JPH11287341A - リリーフ弁 - Google Patents
リリーフ弁Info
- Publication number
- JPH11287341A JPH11287341A JP10186898A JP10186898A JPH11287341A JP H11287341 A JPH11287341 A JP H11287341A JP 10186898 A JP10186898 A JP 10186898A JP 10186898 A JP10186898 A JP 10186898A JP H11287341 A JPH11287341 A JP H11287341A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- pressure
- line
- valve
- hydraulic
- spool
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Sliding Valves (AREA)
- Safety Valves (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 この発明は,作動油が通過する二つの弁開部
を通過する際に働くそれぞれの油圧力を相殺させること
により,ライン圧力の変動を防止することができるリリ
ーフ弁を提供する。 【解決手段】 オイルポンプの吐出ラインに接続するリ
リーフ弁40の入口ポートPに常に連通する第1室であ
るB1室は,第1弁開部48Aを通じて第1出口ポート
R1と連通可能である。また,入口ポートPは,第2弁
開部48Bを通じて第2室としてのB2室に連通可能で
ある。作動油が弁開部48Aと弁開部48Bとを通過す
る際に,B1室,B2室での圧力の不均衡によってスプ
ール44に生じる力F1,F2は,互いに相殺する方向
に作用する。したがって,リリーフ弁40のライン圧P
Lを安定化させることができる。
を通過する際に働くそれぞれの油圧力を相殺させること
により,ライン圧力の変動を防止することができるリリ
ーフ弁を提供する。 【解決手段】 オイルポンプの吐出ラインに接続するリ
リーフ弁40の入口ポートPに常に連通する第1室であ
るB1室は,第1弁開部48Aを通じて第1出口ポート
R1と連通可能である。また,入口ポートPは,第2弁
開部48Bを通じて第2室としてのB2室に連通可能で
ある。作動油が弁開部48Aと弁開部48Bとを通過す
る際に,B1室,B2室での圧力の不均衡によってスプ
ール44に生じる力F1,F2は,互いに相殺する方向
に作用する。したがって,リリーフ弁40のライン圧P
Lを安定化させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,オイルポンプの
吐出回路等における油圧ラインに一定のライン圧を得る
ためのリリーフ弁に関する。
吐出回路等における油圧ラインに一定のライン圧を得る
ためのリリーフ弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,特に車両においては,図4に示す
ような油圧システムが用いられている。この油圧システ
ムにおいては,オイルポンプ30は,エンジンによって
駆動されるポンプであって,リザーバ31からオイルを
汲み出してメインラインとしての油圧ライン32にオイ
ルを供給する。オイルポンプ30によって供給されたオ
イルは,油圧ライン32から分岐する各ラインを通じて
車両に搭載される各機器に供給される。図示の油圧シス
テムでは,油圧ライン32に供給されたオイルは,ライ
ン32dを通じてトルクコンバータパイロット弁33に
供給される。トルクコンバータパイロット弁33は,出
口側圧力をスプールの変位にフィードバックするスプー
ル弁であり,油圧ライン32のライン圧から一定の出口
側圧力を得て,一定圧のオイルをロックアップ制御弁3
4を通じてトルクコンバータ35に供給し,トルクコン
バータ35の直結制御を行う。ロックアップ制御弁34
に供給されたオイルは,冷却・潤滑系回路36にも用い
られる。油圧ライン32は,また,ライン32bを通じ
てマニュアルバルブ37に接続されており,マニュアル
バルブ37を操作することによって,油圧アクチュエー
タ38又は39に選択的に供給される。油圧ライン32
は,更に,ライン32aを通じてトロイダル型無段変速
機(詳細は後述する)のトラニオン9を駆動するための
変速用油圧アクチュエータ12にも接続されている。こ
のように,オイルポンプ30は,自動車用自動変速機
(トロイダル型無段変速機)の油圧源として用いられて
いる。
ような油圧システムが用いられている。この油圧システ
ムにおいては,オイルポンプ30は,エンジンによって
駆動されるポンプであって,リザーバ31からオイルを
汲み出してメインラインとしての油圧ライン32にオイ
ルを供給する。オイルポンプ30によって供給されたオ
イルは,油圧ライン32から分岐する各ラインを通じて
車両に搭載される各機器に供給される。図示の油圧シス
テムでは,油圧ライン32に供給されたオイルは,ライ
ン32dを通じてトルクコンバータパイロット弁33に
供給される。トルクコンバータパイロット弁33は,出
口側圧力をスプールの変位にフィードバックするスプー
ル弁であり,油圧ライン32のライン圧から一定の出口
側圧力を得て,一定圧のオイルをロックアップ制御弁3
4を通じてトルクコンバータ35に供給し,トルクコン
バータ35の直結制御を行う。ロックアップ制御弁34
に供給されたオイルは,冷却・潤滑系回路36にも用い
られる。油圧ライン32は,また,ライン32bを通じ
てマニュアルバルブ37に接続されており,マニュアル
バルブ37を操作することによって,油圧アクチュエー
タ38又は39に選択的に供給される。油圧ライン32
は,更に,ライン32aを通じてトロイダル型無段変速
機(詳細は後述する)のトラニオン9を駆動するための
変速用油圧アクチュエータ12にも接続されている。こ
のように,オイルポンプ30は,自動車用自動変速機
(トロイダル型無段変速機)の油圧源として用いられて
いる。
【0003】オイルポンプ30が吐出した作動油は,油
圧ライン50を通じて,パイロット弁51に供給される
と共に,車両の潤滑を要する各機器52にも潤滑油とし
て供給され,過大な圧力は逆止弁53を通じてリザーバ
31に解放される。パイロット弁51は,自己吐出圧を
スプールの変位にフィードバックしているスプール弁で
あり,変動が大きいオイルポンプ30の吐出圧を一旦,
ばねによって設定された一定の圧力Ppにまで降下さ
せ,その一定の圧力Ppを定圧ライン54を通じて各ソ
レノイド弁23A〜23Dに供給している。各ソレノイ
ド弁23A〜23Dは,定圧ライン54のパイロット圧
を,コントローラ24からの制御信号に応じて作動され
るソレノイドによって出力圧力を0から圧力Ppまでの
任意の制御圧力に変換する。そのようにして得られた任
意のパイロット圧力は,トルクコンバータ35用のロッ
クアップ制御弁34,油圧アクチュエータ38,39用
のマニュアルバルブ37,及びトロイダル型無段変速機
の変速比制御弁であるスプール弁18の制御のために用
いられている。
圧ライン50を通じて,パイロット弁51に供給される
と共に,車両の潤滑を要する各機器52にも潤滑油とし
て供給され,過大な圧力は逆止弁53を通じてリザーバ
31に解放される。パイロット弁51は,自己吐出圧を
スプールの変位にフィードバックしているスプール弁で
あり,変動が大きいオイルポンプ30の吐出圧を一旦,
ばねによって設定された一定の圧力Ppにまで降下さ
せ,その一定の圧力Ppを定圧ライン54を通じて各ソ
レノイド弁23A〜23Dに供給している。各ソレノイ
ド弁23A〜23Dは,定圧ライン54のパイロット圧
を,コントローラ24からの制御信号に応じて作動され
るソレノイドによって出力圧力を0から圧力Ppまでの
任意の制御圧力に変換する。そのようにして得られた任
意のパイロット圧力は,トルクコンバータ35用のロッ
クアップ制御弁34,油圧アクチュエータ38,39用
のマニュアルバルブ37,及びトロイダル型無段変速機
の変速比制御弁であるスプール弁18の制御のために用
いられている。
【0004】上記の従来の油圧システムでは,オイルポ
ンプ30は,エンジンのクランク軸と直結,又は歯車を
介して機械的に連結されているので,その回転数はエン
ジン回転数と同一又は比例しており,エンジンの運転状
態に応じて大きく変動して,必ずしも一定ではない。ま
た,一部には可変容量式のベーンポンプが採用されてい
る例もあるが,可変容量式のベーンポンプよりも部品点
数が少なく,且つコストやメンテナンス等の観点からも
有利な固定容量式のギヤポンプやトロコイドポンプが,
広く利用されている。しかしながら,固定容量式のポン
プの吐出流量は,エンジンのアイドル運転状態から最高
