JPH11291420A - 多層フィルム - Google Patents

多層フィルム

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JPH11291420A
JPH11291420A JP9574798A JP9574798A JPH11291420A JP H11291420 A JPH11291420 A JP H11291420A JP 9574798 A JP9574798 A JP 9574798A JP 9574798 A JP9574798 A JP 9574798A JP H11291420 A JPH11291420 A JP H11291420A
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JP
Japan
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film
layer
weight
ethylene
styrene
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JP9574798A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Ono
俊明 大野
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遅延回復性を維持しながら、押込回復性特に
0℃程度の低温においても押込回復性に優れ、且つ耐冷
寒性に優れたフィルムを提供すること。 【解決手段】 融点が100℃以下のポリオレフィン系
樹脂組成物からなる両表面層(S層)と、少なくとも1
層の耐熱層(C層)からなり、前記耐熱層が、融点が1
40℃以上のポリプロピレン系樹脂10〜90重量%と
ガラス転移点(Tg)が0℃以下のエチレン−スチレン
・ランダム共重合体10〜90重量%からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多層フィルムに関
し、特にハンド包装やマシン包装による食品等のストレ
ッチ包装用に適したフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリスチレン系エラストマー(以下、T
PSと略す)であるスチレンと共役ジエンとのブロック
共重合体、又はランダム共重合体又はそれ等の水添組成
物単独、又はこれ等に融点が140℃以上のポリプロピ
レン系重合体とからなる樹脂組成物や、これ等を中間層
に用い、両表面層としてエチレン−酢酸ビニル共重合体
(EVA)を用いた多層ストレッチフィルムは既に公知
である(特公昭59−47670号公報、特公平5−5
9822号公報、特開平6−179783号公報、特開
平8−119319号公報、米国特許第4835218
号等)。
【0003】これ等は、TPSの特性である回復性、特
にポリオレフィン系のエラストマーの様な瞬間的な回復
ではなく、可塑化塩化ビニルフィルムライクなゆっくり
回復する特性(遅延回復性と呼ぶ)に着目し、この樹脂
を利用することによって、ポリオレン系樹脂のみでは付
与できなかった遅延回復性を付与することに成功してい
る。
【0004】特開平8−119319号公報の実施例5
を例に、より具体的に説明すると、このフィルムは、ス
チレン−イソプレン−スチレンのトリブロック共重合体
の水素添加誘導体(動的粘弾性で求めたTg=−19
℃)49重量%と、軟化点が125℃(Tg=81℃)
の水素添加石油樹脂を21重量%と、プロピレン系共重
合体を30重量%とからなる混合組成物を中間層(C
層)とし、又EVAを両表面層(S層)としたS/C/
S=2/11/2(μm)の共押出インフレーションフ
ィルムであり、復元性(本発明でいう回復性)に優れる
ことが記載されている。
【0005】ここで、ストレッチ包装用フィルムに要求
される回復性とは、ア)押込回復性とイ)遅延回復性に
大別出来る。食品等の商品は発泡ポリスチレン製の容器
(一般にPSPトレーと呼ぶ)や、ポリプロピレンやポ
リスチレン製の成形容器(トレー)に載せ、包装用のフ
ィルムをストレッチしながら包まれた(以下、トレー包
装と呼ぶ)後、0〜10℃に設定されたオープンショー
ケース等で店頭に陳列される。「ア)押込回復性」と
は、このように店頭に陳列された商品を消費者が手に取
って確認する際に、指等をフィルムの上から押し込んで
も、指等の押込跡が残らないよう様にフィルムが変形回
復する特性で、出来るだけ速く回復するのが好ましい。
【0006】これに対して「イ)遅延回復性」とは、前
述のごとくゆっくり元の寸法に戻ろうとする特性で、例
えばマシンで包装する場合にフィルムをカットする工程
があるが、カットの際にはフィルムにテンションを加え
た状態でカッターで切断する為に、フィルムはカットさ
れるとテンションが解除されてに元に戻ろうとする。瞬
間に回復する特性のフィルムでは、この際に戻り過ぎて
フィルムが折り重なって密着してしまい、所定寸法にフ
ィルムをカットしてもフィルム長が不足してしまう。
又、ハンド包装、マシン包装共にトレー包装する時に、
遅延回復性のあるフィルムでは包装直後に多少皺や弛み
があっても、ゆっくり回復する特性によって徐々に皺や
弛みが消えていく傾向にあり、包装作業をある程度ラフ
に行っても綺麗に仕上がる傾向にある。
【0007】ここで、食品包装の最近の傾向として、鮮
度保持及びO−157に代表される食中毒対策として低
温流通−低温陳列になりつつある。輸送中は0〜−30
℃程度の温度に管理され、又陳列するオープンショーケ
ースでは設定が0℃程度にするのが一般的になって来て
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これに対して上記フィ
ルムは、遅延回復性を考慮するあまり押込回復性、特に
0℃程度の低温に設定されたオープンショーケースに陳
列された場合の押込回復性が、ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムに比べ劣る傾向にある。又0℃以下での強度低下
が激しく、トレー包装した商品同士が擦れて簡単に孔が
開いてしまうといった問題点も指摘されている。そこで
本発明は、従来のフィルムの特徴である遅延回復性を維
持しながら、押込回復性、特に0℃程度の低温において
も押込回復性に優れ、且つ耐冷寒性に優れたフィルムを
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は融点が100℃
以下のポリオレフィン系樹脂組成物からなる両表面層
(S層)と、少なくとも1層の耐熱層(C層)からな
り、前記耐熱層が融点が140℃以上のポリプロピレン
系樹脂10〜90重量%とガラス転移点(Tg)が0℃
以下のエチレン−スチレン・ランダム共重合体10〜9
0重量%からなることを特徴とする。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明が
