JPH11287541A5 - - Google Patents
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- JPH11287541A5 JPH11287541A5 JP1998088353A JP8835398A JPH11287541A5 JP H11287541 A5 JPH11287541 A5 JP H11287541A5 JP 1998088353 A JP1998088353 A JP 1998088353A JP 8835398 A JP8835398 A JP 8835398A JP H11287541 A5 JPH11287541 A5 JP H11287541A5
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する貯水槽とを備え、各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うタイプの氷蓄熱装置(以下、流下液膜式氷蓄熱装置ともいう)およびその運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる流下液膜式氷蓄熱装置は、本出願人による特開平5−240538号公報(特公平8−20152号公報)に示されるように既に公知なものであり、その概要を図9に示した。
【0003】
図示例の流下液膜式氷蓄熱装置100は、ケーシング104の下部を貯水槽102とし、ケーシング104内における、貯水槽102の水面の上方に製氷用冷媒の通る冷却コイル101を配設し、かつ冷却コイル101の上方に複数の散水器を配設してなるものである。冷却コイル101はケーシング104外部の冷凍機105と連結しており、この冷凍機105との間で製氷用冷媒を循環させるようになっている。
【0004】
そして、製氷時には、貯水槽102内の水を製氷用給水ポンプ106により直接に散水器103に供給し、散水器103から冷却コイル101上に散布する。散布した水は冷却コイル101の外表面を上部から下部へと巡りながら流下する過程で、冷却コイル101内を循環する製氷用冷媒により冷却され氷となる。この着氷位置は冷却コイル101の下部から上部へとしだいに進み、最終的には冷却コイル101全体に及ぶ。このようにして、冷却コイル101外面に氷が貯えられる。
【0005】
これに対して、冷水利用運転時には、貯水槽102内の冷水を冷水供給ポンプ111により冷水利用部110に供給し、当該冷水利用部110において利用(熱交換)する。次いで、利用済みの水を散水器103に供給し、この散水器103から散布する。散布した水は冷却コイル101表面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で冷却され、しかる後貯水槽102に戻される。この際、冷却コイル101から剥離して落下する氷もあり、この落下氷は貯水槽102内の水を冷却する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の流下液膜式氷蓄熱装置では、隣合う冷却コイル間に跨る大きな氷塊を形成することがあった(以下、この現象をブリッジングともいう)。
【0007】
すなわち、冷水利用運転の際に冷水利用部で必要とする水温の冷水を常に得るためには、1回の冷水利用運転に必要とされる量よりも多い量の氷を製造して貯える必要がある。この場合、冷水利用運転によって氷を全て使いきることなく、冷却コイルに氷を残したままで次の製氷運転を行うことになる。この製氷運転においては残氷部分の上にも着氷するため、当該残氷部分が周囲よりも厚肉な氷に成長する。また、この厚肉な氷は続く冷水利用運転時において当然に融け難いので、当該運転終了後、より厚肉な氷として残存する。このようにして、製氷運転と冷水製造運転とを繰り返すにつれ、図10に示すように冷却コイル101間に跨る大きな氷塊を形成する、ブリッジングを生じることになる。
【0008】
そして、ブリッジングを生ずると、貯えた氷の表面積が極端に小さくなり、氷塊の内部が実質的に冷却に寄与しなくなること、および氷塊部分に氷が偏在しているので、氷に接触せずに又は接触するが殆ど冷却されずに貯水槽に至る水が多くなることによって冷却能力が著しく低下し、冷水利用運転中に所望の温度の冷水を得られなくなることがある。
【0009】
他方、かかる問題点を解決すべく、従来は、冷水利用量を予測し、この予測結果に応じて必要十分な量の氷を製氷することにより、冷水利用運転終了後に冷却コイルに氷を残さないようにする運転制御を行っていた。しかし、予測方法が非常に複雑である点、および正確さに欠けることある点が問題となっていた。
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、簡単な運転制御でブリッジングを防止し、もって冷水利用運転中の冷却能力不足を防止することのできる氷蓄熱装置および氷蓄熱装置の運転制御方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の氷蓄熱装置は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる複数の製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する少なくとも1つの貯水槽とを備え、
各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うことができるように構成してなる氷蓄熱装置であって、
前記貯水槽から前記冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設け、
製氷運転時、前記複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで前記製氷運転を行い、
冷水利用運転時、直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部いずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行い、
直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明装置において、前記冷水利用運転における製氷・冷却部の切替えに先立って、前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部と次の製氷・冷却部とを併用して前記冷水利用運転を行い、
しかる後、前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による前記冷水利用運転に切り替えるように構成するのは好ましい。
【0013】
また、本発明装置は、前記製氷運転と前記冷水利用運転とを交互に行うとともに、半数または過半数の製氷・冷却部の貯留氷を完全に融解させる冷水利用運転を行うものであり、かつ
各前記冷却コイルは、残氷を有する状態でさらに1回の前記製氷運転を行ってもコイル間に跨る氷塊を形成しない間隔を有するものであるのは好ましい。
【0014】
さらに、本発明装置において、前記製氷運転開始時における前記複数の製氷・冷却部の総残氷量が前記所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うように構成するのも好ましい。
【0015】
一方、本発明の氷蓄熱装置の運転制御方法は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる複数の製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する少なくとも1つの貯水槽とを備え、
