JPH11288014A - 周波数可変レーザ光源装置 - Google Patents

周波数可変レーザ光源装置

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JPH11288014A
JPH11288014A JP10105590A JP10559098A JPH11288014A JP H11288014 A JPH11288014 A JP H11288014A JP 10105590 A JP10105590 A JP 10105590A JP 10559098 A JP10559098 A JP 10559098A JP H11288014 A JPH11288014 A JP H11288014A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】出力光の周波数確度、周波数安定度、設定分解
能に優れ、周波数可変範囲が広く、かつ、任意に周波数
を設定または掃引できる周波数可変レーザ光源装置を提
供する。 【解決手段】周波数基準光源1の出力光を入力光として
側帯波発生手段2で側帯波を発生させ、光IRM4が発
生するヘテロダイン信号に基づいて比較手段5が波長可
変光源3を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光通信、光計測分野
で利用されるレーザ光源装置に係り、特に広帯域にわた
り周波数が可変であり、かつ出力光の周波数確度、周波
数安定度に優れた周波数可変レーザ光源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】出力光の周波数確度、周波数安定度に優
れたレーザ光源装置を構成するための要素技術について
は、周波数基準光源、波長可変光源、周波数追従
制御、広帯域側帯波発生の各技術が知られている。
【0003】まず最初に、この各々について簡単に説明
する。 周波数基準光源としては、原子や分子の吸収線などを
周波数基準として半導体レーザ(以下、LDという。L
D:laser diode )や固体レーザの発振周波数を安定化
したもの、気体レーザなどが一般的である。 波長可変光源としては、LDあるいは固体レーザと回
折格子などの波長選択素子を組み合わせた外部共振型光
源やDFB−LD(distributed feedback - laser dio
de)、DBR−LD(distributed Bragg reflector -
laser diode )等のLD内部に波長選択素子を取り込ん
だものが一般的である。当然、このような光源単体では
周波数確度や長期の周波数安定度が保証されない。
【0004】周波数追従制御は1台のレーザの出力光
周波数に追従するように他のレーザの出力光周波数を制
御するものである。このような制御において、周波数の
基準となるレーザはマスタレーザと呼ばれ、それに追従
するレーザはスレーブレーザと呼ばれる。LDは注入電
流によって発振周波数を直接制御できるためLDをスレ
ーブレーザとして用い、通常、マスタレーザとスレーブ
レーザとの出力光を合波、受光してビート信号を検出
し、その周波数が設定したオフセット周波数と一致する
ようにスレーブレーザの注入電流を制御する。この制御
によってスレーブレーザの出力光周波数はマスタレーザ
の出力光周波数に対して設定した周波数だけ隔たるた
め、この制御は光周波数オフセットロック制御とも呼ば
れる。ビート信号から得られる情報は2つのレーザ光の
周波数差の絶対値であるから、オフセット周波数を0に
近づけると制御の誤動作を招く。制御の方法によって、
マスタレーザの出力光周波数に対するスレーブレーザの
出力光周波数の高低、すなわち、オフセット周波数の符
号は正負いずれかに設定できる。また、ビート信号を生
成する受光系の帯域などからオフセット周波数の上限は
高々100GHzである。市販の受光素子などを用いる
場合、受光や増幅が容易に行える帯域は数GHzまでで
ある。
【0005】広帯域側帯波発生に関しては、その手段
として、光周波数コム発生器、短光パルス光源、等があ
る。光周波数コム発生器(以下、コム発生器という。)
は入力されたレーザ光に対して深い変調をかけて、周波
数軸上に変調周波数間隔で数100本以上の側帯波を発
生させて出力する。変調周波数は通常数GHz〜20G
Hz程度に設定され、数THz以上にわたって利用可能
な強度の側帯波が得られる。入力光の周波数および変調
周波数が既知であれば、各側帯波の周波数も既知となる
から、各側帯波を周波数基準光として用いることができ
る。
【0006】短光パルス光源は、光共振器の内部に光を
変調する手段である可飽和吸収体、光強度変調器、光位
相変調器などと光増幅媒体とを有しており、パルス時間
幅が10ps程度以下の光を繰り返し出力するものである。
この出力光は光パルスの繰り返し周波数間隔をもつ多数
の側帯波を含んでいる。特に一般的な強制モード同期に
よる短光パルス光源は、光強度変調器を内蔵しており、
マイクロ波によって光強度変調器を駆動することによ
り、このマイクロ波に同期した光パルス列を発生する。
このため、側帯波の周波数間隔は駆動するマイクロ波の
もつ高い周波数確度と高安定度を有しており、この点で
はコム発生器を利用する場合と同様である。しかしなが
ら、強制モード同期のように側帯波の周波数間隔が一定
に保たれるものであっても、短光パルス光源は、その内
部に光周波数基準をもたないため、各側帯波の周波数は
時間的に変動してしまう。そこで、短光パルス光源を利
用して広帯域に周波数基準光を発生するためには、周波
数が既知の光を用意して、光注入同期現象または周波数
追従制御を用いればよい。光注入同期現象は自励発振し
ているLDに、その発振周波数に近い周波数をもつ光を
外部から注入するとLDの発振周波数が注入された光の
周波数に引き込まれて、一致する現象である。短光パル
ス光源でも同様に、出力光に含まれる低次の側帯波に近
い周波数をもつ光を注入すると、この側帯波の周波数が
注入された光の周波数に引き込まれる。したがって、強