従来技術と相違する点は、ポリスチレン系エラストマー
(TPS)として「ガラス転移点(Tg)が0℃以下の
エチレン−スチレン・ランダム共重合体(ESRと略
す)」を用いる点にある。先ず、表1を用いて本発明が
従来技術に対して優れることを説明する。表1におい
て、実施例1のフィルムはTPSとして「Tgが0℃以
下のエチレン−スチレン・『ランダム』共重合体(ES
R)」を用いた本発明のフィルムであり、比較例1のフ
ィルムはTPSとして「スチレン−イソプレン−スチレ
ン・『トリブロック』共重合体の水素添加誘導体」を用
いた従来のフィルムであり、更には、比較例2のフィル
ムとしてTPSを用いなかったポリオレフィン系樹脂の
みのストレッチフィルムである。
【0011】表1から本発明のフィルムは総合評価にお
いて「◎」であるのに対して、従来のフィルム及びTP
Sを用いなかったポリオレフィン系樹脂のみのストレッ
チフィルムは、総合評価が「×」であることがわかる。
実施例1のフィルムと比較例1のフィルムを比較する
と、比較例1のフィルムは実施例1のフィルムに比べて
低温での押込回復性やダート強度が劣っていた。
【0012】その要因として、低温特性を決定すると思
われるTgを単純に比較しても上記結果は説明出来な
い。本発明のごとくTPSとしてスチレンのセグメント
を有しないランダム共重合タイプを用いることによっ
て、初めて達成し得たものである。低温での強度劣化に
関しては、比較例2のフィルムのポリオレフィン系樹脂
のみのストレッチ包装用フィルムと同等であり、フィル
ム特性の温度依存性が芳香族環構造を有するスチレンを
共重合している樹脂を用いているにも係わらず、ポリオ
レフィン系樹脂のみのフィルムと同様な振る舞いをする
フィルムが出来た。
【0013】以上のことから、TPSとして「Tgが0
℃以下のエチレン−スチレン・ランダム共重合体」を用
いた本発明のフィルムはブロック型のTPSを用いた従
来のフィルムやTPSを用いなかったポリオレフィン系
樹脂フィルムに比べ優れていることが分かる。従って本
発明においては、TPSとしてエチレン−スチレン共重
合体はランダム共重合体である必要がある。
【0014】上述の通り、スチレンがブロックを形成し
ていると動的粘弾性等で測定される見掛け上のTgが0
℃以下になっても、押込回復性、特に0℃程度の低温に
おける押込回復性及び−30℃程度の温度でのダート強
度に優れたフィルムを得ることは出来なかった。ここで
「ランダム共重合体」の定義は、狭義にはエチレンとス
チレンが完全にランダム共重合しているものであるが、
本発明においては、ポリスチレンセグメントが存在せず
ブロック共重合体を形成していないもの(疑似ランダ
ム)で、後述のポリプロピレン系ブロック共重合体のモ
ルフォロジーでも説明する様な海島構造を取らないもの
を含むものとする。
【0015】共重合がランダムであることは、特許公報
第2623070号に詳述されている様に、13C−NM
Rスペクトルによって確認されるが、簡易的にはDSC
測定におけるTgと融解ピークから確認出来る。例えば
ESRの場合には、スチレン含量が0〜25モル%の範
囲であれば、融点(Tm:℃)はスチレン含量(x:モ
ル%)と次式の関係が成り立つ。 Tm≒126.37×exp(−0.0504x) (式1) 又、スチレン含量が25モル%よりも多い場合には、殆
ど非晶質で融解ピークが認められないが、TgでのDS
Cカーブに明確な変曲が認められる様になる。Tg(単
位:℃)とスチレン含量(x:モル%)との間には以下
の関係がある。 Tg≒0.0092x2+0.3553x−23.803 (式2) もし仮に、スチレンのみのセグメントが存在していれば
それに起因するDSCカーブが105℃付近に発現する
はずである。
【0016】そこで本発明においては、後述するDSC
法で求めた共重合体の融点及びTgによってランダム共
重合体であることを確認した。又、上記ランダム共重合
体(ESR)のTgは0℃以下である必要がある。後述
する実施例1〜5及と比較例3との比較において、表2
に示す通りESRのTgが22℃と0℃より高い比較例
3のフィルムは、TPSがランダム共重合体であっても
低温での押込回復性及び低温でのダート強度に劣ってい
た。
【0017】尚Tgは、実施例2と実施例3の比較にお
いて分かる通り、遅延回復性の観点から−22℃以上で
あることが好ましく、又、後述のごとく実施例4と実施
例5との比較において分かる通り−10℃とより低温域
での押込回復性及び耐冷寒性を付与する為により好まし
くはTgが−22〜−14℃の場合である。ESRは、
特開平7−70223号公報、特開平7−324106
号公報等に開示されており、チーグラー・ナッタ型触媒
又はメタロセン系触媒、好ましくはビス−Cpタイプの
メタロセン系触媒で重合されたものが例示出来る。
【0018】尚、上述の通りスチレン含量はESRのT
gに相関し、ESRのTgが0℃以下になる為には上述
の(式2)から約39モル%(約70重量%)以下であ
り、又、Tgを−22℃以上にする為にはスチレン含量
が約6モル%(約20重量%)以上であることが好まし
い。更に、Tgを−14℃以下にする為には18モル%
(約45重量%)以下であることが好ましい。
【0019】ここで上記共重合体はスチレンを構成モノ
マーとして記載しているが、スチレン以外にもビニリデ
ン芳香族モノマーを用いても良い。例えば、α−メチル
スチレン、スチレンの炭素数1〜4のアルキル−又はフ
ェニル−環置換誘導体例えばオルソ−、メタ−、及びパ
ラ−メチルスチレン、またはこれ等の混合物、環ハロゲ
ン化スチレン、ビニルベンゾシクロブタン、及びジビニ
ルベンゼン等が挙げられる。
【0020】又、これ等にα−オレフィンを共重合して
も良い。α−オレフィンとしてはプロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテン等の炭素数が3〜12
のα−オレフィンが例示出来る。α−オレフィンの比率
は1〜30モル%程度の範囲で適宜決定すれば良いが、
スチレン含量が6モル%程度と少ない場合には、α−オ
レフィンの比率を高めに設定した方が透明性の点で好ま
しい。但し、スチレン含量はESRの場合と同様とす
る。更に上記共重合体にパーオキサイド等を添加して押
出機中で動架橋しても良い。この場合、ゴム弾性が大き
くなる傾向があり、場合よっては押込回復性改良に効果
が見られる場合がある。
【0021】本発明のフィルムにおいて、耐熱層(C
層)として用いられるポリプロピレン系樹脂の融点(T
m)は140℃以上であることが必要である。後述する
実施例1と比較例4との比較において、比較例4のフィ
ルムはポリプロピレン系樹脂のTmが137℃であり、
耐熱層の耐熱性が不足してメルトホールがあき易く、シ
ール可能な温度が115〜130℃(実施例1は115
〜145℃)と温度範囲(R)が15℃しかなかった。