各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うことができるように構成し、
さらに前記貯水槽から前記冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設けてなる氷蓄熱装置を用い、
製氷運転時、前記複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで前記製氷運転を行い、
冷水利用運転時、直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部いずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行い、
直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行う冷水利用運転制御の下で運転を行うことを特徴とする方法である。
【0016】
<作用1>
本発明では、冷却コイルと散水器とからなる製氷・冷却部を複数に分割し、これら複数の製氷・冷却部を個別に使用して製氷運転および冷水利用運転を行うことができる構成とし、さらに貯水槽から冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設けるとともに、次の運転を行うように構成した。
【0017】
先ず、本発明の装置では、複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで製氷運転を行う。したがって、製氷量を決定するにあたり、複雑かつ不正確な冷水利用量予測等を必要としない。しかし、かかる製氷運転を行うだけでは、前述のブリッジングを防止することができない。
【0018】
そこで、さらに本発明装置では、基本的には供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。ただし、直前の製氷運転の開始時に製氷・冷却部に氷が残存していたか否かで製氷・冷却部の使用順番が異なる。
【0019】
すなわち、複数の製氷・冷却部のいずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番でかつ前述の切替え条件に従い複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。一方、製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前述の切替え条件に従い複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。
【0020】
このように、直前の製氷運転開始時に氷が残存していた製氷・冷却部を優先的に使用して冷水利用運転を行うことで、残氷の上に重ねて氷を成長させることが少なくなり、ブリッジングが生じにくくなるのである。
【0021】
<作用2>
また、かかる冷水利用運転における製氷・冷却部の切替えに先立って、供給水温測定手段による測定水温が上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部と次の製氷・冷却部とを併用して冷水利用運転を行い、しかる後、測定水温が限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による冷水利用運転に切り替えると、冷水供給部へ供給する冷水の温度変動を小さくすることができる。
【0022】
<作用3>
さらに、通常の氷蓄熱装置では、製氷運転と冷水利用運転とを交互に行う。また、かかる交互運転において、半数または過半数の製氷・冷却部の貯留氷を完全に融解させる冷水利用運転を行うことが多い。この場合、残氷の上に重ねて氷を成長させる回数が多くとも1回となる。したがって、各冷却コイルを、残氷を有する状態でさらに前記製氷運転を行ってもコイル間に跨る氷塊を形成しない間隔を有するものとしておけば、ブリッジングをより確実に防止できる。
【0023】
<作用4>
製氷運転開始時における複数の製氷・冷却部の総残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うようにすると、残氷の上に複数回重ねて製氷を行うことがなくなる。よってブリッジングを生ずることがなくなる。
【0024】
なお、本発明の氷蓄熱装置の運転制御方法についての作用は、前述作用1と同様であるので、ここでは敢えて説明を略す。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳述する。
図1は、本発明に係る氷蓄熱装置10を適用した氷蓄熱式空調システム1のフロー図を示している。この氷蓄熱装置10は、底面開放型の第1ケーシング14Lと、この第1ケーシング14L内の上部に配設した複数の第1散水器13Lと、この下方に配設した第1冷却コイル12L(図示例では一本であるが、複数本であっても良い)とからなる第1製氷・冷却部11Lを備え、これと横並びに、底面開放型の第2ケーシング14Rと、この第2ケーシング14R内の上部に配設した複数の第2散水器13Rと、この下方に配設した第2冷却コイル12Rとからなる第2製氷・冷却部11Rを備え、さらに第1および第2ケーシング14L,14Rの下方に、それら双方の底面開放部と通じ、かつ第1および第2前記製氷・冷却部11L,11Rの下方に貯留水面を維持しうる程度の容積の貯水槽15を備えている。
【0026】
この貯水槽15には、貯水位を測定する水位測定手段16が設けられている。この水位測定手段16としては、超音波センサなどの非接触型センサを用いるのが好ましいが、接触型センサを用いることもできる。
【0027】
さらに、本氷蓄熱装置10においては、第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの各冷却コイル12L,12Rの各々は、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジング(コイル12L間または12R間に跨る氷塊の形成)を生じない間隔を有する。
【0028】
また、氷蓄熱装置10の第1および第2冷却コイル12L,12Rは、第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4によりそれぞれ冷凍機Bと連結されており、これら第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4を介して、冷凍機Bからの製氷用冷媒が第1および第2冷却コイル12L,12R内に流通される。また、第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4には、各々、第1冷媒流量調整弁V3および第2冷媒流量調整弁V4が配設されており、これらによって、各々の冷却コイル12L,12Rに対する冷媒供給量が調整される。P2は製氷用冷媒循環ポンプを示している。
【0029】
一方、かかる氷蓄熱装置10の貯水槽15と冷水利用部たる空調機2とが冷水供給ポンプP1を有する冷水供給路R1により連結されている。この冷水供給路R1における貯水槽15寄りに供給水温測定手段17が配設されている。また、空調機2には利用済みの水を返送するための温水返送路R2が連結され、この温水返送路R2は途中で分岐され、その一方が第1散水器13Lと連結され、他方が第2散水器13Rと連結されている。これらにより、冷水利用運転時の水循環経路が形成される。さらに、温水返送路R2における、分岐点と第1散水器13Lとの間および分岐点と第2散水器13Rとの間には、それぞれ第1水流量調整弁V1および第2水流量調整弁V2が配設されている。
