JPH11293234A - 蓄冷熱剤及びそれを用いた保冷・保温材 - Google Patents

蓄冷熱剤及びそれを用いた保冷・保温材

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JPH11293234A
JPH11293234A JP10108711A JP10871198A JPH11293234A JP H11293234 A JPH11293234 A JP H11293234A JP 10108711 A JP10108711 A JP 10108711A JP 10871198 A JP10871198 A JP 10871198A JP H11293234 A JPH11293234 A JP H11293234A
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cold storage
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Takuhiro Sasao
卓弘 笹尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄冷剤と蓄熱剤とが分散、混合されてなる蓄
冷熱剤、及びこの蓄冷熱剤をプラスチック製の容器等に
収納してなる保冷・保温材を提供する。 【解決手段】 主剤である水100重量部に、寒剤とし
て所要量の塩化ナトリウムを配合し、また、ゲル化剤と
して3重量部のカルボキシメチルセルロースを配合し
て、0〜−25℃の特定の融点を有する蓄冷剤を得る。
蓄冷剤には、上記の各成分の他、ヨウ化銀、メタアルデ
ヒド等の核剤などを配合することもできる。この蓄冷剤
に、蓄熱剤として、融点16℃の石油ワックスをコア剤
とし、ゼラチンをシェル材とするマイクロカプセル50
重量部を配合し、蓄冷熱剤を調製する。この蓄冷熱剤
を、高密度ポリエチレン等、プラスチック製の平板状の
容器などに収納し、保冷・保温材とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に、水を主剤と
する蓄冷剤と、蓄熱剤をコア剤とするマイクロカプセル
とを含有する蓄冷熱剤及びそれを用いた保冷・保温材に
関する。本発明の蓄冷熱剤は、これをプラスチック製
等、適宜の容器に収納し、冷凍品、生鮮食品、医薬品等
の保冷、人が発熱した場合の冷却、或いは保温を要する
食品等の輸送、保管など、医療用及び家庭用、並びにビ
ル等、建築物の蓄熱式空調システム、乗用車、バス、ト
ラック等の蓄熱式空調システム、間欠運転時の冷暖房シ
ステムなど、業務用として広範な用途において使用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、融解潜熱の大きい水を主剤と
し、これに寒剤、ゲル化剤、必要に応じて核剤等を適量
配合した蓄冷剤が多用されている。一方、天然ワックス
及び石油ワックス等からなる蓄熱剤もよく知られてい
る。そして、蓄冷剤は所定の温度以下における保冷の用
途のみに使用され、蓄熱剤は所定の温度以上における保
温の用途のみに用いられている。
【0003】そこで、これら蓄冷剤と蓄熱剤とを混合
し、保冷、保温のいずれの用途においても使用すること
ができる蓄冷熱剤とすることが試みられている。しか
し、蓄冷剤の主剤である水と、蓄熱剤としてよく用いら
れるパラフィン類とはまったく相溶性がなく、互いに分
離してしまって均一に混合することができないとの問題
がある。また、界面活性剤の配合によって分散、混合す
ることはできるが、凍結、解凍若しくは融解、凝固を繰
り返すうちに、分離してしまって安定した分散状態を維
持することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、特に、水を主剤とする蓄
冷剤と、ワックス等の蓄熱剤をコア剤とするマイクロカ
プセルとを使用することにより、蓄冷剤と蓄熱剤とが均
一に分散、混合された蓄冷熱剤を提供することを目的と
する。また、本発明は、この蓄冷熱剤を適宜の容器に収
納してなる保冷・保温材を提供することを目的とする。
このマイクロカプセルの使用により、界面活性剤を用い
なくても、蓄冷剤と蓄熱剤とを容易に均一に分散、混合
することができ、且つ凍結、解凍等を繰り返した後も、
水等の蓄冷剤の成分とマイクロカプセルとが分離するこ
とはない。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明の蓄冷熱剤は、
一定の融解熱を有する蓄冷剤と、一定の凝固熱を有する
蓄熱剤とを含有することを特徴とする。また、第4発明
の蓄冷熱剤は、蓄冷剤と、蓄熱剤をコア剤とするマイク
ロカプセルとを含有することを特徴とする。これら第1
及び第4発明の蓄冷熱剤では、それぞれ第2及び第5発
明のように、蓄冷剤の凍結、解凍及び蓄熱剤の融解、凝
固のうちの少なくとも一方を繰り返した後も、これら蓄
冷剤と蓄熱剤、特に、第5発明では、蓄冷剤とマイクロ
カプセルとが互いに分離することなく、分散、混合の状
