JPH1129561A - 新規化合物am6105及びその製法 - Google Patents

新規化合物am6105及びその製法

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JPH1129561A
JPH1129561A JP18137797A JP18137797A JPH1129561A JP H1129561 A JPH1129561 A JP H1129561A JP 18137797 A JP18137797 A JP 18137797A JP 18137797 A JP18137797 A JP 18137797A JP H1129561 A JPH1129561 A JP H1129561A
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compound
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Application number
JP18137797A
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English (en)
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Satoru Ishikawa
覚 石川
Satoshi Yaginuma
慧 柳沼
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 シュードアレッシェリア属に属する微生物の
培養物から取得される式(I) 【化1】 で表される化合物、およびその化合物を有効成分とする
IgE産生抑制剤、またはIgEの異常産生に基づく免
疫疾患の予防・治療剤等の医薬。 【効果】 新規な医薬を提供しえる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、IgE抗体産生を
抑制する作用を有する新規化合物、その製法と用途、お
よび生産菌に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギ−反応はその発症の機序、症状
の違いなどによりI型アレルギ−反応、II型アレルギ
−反応、III型アレルギ−反応およびIV型アレルギ
−反応に区別されている。アレルギ−反応の代表的なも
のは、即時型アレルギ−反応ともいわれているI型アレ
ルギ−反応である。I型アレルギ−反応においては、生
体内に入った抗原によりIgEが生起し、これが組織の
肥満細胞または血中の好塩基性細胞の細胞膜に固着した
IgE抗体が抗原と反応することにより、当該細胞から
ヒスタミン、セロトニン、その他の種々の化学伝達物質
を遊離する。該化学伝達物質は平滑筋の収縮、血管透過
性の亢進など様々な組織反応を引き起こす。I型アレル
ギ−の病態としては、アトピ−性気管支喘息、アトピ−
性皮膚炎、アレルギ−性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ
−、食物アレルギ−などが挙げられる。
【0003】現在のところ、I型アレルギ−反応を抑制
する薬剤として、肥満細胞および好塩基性細胞からの化
学伝達物質遊離抑制薬、化学伝達物質拮抗薬が開発され
ている。しかしながら、化学伝達物質の遊離もしくは生
成を特異的に抑制する薬剤または特異的な拮抗薬が知ら
れている化学伝達物質は少なく、また化学伝達物質は多
種多様であるため、I型アレルギ−反応を抑制するため
には、種々の化学伝達物質の相互作用の解析が必要とさ
れているのが現状である。さらに、上記の薬剤は、アレ
ルギ−反応の根本的原因であるIgEの産生を抑制する
ことではなく、その意味で根本的治療剤にはなり得な
い。
【0004】また、サイクロスポリンAのような免疫抑
制剤によってIgE産生を抑制し、アレルギ−疾患を治
療しようとする試みも行われているが、非特異的免疫抑
制を伴うため、副作用の問題を克服することは困難であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来より、IgE産生
を特異的に抑制する免疫抑制剤として有用な新規化合物
の提供が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、IgE抗
体産生を特異的に阻害する新規な生理活性物質を微生物
代謝産物より見出すべく鋭意探索を行った。その結果、
シュードアレッシェリア(Pseudallescheria) 属に属す