制モード同期による短光パルス光源では、注入される光
の周波数が既知であれば、各側帯波の周波数も既知とな
る。また、周波数追従制御は前述の通り、参照される光
の周波数に他のLD等の発振周波数を追従させるもので
あるから、強制モード同期による短光パルス光源でも同
様に周波数が既知の光を参照光として或る側帯波の周波
数を追従させれば、各側帯波の周波数も既知となる。
【0007】このように周波数基準光源と組み合わせて
使用すれば、コム発生器と短光パルス光源とは同等な側
帯波発生手段といえる。コム発生器の出力光(以下、コ
ム信号光という。)や短光パルス光源の出力光は他の光
とのヘテロダイン検波によって利用されるため、ビート
信号のSN比を高くするためには、入力光あるいは参照
光のスペクトル線幅が狭いほど有利である。このために
入力光源として外部共振型LD光源や自己注入同期LD
光源が用いられることが多い。なお、ここでいう広帯域
に側帯波を発生する手段は周波数軸上で等間隔に側帯波
を発生できるものを意味しているので、コム発生器の出
力や短光パルス光源の出力に対してパルス圧縮を施した
ものなども含まれる。これらは本質的には同様の取り扱
いが可能なため、以下の説明ではコム発生器の場合につ
いて述べる。
【0008】次に、以上の要素技術を組み合わせた既存
の周波数確度、周波数安定度に優れた周波数可変な光源
について説明する。まず、周波数基準光源、波長可
変光源、周波数追従制御を組み合わせた図9に示す周
波数可変レーザ光源装置がある。これは、図9に示すよ
うに、周波数基準光源11をマスター光源として、波長
可変光源31をスレーブ光源として周波数追従制御を施
した系である。周波数基準光源11からの周波数基準光
と波長可変光源31からの出力光は周波数追従制御手段
33の合波器331で合波され、受光器332で受光さ
れてそのビート信号が検出される。検出されたビート信
号とオフセット周波数発振器334からの信号は位相比
較器333で位相比較され、その結果はループフィルタ
335を経由して駆動電流源337からの電流に加算器
336で加算され波長可変光源31であるLDに供給さ
れる。このように制御されることで、出力光は周波数基
準光に対してオフセット周波数発振器334で設定され
たオフセット周波数をもって追従する。この系ではスレ
ーブ光源の出力光周波数を高確度、高安定度を維持しな
がら連続的に変化させることができるが、周波数可変幅
は受光系を含む周波数追従制御の帯域までに制限され、
高々100GHzが限界である。なお、100GHzは
1.5μm帯では波長帯域として1nm弱に相当する。
【0009】この点に鑑みて、コム発生器などの利用が
提案され、実験的に動作が確認されている。そして、こ
の広帯域側帯波発生の技術の一つである光周波数コム
発生の技術を前記3つの技術に加えたもの、すなわち、
周波数基準光をコム発生器に入力して得られたコム信号
光に含まれる多数の側帯波は周波数基準光とすることが
できるため、任意の次数の側帯波を基準として波長可変
光源に周波数追従制御を施す系が考えられた。その構成
を図10に示す。この系では、周波数追従制御手段33
のオフセット周波数を変化させることで出力光の周波数
を変化させている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この系では、広帯域に
わたり高確度、高安定度をもつ光を発生することができ
るものの、広帯域な周波数範囲内で任意の周波数を発生
することはできない。これは2種類のデッドゾーンの存
在による。1つは周波数追従制御を行う際に、オフセッ
ト周波数を0に近づけることができないためである。つ
まり、ある次数の側帯波とスレーブ光源である波長可変
光源の周波数がほぼ一致すると適正な周波数追従制御が
できなくなる(図11(a))。このことは、通常のヘ
テロダイン検波では2つの光の周波数差の絶対値の情報
が取得されるため、レーザ光の周波数差が発振線幅程度
以下になると正負両方のヘテロダイン周波数成分が同一
の周波数に混在するために生じる。もう1つはコム発生
器や短光パルス光源を利用する場合、多数の側帯波が周
波数軸上に林立するため、側帯波間の中央に波長可変光
源の周波数がほぼ一致すると受光信号には低次側帯波と
のビート信号と高次側帯波とのビート信号がほぼ同一の
周波数で混在し、適正な周波数追従制御ができなくなる
(図11(b))。前記2種類のデッドゾーン(図11
(c))の周波数幅の目安は適当な余裕を見込めば、側
帯波付近のデッドゾーンで20MHz程度、側帯波間の
中央付近のデッドゾーンで数100MHz程度である。
【0011】本発明の目的は、前述のデッドゾーンの問
題点を解決し、出力光の周波数確度、周波数安定度、
設定分解能に優れ、周波数可変範囲が広く、かつ、
前記周波数可変範囲内で任意に周波数を設定または掃引
できる周波数可変レーザ光源装置を提供することであ
る。前記でいう高確度、高安定度、高分解能の目安は
各々100MHz、10の−9乗、1MHz以下であ
る。また、前記でいう広帯域の最低の目安は1.5μ
m帯で10nm以上である。なお、1.5μm帯では周
波数幅1THzが波長幅8nmに相当する。以下、波長
幅に関する表記は1.5μm帯での値とする。
【0012】さらに近年、通信すべき情報量の拡大に伴
いWDM(Wavelength Division Multiplexing;波長分
割多重)光通信技術が模索されており、複数の所定周波
数の光を同時に出力する光源が望まれている。この要請
を考慮すれば、1つのコム信号光を発生して、これに含
まれる任意の側帯波を基準として、複数の波長可変光源
を独立に周波数設定できる構成をとることが望ましい。
このためには、コム信号光の周波数を固定した状態で、
デッドゾーンを回避する手段を実現しなければならな
い。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述のようにデッドゾー
ンは、通常のヘテロダイン検波では2つの光の周波数差
