JPH11293131A - 水系樹脂組成物及びこれを用いた水系コーティング剤 - Google Patents

水系樹脂組成物及びこれを用いた水系コーティング剤

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JPH11293131A
JPH11293131A JP10121869A JP12186998A JPH11293131A JP H11293131 A JPH11293131 A JP H11293131A JP 10121869 A JP10121869 A JP 10121869A JP 12186998 A JP12186998 A JP 12186998A JP H11293131 A JPH11293131 A JP H11293131A
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meth
polymerizable unsaturated
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weight
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JP10121869A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyotaka Ikami
清隆 井神
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐溶剤性及び密着性に優れ、且つ耐
候性及び耐汚染性にも優れる水系樹脂組成物及び水系コ
ーティング剤を提供する。 【解決手段】 加水分解性シリル基含有重合性不飽和単
量体(A)0.5〜50重量%と、イオン形成性基含有
重合性不飽和単量体(B)1〜20重量%と、ポリジメ
チルシロキサン構造を有する重合性不飽和単量体(C)
1〜40重量%と、その他の重合性不飽和単量体(D)
(残部)とを溶液重合し、得られた樹脂溶液に水を添加
することによりエマルション化し、重合溶媒を除去する
ことにより水系樹脂組成物を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木質材料、プラス
チック、紙類、金属類等の種々の材料のアンダーコー
ト、オーバーコート、クリアーコート、ライニング等に
適用される水系コーティング剤等に用いられる水系樹脂
組成物及びこれを用いた水系コーティング剤に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コーティング剤の分野において、
環境問題の観点から、有機溶剤系から水系への変換が行
われつつある。しかしながら、従来の水系コーティング
剤は、架橋性官能基を有しないため、塗膜の耐水性、耐
溶剤性、密着性、耐候性が有機溶剤系コーティング剤に
比べて劣るという欠点を有していた。また、水系コーテ
ィング剤においても、メンテナンスフリーの観点から耐
汚染性が要求されるようになってきている。
【0003】そこで、架橋性官能基を有する水系コーテ
ィング剤として、加水分解性シリル基の一種であるアル
コキシシリル基を有する樹脂をエマルション化した樹脂
組成物を用いた水系コーティング剤が提案された(例え
ば、特開平3−21610号公報等参照)。このような
水系樹脂組成物の採用により、耐水性、耐溶剤性及び密
着性が改善された水系コーティング剤が得られるように
なったが、耐候性及び耐汚染性についてはまだ充分では
なかった。
【0004】塗膜の耐候性及び耐汚染性を向上させる方
法として、樹脂中にポリジメチルシロキサン構造を有す
る重合性不飽和単量体を共重合させる手段が知られてい
る。しかしながら、通常の乳化重合系で合成を行うと反
応性のポリジメチルシロキサンの重合性が他のモノマー
に比べて小さいため、乳化重合時に多量の凝集物を生
じ、また、安定に樹脂組成物を得ようとすると反応性の
ポリジメチルシロキサンの使用量を少なくせざるをえ
ず、期待した耐候性、耐汚染性が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、上記従来技術の問題点を解決し、アルコキシシリル
基等の加水分解性シリル基を有する樹脂を含む水系コー
ティング剤の優れた耐水性、耐溶剤性及び基材への密着
性を維持しつつ、その耐候性及び耐汚染性が向上された
水系樹脂組成物及びこれを用いた水系コーティング剤を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、加水分解性シリル基を有する重合性不飽和単量
体、少なくとも1種類のイオン形成性基を有する重合性
不飽和単量体、その他の重合性不飽和単量体及びポリジ
メチルシロキサン構造を有する重合性不飽和単量体を用
い、それらを溶液重合し、得られた樹脂溶液に水を添加
することによりエマルション化することにより、耐水
性、耐溶剤性及び密着性を維持しつつ、耐候性及び耐汚
染性が向上された水系樹脂組成物が得られることを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、加水分解性シリル基
を有する重合性不飽和単量体(A)0.5〜50重量%
と、少なくとも1種類のイオン形成性基を有する重合性
不飽和単量体(B)1〜20重量%と、ポリジメチルシ
ロキサン構造を有する重合性不飽和単量体(C)1〜4
0重量%と、その他の重合性不飽和単量体(D){10
0−((A)+(B)+(C)の総和)}重量%とを溶
液重合し、得られた樹脂溶液に水を添加することにより
エマルション化し、好ましくは重合溶媒を除去すること
により得られる水系樹脂組成物である。また、本発明
は、上記水系樹脂組成物を用いた水系コーティング剤で
ある。以下、本発明について詳しく説明する。
【0008】まず、本発明における樹脂の共重合用各成
分について説明する。本発明においては、加水分解性シ
リル基を有する重合性不飽和単量体(A)を共重合用成
分の1つとして用いる。この単量体(A)を重合用成分
として用いることにより、加水分解性シリル基が塗膜形
成時に架橋性官能基として作用し、塗膜の耐水性、耐溶
剤性及び密着性を向上させることが可能となる。
【0009】加水分解性シリル基を有する重合性不飽和
単量体(A)としては、例えば下記一般式(3)で表さ
れるシリル基を含む重合性不飽和単量体が挙げられる。
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 、R2 、R3 は同一又は異な
って、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラル
キル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキ
シ基、ヒドロキシル基、アミノ基、アミノオキシ基、ア
ルキルチオ基を示す。但し、R1 〜R3 のうち少なくと
も1つがハロゲン原子、アルコキシ基又はヒドロキシル
基である。) 加水分解性シリル基は、通常、R1 〜R3 のうち少なく
とも1つがハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシル
基を有している。
【0012】式(3)で表されるシリル基のハロゲン原
子には、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが含
まれ、通常、塩素原子である。アルキル基には、例え
ば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル基などのC1-10アルキル基などが含まれる。な
お、ここでC1-10とは、「炭素原子数1〜10の」とい
う意味であり、以下において同様である。アリール基に
は、例えば、フェニル基などのC6-10アリール基などが
含まれ、アラルキル基には、例えば、ベンジル基などの
7-10アラルキル基などが含まれる。
【0013】アルコキシ基に、例えば、メトキシ、エト
キシ、プロボキシ、イソプロボキシ、ブトキシ、イソブ
トキシ、t−ブトキシ、ベンチルオキシ、ヘキシルオキ
シ、オクチルオキシ、デシルオキシ、ドデシルオキシ基
などのC1-16アルコキシ基などが含まれる。好ましいア
ルコキシ基は、C1-4 アルコキシ基、特にメトキシ基、
エトキシ基である。アルコキシ基には、例えばメトキシ
エトキシ基などのアルコキシ置換アルコキシ基も含まれ
る。
【0014】アリールオキシ基には、例えば、フェノキ
シ基などのC6-10アリールオキシ基などが含まれる。ア
シルオキシ基には、例えば、アセチルオキシ、プロピオ
ニルオキシ、ブチリルオキシ基などのC2-6 アシルオキ
シ基などが含まれる。
【0015】アミノ基には、例えば、ジメチルアミノ基
などの置換基を有していてもよいアミノ基などが含ま
れ、アミノオキシ基には、例えば、ジメチルアミノオキ
シ基などの置換基を有していてもよいアミノオキシ基な
どが含まれる。アルキルチオ基には、例えば、メチルチ
オ、エチルチオ基などのC1-6 アルキルチオ基などが含
まれる。
【0016】加水分解性シリル基を有する重合性不飽和
単量体(A)としては、例えば下記一般式(4)から
(15)で表される化合物が含まれる。
【0017】
【化4】
【0018】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示す。Xはフッ素、塩素、臭素又は
ヨウ素原子を示す。aは0〜2の整数を示す。)
【0019】このような化合物としては、例えば、ビニ
ルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビ
ニルジメチルクロロシラン、ビニルメチルフェニルクロ
ロシラン、イソプロペニルトリクロロシラン、イソプロ
ペニルメチルジクロロシラン、イソプロペニルジメチル
クロロシラン、イソプロペニルメチルフェニルクロロシ
ランなどが挙げられる。
【0020】
【化5】
【0021】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示す。Xはフッ素、塩素、臭素又は
ヨウ素原子を示す。aは0〜2の整数を示し、nは1〜
12の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、アリルトリクロロ
シラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメチル
クロロシランなどが挙げられる。
【0022】
【化6】
【0023】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示す。Xはフッ素、塩素、臭素又は
ヨウ素原子を示す。aは0〜2の整数を示し、nは1〜
12の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、2−(メタ)アク
リロキシエチルトリクロロシラン、2−(メタ)アクリ
ロキシプロピルトリクロロシラン、2−(メタ)アクリ
ロキシエチルメチルジロロシラン、3−(メタ)アクリ
ロキシプロピルメチルジクロロシラン、2−(メタ)ア
クリロキシエチルジメチルクロロシラン、3−(メタ)
アクリロキシプロピルジメチルクロロシランなどが挙げ
られる。
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示す。aは0〜2の整数を示す。)
【0026】このような化合物としては、例えば、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリブトキシシラン、ビニルトリ(ヘキシルオキ
シ)シラン、ビニルトリ(オクチルオキシ)シラン、ビ
ニルトリ(デシルオキシ)シラン、ビニルトリ(ドデシ
ルオキシ)シラン、ビニルジメトキシメチルシラン、ビ
ニルジエトキシメチルシラン、ビニルメトキシジメチル
シラン、ビニルエトキシジメチルシラン、ビニルブトキ
シジメチルシラン、ビニルジフェニルエトキシシラン、
イソプロペニルトリメトキシシラン、イソプロペニルト
リエトキシシランイソプロペニルトリブトキシシラン、
イソプロペニルトリ(ヘキシルオキシ)シラン、イソプ
ロペニルトリ(オクチルオキシ)シラン、イソプロペニ
ルトリ(デシルオキシ)シラン、イソプロペニルトリ
(ドデシルオキシ)シラン、イソプロペニルジメトキシ
メチルシラン、イソプロペニルジエトキシメチルシラ
ン、イソプロペニルメトキシジメチルシラン、イソプロ
ペニルエトキシジメチルシラン、イソプロペニルブトキ
シジメチルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキ
シ)シランなどが挙げられる。
【0027】
【化8】
【0028】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示し、R7 はC1-12アルキレン基又はフェニレン基を示
す。aは0〜2の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、アリルトリメトキ
シシラン、ビニルデシルトリメトキシシラン、ビニルオ
クチルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキ
シシラン、ビニルフェニルジメトキシメチルシラン、ビ
ニルフェニルジメトキシジメチルシラン、イソプロペニ
ルフェニルトリメトキシシラン、イソプロペニルフェニ
ルジメトキシメチルシラン、イソプロペニルフェニルメ
トキシジメチルシランなどが挙げられる。
【0029】
【化9】
【0030】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示し、aは0〜2の整数を示し、nは1〜12の整数を
示す。) このような化合物としては、例えば、2−(メタ)アク
リロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アク
リロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)ア
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)
アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−
(メタ)アクリロキシプロピルジエトキシメチルシラ
ン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(2−メ
トキシエトキシ)シランなどが挙げられる。
【0031】
【化10】
【0032】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示す。aは0〜2の整数を示し、nは1〜12の整数を
示す。) このような化合物としては、例えば、3−(アリルオキ
シカルボニル−o−フェニレン−カルボキシ)プロピル
トリメトキシシラン、3−(アリルオキシカルボニル−
o−フェニレン−カルボキシ)プロピルジメトキシメチ
ルシラン、3−(アリルオキシカルボニル−o−フェニ
レン−カルボキシ)プロピルメトキシジメチルシラン、
3−(イソプロペニルメチレンオキシカルボニル−o−
フェニレン−カルボキシ)プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(イソプロペニルメチレンオキシカルボニル−
o−フェニレン−カルボキシ)プロピルジメトキシメチ
ルシラン、3−(イソプロペニルメチレンオキシカルボ
ニル−o−フェニレン−カルボキシ)プロピルメトキシ
ジメチルシランなどが挙げられる。
【0033】
【化11】
【0034】このような化合物としては、例えば、3−
(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラ
ン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキ
シシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルトリ
メトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピ
ルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0035】
【化12】
【0036】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示す。aは0〜2の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、3−[ビニルフェ
ニレンメチレン(エチレンジアミノ)]プロピルトリメ
トキシシラン、3−[イソプロペニルフェニレンメチレ
ン(エチレンジアミノ)]プロピルトリメトキシシラン
などが挙げられる。
【0037】
【化13】
【0038】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示す。aは0〜2の整数を示し、、nは1〜12の整数
を示す。) このような化合物としては、例えば、2−(ビニルオキ
シ)エチルトリメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)
プロピルトリメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブ
チルトリエトキシシラン、2−(イソプロペニルオキ
シ)エチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0039】
【化14】
【0040】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示し、R9 は−CH2 O−又は−CH2 OCO−を示
す。aは0〜2の整数を示し、、nは1〜12の整数を
示す。) このような化合物としては、例えば、3−(アリルオキ
シ)プロピルトリメトキシシラン、10−(アリルオキ
シカルボニル)デシルトリメトキシシラン、3−(イソ
プロペニルメチレンオキシ)プロピルトリメトキシシラ
ン、10−(イソプロペニルメチレンオキシカルボニ
ル)デシルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0041】
【化15】
【0042】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R6 はC1-16アルコキシ基を
示す。aは0〜2の整数を示し、nは1〜12の整数を
示し、mは1〜12の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、3−[(メタ)ア
クリロキシエチレンオキシ]プロピルトリメトキシシラ
ン、3−[(メタ)アクリロキシエチレンオキシ]プロ
ピルジメトキシメチルシランなどが挙げられる。
【0043】また、加水分解性シリル基を有する重合性
不飽和単量体(A)は、例えば、ジビニルジメトキシシ
ラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジ(β−メ
トキシエトキシ)シランなどのジビニル基含有化合物で
あってもよい。
【0044】加水分解性シリル基を有する重合性不飽和
単量体(A)は単独で又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。好ましいシリル基含有単量体としては、
取り扱い性、経済性および副反応の抑制などの点から、
例えば、アルコキシシリル基を含有するビニル系単量体
が挙げられる。
【0045】本発明においては、少なくとも1種類のイ
オン形成性基を有する重合性不飽和単量体(B)を樹脂
の共重合用成分の1つとして用いる。この単量体(B)