態が維持されることを特徴とする。
【0006】上記「蓄冷剤」としては、短時間で凍結
し、凍結に要するエネルギーが少なく、且つ有効な保冷
時間が長いものが好ましく、実用的には融解潜熱の大き
い水を主剤として、これに寒剤、ゲル化剤等が配合され
たものが多用されている。そして、これら蓄冷剤が過冷
却の状態になると、凍結に長時間を要し、且つ多大なエ
ネルギーが必要となるため、凝固点近傍で速やかに凍結
するように核剤を配合することも多く、本発明の蓄冷剤
でも必要であれば核剤を配合してもよい。
【0007】寒剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム及び硝酸カリ
ウム等の無機酸の金属塩を使用することができる。ま
た、エチレングリコール、プロピレングリコール等の多
価アルコールなどを用いることもできる。これら寒剤の
配合量によって蓄冷剤の融点を調整することができ、第
3発明の、融点が0〜−30℃の蓄冷剤を容易に調製す
ることができる。この蓄冷剤の融点は特に0〜−25℃
とすることができ、これによって0〜15℃の温度範囲
において輸送、保管される野菜、果実等から、より低温
において輸送、保管される冷凍食品等まで、いずれの用
途においても使用することができる。
【0008】ゲル化剤としては、カルボキシメチルセル
ロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、ポリアクリルアミド等の親水性ポリマー、及びこ
れらを架橋することにより水不溶性とした高吸水性ポリ
マーを使用することができる。また、ゼラチン、アエロ
ジル、デンプン、グアガム等の天然多糖類などを用いる
こともできる。ゲル化剤の配合量は、蓄冷剤を100重
量部とした場合に、0.01〜10重量部とすることが
できる。この配合量は、特に0.01〜5重量部、更に
は0.01〜3重量部とすることが好ましい。尚、この
ゲル化剤の量比が低くなるとともに蓄冷剤の粘度が低下
し、蓄冷剤を容器に充填する際の取り扱い性等が向上す
る。そのため、他の特性を勘案しつつ、この配合量を
0.5重量部以下、更には0.1重量部以下とすること
もできる。
【0009】上記のように少量のゲル化剤を使用するこ
とにより、特に、ゲル化剤を0.2重量部以下とするこ
とにより、得られる蓄冷剤の常温における粘度が相当に
低くなり、流動性に優れた取り扱い易い蓄冷剤を得るこ
とができる。このゲル化剤を配合する場合、その配合量
が10重量部でも、蓄冷剤の粘度はB型粘度計では測定
できないほどに高くなり、10重量部を越える場合は、
蓄冷剤の粘度はさらに高くなって、容器への充填等、取
り扱い時の作業性が大きく低下する。
【0010】核剤は、蓄冷剤が凍結するための氷晶核と
なるもので、ヨウ化銀、硫化銅、キサンタンガム、コレ
ステロールなどのスイロイド、及びメタアルデヒド、α
−フェナジン、ピロリン酸ナトリウム等の無機又は有機
化合物を使用することができる。核剤としては、この
他、ある種の核剤としての活性を有する細菌、海洋植物
プランクトン、コケ等の微生物などを用いることもでき
る。これら核剤は、水100重量部に対して、上記の無
機又は有機化合物では0.001〜0.003重量部、
細菌等の場合は10-6〜0.1重量部配合することがで
きる。
【0011】上記「蓄熱剤」としては、各種のワックス
を使用することができる。ワックスは、常温では固体で
あり、加熱によって低粘度の流体となる低分子量の重合
体であって、天然ワックス及び石油ワックス等から適宜
選択することができる。天然ワックス及び石油ワックス
には、融点の異なる各種のものがあり、所要の融点を有
するものを容易に入手することができ、好ましい。この
ワックスとしては、重油を減圧蒸留して得られる留出油
又は重質留出油等から分離精製されるパラフィンワック
ス、ペトロラタム等の石油ワックスが多用される。この
パラフィンワックスには、ノルマルパラフィン、イソパ
ラフィン及びシクロパラフィン等、炭素数分布20〜6
0、数平均分子量300〜800の炭化水素化合物及び
これらの誘導体などが含有されている。
【0012】ワックスには融点の異なる各種のものがあ
り、所要の温度領域において保温剤として使用し得る蓄
熱剤を容易に調製することができる。この蓄熱剤として
は、特に、第3発明の、融点が15〜70℃のものが好
ましい。また、蓄熱剤の融点は特に15〜50℃とする
ことができ、この蓄熱剤と、融点が0〜−30℃の蓄冷
剤とを含有する蓄冷熱剤とすることにより、保冷又は保
温を必要とする広範囲な用途において使用することがで
きる。
【0013】第1乃至3発明の蓄冷熱剤は、蓄冷剤と蓄
熱剤とを含有するが、これらが互いに分離しない、特
に、凍結、解凍等を繰り返した後も分離することのない
均質な蓄冷熱剤とする必要がある。そのような蓄冷熱剤
は、第4発明のように、蓄熱剤をコア剤とするマイクロ
カプセルを使用することによって調製することができ
る。特に、第6発明のように、コア剤としてワックスを
