対し
て平行なプラズマ室76内の平面上に配置されている。
角度θは、軸線66または軸線68のいずれかから測定
される鋭角である。図9において、個々の電流曲線は、
棒磁石90a〜90nの軸線に相当し、これらの磁石に
よって作り出される磁界に基づいた軸線66に沿う位置
での電流変動値を維持する。しかし、これらの磁石は、
軸線68に対して角度θだけ傾斜しているので、複数の
棒磁石90a〜90nで構成される磁気フィルタから生
じる磁界は、図9と比較して、個々の電流出力曲線Ia
〜Ic を長手方向軸線66に沿って距離L/3だけシフ
トする。
【0047】その結果、このシフトした波形Ia 〜Ic
の累積値である全イオンビーム電流Itotal は、長手方
向軸線66に沿ってより均一な密度となる(即ち、個々
の電流出力曲線のピーク値は、他の2つの電流出力曲線
の最低値に包含されることになる)。
【0048】最適な電流密度の均一性のために、それぞ
れの変数、N(細長い開口64の数)、D(隣接開口6
4間の距離)、L(軸線66に平行に測定した隣接する
棒磁石90間の距離)、及び角度θ(軸線68から測定
した)が次式を満足するように選択される。
【0049】L/D = N ×(tanθ) ここに開示された実施形態では、L/Dは、N=3、θ
=25°のとき(tanθ=.466)、概算で1.4
である。しかし、この式は、例示的な目的のために示さ
れたものであり、本発明の実施において、これらの変数
に対する他の値に置き換えることができる。特に重要な
ことは、棒磁石90a〜90nが軸線66,68に対し
て傾斜または横断しており、これらの軸線のいずれかに
対して直交していないことである。
【0050】以上、本発明における改良されたイオン源
用の磁気フィルタの好ましい実施形態について記載して
きた。しかし、上述したこれらの記載は、単に例示のた
めになされたものであり、本発明は、ここに記載した実
施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び修正
を含み、添付された特許請求の範囲またはその技術的思
想から逸脱しない上述の記載を含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理に従って構成されたイオン源を含
むイオン注入装置の斜視図である。
【図2】本発明の原理に従って構成されたイオン源を含
む斜視図である。
【図3】図2のイオン源の前壁の別の開口配置を示す他
の実施例の斜視図である。
【図4】図2の線3−3に沿って見た、図2のイオン源
の側部横断面である。
【図5】5Aおよび5Bは、図4に示したイオン源の外
部磁石の拡大図である。
【図6】図2の線4−4に沿って見た、図2のイオン源
の側部断面図である。
【図7】図2の線5−5に沿って見た、図2のイオン源
の端部断面図である。
【図8】図7に示したイオン源の内部磁石の拡大図であ
る。
【図9】リボンビーム用のイオン源の磁石構造によって
与えられるイオン源出力ビーム電流の代表値を示すグラ
フ図である。
【図10】本発明のイオン源の磁石構造によって与えら
れるイオン源出力ビーム電流の代表値を示すグラフ図で
ある。
【符号の説明】
10 イオン注入装置 16 ロードロック組立体 20 プロセス室ハウジング 22 プロセス室 24 イオン源ハウジング 26 イオン源 50 前壁 64 開口 66,68 軸線 72 棒磁石 76 プラズマ室 90 磁石(磁気フィルタ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 390033020 Eaton Center,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A.