るM6105株の培養液からIgE抗体産生に対して阻
害活性を示す新規生理活性物質が産生されることを見出
し本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、式(I)
【0008】
【化2】
【0009】で表される化合物である(以下、本発明の
化合物をAM6105、またはAM6105化合物と称
することがある)。本発明のAM6105化合物の性状
は以下の通りである。 1)外観:無色柱状結晶 2)酸性、塩基性、中性の区別:中性物質 3)比旋光度:[α]D 23+42.3°(C=1.0,
CHCl3 ) 4)分子式:C16245 5)分子量:FAB−MS m/z 297(M+H)
+ 6)元素分析:計算値(%)(C16245 に対し)
C,64.84;H,8.16 実測値(%) C,64.88;H,8.24 7)紫外部吸収スペクトル:末端吸収(MeOH) 8)赤外部吸収スペクトル:(KBr、cm-1)図1に
示す通りである。
【0010】主な吸収は次の通りである。3469、2
971、2925、1729、1457、1386、1
209、1149、1112、1039 9) 1H−NMRスペクトル:(400MHz,CDC
3 )図2に示す通りである。 10)13C−NMRスペクトル:(100MHz,CD
Cl3 )δ(ppm)204.2(s)、134.7
(s)、118.5(d)、89.9(d)、76.2
(s)、62.4(s)、60.8(s)、60.7
(q)、58.7(d)、49.2(t)、36.2
(t)、28.3(t)、27.2(t)、25.9
(q)、18.2(q)、14.1(q) 11)溶解性:クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、
メタノールに可溶で、水に不溶である。
【0011】12)呈色試験:ヨウ素蒸気との反応、過
マンガン酸カリウム脱色反応に陽性を示し、塩化第二鉄
反応、ニンヒドリン反応に陰性を示す。 13)薄層クロマトグラフィ−:固定相 展開溶媒 Rf値 シリカゲルf S201 ヘキサン:アセトン 0.37 (東京化成社製) (2:1) 14)高速液体クロマトグラフィ−: 分離カラム:Shodex C18−5A(カラムサイ
ズ φ4.5×150mm、昭和電工社製) 溶媒:35%アセトニトリル 流速:1.0ml/分 検出:UV 205nm 保持時間:7.9分 本発明の化合物AM6105と同一の分子式を有し、類
似の物理化学的性状を示す化合物として式(II)で示さ
れ、シュードユーロチュウム・オバリス(Pseudeurotiu
m ovalis)が生産するオバリシン[H.P.Sigg et al.,He
lv.Chim.Acta,51:1395(1968) ]
【0012】
【化3】
【0013】が知られている。しかしながら、オバリシ
ンはマイナスの旋光度を示し[H.P.Sigg et al.,Helv.C
him.Acta, 51:1395(1968) ; 特開平3-4712号公報] 、
本発明の化合物AM6105はプラスの旋光度を示す。
よって本発明化合物AM6105はオバリシンとは明確
に区別される。本発明者らは本発明の化合物の構造を詳
細に検討した結果、その構造はメトキシ基と結合する不
斉炭素の配置がR配置であり、オバリシンのジアステレ
オマーである事が判明した。またオバリシンは化学合成
[E.J.Corey et al.,J.Am.Chem.Soc,107,256(1985)] や
前駆体からの生合成[D.E.Cane et al.,Tetrahedron Le
tt.,28,6545(1987)]による製法が知られているが本発明
化合物AM6105の記載はない。従って、本発明の化
合物は、新規な化合物と判明した。
【0014】また、本発明は、AM6105化合物を産
生する能力を有するシュードアレッシェリア属に属する
微生物を培養し、その培養物よりAM6105化合物を
採取することを特徴とするAM6105の製造方法であ
る。本発明のAM6105化合物を産生する能力を有す
るシュードアレッシェリア属に属する微生物としては、
本発明の化合物を生産する能力があれば特に限定されな
いが、例えば、下記のシュードアレッシェリア・エスピ
ー(Pseudallescheria sp.) M6105株(FERM
P−16308)が例示される。
【0015】上記M6105株は、静岡県の水田土壌か
ら分離した糸状菌であり、その菌学的性状は次の通りで
ある。 1.各培地上での生育状態 1)イ−スト・リン酸・可溶性澱粉(YpSs)寒天培
地 25℃、7日間の培養でコロニ−の直径は37〜37.