について、その絶対値しか検知できず、周波数の相対的
な高低を知ることができないことに起因している。そこ
で、この課題を解決するために、周波数の基準となる
光、つまり周波数基準光、をもとに側帯波を発生させ、
該側帯波を波長可変光源の出力光の基準に用いることは
従来と同じであるが、従来のような単純な受光方式では
なく、波長可変光源の出力光と側帯波を2つの受光器を
用いて直交位相ヘテロダイン信号を取得し、この信号が
有する符号も含めた周波数差の情報に基づいて、波長可
変光源の出力光の周波数を制御することとした。すなわ
ち、
【0014】本発明の周波数可変レーザ光源装置は、周
波数基準光源と、該周波数基準光源から出力された周波
数基準光を受けて複数の側帯波を有する光を発生する側
帯波発生手段と、出力光の波長が可変である波長可変光
源と、該波長可変光源から出力された出力光と前記側帯
波発生手段から出力された複数の側帯波を有する光とを
受けてヘテロダイン信号を出力する、リアルポートとイ
メージポートとを有する光IRMと、該光IRMのリア
ルポートおよびイメージポートからの出力のうちの一方
の出力を受けて前記ヘテロダイン信号の周波数と前記複
数の側帯波のうちの前記出力光の所望の波長に関連して
決められる一つの側帯波に対応するオフセット周波数信
号の周波数とを比較し、周波数差信号を出力する比較手
段とを備えており、前記周波数差信号を用いて前記波長
可変光源の波長を制御する。
【0015】このような手段をとることとしたから、そ
の詳細は作用の欄で説明するが、本発明の周波数可変レ
ーザ光源装置では基準となる側帯波の周波数と波長可変
光源の出力周波数の差の符号、つまり周波数の相対的な
高低、を含めて検出され、デッドゾーンは本質的に除去
される。また、本発明の周波数可変レーザ光源装置は周
波数が固定された側帯波を基準として、波長可変光源の
周波数を設定するものであるため、複数の波長可変光源
の周波数を互いに独立に設定することが可能である。
【0016】
【作用】本発明の作用を、周波数掃引の観点から説明す
る。デッドゾーンが存在する場合には、スレーブ光源で
ある波長可変光源の周波数を任意に設定できないのであ
るから、この周波数を側帯波の周波数間隔以上の範囲
で、順次細かく変化させることもできない。つまり、広
い周波数範囲にわたって周波数追従制御をかけた状態で
周波数掃引ができないことになる。
【0017】まず、図7(a)に波長可変光源の出力光
と各側帯波の周波数の時間変化の例を示した。図7
(a)ように波長可変光源の周波数が時間と共に増加し
た場合に、波長可変光源の周波数を各側帯波を基準とし
て、書き改めたものが図7(b)である。この図の縦軸
は符号も含めた周波数差を表している。このとき、波長
可変光源の出力光と側帯波を合波した後に、1つの受光
器によって受光して得られるビート信号の周波数は、図
7(c)のように正の周波数範囲内で記述することがで
きる。このような単純な受光方式ではビート信号に寄与
する光の周波数の高低を知ることができないためであ
る。この図7(c)は図7(b)の負の周波数部分を正
の周波数に折り返したものと見ることができる。ここ
で、デッドゾーンは図7(c)中の右下がりの線と右上
がりの線の交点付近に現れる。つまり、この交点付近で
は交差する2つの線に対応する周波数成分がビート信号
に混在するため、適正な周波数追従制御が困難となる。
なお、2つの受光素子を内蔵した受光器として、バラン
スドレシーバが知られているが、バランスドレシーバは
全体として1出力の受光器であるため、ここでは、通常
の1つの受光素子を内蔵した受光器とその働きとしては
同等と見做せる。
【0018】ところで、電気通信、特にマイクロ波通信
の分野などでは直交位相変復調技術が多用されている。
この中で、本発明に関して最も利用しやすい形態を持つ
イメージリジェクションミキサ(以下、IRMとい
う。)について概説する。これは2入力2出力のミキサ
であり、信号波を一方の入力ポートへ入力し、参照波を
他方の入力ポートへ入力するとき、信号波の周波数が参
照波の周波数よりも高い場合には一方の出力ポート(リ
アルポート)だけにヘテロダイン信号を出力し、逆に信
号波の周波数が参照波の周波数よりも低い場合には他方
の出力ポート(イメージポート)だけにヘテロダイン信
号を出力するものである。このIRMの内部では、信号
波と参照波がそれぞれ2分岐され、2つの(通常の)ミ
キサによってダウンコンバート(一般にはミキシング)
される。そして、その各々の出力が合波されて、2つの
出力ポートに出力される。2つのミキサに入る信号波と
参照波の位相は90°ずらしてあり、このために2つの
ミキサ出力も90°位相が異なる。このような機能を有
するミキサは直交位相ダウンコンバータ(一般には直交
位相ミキサ)と呼ばれている。この直交位相ダウンコン
バータから得られる2つのヘテロダイン信号が90°ハ
イブリッドカプラで合波され、干渉の効果によって、信
号波と参照波の周波数の高低に応じて異なる出力ポート
にヘテロダイン信号出力が現れる。信号波が複数の周波
数成分を持つときには、参照波の周波数よりも高い周波
数成分と低い周波数成分とが分離されて、2つの出力ポ
ートに現れる。
【0019】IRMは、その内部にある2つのミキサと
して、2つの受光器を用いることで、光の領域でも同様
に構成できることが知られている。光通信分野、特にコ
ヒーレント光通信に関連する分野などでは、このような
受光技術は受信器に用いられるため、「(光ヘテロダイ
ン)イメージ除去受信器」などの名称で呼ばれている。
以下では簡単のため、「光IRM」と呼ぶことにする。
なお、光IRMについては例えば「近間輝美、渡辺茂
樹、内藤崇男、桑原秀夫、“光ヘテロダインイメージ除
去受信方式の検討”、1989年電子情報通信学会春季
全国大会、B−757」などに記載されている。
【0020】本発明では、光IRM(より本質的には光
の直交位相ダウンコンバータ)を用いることにより、デ
ッドゾーンをなくしている。前述の通り、光IRMを用
いれば、波長可変光源の出力光と側帯波の周波数の高低
