JPH11286635A - 粉体塗料の調色方法と、それを実施するための調色システム - Google Patents

粉体塗料の調色方法と、それを実施するための調色システム

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JPH11286635A
JPH11286635A JP10088465A JP8846598A JPH11286635A JP H11286635 A JPH11286635 A JP H11286635A JP 10088465 A JP10088465 A JP 10088465A JP 8846598 A JP8846598 A JP 8846598A JP H11286635 A JPH11286635 A JP H11286635A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 調色作業時の作業者に影響する内的、外的な
要因によって調色結果にばらつきを生じない粉体塗料の
調色方法と、その実施のための調色システムとを提供す
る。 【解決手段】 調色方法は、目標色の測色データと、調
色に使用する複数色の粉体塗料の基礎データとから演算
して、各色の粉体塗料の配合比を算出し、計量して調色
する。システムは、測色装置1で測色した目標色のデー
タと基礎データとから、演算装置2で、各色の粉体塗料
の配合比を算出し、計量装置3で計量して、混合装置4
でドライブレンドして調色する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数色の粉体塗料
を配合して調色する調色方法と、それを実施するための
調色システムとに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、溶剤を用いずに空気を媒体として
塗装するため安全性が高く、かつ環境に及ぼす影響の少
ない粉体塗料が、家庭電化製品などの分野で普及しつつ
ある。粉体塗料は一般に、粉体のもとになる結着樹脂中
に、着色剤やその他の添加剤などを配合し、溶融混練し
たのち粉砕、分級して製造される。
【0003】そして、たとえば摩擦やコロナ放電などに
よって一定の極性に帯電させた粉体塗料を、接地させた
被塗物の表面に静電付着させたのち加熱溶融させたり、
あるいは気流中に浮遊、流動させた粉体塗料中に、予熱
された被塗物を挿入して、当該被塗物の表面に、上記予
熱を利用して粉体塗料を溶融、流展させたりすること
で、被塗物の表面に連続した塗膜が形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが粉体塗料は、
上に述べた家庭電化製品のような、同じ色の塗料を大量
に消費するいわゆる大ロットの塗装分野では広く普及し
つつあるものの、多色の塗料が少量ずつ必要な小ロット
の塗装分野や、あるいは調色後に色目の微妙な調整が要
求される塗装分野などではその普及率が低く、従来の溶
剤系の塗料に及ばないのが現状である。
【0005】この原因の一つとして、従来の粉体塗料の
製造方法が小ロットの生産に適さず、また従来の溶剤系
の塗料のように色目を簡単に調整できないことがあげら
れる。すなわち従来の粉体塗料は、粉体のもとになる結
着樹脂中に、目的とする色目にあわせて調色された着色
剤を添加することによって、あらかじめ所定の色目に調
色された状態で製造される。
【0006】このため従来の粉体塗料は、同じ色目の塗
料が大量に必要な大ロットの塗装には適しているもの
の、所定の色目の塗料がごく少量、必要な小ロットの塗
装には、調色の、いわば小回りがきかないために適して
おらず、また色目を簡単に調整することもできないので
ある。そこでかかる問題を解決し、小ロットの塗装や色
目の微調整などに簡単に対応できるようにするために、
たとえばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー
(Y)の、いわゆる色の3原色などにあらかじめ調色さ
れた複数色の粉体塗料、とくに各色に着色された透光性
の粉体塗料を、目的とする色目にあわせて調合し、回転
翼式のミキサーなどの混合装置を用いてドライブレンド
して、各色の混色により、所定の色目を有する粉体塗料
を調色することが検討されている。
【0007】しかし、上記の調色方法を行うには、作業
者の知識と経験と勘に頼らざるをえないのが現状であ
り、作業者の熟練度や健康状態、心理状態などの内的要
因、あるいは調色する色の種類(たとえばごく薄い色な
ど)、作業時の環境条件(季節、天候、時刻、光線状態
その他)などの外的要因によって、調色結果にばらつき
が生じるおそれがあった。
【0008】本発明の目的は、調色作業時の作業者に影
響する内的あるいは外的な要因によって調色結果にばら
つきを生じるおそれのない、新規な粉体塗料の調色方法
と、それを実施するための調色システムとを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の粉体塗料の調色方法は、複数色の粉体塗料
を所定の比率で配合し、ドライブレンドして調色する方
法であって、 目標とする色を測色して作成した波長−反射率曲線
から、光の吸収係数Kと散乱係数Sとの比であるK/S
値を算出し、 ついでこのK/S値と、あらかじめ、使用する複数
色の粉体塗料について測色したn個の基礎データのK/
S値〔(K/S)1 〜(K/S)n 〕から算出した計算
反射率とを用いてアイソメリックマッチを行い、 ついでこのアイソメリックマッチの結果と、上記計
算反射率から算出した3刺激値とを用いてメタメリック
マッチを行って、各色の粉体塗料の配合比を算出したの
ち、 この算出結果をもとに、各色の粉体塗料を計量して
ドライブレンドすることを特徴とする。
【0010】また本発明の調色システムは、上記本発明
の調色方法を実施するためのものであって、(a) 目標と
する色を測色して波長−反射率曲線を作成する測色装置
と、(b) 上記波長−反射率曲線から、光の吸収係数Kと
散乱係数Sとの比であるK/S値を算出し、このK/S
値と、あらかじめ、使用する複数色の粉体塗料について
測色したn個の基礎データのK/S値〔(K/S)1
(K/S)n 〕から算出した計算反射率とを用いてアイ
ソメリックマッチを行い、ついでこのアイソメリックマ
ッチの結果と、上記計算反射率から算出した3刺激値と
を用いてメタメリックマッチを行って、各色の粉体塗料