回転状態まで,比率にして6〜10程度も変化する。そ
こで,固定容量式のポンプの吐出流量の一部を逃す又は
循環させるように油圧回路を構成することによって,出
力変動を抑制するように工夫されている。一方,アクチ
ュエータ等のオイルポンプ30が供給した作動油を使用
する側も,車両に搭載した機器の使用状態に応じて大き
く変化する。したがって,そのままでは,油圧ライン3
2のライン圧PLは大きく変動してしまう。
ンプ30は,エンジンのクランク軸と直結,又は歯車を
介して機械的に連結されているので,その回転数はエン
ジン回転数と同一又は比例しており,エンジンの運転状
態に応じて大きく変動して,必ずしも一定ではない。ま
た,一部には可変容量式のベーンポンプが採用されてい
る例もあるが,可変容量式のベーンポンプよりも部品点
数が少なく,且つコストやメンテナンス等の観点からも
有利な固定容量式のギヤポンプやトロコイドポンプが,
広く利用されている。しかしながら,固定容量式のポン
プの吐出流量は,エンジンのアイドル運転状態から最高
回転状態まで,比率にして6〜10程度も変化する。そ
こで,固定容量式のポンプの吐出流量の一部を逃す又は
循環させるように油圧回路を構成することによって,出
力変動を抑制するように工夫されている。一方,アクチ
ュエータ等のオイルポンプ30が供給した作動油を使用
する側も,車両に搭載した機器の使用状態に応じて大き
く変化する。したがって,そのままでは,油圧ライン3
2のライン圧PLは大きく変動してしまう。
【0005】吐出量がエンジン等の運転状態に応じて大
きく変動するオイルポンプ30を用い且つ油圧ライン3
2を通るオイルの消費量も大きく変動する油圧システム
においては,オイルポンプ30のオイル吐出量の一部を
リザーバ31に逃すため,油圧ライン32から分岐した
ライン32cに,圧力制御弁としてのリリーフ弁40が
接続されている。リリーフ弁40にはソレノイド弁23
Cに入力される制御信号によって制御された油圧が制御
圧ライン59cを通じて供給されるので,リリーフ弁4
0は,油圧ライン32のライン圧PLの最大圧力がその
制御油圧に対応した値となるように制御される。
きく変動するオイルポンプ30を用い且つ油圧ライン3
2を通るオイルの消費量も大きく変動する油圧システム
においては,オイルポンプ30のオイル吐出量の一部を
リザーバ31に逃すため,油圧ライン32から分岐した
ライン32cに,圧力制御弁としてのリリーフ弁40が
接続されている。リリーフ弁40にはソレノイド弁23
Cに入力される制御信号によって制御された油圧が制御
圧ライン59cを通じて供給されるので,リリーフ弁4
0は,油圧ライン32のライン圧PLの最大圧力がその
制御油圧に対応した値となるように制御される。
【0006】従来のライン圧リリーフ弁40の一例が図
2に示されている。図2に示すライン圧リリーフ弁40
Aは,弁ケース41に大径穴42と小径穴43が形成さ
れており,大径穴42にはスプール44Aの大径部45
a,45bが摺動可能に嵌合し,小径穴43にはスプー
ル44Aの小径部45cが摺動可能に嵌合している。図
2で大径部45aの左側にはA室が,大径部45bの右
側にはC室が,また,両大径部45a,45b間にはD
室が形成されている。A室は制御ポートFを通じてパイ
ロット制御圧ライン59cに接続しており,A室にはソ
レノイド弁23Cによって制御されたパイロット制御圧
Pmfが作用している。即ち,スプール44Aの第1端
部にはA室室内のパイロット制御圧Pmfを受圧すると
共にスプール44Aにばね力を付与するため設定ばね4
9が係合する第1受圧面47aが形成されている。C室
は入口ポートP,ライン32cを通じて油圧ライン32
に接続しており,C室にはライン圧PLが作用してい
る。即ち,スプール44Aの第2端部には,C室内のラ
イン圧PLが作用する第2受圧面47cが形成されてい
る。またD室は,同じく入口ポートPを通じて油圧ライ
ン32に接続していると共に,ポートRを通じてリザー
バ31に接続可能である。D室を構成するスプール44
Aの受圧面47d,47eの軸方向投影面の面積は,等
しく形成されている。
2に示されている。図2に示すライン圧リリーフ弁40
Aは,弁ケース41に大径穴42と小径穴43が形成さ
れており,大径穴42にはスプール44Aの大径部45
a,45bが摺動可能に嵌合し,小径穴43にはスプー
ル44Aの小径部45cが摺動可能に嵌合している。図
2で大径部45aの左側にはA室が,大径部45bの右
側にはC室が,また,両大径部45a,45b間にはD
室が形成されている。A室は制御ポートFを通じてパイ
ロット制御圧ライン59cに接続しており,A室にはソ
レノイド弁23Cによって制御されたパイロット制御圧
Pmfが作用している。即ち,スプール44Aの第1端
部にはA室室内のパイロット制御圧Pmfを受圧すると
共にスプール44Aにばね力を付与するため設定ばね4
9が係合する第1受圧面47aが形成されている。C室
は入口ポートP,ライン32cを通じて油圧ライン32
に接続しており,C室にはライン圧PLが作用してい
る。即ち,スプール44Aの第2端部には,C室内のラ
イン圧PLが作用する第2受圧面47cが形成されてい
る。またD室は,同じく入口ポートPを通じて油圧ライ
ン32に接続していると共に,ポートRを通じてリザー
バ31に接続可能である。D室を構成するスプール44
Aの受圧面47d,47eの軸方向投影面の面積は,等
しく形成されている。
【0007】オイルポンプ30が吐出した作動油はC室
とD室とに流入するが,D室では,受圧面47d,47
eの軸方向投影面の面積が等しいので,作動油による力
は釣り合っている。結局,C室の受圧面47cに作用す
るライン圧PLによって図で左方向の力Fcを受ける。
一方,A室の受圧面47aに作用するパイロット制御圧
Pmfに基づく力と設定ばね49によるばね力とによっ
て,スプール44Aには,図で右方向の力Faを受け
る。Fc>Faとすると,スプール44Aは図で左方向
に移動し,D室とポートRとを開閉する弁開部48aが
開状態となる。スプール弁44Aが開くと,D室内の作
動油がリザーバ31へ排出され始めてライン圧PLが低
下する。ライン圧PLが低下すると,左方向の力Fcが
小さくなり,FcがFaに釣り合うようにライン圧PL
が決定される。このときの釣合い式(1)は,PL×A
c=Pmf×Aa+Fsである(ただし,Aa,Acは
それぞれ室Aと室C内の作動油の圧力を受けるスプール
44Aの受圧面47a,47cの面積,Fsは釣合い点
におけるばね49のばね力である)。室Aへのパイロッ
ト制御圧Pmfの大きさを制御することにより,ライン
圧PLの大きさを制御することができる。
とD室とに流入するが,D室では,受圧面47d,47
eの軸方向投影面の面積が等しいので,作動油による力
は釣り合っている。結局,C室の受圧面47cに作用す
るライン圧PLによって図で左方向の力Fcを受ける。
一方,A室の受圧面47aに作用するパイロット制御圧
Pmfに基づく力と設定ばね49によるばね力とによっ
て,スプール44Aには,図で右方向の力Faを受け
る。Fc>Faとすると,スプール44Aは図で左方向
に移動し,D室とポートRとを開閉する弁開部48aが
開状態となる。スプール弁44Aが開くと,D室内の作
動油がリザーバ31へ排出され始めてライン圧PLが低
下する。ライン圧PLが低下すると,左方向の力Fcが
小さくなり,FcがFaに釣り合うようにライン圧PL
が決定される。このときの釣合い式(1)は,PL×A
c=Pmf×Aa+Fsである(ただし,Aa,Acは
それぞれ室Aと室C内の作動油の圧力を受けるスプール
44Aの受圧面47a,47cの面積,Fsは釣合い点
におけるばね49のばね力である)。室Aへのパイロッ
ト制御圧Pmfの大きさを制御することにより,ライン
圧PLの大きさを制御することができる。
【0008】この場合,オイルポンプの駆動軸が高回転
で駆動される,即ち,オイルポンプ30の吐出流量が多
いときには,その大部分はリリーフ弁40Aを含むドレ
ン回路を通じて排出されることになるが,この排出量が
多くなるにしたがって,上記釣合い式(1)に加えて,
式(2)による流体力Ffがスプール44Aに作用し
て,所定のライン圧PLが得られなくなる。 Ff=2Cd×π×D×χ×PLcosθ (ここで,Cdは流量係数(スプール弁では約0.
7),Dはスプール径,χは弁開部48aの弁開度(流
量とPLの関数),θは噴流角度(流量が充分大きいと
きには69度)である。)
で駆動される,即ち,オイルポンプ30の吐出流量が多
いときには,その大部分はリリーフ弁40Aを含むドレ
ン回路を通じて排出されることになるが,この排出量が
多くなるにしたがって,上記釣合い式(1)に加えて,
式(2)による流体力Ffがスプール44Aに作用し
て,所定のライン圧PLが得られなくなる。 Ff=2Cd×π×D×χ×PLcosθ (ここで,Cdは流量係数(スプール弁では約0.