用いたマイクロカプセルを、水と寒剤を含む蓄冷剤に配
合することにより、均一な分散状態が安定して維持され
る蓄冷熱剤を容易に得ることができる。
【0014】マイクロカプセルを構成するシェルは、そ
の耐熱温度が、用いられる蓄熱剤の融点に比べて十分に
高いシェル材により形成される。このシェル材として
は、その耐熱温度が、蓄熱剤の融点より30℃以上、特
に50℃以上高いものが好ましい。そのようなシェル材
としては、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂
等の合成樹脂を使用することができる。また、ゼラチ
ン、ゼラチンアラビアゴム、カルボキシセルロース、ポ
リオキシメチレンウレア、アミノプラスト、セルローズ
アセテートフタレート、エチルセルローズ、ポリエチレ
ン−ビニルアセテート、ポリビニルアルコール等を用い
ることもできる。、これらのうち、ポリオキシメチレン
ウレアが特に好ましく、シェルの形成が容易であり、且
つ十分な強度を有するマイクロカプセルを得ることがで
きる。
【0015】シェルに内包されるコア剤である蓄熱剤
は、蓄熱効果の点からは多いほうが好ましい。しかし、
あまりに多量であると蓄熱剤の体積膨張によりシェルが
破損する恐れがある。そのため、マイクロカプセル全体
の重量に対する蓄熱剤の量比を、30〜90重量%とす
ることが好ましい。この量比は、特に50〜90重量
%、更には60〜80重量%とすることがより好まし
い。また、マイクロカプセルとしては、その外径が数μ
mから数1000μmのものを使用し得るが、その外径
が100〜1000μm、特に200〜500μm、更
には250〜450μmのものがより好ましい。この範
囲の外径を有するマイクロカプセルであれば、水、寒剤
及びゲル化剤等の蓄冷剤の成分と容易に均一に混合する
ことができる。
【0016】マイクロカプセルの製造方法としては、界
面重合法、in-situ 重合法及びコアセルベーション法
等が知られている。これらの製造方法は、コア剤である
蓄熱剤及びシェルの材質等に応じて適宜選択することが
できる。本発明では、いずれの製造方法によって得られ
るマイクロカプセルであっても特に問題なく使用するこ
とができるが、第6及び第8発明のように、ワックスを
コア剤とする場合は、コアセルベーション法によって製
造することが好ましい。
【0017】第7発明の保冷・保温材は、蓄冷剤と、蓄
熱剤をコア剤とするマイクロカプセルとが分散、混合さ
れ、容器に収納されていることを特徴とする。
【0018】上記「容器」としては、プラスチック、金
属等からなるものを使用し得るが、通常、プラスチック
製の容器が使用される。プラスチックとしては、水、寒
剤、ゲル化剤等の蓄冷剤の成分、及びワックス等の蓄熱
剤の成分に影響を与えず、且つこれらの成分によって侵
されないものを使用することができる。また、蓄熱剤の
融点に対応した所要の耐熱性を有するとともに、長時間
に渡って氷点下の温度に晒されても低温脆化を起こさな
いものを用いることができる。そのようなプラスチック
としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、
6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミドなどを挙
げることができる。また、容器の形状は特に限定されな
いが、取り扱い上或いは冷却効率の点から、通常は平板
状の方形のものが使用される。
【0019】また、上記の容器はブロー成形法により製
造されることが多いが、前記のように本発明の蓄冷熱剤
のうちでも特に粘度の低いものを使用すれば、成形品を
型内に保持したまま、その内部に蓄冷熱剤を容易に充填
することができる。このように、容器の成形と蓄冷熱剤
の充填をインラインで行うこともでき、第7発明の保冷
・保温材を効率よく、容易に得ることができる。
【0020】尚、水を主材とする蓄冷剤では、凍結時、
その体積が、通常、10%程度増加する。この体積の増
加が、保冷・保温材の全面に渡って均等になされれば特
に問題はないが、これが特定の部位に集中し、その部分
に突起が生成したり、場合によっては容器が破損したり
することもある。このような突起の生成或いは容器の破
損は、蓄冷剤に適量のアルコール類を配合することによ
り防止することができる。
【0021】このアルコール類としては、メチルアルコ
ール、エチルアルコール等のモノアルコール、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多
価アルコールなどが挙げられる。これらアルコール類
は、蓄冷剤の融点に対応して、その所要量を水に配合す
ることができる。このアルコール類としては、凍結によ
る体積増加の集中を防ぐ効果の点でグリコールが好まし
い。また、特に、保冷・保温材を食品等、安全衛生上の
配慮を要する用途に使用する場合は、プロピレングリコ
ールを使用することが好ましい。
【0022】アルコール類の配合量は、蓄冷剤を100
重量部とした場合に、0.01〜20重量部、特に0.
