JPH11295196A - 供給対象ガスの成分濃度安定化方法、この方法に用いられる微量水分含有供給対象ガス - Google Patents

供給対象ガスの成分濃度安定化方法、この方法に用いられる微量水分含有供給対象ガス

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JPH11295196A
JPH11295196A JP10095589A JP9558998A JPH11295196A JP H11295196 A JPH11295196 A JP H11295196A JP 10095589 A JP10095589 A JP 10095589A JP 9558998 A JP9558998 A JP 9558998A JP H11295196 A JPH11295196 A JP H11295196A
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gas
concentration
low
water
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JP10095589A
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Fujio Adachi
富士夫 安達
Hirokazu Kono
寛万 河野
Ichiro Misawa
一朗 三澤
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分析機器を校正するのに、あるいは未知濃度
試料を分析するのに必要とされる時間を短縮するととも
に、分析ラインの簡略化する。 【解決手段】 ガス供給源1から所定の配管Dを介して
分析機器8に供給される供給対象ガスの成分濃度を安定
化する方法において、上記供給対象ガスに微量水分を含
有させて上記配管D内を流した。好ましくは、上記ガス
供給源1において微量水分を含有する供給対象ガスを保
持させておき、上記ガス供給源1から上記配管D内を微
量水分を含有する供給対象ガスを流す。また、供給対象
ガスの水分含有量を10ppm〜200ppmとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス供給源から所
定の配管を介して分析機器へ供給される供給対象ガスの
成分濃度を安定化する方法、およびこの方法に用いられ
る微量水分含有供給対象ガスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大気中から様々な有害物質が低い
濃度で検出されており、これらの物質に人体が長期間曝
露されることによる健康への影響が懸念されている。従
って、このような有害物質の濃度を定期的に測定して、
その濃度が所定レベルを越えないように監視する必要が
ある。
【0003】有害な大気汚染物質の測定においては、測
定値はその数値が低くなればなるほど信頼性(測定精
度)が要求される。この測定は、通常、ガスクロマトグ
ラフなどの分析機器を用いて行われるが、その信頼性を
確保するために、適当な標準物質によって分析機器を定
期的かつ正確に校正する必要がある。すなわち、濃度が
既知の有害物質を含む標準物質を用いることにより、分
析機器による測定濃度が同標準物質における有害成分の
既知濃度と一致するように校正を行う必要がある。
【0004】有害物質が気体状の大気汚染物質の場合、
標準物質としては、有害物質を成分ガスとして含む標準
ガスが用いられる。分析機器の校正を正確に行うための
標準ガスとしては、経時的な濃度変化が少なく、かつ高
精度のものであることが要求される。
【0005】本発明者らは先に、予め高圧容器の内壁に
純水を吸着させ、その後に成分ガスを微量含む低濃度標
準ガスを前記容器に充填すれば、経時的な濃度変化が抑
制されて安定化された低濃度標準ガスが得られることを
見出し、特許出願をした(特願平9−181303
号)。
【0006】ところで、分析機器の校正方法について
は、様々な方法があるが、その一例を図9を参照して説
明する。すなわち、一定量の有害成分を窒素ガスと混合
(窒素バランス)した濃度既知の低濃度標準ガスは、ガ
ス供給源としての容器1から供給されて減圧弁3を出た
後、マスフローコントローラ5により流量を調整され、
混合器7に導入される。一方、希釈用ガスとしての窒素