の配合比を算出する演算装置と、(c) 複数色の粉体塗料
をドライブレンドする混合装置と、(d) 演算装置による
算出結果に基づいて所定量の粉体塗料を計量して混合装
置に供給する計量装置とを備えることを特徴とする。
【0011】かかる本発明によれば、目標とする色の測
色データと、調色に使用する複数色の粉体塗料の基礎デ
ータとから、一定の計算式に則った演算を行って、各色
の粉体塗料の配合比を算出して、それをもとに、各色の
粉体塗料を計量して調色するので、調色作業時の作業者
に対する内的あるいは外的な要因の、調色結果への影響
を一切、排除することができる。このため本発明によれ
ば、常に一定の調色結果を得ることができ、粉体塗料
を、常に正確に調色することが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を説明する。本発
明の調色方法を実施するための調色システムは、たとえ
ば図3に示すように、目標とする色を測色して波長−反
射率曲線を作成する測色装置1と、かかる測色装置1で
作成された波長−反射率曲線のデータから、光の吸収係
数Kと散乱係数Sとの比であるK/S値を算出し、この
K/S値と、あらかじめ、使用する複数色の粉体塗料に
ついて測色したn個の基礎データのK/S値〔(K/
S)1〜(K/S)n 〕から算出した計算反射率とを用
いてアイソメリックマッチを行い、ついでこのアイソメ
リックマッチの結果と、上記計算反射率から算出した3
刺激値とを用いてメタメリックマッチを行って、各色の
粉体塗料の配合比を算出する演算装置2と、上記演算装
置2による算出結果に基づいて所定量の粉体塗料を計量
して混合装置4に供給する計量装置3と、供給された複
数色の粉体塗料をドライブレンドする混合装置4とを備
えている。
【0013】なお図において符号5は、たとえば上述し
た、使用する複数色の粉体塗料の基礎データから算出し
た計算反射率などを記録しておくための記憶装置であ
る。上記のシステムにおいて使用される測色装置1とし
ては、たとえば色彩色差計などがあげられ、演算装置2
および記憶装置5としては、たとえばパーソナルコンピ
ュータとその内部または外部の記憶装置などがあげられ
る。また混合装置4としては、たとえば回転翼式のミキ
サーなどがあげられる。
【0014】かかるシステムを用いた本発明の調色方法
においては、図1に示すように、まず調色する目標とす
る色の色見本などを、測色装置1を用いて測色して、波
長−反射率曲線を作成する〔ステップS1〜S2〕。つ
ぎにこの波長−反射率曲線のデータを演算装置2に入力
して、当該演算装置2での演算により、まずクベルカ−
ムンク(Kubelka−Munk)の法則に基づい
て、一定間隔ごと(たとえば20nmごと)の波長にお
ける、光の吸収係数Kと散乱係数Sとの比である、目標
色のK/S値を算出し〔ステップS3〕、つぎに、この
K/S値と、図2に示すようにあらかじめ、使用する複
数色の粉体塗料の個々について、たとえばその色濃度を
変化させるなどして測色装置1で測色した複数の基礎デ
ータ1〜nのK/S値〔(K/S)1 〜(K/S)n
から算出して記憶装置5に記録しておいた計算反射率
(かかるK/S値や計算反射率も演算装置2を用いて算
出すればよい)とを用いてアイソメリックマッチを行っ
て、分光反射率曲線を一致させ〔ステップS4〕、さら
に上記アイソメリックマッチの結果と、上記計算反射率
から算出した3刺激値とを用いてメタメリックマッチを
行って3刺激値を一致させることで、各色の粉体塗料の
配合比を算出する〔ステップS5〕。
【0015】つぎにこの算出結果をもとに、各色の粉体
塗料を、計量装置3を用いて計量し〔ステップS6〕、
混合装置4に供給してドライブレンドする〔ステップS
7〕。そしてつぎに、ドライブレンドした粉体塗料を、
実際の塗装と同条件で試験塗装した後〔ステップS
8〕、前記測色装置1を用いて測色し、その測色データ
を再び演算装置2に入力して、当該演算装置2によっ
て、最初に測色した目標色の測色データと比較して、色
目のずれの有無を判定する〔ステップS9〕。
【0016】もしこの判定において色目にずれが見られ
た場合には、上記両測色データをもとに、演算装置2に
おいて、各色の粉体塗料の配合比を補正計算し〔ステッ
プS10〕、その結果に基づいて再びステップS6〜S
9を繰り返す。そしてステップS9の判定において、塗
膜と目標色との色目のずれがなくなった時点で、粉体塗
料の調色が完了する。
【0017】なお上記ステップS9における色目のずれ
の有無の判定基準としては、たとえば目標色の測色デー
タと、塗膜の測色データとの色差ΔΕ* などが採用され
る。具体的にはたとえば、目標色の測色データと、塗膜
の測色データとの色差ΔΕ*が、あらかじめ設定された
しきい値以下のものを色目のずれなし、しきい値を超え
るものを色目のずれありと判定するように、演算装置2
をプログラムすればよい。上記しきい値としては、これ
に限定されないが、ΔΕ* =0.8程度が好ましい。
【0018】また、上記の調色方法のうちステップS7
のドライブレンドの工程においてドライブレンドが不十
分である場合には、各色ごとの粉体塗料の凝集物が十分
に解砕されないために、かかる凝集物によって、またド
ライブレンドが過剰である場合には、かえって粉体塗料
の凝集が発生するために、このいずれの場合において
も、塗膜の粒状性が目に見える程度に大きくなって、色
の偏析、まだら感、濃淡などの不良が発生するおそれが
ある。
【0019】それゆえドライブレンドの最適時間を設定
する必要があり、その設定基準としても、上述した色差
ΔΕ* が好適に採用される。すなわち、(i) 調色に使用
する粉体塗料のサンプルを、調色に先立ってあらかじ
め、混合装置4を用いてドライブレンドしつつ、その途
中のサンプルの、粉体状態での色相を、測色装置1を用
いて一定時間ごとに測色して、最新の測色値とその前回
の測色値との色差ΔΕ* がしきい値以下(好ましくは
0.8以下)となるのに要したドライブレンドの時間を
測定しておき、そのデータをもとに、実際の粉体塗料
の、ドライブレンドの時間を設定するか、あるいは(ii)
混合装置4を用いてドライブレンド途中の、実際の粉体
塗料を一定時間ごとにサンプリングして、粉体状態での
色相を、測色装置1を用いて測色して、最新の測色値と
その前回の測色値との色差ΔΕ* がしきい値以下(好ま
しくは0.8以下)となった時点でドライブレンドを終
了することにより、色の偏析、まだら感、濃淡などの不