を重合用成分として用いることにより、得られる重合体
がイオン形成性基を有することとなり、重合体を容易に
乳化することができる。
【0046】イオン形成性基としては、アミノ基、イミ
ド基などのカチオン形成性基、カルボキシル基などのア
ニオン形成性基が挙げられる。
【0047】従って、カチオン形成性基を有する単量体
(B)としては、例えば、ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレー
ト、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチル
アンモニウムメトサルフェートなどが挙げられる。この
ようなカチオン形成性基を有する単量体(B)は単独で
又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0048】アニオン形成性基を有する単量体(B)と
しては、例えば、カルボキシエチル(メタ)アクリレー
ト、カルボキシプロピル(メタ)アクリレート、ビニル
カルボン酸[(メタ)アクリル酸、エタアクリル酸、ク
ロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ
皮酸など]、ビニルスルホン酸[ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレン
スルホン酸など]、(メタ)アクリルスルホン酸[(メ
タ)アクリル酸スルホエチル、(メタ)アクリル酸スル
ホプロピルなど]、(メタ)アクリルアミドスルホン酸
[2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
など]などが挙げられる。このようなアニオン形成性基
を有する単量体(B)は単独で又は2種以上組み合わせ
て用いることができる。
【0049】本発明においては、樹脂の共重合用成分の
1つとしてポリジメチルシロキサン構造を有する重合性
不飽和単量体(C)を用いる。ポリジメチルシロキサン
構造を有する重合性不飽和単量体(C)を用いることに
より、得られる組成物の耐候性、耐汚染性を向上させる
ことが可能となる。
【0050】このような重合性不飽和単量体(C)とし
ては、例えば、下記一般式(1)又は(2)で表わされ
るビニル末端又は(メタ)アクリロキシ末端のポリジメ
チルシロキサンが挙げられる。
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】(一般式(1)、一般式(2)において、
kは1〜15の整数を表す。) これらのうち、kが2〜6のものが好ましい。また、ポ
リジメチルシロキサン構造を有する単量体(C)は単独
で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0054】本発明においては、前記加水分解性シリル
基を有する重合性不飽和単量体(A)、イオン形成性基
を有する重合性不飽和単量体(B)、ポリジメチルシロ
キサン構造を有する重合性不飽和単量体(C)の他に、
その他の重合性不飽和単量体(D)を共重合させる。こ
の重合性不飽和単量体(D)の種類は、既知の種々の重
合性不飽和単量体のうちから、樹脂組成物が適用される
用途に応じて適宜選択される。
【0055】このような重合性不飽和単量体(D)とし
ては、例えば、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニ
ル類、ビニルエステル類、ハロゲン含有ビニル類、ビニ
ルエーテル類(例えば、ビニルエチルエーテルなど)、
ビニルケトン類(例えば、メチルビニルケトンなど)、
ビニル異節環化合物(例えば、N−ビニルピロリドン、
N−ビニルイミダゾールなどのN−ビニル化合物、ビニ
ルピリジンなど)、オレフィン系単量体(例えば、エレ
チン、プロピレンなど)、アリル化合物(例えば、酢酸
アリルなどのアリルエステルなど)などが挙げられる。
この重合性不飽和単量体(D)は、単独で又は2種以上
組み合わせて使用することができる。
【0056】重合性不飽和単量体(D)の(メタ)アク
リル系単量体には、例えば、(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリロニトリル
などが含まれる。
【0057】(メタ)アクリレートには、例えば、アル
キル(メタ)アクリレート[例えば、メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル
(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、
ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレートなどのC1-18アルキル
(メタ)アクリレートなど]、シクロアルキル(メタ)
アクリレート[例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レートなど]、アリール(メタ)アクリレート[例え
ば、フェニル(メタ)アクリレートなど]、アラルキル
(メタ)アクリレート[例えば、ベンジル(メタ)アク
リレートなど]、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート[例えば、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシ
プロピル((メタ)アクリレートなどのヒドロキシ−C
2-4 アルキル(メタ)アクリレートなど]、グリシジル
(メタ)アクリレート、ジアルキルアミノ−アルキル
(メタ)アクリレート[例えば、2−(ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリレート、2−(ジエチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリレートなどのジC1-4 アルキ
ルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレートなど]
などが含まれる。
【0058】(メタ)アクリルアミド類には、例えば、
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリルアミド[例えば、N−メチロール(メタ)アク
リルアミドなどのN−ヒドロキシ−C1-4 アルキル(メ
タ)アクリルアミドなど]、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリルアミド[例えば、N−メトキシメチル(メ
