JPH11290694A - 光触媒体及びこれを含有してなる光触媒性組成物 - Google Patents

光触媒体及びこれを含有してなる光触媒性組成物

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JPH11290694A
JPH11290694A JP10116167A JP11616798A JPH11290694A JP H11290694 A JPH11290694 A JP H11290694A JP 10116167 A JP10116167 A JP 10116167A JP 11616798 A JP11616798 A JP 11616798A JP H11290694 A JPH11290694 A JP H11290694A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた吸収(着)性と分解性とを長期に亘っ
て持続する光触媒体を提供する。 【解決手段】 リン酸カルシウム系化合物担体に光触媒
酸化チタンを担持せしめてなり、下記式を満足すること
を特徴とする。 (a)0.1≦dx1≦20(μm) (b)0.01≦dx2≦1(μm) (c)50≦Sw1≦500(m2/g) x1:SEM写真により測定した平均粒子径(μm) dx2:水銀圧入法により測定した平均細孔径(μm) Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リン酸カルシウム
系化合物を担体として、光触媒作用のある酸化チタンを
担持せしめた光触媒体及び該光触媒体を含有してなる光
触媒性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンからなる光触媒体材料にバン
ドギャップ以上のネルギーを持つ波長の光を照射する
と、光励起により伝導帯に電子を、価電子帯に正孔を生
じるが、この光励起して生成する電子と正孔の高い還元
力および酸化力を利用して、抗菌抗黴性、防汚性、有機
物の分解あるいは脱臭、NOx低減能などの用途への利
用が各方面から提案されている。また、該酸化チタン
は、粉末として取り出す場合、1次粒子径が小さいため
粒子間の相互作用により凝集度が大きくなるため、加工
性、コスト面から1次粒子径を保持したゾルまたはスラ
リーのものも用いられている。
【0003】しかしながら、タイルやセラミックなど無
機系材料においては、直接、該酸化チタン粉末又はゾ
ル、スラリーを塗布焼結し密着させればよいが、例えば
プラスチックス、ゴム、紙、塗料などの有機系材料を含
む用途に配合した場合、酸化チタンの強い酸化力が、着
色や劣化等を引き起こす点等の問題がある。このような
劣化に対して、特開平2−280818号公報や特開平
3−94814号公報では、セラミック繊維等の無機系
材料を使用しているが、有機系材料は使用できないため
素材の自由性が著しく制限されてしまう。
【0004】一方、リン酸カルシウム系化合物に代表さ
れるハイドロキシアパタイトは、研磨剤、製紙用顔料も
しくは填剤、塗料用顔料、プラスチックス、ゴム又はフ
ィルム用填剤、食品添加剤、化粧品などに有用である
他、むし歯予防歯磨き剤として実用化されており、また
生化学の分野でアミノ酸やタンパク質等の特異的吸着剤
として利用されている。
【0005】また、各種銀系抗菌剤の一つとしてもアパ
タイトが提案されており、特開平8−165208号公
報では、0.3μm以下のセラミックス抗菌剤に光触媒
酸化チタンを併用混合させる方法が提案されているが、
そのようなハイドロキシアパタイト抗菌剤は、銀イオン
を焼成して金属銀にするため比表面積が低下してしまう
上に、一次粒子が凝集したコロイド状と小さく、各種媒
体ミルで酸化チタンを混合した場合、凝集したハイドロ
キシアパタイト内に酸化チタンが取り込まれ光触媒作用
の効率が低下する等の問題点が多い。また、各種バイン
ダーを添加したり、スプレードライヤー等を用いて造粒
又は顆粒にしたものに対しても、前記したように酸化チ
タンが造粒粒子中に取り込まれる結果、光による触媒作
用が低下するばかりでなく、均一で微粒な粒子を作成す
ることはできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような従
来の欠点を克服するため、有機系材料の劣化を抑制し、
NOx等の有害物質を吸収し、且つ光触媒作用で分解促
進を同時に満たす光触媒体を簡便かつ安価に提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、リン酸カルシウム系化