7),Dはスプール径,χは弁開部48aの弁開度(流
量とPLの関数),θは噴流角度(流量が充分大きいと
きには69度)である。)
【0009】上記流体力は,図2に示すリリーフ弁40
Aの場合,D室内の弁開部48aが形成される左側の壁
面に作用する圧力は,弁開部48aを流れる作動油の流
れによってスプール44Aの外周付近で低下するため,
右側壁面に作用する圧力とのバランスが崩れ,スプール
44Aに正味で右側に向かう力が発生する。したがっ
て,ポートRが閉じる方向となり,C室に作用するライ
ン圧PLがより高い圧力にならないと弁開部48aが開
弁しなくなるので,ライン圧PLは,作動油の油圧力F
fがスプール44Aに作用しない場合と比較して,ライ
ン圧PLは高い圧力に調圧されることになる。
Aの場合,D室内の弁開部48aが形成される左側の壁
面に作用する圧力は,弁開部48aを流れる作動油の流
れによってスプール44Aの外周付近で低下するため,
右側壁面に作用する圧力とのバランスが崩れ,スプール
44Aに正味で右側に向かう力が発生する。したがっ
て,ポートRが閉じる方向となり,C室に作用するライ
ン圧PLがより高い圧力にならないと弁開部48aが開
弁しなくなるので,ライン圧PLは,作動油の油圧力F
fがスプール44Aに作用しない場合と比較して,ライ
ン圧PLは高い圧力に調圧されることになる。
【0010】また,図2に示すリリーフ弁40Aの他に
図3に示すリリーフ弁40Bも考えられる。リリーフ弁
40Bは,基本的に,弁開部48bが,入口ポートPと
E室との間に形成される,即ち,ライン圧PLの作動油
がE室に入る側で形成される以外は,図2に示すリリー
フ弁40Aと基本的に同等であり,対応する同等の機能
を有する要素及び部位には同じ符号が用いられている。
リリーフ弁40Bの場合において,Fc>Faとする
と,FcとFaとが釣り合う点で,弁開部48bが開
き,ライン圧PLが設定ばね49による力とパイロット
制御圧Pmfによる力とバランスするように決定され
る。E室内の左側壁面47dに作用する圧力が,弁開部
48bを通過する流体力によってスプール44Bの外周
付近で高くなるため,右側壁面47eに作用する圧力
(=0)とのバランスが崩れ,スプール44Bに正味で
図で左側に向かう力が発生する。したがって,入口ポー
トPとE室との間が開く方向となり,C室に作用するラ
イン圧PLがより低い圧力で弁開部48bが開弁するこ
とになるので,ライン圧PLは,作動油の油圧力Ffが
スプール44Bに作用しない場合と比較して,低い圧力
に調圧されることになる。
図3に示すリリーフ弁40Bも考えられる。リリーフ弁
40Bは,基本的に,弁開部48bが,入口ポートPと
E室との間に形成される,即ち,ライン圧PLの作動油
がE室に入る側で形成される以外は,図2に示すリリー
フ弁40Aと基本的に同等であり,対応する同等の機能
を有する要素及び部位には同じ符号が用いられている。
リリーフ弁40Bの場合において,Fc>Faとする
と,FcとFaとが釣り合う点で,弁開部48bが開
き,ライン圧PLが設定ばね49による力とパイロット
制御圧Pmfによる力とバランスするように決定され
る。E室内の左側壁面47dに作用する圧力が,弁開部
48bを通過する流体力によってスプール44Bの外周
付近で高くなるため,右側壁面47eに作用する圧力
(=0)とのバランスが崩れ,スプール44Bに正味で
図で左側に向かう力が発生する。したがって,入口ポー
トPとE室との間が開く方向となり,C室に作用するラ
イン圧PLがより低い圧力で弁開部48bが開弁するこ
とになるので,ライン圧PLは,作動油の油圧力Ffが
スプール44Bに作用しない場合と比較して,低い圧力
に調圧されることになる。
【0011】なお,弁本体に形成した嵌合孔に,一次側
通路と二次側通路とを導通又は遮断するスプールを摺動
自在に嵌合させ,スプールに作用する一次側通路の圧力
がばねによる設定された力に応じた値を超えると,一次
側通路が二次側通路に導通されるように構成された圧力
制御弁は,例えば,特開平3−213778号公報に開
示されている。また,オイルポンプ吐出圧がスプールに
フィードバックするように構成し,オイルポンプ圧が上
昇するとその圧力に応答してスプールがその弁開部を開
く方向に移動し,弁開部からのオイルドレン量が増大さ
せることによりオイルポンプ圧を低下させ,また,オイ
ルポンプ圧が低下するとその圧力に応答してスプールが
その弁開部を閉じる方向に移動し,弁開部からのオイル
ドレン量が減少することによりオイルポンプ圧を上昇さ
せ,これにより,オイルポンプ圧を所定圧に調整するリ
リーフ弁において,流体力(フローフォース)による調
圧値の変動を防止しようとするものが,特開平6−93
977号公報に開示されている。流体力は,スプールの
ランドの縁部と弁本体の壁部との間を流れる流量が増大
することによってフィードバック圧に対抗する方向にス
プールに働く力である。オイルポンプ吐出回路の流量が
増大するほど,流体力によってリリーフ弁の調圧値は上
昇する傾向がある。前掲の特開平6−93977号公報
に開示されているリリーフ弁においては,オイルポンプ
の吸入負圧をスプールに作用させて,流体力の影響を軽
減させることを図っている。
通路と二次側通路とを導通又は遮断するスプールを摺動
自在に嵌合させ,スプールに作用する一次側通路の圧力
がばねによる設定された力に応じた値を超えると,一次
側通路が二次側通路に導通されるように構成された圧力
制御弁は,例えば,特開平3−213778号公報に開
示されている。また,オイルポンプ吐出圧がスプールに
フィードバックするように構成し,オイルポンプ圧が上
昇するとその圧力に応答してスプールがその弁開部を開
く方向に移動し,弁開部からのオイルドレン量が増大さ
せることによりオイルポンプ圧を低下させ,また,オイ
ルポンプ圧が低下するとその圧力に応答してスプールが
その弁開部を閉じる方向に移動し,弁開部からのオイル
ドレン量が減少することによりオイルポンプ圧を上昇さ
せ,これにより,オイルポンプ圧を所定圧に調整するリ
リーフ弁において,流体力(フローフォース)による調
圧値の変動を防止しようとするものが,特開平6−93
977号公報に開示されている。流体力は,スプールの
ランドの縁部と弁本体の壁部との間を流れる流量が増大
することによってフィードバック圧に対抗する方向にス
プールに働く力である。オイルポンプ吐出回路の流量が
増大するほど,流体力によってリリーフ弁の調圧値は上
昇する傾向がある。前掲の特開平6−93977号公報
に開示されているリリーフ弁においては,オイルポンプ
の吸入負圧をスプールに作用させて,流体力の影響を軽
減させることを図っている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記のように,ライン
圧PLは,スプールのランドの縁部と弁ケースの壁部と
の間の弁開部を流れる油圧力の影響で所定の圧力に調圧
されないので,ライン圧PLの圧力低下時には変速機内
部のクラッチへ供給すべき油圧が不足して滑りを生じ,
ライン圧PLの圧力上昇時にはオイルポンプでの動力損
失が増大する等の問題がある。特に,トロイダル型無段
変速機のように,油圧源としてのオイルポンプから作動
油が供給される油圧アクチュエータの油圧力によってト
ラニオンの傾転軸方向の位置を制御し,それによって変
速比を制御するものにおいては,変速比制御弁を通じて
消費するオイル量が変速動作に合わせて大きく変化する
ので,リリーフ弁で排出する流量も変化させることにな
り,その結果,エンジン回転数が一定であっても,ライ
ン圧PLが変動し,安定した変速比を得られないという
重大な問題がある。
圧PLは,スプールのランドの縁部と弁ケースの壁部と
の間の弁開部を流れる油圧力の影響で所定の圧力に調圧
されないので,ライン圧PLの圧力低下時には変速機内
部のクラッチへ供給すべき油圧が不足して滑りを生じ,
ライン圧PLの圧力上昇時にはオイルポンプでの動力損
失が増大する等の問題がある。特に,トロイダル型無段
変速機のように,油圧源としてのオイルポンプから作動
油が供給される油圧アクチュエータの油圧力によってト
ラニオンの傾転軸方向の位置を制御し,それによって変
速比を制御するものにおいては,変速比制御弁を通じて
消費するオイル量が変速動作に合わせて大きく変化する
ので,リリーフ弁で排出する流量も変化させることにな
り,その結果,エンジン回転数が一定であっても,ライ
ン圧PLが変動し,安定した変速比を得られないという
重大な問題がある。
【0013】以上のように,弁ケースとスプールのラン
ド部との間に形成される弁開部を圧油が通過する際に生
じる上記の油圧力の影響によってスプールが移動しない
ようにするのが望ましい。油圧力を完全に生じさせない
ようにすること自体は困難であるので,二箇所に発生す
る油圧力を互いに対抗する方向に作用させて相殺させる
ことによりスプールに及ぼす正味の影響を可及的に少な
くして,油圧力が発生しても直ちにスプールに影響が生
じないようにする点で解決すべき課題がある。
ド部との間に形成される弁開部を圧油が通過する際に生
じる上記の油圧力の影響によってスプールが移動しない
ようにするのが望ましい。油圧力を完全に生じさせない
ようにすること自体は困難であるので,二箇所に発生す
る油圧力を互いに対抗する方向に作用させて相殺させる
ことによりスプールに及ぼす正味の影響を可及的に少な
くして,油圧力が発生しても直ちにスプールに影響が生
じないようにする点で解決すべき課題がある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,二箇所の弁開部を設けて,
各弁開部に発生する油圧力を互いに対抗する方向に作用
させて相殺させることによりスプールに及ぼす正味の影