良が発生するおそれのない、良好にドライブレンドされ
た粉体塗料を製造することができる。
【0020】以上で説明した本発明の調色方法は、たと
えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の
3色や、とくにオレンジ系の色を再現するために、マゼ
ンタ(M)に代えてレッド(R)を加えたシアン
(C)、レッド(R)、イエロー(Y)の3色、あるい
はかかる3色にさらに無色透明(クリア、T)を加え
た、C、M、Y、TまたはC、R、Y、Tの4色、ある
いはかかる4色にさらに、色の階調をより一層、細かく
再現し、かつ塗膜における粒状感をなくするために、ラ
イトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)の2
色、またはライトシアン(LC)およびライトレッド
(LR)の2色を加えた、C、LC、M、LM、Y、T
またはC、LC、R、LR、Y、Tの6色などにあらか
じめ調色された複数色の、透光性の粉体塗料を用いる粉
体塗装方法を実施する際の調色に、とくに好適に採用さ
れる。
【0021】本発明の調色方法に使用される、上記複数
色の粉体塗料を構成する各成分としては、これに限定さ
れないがたとえば下記の材料があげられる。 (結着樹脂)結着樹脂としては、粉体塗料に用いられる
従来公知の種々の樹脂の中から、粉体塗料に透光性を付
与すべく、透光性にすぐれ、かつ被塗物への塗着時ある
いは塗着後の加熱によって溶融して連続した塗膜を形成
しうる種々の樹脂が、いずれも使用可能である。
【0022】かかる結着樹脂としては、これに限定され
ないがたとえば、ポリスチレン、クロロポリスチレン、
ポリ−α−メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン
共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、
スチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸
共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ス
チレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重
合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレ
ン−アクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−メ
タクリル酸エステル共重合体(スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸フェニル共重合体など)、スチレン−α
−クロルアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリ
ロニトリル−アクリル酸エステル共重合体などのスチレ
ン系樹脂(スチレンまたはスチレン置換体を含む単独重
合体または共重合体)、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチ
ルなどのアクリル系樹脂〔(メタ)アクリル酸およびそ
のエステルを主体とする単独重合体または共重合体〕、
ポリ塩化ビニル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポ
リビニルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂など
があげられ、これらが単独で、または2種以上混合して
用いられる。
【0023】上記のなかでもとくに好適な結着樹脂とし
ては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およびポリエス
テル樹脂があげられ、このうちでもとくに(i) 一般式
(1) :
【0024】
【化1】
【0025】〔式中、R1 およびR2 は同一または異な
る低級アルキレン基を示す。xおよびyは同一または異
なって0または1以上の整数を表し、かつx+yは1〜
7である。〕で表されるジオール成分と、(ii) ジカル
ボン酸、その酸無水物または低級アルキルエステルと、
(iii) 3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物もしく
は低級アルキルエステル、または3価以上の多価アルコ
ールとを共重縮合してなり、かつその酸価(AV)に対
する水酸基価(OHV)の割合OHV/AVの値が1.
2以上であるポリエステル樹脂が、好適な結着樹脂とし
てあげられる。
【0026】なお上記のポリエステル樹脂において、一
般式(1) 中のR1 およびR2 に相当する低級アルキレン
基としては、たとえばメチレン、エチレン、トリメチレ
ン、プロピレン、テトラメチレン、エチルエチレン、ペ
ンタメチレン、ヘキサメチレンなどの炭素数1〜6のア
ルキレン基があげられる。一般式(1) 中のx+yは、前
記のように1〜7であり、好ましくは3〜5である。x
+yが7を超えた場合には、ジオール成分の分子量が大
きくなりすぎて、塗膜の透光性が低下するといった問題
を生じる。
【0027】一般式(1) で表されるジオール成分として
は、たとえばポリオキシプロピレン(2.2)−2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキ
シプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)
−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
ポリオキシプロピレン(2)−ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パン、ポリオキシプロピレン(6.0)−2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどがあげられ
る。
【0028】ジカルボン酸としては、たとえばシュウ
酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸、グルタコン酸、
アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メ
サコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸
などがあげられる。これらのジカルボン酸は、酸無水物
や低級アルキルとのエステルであってもよい。低級アル
キルとしては、たとえばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、s−ブ
チル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどの
炭素数1〜6のアルキル基があげられる。
【0029】3価以上の多価カルボン酸、その酸無水物
もしくは低級アルキルエステル、および3価以上の多価
アルコールは、ポリエステル樹脂の酸価および水酸基価
を調整することと、ポリエステル樹脂を分岐状にするこ
とを目的として配合される。3価以上の多価カルボン
酸、その酸無水物もしくは低級アルキルエステルとして
は、たとえばトリメリト酸、2,5,7−ナフタレント
リカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3−ジカ
ルボキシル−2−メチル−2−メトキシカルボニルプロ
パン、テトラ(メトキシカルボニル)メタン、1,2,
7,8−オクタンテトラカルボン酸などがあげられる。
【0030】3価以上の多価アルコールとしては、たと
えばグリセリン、2−メチル−1,2,3−プロパント
リオール、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル
−1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタ
トリオール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリ
トール、トリペンタエリトリトール、ヘキシトール、ソ
ルビトール、1,4−ソルビタン、1,2,4−ベンゼ
ントリオールなどがあげられる。
【0031】ポリエステル樹脂は、上記の各成分を、た
とえば不活性ガス雰囲気下、180〜250℃の温度で
共重縮合して合成される。ポリエステル樹脂の酸価(A
V)に対する水酸基価(OHV)の割合OHV/AVの
値は1.2以上であり、好ましくは1.2〜50、より
好ましくは2〜40である。OHV/AVの値が1.2
未満では、樹脂の透光性が低下したり、樹脂の最低溶融
温度が高くなって、加熱溶融により連続した塗膜を形成
するのが容易でなくなったり、あるいは粉体塗料の流動
性が低下したりするといった問題を生じる。
【0032】なお酸価(AV)は、たとえばポリエステ
ル樹脂をベンゼン−エタノール混合溶媒に溶かし、水酸
化カリウムで滴定してその中和量から算出される。また
水酸基価(OHV)は、たとえばピリジン−無水酢酸混
合溶媒(3.1:1)を用いてポリエステル樹脂中の遊
離酸をアセチル化した後、樹脂に結合した酢酸を水酸化
カリウムで滴定して滴定してその中和量から算出され
る。
【0033】上記のポリエステル樹脂は単独で使用でき
る他、前述した従来公知の種々の樹脂をブレンドしても
よい。他の樹脂をブレンドする場合、その配合量は、上
記ポリエステル樹脂に対して1〜30重量%程度が好ま
しい。 (着色剤)シアン(C)系の着色剤としては、とくにフ
タロシアニン系顔料が好適に使用される。かかるフタロ
シアニン系顔料の具体例としては、たとえば一般式(2)
【0034】
【化2】
【0035】〔式中、X1 、X2 、X3 およびX4 は同
一または異なって水素原子、基(2a)または基(2b):
【0036】
【化3】
【0037】を示す。R3 およびR4 は炭素数1〜5の
アルキレン基である。〕で表される銅フタロシアニン系
顔料、たとえばカラーインデックスによる分類のうち
C.I.ピグメントブルー15(15:1〜15:4、
1 、X2 、X3 およびX4 がいずれも水素原子である
化合物)やその誘導体、あるいは式(3) :
【0038】
【化4】
【0039】で表される無金属フタロシアニン系顔料
(C.I.ピグメントブルー16)などがあげられる。
また、上記C.I.ピグメントブルー15の誘導体とし
ては、その部分塩素化物や、あるいは銅フタロシアニン
のスルホン酸のバリウム塩(C.I.ピグメントブルー
17)などがあげられる。また、上記以外の他のシアン
系の着色剤としては、たとえば紺青(プルシアンブル
ー)、コバルトブルーなどの無機顔料、C.I.ピグメ
ントブルー18、C.I.ピグメントブルー16などの
有機顔料、C.I.バットブルー6、C.I.ソルベン
トブルー70などの染料などがあげられる。
【0040】シアン系の着色剤の配合量は、シアン
(C)の粉体塗料の場合、鮮明な色味がられ、しかも粉
体塗料の透光性が低下しないことを考慮すると、結着樹
脂100重量部に対して1〜20重量部程度、とくに2
〜8重量部程度であるのが好ましい。またライトシアン
(LC)の粉体塗料の場合、前述した色の階調の向上や
粒状感をなくすることなどを考慮すると、組み合わせる
シアンの粉体塗料の色濃度などにもよるが、結着樹脂1
00重量部に対して0.1〜2.5重量部程度、とくに
0.5〜2.0重量部程度であるのが好ましい。
【0041】マゼンタ(M)系の着色剤としては、たと
えばキナクリドン系顔料が使用される。かかるキナクリ
ドン系顔料の具体例としては、たとえば一般式(4) :
【0042】
【化5】
【0043】〔式中、Q1 およびQ2 は同一または異な
って水素原子、アルキル基またはアルコキシ基を示す。
ただしQ1 、Q2 は同時に水素原子でない。〕で表され
るキナクリドン系顔料、たとえばC.I.ピグメントレ
ッド122〔Q 1 およびQ2 がともにメチル基である化
合物〕などがあげられる。また、上記以外の他のマゼン
タ系の着色剤としては、たとえばベンガラ、カドミウム
レッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、マンガン紫、赤口
黄鉛、モリブデンオレンジなどの無機顔料、C.I.ピ
グメントレッド3、C.I.ピグメントレッド38、
C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメン
トレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:
2、C.I.ピグメントレッド50、C.I.ピグメン
トレッド57、C.I.ピグメントレッド60、C.