05〜3重量部、更には1.5〜2.5重量部とするこ
とが好ましい。アルコールの配合量が0.01重量部未
満では、凍結による体積増加の集中を効果的に防止する
ことができない。また、20重量部配合すれば、凍結に
よる体積増加の集中を十分に防止することができ、より
多量のアルコール類を配合する必要はない。尚、このア
ルコール類は寒剤としても作用するため、その点を勘案
して配合量を設定する必要がある。
【0023】本発明の蓄冷熱剤を構成する蓄冷剤は、
水、寒剤を必須成分とし、これにゲル化剤、核剤等が配
合されるが、その他、必要に応じて、防腐剤、防黴剤及
び色糊等、通常、この種の蓄冷剤に使用される添加剤を
配合することができる。これら添加剤の配合量は、蓄冷
熱剤の特性を損なわない程度とすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明を詳
しく説明する。 (1)保冷・保温材としての性能評価 実施例1〜4 主剤である水100重量部に、寒剤として所要量の塩化
ナトリウムを配合し、また、ゲル化剤として3重量部の
カルボキシメチルセルロースを配合して、0℃(実施例
1)、−5℃(実施例2)、−15℃(実施例3)及び
−25℃(実施例4)の融点を有する4種類の蓄冷剤を
得た。その後、これらの蓄冷剤に、蓄熱剤として、石油
ワックスをコア剤とし、ゼラチンをシェル剤とするマイ
クロカプセル(Frisby Technologies 社製、商品名
「Thermasorb65」、融点18℃の石油ワックスが75
重量%内包されたものであって、その平均粒径は500
μmである。)50重量部を配合し、蓄冷熱剤を調製し
た。
【0025】次いで、この蓄冷熱剤100gを、直径6
0mmの球状体にし、これをポリ塩化ビニリデンの薄膜
によって包み、保冷・保温材を作製した。その後、この
保冷・保温材を−40℃に設定された冷凍庫中に10時
間静置して凍結させ、凍結後、これを30℃の外気温に
晒した時の蓄冷熱剤の温度を経時的に測定した。この温
度の測定は容器内に挿入した熱電対によって行った。熱
電対はJIS C 1602に定められたK 1.5級
のものを使用した。結果を図1に示す。
【0026】図1によれば、4種類の蓄冷熱剤では、先
ず、1〜3時間昇温した後、それぞれの蓄冷剤の融点で
ある0℃、−5℃、−15℃及び−25℃の近傍におい
て数時間に渡って温度上昇のない平坦な部分が観察され
る。また、すべての蓄冷剤が融解した後、昇温に転じ、
やや温度に幅があるものの蓄熱剤の融点近傍において、
再び数時間に渡って温度上昇のない平坦な部分が認めら
れる。そして、すべての蓄熱剤が融解した後、また外気
温である30℃に向かって昇温に転じている。このよう
に、本発明の蓄冷熱剤を収納した保冷・保温材では、氷
点下と、0℃、特に10℃以上の高温との両温度域にお
いて、潜熱によって一定時間ほとんど温度が変化しない
領域が存在し、保冷、保温の作用を併せ備えていること
が分かる。
【0027】(2)蓄冷剤のみ、及び蓄熱剤のみの場合
との性能比較、並びにヒートサイクルの影響 実施例4の蓄冷熱剤、上記の融点が0℃の蓄冷剤のみ
(比較例1)及び上記の融点が18℃の蓄熱剤のみ(比
較例2)の、それぞれ100gをポリ塩化ビニリデンの
薄膜によって包み、−40℃に設定された冷凍庫中に1
0時間静置して凍結させ、凍結後、これを30℃の外気
温に12時間晒すヒートサイクルを3回繰り返した時の
蓄冷熱剤等の温度を経時的に測定した。温度の測定は上
記(1)と同様にして行った。結果を図2に示す。尚、
図2には2回のヒートサイクルの結果を図示したが、3
回目も実質的に同様の結果となっている。
【0028】図2によれば、実施例5の保冷・保温材で
は、1回目の昇温時、0℃及び18℃近傍に温度上昇の
ない比較的平坦な部分が観察される。また、再び凍結さ
せる工程においても、昇温時ほど明瞭ではないが、0℃
及び18℃近傍に温度降下のない比較的平坦な部分が認
められる。一方、比較例1の融点が0℃の蓄冷剤のみの
場合は、昇温時、降温時ともに、0℃近傍のみに温度変