響を可及的に少なくし,油圧力がスプールに作用するこ
とによるライン圧の変動を防止することができるリリー
フ弁を提供することである。
課題を解決することであり,二箇所の弁開部を設けて,
各弁開部に発生する油圧力を互いに対抗する方向に作用
させて相殺させることによりスプールに及ぼす正味の影
響を可及的に少なくし,油圧力がスプールに作用するこ
とによるライン圧の変動を防止することができるリリー
フ弁を提供することである。
【0015】この発明は,中空穴が形成されると共に油
圧ラインに接続される入口ポートとドレンラインに接続
される出口ポートとが形成された弁ケース,及び前記油
圧ラインのライン圧と前記油圧ラインの設定圧との偏差
に基づいて前記中空穴内に変位可能に収容されたスプー
ルを備え,前記弁ケースと前記スプールとの間に形成さ
れ且つ前記入口ポートと前記出口ポートとを接続する弁
開部を前記スプールの変位によって開閉することにより
前記ライン圧を前記設定圧に維持することから成るリリ
ーフ弁において,前記出口ポートは第1出口ポート及び
第2出口ポートから構成され,前記弁開部は,前記入口
ポートを前記第1出口ポートに接続する第1弁開部と前
記入口ポートを前記第2出口ポートに接続する第2弁開
部とから成り,圧油が前記第1弁開部と前記第2弁開部
とを流れるときに前記スプールに生じる油圧力は互いに
相殺されることを特徴とするリリーフ弁に関する。
圧ラインに接続される入口ポートとドレンラインに接続
される出口ポートとが形成された弁ケース,及び前記油
圧ラインのライン圧と前記油圧ラインの設定圧との偏差
に基づいて前記中空穴内に変位可能に収容されたスプー
ルを備え,前記弁ケースと前記スプールとの間に形成さ
れ且つ前記入口ポートと前記出口ポートとを接続する弁
開部を前記スプールの変位によって開閉することにより
前記ライン圧を前記設定圧に維持することから成るリリ
ーフ弁において,前記出口ポートは第1出口ポート及び
第2出口ポートから構成され,前記弁開部は,前記入口
ポートを前記第1出口ポートに接続する第1弁開部と前
記入口ポートを前記第2出口ポートに接続する第2弁開
部とから成り,圧油が前記第1弁開部と前記第2弁開部
とを流れるときに前記スプールに生じる油圧力は互いに
相殺されることを特徴とするリリーフ弁に関する。
【0016】また,このリリーフ弁において,前記スプ
ールは前記中空穴を区画して少なくとも第1室と第2室
とを形成しており,前記第1室は前記入口ポートに常に
連通すると共に前記第1弁開部を通じて前記第1出口ポ
ートに連通しており,前記第2室は前記第2弁開部を通
じて前記入口ポートに連通すると共に前記第2出口ポー
トに常に連通している。
ールは前記中空穴を区画して少なくとも第1室と第2室
とを形成しており,前記第1室は前記入口ポートに常に
連通すると共に前記第1弁開部を通じて前記第1出口ポ
ートに連通しており,前記第2室は前記第2弁開部を通
じて前記入口ポートに連通すると共に前記第2出口ポー
トに常に連通している。
【0017】また,このリリーフ弁において,前記スプ
ールの第1端部には,前記設定圧を定めるため,設定ば
ねが係合すると共にパイロット制御圧が作用する第1受
圧面が形成されており,前記スプールの第2端部には前
記ライン圧が作用する第2受圧面が形成されている。
ールの第1端部には,前記設定圧を定めるため,設定ば
ねが係合すると共にパイロット制御圧が作用する第1受
圧面が形成されており,前記スプールの第2端部には前
記ライン圧が作用する第2受圧面が形成されている。
【0018】また,このリリーフ弁において,前記油圧
ラインは,固定容量式オイルポンプ又は可変容量式オイ
ルポンプの吐出ラインである。
ラインは,固定容量式オイルポンプ又は可変容量式オイ
ルポンプの吐出ラインである。
【0019】また,このリリーフ弁において,前記リリ
ーフ弁はトロイダル型無段変速機の変速用油圧シリンダ
に接続される前記油圧ラインとしての変速用油圧ライン
に適用されており,前記トロイダル型無段変速機は,対
向して配置された入力ディスクと出力ディスク,前記両
ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの
回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する一
対のパワーローラ,及び前記パワーローラをそれぞれ回
転自在に支持し且つ前記変速用油圧シリンダの作動によ
って傾転軸方向へ変位されることにより前記傾転軸回り
に回転するトラニオンを具備し,前記変速用油圧シリン
ダは変速比制御弁を通じての前記変速用油圧ラインのラ
イン圧が供給されて作動する二つのシリンダ室を備え,
前記各シリンダ室は前記変速比制御弁が中立位置にある
状態で前記変速用油圧ラインと遮断され且つ前記変速比
制御弁が前記中立位置から変位した状態で前記各シリン
ダ室を前記変速用油圧ラインとリザーバにとにそれぞれ
選択的に連通されることから成っている。
ーフ弁はトロイダル型無段変速機の変速用油圧シリンダ
に接続される前記油圧ラインとしての変速用油圧ライン
に適用されており,前記トロイダル型無段変速機は,対
向して配置された入力ディスクと出力ディスク,前記両
ディスクに対する傾転角度に応じて前記入力ディスクの
回転を無段階に変速して前記出力ディスクに伝達する一
対のパワーローラ,及び前記パワーローラをそれぞれ回
転自在に支持し且つ前記変速用油圧シリンダの作動によ
って傾転軸方向へ変位されることにより前記傾転軸回り
に回転するトラニオンを具備し,前記変速用油圧シリン
ダは変速比制御弁を通じての前記変速用油圧ラインのラ
イン圧が供給されて作動する二つのシリンダ室を備え,
前記各シリンダ室は前記変速比制御弁が中立位置にある
状態で前記変速用油圧ラインと遮断され且つ前記変速比
制御弁が前記中立位置から変位した状態で前記各シリン
ダ室を前記変速用油圧ラインとリザーバにとにそれぞれ
選択的に連通されることから成っている。
【0020】この発明によるリリーフ弁によれば,出口
ポートは第1出口ポートと第2出口ポートとの二つの出
口ポートとして構成され,弁開部は入口ポートを第1出
口ポートに接続する第1弁開部と,入口ポートを第2出
口ポートに接続する第2弁開部とから成り,作動油が第
1弁開部と第2弁開部とを流れるときにスプールに及ぼ
す油圧力を互いに逆方向に作用させて相殺させているの
で,弁開部においてスプールに作用する油圧力によるラ
イン圧の変動を防止することができる。
ポートは第1出口ポートと第2出口ポートとの二つの出
口ポートとして構成され,弁開部は入口ポートを第1出
口ポートに接続する第1弁開部と,入口ポートを第2出
口ポートに接続する第2弁開部とから成り,作動油が第
1弁開部と第2弁開部とを流れるときにスプールに及ぼ
す油圧力を互いに逆方向に作用させて相殺させているの
で,弁開部においてスプールに作用する油圧力によるラ
イン圧の変動を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下,添付図面を参照しつつ,こ
の発明の実施例を説明する。図1は,この発明によるリ
リーフ弁の一実施例を示す断面図である。なお,この発
明によるリリーフ弁は,一例として図4に示す油圧シス
テムに組み入れることができる。
の発明の実施例を説明する。図1は,この発明によるリ
リーフ弁の一実施例を示す断面図である。なお,この発
明によるリリーフ弁は,一例として図4に示す油圧シス
テムに組み入れることができる。
【0022】図1において,図2及び図3に示す従来の
リリーフ弁に用いられているのと同一の構成要素につい
ては,図2又は図3に付された符号と同一の符号を付し
て説明する。図1に示されている圧リリーフ弁40は,
弁ケース41に大径穴42と小径穴43が形成されてお
り,大径穴42にはスプール44の大径部45a,45
b,45dが摺動可能に嵌合し,小径穴43にはスプー
ル44の小径部45cが摺動可能に嵌合している。図1
で大径部45aの左側にはA室が,小径部45cの右側
にはC室が,また,大径部45a,45d間には第1室
としてのB1室が形成され,大径部45d,45b間に
は第2室としてのB2室が形成されている。A室は制御
ポートFを通じてソレノイド弁23Cの制御圧ライン5
9c(図4参照)に接続しており,A室にはパイロット
制御圧Pmfが作用している。C室は入口ポートP,ラ
イン32cを通じて油圧ライン32に接続(図4参照)
しているので,C室にはライン圧PLが作用している。
またB1室は同じく入口ポートPを通じて油圧ライン3
2に接続してライン圧PLが作用していると共に,B2
室は第2出口ポートR2を通じてリザーバ31に接続可
能である。即ち,B1室は,図2に示すD室と同様の機
能を奏する室であり,B2室は図3に示すE室と同様の
機能を奏する室である。B1室と第1出口ポートR1と
の間には第1弁開部48A(図2に示す弁開部48aと
同じ機能を有する)が形成され,入口ポートPとB2室
との間には第2弁開部48B(図3に示す弁開部48b
と同じ機能を有する)が形成される。なお,スプール4
4の大径部45aは第1端部であり,その端面は設定ば
ね49が係合すると共にパイロット制御圧が作用する第
1受圧面47aとなっている。また,スプール44の大
径部45bは第2端部であり,その端面はライン圧PL
が作用する第2受圧面47bとなっている。
リリーフ弁に用いられているのと同一の構成要素につい
ては,図2又は図3に付された符号と同一の符号を付し
て説明する。図1に示されている圧リリーフ弁40は,
弁ケース41に大径穴42と小径穴43が形成されてお
り,大径穴42にはスプール44の大径部45a,45
b,45dが摺動可能に嵌合し,小径穴43にはスプー