I.ピグメントレッド81、C.I.ピグメントレッド
90、パーマネントレッドFNG、C.I.ピグメンバ
イオレット3、C.I.ピグメンバイオレット25、
C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオ
レンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16などの有
機顔料、スピロンレッド、インダンスレンブリリアント
オレンジRK、インダンスレンブリリアントオレンジG
Kなどの染料などがあげられる。
【0044】マゼンタ系の着色剤の配合量は、マゼンタ
(M)の粉体塗料の場合、鮮明な色味が得られ、しかも
粉体塗料の透光性が低下しないことを考慮すると、結着
樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度、とくに
2〜8重量部程度であるのが好ましい。またライトマゼ
ンタ(LM)の粉体塗料の場合、前述した色の階調の向
上や粒状感をなくすることなどを考慮すると、組み合わ
せるマゼンタの粉体塗料の色濃度などにもよるが、結着
樹脂100重量部に対して0.1〜2.5重量部程度、
とくに0.5〜2.0重量部程度であるのが好ましい。
【0045】イエロー(Y)系の着色剤としては、たと
えば縮合アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、あるいは
ベンズイミダゾロン系顔料などがあげられる。このうち
縮合アゾ系顔料としては、一般式(5) :
【0046】
【化6】
【0047】〔式中、R5 およびR6 は同一または異な
ってアルキル基またはハロゲン原子を示し、R7 および
8 は同一または異なって基(5a)または(5b):
【0048】
【化7】
【0049】を示す。〕で表される化合物、たとえば
C.I.ピグメントイエロー93〔R5 がメチル基、R
6 が塩素原子、R7 およびR8 がともに基(5a)である化
合物〕、C.I.ピグメントイエロー94〔R5 および
6 がともに塩素原子、R7 およびR8 がともに基(5b)
である化合物〕、およびC.I.ピグメントイエロー9
5〔R5 およびR6 がともにメチル基、R7 およびR8
がともに基(5b)である化合物〕などがあげられる。
【0050】またイソインドリン系顔料としては、たと
えば一般式(6) :
【0051】
【化8】
【0052】〔式中、Arは基(6a)または(6b):
【0053】
【化9】
【0054】を示す。〕で表される化合物、たとえば
C.I.ピグメントイエロー109〔Arが基(6a)であ
る化合物〕、C.I.ピグメントイエロー110〔Ar
が基(6b)である化合物〕などがあげられる。さらにベン
ズイミダゾロン系顔料としては、式(7) :
【0055】
【化10】
【0056】で表される化合物(C.I.ピグメントイ
エロー154)などがあげられる。また、上記以外の他
のイエロー系の着色剤としては、たとえば黄色酸化鉄、
黄土、黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、アンチモン
イエローなどの無機顔料、C.I.ピグメントイエロー
1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメン
トイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、
C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメント
イエロー17、C.I.ピグメントイエロー55、C.
I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエ
ロー73、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.
ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー
97、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグ
メントイエロー115、C.I.ピグメントイエロー1
30、C.I.ピグメントイエロー133、C.I.ピ
グメントイエロー138、C.I.ピグメントイエロー
169などの有機顔料、C.I.ソルベントイエロー1
6、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベ
ントイエロー56、C.I.ソルベントイエロー60、
C.I.ソルベントイエロー61、C.I.ソルベント
イエロー162、C.I.アシッドイエロー1、C.
I.アシッドイエロー23などの染料などがあげられ
る。
【0057】イエロー系の着色剤の配合量は、やはり鮮
明な色味が得られ、しかも粉体塗料の透光性が低下しな
いことを考慮すると、結着樹脂100重量部に対して1
〜20重量部程度、とくに1.5〜8重量部程度である
のが好ましい。レッド(R)系の着色剤としては、たと
えばナフトトール系顔料が使用される。かかるナフトト
ール系顔料の具体例としては、たとえば一般式(8) :
【0058】
【化11】
【0059】で表される化合物(C.I.ピグメントレ
ッド170)などがあげられる。また、上記以外の他の
レッド系の着色剤としては、たとえばC.I.ピグメン
トレッド5、C.I.ピグメントレッド146、C.
I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッ
ド178、C.I.ピグメントレッド202、C.I.
ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド2
51、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグ
メントレッド255、C.I.ピグメントレッド264
などの有機顔料などがあげられる。
【0060】レッド系の着色剤の配合量は、レッド
(R)の粉体塗料の場合、鮮明な色味が得られ、しかも
粉体塗料の透光性が低下しないことを考慮すると、結着
樹脂100重量部に対して1〜20重量部程度、とくに
2〜8重量部程度であるのが好ましい。またライトレッ