ガスは、ガス供給源としての容器2から供給されて減圧
弁4を出た後に加湿器15によって加湿され、たとえば
3000〜7000ppmの水分を含有したものとされ
る。そして、加湿された希釈用ガスは、マスフローコン
トローラ6により流量を調整され、混合器7において低
濃度ガスと混合される。混合器7で所定の倍率に希釈さ
れた低濃度標準ガスは、直接分析機器8に導入される
か、あるいは図示しない所定の容量を持つ容器(キャニ
スタや捕集管など)を介して分析機器8に導入される。
【0007】たとえば、キャニスタなどに捕集された一
定容量の低濃度ガスは、必要があれば濃縮される。この
濃縮は、キャニスタ中の低濃度標準ガスの全量を液体窒
素で冷却したトラップに流し、通常、冷却・固化して捕
集された有害成分ガスを今度は加熱しながらキャニスタ
の容量の1/10、1/5、1/2などの容量の窒素ガ
スを流して濃縮し、別の容器に取る方法により行われて
いる。このようにして得られた種々の既知濃度の低濃度
標準ガスを用いて検量線を作成し、これにより分析機器
8の校正が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、低濃度
標準ガスを減圧弁3,4、マスフローコントローラ5,
6、混合器7、キャニスタ、および各機器を接続する金
属配管A,B,Cなどからなる分析ラインに流した場
合、流し始めてから応答率(分析機器において定量され
る各成分の最大成分濃度を100とした場合のこれに対
するその瞬間において実際に定量されている各成分濃度
の割合)が100%に達するまで非常に時間がかかり、
さらに応答率それ自体が不安定であるという問題があっ
た。すなわち、分析機器8を校正するのに多大な時間を
浪費せざるを得なかった。同様な理由から、分析すべき
未知濃度試料を分析装置に供給した場合にも、応答率が
100%あるいは安定した応答率が得られるまでに多大
な時間を要することがある。
【0009】また、低濃度標準ガスは、加湿器15によ
って比較的に多量の水分(たとえば3000〜7000
ppm)を含有したものとされているので、分析機器8
に導入される直前に水分を取り除く必要があるといった
問題もある。
【0010】本発明は、上記した事情の下で考え出され
たものであって、分析機器を校正するのに、あるいは未
知濃度試料を分析するのに必要とされる時間を短縮する
とともに、分析ラインを簡略化することをその課題とし
ている。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】上述したよう
に、容器内壁を純水により吸着処理した後に充填された
低濃度標準ガスは容器内において安定化されていること
は本発明者らによって既に見出されているが、このよう
にして安定化された標準ガスを図9を参照して説明した
ような分析ラインに流すと、上記の問題が解決されると
いう知見が得られた。その原因を追求すると、純水によ
る吸着処理の際に吸着されなかった余剰の水分が低濃度
標準ガス中に含まれており、この微量の水分が分析ライ
ンにおける低濃度標準ガスの安定化に寄与していること
を見出した。また、低濃度標準ガスのみならず、この低
濃度標準ガスを希釈するための窒素ガスやヘリウムガス
等の成分ガスにも高圧容器内で微量の水分を含有させた
場合にも同様の効果があることを見出し、本発明に到達
した。
【0012】すなわち、本発明は、ガス供給源から所定
の配管を介して分析機器へ供給される供給対象ガスの成
分濃度を安定化させる方法であって、上記供給対象ガス
に微量水分を含有させて上記配管内を流すことを特徴と
している。
【0013】ところで、容器内壁に純水を吸着させた後
に、低濃度標準ガスなどの供給対象ガスを充填した場合
には、充填された標準ガスが安定に保持されるのは次の
理由によると考えられる。すなわち、容器内壁に吸着さ
れた水分子は熱力学的に安定であるため、後に標準ガス
を充填したとしても、標準ガスが先に吸着された水分子
と入れ替わって吸着されたり、容器内壁と反応すること
がなくなるためであると考えられる。
【0014】一方、成分ガス供給源から所定の配管を介
して分析機器へ標準ガスを供給する場合に、分析機器に
おける応答率が100%になるまで相当の時間を要する
のは、次の理由によるものと考えられる。すなわち、標
準ガスが配管内を流れる間に、標準ガスが配管の内面に
吸着され、吸着平衡状態またはこれに近い状態となるま
では配管内面での吸着が起こるためであると考えられ