合物を担体とし、該担体に光触媒酸化チタンを担持せし
めた光触媒体を用いることによりその目的を達成しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明の第1は、リン酸カルシウム
系化合物からなる担体に光触媒酸化チタンを担持せしめ
てなり、下記の式を満足することを特徴とする光触媒体
を内容とする。 (a)0.1≦dx1≦20(μm) (b)0.01≦dx2≦1(μm) (c)50≦Sw1≦500(m2/g) 但し、 dx1:走査型電子顕微鏡(SEM)写真により測定し
た粒子の平均粒子径(μm) dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求め
た粒子の平均細孔径(μm) Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g) 本発明の第2は、上記光触媒体を含有してなる光触媒性
組成物を内容とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる酸化チタン
は、光触媒作用のあるものなら特に制限されないが、1
次粒子径が小さいほど少量で効果があり触媒作用も高く
なることから、好ましくは透過型電子顕微鏡(TEM)
写真により測定した平均粒子径dx3が0.05μm以
下が好ましく、1次粒子径が分散保持されたゾルまたは
スラリーが好適である。更には、後述する水銀圧入法に
より測定した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径d
x2以下であることが好ましい。結晶形態はアナターゼ
型及びルチル型のどちらでも構わないが、アナターゼ型
の方がバンドギャップが大きく、触媒作用が高いためよ
り好ましい。
【0010】本発明で担体として使用するリン酸カルシ
ウム系化合物は、特開平9−25108号公報で開示さ
れているものが例示される。また、リン酸カルシウム系
化合物として特に制限はないが、非晶質リン酸カルシウ
ム(ACP)、リン酸三カルシウム(TCP)、リン酸
水素カルシウム(DCP)、リン酸水素カルシウム二水
和物(DCPD)、フッ素アパタイト(FCP)、塩素
アパタイト(CAP)、Ca10(PO4 6 (OH)2
で表されるヒドロキシアパタイト(HAP)等が例示で
き、これらは単独又は2種以上組み合わせて使用される
が、安定性が最も高いヒドロキシアパタイトが特に好適
である。本発明における酸化チタンのリン酸カルシウム
系化合物への担持方法は、前記公報に記載のごとく作成
したリン酸カルシウム系化合物スラリーに酸化チタンを
添加すればよい。担体に対する酸化チタンの担持量は、
多いほど光触媒作用が得られやすいが、担体の1次粒子
径によっても異なるが、通常1〜100重量%、好まし
くは5〜70重量%、より好ましくは10〜50重量%
である。1重量%未満では、光触媒効果を十分に発揮さ
せることができず、100重量%を越えると、コスト高
になるばかりか、酸化チタンを十分担持できず、脱落の
原因や担体粒子の均一性、比表面積に悪影響及ぼす傾向
がある。
【0011】本発明の光触媒体の走査型電子顕微鏡(S
EM)写真により測定した粒子の平均粒子径dx1は、
0.1〜20μmである。平均粒子径dx1が0.1未
満になると1次粒子径の分散性が保持できず、凝集して
酸化チタンを均一にあるいは十分に担持できず、満足な
光触媒作用を得ることができない。また、20μmを越
える場合は、光触媒作用においては別段問題ないが、特
に合成樹脂用途において成形品の表面が荒れてしまった
り、粒子が脱落し易いため用途が限定される。更に、本
発明の光触媒体は、走査型電子顕微鏡(SEM)写真に
より測定した粒子表面に存在する平均細孔径dx4が、
0.01〜1μmであることが好ましい。
【0012】本発明の光触媒体の水銀圧入法により測定
した細孔分布により求めた粒子の平均細孔径dx2は、
0.01〜1μmである。平均細孔径が0.01μm未
満の場合は、酸化チタンを担持保持することができず、
脱落等の原因になる。また、1μmを越える場合は、逆
に孔が大き過ぎるため、酸化チタンを均一に担持せしめ
るためには酸化チタンの量が多くなり、コスト高になる
ばかりでなく、十分に担持保持できず脱落等の原因にな
る。
【0013】本発明の光触媒体の窒素吸着法によるBE
T比表面積は、50〜500(m2/g)である。BET
比表面積が50(m2/g)未満の場合は、有害物質等の