5mmとなり、表面は白色(1A1)フェルト状であ
る。コロニ−の裏面は黄白色(1A2)〜灰色(1B
2)である。25℃、30日間の培養では、コロニ−は
シャーレ(90mm)全面に広がり、表面はフェルト状
となる。コロニーの色は淡灰色(1B1)〜パステル灰
色(1C1)である。コロニー裏面の色は灰色(1B
2)〜淡灰色(1B1)を主体とし、裏面には閉子嚢果
が散在する。37℃でのコロニーの生長は7日間で直径
23〜24mmである。
【0016】2)ポテト・グルコ−ス寒天培地 25℃、7日間の培養でコロニ−の直径は32〜33m
mとなり、表面は綿毛状〜羊毛状で色は白色(1A1)
である。コロニ−の裏面は白色(1A1)〜黄白色(3
A2)である。25℃、30日間培養した場合、コロニ
−はシャーレ(90mm)全面に広がり、表面はフェル
ト状〜羊毛状で色は白色(1A1)〜黄灰色(4B2)
である。裏面の色は白色(1A1)〜茶橙色(6C3)
である。37℃でのコロニーの生長は7日間で直径19
〜20mmである。
【0017】3)オートミール寒天培地 25℃、7日間の培養でコロニーの直径は37〜39m
mとなり、表面はフェルト状で白色(1A1)である。
コロニーの裏面は白色(1A1)である。25℃で30
日間培養した場合、コロニーはシャーレ(90mm)全
面に広がり、表面は白色(1A1)〜鈍緑色(30D
4)〜暗緑色(30F4)である。裏面全体に閉子嚢果
が粒子状に散在する。37℃でのコロニーの生長は7日
間で直径20〜21mmである。 2.生理学的性状 ポテト・グルコ−ス液体培地で培養した場合、生育し得
るpHの範囲は、4.0〜8.0であり、最適生育pH
は、4.0〜8.0である。ポテト・グルコ−ス寒天培
地で培養した場合、生育し得る温度の範囲は、16〜3
7℃であり、最適生育温度は、28〜31℃である。
【0018】3.顕微鏡下における形態的特徴 本菌は有性世代と無性世代を形成する。有性世代では暗
褐色(7F6)で球形、直径130〜170μmの閉子
嚢果を形成する。閉子嚢果の殻壁は厚さ5〜6μm、暗
褐色(7F6)で多角形の細胞で構成される。子嚢は消
失性で大きさは13〜16×10〜12μm、形は球形
または亜球形で8胞子性である。子嚢胞子は単細胞性の
楕円形で、大きさは5.5〜6×3.5〜4μmであ
る。両端に発芽孔を有するが、発芽孔が不明瞭な胞子も
ある。子嚢胞子の表面は滑面で、色は成熟したものは淡
黄色(4B4)〜淡橙色(5C5)である。無性世代で
は透明〜黄白色(3A2)で滑面のScedospor
ium型の分生子を形成する。分生子形の大きさは5〜
8×2〜4μmである。分生子は単細胞性で球形、亜球
形、卵形、楕円形、棒状と様々な形態のものが認められ
るが、基部に切り取った様な跡が共通して認められる。
【0019】4.同定 本菌は有性世代に閉子嚢果の形成が認められることから
子嚢菌類に属する。また、子嚢胞子が単細胞であり、滑
面で小型であること、色が淡黄色(4B4)〜淡橙色
(5C5)であること、子嚢胞子の両端の発芽孔がしば
しば不明瞭であることからMicroascus科に属
1)する。本菌の形態的特徴は閉子嚢果の大きさが130
〜170μm、子嚢の大きさが13〜16×10〜12
μm、子嚢胞子が楕円形で大きさが5.5〜6×3.5
〜4μmである。また、Scedosporium型の
無性世代(分生子)が存在し、大きさは5〜8×2〜4
μmである。これらの特徴からPseudallesc
heria属に属する。1)2)従って、本菌株をシュード
アレッシェリア・エスピー(Pseudallscheria sp. )M
6105と呼称することにした。尚本菌株は、工業技術
院生命工学工業技術研究所にFERM P−16308
として寄託されている。
【0020】各培地における生育状態の色の表示は、Ko
rnerup A. and Wanscher J.H.1978"Methuen Handbook o
f Colour 3rd ed."Eyre Methuen,London の表示に従っ
た。 参考文献 1).von Arx,J.A.1973.The Genera petriellidium an
d Pithoascus (Microascaceae).Persoonia 7:365-375 2).McGinnis,M.R.,Padhye,A.A.and Ajello,L.1970.P
seudallescheria Negroni et Fischer,1943 and itslat