る。したがって、標準ガスが配管内面に吸着されやすい
成分ガスを含むものである場合には、吸着平衡状態また
はこれに近い状態となるまでに相当の時間を要し、結
局、分析機器での成分ガスの応答率が100%となるま
でに相当の時間を要するものと考えられる。
【0015】上記安定化方法では、配管内を流れる供給
対象ガスが微量水分を含有したものとされているため、
供給対象ガスに含有された水分子が配管の内面に吸着さ
れ、これによって成分ガスが吸着したり、配管の内面と
反応したりするといった可能性が低減されることにな
る。すなわち、上記安定化方法では、供給対象ガスの吸
着によって配管内面が吸着平衡状態に達するのではな
く、主として第3成分である水分子によって吸着平衡状
態に達することとなる。したがって、上記安定化方法で
は、分析機器での成分ガスの応答率が100%となるま
での時間が大幅に削減され、分析機器の校正に要する時
間が大幅に短縮されることとなる。また、上記供給対象
ガスが成分ガス濃度が未知の試料であっても、分析機器
において安定した応答率が得られるまでの時間が短縮さ
れ、分析時間が短縮されることが期待される。
【0016】微量水分が含有された供給対象ガスを配管
内に流す方法としては、上記ガス供給源において微量水
分を含有する供給対象ガスを保持させておき、上記ガス
供給源から上記配管内を微量水分を含有する供給対象ガ
スを流す方法が考えられる(図1に示す第1の実施形態
参照)。この場合、供給対象ガスに水分が含有された状
態で保持されているので、ガス供給源の内壁において
は、水分子が熱力学的に安定して吸着されており、充填
された供給対象ガスの組成変動が回避されることが期待
される。もちろん、先に述べたように、予めガス供給源
の内壁に水分子を吸着させておき、この状態で微量な水
分を含む供給対象ガスを充填しておいてもよい。
【0017】また、微量水分が含有された供給対象ガス
を配管内に流す別の方法としては、上記配管に水分を定
量的に添加できる装置を連結しておき、この水分添加装
置から供給される一定量の水分によって上記配管内を流
れる供給対象ガスを微量水分が含有されたものとする方
法も考えられる(図2に示した第2の実施形態参照)。
上記水分添加装置としては、たとえばパーミエーション
式水分発生器、水素・酸素燃焼式水分発生器などを利用
したものが挙げられる。
【0018】本発明の供給対象ガスは、各成分の濃度が
既知の低濃度標準ガスや希釈用ガス、またはこれらの混
合ガスを含む概念である。もちろん、上記供給対象ガス
には、濃度が未知の試料も含まれる。
【0019】上記低濃度標準ガスとしては、たとえばア
クリロニトリル、1,3−ブタジエン、塩化ビニル、ジ
クロロメタン、クロロフォルム、1,2−ジクロロエタ
ン、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レンなどが挙げられ、これらのうちの1種類を含んでい
るものでも、あるいは複数種類を含んでいるものでもよ
い。とくに、アクリロニトリルを含む低濃度標準ガスの
場合に良好な結果が得られる。また、上記希釈用ガスと
しては、窒素ガスまたはヘリウムガスなどが挙げられ
る。
【0020】本発明は、上記低濃度標準ガスを希釈用ガ
スと混合して所望の濃度に希釈してから分析機器に供給
する場合にも適用することができる(図4から図6にそ
れぞれ示す第3から第5の実施形態参照)。この場合に
も、低濃度標準ガスおよび希釈用ガスに微量水分を含有
させた状態でボンベなどの容器に保持しておき、これを
配管内に流すようにしてもよく、また、低濃度標準ガス
および希釈用ガスが配管を流れる間に、水分添加装置に
よって微量水分を含ませてもよい。
【0021】本発明においては、上記供給対象ガスの微
量水分含有量は、特に限定されないが、たとえば10p
pm〜200ppmとするのが好ましい。これは、水分
の含有量が10ppmより少ないと配管内を流れる供給
対象ガスの安定化効果が十分でなく、200ppmより
も多いと却って分析機器における分析結果に悪い影響を
与えるためである。
【0022】このように本発明では、配管内を流される
供給対象ガスの水分含有量が、分析機器における分析結
果に悪い影響を与えない範囲とされているので、分析機
器に導入する前に供給対象ガスから水分を除去する必要
がないと利点が得られる。
【0023】また、上記供給対象ガスの流量は、1cm