吸着性あるいは良好な担持が得られない。また、500
(m2/g)を越える場合は、吸着性が高くなり過ぎ、酸
化チタンを均一担持せしめるためには多量の酸化チタン
が必要なためコスト高になるばかりでなく、酸化チタン
が担体の奥に入りこんでしまい十分な触媒作用が得られ
い。
【0014】また、本発明の効果を一層高める目的か
ら、光触媒体は以下の式(e)〜(h)の特徴を兼備す
ることが好ましい。 (g)1≦α≦5 但し α=d50/dx1 (h)0≦β≦2 但し β=(d90−d10)/
d50 (i)95≦ω1≦99(%) (j)70≦ω2≦95(%) 但し、 α :分散係数 d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子の50%平均粒子径(μm) β :シャープネス d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子のふるい通過側累計90%粒子径
(μm) d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
により測定した粒子のふるい通過側累計10%粒子径
(μm) ω1 :JISK5101−91 20.1 顔料試験
方法の静置法による見掛け比容(ml/g)を測定し、
下記の式(h)により計算した静置空隙率(%) ω2:試料0.5gを断面積2cm2 の円筒に充填し、3
0kg/cm2 の圧力で30秒間加圧し、その厚みをノギス
で測定し、下記の式(i)より計算した加圧空隙率
(%)
【0015】本発明の、酸化チタンを担持したリン酸カ
ルシウム系化合物からなる光触媒体は、分散性、安定性
等、耐候性をさらに高めるため、あるいは目的用途に応
じ、繊維素化合物、シロキサン化合物、脂肪酸、樹脂
酸、アクリル酸、メタクリル酸、シュウ酸、クエン酸、
酒石酸等の有機酸、燐酸、縮合燐酸、フッソ酸等の無機
酸、それら有機酸、無機酸のポリマー、それら有機酸、
無機酸の塩、又はそれら有機酸、無機酸のエステル類等
の表面処理剤、界面活性剤等の分散剤、チタネートカッ
プリング剤、シランカッブリング剤等のカップリング
剤、界面活性剤等の分散剤、光安定剤等を1種又は2種
以上用い、常法に従い添加又は表面処理しても差し支え
ない。また、リン酸カルシウム系化合物担体と酸化チタ
ンとの固着力を一層高めるため、無機系接着剤、有機系
接着剤等の各種バインダーを使用しても差し支えない。
更にAg、Cu等を含む抗菌性を有する金属もしくは酸
化物や錯体物等、又は光触媒作用を助長させる目的で、
シリカ等の高比表面積の粉末の添加、Al等の3価元素
ドーピング等に併用しても何ら差し支えない。
【0016】本発明の光触媒体は、脱水濃縮した後、乾
燥解砕し、粉末にして各種用途に用いることができるこ
とはもちろん、用途に応じて水スラリーの状態、あるい
は他の溶媒系でのスラリーとしても有用である。
【0017】酸化チタンとリン酸カルシウム系化合物担
体の固着力及び光触媒作用がさらに高くなるように、前
記した方法で粉末化させたものを50〜700℃、好ま
しくは100〜500℃、さらに好ましくは200〜3
00℃で熱処理すると一層効果的である。焼成温度が7
00℃を越える場合は、担体の比表面積が著しく低下す
るだけでなく酸化チタンの結晶形態がアナターゼ−型か
らルチル型に転位してしまい光触媒作用の効率も低下す
るので好ましくない。また焼成温度が50℃未満では、
十分な焼成効果が得られない。
【0018】本発明の光触媒体は、合成樹脂やコーティ
ング材料等に配合され光触媒性組成物とされる。合成樹
脂としては特に限定されないが、特に有用である合成樹
脂として、熱可塑性樹脂では、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル
酸エステル、ポリアクリル酸アミド、ポリエステル、ポ
リアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン等が挙げられ、熱硬化性樹脂ではフェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキド樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、珪素樹脂
等が挙げられる。また、フィルム、繊維用途に関して
は、特にポリオレフィンや飽和ポリエステル、ポリエチ
レンが好適である。合成樹脂製品としては具体的には、
プラスチック成形品、塗料、シーラント、インク等であ
り、その他、製紙、ゴム、天然繊維等に使用可能であ
る。