【0030】
また、これら冷水供給路R1と温水返送路R2における空調機2および分岐点間とが製氷用給水路R5により連結されて製氷運転時の水循環経路が形成されており、この製氷用給水路R5には製氷用給水ポンプP3が配設されている。
【0031】
以下、本氷蓄熱式空調システム1の運転例について、図2〜図8に示すフローチャートに従い説明する。
<製氷運転例>
製氷運転は、第1の製氷・冷却部11Lおよび第2の製氷・冷却部11Rの総貯氷量が所定貯氷量となるまで行う。この製氷運転は、運転開始時において残氷があると否とにかかわらず、例えば図2に示すフローチャートに従って行うことができる。
【0032】
すなわち、先ず第1水流量調整弁V1、第2水流量調整弁V2、第1冷媒流量調整弁V3、および第2冷媒流量調整弁V4を開ける。次に製氷用冷媒循環ポンプP2を作動させて冷凍機Bと第1冷却コイル12Lとの間で製氷用冷媒を循環させるとともに、製氷用給水ポンプP3を作動させ、貯水槽15の貯留水を、冷水供給路R1、製氷用給水路R5および温水返送路R2を介して第1製氷・冷却部11Lの散水器13Lおよび第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rにそれぞれ供給する。
【0033】
第1製氷・冷却部11Lでは、貯水槽15からの水を第1散水器13Lから第1冷却コイル12Lに向けて散布する。散布水は第1冷却コイル12Lの表面を上部から下部へと巡りながら流下する過程で、当該コイル12L内を通る製氷用冷媒により冷却され氷となる。この着氷位置は第1冷却コイル12Lの下部から上部へと徐々に移動していく。このようにして、第1製氷・冷却部11Lの第1冷却コイル12L外面に氷が貯えられる。同様に、第2製氷・冷却部11Rでも第2冷却コイル12R外面に氷が貯えられる。冷却されただけで氷とならずに貯水槽15に戻される水もあり、この水は再び製氷用給水ポンプP3により第1製氷・冷却部11Lおよび第2製氷・冷却部11Rに供給される。
【0034】
このように第1および第2製氷・冷却部11L,11R同時に製氷運転を行い、それらの総貯氷量が所定貯氷量(例;1回の冷水利用運転における最多使用量)となったならば製氷用冷媒循環ポンプP2および製氷用給水ポンプP3を停止し、製氷運転を終了させる。
【0035】
ここに、製氷運転時においては総貯氷量が所定量となったか否かを評価する必要がある。また、後述の冷水利用運転のために、直前の製氷運転開始時に残氷があったか否かを評価しておく必要もある。これらの評価は例えば次のように行うことができる。
【0036】
先ず、製氷運転の開始に先立って、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位(総貯氷量が0の時の貯水位)とを比較することにより、残氷があるか否かを評価する。すなわち、測定水位と初期水位とに差が無ければ残氷は存在せず、差があれば残氷が存在する。
【0037】
次に、製氷運転を開始した後も、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位との差を求め、この水位差と貯水槽15のサイズとに基づいて第1および第2製氷冷却部の総貯氷量(初期貯水量と水位測定時の貯水量との差)を求め、これと所定貯氷量とを比較することにより、総貯氷量が所定量となったか否かを評価する。
【0038】
<冷水利用運転例>
次に、冷水利用運転について説明する。本発明では、例えば図3に示すフローチャートに従って第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの使用順序を先ず定める。すなわち、直前の製氷運転開始時において第1および第2製氷・冷却部11L,11Rのいずれにも残氷が存在していない場合には、第1製氷・冷却部11Lおよび第2製氷・冷却部11Rのいずれを先に使用しても良い。
【0039】
例えば、第1製氷・冷却部11Lを先に使用し、次いで第2製氷・冷却部11Rを使用して冷水利用運転を行う場合には、図4に示すフローチャートに従う。すなわち、先ず第1水流量調整弁V1を開けるとともに第2水流量調整弁V2を閉めた後、冷水供給ポンプP1を作動させて、貯水槽15内の冷水を冷水供給路R1を介して空調機2に供給し、この空調機2において利用(熱交換)させ、利用済みの水を温水返送路R2を介して第1製氷・冷却部11Lの第1散水器13Lに供給し、この第1散水器13Lから第1冷却コイル12L上に散布する。この際、第2水流量調整弁V2は閉められているので、第2製氷・冷却部11Rには空調機2からの利用済みの水は返送されない。第1散水器13Lから散布された水は第1冷却コイル12L外面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で徐々に冷却され、しかる後貯水槽15に落下供給される。この際、第1冷却コイル12Lに付着した氷は融解する。また融解により第1冷却コイル12Lから剥離して落下する氷もあり、この落下氷によって貯水槽15内の水も冷却される。冷却され貯水槽15に戻された水は、再び空調機2へ供給される。
【0040】
また、かかる第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転において、供給水温測定手段17により、貯水槽15から空調機2へ供給する冷水の温度T(以下、供給冷水温度ともいう)を測定し、限界温度(空調機2の運転上必要とする温度の上限)との比較を行う。本装置は低温送水が可能であるので、フローチャートに示すように、以下では限界温度を2℃とする。
【0041】
そして、この比較の結果、供給冷水温度Tが2℃を超えない場合には第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転を継続し、供給冷水温度が2℃を超えた場合には第2製氷・冷却部11Rによる冷水利用運転に切り替える。すなわち、第1水流量調整弁V1を閉めるとともに第2水流量調整弁V2を開けて、空調機2からの利用済みの水を温水返送路R2を介して第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rに供給し、この第2散水器13Rから第2冷却コイル12R上に散布する。今度は、第1水流量調整弁V1は閉められているので、第1製氷・冷却部11Lには空調機2からの利用済みの水は返送されない。第2散水器13Rから散布された水は第2冷却コイル12R外面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で徐々に冷却され、しかる後貯水槽15に落下供給され、また第2冷却コイル12R外面の氷は融解され、融解により第2冷却コイル12Rから剥離して落下する氷もあり、この落下氷によって貯水槽15内の水も冷却される。そして、貯水槽15内の貯留冷水は空調機2へ供給され利用され、再び第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rに返送される。そして、予め設定された冷水利用運転終了時間になったならば、第2製氷・冷却部11Rに氷が残存していると否とに関わらず冷水供給ポンプP1を停止させ、冷水利用運転を終了する。しかる後、前述の製氷運転を行う。
【0042】