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ閉込め室(76)を形成するハウジン
    グを有するイオン源(26)用の磁気フィルタ(90)であっ
    て、 前記プラズマ閉込め室(76)において、イオンを含むプラ
    ズマがイオン源材料をイオン化することにより発生し、
    前記ハウジングは、複数の細長い開口(64)を形成する平
    坦状の壁(50)を有し、前記開口を通してイオンビーム(8
    4)が前記プラズマから引き出され、前記複数の開口は、
    前記壁内を通る第1軸線(66)に対して互いに平行に向
    き、前記第1軸線は、前記壁内を通る第2軸線(68)に対
    して直交しており、 前記プラズマ閉込め室(76)を第1領域(86)と第2領域(8
    8)に分離するために、前記プラズマ閉込め室(76)内に配
    置され、前記第2軸線(68)から角度θだけ傾斜して前記
    壁(50)に対してほぼ平行な平面上にある、少なくとも1
    つの細長い磁石(90a) を含んでいることを特徴とする磁
    気フィルタ。
  2. 【請求項2】前記磁石(90a) は、前記平行な平面内に互
    いに平行に整列した複数の細長い磁石(90a−90n)からな
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気フィルタ。
  3. 【請求項3】前記細長い磁石(90a−90n)は、冷却流体(9
    6)が満たされる細長いチューブ(94)内に配置されている
    ことを特徴とする請求項2記載の磁気フィルタ。
  4. 【請求項4】冷却流体(96)は、水であることを特徴とす
    る請求項3記載の磁気フィルタ。
  5. 【請求項5】複数の細長い開口(64)はN個の開口であ
    り、それぞれの開口は隣接する開口と距離Dだけ互いに
    離れ、また、前記細長い磁石(90a−90n)に隣接する各磁
    石は、それぞれ、前記第1軸線(66)に対して平行に間隔
    Lだけ離れて配置され、前記角度θが、 L/D =N×(tanθ) の式で定義されることを特徴とする請求項2記載の磁気
    フィルタ。
  6. 【請求項6】N=3,θ=25°のとき、L/Dは、概
    算1.4であることを特徴とする請求項5記載の磁気フ
    ィルタ。
  7. 【請求項7】複数の細長い開口(64)は、直線状に配置さ
    れた複数の小さな円形開口からなることを特徴とする請
    求項1記載の磁気フィルタ。
  8. 【請求項8】イオン源材料をイオン化することにより、
    イオンを含むプラズマが発生するプラズマ閉込め室(76)
    を形成するハウジングであって、複数の細長い開口(64)
    を形成する平坦状の壁(50)を有し、これらの開口を通し
    てイオンビーム(84)が前記プラズマから引き出され、前
    記各開口が前記壁内を通る第1軸線(66)に対して互いに
    平行に向き、前記第1軸線が前記壁内を通る第2軸線(6
    8)に対して直交するように構成されたハウジングと、 前記プラズマ閉込め室(76)を第1領域(86)と第2領域(8
    8)に分離するために、前記プラズマ閉込め室(76)内に配
    置され、前記第2軸線(68)から角度θだけ傾斜して前記
    壁(50)に対してほぼ平行な平面上にある、少なくとも1
    つの細長い磁石(90a) とを含んでいることを特徴とする
    イオン源。
  9. 【請求項9】前記磁石(90a) は、前記平行な平面内に互
    いに平行に整列した複数の細長い磁石(90a−90n)からな
    ることを特徴とする請求項8記載のイオン源。
  10. 【請求項10】前記細長い磁石(90a−90n)は、冷却流体
    (96)が満たされる細長いチューブ(94)内に配置されてい
    ることを特徴とする請求項9記載のイオン源。
  11. 【請求項11】複数の細長い開口(64)はN個の開口であ
    り、それぞれの開口と隣接開口とは距離Dだけ互いに離
    れ、また、前記細長い磁石(90a−90n)に隣接する各磁石
    は、それぞれ、前記第1軸線(66)に対して平行に間隔L
    だけ離れて配置され、前記角度θが、 L/D =N×(tanθ) の式で定義されることを特徴とする請求項9記載のイオ
    ン源。
  12. 【請求項12】N=3,θ=25°のとき、L/Dは、
    概算1.4であることを特徴とする請求項11記載のイ
    オン源。
  13. 【請求項13】前記プラズマ閉込め室(76)は、グラファ
    イトで覆われた内面を有することを特徴とする請求項9
    記載のイオン源。
  14. 【請求項14】イオン源のハウジング内でイオン化され
    るイオン源材料は、水素(H)で希釈されたホスフィン
    (PH3 )ガスであり、プラズマは、PHn+イオン、P
    + イオン、及びH+ イオンを含み、磁気フィルタ(90)
    は、プラズマ閉込め室の第1領域(86)よりも第2領域(8
    8)におけるPHn+イオン及びP+ イオンの割合がより多
    くなるように形成されていることを特徴とする請求項9
    記載のイオン源。
  15. 【請求項15】前記プラズマ閉込め室(76)は、複数の細
    長い棒磁石(72)を備え、該磁石は、プラズマが前記閉込
    め室内の中心に集中するように、前記閉込め室の外側表
    面に隣接配置されていることを特徴とする請求項9記載
    のイオン源。
  16. 【請求項16】イオン源は、リボン状のイオンビームを
    出力することを特徴とする請求項9記載のイオン源。
  17. 【請求項17】イオン源によって出力されるイオンビー
    ム出力の幅は、開口の数と幅寸法を選択することによっ
    て調整可能であることを特徴とする請求項16記載のイ
    オン源。
  18. 【請求項18】複数の細長い開口(64)は、それぞれ少な
    くとも50:1の縦横比を有することを特徴とする請求
    項17記載のイオン源。
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