【0019】本発明の光触媒体は、工業用途あるいは抗
菌用途に用いられる他の粒子、例えば工業用途では、酸
化チタン、タルク、シリカ、硫酸バリウム等、抗菌用途
では銀、硝酸銀、銅等の銀や銅系の化合物、遠赤外線放
射物質等を併用しても何ら差し支えない。本発明の光触
媒体は、優れた吸収(着)性と分解性とを長期に亘って
持続し、合成樹脂等に練り込まれたり、コーティング材
料に配合され合成樹脂成形品等にコーティングされるこ
とにより、抗菌性、抗臭性、空気浄化性等に優れた照明
カバー、ガラス、空調機、建築資材、サニタリー、トイ
レタリー等を提供することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例、比較例を示し、本発明をさら
に具体的に説明するが、これらは本発明を何ら限定する
ものではない。
【0021】実施例及び比較例に使用する炭酸カルシウ
ムの水懸濁液A及びBの調製方法 炭酸カルシウムの水懸濁液A 比重1.055で温度が8℃の石灰乳(水酸化カルシウ
ムの水懸濁液)7000リッターに、炭酸ガス濃度27
重量%の炉ガスを24m3 の流速で導通しpH9まで炭
酸化反応を行い、その後40〜50℃で5時間攪拌熟成
を行うことにより粒子間のアルカリを溶出させpH1
0.8として分散させ、電子顕微鏡写真より測定した平
均粒子径0.05μmで粒度分布測定器(株式会社島津
製作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が
0.48μmである炭酸カルシウムの水懸濁液Aを調製
した。
【0022】炭酸カルシウムの水懸濁液B 丸尾カルシウム株式会社製重質炭酸カルシウム「スーパ
ーSSS」(1.2m2/g)に水を添加混合後、TKホモ
ミキサー(5000rpm,15分間)にて攪拌分散さ
せて固形分濃度25重量%の電子顕微鏡写真より測定し
た平均粒子径3μmで粒度分布測定器(株式会社島津製
作所製SA−CP3)により測定した平均粒子径が3.
4μmである炭酸カルシウムの水懸濁液Bを調製した。
【0023】実施例1〜3及び比較例1〜5 表1、表2に記載した原料及び混合条件に従い、邪魔板
付きで、直径0.6mのタービン羽根1枚の攪拌機付き
の0.4m3ステンレスタンクに、希釈により濃度を調整
及び温調した上記炭酸カルシウムA、Bの水懸濁液を投
入し、攪拌下において燐酸の希釈水溶液を滴下混合し、
表1、表2に記載した熟成条件に従い撹拌を行いながら
熟成した。熟成終了後、表1、表2に記載した条件で撹
拌しながら光触媒酸化チタンを添加し、担持せしめた。
常法に従い、脱水、乾燥を行うことにより粒子表面が花
弁状多孔質ヒドロキシアパタイトで被覆された粒子に該
酸化チタンを担持した粒子D1〜D3(実施例1〜3)
とE1、E2(比較例1、2)を調製した。また、光触
媒酸化チタンを添加しないこと以外は、D1〜D3と同
様の方法で作成したリン酸カルシウム系化合物粒子F1
〜F3(比較例3〜5)を調製した。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】実施例1〜3で調製された粒子D1〜D3
の粉体物性を表3に、比較例1、2で調製された粒子E
1、E2及び比較例3〜4で調製された粒子F1〜F3
の粉体物性を表4に示す。表3より、本発明の光触媒体
である粒子D1〜D3は、優れた粒子の均一性、分散性
と高い比表面積、空隙率を持つことが確認される。
【0027】また、本発明の光触媒体の担体であるリン
酸カルシウム化合物を構成する花弁状多孔質粒子の組成
と市販のヒドロキシアパタイトを比較するために、実施
例1の粒子D1のSEM写真(10000倍)を図1に
示す。図1より、本発明で得られた粒子は、花弁状構造
を有していることが確認される。また、X線回折より粒
子D1の組成は、リン酸カルシウム系化合物と炭酸カル
シウム(カルサイト)の他、微量のアナターゼ型酸化チ
タン以外は認められなかった。また、リン酸カルシウム
系化合物の主成分はヒドロキシアパタイト(HAP)で
あることが確認された。
【0028】実施例4、5 実施例1で調製した粒子D1を常法の方法で濾過水洗
後、各々温度250℃、800℃にて1時間熱処理を行
った得られた粒子D4、D5の粉体物性を表3に示す。
表3より、本発明の光触媒体である粒子D4、D5は、
優れた粒子の均一性、分散性と高い比表面積、空隙率を
持つことが確認される。また、粒子D4、D5をSEM
写真で観察したところ、実施例1で得たD1の粒子と全
く同じであることが確認された。さらにX線回折より、