ル44の小径部45cが摺動可能に嵌合している。図1
で大径部45aの左側にはA室が,小径部45cの右側
にはC室が,また,大径部45a,45d間には第1室
としてのB1室が形成され,大径部45d,45b間に
は第2室としてのB2室が形成されている。A室は制御
ポートFを通じてソレノイド弁23Cの制御圧ライン5
9c(図4参照)に接続しており,A室にはパイロット
制御圧Pmfが作用している。C室は入口ポートP,ラ
イン32cを通じて油圧ライン32に接続(図4参照)
しているので,C室にはライン圧PLが作用している。
またB1室は同じく入口ポートPを通じて油圧ライン3
2に接続してライン圧PLが作用していると共に,B2
室は第2出口ポートR2を通じてリザーバ31に接続可
能である。即ち,B1室は,図2に示すD室と同様の機
能を奏する室であり,B2室は図3に示すE室と同様の
機能を奏する室である。B1室と第1出口ポートR1と
の間には第1弁開部48A(図2に示す弁開部48aと
同じ機能を有する)が形成され,入口ポートPとB2室
との間には第2弁開部48B(図3に示す弁開部48b
と同じ機能を有する)が形成される。なお,スプール4
4の大径部45aは第1端部であり,その端面は設定ば
ね49が係合すると共にパイロット制御圧が作用する第
1受圧面47aとなっている。また,スプール44の大
径部45bは第2端部であり,その端面はライン圧PL
が作用する第2受圧面47bとなっている。
【0023】図1において,リリーフ弁40での排出量
が少なく,油圧力を無視できる範囲では,スプール44
に加わる力の釣合いは,従来と同様に(1)式で決ま
る。リリーフ弁40を通じてのオイルの排出量が多い場
合には,B1室では図2のD室と同様となり,弁開部4
8Aを作動油が通過する際に左側壁面47dに作用する
圧力が,スプール44の大径部45aの外周付近で低下
するため,右側壁面47eに作用する圧力との不均衡に
よりスプール44には正味で図の右側に向かう力F1が
発生する。同様に,B2室では弁開部48Bを作動油が
通過する際に左側壁面47fに作用する圧力が右側壁面
47gに作用する圧力(ゲージ圧=0)よりも高くなる
ため,スプール44には正味で図の左側に向かう力F2
が発生する。この場合,リリーフ弁40で排出する作動
油の流量は,B1室,B2室で分担するため,(2)式
における弁開度χが小さくなり,力F1,F2の大きさ
は,図2及び図3で生じる流体力Fa,Fcと比較して
小さくなる。また,力F1,F2は,互いに対抗する向
きに生じるので,相殺されてスプール40に及ぼす力が
非常に小さくなる。したがって,リリーフ弁40で排出
する流量によってライン圧PLが影響を受けず,ライン
圧PLは所定の圧力に安定して調圧される。
が少なく,油圧力を無視できる範囲では,スプール44
に加わる力の釣合いは,従来と同様に(1)式で決ま
る。リリーフ弁40を通じてのオイルの排出量が多い場
合には,B1室では図2のD室と同様となり,弁開部4
8Aを作動油が通過する際に左側壁面47dに作用する
圧力が,スプール44の大径部45aの外周付近で低下
するため,右側壁面47eに作用する圧力との不均衡に
よりスプール44には正味で図の右側に向かう力F1が
発生する。同様に,B2室では弁開部48Bを作動油が
通過する際に左側壁面47fに作用する圧力が右側壁面
47gに作用する圧力(ゲージ圧=0)よりも高くなる
ため,スプール44には正味で図の左側に向かう力F2
が発生する。この場合,リリーフ弁40で排出する作動
油の流量は,B1室,B2室で分担するため,(2)式
における弁開度χが小さくなり,力F1,F2の大きさ
は,図2及び図3で生じる流体力Fa,Fcと比較して
小さくなる。また,力F1,F2は,互いに対抗する向
きに生じるので,相殺されてスプール40に及ぼす力が
非常に小さくなる。したがって,リリーフ弁40で排出
する流量によってライン圧PLが影響を受けず,ライン
圧PLは所定の圧力に安定して調圧される。
【0024】車両に自動変速機としてトロイダル型無段
変速機を搭載する場合には,油圧ライン32が変速用油
圧ラインとして利用される。トロイダル型無段変速機の
作動中には,入力ディスクと出力ディスクからパワーロ
ーラに接線力が常に作用しており,その接線力に対抗す
るため,変速比が変化していない状態でも油圧アクチュ
エータの両シリンダ室には,一定の圧力差が生じてい
る。変速比を変更する場合には,かかる圧力差を考慮し
た油圧を供給して油圧アクチュエータのピストン位置を
変更する必要がある。したがって,変速用の油圧として
は,オイルポンプの吐出ラインである油圧力の大きな油
圧ライン32から供給される。油圧ラインのライン圧が
変動していると,トロイダル型無段変速機の油圧アクチ
ュエータへの油圧が正確に制御できず,トラニオンの位
置が正確に決められず,所定の変速比を得ることができ
ないという問題がある。
変速機を搭載する場合には,油圧ライン32が変速用油
圧ラインとして利用される。トロイダル型無段変速機の
作動中には,入力ディスクと出力ディスクからパワーロ
ーラに接線力が常に作用しており,その接線力に対抗す
るため,変速比が変化していない状態でも油圧アクチュ
エータの両シリンダ室には,一定の圧力差が生じてい
る。変速比を変更する場合には,かかる圧力差を考慮し
た油圧を供給して油圧アクチュエータのピストン位置を
変更する必要がある。したがって,変速用の油圧として
は,オイルポンプの吐出ラインである油圧力の大きな油
圧ライン32から供給される。油圧ラインのライン圧が
変動していると,トロイダル型無段変速機の油圧アクチ
ュエータへの油圧が正確に制御できず,トラニオンの位
置が正確に決められず,所定の変速比を得ることができ
ないという問題がある。
【0025】図5及び図6には,それぞれトロイダル型
無段変速機の一例とその変速比制御の概要が示されてい
る。図5に示したトロイダル型無段変速機1は,エンジ
ンEの出力が入力される入力軸2,入力軸2に対して回
転可能に支持された入力ディスク4,入力ディスク4に
対向して配置され且つ入力軸2に対して回転可能に支持
された出力ディスク5,対向する入力ディスク4と出力
ディスク5の間に配置され且つ入力ディスク4から出力
ディスク5へトルクを伝達する傾転可能な一対のパワー
ローラ6,入力軸2に設けたフランジ部7と入力ディス
ク4との間に配置され且つ入力ディスク4に作用して入
力トルクの大きさに応じてパワーローラ6の圧接力を変
化させるローディングカムのような押圧手段8を有して
おり,パワーローラ6を傾転軸11の回りに傾転させる
ことにより,その傾転角度θに応じて入力ディスク4の
回転を出力ディスク5に無段階に変速して伝達するよう
に構成されている。パワーローラ6が図示のように傾転
すると,パワーローラ6の入力ディスク4に対する摩擦
接触位置が半径r1 の位置となり,出力ディスク5に対
する摩擦接触位置が半径r2 の位置となる。入出力ディ
スク間の変速比はr1 /r2 となる。なお,符号9で示
す部材は,パワーローラ6を傾転可能に支持するトラニ
オンであり,後に詳述する。また,他方の変速ユニット
との間で,一対の前記出力ディスク5同士は連結部材
(図示せず)によって一体的に連結されて,出力軸3に
トルクを出力する。なお,自動車に搭載されるトロイダ
ル型無段変速機1は,変速ユニットが同一軸上に2つ配
置されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機
1が一般的である。
無段変速機の一例とその変速比制御の概要が示されてい
る。図5に示したトロイダル型無段変速機1は,エンジ
ンEの出力が入力される入力軸2,入力軸2に対して回
転可能に支持された入力ディスク4,入力ディスク4に
対向して配置され且つ入力軸2に対して回転可能に支持
された出力ディスク5,対向する入力ディスク4と出力
ディスク5の間に配置され且つ入力ディスク4から出力
ディスク5へトルクを伝達する傾転可能な一対のパワー
ローラ6,入力軸2に設けたフランジ部7と入力ディス
ク4との間に配置され且つ入力ディスク4に作用して入
力トルクの大きさに応じてパワーローラ6の圧接力を変
化させるローディングカムのような押圧手段8を有して
おり,パワーローラ6を傾転軸11の回りに傾転させる
ことにより,その傾転角度θに応じて入力ディスク4の
回転を出力ディスク5に無段階に変速して伝達するよう
に構成されている。パワーローラ6が図示のように傾転
すると,パワーローラ6の入力ディスク4に対する摩擦
接触位置が半径r1 の位置となり,出力ディスク5に対
する摩擦接触位置が半径r2 の位置となる。入出力ディ
スク間の変速比はr1 /r2 となる。なお,符号9で示
す部材は,パワーローラ6を傾転可能に支持するトラニ
オンであり,後に詳述する。また,他方の変速ユニット
との間で,一対の前記出力ディスク5同士は連結部材
(図示せず)によって一体的に連結されて,出力軸3に
トルクを出力する。なお,自動車に搭載されるトロイダ
ル型無段変速機1は,変速ユニットが同一軸上に2つ配
置されたダブルキャビティ式のトロイダル型無段変速機
1が一般的である。
【0026】トロイダル型無段変速機1のパワーローラ
6の傾転の制御は,次のようにして行われる。図6には
トロイダル型無段変速機1の制御システムが示されてい
る。図示のように,一対のパワーローラ6は,対向して
配置された入力ディスク4と出力ディスク5(図6には
図示せず)との間に挟まれるように互いに対向して配置
され,それぞれトラニオン9に回転自在に支持されてい
る。パワーローラ6は,トラニオン9に対して偏心軸1
0によって支持されている。また,それぞれのトラニオ
ン9は変速機のケーシング29に回動可能で且つ軸方向
に移動可能に支持されている。即ち,各トラニオン9