ド(LR)の粉体塗料の場合、前述した色の階調の向上
や粒状感をなくすることなどを考慮すると、組み合わせ
るレッドの粉体塗料の色濃度などにもよるが、結着樹脂
100重量部に対して0.1〜2.5重量部程度、とく
に0.5〜2.0重量部程度であるのが好ましい。
【0061】クリア(T)系の粉体塗料は、上記の着色
剤を添加せずに製造される。 (他の添加剤)粉体塗料には、上記の各成分に加えてさ
らに、電荷制御剤、硬化剤、平滑剤(流展剤)等の、従
来公知の種々の添加剤を配合してもよい。このうち電荷
制御剤は、粉体塗料を、たとえば前述した静電付着によ
る塗布法、たとえばスプレーガンを用いた静電塗着法
や、静電流動浸漬法などに使用する際に、その帯電量を
向上し、かつ温度や湿度などの環境条件の変化に関係な
く安定させるとともに、各色の粉体塗料ごとに帯電特性
を一致させて、各色の粉体塗料の配合比のばらつきによ
って、調色した粉体塗料の全体としての帯電特性に変動
が生じないようにするためのもので、粉体塗料の帯電極
性にあわせて正電荷制御剤と負電荷制御剤のうちのいず
れか一方が使用される。
【0062】上記のうち正電荷制御剤としては、たとえ
ばニグロシン系の電子供与性染料、ナフテン酸または高
級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アン
モニウム塩、アルキルアミド、キレート、顔料、ふっ素
処理活性剤などがあげられる。また負電荷制御用の電荷
制御剤としては、たとえば電子受容性の有機錯体、塩素
化パラフィン、塩素化ポリエステル、酸基過剰のポリエ
ステル、銅フタロシアニンのスルホニルアミン、芳香族
オキシカルボン酸、芳香族ダイカルボン酸などがあげら
れる。
【0063】ただし透光性の粉体塗料においては、その
色味にできるだけ影響を及ぼさないために、(a) それ自
体が無色または淡色で、かつ(b) 粉体塗料を白濁させな
いように結着樹脂との相溶性にすぐれるか、あるいは結
着樹脂と相溶はしないが分散性にすぐれた電荷制御剤が
好適に使用される。
【0064】かかる条件を満たす正電荷制御剤として
は、上記のうち第4級アンモニウム塩があげられ、負電
荷制御剤としては、芳香族オキシカルボン酸、芳香族ダ
イカルボン酸などがあげられる。上記のうち正電荷制御
剤である第4級アンモニウム塩としては種々の化合物が
あげられるが、とくに一般式(9) :
【0065】
【化12】
【0066】〔式中、Ra 、Rb 、Rc およびRd は、
同一または異なって低級アルキル基、長鎖アルキル基、
長鎖アルケニル基またはベンジル基を示し、A- はアニ
オンを示す。ただしRa 〜Rd は、少なくとも1個が長
鎖アルキル基または長鎖アルケニル基であり、2個が低
級アルキル基またはベンジル基である。〕で表される化
合物が好適に使用される。
【0067】上記一般式(9) においてRa 〜Rd に相当
する長鎖アルキル基としては、たとえば、オクチル基、
デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基、エイコシル基、ドコシル基、オレ
イル基、リノリル基、ヘキサデセシル基などがあげられ
る。また、長鎖アルケニル基としては、たとえば、上記
長鎖アルキル基の分子中に1または2以上の二重結合を
導入した基があげられる。
【0068】A- で表されるアニオンとしては、たとえ
ば、モリブデン酸、リンモリブデン酸、ケイモリブデン
酸、クロム・モリブデン酸、ブロム・モリブデン酸、タ
ングステン酸、リンタングステン酸、ケイタングステン
酸、クロム・タングステン酸、ブロム・タングステン
酸、リンタングステン・モリブデン酸、ケイタングステ
ン・モリブデン酸などのモリブデン原子やタングステン
原子を含有する無機酸から誘導されるアニオン、塩素イ
オン、臭素イオン、ヨウ素イオン、硝酸イオン、硫酸イ
オン、過塩素酸イオン、安息香酸イオン、テトラフェニ
ルホウ素イオン、ヘキサフルオロリンイオン、ナフトー
ルスルホン酸イオンなどがあげられる。
【0069】上記一般式(9) で表される第4級アンモニ
ウム塩の具体例としては、たとえば(C16332 +
(CH3 2 ・1/4 Mo8 26 4- 、(C16332
+(CH3 2 ・1/6 Mo7 24 6- 、(C
16332 + (CH3 2 ・1/2WO4 2- などがあ
げられ、これらを1種または2種以上混合して使用する
ことができる。
【0070】電荷制御剤の配合量は、結着樹脂100重
量部に対して1〜10重量部であるのが好ましく、1〜
5重量部であるのがさらに好ましい。電荷制御剤の配合
量が上記の範囲未満では、その添加効果が不十分になる
おそれがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、透光
性が低下したり色味が変化したりするおそれがある。硬
化剤は、粉体塗料を加熱溶融させて塗膜を形成した際
に、当該塗膜中で結着樹脂を架橋することによって塗膜
を硬化させるためのものであって、かかる硬化剤として
は、たとえばブロックイソシアネート、エポキシ樹脂、
アミノ樹脂、アジリジン化合物、多価カルボン酸などが
あげられる。
【0071】硬化剤は、硬化反応に寄与する官能基の当
量に応じて、好適な配合量の範囲が設定される。硬化剤
の配合量が好適な範囲より少ない場合は、その添加効果
が不十分になるおそれがあり、逆に好適な範囲を超えた
場合には、透光性が低下したり色味が変化したりするお
それがある。平滑剤は、粉体塗料を加熱溶融させた際の
流動性を向上して、塗膜をより平滑にするためのもの
で、かかる平滑剤としては、たとえばBASF社製の商
品名「アクロナール4F」、東芝シリコーン社製の商品
名「YF−3919」、モンサント社製の商品名「モダ
フロー2000」などがあげられる。
【0072】平滑剤の配合量は、結着樹脂100重量部
に対して0.1〜2重量部であるのが好ましく、0.5
〜1重量部であるのがさらに好ましい。平滑剤の配合量
が上記の範囲未満では、その添加効果が不十分になるお
それがあり、逆に上記の範囲を超えた場合には、透光性
が低下したり色味が変化したりするおそれがある。上記
以外にも粉体塗料には、たとえば硬化剤による硬化反応
を補助するための硬化促進剤や、消泡剤、あるいは塗膜
の耐蝕性を高めるためのエポキシ樹脂などの、さらに他