結果として表3に示す通りシール性は「×」であった。
耐熱性が不足した要因としては、プロピレン−エチレン
ランダム共重合体の場合にエチレン含量を多くするとT
mが下がると共に結晶化度も下がる為に、実施例1と比
べてポリプロピレン系樹脂のTm以上に耐熱性に差が現
れたものと考えられる。
【0022】ここで融点が140℃以上のポリプロピレ
ン系樹脂の具体例としては、ホモのアイソタクテックポ
リプロピレン樹脂、プロピレンを除く他のα−オレフィ
ンとのランダム共重合体又はブロック共重合体等が挙げ
られる。好ましいのはブロック共重合体である。ランダ
ム共重合体のより具体的な例として、エチレンとプロピ
レンとのランダム共重合体の場合には、エチレン含量が
約1.7モル%(約2.3重量%)以下のものが好まし
い。更に、透明性及び押込回復性の観点からエチレン含
量が約0.7モル%(約1.0重量%)以上がより好ま
しい。
【0023】次に、耐熱性があり且つ柔軟性がある(結
果として押込回復性を改良出来る)耐熱性樹脂としては
ポリプロピレン系のブロック共重合体が挙げられる。後
述する実施例1と実施例6の比較において、実施例1の
フィルムはがTm=142℃のプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体を用いていてシール可能温度が115〜
145℃(R=30℃)であるのに対して、実施例6の
フィルムはTm=165℃のポリプロピレン系ブロック
共重合体を用いていてシール可能温度が115〜165
℃(R=50℃)とシール可能温度範囲が大幅に広がっ
ている。
【0024】ポリプロピレン系のブロック共重合体の
内、好ましくは上述のごとく融点の高い主鎖がホモポリ
プロピレンのものである。柔軟成分としては、プロピレ
ンとプロピレンを除くα−オレフィンとのランダム共重
合体であり、柔軟成分としてのエチレンとプロピレンと
のランダム共重合体の場合には、エチレン含量が10〜
90モル%、より好ましくは20〜80モル%のものが
回復性や透明性の点で好ましい。ここでブロック共重合
体のモルフォロジーについては、「岡山,新触媒と気相
重合法による新ポリマーアロイにつて,化学経済,19
96・10月号,11(’96)」にも紹介されている
通り一般に海島構造をとっているが、島構造の分散径が
大きいものは、一般にフィルム化した際にフィルム表面
を粗面化し透明性や光沢性といった光学特性を悪化させ
る傾向にある。
【0025】そこでブロック共重合体の内好ましくは、
後述する実施例6と実施例7との比較においても明確な
様に、ブロック共重合体においても柔軟成分(島構造)
が1μ以下の粒子径で均一に分散しているものが良い。
例えば、2段以上の重合プロセスを用いたリアクターT
POと呼ばれるモンテル−JPO社の「キャタロイ」、
トクヤマ社の「PER」、チッソ社の「NEWCON」
等が挙げられる。尚、場合により融点が140℃以上の
ポリプロピレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂エラスト
マーとを押出機等で溶融混練した状態で、パーオキサイ
ド等で動架橋したものも場合によっては利用し得る。
【0026】本発明のフィルムにおいて、耐熱層(C
層)中の融点が140℃以上のポリプロピレン系樹脂の
割合は10〜90重量%で、Tgが0℃以下のエチレン
ン−スチレン・ランダム共重合体(ESR)は10〜9
0重量%である必要がある。後述する実施例11と比較
例5との比較において、比較例5のフィルムはポリプロ
ピレン系樹脂の割合が10重量%未満で遅延回復性に劣
っていた。又、90重量%を越える場合には、後述する
実施例8及び比較例5で説明している通りストレッチフ
ィルムとして適さない「伸び荷重の大きなフィルム」に
なるか、延伸中にバブルが片膨れして製膜が不安定にな
った。尚、実施例10と実施例11との比較において、
実施例9のフィルムの方が遅延回復性に優れ、従って遅
延回復性の観点からはポリプロピレン系樹脂は25重量
%以上であることが好ましい。
【0027】又、後述する実施例8と比較例2との比較
において、比較例2はのフィルムはESRの割合が10
重量%未満で遅延回復性及び押込復性に劣っていた。
又、実施例8及び比較例5との比較において、ESRが
90重量%を越える比較例5のフィルムは遅延回復性に
劣っていた。更に実施例8と実施例9との比較におい
て、実施例10のフィルムの方が押込回復性に優れ、従
って押込回復性の観点からはESRは25重量%以上で
あることが好ましい。
【0028】耐熱層(C層)には、上記ポリプロピレン
系樹脂とESRの他にも押込回復性及び耐冷寒性を改良
することを目的として、密度が0.900g/cm3 以
下のエチレン−α・オレフィン共重合体や融点が90℃
以下のポリブテン−1系重合体(好ましくはブテン−1
−プロピレンランダム共重合体)、1,2−ポリブタジ
エン等を30重量%以下の範囲でブレンドしても良い。
更には、光学特性及び遅延回復性の改良の為に、石油樹
脂、ジシクロペンタジエン樹脂、テルペン樹脂及びこれ
等の水素添加誘導体等を20重量%の範囲でブレンドし
ても良い。又、ミネラルオイル、プロセスオイルといっ
た液状添加剤を10重量%以下の範囲でブレンドすると
フィルムの透明性、耐冷寒性、遅延回復性が改良される
場合がある。
【0029】本発明のフィルムにおいて、両表面層(S
層)はシール性、防曇性、透明性、光沢性等の表面特性
を与えるもので、融点(Tm)が100℃以下のポリオ
レフィン系樹脂組成物である必要がある。後述する実施
例13と比較例6との比較において、実施例13のフィ
ルムはS層にTmが99℃のVL1を用いた為にシール
可能温度は115〜145℃であるのに対して、比較例
6のフィルムはS層にTmが100℃より高い(Tm=
116℃)VL2を用いた為にシール可能温度が130
〜145℃とシール可能な最低温度が高くなり、従って
シール性が「×」となった。
【0030】両表面層(S層)に用いる樹脂の具体的な
例としては、例えば密度が0.87〜0.91g/cm
3 のエチレン−α・オレフィン共重合体、脂肪族モノカ
ルボン酸又はそのエステルとエチレンとの共重合体、又
はこれ等の一部を鹸化した重合体、更にはその一部をN
a、Zn、Mg等の金属イオンによりイオン結合したも
のが挙げられる。これ等の内、酢酸ビニル含量が10〜
15重量%のEVAとα−オレフィンとして1−ヘキセ
ンや1−オクテン等のHAO(高級α−オレフィン)を
メタロセン系触媒を用いてエチレンと共重合した密度が
0.875〜0.905g/cm3 で分子量分布(Mw
/Mn)が3.0以下のエチレン−α・オレフィン共重
合体が、シール性及び強度の点で好ましい。
【0031】後述するS層にEVAを用いた実施例1の
フィルム、同メタロセン系触媒で重合したエチレン−オ
クテン−1共重合体を用いた実施例13、同チーグラー
系触媒で重合されたエチレン−ブテン−1共重合体を用
いた比較例6の各フィルムの引裂強度(JIS P81