は,自身の傾転軸11の軸方向に移動可能であり,且つ
傾転軸11を中心として回動可能である。トラニオン9
の傾転軸11には油圧アクチュエータ12が配設されて
おり,油圧アクチュエータ12は,ケーシング29に形
成された油圧シリンダ室13A,13B(総称する場合
は,13で記す)とトラニトン9に固定され且つ油圧シ
リンダ室13内を摺動可能に設けられたピストン14と
で構成されている。油圧シリンダ室13は,ピストン1
4によって区画された2つのシリンダ室,即ち増速側シ
リンダ室13Aと減速側シリンダ室13Bから構成され
ている。
6の傾転の制御は,次のようにして行われる。図6には
トロイダル型無段変速機1の制御システムが示されてい
る。図示のように,一対のパワーローラ6は,対向して
配置された入力ディスク4と出力ディスク5(図6には
図示せず)との間に挟まれるように互いに対向して配置
され,それぞれトラニオン9に回転自在に支持されてい
る。パワーローラ6は,トラニオン9に対して偏心軸1
0によって支持されている。また,それぞれのトラニオ
ン9は変速機のケーシング29に回動可能で且つ軸方向
に移動可能に支持されている。即ち,各トラニオン9
は,自身の傾転軸11の軸方向に移動可能であり,且つ
傾転軸11を中心として回動可能である。トラニオン9
の傾転軸11には油圧アクチュエータ12が配設されて
おり,油圧アクチュエータ12は,ケーシング29に形
成された油圧シリンダ室13A,13B(総称する場合
は,13で記す)とトラニトン9に固定され且つ油圧シ
リンダ室13内を摺動可能に設けられたピストン14と
で構成されている。油圧シリンダ室13は,ピストン1
4によって区画された2つのシリンダ室,即ち増速側シ
リンダ室13Aと減速側シリンダ室13Bから構成され
ている。
【0027】油圧シリンダ13の各シリンダ室13A,
13Bは油路17A,17Bによってスプール弁18に
連通している。スプール弁18内に摺動自在に配設され
たスプール21は,軸方向両端に配置されたばね22に
よって中立位置に保持されている。スプール弁18は一
端にSaポートが形成され,他端にSbポートが形成さ
れ,Saポートにはソレノイド弁23Cを介して油圧P
aが供給され,Sbポートにはソレノイド弁23Dを介
して油圧Pbが供給される。スプール弁18は,油圧ラ
イン32へ連通するPLポート,油路17Aを介して増
速側シリンダ室13Aへ連通するAポート,油路17B
を介して減速側シリンダ室13Bへ連通するBポート,
リザーバへ連通する2つのRポートを備えている。ソレ
ノイド弁23C,23Dは,コントローラ24から出力
された制御信号に応じて作動するように構成されてい
る。スプール弁18とソレノイド弁23C,23Dは,
トロイダル型無段変速機1の変速比制御弁を構成してい
る。
13Bは油路17A,17Bによってスプール弁18に
連通している。スプール弁18内に摺動自在に配設され
たスプール21は,軸方向両端に配置されたばね22に
よって中立位置に保持されている。スプール弁18は一
端にSaポートが形成され,他端にSbポートが形成さ
れ,Saポートにはソレノイド弁23Cを介して油圧P
aが供給され,Sbポートにはソレノイド弁23Dを介
して油圧Pbが供給される。スプール弁18は,油圧ラ
イン32へ連通するPLポート,油路17Aを介して増
速側シリンダ室13Aへ連通するAポート,油路17B
を介して減速側シリンダ室13Bへ連通するBポート,
リザーバへ連通する2つのRポートを備えている。ソレ
ノイド弁23C,23Dは,コントローラ24から出力
された制御信号に応じて作動するように構成されてい
る。スプール弁18とソレノイド弁23C,23Dは,
トロイダル型無段変速機1の変速比制御弁を構成してい
る。
【0028】傾転軸11の先端にはプリセスカム15が
連結され,中央部を枢着されたレバー16の一端がプリ
セスカム15に当接し,レバー16の他端がスプール弁
18のスプール21に当接している。プリセスカム15
は,トラニオン9の傾転軸11の軸方向変位量Yに応じ
て変位すると共に傾転角変位量θに応じても変位するの
で,両変位量が存在する場合には両変位量の合成変位量
を検出することになる。スプール21は,この合成変位
量に対応してスプール弁18内を変位する。スプール弁
18は,弁ケース内を摺動可能に配置されると共に内部
をスプール21が摺動自在に嵌合するスリーブ19を有
している。
連結され,中央部を枢着されたレバー16の一端がプリ
セスカム15に当接し,レバー16の他端がスプール弁
18のスプール21に当接している。プリセスカム15
は,トラニオン9の傾転軸11の軸方向変位量Yに応じ
て変位すると共に傾転角変位量θに応じても変位するの
で,両変位量が存在する場合には両変位量の合成変位量
を検出することになる。スプール21は,この合成変位
量に対応してスプール弁18内を変位する。スプール弁
18は,弁ケース内を摺動可能に配置されると共に内部
をスプール21が摺動自在に嵌合するスリーブ19を有
している。
【0029】コントローラ24には,エンジン回転数セ
ンサ25及びアクセルペダル踏込み量センサ26等の各
種センサからの検出信号が入力される。コントローラ2
4は,これらのセンサで検出されたエンジン回転数,ア
クセルペダル踏込み量等の変速情報信号に基づいて,目
標変速比を計算して,ソレノイド弁23C,23Dに制
御信号を出力する。なお,出力軸回転数センサ25は車
速センサであって,アクセルペダル踏込み量センサ26
はスロットル開度センサであってもよい。スリーブ19
は,目標変速比に応じて上記したソレノイド弁23C,
23Dが出力する出力圧に基づく油圧力とばね20とが
バランスする位置へシフトしている。
ンサ25及びアクセルペダル踏込み量センサ26等の各
種センサからの検出信号が入力される。コントローラ2
4は,これらのセンサで検出されたエンジン回転数,ア
クセルペダル踏込み量等の変速情報信号に基づいて,目
標変速比を計算して,ソレノイド弁23C,23Dに制
御信号を出力する。なお,出力軸回転数センサ25は車
速センサであって,アクセルペダル踏込み量センサ26
はスロットル開度センサであってもよい。スリーブ19
は,目標変速比に応じて上記したソレノイド弁23C,
23Dが出力する出力圧に基づく油圧力とばね20とが
バランスする位置へシフトしている。
【0030】スプール21の位置は,スリーブ19の位
置に合うようにフィードバック制御される。即ち,トロ
イダル型無段変速機1では,トラニオン9を中立位置か
らいずれか一方へ傾転軸方向(即ち,傾転軸11の軸方
向)に変位させると,その方向と変位量に応じた向きと
速さでトラニオン9が傾転軸11の回りで傾転するとい
う性質を利用して,該傾転を制御することにより変速制
御が行われる。詳細には,スプール21とスリーブ19
との相対位置に応じて,PLポートに入った油圧ライン
32の油圧は,油圧シリンダ13の増速側シリンダ室1
3A又は減速側シリンダ室13Bに選択的に供給され,
トラニオン9の傾転軸11方向位置が制御される。トラ
ニオン9の傾転軸11の軸方向位置Yが変化すると,ト
ラニオン9に回転支持されているパワーローラ6と入力
ディスク4及び出力ディスク5との摩擦接触点が変更さ
れ,パワーローラ6には傾転軸11の周りに傾転させる
力が発生する。トラニオン9の傾転軸11方向の変位量
Yとその回転方向変位θとの合成変位量が,プリセスカ
ム15によって検出される。検出された合成変位量は,
変速比の現在情報に該当し,レバー16を介してスプー
ル弁18のスプール21の変位に変換される。
置に合うようにフィードバック制御される。即ち,トロ
イダル型無段変速機1では,トラニオン9を中立位置か
らいずれか一方へ傾転軸方向(即ち,傾転軸11の軸方
向)に変位させると,その方向と変位量に応じた向きと
速さでトラニオン9が傾転軸11の回りで傾転するとい
う性質を利用して,該傾転を制御することにより変速制
御が行われる。詳細には,スプール21とスリーブ19
との相対位置に応じて,PLポートに入った油圧ライン
32の油圧は,油圧シリンダ13の増速側シリンダ室1
3A又は減速側シリンダ室13Bに選択的に供給され,
トラニオン9の傾転軸11方向位置が制御される。トラ
ニオン9の傾転軸11の軸方向位置Yが変化すると,ト
ラニオン9に回転支持されているパワーローラ6と入力
ディスク4及び出力ディスク5との摩擦接触点が変更さ
れ,パワーローラ6には傾転軸11の周りに傾転させる
力が発生する。トラニオン9の傾転軸11方向の変位量
Yとその回転方向変位θとの合成変位量が,プリセスカ
ム15によって検出される。検出された合成変位量は,
変速比の現在情報に該当し,レバー16を介してスプー
ル弁18のスプール21の変位に変換される。
【0031】まず,コントローラ24は,変速情報を基
に目標変速比を算出し,スプール弁18のポートSa,
Sbに作用する圧力Pa,Pbの差圧ΔPが,この目標
変速比に比例するようにソレノイド弁23C,23Dに
出力すべきduty(デューティ)CとdutyDとを
演算する。dutyとはパルス幅変調制御におけるON
とOFFの時間比率をいう。即ち,duty(%)は次
式で与えられる。 duty=(一周期のソレノイドON時間/ソレノイド
作動周期)×100 次に,dutyC及びdutyDをそれぞれソレノイド
弁23C,23Dへ出力する。スプール弁18のスリー
ブ19は,差圧ΔPとスリーブ19の両端に配設された
ばね20のばね力を受けて,釣り合う位置にまで移動す
る。即ち,スリーブ19の変位量は,目標変速比に比例
した変位量となる。
に目標変速比を算出し,スプール弁18のポートSa,
Sbに作用する圧力Pa,Pbの差圧ΔPが,この目標