これに対して、直前の製氷運転開始時において第1および第2製氷・冷却部11L,11Rのいずれかに残氷が存在していた場合(例えば、前回の冷水利用運転の際に貯留氷を全て使い切らずに当該運転を終了し、直ぐに製氷運転を開始した場合)には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で使用して冷水量運転を行う。
【0043】
例えば第2製氷・冷却部11Rに残氷が存在していた場合、図5に示すフローチャートに従い、第2水流量調整弁V2を開けるとともに第1水流量調整弁V1を閉めた後に冷水供給ポンプP1を作動させて、先に第2製氷・冷却部11Rによる冷水利用運転を行い、供給冷水温度Tが2℃を超えたならば、第1水流量調整弁V1を開けるとともに第2水流量調整弁V2を閉めて、第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転に切り替える。なお、第1製氷・冷却部11Lに氷が残存していた場合には、前述の図4のフローチャートに従った運転制御を行う。
【0044】
このように、本氷蓄熱装置10では、直前の製氷運転開始時に氷が残存していた製氷・冷却部を優先的に使用して冷水利用運転を行うので、残氷の上に重ねて氷を成長させることが少なく、よってブリッジングを生じさせにくい。
【0045】
また、かかる空調システム1の氷蓄熱装置10では、通常、夜間の製氷運転と昼間の冷水利用運転とを交互に行うとともに、1回の冷水利用運転の際に少なくとも一方の製氷・冷却部の貯留氷については完全に融解するため、前述の図2のフローチャートに従って製氷運転を行っても、残氷の上に重ねて氷を成長させる回数は多くとも1回である。したがって、本氷蓄熱装置10のように、各冷却コイル12L,12Rを、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジングを生じない間隔のものとしておくことで、ブリッジングをより確実に防止することができる。
【0046】
<他の製氷運転例>
他方、氷蓄熱装置では、一度の冷水利用運転によって使用する氷量が総貯氷量の50%未満となる場合があり、かかる場合に例えば前述の図2のフローチャートに示すように第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの両方に略同量の水を供給して製氷を行うと、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させてしまい、ブリッジングを生じさせてしまうことがある。これを回避すべく、冷却コイルの間隔をさらにあけることもできるが、製氷運転開始時における総残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うこともできる。
【0047】
すなわち、先ず製氷運転に先立って総残氷量を評価する。上記氷蓄熱装置10を用いる場合には、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位との差を求め、この水位差と貯水槽15のサイズとに基づいて総残氷量(初期貯水量と製氷運転開始時の貯水量との差)を求める。
【0048】
その結果、残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転において未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行う。上記氷蓄熱装置10を用いる場合、第1製氷・冷却部11Lだけ製氷を行うときには図6に示すフローチャートに従い、第2製氷・冷却部11Rだけ製氷を行うときには図7に示すフローチャートに従い製氷を行うことができる。なお、製氷・冷却部が未使用か否かは第1または第2水流量調整弁V1,V2を開けたか否かで判別できる。
【0049】
このような製氷運転を行うことにより、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させることがなくなる。よって、ブリッジングを生じなくなる。
【0050】
<他の冷水利用運転例>
冷水利用運転において、製氷・冷却部の切替えに先立って、供給冷水温度Tが上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部とともに次の製氷・冷却部を併用して冷水利用運転を行い、しかる後、供給冷水温度Tが限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による冷水利用運転に切り替える切替え制御を行うと、供給冷水の温度変動を少なくすることができる。
【0051】
例えば、前述の2つの製氷・冷却部11L,11Rを有する氷蓄熱装置10において、第2製氷・冷却部11Rを先に使用して冷水利用運転を行う場合には、図8に示すフローチャートに従う。すなわち、第1水流量調整弁V1を閉めるとともに第2水流量調整弁V2を開け、冷水供給ポンプP1を作動させる。そして、供給冷水温度Tが、2℃(限界温度)よりは低いものの1.5℃(上昇開始温度)より高くなったならば、第2水流量調整弁V2を開けたままで第1水流量調整弁V1を開け、第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの両方による冷水利用運転に切り替える。しかる後、供給冷水温度Tが2℃を超えたならば、第1水流量調整弁V1は開けたままで第2水流量調整弁V2を閉じて、第1製氷・冷却部11Lのみによる冷水利用運転に切り替える。
【0052】
本氷蓄熱装置10のように、流下液膜式のものは、製氷・冷却部に氷が残存していても、ある程度まで貯氷量が減少すると供給冷水温度が上昇し始める。よって、供給冷水温度が上昇開始温度(適宜設定する)を超えたならば、次の製氷・冷却部を併用して冷水利用運転を行い、供給冷水温度が限界温度を超えたならば次ぎの製氷・冷却部のみによる冷水利用運転に切り替えることで、切替え時における供給冷水温度の変動を小さくすることができるのである。
【0053】
また、本冷水利用運転を前述のような2つの製氷・冷却部を有する氷蓄熱装置に適用した場合には、1回の冷水利用運転において少なくとも一方の製氷・冷却部の氷を完全に使い切ることができるので、前述の他の製氷運転例に示す製氷運転を行わずとも、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させることがなくなる。よって、冷却コイルを、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジングを生じない間隔のものとしておけば、ブリッジングを生じることは実質的にない。
【0054】
<その他>
(イ)上記例では、貯水槽15を一つとしたが、製氷・冷却部の数に対応させて2つにしたり、あるいは3つ以上設けることもできる。
【0055】
(ロ)本発明において製氷・冷却部は3つ以上であっても良い。特に、製氷冷却部を3つ以上に分割した場合には、前述の他の製氷運転例に従って製氷運転を行うことを推奨する。
【0056】
(ハ)上記例において、例えば貯氷量の不足により空調機2が必要とする温度の冷水を送ることができない場合には、冷水利用運転と製氷運転とを同時に行うことができる。
【0057】
(ニ)なお、本発明における運転制御に関する事項、例えば、弁の開閉やポンプの作動および停止、供給冷水温度の測定、貯水位測定、供給冷水温度と上昇開始温度または限界温度との比較、貯氷量の計算・記憶等は、上記例では示していないが適宜の制御装置により行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、製氷量を決定するにあたり不正確なことのある複雑な冷水利用量予測等を必要とせずに、ブリッジングを効果的に防止し、もって冷水利用運転中の冷却能力不足を防止することができる。