D4、D5の順でリン酸カルシウム系化合物及び酸化チ
タンの強度が大きくなっていることが認められた。さら
に、D5の酸化チタンは一部ルチル型に転位しているこ
とが認められた。
【0029】実施例6 光触媒酸化チタンを150重量%添加したこと以外は、
実施例1と同様の製法で粒子D6のスラリーを得た。粒
子D6の粉体物性を表3に示す。表3より、本発明の光
触媒体である粒子D6は、優れた粒子の均一性、分散性
と高い比表面積、空隙率を持つことが確認できる。ま
た、粒子D6をSEM写真で観察したところ、実施例1
で得たD1の粒子とほぼ同じであることが確認できた。
さらにX線回折より、組成はリン酸カルシウム系化合物
と炭酸カルシウム(カルサイト)の他、アナターゼ型酸
化チタン以外認められなかった。また、リン酸カルシウ
ム系化合物の主成分はヒドロキシアパタイト(HAP)
であることが確認できた。
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】比較例6〜8 表1の実施例1の担持混合条件に従い、市販のヒドロキ
シアパタイト(米山化学工業株式会社製)(比較例
6)、市販の珪酸カルシウム(商品名:フローライト
R、徳山曹達株式会社製)、市販のA型ゼオライト(触
媒化成工業株式会社製)(比較例8)に酸化チタンを担
持させた粒子G1〜G3を調製した。これらの物性につ
いて表5に示す。
【0033】
【表5】
【0034】(1)担持性能の評価 実施例1〜6の粒子(D1〜D6)及び比較例1〜2の
粒子(E1〜E2)、比較例6〜8の粒子(G1〜G
3)の担持性能を確認するため、各水スラリーを常温に
て24時間撹拌後、各水スラリーを常法に従って濾過後
乾燥を行った後、酸化チタンの担持量を蛍光X線を用い
て測定した。これらの結果を表6に示す。表6に示す通
り、本発明の光触媒体である粒子D1〜D6は、水への
溶出が低いことが確認できる。
【0035】
【表6】
【0036】(2)配合有機物に対する分解性能評価 光触媒酸化チタン単独と、光触媒担持粒子との配合有機
物に対する分解性能を比較するため、オレフィン系樹脂
に光触媒酸化チタン単独を5重量%配合したフィルム
と、同一量の酸化チタンを含むように実施例1〜6の粒
子(D1〜D6)及び比較例1、2の粒子(E1、E
2)、比較例6〜8の粒子(G1〜G3)を配合したフ
ィルムとについて、担体のみの比較例3〜5の粒子(F
1〜F3)を配合したフィルムをブランクとして、それ
ぞれ屋外暴露にて引っ張り伸度の経時変化を測定した。
これらの結果を表7に示す。表7に示す通り、本発明の
光触媒体である粒子D1〜D6は酸化チタン単独と比べ
樹脂への劣化度が低く、一定に保つことが確認できる。
【0037】
【表7】
【0038】(3)臭気物質(アンモニア)の分解性評
価 アンモニアを臭気物質として選択し、バイアル瓶中に上
記(2)の実験で用いた各フィルムをそれぞれ一定量入
れた。次いでアンモニアを一定量注入した後、均一にな
るよう気化させて、近紫外光(ブラックライト:2mW
/cm2 )の照射有り又は無しの条件下で所定時間経過後
のアンモニア濃度(初濃度300ppm )をガスクロマト
グラフ(GC)により測定した。その結果を表8に示
す。表8に示す通り、本発明の光触媒体である粒子D1
〜D6は、臭気物質をよく吸着・分解することが確認で
きる。
【0039】
【表8】
【0040】(4)タバコの消臭性評価 下記に示す環境庁、悪臭防止法による6段階臭気強度表
示法(スメラーテスト)に従い、タバコについての消臭
性能をテストした。
【0041】実験方法 オレフィン系樹脂(ポリエチレン)に光触媒酸化チタ
ン単独を30重量%配合したフィルムと、同一量の酸化
チタンを含むように実施例1〜6の粒子(D1〜D6)
及び比較例1、2の粒子(E1、E2)、比較例6〜8
の粒子(G1〜G3)を配合したフィルムを準備し、ま
た担体のみの比較例3〜5の粒子(F1〜F3)を配合
したフィルムをブランクとして準備し、各々容積500
ml三角フラスコ中にセットした。 着火したタバコの煙を使用した。 近紫外線照射(ブラックライト:2mW/cm2 )有り
又は無しの条件下で、タバコの煙を30秒間、該三角フ
ラスコに採取し、一定時間経過後の該三角フラスコ内の
臭気を官能によって下記の基準により6段階評価した。
【0042】 5:強烈な臭い 4:強い臭い 3:楽に感知できる臭い 2:何の臭いかかかわる臭い 1:やっと感知できる臭い 0:無臭 結果を表9に示す。表9から本発明の光触媒体である粒
子D1〜D6は、光末照射条件下においては消臭性能が