3 /min〜20dm3 /minとするのが好ましい。
【0024】本発明はさらに、ガス供給源から所定の配
管を介して分析機器へ供給される供給対象ガスであっ
て、微量の水分を含有することを特徴とする、微量水分
含有供給対象ガスをも提供するものである。
【0025】本発明のその他の特徴および利点は、添付
図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明
らかとなろう。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0027】図1は、本発明の第1の実施形態に係る供
給対象ガスの成分濃度安定方法を説明するための概念図
である。
【0028】図1に示すように、本実施形態では、低濃
度標準ガスが容器1に保持されており、これが分析機器
8に供給されて分析機器8が校正されるようになされて
いる場合において、供給対象となる低濃度標準ガスの成
分濃度を安定化する方法について説明する。
【0029】容器1と分析機器8の間は金属配管Dで接
続されており、金属配管Dには、減圧弁3およびマスフ
ローコントローラ5がそれぞれ配置されている。なお、
金属配管Dは、たとえばSUS、鋳鉄、銅、アルミニウ
ムなどの各種の金属によって構成される。
【0030】このような構成では、容器1内に保持され
た低濃度標準ガスは、金属配管D内を通ってガスクロマ
トグラフなどの分析機器8に直接導入され、あるいは従
来例において説明したようにキュニスタ(図示略)に採
取されて検量線の作成に用いられる。このとき、減圧弁
3によって減圧され、流量がマスフローコントローラ5
によって調整される。なお、低濃度標準ガスの流量は、
たとえば1cm3 /min〜20dm3 /minに調整
される。
【0031】低濃度標準ガスは、通常、各成分ガスの濃
度が0.005〜100ppm、圧力が1MPa(約1
0Kg/cm2 )〜15MPa(約150Kg/c
2 )とされ、微量の水分を含有した状態で容器1内に
充填されている。すなわち、低濃度標準ガスは、微量水
分が含有された状態で金属配管D内を流される。これが
本発明の最大の特徴である。
【0032】ところで、低濃度標準ガスの水分の含有量
は、10〜200ppmとされる。これは、水分の含有
量が10ppmより少ないと配管D内を流れる低濃度標
準ガスの安定化効果が十分でなく、200ppmよりも
多いと却って分析機器8における分析結果に悪い影響を
与えるため好ましくないからである。
【0033】なお、本発明の方法が適用される低濃度標
準ガスは、成分ガスとしてアクリロニトリル、1,3−
ブタジエン、塩化ビニル、ジクロロメタン、クロロフォ
ルム、1,2−ジクロロエタン、ベンゼン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレンなどを含むものであ
る。とくに、アクリロニトリルを含む低濃度標準ガスを
用いた場合に良好な結果が得られる。
【0034】上記供給方法では、上記金属配管D内を流
される低濃度標準ガスが微量水分を含有したものとされ
ているため、上記金属配管Dの内面に低濃度標準ガスに
含有された水分子が吸着され、これによって低濃度標準
ガス(成分ガス)が吸着したり、金属配管Dの内面と反
応したりするといった可能性が低減されることになる。
すなわち、上記安定化方法では、成分ガスの吸着によっ
て金属配管Dの内面が吸着平衡状態に達するのではな
く、主として第3成分である水分子によって吸着平衡状
態に達することとなる。したがって、上記安定化方法で
は、分析機器8での各成分ガスの応答率が100%とな
るまで時間が大幅に削減され、分析機器8の校正に要す
る時間が大幅に短縮されることとなる。
【0035】また、本実施形態では、金属配管D内を流
れる低濃度標準ガスに微量水分が含有されているので、
加湿器や水分添加装置によって低濃度成分ガスに微量水
分を含有させるといった操作が不要となる。その結果、
低濃度標準ガスに微量水分を含有させるために、ガス流
れに一定量の水をコンスタントに添加するという煩雑な
操作を省略することができる。
【0036】さらに、低濃度標準ガスの水分含有量が、
分析機器8における分析結果に悪い影響を与えない範囲
(200ppm以下)とされているので、分析機器8に
導入される前に低濃度標準ガスから水分を除去する必要
がないといった利点が得られる。
【0037】なお、容器1としては、アルミニウム合金