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する貯水槽とを備え、各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うタイプの氷蓄熱装置(以下、流下液膜式氷蓄熱装置ともいう)およびその運転制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる流下液膜式氷蓄熱装置は、本出願人による特開平5−240538号公報(特公平8−20152号公報)に示されるように既に公知なものであり、その概要を図9に示した。
【0003】
図示例の流下液膜式氷蓄熱装置100は、ケーシング104の下部を貯水槽102とし、ケーシング104内における、貯水槽102の水面の上方に製氷用冷媒の通る冷却コイル101を配設し、かつ冷却コイル101の上方に複数の散水器を配設してなるものである。冷却コイル101はケーシング104外部の冷凍機105と連結しており、この冷凍機105との間で製氷用冷媒を循環させるようになっている。
【0004】
そして、製氷時には、貯水槽102内の水を製氷用給水ポンプ106により直接に散水器103に供給し、散水器103から冷却コイル101上に散布する。散布した水は冷却コイル101の外表面を上部から下部へと巡りながら流下する過程で、冷却コイル101内を循環する製氷用冷媒により冷却され氷となる。この着氷位置は冷却コイル101の下部から上部へとしだいに進み、最終的には冷却コイル101全体に及ぶ。このようにして、冷却コイル101外面に氷が貯えられる。
【0005】
これに対して、冷水利用運転時には、貯水槽102内の冷水を冷水供給ポンプ111により冷水利用部110に供給し、当該冷水利用部110において利用(熱交換)する。次いで、利用済みの水を散水器103に供給し、この散水器103から散布する。散布した水は冷却コイル101表面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で冷却され、しかる後貯水槽102に戻される。この際、冷却コイル101から剥離して落下する氷もあり、この落下氷は貯水槽102内の水を冷却する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の流下液膜式氷蓄熱装置では、隣合う冷却コイル間に跨る大きな氷塊を形成することがあった(以下、この現象をブリッジングともいう)。
【0007】
すなわち、冷水利用運転の際に冷水利用部で必要とする水温の冷水を常に得るためには、1回の冷水利用運転に必要とされる量よりも多い量の氷を製造して貯える必要がある。この場合、冷水利用運転によって氷を全て使いきることなく、冷却コイルに氷を残したままで次の製氷運転を行うことになる。この製氷運転においては残氷部分の上にも着氷するため、当該残氷部分が周囲よりも厚肉な氷に成長する。また、この厚肉な氷は続く冷水利用運転時において当然に融け難いので、当該運転終了後、より厚肉な氷として残存する。このようにして、製氷運転と冷水製造運転とを繰り返すにつれ、図10に示すように冷却コイル101間に跨る大きな氷塊を形成する、ブリッジングを生じることになる。
【0008】
そして、ブリッジングを生ずると、貯えた氷の表面積が極端に小さくなり、氷塊の内部が実質的に冷却に寄与しなくなること、および氷塊部分に氷が偏在しているので、氷に接触せずに又は接触するが殆ど冷却されずに貯水槽に至る水が多くなることによって冷却能力が著しく低下し、冷水利用運転中に所望の温度の冷水を得られなくなることがある。
【0009】
他方、かかる問題点を解決すべく、従来は、冷水利用量を予測し、この予測結果に応じて必要十分な量の氷を製氷することにより、冷水利用運転終了後に冷却コイルに氷を残さないようにする運転制御を行っていた。しかし、予測方法が非常に複雑である点、および正確さに欠けることある点が問題となっていた。
【0010】
そこで、本発明の主たる課題は、簡単な運転制御でブリッジングを防止し、もって冷水利用運転中の冷却能力不足を防止することのできる氷蓄熱装置および氷蓄熱装置の運転制御方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明の氷蓄熱装置は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる複数の製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する少なくとも1つの貯水槽とを備え、
各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うことができるように構成してなる氷蓄熱装置であって、
前記貯水槽から前記冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設け、
製氷運転時、前記複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで前記製氷運転を行い、
冷水利用運転時、直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部いずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行い、
直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行うように構成したことを特徴とするものである。
【0012】
本発明装置において、前記冷水利用運転における製氷・冷却部の切替えに先立って、前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部と次の製氷・冷却部とを併用して前記冷水利用運転を行い、
しかる後、前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による前記冷水利用運転に切り替えるように構成するのは好ましい。
【0013】
また、本発明装置は、前記製氷運転と前記冷水利用運転とを交互に行うとともに、半数または過半数の製氷・冷却部の貯留氷を完全に融解させる冷水利用運転を行うものであり、かつ
各前記冷却コイルは、残氷を有する状態でさらに1回の前記製氷運転を行ってもコイル間に跨る氷塊を形成しない間隔を有するものであるのは好ましい。
【0014】
さらに、本発明装置において、前記製氷運転開始時における前記複数の製氷・冷却部の総残氷量が前記所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うように構成するのも好ましい。
【0015】
一方、本発明の氷蓄熱装置の運転制御方法は、冷却コイルとその上方に配設した散水器とからなる複数の製氷・冷却部と、これら製氷・冷却部からの流下水を貯留し、かつ貯留水面を前記製氷・冷却部の下方に維持する少なくとも1つの貯水槽とを備え、
各製氷・冷却部に関して、前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面を巡りつつ流下させて冷却し、前記冷却コイル外面に氷を形成しかつ貯える製氷運転、および前記散水器からの散布水を前記冷却コイル外面の氷表面を巡りつつ流下させて冷却し、冷却した水を前記貯水槽に貯留し、この貯水槽の貯留水を冷水利用部に供給して利用する冷水利用運転を行うことができるように構成し、