16に準拠)を測定したところ、順にMD(縦方向)/
TD(横方向)=10/10(g)、100/80
(g)、20/30(g)であり、メタロセン系触媒を
用いて重合したHAOとエチレンと共重合体が強度の点
で優れていることが分かった。
【0032】尚、上記樹脂にノニオン系界面活性剤やア
ニオン系界面活性剤等の防曇剤、脂肪酸アミドやシリカ
等の無機粒子やPMMA等の有機粒子やシリコーンオイ
ル等の滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等
を添加しても良い。尚、上記S層とC層の他に他の層
(B層)を設けても良い。例えば、強度付与を目的とし
て密度が0.87〜0.91g/cm3 のエチレン−α
・オレフィン共重合体を用いたり、フィルムを回収して
再ペレット化した樹脂を用いたりすることが出来る。
【0033】上記B層に対してもS層と同様に、ノニオ
ン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤等の防曇剤、脂
肪酸アミドやシリカ等の無機粒子やPMMA等の有機粒
子、及びシリコーンオイル等の滑剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤等を添加しても良い。ここで、S
層、C層及びB層の厚み比率は一般に、順に10〜35
%、30〜80%、0〜50%である。その構成は、S
/C/S、S/C/B/S、S/C/B/C/S、S/
B/C/B/S等が挙げられるが、好ましくは中心層に
対して対称構造をとるものが良い。尚、フィルム厚み
は、一般には5〜20μで、好ましくは8〜15μであ
る。
【0034】次ぎに、本発明のフィルムはストレッチ包
装に用いる為に、ストレッチ性の指標である100%伸
び荷重が、縦方向(MD)及び横方向(TD)共に10
0〜500g/cm幅であることが好ましく、より好ま
しくは200%伸び荷重がMD及びTD共に100〜1
000g/cm幅である。特に好ましい範囲としては、
MDの100%伸び荷重が100〜500g/cm幅で
200%伸び荷重が200〜600g/cm幅、TDの
100%伸び荷重が100〜300g/cm幅で200
%伸び荷重が110〜350g/cm幅であり、且つM
DがTDよりも伸び荷重が大きい場合である。又、破断
伸びはMD及びTD共に200%以上であることが好ま
しい。
【0035】次に本発明のフィルムの製膜方法として
は、共押出Tダイ・キャスト法、共押出ダイレクトイン
フレーション法、共押出ダブルバブルインフレーション
法、更にはラミネート法等が挙げられるが、好ましくは
共押出ダイレクトインフレーション法、共押出ダブルバ
ブルインフレーション法である。以下に好ましい製膜方
法の1つである押出ダブルバブルインフレーション法に
ついて詳述する。
【0036】先ず、両表面層(S層)用樹脂組成物と耐
熱層(C層)用樹脂組成物と、好ましくは更に中間層
(B層)用樹脂組成物とを別々の押出機で溶融混練して
多層サーキュラーダイより押出し、水等の冷媒によって
急冷固化した後チューブ状の原反を折り畳んで引き取
る。この後、電子線等の高エネルギー放射線で架橋処理
を施しても良い。次に原反に空気等のガスを充填して膨
らませ、60〜140℃の温度に加熱した後50〜11
0℃程度の温度で面積倍率で2〜36倍に延伸し、20
℃以下の冷風にて冷却してコンバージングロールで折り
畳んで引き取る。更にこのフィルムを熱風による弛緩熱
処理や、多数のロール対によるロール熱処理を行っても
良い。フィルムの寸法安定性の観点からはMD、TDに
30%以下の範囲で弛緩した状態で熱処理するのが好ま
しい。
【0037】ここで以下に本発明における評価方法を示
す。 (1)ランダム性 JIS K−7121に準拠し、パーキンエルマー社製
DSC−7を用いて転移温度(Tg及びTm)を測定し
た。サンプル量は約5mg、昇温速度及び降温速度は1
0℃/分、測定温度は−70〜200℃、保持時間は5
分とした。尚ランダム性の評価は、転移温度が前述の
(式1)及び(式2)に一致するかどうか、更には各モ
ノマーの単独重合体のTg及びTmが発現していないか
どうかで判断した。 (2)Tg JIS K−7121に準拠し、パーキンエルマー社製
DSC−7を用いて転移温度(Tg及びTm)を測定し
た。サンプル量は約5mg、昇温速度及び降温速度は1
0℃/分、測定温度は−70〜200℃、保持時間は5
分とした。 (3)MI及びMFR JIS K−7210に準拠し、条件4(190℃、荷
重=2.16kg)で測定したものをMI、条件14
(230℃、荷重=2.16kg)で測定したものをM
FRとして示す。
【0038】(4)遅延回復性 ・評価方法 15℃、60%RHの雰囲気下で、フィルムサンプルを
MDに1200mm、TDに350mmのサイズに切り
出し、該サンプルの両短辺からそれぞれ100mm内側
に基準線を引いた。このサンプルの一端を基準線のとこ
ろで固定し、もう一方の端部には175g(0.5g/
cm幅)のおもりを付け吊した。このおもりは測定中に
フィルムが跳ね上がるのを防止する為のものである。こ
の状態で、基準線を元に10%(100mm)MDに引
っ張って30秒後に離して、0.5秒後と2秒後の長さ
の差を測定し、この値を元の長さで割ってL(%)を求
めた。 ・評価基準 尺度 記号 備考 L≧1.3 ◎ 遅延回復性に優れる 1.0≦L<1.3 ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 0.5≦L<1.0 △ 直線型包装機には利用出来ない L<0.5 × 突上型包装機でも問題があるレベル (5)押込回復性 ・評価方法 所定のストレッチ率で枠に貼ったフィルムを押込棒で押
し込んで、それを取り除いた後に押込跡が残らないか評
価した。
【0039】具体的には、フィルムを125×125m
mの枠にストレッチ率をMDに2%、TDに2%、5
%、10%の3条件とって張り付けた。張り付けたフィ
ルムの中心点を15mmφで先端が丸い梨地SUS製の
押込棒で1m/分の速度で、深さが15mm、20m
m、25mm、30mm、35mmの5条件に押込2分
間押し込んだ状態を保持した後、1m/分の速度で押込
棒を抜き取った。抜き取り開始時点をスタートとし30
分間放置した後、押込跡が残っていないか確認した。尚
測定は23℃と0℃で行った。
【0040】評価は、フィルムのストレッチ率の3条件
と押込深さの5条件との組合せで15条件の内、いくつ
の条件で押込跡が残らずに回復するかで行った。 ・評価基準 尺度 記号 備考 10条件以上で回復するもの ◎ 8条件以上で回復するもの ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 6条件以上で回復するもの △ 一部の用途では利用可能 5条件以下しか回復しないもの × 全く実用に供し得ない (6)ダート強度 ・評価方法 ダート強度の測定は、恒温槽付きの東洋精機社製RDT