製容器、マンガン鋼製内面研磨容器などが用いられる。
また、減圧弁3は、低濃度標準ガスが汚染されないよう
な清浄度の高いものが用いられる。
【0038】もちろん、図2に示した第2の実施形態の
ように、低濃度標準ガスを分析機器8に供給する過程に
おいて、水分添加装置9によって低濃度標準ガスに水分
を含有させて配管D内に微量水分を含有する成分ガスを
流すようになされたものも本発明の適用範囲であるのは
いうまでもない。なお、水分添加装置9としては、パー
ミエーション式水分発生器や水素・酸素燃焼式水分発生
器などが採用される。
【0039】ここで、上記水分添加装置9としてのパー
ミエーション水分発生器の構成を図3を参照しつつ簡単
に説明する。このパーミエーション水分発生器9は、筒
状とされた中空部材11内に、その内部に液体水分14
が収容されたテフロンチューブ12が保持された構成と
されている。上記中空部材11の下部には、その内部に
気体(低濃度標準ガス)を供給するための気体入口11
aが形成されており、その上部には気体を外部に排出す
るための気体出口11bが形成されている。一方、上記
テフロンチューブ12は、上記筒状部材11よりも小径
とされており、上記中空部材11の内面と上記テフロン
チューブ12の外面との間に、上記気体入口11aおよ
び気体出口11bと連通する気体流路としての空間13
を形成した状態で保持されている。
【0040】すなわち、上記入口11aから供給された
低濃度標準ガスが、上記空間13を通過して上記出口1
1bから排出されるようになされている。ところで、上
記テフロンチューブ12は水蒸気を透過し、液体水分を
透過しないようになされている。このため、上記出口1
1bから排出される低濃度標準ガスは、テフロンチュー
ブ12からの水蒸気が同伴され、所定量の水分を含有し
たものとされる。
【0041】次に、本発明の第3の実施形態に係る供給
対象ガスの成分濃度安定方法を図4を参照しつつ簡単に
説明する。すなわち、本実施形態では、容器1には低濃
度標準ガスが保持されており、容器2には希釈用ガスが
保持されており、両容器1,2からの低濃度標準ガスお
よび希釈用ガスとが混合器7において混合されて所望の
濃度に希釈され、これが分析機器8に供給されるように
なされている。なお、低濃度標準ガスおよび希釈用ガス
は、微量の水分を含有した状態で各容器1,2に保持さ
れているものとする。
【0042】容器1と混合器7の間、および容器2と混
合器7の間が所定の金属配管A,Bによってそれぞれ接
続されており、各金属配管A,Bには、減圧弁3,4お
よびマスフローコントローラ5,6がそれぞれ配置され
ている。また、混合器7と分析機器8の間も金属配管C
によって接続されている。
【0043】このような構成では、容器1内に保持され
た低濃度標準ガスは、金属配管A内を通って混合器7に
供給されるが、このとき減圧弁3によって減圧され、流
量がマスフローコントローラ5によって調整される。
【0044】一方、希釈用ガスも同様に、希釈用ガスが
保持された容器2から減圧弁4を介して混合器7に供給
されるが、希釈用ガスの流量はマスフローコントローラ
6によって調整される。
【0045】なお、低濃度標準ガスおよび希釈用ガスの
流量は、第1の実施形態と同様に、たとえば1cm3
min〜20dm3 /minとされるが、希釈用ガスの
流量は低濃度標準ガスに対する希釈率によって決定され
る。
【0046】希釈用ガスとしては、窒素ガスやヘリウム
ガスなどが用いられる。希釈用ガスも低濃度標準ガスと
同様に1MPa(約10Kg/cm2 )〜15MPa
(約150Kg/cm2 )の圧力で充填し、水分の含有
量も前記と同じ理由で10〜200ppmとするのが好
ましい。
【0047】上述したように、各マスフローコントロー
ラ5,6によって流量が調整された低濃度標準ガスおよ
び希釈用ガスは、混合器7において混合される。このと
き、マスフローコントローラ5,6によって低濃度標準
ガスおよび希釈用ガスのそれぞれの流量を調整して混合
することにより、所定の濃度の低濃度標準ガスとされ
る。かくして得られた低濃度標準ガスは、ガスクロマト
グラフなどの分析機器8に直接導入され、あるいは従来
例において述べたようにキュニスタ(図示略)に採取さ
れて検量線の作成に用いられる。
【0048】上記供給方法でも、上記各金属配管A,
B,C内を流される低濃度標準ガスおよび希釈用ガスが
微量水分を含有したものとされているため、分析機器8