に応じて分離されたヘテロダイン信号を2つのポートに
出力することができる。以下では、波長可変光源の出力
光を信号波、側帯波を参照波と考え、ある側帯波よりも
波長可変光源の出力光周波数が高い場合に光IRMのリ
アルポートにヘテロダイン信号が現れ、ある側帯波より
も波長可変光源の出力光周波数が低い場合にイメージポ
ートにヘテロダイン信号が現れるものとする。図7
(a)のように波長可変光源の出力光周波数が変化した
ときの光IRMの出力信号周波数を図8(a)に示し
た。図8(a)〜(c)では、正の周波数はリアルポー
ト出力に対応し、負の周波数はイメージポート出力に対
応するものとして、2つの出力を1つの図に描いてい
る。このように光IRMを用いることによって、図7
(b)と同様な周波数の高低(符号)も含めたヘテロダ
イン信号が得られる。この結果、図7(c)に見られた
負の周波数の折り返しがなくなり、複数の線が交差する
ことがなくなるため、デッドゾーンは原理的に消失す
る。
【0021】次に、光IRMの出力を周波数追従制御に
利用する方法について説明する。図7(a)から明らか
なように、図7、図8では、例えば、時刻t0 からt2
までの間に側帯波の周波数間隔だけ、波長可変光源の周
波数が変化するものとして描いている。側帯波は周波数
領域で周期的に存在するから、このt0 からt2までの
間、常に周波数追従制御が可能であれば、以後同様にし
て十分な強度の側帯波が存在する全範囲にわたって周波
数追従制御が可能である。図8(b)、(c)は図8
(a)と同様の光IRM出力に基づいた周波数追従制御
の方法を模式的に示すものである。この図では、周波数
追従制御に使用する信号をリアルポート出力に対して太
い実線で、イメージポート出力に対して太い破線で示し
ている。図8(b)は光IRMの2つの出力を切り替え
ながら利用する最も単純な方法である。この図は、側帯
波の周波数間隔が4GHzである場合に、t0 〜t1 の
間は(N+1)次側帯波に由来する光IRM出力の−4
〜−2GHz成分、つまりイメージポート出力の4〜2
GHz成分に基づいて周波数追従制御を行い、t1 〜t
2 の間はN次側帯波に由来する光IRM出力の+2〜+
4GHz成分、つまりリアルポート出力の2〜4GHz
成分に基づいて周波数追従制御を行う例を示している。
図8(c)は光IRMの一方の出力だけを利用する方法
の一例である。この図では+2〜+6GHz成分、つま
りリアルポート出力の2〜6GHz成分に基づいて周波
数追従制御を行う例を示している。もちろん、イメージ
出力だけを用いても同様の制御が可能である。
【0022】この他、周波数追従制御をt0 〜t2 の間
で常に実現するためには、この時間内で常にいずれかの
側帯波を参照すればよいだけであるから、切り替えの方
法は無数に存在する。なお、参照するヘテロダイン信号
の周波数が−2GHz〜DCとDC〜+2GHzのよう
に、DCを含む周波数追従制御も可能ではあるが、実現
形態はやや複雑となる。また、前述の通り、デッドゾー
ンの問題は受光方式に起因するものであるため、光IR
Mに含まれている互いに位相の異なるヘテロダイン信号
を出力する受光部を用いれば、その複数の出力の処理に
ついては、電気信号の処理法として知られている各種の
技術を有効に利用することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1に本発明の第一の実施の形態
の周波数可変レーザ光源装置を示す。本実施の形態の周
波数可変レーザ光源装置は、図1に示すように、周波数
基準光源1、側帯波発生手段2、波長可変光源3、光I
RM4、比較手段5および制御部6からなっている。周
波数基準光源1は、原子や分子の吸収線などを周波数基
準とした周波数安定化光源である。側帯波発生手段2
は、周波数基準光源1の出力光を入力光として、既知周
波数の側帯波を多数発生するものであり、前述のコム発
生器などを用いることができる。波長可変光源3はコム
信号光の側帯波を周波数基準光として周波数追従制御さ
れるレーザ光源である。この波長可変光源3の出力光の
一部が本発明の周波数可変レーザ光源装置の出力光とな
る。光IRM4は、側帯波発生手段2の出力と波長可変
光源3の出力光の一部を受け、互いに90°位相が異な
る2つのヘテロダイン信号を出力する。この機能はマイ
クロ波通信の分野などで古くから用いられている直交位
相ミキサと同様である。比較手段5は、光IRM4から
の直交位相ヘテロダイン信号に基づいて、ヘテロダイン
信号の周波数が符号を含めて所定のオフセット周波数と
なるように波長可変光源3に対する制御信号を出力す
る。制御部6は、所望の光周波数に応じて、波長可変光
源3に対する出力周波数の粗調整のための信号、比較手
段5に対する符号を含めたオフセット周波数設定信号及
び各種の切替信号を出力する。
【0024】図2に本発明の第二の実施の形態の周波数
可変レーザ光源装置を示す。本実施の形態の周波数可変
レーザ光源装置は、図2に示すように、周波数基準光源
1、側帯波発生手段2、分波器7と、各2組の波長可変
光源3a、3b、光IRM4a、4b、比較手段5a、
5b、制御部6a、6bとからなっている。周波数基準
光源1、側帯波発生手段2は、第一の実施の形態と全く
同様である。波長可変光源、光IRM、比較手段、制御
部については、3a〜6a、3b〜6bの2組があり、
その各々は第一の実施の形態の3〜6と同様である。
分波器7は、側帯波発生手段2の出力光を分岐して、光
IRM4a、4bに入力するためのものである。
【0025】この構成では、各波長可変光源3a、3b
の周波数追従制御におけるデッドゾーンが回避されるだ
けでなく、各々の波長可変光源3a、3bの周波数を互
いに独立に設定することができ、WDM光通信などに用
いられる多出力の周波数可変レーザ光源装置として利用
できる。また、複数の出力光が、側帯波発生や周波数追
従制御を介して一つの周波数基準光に対して安定化され
ているため、この出力光間の相対的な周波数ゆらぎは、
複数の周波数基準光源から得る複数の出力光の間の相対