さらに前記貯水槽から前記冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設けてなる氷蓄熱装置を用い、
製氷運転時、前記複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで前記製氷運転を行い、
冷水利用運転時、直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部いずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行い、
直前の製氷運転の開始時に前記複数の製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前記供給水温測定手段による測定水温が前記限界温度を超えたことを切替条件として、前記複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ前記冷水利用運転を行う冷水利用運転制御の下で運転を行うことを特徴とする方法である。
【0016】
<作用1>
本発明では、冷却コイルと散水器とからなる製氷・冷却部を複数に分割し、これら複数の製氷・冷却部を個別に使用して製氷運転および冷水利用運転を行うことができる構成とし、さらに貯水槽から冷水利用部に供給する水の温度を測定する供給水温測定手段を設けるとともに、次の運転を行うように構成した。
【0017】
先ず、本発明の装置では、複数の製氷・冷却部の総貯氷量が所定貯氷量となるまで製氷運転を行う。したがって、製氷量を決定するにあたり、複雑かつ不正確な冷水利用量予測等を必要としない。しかし、かかる製氷運転を行うだけでは、前述のブリッジングを防止することができない。
【0018】
そこで、さらに本発明装置では、基本的には供給水温測定手段による測定水温が上昇し限界温度を超えたことを切替条件として、複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。ただし、直前の製氷運転の開始時に製氷・冷却部に氷が残存していたか否かで製氷・冷却部の使用順番が異なる。
【0019】
すなわち、複数の製氷・冷却部のいずれにも氷が残存していなかった場合には、任意の順番でかつ前述の切替え条件に従い複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。一方、製氷・冷却部のいずれかに氷が残存していた場合には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で、かつ前述の切替え条件に従い複数の製氷・冷却部を切り替えて使用しつつ冷水利用運転を行う。
【0020】
このように、直前の製氷運転開始時に氷が残存していた製氷・冷却部を優先的に使用して冷水利用運転を行うことで、残氷の上に重ねて氷を成長させることが少なくなり、ブリッジングが生じにくくなるのである。
【0021】
<作用2>
また、かかる冷水利用運転における製氷・冷却部の切替えに先立って、供給水温測定手段による測定水温が上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部と次の製氷・冷却部とを併用して冷水利用運転を行い、しかる後、測定水温が限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による冷水利用運転に切り替えると、冷水供給部へ供給する冷水の温度変動を小さくすることができる。
【0022】
<作用3>
さらに、通常の氷蓄熱装置では、製氷運転と冷水利用運転とを交互に行う。また、かかる交互運転において、半数または過半数の製氷・冷却部の貯留氷を完全に融解させる冷水利用運転を行うことが多い。この場合、残氷の上に重ねて氷を成長させる回数が多くとも1回となる。したがって、各冷却コイルを、残氷を有する状態でさらに前記製氷運転を行ってもコイル間に跨る氷塊を形成しない間隔を有するものとしておけば、ブリッジングをより確実に防止できる。
【0023】
<作用4>
製氷運転開始時における複数の製氷・冷却部の総残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うようにすると、残氷の上に複数回重ねて製氷を行うことがなくなる。よってブリッジングを生ずることがなくなる。
【0024】
なお、本発明の氷蓄熱装置の運転制御方法についての作用は、前述作用1と同様であるので、ここでは敢えて説明を略す。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しつつ詳述する。
図1は、本発明に係る氷蓄熱装置10を適用した氷蓄熱式空調システム1のフロー図を示している。この氷蓄熱装置10は、底面開放型の第1ケーシング14Lと、この第1ケーシング14L内の上部に配設した複数の第1散水器13Lと、この下方に配設した第1冷却コイル12L(図示例では一本であるが、複数本であっても良い)とからなる第1製氷・冷却部11Lを備え、これと横並びに、底面開放型の第2ケーシング14Rと、この第2ケーシング14R内の上部に配設した複数の第2散水器13Rと、この下方に配設した第2冷却コイル12Rとからなる第2製氷・冷却部11Rを備え、さらに第1および第2ケーシング14L,14Rの下方に、それら双方の底面開放部と通じ、かつ第1および第2前記製氷・冷却部11L,11Rの下方に貯留水面を維持しうる程度の容積の貯水槽15を備えている。
【0026】
この貯水槽15には、貯水位を測定する水位測定手段16が設けられている。この水位測定手段16としては、超音波センサなどの非接触型センサを用いるのが好ましいが、接触型センサを用いることもできる。
【0027】
さらに、本氷蓄熱装置10においては、第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの各冷却コイル12L,12Rの各々は、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジング(コイル12L間または12R間に跨る氷塊の形成)を生じない間隔を有する。
【0028】
また、氷蓄熱装置10の第1および第2冷却コイル12L,12Rは、第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4によりそれぞれ冷凍機Bと連結されており、これら第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4を介して、冷凍機Bからの製氷用冷媒が第1および第2冷却コイル12L,12R内に流通される。また、第1冷媒通路R3および第2冷媒通路R4には、各々、第1冷媒流量調整弁V3および第2冷媒流量調整弁V4が配設されており、これらによって、各々の冷却コイル12L,12Rに対する冷媒供給量が調整される。P2は製氷用冷媒循環ポンプを示している。
【0029】
一方、かかる氷蓄熱装置10の貯水槽15と冷水利用部たる空調機2とが冷水供給ポンプP1を有する冷水供給路R1により連結されている。この冷水供給路R1における貯水槽15寄りに供給水温測定手段17が配設されている。また、空調機2には利用済みの水を返送するための温水返送路R2が連結され、この温水返送路R2は途中で分岐され、その一方が第1散水器13Lと連結され、他方が第2散水器13Rと連結されている。これらにより、冷水利用運転時の水循環経路が形成される。さらに、温水返送路R2における、分岐点と第1散水器13Lとの間および分岐点と第2散水器13Rとの間には、それぞれ第1水流量調整弁V1および第2水流量調整弁V2が配設されている。