−5000/DARTを用いて、フィルム破壊エネルギ
ーENG(単位:J)を求めた。ダートの種類はSMA
LL ALUMINIUM DART(3.75kg)
でダート径は5/8インチ(15.88mmφ)、セル
の最大荷重が100ポンド(45.53kgf)、受け
ダイの内径が2.5インチ(63.5mmφ)、ダート
の落下速度を3.87m/秒(落下高さが76cm)
で、温度を23℃と−30℃に調整して行った。 ・評価基準 尺度 記号 備考 ENG≧0.1 ◎ 0.05≦ENG<0.1 ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 0.01≦ENG<0.05 △ 鋭利なものでは簡単に孔があくレベル ENG<0.01 × 脆くて簡単に孔があいてしまう
【0041】(7)100%伸び荷重、200%伸び荷
重及び破断伸び サンプルフィルムをMD及びTDに10mm幅×100
mm長さに切り出し、ロードセルの付いた引張試験機で
100%伸び荷重、200%荷重及び破断伸びを測定し
た。測定条件は、チャック間距離が50mm、引張速度
が200mm/分、測定温度は23℃で行った。 (8)光学特性 ・評価方法 ASTM D−1003に準拠して、HAZE(%)を
測定した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 HAZE≦1.5 ◎ 透明性に優れる 1.5<HAZE≦2.0 ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 2.0<HAZE≦3.0 △ フィルムの白さが気になる HAZE>3.0 × 実用には不向き (9)シール性 ・評価方法 フィルムサンプルを30cm×30cmに切り出す。中
央化学社製PPトレーCH15−11(150mm長×
114mm幅×26mm高)に200gのアルミ板を載
せ、これを切り出したサンプルフィルムで、先ず長辺側
から包み、次に短辺側から包み込む。この場合、トレー
底面ではフィルムが折り重なっている部分と重ならない
で1枚の状態の部分が出来る。
【0042】次に、±1℃以内でコントロール出来る熱
板を90℃から5℃刻みで設定しながら、前述のごとく
包んだものをトレー底面側が熱板に接触する様に熱板上
に置く。接触時間を2秒とし、直ちにトレー底面側のフ
ィルムのヒートシール状態を観察する。折り重なった部
分を剥がそうとすると、フィルムが破れしまう程度まで
フィルム同士が融着していて、且つ1枚の状態のフィル
ムにメルトホールが発生していないものを合格とし、合
格となる温度範囲(R,℃)を求めた。 ・評価基準 尺度 記号 備考 R≧35 ◎ シール性に優れる 25≦R<35 ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 15≦R<25 △ 丁寧に包装作業を行えば利用出来るレベル R<15 × 実用に供し得ない
【0043】(10)包装性 ・評価方法 イシダ社製の突上型包装機Wmini−ZERO1を用
いて、幅400mmにスリットしてロール状に巻いたフ
ィルムで200gの粘土を載せた下記の3種のPSPト
レーを30個包装して、25個以上がフィルムに皺や破
れがなく綺麗に包装出来たものを合格とした。 中央化学社製SK20F :194×155×30(mm)…標準トレー 中央化学社製C−12 :281×131×22(mm)…細長トレー エフピコ社製LY18−25:248×180×25(mm)…大トレー ・評価基準 尺度 記号 備考 3種のトレー全て合格であったもの ◎ 難しい形状のトレーでも包装可能 2種のトレーは合格であったもの ○ 通常の利用は可能なレベル (以上合格レベル) 1種のトレーは合格であったもの △ 容易に包装出来るものしか利用出来 ない 全て不合格であったもの × 実用に適さない
【0044】(11)総合評価 ・評価方法 遅延回復性、23℃及び0℃における押込回復性、23
℃及び−30℃におけるダート強度、光学特性、シール
性、包装性の8項目について総合的に評価した。 ・評価基準 尺度 記号 備考 8項目全てが「○」以上で 7項目以上が「◎」のもの ◎ ストレッチフィルムとして優れている。 8項目全てが「◎」か「○」 ○ 実用上問題の無いレベル(以上合格) 「×」は無いが、1項目でも 「△」があるもの △ 利用には制限がある 1項目でも「×」があるもの × 実用上問題があるレベル
【0045】
【実施例】先ず、本実施例で用いた重合体を以下に示
す。 ・ESR1:スチレン含量が10.3モル%(30.0
重量%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度
=0.942g/cm3 、Tg=−18℃、Tm=71
℃、MI=0.8] ・ESR2:スチレン含量が18.4モル%(45.5
重量%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度
=0.952g/cm3 、Tg=−14℃、Tm=58
℃、MI=1.0] ・ESR3:スチレン含量が6.3モル%(20.0重
量%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度=
0.940g/cm3 、Tg=−22℃、Tm=88
℃、MI=1.2] ・ESR4:スチレン含量が0.8モル%(3.0重量
%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度=
0.937g/cm3 、Tg=−25℃、Tm=120
℃、MI=0.9] ・ESR5:スチレン含量が38.6モル%(70.0
重量%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度
=1.015g/cm3 、Tg=0℃、非晶質、MI=
0.6] ・ESR6:スチレン含量が54.3モル%(81.5
重量%)のエチレン−スチレンランダム共重合体[密度
=1.035g/cm3 、Tg=22、非晶質、MI=
0.6] (以上のESR1〜ESR6はいずれもDSCカ−ブで
105℃付近にスチレンセグメントに由来する変曲が見
られなかった。) ・H−SIS:スチレン−イソプレン−スチレン・トリ
ブロック共重合体の水素添加誘導体[スチレンが20重
量%、3,4−結合比率55%のポリイソプレン80重
量%からなる、密度=0.94g/cm3Tg=−19
℃、非晶質、MI=0.7(クラレ社製「ハイブラーH
SV−3」相当品)] ・EVA1:酢酸ビニル含量が15重量%のエチレン−
酢酸ビニル共重合体[密度=0.934g/cm3 、T
m=92℃、MI=2.2] ・VL1:1−オクテン含量が12重量%のエチレン−
オクテン−1共重合体[密度=0.902g/cm3 、
Tm=99℃、MI=3.0(ダウケミカル社製「AF
FINITY FW1650」相当品)] ・VL2:エチレン−ブテン−1共重合体[密度=0.