的な周波数ゆらぎに対して2桁程度小さい特徴を有して
いる。
【0026】本実施の形態では、波長可変光源等が2組
の場合を示したが、3組以上の場合も分波器7を3分岐
以上として同様に実施できる。また、各波長可変光源の
出力光周波数が近接しないような用途では、側帯波発生
手段2からの光を単純に分岐せずに、波長選択性をもつ
分波手段を用いて分岐すれば、分配損失を抑えられる。
【0027】
【実施例】本発明の第二の実施の形態は、第一の実施の
形態を拡張することで容易に得られるから、実施例とし
ては、第一の実施の形態のもののみ記述する。図3に本
発明の第一の実施例を示す。本実施例は作用の欄で説明
した図8(b)に示す周波数追従制御に対応するもので
ある。本実施例の周波数可変レーザ光源装置は、図3に
示すように、周波数基準光源1、側帯波発生手段2、波
長可変光源3、光IRM4、比較手段5および制御部6
からなっている。
【0028】周波数基準光源1は、原子や分子の吸収線
を周波数基準とした周波数安定化光源である。例えば、
アセチレン分子の1.53μm付近の吸収線を基準とし
て周波数が安定化された半導体レーザなどが利用され、
周波数確度、安定度に優れた光を出力する。側帯波発生
手段2は、コム発生器21と該コム発生器21に駆動用
のマイクロ波を入力するマイクロ波発振器22とで構成
され、周波数基準光源1の出力光を入力光として、既知
周波数の側帯波を多数発生する。本実施例では、前記マ
イクロ波の周波数は4GHzに設定されている。したが
って、発生するコム信号光の側帯波の周波数間隔は4G
Hzである。コム信号光の発生範囲は数THz以上にわ
たり、その発振周波数は周波数基準光源1の出力光と同
程度の高確度、高安定度をもっている。なお、コム発生
器21について、入力光周波数に対して最適な条件を得
るため、共振器長制御手段を設けることが望ましい。こ
こでいう最適な条件とは側帯波の発生範囲が最も広くな
る条件、つまり、コム発生器を構成する光共振器が、入
力光に対して共振条件を満足することであるが、これは
コム発生器の出力光強度の時間変化の中で側帯波間隔
(4GHz)の周波数成分が最小となる条件でもあるた
めである。このとき、理想的には側帯波間隔の周波数成
分はなくなる。このようにすることで、後述する光IR
Mで得られるヘテロダイン信号の周波数が特に4GHz
付近となったときに、雑音とみなされるコム発生器の出
力光強度変化に由来する4GHz成分を低減することが
できる。波長可変光源3はコム信号光の側帯波を周波数
基準光として周波数追従制御される外部共振器型レーザ
光源である。この波長可変光源3の出力光の一部が本発
明の周波数可変レーザ光源装置の出力光となる。なお、
波長可変光源3の可変帯域幅によっては、外部共振器型
レーザ光源の代わりに半導体レーザ単体を用いることも
可能である。
【0029】光IRM4は、光90°ハイブリッドカプ
ラ41、受光器42a、42bおよび(電気信号の)9
0°ハイブリッドカプラ43からなっている。光90°
ハイブリッドカプラの構成の一例を図6に示した。この
光90°ハイブリッドカプラはガラス導波路によって形
成されており、入力ポート410a、410bに入射さ
れた2つの光を分波器411a、411bによって、そ
れぞれ分岐した後、合波器412a、412bによって
合波して、出力ポート413a、413bに出力するも
のであり、入力ポート410aから出力ポート413
a、413bにいたる2つの光路の長さの差と、入力ポ
ート410bから出力ポート413a、413bにいた
る2つの光路の長さの差との差が、波長の整数倍に1/
4波長を加えた値または差し引いた値となるように調整
されたものである。最も単純な例を挙げれば、入力ポー
ト410aから出力ポート413a、413bにいたる
2つの光路の長さが等しく、入力ポート410bから出
力ポート413a、413bにいたる2つの光路の長さ
の差が1/4波長となっているものである。このように
することで、入射された2つの光が、互いに90°異な
る位相で合波された光が、2つの出力ポートに出力され
る。なお、薄膜ヒータなどを利用して、前述の光路長の
差を調整する手法なども知られている。特に、入射され
る光の波長帯域が広い場合には、入射光の波長によって
位相差が変わる場合があるため、波長に応じた調整を行
うことが望ましい。
【0030】この例のように、光90°ハイブリッドカ
プラ41は、波長可変光源3の出力光の一部(信号光)
と側帯波発生手段2の出力光(参照光)とを受け、その
各々を2分岐し、信号光と参照光の2つの組を互いに9
0°異なる位相で合波して、2つの出力光を得るもので
ある。光90°ハイブリッドカプラ41の2つの出力光
は、それぞれ受光器42a、42bによって光電変換さ
れ、検波信号として出力される。この2つのヘテロダイ
ン信号は、その周波数が光90°ハイブリッドカプラ4
1に入射された2つの光の周波数差に等しく、互いの位
相が90°異なるものとなっている。つまり、光の直交
位相ダウンコンバータとして機能する。90°ハイブリ
ッドカプラ43は、受光器42a、42bから出力され
る2つのヘテロダイン信号を受けて、光の90°ハイブ
リッドカプラと同様に2つの入力信号を分波、合波し
て、2つの出力ポートに各々同相成分と直交相成分の信
号を出力する。その結果、前述の信号光の周波数が参照
光の周波数よりも高いときには、90°ハイブリッドカ
プラ43の出力ポートの一方だけからヘテロダイン信号
が出力される。ここでは、この出力ポートをリアルポー
トと呼び、他方の出力ポートをイメージポートと呼ぶこ
とにする。逆に、信号光の周波数が参照光の周波数より
も低いときには、イメージポートだけからヘテロダイン
信号が出力される。
【0031】比較手段5は、スイッチ51、フィルタ5
2、オフセット周波数発振器53、位相比較器54、終
端器58a、bからなっている。スイッチ51は、光I
RM4の2つの出力を受け、その中の一方をフィルタ5
2に出力すると共に、他方を終端器58aまたは58b
に出力する。スイッチ51の切り替えは制御部6からの