での各成分ガスの応答率が100%となるまで時間が大
幅に削減され、分析機器8の校正に要する時間が大幅に
短縮されることとなる。また、低濃度標準ガスおよび希
釈用ガスの水分含有量が10〜200ppmとされてい
るので、分析機器8に導入する前に低濃度標準ガスと希
釈用ガスの混合ガスから水分を除去する必要はない。
【0049】もちろん、図5に示した第4の実施形態の
ように、低濃度標準ガスおよび希釈用ガスを混合器7に
供給する過程において、水分添加装置9,10などによ
って低濃度標準ガスおよび希釈用ガスのそれぞれに水分
を含有させて金属配管A,B,C内を流すようにしたも
のでもよいのはいうまでもない。なお、水分添加装置
9,10としては、第2の実施形態と同様に、パーミエ
ーション式水分発生器や水素・酸素燃焼式水分発生器な
どが好適に採用される。
【0050】また、図6に示す第5の実施形態のよう
に、希釈用ガスのみが水分添加装置10によって微量水
分が含有されられるようにしてもよく、この場合の低濃
度標準ガスは、予め微量水分が含有された状態で容器1
内に保持されている。逆に、低濃度標準ガスのみが水分
添加装置によって微量水分を含有させるようにし、希釈
用ガスは予め微量水分を含有したものとしておいてもよ
い。
【0051】なお、上述したいずれの実施形態において
も、低濃度標準ガスを用いて分析機器を校正する場合に
ついて説明したが、本発明は濃度が未知の試料を分析機
器に供給する場合にも適用できる。すなわち、微量水分
が含有された分析試料に所定の配管内を流して分析機器
に供給して分析する場合においても、分析機器において
測定される応答率が安定化するまでに要する時間、言い
換えれば分析時間が短縮されることが期待される。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明の技術範囲はこれらの実施例により何
ら限定されるものではない。
【0053】
【実施例1】本実施例では、上述した第1の実施形態の
方法によって成分濃度が安定化された低濃度標準ガスが
分析機器に供給される(図1参照)。すなわち、長さ1
00cmのSUS−316Lの配管D、減圧弁3、マス
フローコントローラ5などを含む分析ラインに、アクリ
ロニトリル、塩化ビニル、1,3−ブタジエン、ジクロ
ロメタンを各々1ppm(窒素バランス)、純水70p
pmを含む低濃度標準ガスを直接水素炎イオン型検出器
(FID)付ガスクロマトグラフ8に供給して分析し
た。マスフローコントローラ5によって低濃度標準ガス
の流量を150cm3 /minに調整した場合の結果を
図7に示すが、低濃度ガスを流し始めてから数分程度で
応答率が100%に達した。
【0054】
【実施例2】実施例1において、低濃度標準ガス中に含
有する純水の量を150ppmとした以外は同様にして
分析を行った。分析結果は実施例1と略同様であった。
【0055】
【実施例3】実施例1で用いたのと同じ低濃度標準ガス
を、当初より純水70ppmを含有する窒素ガスを用い
て希釈し、上記各成分の濃度を0.5ppmとして分析
した。すなわち、図4を参照して説明した第3の実施形
態の方法によって成分濃度が安定化された状態でガスク
ロマトグラフ8に低濃度標準ガスを供給し、これをガス
クロマトグラフ8で分析したところ、図7と略同様な結
果が得られた。すなわち、低濃度標準ガスを流し始めて
から数分程度で応答率が100%に達した。
【0056】
【実施例4】実施例1で用いたのと同じ低濃度標準ガス
を、水分添加装置としてのパーミエーション式水分発生
器10を用いて水分濃度が70ppmになるように微量
水分を添加した窒素ガスを用いて希釈し、上記各成分の
濃度を0.5ppmとした(図6に示す第5の実施形態
参照)。得られたガスを実施例1と同様にして分析した
ところ、図7と略同様な結果が得られた。
【0057】
【比較例1】実施例1において、低濃度標準ガス中に純
水を含有することなしにし、それ以外の条件は実施例1
と同様にして分析を行った。その結果を図8に示すが、
アクリロニトリルの応答率が100%に達するのに略9
0分を要した。
【0058】
【発明の効果】アクリロニトリルを含む低濃度標準ガス
または該低濃度標準ガスと希釈用の窒素ガス両方に微量
水分を含有させることにより、金属配管や減圧弁などを
含むガス供給路内における低濃度標準ガスがガスを流し
始めて直後に安定化された。