900g/cm3 、Tm=116℃、MI=1.0(日
本ユニカー社製「DFDA1209」相当品)] ・UL:1−オクテン含量が24重量%のエチレン−オ
クテン−1共重合体[密度=0.870g/cm3 、T
m=58℃、MI=1.0(ダウケミカル社製「ENG
AGE EG8100」相当品)] ・KS:非晶質なエチレン−プロピレン共重合体を65
重量%含むポリプロピレン系ブロック共重合体(リアク
ターTPO)[密度=0.88g/cm3 、Tm=16
2℃、MFR=0.8、非晶質なエチレン−プロピレン
共重合体は分散径はサブミクロンオーダーで且つ均一に
分散している(モンテル−JPO社製「キャタロイKS
081P」相当品)] ・PP1:エチレン含量が1.61モル%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体[密度=0.90g/cm
3 、Tm=142℃、MFR=6.5(JPO社製「J
−REX−F4460」相当品)] ・PP2:エチレン含量が1.82モル%のプロピレン
−エチレンランダム共重合体[密度=0.90g/cm
3 、Tm=137℃、MFR=7.0(チッソ社製「F
M821」相当品)] ・PP3:非晶質なエチレン−プロピレン共重合体を2
2重量%含むポリプロピレン系ブロック共重合体[密度
=0.90g/cm3 、Tm=165℃、MFR=12
(JPO社製「J−REX−PM881X」相当品)]
【0046】
【実施例1】スキン層(S層)としてEVA1に、ジグ
リセリン・ヤシ脂肪酸モノエステル(理研ビタミン社製
「L−71D」相当品)/ポリオキシエチレンステアリ
ン酸エステル=70/30(重量%)の混合物を3重量
%添加したものを用い、耐熱層(C層)として、ESR
1/PP1/UL=50/30/20(重量%)の混合
物を用いて、220℃に設定された多層サーキュラーダ
イよりS/C/S=35/30/35(%)の層構成で
溶融押出し、15℃の冷水で急冷した後コンバージング
ラックで折り畳んで、厚みが100μ、幅280mmの
原反を得た。ここで、原反チューブの内面にはヤシ脂肪
酸Kを乾燥重量で約2mg/m2 塗布した。更に原反を
引き取り2対の差動ロール間に導き、空気を注入して再
びチューブ状にした状態で120℃に加熱して、雰囲気
温度が110℃の延伸ゾーンで縦方向に2.7倍、横方
向に3.5倍に延伸して、15℃の冷風を当てながら開
度が45度のコンバージングラックで折り畳んだ。次
に、60℃に設定されたオーブンの中で縦方向に2%、
横方向に5%弛緩熱処理を行い、フィルムの両端を切り
2枚のフィルムとして巻き取った。出来たフィルムの厚
みは約11μであった。得られたフィルムについて、本
文記載の方法で、フィルムの物性測定及びフィルムの評
価を行った。
【0047】
【比較例1,2】耐熱層(C層)として、H−SIS/
PP1/UL=50/30/20(重量%)の混合物に
(比較例1)、又PP1/UL=30/70(重量%)
の混合物に(比較例2)替えた他は、実施例1と同様な
操作を行った。以上の実施例1及び比較例1,2のフィ
ルムの物性及び評価結果を表1に示す。表1を用いて本
発明が従来技術に対して優れていることを説明する。表
1において、実施例1のフィルムはポリスチレン系エラ
ストマー(TPS)として「Tgが0℃以下のエチレン
−スチレン・『ランダム』共重合体(ESR)」を用い
た本発明のフィルムであり、比較例1のフィルムはTP
Sとして「スチレン−イソプレン−スチレン・『トリブ
ロック』共重合体の水素添加誘導体」を用いた従来のフ
ィルムであり、更には、比較例2のフィルムとしてTP
Sを用いなかったポリオレフィン系樹脂のみのストレッ
チフィルムである。
【0048】表1から本発明のフィルムは総合評価にお
いて「◎」であるのに対して、従来のフィルム及びTP
Sを用いなかったポリオレフィン系樹脂のみのストレッ
チフィルムは総合評価が「×」であった。実施例1のフ
ィルムと比較例1のフィルムを比較すると、比較例1の
フィルムは実施例1のフィルムに比べて低温での押込回
復性やダート強度が劣ってた。その要因として、低温特
性を決定すると思われるTgを単純に比較しても上記結
果は説明出来ない。本発明のごとく、TPSとしてスチ
レンのセグメントを有しないランダム共重合タイプを用
いることによって初めて達成し得たものである。
【0049】低温での強度劣化に関しては、比較例2の
フィルムのポリオレフィン系樹脂のみのストレッチ包装
用フィルムと同等であり、フィルム特性の温度依存性が
芳香族環構造を有するスチレンを共重合している樹脂を
用いているにも係わらず、ポリオレフィン系樹脂のみの
フィルムと同様な振る舞いをするフィルムが出来た。以
上のことから、TPSとして「Tgが0℃以下のエチレ
ン−スチレン・ランダム共重合体」を用いた本発明のフ
ィルムは、ブロック型のTPSを用いた従来のフィルム
や、TPSを用いなかったポリオレフィン系樹脂フィル
ムに比べ優れていることが分かる。
【0050】
【実施例2〜5】耐熱層(C層)に用いたポリスチレン
系エラストマーを、ESR4(実施例2)、ESR3
(実施例3)、ESR2(実施例4)、ESR5(実施
例5)に替えた他は、実施例1と同様な操作を繰り返し
た。
【0051】
【比較例3】耐熱層(C層)に用いたポリスチレン系エ
ラストマーを、ESR6に替えた他は、実施例1と同様
な操作を繰り返した。以上の実施例1及び実施例2〜5
と比較例3のフィルムの物性及び評価結果を表2に示
す。表2を用い、ESRのTgが0℃以下であることの
必要性について説明する。表2において、実施例のフィ
ルムは総合評価において全て「○」以上であった。これ
に対して、比較例3のフィルムはESRとしてTgが2
2℃と、0℃より高いものを用いた為に、低温での押込
回復性や低温でのダート強度に劣っていた。以上のこと
から、ESRのTgは0℃以下であることの必要性が分
かる。