の添加剤を配合してもよい。
【0073】(粉体塗料の製造方法)粉体塗料は、上記
の各成分を乾式ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボー
ルミル等を用いて予備混合した混合物を、たとえばジェ
ットミル、バンバリーミキサー、ロール、1軸または2
軸の押出混練機等を用いて溶融混練したのち、えられた
混練物を冷却して粉砕し、さらに必要に応じて分級する
ことにより製造される。
【0074】またこの他に、重合法、マイクロカプセル
重合法、スプレードライ法等を用いて製造することもで
きる。粉体塗料の粒径は従来と同程度でよいが、2色以
上を混合した際の色味の均一性を考慮すると、粒径が小
さいほど好ましく、とくにその平均粒径が30μm以下
であるのが好ましい。
【0075】また、帯電性や塗膜の形成しやすさ、凝集
のしにくさなどを考慮すると、粉体塗料の平均粒径は、
上記範囲内でもとくに1μm以上であるのが好ましい。
さらに上記各特性のバランスを考慮すると、粉体塗料の
平均粒径は、上記範囲内でもとくに5〜20μmである
のがとくに好ましい。粉体塗料には、その流動性や帯電
特性などを向上するとともに、前述したように、各色の
粉体塗料ごとに帯電特性を一致させるために、各種の外
添剤を添加してもよい。
【0076】上記外添剤としては、酸化アルミニウム、
酸化けい素、酸化チタニウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物の微粉末や、あるいはふっ素樹脂微粒子などの、たと
えば粒径1.0μm以下程度の、従来公知の種々の外添
剤を使用でき、とくに疎水性または親水性のシリカ微粒
子を含むシリカ系表面処理剤、たとえば超微粒子状無水
シリカやコロイダルシリカなどが好適に使用される。
【0077】外添剤の添加量はとくに限定されず、従来
と同程度でよい。具体的には、粉体塗料100重量部に
対して、外添剤を、総量で0.1〜3.0重量部程度、
添加するのが好ましいが、場合によっては、外添剤の添
加量は、この範囲を外れてもよい。
【0078】
〔日本エステル(株)製の商品名ER−6680〕
・顔料 C.I.ピグメントブルー15:3 3.0 〔大日本インキ(株)製の商品名Ket Blue104〕 ・硬化剤 ヒュルス社製の商品名ベスタゴンB1530 15 ・硬化促進剤 三共有機合成(株)製の商品名StannOMF 0.3 ・平滑剤 楠本化成(株)製の商品名ディスパロンPL525 1.0 ・消泡剤 みどり化学(株)製の商品名ベンゾイン 0.5 ・エポキシ樹脂 2.0 〔東都化成(株)製の商品名エポトートYD−014〕
製造したシアン系透光性粉体塗料はつぎに、当該粉体塗
料100重量部に対して0.4重量部の、負帯電用の表
面処理剤としての微粉末シリカ〔日本アエロジル(株)
製の商品名R972〕を、回転翼式のミキサー〔WAR
ING(ワリング)社製の商品名COMMERCIAL
BLENDER HGB−SS〕を用いてかく拌混合
して、調色に供した。 〈マゼンタ系透光性粉体塗料〉顔料として、C.I.ピ
グメントブルー15:3に代えて、同量(3.0重量
部)のC.I.ピグメントレッド122〔大日本インキ
(株)製の商品名KetRed309〕を使用したこと
以外はシアン系透光性粉体塗料と同様にして、体積中心
粒径13μmの、顔料の部数が異なる6種のマゼンタ系
透光性粉体塗料M−0.1、M−0.5、M−1.0、
M−1.5、M−2.0およびM−3.0を製造し、当
該粉体塗料100重量部に対して0.4重量部の微粉末
シリカ〔前出のR972〕を、これも前出の回転翼式の
ミキサーを用いてかく拌混合して、調色に供した。上記
各略号中の数字は、前記と同様に、添加した顔料の部数
を示している。 〈イエロー系透光性粉体塗料〉顔料として、C.I.ピ
グメントブルー15:3に代えて、同量(3.0重量
部)のC.I.ピグメントイエロー154〔チバガイギ
ー社製の商品名Symuler Fast Yello
w4192〕を使用したこと以外はシアン系透光性粉体
塗料と同様にして、体積中心粒径13μmの、顔料の部
数が異なる6種のイエロー系透光性粉体塗料Y−0.
1、Y−0.5、Y−1.0、Y−1.5、Y−2.0
およびY−3.0を製造し、当該粉体塗料100重量部
に対して0.4重量部の微粉末シリカ〔前出のR97
2〕を、これも前出の回転翼式のミキサーを用いてかく
拌混合して、調色に供した。上記各略号中の数字は、前
記と同様に、添加した顔料の部数を示している。
【0079】《基礎データの作成》上記粉体塗料の調製
において製造したC、M、Yの各色の、それぞれ6種ず
つ、合計18種のサンプルの粉体塗料を、被塗物として
のSPCC鋼板の片面に先に、下記Iの条件で白色の粉
体塗料を静電付着させた上に、下記IIの条件で静電付着
させ、ついで180℃で20分間、焼き付けて、厚み約
30μmの白色下地層と、各サンプルの粉体塗料からな
る、厚み約30μmの着色上塗層の2層構造を有する塗
膜のサンプルを作製した。 〈条件I(白色下地層の塗装)〉 ・粉体供給:定量供給機〔三田工業(株)製の試作
機〕、回転数=380r.p.m.、スクレーパー角度
=目盛り1 ・被塗物搬送速度:50mm/秒 ・塗装機:バーカライジング社製、INF圧力=3kg
/cm2 G、旋回圧力=3kg/cm2 G、搬送圧力=
3kg/cm2 G ・ガン:摩擦帯電ガン、ノズル=扇形 ・ブース吸引風速:0.59m/秒 ・塗装距離:300mm ・塗布量:0.7g 〈条件II(着色上塗層の塗装)〉 ・粉体供給:同上 ・被塗物搬送速度:同上 ・塗装機:同上 ・ガン:コロナ帯電ガン、印加電圧=60kV ・ブース吸引風速:同上 ・塗装距離:同上 ・塗布量:0.5g つぎに、各サンプルの塗膜を、測色装置としての色彩色
差計〔日本電色(株)製のSE−2000〕を用いて測
色して、18個の基礎データ(波長−反射率曲線)を作
成した。そして、上記18個の基礎データを演算装置に
入力して、それぞれのK/S値〔(K/S)1 〜(K/
S)18〕を算出し、ついで各K/S値から計算反射率を
算出するとともに、かかる計算反射率から3刺激値を算
出した。
【0080】なお、白色下地層用の白色の粉体塗料とし
ては、下記のものを使用した。 〈白色粉体塗料〉顔料として、C.I.ピグメントブル
ー15:3に代えて、同量の酸化チタン〔石原テクノ