タ)アクリルアミドなどのN−C1-4 アルコキシ−C
1-4 アルキル(メタ)アクリルアミドなど]、ジアセト
ン(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。好ましい
(メタ)アクリル系単量体としては、例えば、(メタ)
アクリレート[例えば、C1-18アルキル(メタ)アクリ
レート、ヒドロキシ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジC1-4 アル
キルアミノ−C2-4 アルキル(メタ)アクリレート]な
ど、(メタ)アクリルアミド類などが挙げられる。
【0059】さらに好ましい(メタ)アクリル系単量体
としては、C2-10アルキルアクリレート、C1-6 アルキ
ルメタクリレート、ヒドロキシ−C2-3 アルキル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
ジC1-3 アルキルアミノ−C2-3 アルキル(メタ)アク
リレートなどが挙げられる。
【0060】芳香族ビニル類には、例えば、スチレン、
α−メチルスチレン、ビニルトルエンれなどが含まれ、
スチレンを用いる場合が多い。ビニルエステル類には、
例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチッ
ク酸ビニル(VeoVaなど)などが含まれる。ハロゲ
ン含有ビニル類には、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリ
デンなどが含まれる。また、その他の重合性不飽和単量
体(D)として、以下の一般式(16)から(18)で
表されるシリル基を含有する化合物を使用してもよい。
【0061】
【化18】
【0062】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R10及びR11は同一又は異な
ってC1-10アルキル基を示す。aは0〜2の整数を示
す。) このような化合物としては、例えば、ビニルビス(ジメ
チルアミノ)メチルシランなどが挙げられる。
【0063】
【化19】
【0064】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R12はC2-6 アシル基を示
す。aは0〜2の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、ビニルトリ(アセ
チルオキシ)シラン、ビニルジ(アセチルオキシ)メチ
ルシランなどが挙げられる。
【0065】
【化20】
【0066】(式中、R4 はC1-10アルキル基、C6-10
アリール基又はC7-10アラルキル基を示し、R5 は水素
原子又はメチル基を示し、R13はC6-10アリール基を示
す。aは0〜2の整数を示す。) このような化合物としては、例えば、ビニルトリフェノ
キシシランなどが挙げられる。
【0067】このような重合性不飽和単量体(D)とし
て、通常、ハードモノマー[例えば、(メタ)アクリル
酸メチル、スチレンなどのガラス転移温度80〜120
℃(特に90〜105℃)程度の単独重合体を形成する
単量体成分]と、ソフトモノマー[例えば、アクリル酸
2-10アルキルエステルなどのガラス転移温度−85℃
〜10℃(特に−85〜−20℃)程度の単独重合体を
形成する単量体成分]と組み合わせて用いる場合が多
い。
【0068】このように重合性不飽和単量体(D)とし
て、通常、ハードモノマー及びソフトモノマーを用いる
場合、その配合比は特には限定されないが、例えば、ハ
ードモノマー10〜90重量%(例えば、15〜85重
量%、好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは
25〜75重量%、特に30〜70重量%)、ソフトモ
ノマー10〜90重量%(例えば、15〜85重量%、
好ましくは20〜80重量%、さらに好ましくは25〜
75重量%、特に30〜70重量%)とすることができ
る。
【0069】本発明において、上記各共重合成分は、加
水分解性シリル基含有重合性不飽和単量体(A)0.5
〜50重量%、イオン形成性基含有重合性不飽和単量体
(B)1〜20重量%、ポリジメチルシロキサン構造の
重合性不飽和単量体(C)1〜40重量%、その他の重
合性不飽和単量体(D){100−((A)+(B)+
(C)の総和)}重量%の割合で用いて溶液重合する。
【0070】加水分解性シリル基含有重合性不飽和単量
体(A)は、全重合性不飽和単量体のうち、0.5〜5
0重量%用いるが、特に0.5〜20重量%が好まし
い。単量体(A)の割合が0.5重量%未満であると、
硬化塗膜の耐水性、耐溶剤性及び密着性が劣化してしま
うという問題が生ずる場合がある。一方、50重量%を
越えると、水系樹脂組成物の重合安定性及び保存安定性
が低下してしまうという問題が生ずる場合がある。
【0071】イオン形成性基含有重合性不飽和単量体
(B)は、全重合性不飽和単量体のうち、1〜20重量
%用いるが、2〜10重量%が好ましい。単量体(B)
の割合が1重量%未満であると、エマルション化する時
に凝集物が生じ、一方、20重量%を越えると、形成塗
膜の耐水性が悪化する。
【0072】ポリジメチルシロキサン構造の重合性不飽
和単量体(C)は、全重合性不飽和単量体のうち、1〜
40重量%用いるが、2〜30重量%が好ましい。単量
体(C)の割合が1重量%未満であると、ポリジメチル
シロキサン変性の効果が得られず、形成塗膜の耐水性、
耐汚染性が悪化し、一方、40重量%を越えると、エマ
ルション化する時に凝集物が生じ、安定なエマルション
が得られない。その他の重合性不飽和単量体(D)は、
上記単量体(A)、(B)、(C)の残部を占める。
【0073】本発明においては、上記各共重合成分を溶
液重合し、得られた樹脂溶液に水を添加することにより
エマルション化して水系樹脂組成物を得ることが特徴で
ある。すなわち、上記各共重合成分を混合し、適当な有
機溶剤の存在下、共重合させ、この重合体を、アルカリ
(例えば、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、モ
ルホリンなどの環状アミン、トリエタノールアミンなど
のアルカノールアミン、ピリジン、アンモニアなど)や
酸[例えば、無機酸(例えば、塩酸、硫酸など)、有機
酸(例えば、酢酸、プロピオン酸などのカルボン酸、ス
ルホン酸など)など]を用いて溶解又は分散させる。な
お、重合操作は、バッチ式、連続式であってもよい。
【0074】溶液重合で用いる有機溶剤としては、例え