【0059】その結果、GC(ガスクロマトグラフ)で
の応答率が100%に達するまでの時間が短縮され、分
析時間、分析精度の向上を図ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る供給対象ガスの
成分濃度安定化方法を説明するための概念図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係る供給対象ガスの
成分濃度安定化方法を説明するための概念図である。
【図3】上記第2の実施形態において使用される水分添
加装置としてのパーミエーション水分発生器を説明する
ための模式図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る供給対象ガスの
成分濃度安定化方法を説明するための概念図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る供給対象ガスの
成分濃度安定化方法を説明するための概念図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る供給対象ガスの
成分濃度安定化方法を説明するための概念図である。
【図7】実施例1の結果を表すグラフである。
【図8】比較例1の結果を表すグラフである。
【図9】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】 1,2 容器 3,4 減圧弁 5,6 マスフローコントローラ 7 混合器 8 分析機器 9,10 水分添加装置 11 中空部材(水分添加装置としてのパーミエーショ
ン式水分発生器の) 11a 入口(中空部材に形成された) 11b 出口(中空部材に形成された) 12 テフロンチューブ(パーミエーション式水分発生
器の) 13 空間(気体流路としての) 14 液体水分(テフロンチューブ内に収容された) 15 加湿器(従来例の) A,B,C,D 金属配管

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス供給源から所定の配管を介して分析
    機器へ供給される供給対象ガスの成分濃度を安定化させ
    る方法であって、 上記供給対象ガスに微量水分を含有させて上記配管内を
    流すことを特徴とする、供給対象ガスの成分濃度安定化
    方法。
  2. 【請求項2】 上記ガス供給源において微量水分を含有
    する供給対象ガスを保持させておき、上記ガス供給源か
    ら上記配管内に微量水分を含有する供給対象ガスを流
    す、請求項1に記載の安定化方法。
  3. 【請求項3】 上記配管には、水分添加装置が連結され
    ており、この水分添加装置から供給される水分によって
    上記配管内を流れる供給対象ガスが微量水分を含有した
    ものとされる、請求項1に記載の安定化方法。
  4. 【請求項4】 上記供給対象ガスは、各成分の濃度が既
    知の低濃度標準ガスを含む、請求項1ないし3のいずれ
    か1つに記載の安定化方法。
  5. 【請求項5】 上記低濃度標準ガスは、アクリロニトリ
    ルを含む、請求項4に記載の安定化方法。
  6. 【請求項6】 上記供給対象ガスは、希釈用ガスを含
    む、請求項1ないし3のいずれか1つに記載の安定化方
    法。
  7. 【請求項7】 上記供給対象ガスは、各成分の濃度が既
    知の低濃度標準ガスおよび希釈用ガスを含む、請求項1
    ないし3のいずれかに記載の安定化方法。
  8. 【請求項8】 上記希釈用ガスとして窒素ガスまたはヘ
    リウムガスを用いる、請求項6または7に記載の安定化
    方法。
  9. 【請求項9】 上記供給対象ガスの微量水分含有量は、
    10ppmから200ppmである、請求項1ないし8
    のいずれか1つに記載の安定化方法。
  10. 【請求項10】 上記供給対象ガスの流量は、1cm3
    /min〜20dm 3 /minである、請求項1ないし
    9のいずれか1つに記載の安定化方法。
  11. 【請求項11】 ガス供給源から所定の配管を介して分
    析機器へ供給される供給対象ガスであって、微量の水分
    を含有することを特徴とする、微量水分含有供給対象ガ
    ス。
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