(株)製の商品名CR−90〕を使用し、かつ粉砕後に
分級しなかったこと以外はシアン系透光性粉体塗料(I)
と同様にして、体積中心粒径17μmの、白色粉体塗料
を製造した。なお白色粉体塗料は、表面処理を施さず
に、下地用に供した。
【0081】《粉体塗料の調色》目標色として、東洋イ
ンキ株式会社製のカラーカードのうちCF0089(レ
ッド)、CF0245(ビビッドグリーン)およびCF
0461(パープル)の各色を選び、そのそれぞれを、
前記色彩色差計〔日本電色(株)製のSE−2000〕
を用いて測色して、波長−反射率曲線を作成した。
【0082】そしてこの波長−反射率曲線を演算装置に
入力してK/S値を算出し、ついでこのK/S値と、あ
らかじめ記憶装置に記録しておいた、先の基礎データの
作成で得た計算反射率とを用いてアイソメリックマッチ
を行い、ついでこのアイソメリックマッチの結果と、や
はりあらかじめ記憶装置に記録しておいた、先の基礎デ
ータの作成で得た3刺激値とを用いてメタメリックマッ
チを行って、前述した各目標色を再現するのに必要な
C、M、Yの各色の粉体塗料の種類(前述した顔料部数
の違いによる種類)と、その配合比(重量%)とを算出
した。
【0083】結果をそれぞれ表1〜3に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
【表3】
【0087】《調色の評価》上記表1〜3の結果をもと
に、各色の粉体塗料を、計量装置を用いて計量し、混合
装置としての、前出の回転翼式のミキサーに供給して2
5秒間、ドライブレンドした。つぎにこの調色された3
種の粉体塗料をそれぞれ、被塗物としてのSPCC鋼板
の片面に先に、前記Iの条件で白色の粉体塗料を静電付
着させた上に、前記IIの条件で静電付着させ、ついで1
80℃で20分間、焼き付けて、厚み30〜35μmの
白色下地層と、各粉体塗料からなる、厚み30〜35μ
mの着色上塗層の2層構造を有する、トータルの厚み6
5μmの塗膜を作製した。
【0088】そして各塗膜を、前記色彩色差計〔日本電
色(株)製のSE−2000〕を用いて測色して、その
測色データの、目標色としての前記カラーカードの測色
データとの色差ΔΕ* を算出し、当該色差ΔΕ* がしき
い値0.8以下であったものを色目のずれなし(○)、
0.8を超えたものを色目のずれあり(×)として評価
した。結果を表4に示す。
【0089】
【表4】
【0090】表より、上記3種の粉体塗料はいずれも、
目標色との色ずれのない、良好に調色されたものである
ことが確認された。
【0091】
【発明の効果】以上、詳述したように本発明によれば、
調色作業時の作業者に影響する内的あるいは外的な要因
によって調色結果にばらつきを生じるおそれのない、新
規な粉体塗料の調色方法と、それを実施するための調色
システムとを提供できるという特有の作用効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調色方法の一例の、各工程を示す流れ
図である。
【図2】上記調色方法のうち、あらかじめ、使用する複
数色の粉体塗料の個々について測色した複数の基礎デー
タから、計算反射率および3刺激値を算出する工程を示
す流れ図である。
【図3】本発明の調色方法を実施するための、本発明の
調色システムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 測色装置 2 演算装置 3 計量装置 4 混合装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数色の粉体塗料を所定の比率で配合し、
    ドライブレンドして調色する調色方法であって、 目標とする色を測色して作成した波長−反射率曲線
    から、光の吸収係数Kと散乱係数Sとの比であるK/S
    値を算出し、 ついでこのK/S値と、あらかじめ、使用する複数
    色の粉体塗料について測色したn個の基礎データのK/
    S値〔(K/S)1 〜(K/S)n 〕から算出した計算
    反射率とを用いてアイソメリックマッチを行い、 ついでこのアイソメリックマッチの結果と、上記計
    算反射率から算出した3刺激値とを用いてメタメリック
    マッチを行って、各色の粉体塗料の配合比を算出したの
    ち、 この算出結果をもとに、各色の粉体塗料を計量して
    ドライブレンドすることを特徴とする粉体塗料の調色方
    法。
  2. 【請求項2】ドライブレンドした粉体塗料をさらに、 実際の塗装と同条件で試験塗装し、 得られた塗膜を測色したのち、 上記測色データをもとに、各色の粉体塗料の配合比
    を補正計算する工程をも含んでいる請求項1記載の粉体
    塗料の調色方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の粉体塗料の調色方法を実施
    するためのシステムであって、(a) 目標とする色を測色
    して波長−反射率曲線を作成する測色装置と、(b) 上記
    波長−反射率曲線から、光の吸収係数Kと散乱係数Sと
    の比であるK/S値を算出し、このK/S値と、あらか
    じめ、使用する複数色の粉体塗料について測色したn個
    の基礎データのK/S値〔(K/S)1 〜(K/
    S)n 〕から算出した計算反射率とを用いてアイソメリ
    ックマッチを行い、ついでこのアイソメリックマッチの
    結果と、上記計算反射率から算出した3刺激値とを用い
    てメタメリックマッチを行って、各色の粉体塗料の配合
    比を算出する演算装置と、(c) 複数色の粉体塗料をドラ
    イブレンドする混合装置と、(d) 演算装置による算出結
    果に基づいて所定量の粉体塗料を計量して混合装置に供
    給する計量装置とを備えることを特徴とする粉体塗料の
    調色システム。
  4. 【請求項4】演算装置が、実際の塗装と同条件で試験塗
    装して得られた塗膜を測色装置によって測色した測色デ
    ータから、各色の粉体塗料の配合比を補正計算する機能
    をも有している請求項3記載の粉体塗料の調色システ
    ム。
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