【0030】
また、これら冷水供給路R1と温水返送路R2における空調機2および分岐点間とが製氷用給水路R5により連結されて製氷運転時の水循環経路が形成されており、この製氷用給水路R5には製氷用給水ポンプP3が配設されている。
【0031】
以下、本氷蓄熱式空調システム1の運転例について、図2〜図8に示すフローチャートに従い説明する。
<製氷運転例>
製氷運転は、第1の製氷・冷却部11Lおよび第2の製氷・冷却部11Rの総貯氷量が所定貯氷量となるまで行う。この製氷運転は、運転開始時において残氷があると否とにかかわらず、例えば図2に示すフローチャートに従って行うことができる。
【0032】
すなわち、先ず第1水流量調整弁V1、第2水流量調整弁V2、第1冷媒流量調整弁V3、および第2冷媒流量調整弁V4を開ける。次に製氷用冷媒循環ポンプP2を作動させて冷凍機Bと第1冷却コイル12Lとの間で製氷用冷媒を循環させるとともに、製氷用給水ポンプP3を作動させ、貯水槽15の貯留水を、冷水供給路R1、製氷用給水路R5および温水返送路R2を介して第1製氷・冷却部11Lの散水器13Lおよび第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rにそれぞれ供給する。
【0033】
第1製氷・冷却部11Lでは、貯水槽15からの水を第1散水器13Lから第1冷却コイル12Lに向けて散布する。散布水は第1冷却コイル12Lの表面を上部から下部へと巡りながら流下する過程で、当該コイル12L内を通る製氷用冷媒により冷却され氷となる。この着氷位置は第1冷却コイル12Lの下部から上部へと徐々に移動していく。このようにして、第1製氷・冷却部11Lの第1冷却コイル12L外面に氷が貯えられる。同様に、第2製氷・冷却部11Rでも第2冷却コイル12R外面に氷が貯えられる。冷却されただけで氷とならずに貯水槽15に戻される水もあり、この水は再び製氷用給水ポンプP3により第1製氷・冷却部11Lおよび第2製氷・冷却部11Rに供給される。
【0034】
このように第1および第2製氷・冷却部11L,11R同時に製氷運転を行い、それらの総貯氷量が所定貯氷量(例;1回の冷水利用運転における最多使用量)となったならば製氷用冷媒循環ポンプP2および製氷用給水ポンプP3を停止し、製氷運転を終了させる。
【0035】
ここに、製氷運転時においては総貯氷量が所定量となったか否かを評価する必要がある。また、後述の冷水利用運転のために、直前の製氷運転開始時に残氷があったか否かを評価しておく必要もある。これらの評価は例えば次のように行うことができる。
【0036】
先ず、製氷運転の開始に先立って、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位(総貯氷量が0の時の貯水位)とを比較することにより、残氷があるか否かを評価する。すなわち、測定水位と初期水位とに差が無ければ残氷は存在せず、差があれば残氷が存在する。
【0037】
次に、製氷運転を開始した後も、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位との差を求め、この水位差と貯水槽15のサイズとに基づいて第1および第2製氷冷却部の総貯氷量(初期貯水量と水位測定時の貯水量との差)を求め、これと所定貯氷量とを比較することにより、総貯氷量が所定量となったか否かを評価する。
【0038】
<冷水利用運転例>
次に、冷水利用運転について説明する。本発明では、例えば図3に示すフローチャートに従って第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの使用順序を先ず定める。すなわち、直前の製氷運転開始時において第1および第2製氷・冷却部11L,11Rのいずれにも残氷が存在していない場合には、第1製氷・冷却部11Lおよび第2製氷・冷却部11Rのいずれを先に使用しても良い。
【0039】
例えば、第1製氷・冷却部11Lを先に使用し、次いで第2製氷・冷却部11Rを使用して冷水利用運転を行う場合には、図4に示すフローチャートに従う。すなわち、先ず第1水流量調整弁V1を開けるとともに第2水流量調整弁V2を閉めた後、冷水供給ポンプP1を作動させて、貯水槽15内の冷水を冷水供給路R1を介して空調機2に供給し、この空調機2において利用(熱交換)させ、利用済みの水を温水返送路R2を介して第1製氷・冷却部11Lの第1散水器13Lに供給し、この第1散水器13Lから第1冷却コイル12L上に散布する。この際、第2水流量調整弁V2は閉められているので、第2製氷・冷却部11Rには空調機2からの利用済みの水は返送されない。第1散水器13Lから散布された水は第1冷却コイル12L外面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で徐々に冷却され、しかる後貯水槽15に落下供給される。この際、第1冷却コイル12Lに付着した氷は融解する。また融解により第1冷却コイル12Lから剥離して落下する氷もあり、この落下氷によって貯水槽15内の水も冷却される。冷却され貯水槽15に戻された水は、再び空調機2へ供給される。
【0040】
また、かかる第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転において、供給水温測定手段17により、貯水槽15から空調機2へ供給する冷水の温度T(以下、供給冷水温度ともいう)を測定し、限界温度(空調機2の運転上必要とする温度の上限)との比較を行う。本装置は低温送水が可能であるので、フローチャートに示すように、以下では限界温度を2℃とする。
【0041】
そして、この比較の結果、供給冷水温度Tが2℃を超えない場合には第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転を継続し、供給冷水温度が2℃を超えた場合には第2製氷・冷却部11Rによる冷水利用運転に切り替える。すなわち、第1水流量調整弁V1を閉めるとともに第2水流量調整弁V2を開けて、空調機2からの利用済みの水を温水返送路R2を介して第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rに供給し、この第2散水器13Rから第2冷却コイル12R上に散布する。今度は、第1水流量調整弁V1は閉められているので、第1製氷・冷却部11Lには空調機2からの利用済みの水は返送されない。第2散水器13Rから散布された水は第2冷却コイル12R外面に貯えられた氷の表面を巡りながら流下する過程で徐々に冷却され、しかる後貯水槽15に落下供給され、また第2冷却コイル12R外面の氷は融解され、融解により第2冷却コイル12Rから剥離して落下する氷もあり、この落下氷によって貯水槽15内の水も冷却される。そして、貯水槽15内の貯留冷水は空調機2へ供給され利用され、再び第2製氷・冷却部11Rの第2散水器13Rに返送される。そして、予め設定された冷水利用運転終了時間になったならば、第2製氷・冷却部11Rに氷が残存していると否とに関わらず冷水供給ポンプP1を停止させ、冷水利用運転を終了する。しかる後、前述の製氷運転を行う。
【0042】
これに対して、直前の製氷運転開始時において第1および第2製氷・冷却部11L,11Rのいずれかに残氷が存在していた場合(例えば、前回の冷水利用運転の際に貯留氷を全て使い切らずに当該運転を終了し、直ぐに製氷運転を開始した場合)には、その氷が残存していた製氷・冷却部を優先する順番で使用して冷水量運転を行う。
【0043】