低く、さらに黄色に着色したが、光照射条件下では長期
に亘って優れた消臭性能を示し、また着色することな
く、非常に優れていることが確認できる。
【0043】
【表9】
【0044】(5)抗菌効果の評価 「酸化チタン光触媒の開発と環境・エネルギー分野への
応用展開(株式会社技術情報協会発行)」の第185頁
に記載の抗菌効果の測定法に準拠して、抗菌効果の評価
を行った。即ち、抗菌効果の無いバインダー樹脂に、光
触媒酸化チタン単独をコーティングしたものと、同一量
の酸化チタンを含むように実施例1〜6の粒子(D1〜
D6)及び比較例1、2の粒子(E1、E2)、比較例
6〜8の粒子(G1〜G3)をコーティングし、担体の
みの比較例3〜5の粒子(F1〜F3)をコーティング
したものをブランクとして抗菌性を評価した。表10の
結果から明らかなように、本発明の光触媒体である粒子
D1〜D6は、微弱な蛍光灯照射のもとで、酸化チタン
単独とほぼ同等の抗菌効果が得られた。
【0045】
【表10】
【0046】
【発明の効果】本発明の光触媒体は優れた吸収(着)性
と分解性とを長期に亘って持続し、合成樹脂等に練り込
まれたり、コーティング材料に配合され合成樹脂成形品
等にコーティングされることにより、抗菌性、抗臭性、
大気浄化性等に優れた照明カバー、ガラス、空調機、建
築資材、サニタリー、トイレタリー等を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた粒子D1の走査型電子顕微
鏡写真(10000倍)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 光延 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カ ルシウム株式会社内 (72)発明者 高橋 洋一 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カ ルシウム株式会社内 (72)発明者 源吉 嗣郎 兵庫県明石市魚住町西岡1455番地 丸尾カ ルシウム株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リン酸カルシウム系化合物からなる担体
    に光触媒酸化チタンを担持せしめてなり、下記の式を満
    足することを特徴とする光触媒体。 (a)0.1≦dx1≦20(μm) (b)0.01≦dx2≦1(μm) (c)50≦Sw1≦500(m2/g) 但し、 dx1:走査型電子顕微鏡(SEM)写真により測定し
    た粒子の平均粒子径(μm) dx2:水銀圧入法により測定した細孔分布により求め
    た粒子の平均細孔径(μm) Sw1:窒素吸着法によるBET比表面積(m2/g)
  2. 【請求項2】 リン酸カルシウム系化合物からなる担体
    に対して光触媒酸化チタンを1〜100重量%担持せし
    めた請求項1記載の光触媒体。
  3. 【請求項3】 光触媒酸化チタンを担持せしめたリン酸
    カルシウム系化合物を50〜700℃で熱処理してなる
    請求項1記載の光触媒体。
  4. 【請求項4】 光触媒酸化チタンを担持せしめたリン酸
    カルシウム系化合物を100〜500℃で熱処理してな
    る請求項1記載の光触媒体。
  5. 【請求項5】 光触媒酸化チタンが下記の式を満足する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒体。 (d)dx3≦0.05(μm) (e)dx3≦dx2 但し、 dx3:透過型電子顕微鏡(TEM)写真により測定し
    た平均粒子径(μm)
  6. 【請求項6】 更に下記の式を満足する請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の光触媒体。 (f)0.01≦dx4≦1(μm) 但し dx4:走査型電子顕微鏡(SEM)写真により測定し
    た粒子表面に存在する平均細孔径
  7. 【請求項7】 リン酸カルシウム系化合物が化学式Ca
    10(PO4 6 (OH)2 のヒドロキシアパタイトであ
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の光触媒体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光
    触媒体を含有してなる光触媒性組成物。
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