指令による。フィルタ52は、スイッチ51で選択され
たヘテロダイン信号を帯域制限し、側帯波の周波数間隔
の半分から周波数間隔までの周波数成分を通過させる。
本実施例では、側帯波の周波数間隔を4GHzとしてい
るから、2〜4GHzの帯域を通過させるバンドパスフ
ィルタを用いればよい。なお、光IRM4や光電変換後
の信号を増幅するために置かれる増幅器(特に図示して
いない)の周波数特性によっては、フィルタ52は不要
な場合もある。
【0032】オフセット周波数発振器53は、制御部6
の指令により設定されたオフセット周波数の信号を発生
する。このオフセット周波数の設定範囲は、絶対値とし
て2〜4GHzとしている。位相比較器54は、フィル
タ52からのヘテロダイン信号とオフセット周波数発振
器53の出力信号との位相比較を行い、この位相差に基
づいた波長可変光源3への制御信号を出力する。この制
御信号の極性及び制御信号の断続(出力停止状態と出力
状態の切り換え)は、制御部6の指令により設定され
る。ここでいう制御信号の極性とは、制御信号が電圧と
して出力される場合について言えば、位相差が大きく
(小さく)なったときに、電圧を増加(減少)させる
か、減少(増加)させるか、のいずれかを意味する。こ
の極性を切り換えることによって、波長可変光源3の出
力光周波数が基準とする側帯波の周波数よりも高い場合
と低い場合の両方について、負帰還の状態で適正な周波
数追従制御を行うことができる。終端器58a、58b
は、スイッチ51の状態に応じて、90°ハイブリッド
カプラ43の出力の中で位相比較に直接寄与しないもの
を無反射終端する。制御部6は、所望の光周波数に応じ
て、波長可変光源3に対して出力周波数の粗調整のため
の信号を出力する。また、比較手段5にスイッチ切替信
号、オフセット周波数設定信号、制御極性切替信号、制
御停止信号を出力する。なお、スイッチ51で選択され
たリアルポート出力とイメージポート出力のいずれかに
応じて、位相比較器54が出力すべき制御信号の極性は
決まるため、スイッチ切替信号と制御極性切替信号とは
実質的に同一である。
【0033】このように構成された周波数可変レーザ光
源装置の出力周波数設定の手法について説明する。周波
数基準光源1の出力光周波数、すなわち、コム信号光の
中心周波数をνr、側帯波の周波数間隔をfm、基準と
している側帯波次数をN、側帯波に対する波長可変光源
3の出力光のオフセット周波数を符号を含めてfとする
と、波長可変光源3の出力光周波数νは、 ν=νr+N・fm+f (1) と確定する。以下、式中の周波数を表す記号や数値は、
GHz単位とする。本実施例では、側帯波の周波数間隔
を4GHz、オフセット周波数発振器53の周波数設定
範囲を2〜4GHzと定めている。位相比較器54は制
御信号の極性を切り換えられるから、ある側帯波の周波
数を基準として波長可変光源3に対する周波数追従制御
が可能な周波数範囲は、−4〜−2GHz及び+2〜+
4GHzである。
【0034】式(1)で、νを所望の出力光周波数と考
えるとき、整数Nを(ν−νr)/fm以下の最大の整
数と定めれば、fは0〜4GHzの範囲内の値になる。
fが0〜2GHzのときには、波長可変光源3の出力光
周波数と(N+1)次側帯波の周波数との差 ν−(ν
r+(N+1)・fm)=fimage は、−4〜−2GH
zであるから、(N+1)次側帯波を基準として、イメ
ージポート出力に基づくオフセット周波数をfimage と
する周波数追従制御を行えばよい。一方、fが2〜4G
Hzであるときには、 ν−(νr+N・fm)=fre
al であるから、N次側帯波を基準として、リアルポー
ト出力に基づくオフセット周波数をfrealとする周波数
追従制御を行えばよい。このようにして、基準とする側
帯波の次数とオフセット周波数を定めることによって、
側帯波を利用できる数THzの周波数帯域内で、任意の
周波数に波長可変光源3の出力光周波数を設定できる。
【0035】周波数設定の手順の一例は、次の通りであ
る。周波数基準光源1、側帯波発生手段2は稼動してい
るものとして、まず、比較手段5(位相比較器54)の
出力を停止しておき、波長可変光源3の出力周波数を所
望の周波数の近傍まで粗調整する。次に、オフセット周
波数発振器53の出力信号周波数を前述のように算出し
たオフセット周波数(の絶対値)に設定し、位相比較器
54が出力する制御信号の極性をこのオフセット周波数
の符号に従って設定する。スイッチ51もオフセット周
波数の符号に従って、正ならば90°ハイブリッドカプ
ラ43のリアルポート出力43aを選択し、負ならばイ
メージポート出力43bを選択するように設定する。最
後に、位相比較器54を出力状態として、制御信号を波
長可変光源3に帰還する。以上の操作で周波数追従制御
が機能し、波長可変光源3の出力周波数は所望の周波数
となるよう制御され、その周波数が維持される。なお、
波長可変光源3の粗調整の段階で、この光源の周波数確
度が低いために調整が困難な場合には、その出力光の周
波数(波長)を波長計で測定しながら制御すればよい。
通常、側帯波の周波数間隔は数GHz以上であり、波長
計の測定精度は100MHzオーダであるため、この制
御は容易である。また、周波数追従制御の時定数が、ス
イッチ51の切り替え、オフセット周波数発振器53の
周波数設定、位相比較器54の極性切り替えに要する時
間よりも十分大きければ、位相比較器54の出力を停止
する必要はない。
【0036】このように波長可変光源3の出力周波数を
任意に設定できるため、その設定周波数を順次変化させ
ることによって、波長可変光源3の出力周波数を周波数
掃引することも可能である。ヘテロダイン周波数の絶対
値がちょうど2GHzまたは4GHzである場合には、
リアルポート出力とイメージポート出力のいずれを周波
数追従制御に用いてもよい。従って、いずれを使用する
かを予め定めてもよい。例えば、2GHzと4GHzの
いずれの場合でも、リアルポート出力を用いることとす
れば、1MHzステップで高周波側へ周波数掃引を行う