変速比に比例するようにソレノイド弁23C,23Dに
出力すべきduty(デューティ)CとdutyDとを
演算する。dutyとはパルス幅変調制御におけるON
とOFFの時間比率をいう。即ち,duty(%)は次
式で与えられる。 duty=(一周期のソレノイドON時間/ソレノイド
作動周期)×100 次に,dutyC及びdutyDをそれぞれソレノイド
弁23C,23Dへ出力する。スプール弁18のスリー
ブ19は,差圧ΔPとスリーブ19の両端に配設された
ばね20のばね力を受けて,釣り合う位置にまで移動す
る。即ち,スリーブ19の変位量は,目標変速比に比例
した変位量となる。
【0032】例えば,トラニオン9がある中立位置にあ
るときに増速側に変速しようとする場合には,算出され
たdutyC及びdutyDがソレノイド弁23C,2
3Dに出力される結果,スプール弁18の両端に作用す
る油圧Pa及び油圧Pbの関係がPa>Pbの関係とな
り,スリーブ19は図で右側に移動する。油路17Bは
PLポートを介して油圧ライン32に連通し,油路17
AはRポートを介してリザーバへ連通して,油路17B
の圧力Puが油路17Aの圧力Pdよりも大きくなる
(Pu>Pd)。その結果,シリンダ室13A,13B
の圧力差により,図6においてトラニオン9は傾転軸方
向変位量Yが負の方向,即ち,左側のトラニオン9は上
方へ変位し,右側のトラニオン9は下方へ変位する。傾
転軸方向変位量Yが負(Y<0)であるから,パワーロ
ーラ6の傾転特性によってパワーローラ6の傾転角変位
量θが負(θ<0)の方向(増速側)へトラニオン9は
傾転を開始し増速側へ変速動作が開始される。このよう
に,パワーローラ6の傾転特性は,トラニオン9が傾転
軸11の軸方向に変位することによって傾転角の変位が
生じるものであるから,トラニオン9の傾転軸方向変位
量Yとパワーローラ6の傾転角変位量θとの合成変位量
がプリセスカム15によって検出されて,スプール21
がスリーブ19に追従するように変位する。
るときに増速側に変速しようとする場合には,算出され
たdutyC及びdutyDがソレノイド弁23C,2
3Dに出力される結果,スプール弁18の両端に作用す
る油圧Pa及び油圧Pbの関係がPa>Pbの関係とな
り,スリーブ19は図で右側に移動する。油路17Bは
PLポートを介して油圧ライン32に連通し,油路17
AはRポートを介してリザーバへ連通して,油路17B
の圧力Puが油路17Aの圧力Pdよりも大きくなる
(Pu>Pd)。その結果,シリンダ室13A,13B
の圧力差により,図6においてトラニオン9は傾転軸方
向変位量Yが負の方向,即ち,左側のトラニオン9は上
方へ変位し,右側のトラニオン9は下方へ変位する。傾
転軸方向変位量Yが負(Y<0)であるから,パワーロ
ーラ6の傾転特性によってパワーローラ6の傾転角変位
量θが負(θ<0)の方向(増速側)へトラニオン9は
傾転を開始し増速側へ変速動作が開始される。このよう
に,パワーローラ6の傾転特性は,トラニオン9が傾転
軸11の軸方向に変位することによって傾転角の変位が
生じるものであるから,トラニオン9の傾転軸方向変位
量Yとパワーローラ6の傾転角変位量θとの合成変位量
がプリセスカム15によって検出されて,スプール21
がスリーブ19に追従するように変位する。
【0033】更にトラニオン4の傾転が続くと,スプー
ル21は右側に変位し,スリーブ19との相対的な位置
が変化し,その相対位置の変化に応じて油路17Aの圧
力Paと油路17Bの圧力Pbが切り替わり,トラニオ
ン9の傾転軸方向変位量Yの方向が変化し,傾転軸方向
変位量Yが正の値になると減速側に傾転し,以上の変速
動作を繰り返して変速比は目標変速比に収束する。その
ときには,トラニオン4の傾転軸方向変位量Yもゼロに
なっており,変速動作が終了する。このとき,スプール
21とスリーブ19との位置が合わせられ,油圧アクチ
ュエータ12への作動油の供給が停止することになる。
この場合,油圧アクチュエータ12への作動油の圧力の
変動が少ないないことが安定した変速動作に繋がる。変
速動作時には,入力ディスク4とパワーローラ6及び出
力ディスク5とパワーローラ6との接線力に対向する力
と共に変速用に必要な油圧を油圧ライン32のライン圧
から油圧アクチュエータ12に供給する必要があるが,
ライン圧PLの圧力が安定していると,トラニオン9の
傾転軸11の軸方向変位に変速に必要なもの以外の変動
が生じず,安定した変速動作を得ることができる。
ル21は右側に変位し,スリーブ19との相対的な位置
が変化し,その相対位置の変化に応じて油路17Aの圧
力Paと油路17Bの圧力Pbが切り替わり,トラニオ
ン9の傾転軸方向変位量Yの方向が変化し,傾転軸方向
変位量Yが正の値になると減速側に傾転し,以上の変速
動作を繰り返して変速比は目標変速比に収束する。その
ときには,トラニオン4の傾転軸方向変位量Yもゼロに
なっており,変速動作が終了する。このとき,スプール
21とスリーブ19との位置が合わせられ,油圧アクチ
ュエータ12への作動油の供給が停止することになる。
この場合,油圧アクチュエータ12への作動油の圧力の
変動が少ないないことが安定した変速動作に繋がる。変
速動作時には,入力ディスク4とパワーローラ6及び出
力ディスク5とパワーローラ6との接線力に対向する力
と共に変速用に必要な油圧を油圧ライン32のライン圧
から油圧アクチュエータ12に供給する必要があるが,
ライン圧PLの圧力が安定していると,トラニオン9の
傾転軸11の軸方向変位に変速に必要なもの以外の変動
が生じず,安定した変速動作を得ることができる。
【0034】
【発明の効果】この発明によるリリーフ弁は,上記のよ
うに構成されているので,次のような効果を奏する。即
ち,それぞれの弁開部で排出される流量が従来のリリー
フ弁と比較して概略半分になるので,発生する流体力の
絶対値自体が小さくなると共に,各弁開部を作動油が通
過することによって生じる油圧力は,互いに向きが逆に
方向を向いているので相殺され,スプールの釣合いへの
影響を事実上無視できる程度にまで軽減される。したが
って,オイルポンプの吐出ラインである油圧ラインのラ
イン圧は,スプールのランドの縁部と弁ケースの壁部と
の間の弁開部を流れる油圧力の影響を受け難くなるの
で,所定の圧力に調圧される。その結果,ライン圧が低
圧に調圧されて変速機内部のクラッチへ供給すべき油圧
が不足して滑りを生じるということも,ライン圧が高圧
に調圧されてオイルポンプでの動力損失が増大する等の
問題が生じることがない。特に,トロイダル型無段変速
機のように,油圧源としてのオイルポンプから作動油が
供給される油圧アクチュエータの油圧力によってトラニ
オンの傾転軸方向の位置を制御し,それによって変速比
を制御するものにおいては,変速比制御弁を通じて消費
するオイル量が変速動作に合わせて大きく変化しても,
リリーフ弁で適正な圧力に調圧されることになり,安定
した変速比を得ることができる。
うに構成されているので,次のような効果を奏する。即
ち,それぞれの弁開部で排出される流量が従来のリリー
フ弁と比較して概略半分になるので,発生する流体力の
絶対値自体が小さくなると共に,各弁開部を作動油が通
過することによって生じる油圧力は,互いに向きが逆に
方向を向いているので相殺され,スプールの釣合いへの
影響を事実上無視できる程度にまで軽減される。したが
って,オイルポンプの吐出ラインである油圧ラインのラ
イン圧は,スプールのランドの縁部と弁ケースの壁部と
の間の弁開部を流れる油圧力の影響を受け難くなるの
で,所定の圧力に調圧される。その結果,ライン圧が低
圧に調圧されて変速機内部のクラッチへ供給すべき油圧
が不足して滑りを生じるということも,ライン圧が高圧
に調圧されてオイルポンプでの動力損失が増大する等の
問題が生じることがない。特に,トロイダル型無段変速
機のように,油圧源としてのオイルポンプから作動油が
供給される油圧アクチュエータの油圧力によってトラニ
オンの傾転軸方向の位置を制御し,それによって変速比
を制御するものにおいては,変速比制御弁を通じて消費
するオイル量が変速動作に合わせて大きく変化しても,
リリーフ弁で適正な圧力に調圧されることになり,安定
した変速比を得ることができる。
【図1】この発明によるリリーフ弁の一実施例を示す断
面図である。
面図である。
【図2】従来のリリーフ弁の一例を示す断面図である。
【図3】従来のリリーフ弁の別の例を示す断面図であ
る。
る。
【図4】オイルポンプを油圧源とし,トロイダル型無段
変速機を含む負荷に油圧を供給する油圧システムの概略
図である。
変速機を含む負荷に油圧を供給する油圧システムの概略
図である。
【図5】変速比制御機構を含むトロイダル型無段変速機
の一例を示す概略図である。
の一例を示す概略図である。
【図6】図5に示したトロイダル型無段変速機の制御シ
ステムの一例を示す図である。
ステムの一例を示す図である。
1 リリーフ弁 2 入力軸 3 出力軸 4 入力ディスク 5 出力ディスク 6 パワーローラ 9 トラニオン 11 傾転軸 12 油圧アクチュエータ 13A,13B 油圧シリンダ室 18 スプール弁 30 オイルポンプ 31 リザーバ 32 油圧ライン 40 リリーフ弁 41 弁ケース 42 大径穴 43 小径穴 44 スプール 47a 第1受圧面 47c 第2受圧面 48A 第1弁開部 48B 第2弁開部 49 設定ばね θ 傾転角度 P 入口ポート R1 第1出口ポート R2 第2出口ポート B1 第1室 B2 第2室 F 制御ポート Pmf パイロット制御圧 PL ライン圧
Claims (5)
- 【請求項1】 中空穴が形成されると共に油圧ラインに
接続される入口ポートとドレンラインに接続される出口
ポートとが形成された弁ケース,及び前記油圧ラインの