ば、アルコール(例えば、エタノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノールなど)、芳香族炭化水素(例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素
(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなど)、脂環
族炭化水素(例えば、シクロヘキサンなど)、エステル
(例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなど)、ケトン
(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エー
テル(例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフランなど)などを用いることができる。これら
有機溶剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用して
もよい。有機溶剤としては、通常、イソプロパノールな
どのアルコール、トルエンなどの芳香族炭化水素、メチ
ルエチルケトンなどのケトンなどが使用される。
【0075】有機溶剤の使用量は、特に制限されず、例
えば、重合性不飽和単量体の総量に対する有機溶剤量が
重量比で(0.1/1〜5/1)、好ましくは(0.5
/1〜2/1)程度の範囲から選択できる。
【0076】溶液重合では、電子線または紫外線の照射
加熱により重合を開始してもよいが、重合開始剤を用い
て重合を開始する場合が多い。重合開始剤としては、例
えば、アゾ化合物[例えば、アゾビスイソブチロニトリ
ル、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、アゾビスシアノ吉草酸、2,2−アゾビス(2−
アミジノプロパン)ハイドロクロライド、2,2−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)アセテートなど]、無機
過酸化物(例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水
素)、有機過酸化物[例えば、過酸化ベンゾイル、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイ
ド、ジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネー
ト]及びレドックス触媒[例えば、亜硫酸塩もしくは重
亜硫酸(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩な
ど)、L−アスコルビン酸、エリソルビン酸などの還元
剤と、過硫酸塩(例えば、アルカリ金属塩、アンモニウ
ム塩など)、過酸化物などの酸化剤との組合わせからな
る触媒系]などが例示できる。重合開始剤は単独で又は
2種以上組合わせて使用できる。
【0077】重合開始剤の使用量は、例えば、重合性不
飽和単量体の総重量に対して0.001〜20重量%、
好ましくは0.01〜10重量%(例えば、0.1〜1
0重量%)程度の範囲から選択できる。
【0078】溶液重合における反応温度は、例えば、5
0〜150℃、好ましくは70〜130℃程度である。
また、反応時間は、例えば、1〜10時間、好ましくは
2〜7時間程度である。なお、重合の終点は、赤外吸収
スペクトルにおける二重結合の吸収(1648cm-1
の消滅、またはガスクロマトグラフィーを用いて、未反
応の単量体の減少などにより確認することができる。
【0079】なお、重合体にアミノ基、イミド基やカチ
オン形成性基などのカチオン性基が含まれている場合、
酸を用いると親水性が向上し、重合体を容易に溶解又は
乳化することができる。このような酸としては、例え
ば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸な
ど)、有機酸[例えば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸など
の飽和脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、アジピン酸な
どの飽和脂肪族ポリカルボン酸;(メタ)アクリル酸な
どの不飽和脂肪族モノカルボン酸;マレイン酸、イタコ
ン酸などの不飽和脂肪族ポリカルボン酸;乳酸、クエン
酸などの脂肪族オキシカルボン酸など]などが例示でき
る。
【0080】重合体がカルボキシル基などの酸性基を有
する場合、塩基を用いると重合体を容易に溶解又は乳化
することができる。このような塩基には、例えば、有機
塩基(例えば、トリエチルアミンなどのアルキルアミ
ン、モルホリンなどの環状アミン、トリエタノールアミ
ンなどのアルカノールアミン、ピリジンなど)、無機塩
基(例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物など)
などが含まれる。酸の使用量は、例えば、酸性基の合計
モルに対して塩基/酸性基=0.3/1〜1.5/1
(モル比)程度の範囲から選択できる。
【0081】溶液重合により得られた重合体の乳化は、
有機溶剤の存在下又は非存在下で行うことができる。有
機溶剤の存在下、重合体を溶解又は乳化分散する場合、
有機溶剤としては、水溶性の有機溶剤(例えば、イソプ
ロパノールなどのアルコールなど)を用いる場合が多
い。有機溶剤の存在下、重合体を乳化した場合、乳化
後、有機溶剤を蒸発などにより除去してもよく、エマル
ションは有機溶剤を含有してもよい。なお、重合体を乳
化する前に有機溶剤を除去する場合、低沸点の有機溶剤
(例えば、メチルエチルケトンなどのケトン)を用いる
場合が多い。
【0082】溶液重合により得られた重合体を、有機溶
剤の存在下、乳化する場合、重合体を含む有機溶液に添
加剤(例えば、乳化剤、pH調整剤、酸など)を添加し
た後、水を添加して乳化できる。この場合、水は、滴下
などにより徐々に添加するのが好ましい。乳化するとき
の温度は、低温の方が好ましく、例えば、70℃以下
(例えば、5〜70℃)、好ましくは50℃以下(例え
ば、10〜50℃)程度の範囲から選択できる。
【0083】水を添加して乳化した後の有機溶剤の除去
は、例えば、80℃以下(例えば、5〜80℃程度)の
温度で、常圧又は減圧下(例えば、0.0001〜1気
圧程度)で行う場合が多い。
【0084】なお、溶液重合では、重合体の分子量を調
整するために、連鎖移動剤、例えば、カテコールなどの
アルコール類、チオール類、メルカプタン類(例えば、