場合には、ヘテロダイン信号の周波数が+2〜+4GH
zまたは−3.999〜−1.999GHzへ変化して
行く間は、スイッチ51の切り替え、位相比較器54の
極性切り替えは不要であり、オフセット周波数発振器5
3の周波数設定及び必要に応じて位相比較器54の停止
と起動を順次行えばよい。制御に利用するヘテロダイン
周波数を+4GHzから−3.999GHzへ切り替え
るときには、リアルポート出力を使用する状態からイメ
ージポート出力を使用する状態へのスイッチ51の切り
替え、位相比較器54の極性切り替え、オフセット周波
数発振器53の4GHzから3.999GHzへの周波
数設定及び必要に応じて位相比較器54の停止と起動を
行えばよい。ヘテロダイン周波数を−1.999GHz
から+2GHzへ切り替えるときも同様である。
【0037】本実施例では、90°ハイブリッドカプラ
43の2つの出力の一方をスイッチ51で選択すること
としたが、90°ハイブリッドカプラ43の後段にフィ
ルタおよび位相比較器を2系統準備しておき、2つの位
相比較器の出力をスイッチングする構成も可能である。
また、本実施例の比較手段5では、そこで扱われる信号
の周波数の関係を単純に明示できるように、オフセット
周波数発振器53と位相比較器54を用いた構成を示し
たが、ヘテロダイン信号の分周や周波数変換など、通常
の電気信号に対する処理を有効に利用してもよい。ま
た、周波数追従制御に要求される精度によっては、f−
V(周波数−電圧)変換器をオフセット周波数発振器5
3と位相比較器54の代わりに利用する構成なども可能
である。このことについては、他の実施例でも同様であ
る。
【0038】図4に本発明の第二の実施例の比較手段5
を示す。他の部分は第一の実施例と同様であるから省略
する。本実施例は作用の欄で説明した図8(c)に示す
周波数追従制御に対応するものである。本実施例の比較
手段5は、スイッチ51a、51b、フィルタ52a、
52b、オフセット周波数発振器53、位相比較器54
および終端器58からなっている。
【0039】スイッチ51aは、90°ハイブリッドカ
プラ43のリアルポート出力をフィルタ52a、52b
のいずれかへ出力するものである。フィルタ52aは2
〜4GHzを通過させる帯域通過フィルタであり、フィ
ルタ52bは4〜6GHzを通過させる帯域通過フィル
タである。スイッチ51bはフィルタ52a、52bの
出力の一方を選択して出力するものであり、スイッチ5
1aと連動して切り替えられる。スイッチ51a、51
bとフィルタ52a、52bの組み合せで通過帯域が切
り替え可能な帯域通過フィルタを構成している。オフセ
ット周波数発振器53は、制御部6の指令により設定さ
れたオフセット周波数の信号を発生する。このオフセッ
ト周波数の設定範囲は2〜6GHzとしている。位相比
較器54は、スイッチ51bからのヘテロダイン信号と
オフセット周波数発振器53の出力信号との位相比較を
行い、この位相差に基づいた波長可変光源3への制御信
号を出力する。この制御信号の断続は、制御部6の指令
により設定される。制御信号の極性は、90°ハイブリ
ッドカプラ43の2つの出力ポートの中で使用している
ポートに対応して、負帰還の状態で周波数追従制御が機
能するように固定されている。
【0040】このように構成された周波数可変レーザ光
源装置の出力周波数設定の手法について説明する。本実
施例では、側帯波の周波数間隔を4GHz、オフセット
周波数発振器53の周波数設定範囲を2〜6GHzと定
めている。ある側帯波の周波数を基準として波長可変光
源3に対する周波数追従制御が可能な周波数範囲は、リ
アルポート出力を利用しているから+2〜+6GHzで
ある。
【0041】式(1)で、整数Nを(ν−2−νr)/
fm以下(分母、分子はGHz単位)の最大の整数とす
れば、式(1)でfは2〜6GHzの範囲内の値にな
る。従って、リアルポート出力に基づくオフセット周波
数をfとする周波数追従制御を行えばよい。スイッチ5
1a、51bは、使用するオフセット周波数fを通過さ
せるフィルタ52aまたは52bを選択するように切り
替えればよい。本実施例において通過帯域を切り替える
のは、図8(c)の時刻t1 、t3 付近などでは、光I
RM4(90°ハイブリッドカプラ43)の出力に2G
Hz付近の成分と6GHz付近の成分が混在するためで
ある。通過帯域を切り替えることによって、所望の側帯
波に由来するヘテロダイン信号だけを抽出することがで
きる。
【0042】図5に本発明の第三の実施例の比較手段5
を示す。他の部分は第一の実施例と同様である。本実施
例は作用の欄で説明した図8(c)に示す周波数追従制
御に対応するものであり、スーパーヘテロダイン法を利
用するものである。本実施例の比較手段5は、周波数可
変発振器55、ミキサ56、フィルタ52、周波数固定
発振器57、位相比較器54からなっている。
【0043】周波数可変発振器55は、制御部6の指令
により設定された周波数の信号を発生する。この周波数
設定範囲は1〜5GHzとしている。ミキサ56は、9
0°ハイブリッドカプラ43のリアルポート43aから
出力されるヘテロダイン信号と周波数可変発振器55の
出力とを受けて、ミキシングして出力するものである。
フィルタ52は、1GHz付近を通過させる帯域通過
(または低域通過)フィルタであり、ミキサ56の出力
を帯域制限して出力する。周波数固定発振器57は、1
GHzの信号を発生する。位相比較器54は、フィルタ
52の出力と周波数固定発振器57の出力を受けて、位
相比較を行い、波長可変光源3への制御信号を出力す
る。
【0044】このように構成された周波数可変レーザ光
源装置の出力周波数設定の手法について説明する。本実
施例では、側帯波の周波数間隔を4GHz、オフセット
周波数設定範囲を2〜6GHzと定めている。90°ハ
イブリッドカプラ43のリアルポート出力を利用するも
のとしているから、ある側帯波の周波数を基準として波
長可変光源3に対する周波数追従制御が可能な周波数範
囲は、+2〜+6GHzである。