ライン圧と前記油圧ラインの設定圧との偏差に基づいて
前記中空穴内に変位可能に収容されたスプールを備え,
前記弁ケースと前記スプールとの間に形成され且つ前記
入口ポートと前記出口ポートとを接続する弁開部を前記
スプールの変位によって開閉することにより前記ライン
圧を前記設定圧に維持することから成るリリーフ弁にお
いて,前記出口ポートは第1出口ポート及び第2出口ポ
ートから構成され,前記弁開部は,前記入口ポートを前
記第1出口ポートに接続する第1弁開部と前記入口ポー
トを前記第2出口ポートに接続する第2弁開部とから成
り,圧油が前記第1弁開部と前記第2弁開部とを流れる
ときに前記スプールに生じる油圧力は互いに相殺される
ことを特徴とするリリーフ弁。 - 【請求項2】 前記スプールは前記中空穴を区画して少
なくとも第1室と第2室とを形成しており,前記第1室
は前記入口ポートに常に連通すると共に前記第1弁開部
を通じて前記第1出口ポートに連通しており,前記第2
室は前記第2弁開部を通じて前記入口ポートに連通する
と共に前記第2出口ポートに常に連通していることを特
徴とする請求項1に記載のリリーフ弁。 - 【請求項3】 前記スプールの第1端部には,前記設定
圧を定めるため,設定ばねが係合すると共にパイロット
制御圧が作用する第1受圧面が形成されており,前記ス
プールの第2端部には前記ライン圧が作用する第2受圧
面が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に
記載のリリーフ弁。 - 【請求項4】 前記油圧ラインは,固定容量式オイルポ
ンプ又は可変容量式オイルポンプの吐出ラインであるこ
とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のリ
リーフ弁。 - 【請求項5】 前記リリーフ弁はトロイダル型無段変速
機の変速用油圧シリンダに接続される前記油圧ラインと
しての変速用油圧ラインに適用されており,前記トロイ
ダル型無段変速機は,対向して配置された入力ディスク
と出力ディスク,前記両ディスクに対する傾転角度に応
じて前記入力ディスクの回転を無段階に変速して前記出
力ディスクに伝達する一対のパワーローラ,及び前記パ
ワーローラをそれぞれ回転自在に支持し且つ前記変速用
油圧シリンダの作動によって傾転軸方向へ変位されるこ
とにより前記傾転軸回りに回転するトラニオンを具備
し,前記変速用油圧シリンダは変速比制御弁を通じての
前記変速用油圧ラインのライン圧が供給されて作動する
二つのシリンダ室を備え,前記各シリンダ室は前記変速
比制御弁が中立位置にある状態で前記変速用油圧ライン
と遮断され且つ前記変速比制御弁が前記中立位置から変
位した状態で前記各シリンダ室を前記変速用油圧ライン
とリザーバとにそれぞれ選択的に連通されることから成
ることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載
のリリーフ弁。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10186898A JPH11287341A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | リリーフ弁 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10186898A JPH11287341A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | リリーフ弁 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11287341A true JPH11287341A (ja) | 1999-10-19 |
Family
ID=14311977
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10186898A Pending JPH11287341A (ja) | 1998-03-31 | 1998-03-31 | リリーフ弁 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11287341A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103038558A (zh) * | 2010-06-11 | 2013-04-10 | 布勒股份公司 | 阀门配置 |
| CN108050225A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-05-18 | 浙江大学城市学院 | 液压传动无级变速系统 |
| CN109323025A (zh) * | 2018-12-12 | 2019-02-12 | 李军 | 一种泄压泵 |
-
1998
- 1998-03-31 JP JP10186898A patent/JPH11287341A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103038558A (zh) * | 2010-06-11 | 2013-04-10 | 布勒股份公司 | 阀门配置 |
| JP2013528271A (ja) * | 2010-06-11 | 2013-07-08 | ビューラー・アクチエンゲゼルシャフト | 主流路と少なくとも1つの流路との間における貫流を制御する弁装置及び方法 |
| CN108050225A (zh) * | 2017-12-29 | 2018-05-18 | 浙江大学城市学院 | 液压传动无级变速系统 |
| CN108050225B (zh) * | 2017-12-29 | 2023-09-08 | 浙江大学城市学院 | 液压传动无级变速系统 |
| CN109323025A (zh) * | 2018-12-12 | 2019-02-12 | 李军 | 一种泄压泵 |
| CN109323025B (zh) * | 2018-12-12 | 2019-12-03 | 万静琼 | 一种泄压泵 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US7056261B2 (en) | Hydraulic control circuit for a continuously variable transmission | |
| EP0982512B1 (en) | Clutch hydraulic controller | |
| US6162144A (en) | Traction coefficient control for a continuously variable transmission | |
| JP4048625B2 (ja) | 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 | |
| EP1085241A2 (en) | Hydraulic control for a continuously variable transmission | |
| JP3461846B2 (ja) | 無段階に調節可能な円錐ベルト車巻き掛け伝動装置 | |
| JP2757304B2 (ja) | 変速機の油圧制御装置 | |
| US5649876A (en) | Pulley thrust pressure control apparatus for belt-type continuously variable transmission | |
| EP1099884A2 (en) | Controller of toroidal continuously variable transmission | |
| EP0534971A1 (en) | Control system for a continuously variable cone pulley-drive belt transmission | |
| JPH11287341A (ja) | リリーフ弁 | |
| JPH023071B2 (ja) | ||
| JP3991528B2 (ja) | 無段変速機のための発進クラッチ制御装置 | |
| EP1092895A2 (en) | Toroidal continuously-variable transmissions | |
| JP2001271896A (ja) | ベルト式無段変速機 | |
| JPH09210165A (ja) | トロイダル型無段変速機 | |
| JP3518468B2 (ja) | 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 | |
| JPH11247964A (ja) | 変速比無限大無段変速機の変速制御装置 | |
| JP2792370B2 (ja) | 無段変速機の油圧制御装置 | |
| JP3446413B2 (ja) | 変速比無限大無段変速機のトルク伝達力制御装置 | |
| JP2699343B2 (ja) | 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 | |
| JP3586137B2 (ja) | 可変容量型油圧モータの容量制御装置 | |
| JP3302786B2 (ja) | トロイダル型無段変速機のバルブボディ構造 | |
| JP2699331B2 (ja) | 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 | |
| JPH10274301A (ja) | トロイダル型無段変速機 |