n−ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン、3−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチル
ジメトキシシランなど)などを用いてもよい。
【0085】このようにして得られる水性エマルジョン
における重合体粒子の平均粒子径は、分散安定性、密着
性などを損なわない範囲、例えば、0.01〜2μm、
好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.01
〜0.5μm、さらにより好ましくは0.01〜0.3
μm程度の範囲から選択できる。
【0086】本発明の水系樹脂組成物は、水溶液又は水
性エマルジョン(水性重合体エマルジョン)であっても
よい。このような水系樹脂組成物は、加水分解性アルコ
キシシリル基を含有するアクリルシリコーンオリゴマー
の架橋生成物のような特殊な架橋樹脂を用いることなく
構成された水系の樹脂組成物であるため、取り扱い性が
高い。また、この水系樹脂組成物を用いることにより、
大気汚染、中毒、火災等のおそれが少なく、しかも作業
性のよいコーティン剤を得ることができる。
【0087】また、本発明の水性樹脂組成物には、必要
に応じて例えば、フッ素樹脂、シリコン樹脂、有機スル
ホン酸塩化合物、有機リン酸塩化合物、有機カルボン酸
塩化合物などの滑性物質、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
熱安定剤などの安定剤、ラジカル捕捉剤、消光剤、帯電
防止剤、可塑剤、増粘剤、消泡剤などの各種公知の添加
剤を添加してもよい。このようにして、水系樹脂組成物
を用いた水系コーティング剤が調製される。
【0088】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 [実施例1]撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、窒素導
入管及び温度計を備えた2リットルの反応容器に、イソ
プロピルアルコール(以下「IPA」と略する)219
重量部を入れ、撹拌しながらアゾビスイソブチロニトリ
ル(以下「AIBN」と略する)0.62重量部を加え
て溶解し、80℃に加温した。共重合成分として、メチ
ルメタクリレート(MMA)135.7重量部、n−ブ
チルアクリレート(BA)86.3重量部、アクリル酸
(AA)7.39重量部、3−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン(日本ユニカー(株)製、A−17
4)4.94重量部、及びα−(3−メタクリロキシプ
ロピル)ポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製、F
M−0711)12.3重量部を混合し、滴下ロートを
用いて約4時間かけて反応容器に滴下した。滴下終了
後、追加触媒としてAIBN0.25重量部をIPA2
5重量部に溶解して、反応容器に滴下し、さらに2時間
反応を保持した。
【0089】重合終了後、撹拌を続けながら、25%ア
ンモニア水6.95重量部を反応容器に加え、水705
重量部を約2時間かけて反応容器に滴下してエマルショ
ン化した。エマルション化後、ロータリーエバポレータ
ーを用いてIPAを蒸発させ、目的の水系樹脂組成物を
得た。この水系樹脂組成物の固形分は40重量%であっ
た。
【0090】[実施例2]共重合成分として、n−ブチ
ルアクリレートの量を74.0重量部、α−(3−メタ
クリロキシプロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−
0711)の量を24.7重量部とした以外は実施例1
と同様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹
脂組成物を得た。
【0091】[実施例3]共重合成分として、n−ブチ
ルアクリレートの量を49.3重量部、α−(3−メタ
クリロキシプロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−
0711)の量を49.3重量部とした以外は実施例1
と同様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹
脂組成物を得た。
【0092】[実施例4]共重合成分として、n−ブチ
ルアクリレートを使用せず、α−(3−メタクリロキシ
プロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−0711)
の量を98.7重量部とした以外は実施例1と同様に、
重合反応及びエマルション化を行い、水系樹脂組成物を
得た。
【0093】[実施例5]共重合成分として、FM−0
711の代わりにα−(3−メタクリロキシプロピル)
ポリジメチルシロキサン(チッソ(株)製、FM−07
25)12.3重量部を使用した以外は実施例1と同様
に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹脂組成
物を得た。
【0094】[実施例6]共重合成分として、n−ブチ
ルアクリレートの量を74.0重量部、α−(3−メタ
クリロキシプロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−
0725)の量を24.7重量部とした以外は実施例5
と同様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹
脂組成物を得た。
【0095】[実施例7]共重合成分として、n−ブチ
ルアクリレートの量を49.3重量部、α−(3−メタ
クリロキシプロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−
0725)の量を49.3重量部とした以外は実施例5
と同様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹
脂組成物を得た。
【0096】[実施例8]共重合成分として、n- ブチ
ルアクリレートを使用せず、α−(3−メタクリロキシ
プロピル) ポリジメチルシロキサン(FM−0725)
の量を98.7重量部とした以外は実施例5と同様に、
重合反応及びエマルション化を行い、水系樹脂組成物を
得た。
【0097】[実施例9]共重合成分として、FM−0
711の代わりにポリメチル(3−メタクリロキシプロ
ピル)シロキサン(日本ユニカー(株)、F3−009
−05)12.3重量部を使用した以外は実施例1と同