【0045】式(1)で、整数Nを(ν−2−νr)/
fm以下の最大の整数とすれば、fは2〜6GHzの範
囲内の値になる。このfをオフセット周波数と定める。
このとき、周波数可変発振器55の発振周波数は1〜5
GHzの範囲で可変としているので、この発振周波数を
(f−1)GHzと定めることができる。波長可変光源
3の出力光周波数が粗調整されていれば、N次側帯波と
のビートに起因するリアルポート出力はオフセット周波
数fに近い周波数を持つから、これを(f−1)GHz
の信号を参照してダウンコンバートすると、約1GHz
となる。このとき、(N−1)次側帯波とのビート、
(N+1)次側帯波とのビートに起因するリアルポート
出力もダウンコンバートされて、それぞれ約3GHz、
約5GHzに現れる。そこで、フィルタ52で約1GH
zの信号だけを取り出せば、N次側帯波とのビートに起
因する信号だけを抽出できる。この信号を周波数固定発
振器57からの1GHzの信号を参照して、位相比較器
54で位相比較すれば、周波数追従制御に必要な信号が
得られる。
【0046】
【発明の効果】周波数基準光をもとに側帯波を発生さ
せ、該側帯波を波長可変光源の出力光の周波数基準とし
て用いることは従来と同じであるが、従来のような単純
な受光方式ではなく、波長可変光源の出力光と前記側帯
波を2つの受光器を用いて得られる直交位相ヘテロダイ
ン信号を取得し、この信号が有する符号も含めた周波数
差の情報に基づいて、波長可変光源の出力光の周波数を
制御することとしたから、光周波数コム発生器の使用に
伴うデッドゾーンの問題点を本質的に解消して、出力
光の周波数確度、周波数安定度、設定分解能に優れ、
周波数可変範囲が広く、かつ、前記周波数可変範囲内
で任意に周波数を設定または掃引できる周波数可変レー
ザ光源装置を実現できた。また、本発明の第二の実施の
形態のように複数の波長可変光源を備えれば、一つの周
波数基準光に対して複数の出力光の各々を独立に周波数
設定することが可能となり、WDM通信用の光源等への
応用が可能な周波数可変レーザ光源装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明の第二の実施の形態を示す図である。
【図3】本発明の第一の実施例を示す図である。
【図4】本発明の第二の実施例を示す図である。
【図5】本発明の第三の実施例を示す図である。
【図6】光90°ハイブリッドカプラの構成例を示す図
である。
【図7】側帯波を周波数基準として用い、出力光の周波
数を設定、掃引するときに問題となるデッドゾーンを周
波数掃引の観点から説明するための図であり、(a)は
(b、c)及び図8の前提となる出力光の周波数掃引の
状況、(b)は各側帯波を基準とした出力光の周波数、
(c)は1つの受光器で得られるヘテロダイン信号とデ
ッドゾーンを示す図である。
【図8】図7(a)を前提として、本発明での側帯波を
周波数基準とした出力光の周波数の設定、掃引について
説明するための図であり、(a)は光IRMが出力する
ヘテロダイン信号の周波数、(b)、(c)は(a)の
出力に基づいた出力光の周波数の設定、掃引の方法の例
を示す図である。
【図9】従来の周波数可変レーザ光源装置の構成を示す
図である。
【図10】従来の周波数可変レーザ光源装置の構成を示
す図である。
【図11】側帯波を周波数基準として用い、出力光の周
波数を設定、掃引するときに問題となるデッドゾーンを
説明するための図であり、(a)は側帯波近傍、(b)
は帯波間の中央付近での問題点の説明図、(c)はデッ
ドゾーンを示す図である。
【符号の説明】
1 周波数基準光源 2 側帯波発生手段 3 波長可変光源 4 光IRM 5 比較手段 6 制御部 21 コム発生器 22 マイクロ波発振器 41 光90°ハイブリッドカプラ 42a 受光器 42b 受光器 43 (電気信号の)90°ハイブリッドカプラ 51 スイッチ 51a スイッチ 51b スイッチ 52 フィルタ 52a フィルタ 52b フィルタ 53 オフセット周波数発振器 54 位相比較器 55 周波数可変発振器 56 ミキサ 57 周波数固定発振器 58 終端器 58a 終端器 58b 終端器 331 合波器 332 受光器 333 位相比較器 334 オフセット周波数発振器 335 ループフィルタ 336 加算器 337 駆動電流源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数基準光源(1)と、 該周波数基準光源から出力された周波数基準光を受けて
    複数の側帯波を有する光を発生する側帯波発生手段
    (2)と、 出力光の波長が可変である波長可変光源(3)と、 該波長可変光源から出力された出力光と前記側帯波発生
    手段から出力された複数の側帯波を有する光とを受けて
    ヘテロダイン信号を出力する、リアルポートとイメージ
    ポートとを有する光IRM(4)と、 該光IRMのリアルポートおよびイメージポートからの
    出力のうちの一方の出力を受けて前記ヘテロダイン信号
    の周波数と前記複数の側帯波のうちの前記出力光の所望
    の波長に関連して決められる一つの側帯波に対応するオ
    フセット周波数信号の周波数とを比較し、周波数差信号
    を出力する比較手段(5)とを備え、 前記周波数差信号を用いて前記波長可変光源の波長を制
    御する周波数可変レーザ光源装置。
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JP2011203550A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Neoark Corp ヘテロダイン光源、並びに、それを用いた光吸収/光損失計測装置及び分光分析装置
WO2022162987A1 (ja) * 2021-01-26 2022-08-04 株式会社Xtia 光コム発生装置

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