例えば第2製氷・冷却部11Rに残氷が存在していた場合、図5に示すフローチャートに従い、第2水流量調整弁V2を開けるとともに第1水流量調整弁V1を閉めた後に冷水供給ポンプP1を作動させて、先に第2製氷・冷却部11Rによる冷水利用運転を行い、供給冷水温度Tが2℃を超えたならば、第1水流量調整弁V1を開けるとともに第2水流量調整弁V2を閉めて、第1製氷・冷却部11Lによる冷水利用運転に切り替える。なお、第1製氷・冷却部11Lに氷が残存していた場合には、前述の図4のフローチャートに従った運転制御を行う。
【0044】
このように、本氷蓄熱装置10では、直前の製氷運転開始時に氷が残存していた製氷・冷却部を優先的に使用して冷水利用運転を行うので、残氷の上に重ねて氷を成長させることが少なく、よってブリッジングを生じさせにくい。
【0045】
また、かかる空調システム1の氷蓄熱装置10では、通常、夜間の製氷運転と昼間の冷水利用運転とを交互に行うとともに、1回の冷水利用運転の際に少なくとも一方の製氷・冷却部の貯留氷については完全に融解するため、前述の図2のフローチャートに従って製氷運転を行っても、残氷の上に重ねて氷を成長させる回数は多くとも1回である。したがって、本氷蓄熱装置10のように、各冷却コイル12L,12Rを、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジングを生じない間隔のものとしておくことで、ブリッジングをより確実に防止することができる。
【0046】
<他の製氷運転例>
他方、氷蓄熱装置では、一度の冷水利用運転によって使用する氷量が総貯氷量の50%未満となる場合があり、かかる場合に例えば前述の図2のフローチャートに示すように第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの両方に略同量の水を供給して製氷を行うと、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させてしまい、ブリッジングを生じさせてしまうことがある。これを回避すべく、冷却コイルの間隔をさらにあけることもできるが、製氷運転開始時における総残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転で未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行うこともできる。
【0047】
すなわち、先ず製氷運転に先立って総残氷量を評価する。上記氷蓄熱装置10を用いる場合には、水位測定手段16により水位を測定し、これと初期水位との差を求め、この水位差と貯水槽15のサイズとに基づいて総残氷量(初期貯水量と製氷運転開始時の貯水量との差)を求める。
【0048】
その結果、残氷量が所定貯氷量の50%以上の場合、直前の冷水利用運転において未解氷の製氷・冷却部についてのみ製氷運転を行う。上記氷蓄熱装置10を用いる場合、第1製氷・冷却部11Lだけ製氷を行うときには図6に示すフローチャートに従い、第2製氷・冷却部11Rだけ製氷を行うときには図7に示すフローチャートに従い製氷を行うことができる。なお、製氷・冷却部が未使用か否かは第1または第2水流量調整弁V1,V2を開けたか否かで判別できる。
【0049】
このような製氷運転を行うことにより、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させることがなくなる。よって、ブリッジングを生じなくなる。
【0050】
<他の冷水利用運転例>
冷水利用運転において、製氷・冷却部の切替えに先立って、供給冷水温度Tが上昇し始めたならば、当該製氷・冷却部とともに次の製氷・冷却部を併用して冷水利用運転を行い、しかる後、供給冷水温度Tが限界温度を超えたならば、当該製氷・冷却部の使用を停止し、次の製氷・冷却部による冷水利用運転に切り替える切替え制御を行うと、供給冷水の温度変動を少なくすることができる。
【0051】
例えば、前述の2つの製氷・冷却部11L,11Rを有する氷蓄熱装置10において、第2製氷・冷却部11Rを先に使用して冷水利用運転を行う場合には、図8に示すフローチャートに従う。すなわち、第1水流量調整弁V1を閉めるとともに第2水流量調整弁V2を開け、冷水供給ポンプP1を作動させる。そして、供給冷水温度Tが、2℃(限界温度)よりは低いものの1.5℃(上昇開始温度)より高くなったならば、第2水流量調整弁V2を開けたままで第1水流量調整弁V1を開け、第1および第2製氷・冷却部11L,11Rの両方による冷水利用運転に切り替える。しかる後、供給冷水温度Tが2℃を超えたならば、第1水流量調整弁V1は開けたままで第2水流量調整弁V2を閉じて、第1製氷・冷却部11Lのみによる冷水利用運転に切り替える。
【0052】
本氷蓄熱装置10のように、流下液膜式のものは、製氷・冷却部に氷が残存していても、ある程度まで貯氷量が減少すると供給冷水温度が上昇し始める。よって、供給冷水温度が上昇開始温度(適宜設定する)を超えたならば、次の製氷・冷却部を併用して冷水利用運転を行い、供給冷水温度が限界温度を超えたならば次ぎの製氷・冷却部のみによる冷水利用運転に切り替えることで、切替え時における供給冷水温度の変動を小さくすることができるのである。
【0053】
また、本冷水利用運転を前述のような2つの製氷・冷却部を有する氷蓄熱装置に適用した場合には、1回の冷水利用運転において少なくとも一方の製氷・冷却部の氷を完全に使い切ることができるので、前述の他の製氷運転例に示す製氷運転を行わずとも、残氷の上に複数回重ねて氷を成長させることがなくなる。よって、冷却コイルを、残氷を有する状態でさらに1回の製氷運転を行ってもブリッジングを生じない間隔のものとしておけば、ブリッジングを生じることは実質的にない。
【0054】
<その他>
(イ)上記例では、貯水槽15を一つとしたが、製氷・冷却部の数に対応させて2つにしたり、あるいは3つ以上設けることもできる。
【0055】
(ロ)本発明において製氷・冷却部は3つ以上であっても良い。特に、製氷冷却部を3つ以上に分割した場合には、前述の他の製氷運転例に従って製氷運転を行うことを推奨する。
【0056】
(ハ)上記例において、例えば貯氷量の不足により空調機2が必要とする温度の冷水を送ることができない場合には、冷水利用運転と製氷運転とを同時に行うことができる。
【0057】
(ニ)なお、本発明における運転制御に関する事項、例えば、弁の開閉やポンプの作動および停止、供給冷水温度の測定、貯水位測定、供給冷水温度と上昇開始温度または限界温度との比較、貯氷量の計算・記憶等は、上記例では示していないが適宜の制御装置により行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、製氷量を決定するにあたり不正確なことのある複雑な冷水利用量予測等を必要とせずに、ブリッジングを効果的に防止し、もって冷水利用運転中の冷却能力不足を防止することができる。
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| JP08835398A JP4110612B2 (ja) | 1998-04-01 | 1998-04-01 | 氷蓄熱装置および氷蓄熱装置の運転制御方法 |
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1998
- 1998-04-01 JP JP08835398A patent/JP4110612B2/ja not_active Expired - Lifetime
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