化のない比較的平坦な部分が観察される。また、比較例
2の融点が18℃の蓄熱剤のみの場合は、昇温時、降温
時ともに、18℃近傍のみに温度変化のない比較的平坦
な部分が観察される。また、このような傾向は2回目の
ヒートサイクルにおいてもほとんど同様であった。
【0029】このように、本発明の蓄冷熱剤を収納した
保冷・保温材では、氷点下及び0℃、特に10℃以上の
高温領域において、潜熱によって一定時間ほとんど温度
が変化せず、保冷、保温の作用を併せ備えており、且つ
ヒートサイクルによっても性能に変化のないことが分か
る。尚、冷凍庫に入れる際、及び冷凍庫から取り出す際
に、袋状容器中の蓄冷熱剤を目視で観察したが、蓄冷剤
とマイクロカプセルとが分離した様子はまったくなかっ
た。
【0030】
【発明の効果】第1発明によれば、蓄冷剤と蓄熱剤と
が、均一に分散され、混合されており、特に、第2発明
のように、凍結、解凍等を繰り返した後も、その分散、
混合の状態が維持される優れた性能の蓄冷熱剤を得るこ
とができる。また、第4発明によれば、特に、第6発明
のように、ワックス等の蓄熱剤をコア材とするマイクロ
カプセルを使用することによって、より容易に蓄冷剤と
蓄熱剤とが均一に分散され、混合された蓄冷熱剤とする
ことができる。
【0031】更に、第7発明によれば、プラスチック等
からなる容器に、蓄冷剤と、特に、第8発明のように、
ワックス等の蓄熱剤をコア材とするマイクロカプセルを
収納することにより、容易に保冷、保温の効果に優れた
保冷・保温材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】保冷・保温材の保冷、保温の効果を表わすグラ
フである。
【図2】ヒートサイクルによっても保冷、保温の効果に
変化がないことを示すグラフである。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の融解熱を有する蓄冷剤と、一定の
    凝固熱を有する蓄熱剤とが分散、混合されてなることを
    特徴とする蓄冷熱剤。
  2. 【請求項2】 上記蓄冷剤の凍結、解凍及び上記蓄熱剤
    の融解、凝固のうちの少なくとも一方を繰り返した後
    も、上記蓄冷剤と上記蓄熱剤との分散、混合の状態が維
    持される請求項1記載の蓄冷熱剤。
  3. 【請求項3】 上記蓄冷剤の融点が0〜−30℃であ
    り、上記蓄熱剤の凝固点が15〜70℃である請求項1
    又は2記載の蓄冷熱剤。
  4. 【請求項4】 蓄冷剤と、蓄熱剤をコア剤とするマイク
    ロカプセルとが分散、混合されてなることを特徴とする
    蓄冷熱剤。
  5. 【請求項5】 上記蓄冷剤の凍結、解凍及び上記蓄熱剤
    の融解、凝固のうちの少なくとも一方を繰り返した後
    も、上記蓄冷剤と上記マイクロカプセルとの分散、混合
    の状態が維持される請求項4記載の蓄冷熱剤。
  6. 【請求項6】 上記蓄冷剤は水と寒剤とを含み、上記蓄
    熱剤はワックスである請求項4又は5記載の蓄冷熱剤。
  7. 【請求項7】 蓄冷剤と、蓄熱剤をコア剤とするマイク
    ロカプセルとが分散、混合され、容器に収納されている
    ことを特徴とする保冷・保温材。
  8. 【請求項8】 上記蓄冷剤は水と寒剤とを含み、上記蓄
    熱剤はワックスである請求項7記載の保冷・保温材。
JP10108711A 1998-04-03 1998-04-03 蓄冷熱剤及びそれを用いた保冷・保温材 Pending JPH11293234A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040342A (ja) * 1999-07-29 2001-02-13 Mitsubishi Paper Mills Ltd 蓄熱材マイクロカプセル
KR20130115998A (ko) 2010-05-21 2013-10-22 다케시 시미즈 축냉제

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