【0052】尚、実施例2と実施例3とを比較すると、
実施例3(ESRのTg=−22℃)は実施例2(同T
g=−25℃)に比べ遅延回復性に優れており、この結
果からESRのTgは−22℃以上であることが好まし
いことが分かる。又、実施例4と実施例5のフィルムに
ついて、−10℃における押込回復性を評価したとこ
ろ、実施例4は「○」、実施例5は「×」であった。従
って、押込回復性の要求が−10℃程度のより低温域ま
で及ぶ場合には、ESRのTgは−14℃以下であるこ
とが好ましいことが分かる。
【0053】
【実施例6,7】耐熱層(C層)に用いたポリプロピレ
ン系樹脂を、PP3(実施例6)、KS(実施例7)に
替えた他は実施例1と同様な操作を行った。
【0054】
【比較例4】耐熱層(C層)に用いたポリプロピレン系
樹脂を、PP2に替えた他は実施例1と同様な操作を行
った。以上の実施例1及び実施例6,7と比較例4のフ
ィルムの物性及び評価結果を表3に示す。表3を用いて
耐熱層(C層)のポリプロピレン系樹脂の融点(Tm)
が140℃以上であることの必要性につて説明する。表
3において、実施例1(ポリプロピレン系樹脂のTm=
142℃)、実施例6(同Tm=165℃)、実施例7
(同Tm=162℃)はシール性に優れ、従って総合評
価も「◎」であった。
【0055】これに対し、比較例4のフィルムはポリプ
ロピレン系樹脂のTmが137℃であり、耐熱層の耐熱
性が不足してメルトホールがあき易く、シール可能な温
度が115〜130℃(実施例1は115〜145℃)
と温度範囲(R)が15しかなかった。この要因として
は、プロピレン−エチレンランダム共重合体の場合にエ
チレン含量を多くするとTmが下がると共に結晶化度も
下がる為に、実施例1と比べてポリプロピレン系樹脂の
Tm以上に耐熱性に差が現れたものと考えられる。
【0056】以上のことから耐熱層(C層)のポリプロ
ピレン系樹脂の融点(Tm)が140℃以上であること
の必要性が分かる。ここで実施例1と実施例6の比較に
おいて、実施例1のフィルムはがTm=142℃のプロ
ピレン−エチレンランダム共重合体を用いていてシール
可能温度が115〜145℃(R=30℃)であるのに
対して、実施例6のフィルムはTm=165℃のプロピ
レン系ブロック共重合体を用いていてシール可能温度が
115〜165℃(R=50℃)とシール可能温度範囲
が大幅に広がっており、プロピレン系ブロック共重合体
を用いる方が好ましいことが分かる。又、表3におい
て、ポリプロピレン系樹脂としてリアクターTPOであ
るKSを用いた実施例7のフィルムは、評価結果が全て
「◎」で、本発明のフィルムの中でも最も優れたフィル
ムの1つである。
【0057】
【実施例8〜11】実施例1において、ESR1/PP
1/ULの比率を表4に示す様に替え、又製膜性及び伸
び荷重の関係からS層とC層の厚み比率を表4に示す様
に替えた他は実施例1と同様な操作を繰り返した。尚、
実施例8の耐熱性層中の比率で、実施例1と同様な操作
を行ってフィルムを製膜したところ、100%伸び荷重
がMD/TD=800/300(g/cm幅)、200
%伸び荷重がMD/TD=1400/700(g/cm
幅)、破断伸びがMD/TD=120/200(%)と
ストレッチフィルムとしては実用に適しないフィルムし
か得られなかった。又、実施例11の耐熱性層中の比率
で、実施例1と同様な操作を行ってフィルムを製膜しよ
うとしたがバブルが片膨れして直ぐにパンクしてしまい
製膜出来なかった。
【0058】
【比較例5】実施例1において、ESR1/PP1/U
Lの比率を95/5/0(%)に替え、又製膜性の関係
からS/C/Sの層の厚み比率10/80/10(%)
に替えた他は実施例1と同様な操作を繰り返した。尚、
ESR1/PP1/ULの比率を5/95/0(%)に
替え、又、実施例8と同様にC層の厚み比率を下げてS
/C/S=47.5/5/47.5(%)に替えて実施
例1と同様な操作を行ってフィルムを製膜しようとした
が、バブルが片膨れして直ぐにパンクしてしまい製膜出
来なかった。
【0059】以上の実施例1と比較例2及び実施例8〜
10と比較例5のフィルムの物性及び評価結果を表4に
示す。表4を用いて耐熱層(C層)が、ポリプロピレン
系樹脂が10〜90重量%でESRが10〜90重量%
である必要性について説明する。表4において、本発明
のフィルムは総合評価で全て「○」以上であった。これ
に対してポリプロピレン系樹脂が10重量%未満の比較
例5のフィルムは遅延回復性、シール性(耐熱性)に劣
っていた。又、同割合が90重量%を越えるフィルムは
前述のごとく製膜出来なかった。更に、ESRが10重
量%未満の比較例2のフィルムは遅延回復性、押込回復
性に劣っていた。又、ESRが90重量%を越える比較
例5のフィルムは、遅延回復性、シール性(耐熱性)に
劣っていた。
【0060】以上のことから、ポリプロピレン系樹脂が
10〜90重量%でESRが10〜90重量%である必
要性が分かる。又、表4において実施例10と実施例1
1とを比較すると、実施例10の方が遅延回復性に優れ
ており、ポリプロピレン系樹脂は25重量%以上である
ことが好ましい。更に実施例8と実施例9とを比較する
と、実施例9の方が押込回復性に優れており、ESRは
25重量%以上であることが好ましい。
【0061】
【実施例12,13】表面層(S層)をUL(実施例1
2)及びVL1(実施例13)に替えた他は実施例1と
同様な操作を繰り返した。
【0062】
【比較例6】表面層(S層)をVL2に替えた他は実施
例1と同様な操作を繰り返した。以上の実施例1及び実
施例12、13と比較例6のフィルムの物性及び評価結
果を表5に示す。表5を用いて表面層(S層)が、融点
(Tm)が100℃以下のポリオレフィン系樹脂組成物
からなることの必要性について説明する。
【0063】表5において、全ての実施例のフィルムは
総合評価が「○」以上であった。これに対して、比較例