様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹脂組
成物を得た。
【0098】[比較例1]共重合成分として、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(A−174)
を使用しなかった以外は実施例1と同様に、重合反応及
びエマルション化を行い、水系樹脂組成物を得た。
【0099】[比較例2]共重合成分として、α−(3
−メタクリロキシプロピル) ポリジメチルシロキサン
(FM−0711)を使用しなかった以外は実施例1と
同様に、重合反応及びエマルション化を行い、水系樹脂
組成物を得た。
【0100】[比較例3]共重合成分として、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(A−174)
を使用しなかった以外は実施例9と同様に、重合反応及
びエマルション化を行い、水系樹脂組成物を得た。
【0101】[比較例4]共重合成分として、3−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン(A−174)
及びα−(3−メタクリロキシプロピル) ポリジメチル
シロキサン(FM−0711)を使用しなかった以外は
実施例1と同様に、重合反応及びエマルション化を行
い、水系樹脂組成物を得た。以上の実施例1〜9及び比
較例1〜4の水系樹脂組成物の組成を表1にまとめて示
す。
【0102】
【表1】
【0103】(水性塗料の配合)実施例1〜9及び比較
例1〜4で得られた水系樹脂組成物それぞれについて、
下記表2の配合処方で水系コーティング剤を得た。
【0104】
【表2】
【0105】(試験例)実施例1〜9及び比較例1〜4
で得られた水系樹脂組成物、水系コーティング剤につい
て、以下の性能評価を行った。 1.耐水性試験 アクリル板に固形分20重量%に調整した水系樹脂組成
物をNo.12 のバーコーターで塗布し、105℃で5分間
硬化乾燥した。その後、アクリル板を20℃の水槽に7
日間浸漬し、塗膜の変化を目視で評価した。 ◎:変化なし、○:一部白化、△:白化、×:塗膜なし
(溶解)
【0106】2.耐熱水性試験 アクリル板に固形分20重量%に調整した水系樹脂組成
物をNo.14 のバーコーターで塗布し、105℃で5分間
硬化乾燥した。その後、アクリル板を80℃の水槽に2
時間浸漬し、塗膜の変化を目視で評価した。 ◎:変化なし、○:一部白化、△:白化、×:塗膜なし
(溶解)
【0107】3.耐溶剤性試験 耐水性試験と同調に作製したアクリル板上の塗膜に、メ
タノールに浸した綿棒によりラビング試験を行い、塗膜
の溶解するまでに要した回数を記録した。
【0108】4.密着性試験 ポリエチレンテレフタレート板(PET板)に固形分2
0重量%に調整した水系樹脂組成物をNo.14 のバーコー
ターで塗布し、105℃で5分間硬化乾燥した。その
後、PET板をセロテープにより碁盤目剥離試験を行
い、塗膜の残存状態を目視により評価した。100箇所
のうちの塗膜の残存している数を示した。
【0109】5.耐候性試験 アルミニウム板に水系塗料化した水系コーティング剤を
No.12 のバーコーターで塗布し、105℃で5分間硬化
乾燥しテストピースとした。テストピースをQUV促進
耐候試験機にかけ、1500時間促進試験を行い、グロスメ
ーターにより、光沢保持率を定量した。
【0110】6.耐汚染性試験 耐候性試験と同様のテストピースを屋外に1 か月間自然
暴露試験を行い、汚染の度合いを目視により評価した。 ◎:汚れなし、○:一部汚れあり、△:汚れあり、×:
塗膜劣化 以上の試験結果を表3に示す。
【0111】
【表3】
【0112】表3より、実施例1〜9によるものはいず
れも、耐水性、耐溶剤性及び密着性に優れると共に、耐
候性及び耐汚染性にも優れる。これに対して、比較例2
のものは、耐候性、耐汚染性に劣り、比較例1及び3の
ものは、特に耐水性、耐溶剤性、密着性に劣る。
【0113】
【発明の効果】本発明の水系樹脂組成物は、上述のよう
に構成されているので、耐水性、耐溶剤性及び基材への
密着性に優れると共に、耐候性及び耐汚染性にも優れて
いる。従って、この水系樹脂組成物を用いた水系コーテ
ィング剤樹脂組成物は、各種材料のアンダーコート、オ
ーバーコート、クリアーコート、ライニング等に好適で
ある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加水分解性シリル基を有する重合性不飽
    和単量体(A)0.5〜50重量%と、 少なくとも1種類のイオン形成性基を有する重合性不飽
    和単量体(B)1〜20重量%と、 ポリジメチルシロキサン構造を有する重合性不飽和単量
    体(C)1〜40重量%と、 その他の重合性不飽和単量体(D){100−((A)
    +(B)+(C)の総和)}重量%とを溶液重合し、得
    られた樹脂溶液に水を添加することによりエマルション
    化することにより得られる水系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エマルション化した後、重合溶媒を除去
    することにより得られる、請求項1に記載の水系樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】 ポリジメチルシロキサン構造を有する重
    合性不飽和単量体(C)が、一般式(1)又は一般式
    (2) 【化1】 【化2】 (一般式(1)、一般式(2)において、kは1〜15
    の整数を表す。)で表される重合性不飽和単量体から選
    ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2項に記載
    の水系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3項のうちのいずれか1項に
    記載の水系樹脂組成物を用いた水系コーティング剤。
JP10121869A 1998-03-31 1998-04-14 水系樹脂組成物及びこれを用いた水系コーティング剤 Pending JPH11293131A (ja)

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JP2014503646A (ja) * 2010-12-21 2014-02-13 アクゾ ノーベル コーティングス インターナショナル ビー ヴィ 防汚塗料組成物

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