6のフィルムはS層にTmが100℃より高いVL2を
用いた為にシール可能温度が130〜145℃(実施例
1は115〜145℃)とシール可能な最低温度が高く
なり、従ってシール性が「×」となった。従って、表面
層(S層)が、融点(Tm)が100℃以下のポリオレ
フィン系樹脂組成物からなることの必要性が分かる。こ
こで、実施例12はS層にTmが58℃のULを用いた
為にシール可能温度が60〜145℃(R=85℃)と
シール性に優れていた。
【0064】
【実施例14】実施例2において、ULを水添テルペン
樹脂(ヤスハラケミカル社製「クリアロンP125」)
に替えた他は実施例2と同様な操作を繰り返した。実施
例14のフィルムの物性は、100%伸び荷重が140
/100(g/cm幅)、200%伸び荷重が300/
220(g/cm幅)、破断伸びが300/420
(%)であり、評価結果は、全て「◎」であった。実施
例2と比較して、特に遅延回復性と光学特性が改良され
た。又実施例14のフィルムはハンド包装においては自
己密着性があった。
【0065】
【実施例15】実施例5において、ULをネラルオイル
(松村石油研究所製「スモイルP70」)(実施例1
5)に替えた他は実施例2と同様な操作を繰り返した。
実施例15のフィルムの物性は、100%伸び荷重が2
00/90(g/cm幅)、200%伸び荷重が300
/150(g/cm幅)と、破断伸びが350/420
(%)と実施例5と比較して伸び易いフィルムとなっ
た。
【0066】また評価結果は全て「◎」でり、実施例5
と比較して、特に低温での押込回復性と低温でのダート
強度が改良された。又、特に光学特性に優れ、HAZE
及びGLOSS(JIS K−7105準拠)の値が、
実施例5のフィルムが順に1.2%、130%であった
のに対して、実施例14のフィルムは同様に0.9%、
140%であった。
【0067】
【実施例16】スキン層(S層)としてEVA1に、ジ
グリセリン・ヤシ脂肪酸モノエステル(理研ビタミン社
製「L−71D」相当品)/グリセンオレート(理研ビ
タミン社製「OL−100」相当品)=1/2(重量
比)の混合物を3重量%添加したものを用い、耐熱層
(C層)として、ESR1/KS/上記ミネラルオイル
=25/70/5(重量%)の混合物を用い、B層とし
てVL1にジグリセリン・ヤシ脂肪酸モノエステル(理
研ビタミン社製L−71D相当品)を1重量%添加した
ものを用いて、S/B/C/B/S=10/30/20
/30/10(%)の5層構成にした他は実施例1と同
様な操作を繰り返した。実施例16のフィルムの物性
は、100%伸び荷重が150/90(g/cm幅)、
200%伸び荷重が300/120(g/cm幅)と、
破断伸びが350/420(%)であり、評価結果は全
て「◎」であった。
【0068】
【実施例17】スキン層(S層)としてEVA1に、ジ
グリセリン・ヤシ脂肪酸モノエステル(理研ビタミン社
製L−71D相当品)を1重量%添加したものを用い、
C層として、ESR2/PP(Tm=162℃のプロピ
レン単独重合体;JPO社製Y1300)/UL/EV
A/PB−1(ブテン−1−プロピレン共重合体;三井
化学社製タフマーBL2481)=25/10/15/
50/10(重量%)の混合物を用いを、更にB層とし
てPP/PB−1=50/50(重量%)の混合物を用
いて、220℃に設定された多層サーキュラーダイより
S/C/B/C/S=10/35/10/35/10
(%)の層構成で溶融押出し、15℃の冷水で急冷した
後コンバージングラックで折り畳んで、厚みが50μ、
幅280mmの原反を得た。ここで、原反チューブの内
面にはヤシ脂肪酸Kを乾燥重量で約2mg/m2塗布し
た。更に原反を引き取り2対の差動ロール間に導き、空
気を注入して再びチューブ状にした状態で50℃に加熱
して、5℃の冷風を当てながら縦方向に2.7倍、横方
向に4.0倍に延伸して、開度が60度のコンバージン
グラックで折り畳んだ。
【0069】次に、60℃に設定されたオーブンの中で
縦方向に20%、横方向に47%弛緩熱処理を行い、フ
ィルムの両端を切り2枚のフィルムとして巻き取った。
出来たフィルムの厚みは約11μであった。得られたフ
ィルムについて、本文記載の方法で、フィルムの物性測
定及びフィルムの評価を行った。実施例16のフィルム
の物性は、100%伸び荷重が450/130(g/c
m幅)、200%伸び荷重が800/250(g/cm
幅)と、破断伸びが220/350(%)であり、評価
結果は包装性を除いて全て「◎」であった。包装性につ
いては伸び荷重が大きく又破断伸びが小さいことが起因
して大トレーのLY18−25を包装が出来ずに「○」
であった。
【0070】
【表1】
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】本発明によって、従来のフィルムの特徴
である遅延回復性を維持しながら、押込回復性、特に0
℃程度の低温においても押込回復性に優れ、且つ−30
℃という低温においても、ダート強度といった強度を保
持したフィルムが初めて得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が100℃以下のポリオレフィン系
    樹脂組成物からなる両表面層(S層)と少なくとも1層
    の耐熱層(C層)からなり、前記耐熱層が融点が140
    ℃以上のポリプロピレン系樹脂10〜90重量%とガラ
    ス転移点(Tg)が0℃以下のエチレン−スチレン・ラ
    ンダム共重合体10〜90重量%からなることを特徴と
    する多層フィルム。
JP9574798A 1998-04-08 1998-04-08 多層フィルム Pending JPH11291420A (ja)

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