er synonym petriellidium Malloch.1970.Mycotaxon 1
4:94-102 . 本発明に係わるAM6105の典型的で好ましい製造方
法は、シュードアレッシェリア属に属する該化合物生産
菌(例えばPseudallescheria sp. M6105)を好適
な培地で培養し、その培養物から分離する方法が例示さ
れる。
【0021】本発明物質を製造するのに使用される培地
は、液体培地による振盪培養または通気攪拌培養が最も
適しているが、これに限定されない。培地はAM610
5生産菌が生育して培地中に該化合物を蓄積するもので
あれば特に限定されず、例えば、炭素源としてはグルコ
−ス、シュ−クロ−ス、デキストリン、澱粉、グリセリ
ン、糖蜜、有機酸などが使用できる。また窒素源として
は、例えばイ−ストエキス、ペプトン、肉エキス、大豆
粉、綿実粉、グルテンミ−ル、小麦胚芽、コ−ンスティ
−プリカ−、アミノ酸類、アンモニウム塩、硝酸塩、そ
の他各種有機あるいは無機窒素化合物が用いられる。無
機塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カ
ルシウム、各リン酸塩、マグネシウム塩、銅塩、コバル
ト塩等を添加してもよい。また菌の生育及びAM610
5生産を促進するようなビタミン類、補酵素類等を添加
してもよい。特に、培地が強く発泡するのであれば、必
要あるときに液体パラフィン、動物油、植物油、鉱物
油、シリコン等を添加してもよい。
【0022】AM6105生産菌の培養における培養温
度、培養時間、攪拌速度、通気量、培養液のpHなどの
条件は、AM6105の蓄積量が最大となるように適当
に選択、調節される。例えば、通常の通気攪拌培養の場
合、培養温度27〜30℃、2〜5日間の培養が好まし
く、また培養液のpHはpH5.0〜8.0に調節する
のが好ましい。
【0023】培養の経過に伴って培養液中に蓄積される
AM6105の量の経時的変化は後述の産生阻害活性あ
るいは逆相HPLCにより測定することができる。通常
は、48時間から96時間の培養でその生産量は最大に
達する。培養終了後、主としてその液体部分に蓄積する
AM6105は、菌体その他の固形部分を濾過操作また
は遠心分離によって除去し、その濾液または上清液から
分離するのが好ましいが、必要に応じて菌体を除去する
ことなく培養液から該化合物を分離することも可能であ
る。培養液からのAM6105の分離、精製には、その
物理化学的特性に基づく種々の方法を用いることができ
る。例えば、濾液または上清液中に存在するAM610
5は、中性pH条件下で水と混和しない有機溶媒、例え
ば酢酸エチル、酢酸ブチル、ブタノ−ル、クロロホル
ム、ジクロルメタン、塩化メチレン、塩化エチレンなど
の単独またはそれらの組み合わせにより抽出精製するこ
とができる。あるいは吸着剤として例えばダイヤイオン
HP−20(三菱化成社製)等が使用される。AM61
05を含む画分を上記の吸着剤の層を通過させて不純物
を吸着させて取り除くか、または、AM6105を吸着
させた後、メタノ−ル水、アセトン水などを用いて溶出
させることにより該化合物を得ることができる。更にシ
リカゲル、アルミナ、フロリジルのような担体を用いた
吸着カラムクロマトグラフィ−、セファデックスLH−
20(ファルマシア社製)、トヨパ−ルHW−40(東
ソ−社製)などを用いた分配カラムクロマトグラフィ
−、および順相、逆相カラムを用いた高速液体クロマト
グラフィ−などでAM6105を精製することができ
る。
【0024】また、本発明は、AM6105化合物を有
効成分とする医薬である。本発明の医薬は、通常、AM
6105化合物の他に、薬学的に許容される担体とから
なることができる。担体としては、公知のものが使用で
き、その性質によっては賦型剤、結合剤、崩壊剤、潤沢
剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コ−ティング剤
等と分類されることもあるが、例えば、ラクト−ス、コ
−ンスタ−チ、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられ
る。
【0025】本発明の医薬は、例えば免疫抑制剤であ
り、さらに詳しくは、IgE産生抑制剤、あるいは、I
gEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤であり、
例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−性皮膚
炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗アナフィ
ラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤が例示される。本
発明の医薬は、種々の形態で投与され得るが、例えば錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与
または注射剤(静脈内、筋肉内、皮下)、点眼剤、坐
薬、軟膏、スプレ−、ロ−ション等による非経口投与を
挙げることができる。
【0026】これらの医薬は、症状、年齢、体重、投与
方法および剤形等によって異なるが通常は成人に対して
1日20mg乃至1000mgを投与することができ
る。
【0027】
【実施例】次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこの実施例によって限定されるもの
ではない。
【0028】
【実施例1】 (1)AM6105化合物の醗酵生産 グルコ−ス2%、可溶性澱粉2%、大豆粉2%、イ−ス
トエキス0.5%、NaCl0.25%およびCaCO
3 0.35%を含有する水性培地(pH6.5)100
mlを500ml容三角フラスコに分注し、120℃で
20分間滅菌した。これにM6105株(FERM P
−16308)のスラントを一白金耳接種し、28℃で
3日間ロ−タリ−シェ−カ−(毎分200rpm)で培
養を行い1次種培養液とした。得られた1次種培養液
を、30l容ジャ−ファ−メンタ−中の上記と同じ滅菌
培地20l中へ接種した。ファ−メンタ−を20l/分
の通気および200rpm、28℃で48時間通気攪拌
培養し、2次種培養液とした。
【0029】こうして得た2次種培養液20lをさら
に、グルコ−ス2%、ペプトン1%、C.S.L.1
%、KH2 PO4 0.2%、MgSO4 ・7H2 O0.
1%およびアンチフォ−ムFS−028(Dow Co
rning K.K社製)0.03%を含有する300
0l容ステンレス製ファ−メンタ−中の滅菌培地250
0lに接種した。2000l/分の通気および150r
pmの攪拌のもとに、28℃で72時間培養を行った。
【0030】(2)AM6105化合物の精製 上記の培養方法で得られたブロス2500lに珪藻土
(50kg)を添加後濾過し、濾液(1600l)を得
た。得られた濾液を塩酸でpH7.0に調製した後、酢
酸ブチル(900l)を添加し、抽出操作を行った。こ
の酢酸ブチル層を減圧下に濃縮し、約500mlのシロ
ップ状物質を得た。このシロップ状物質にベンゼン約5
00mlを添加し、さらにヘキサン約1lを添加し、不
溶物を濾過により除き、濾液を減圧濃縮した。濃縮物を
予めヘキサンで作製したシリカゲルカラム(3.5l)
に付し、同溶媒で2l溶出を行った後、ヘキサン−アセ
トン(10:3)混合溶媒で溶出を行い、500mlず
つ分画した。精製過程に於ける活性物質の検出には、シ
リカゲル薄層クロマトグラフィ−[TLC:東京化成社
製、シリカゲルf S201;展開系:ベンゼン−酢酸
エチル=2:1でRf値0.31の物質]を用いた。
【0031】フラクションNo.7−No.11に主と
してRf値0.31を示すAM6105成分が溶出され
た。AM6105成分を含むのフラクションを集め、減
圧下濃縮した。AM6105成分を含む濃縮物はさらに
予めベンゼンで作製したシリカゲルカラム(1.5l)
に付し、同溶媒で8.2l溶出を行った後、酢酸エチル
4lで溶出した。酢酸エチル溶出画分にAM6105成
分が溶出され、酢酸エチル画分を減圧下濃縮した。AM
6105成分を含む濃縮物はさらにシリカゲルカラム
(1l)に付し、クロロホルム−ヘキサン(10:3)
混合溶媒で溶出を行い、1l溶出後18mlずつ分画し
た。フラクションNo.10〜No.80にAM610
5成分が溶出された。AM6105成分を含むフラクシ
ョンを集め減圧下濃縮し、濃縮物をさらに分取液体クロ
マトグラフィーにて精製を行った。即ち、カラム:YM
C−Pack ODS−A、移動相:25%アセトニト
リル、流速:50ml/分でクロマトグラフィーを実施
し、500mlずつ分画した。フラクションNo.1〜
No.6にAM6105成分が溶出された。AM610
5成分を含むフラクションを集め減圧下濃縮し、濃縮物
をさらに分取液体クロマトグラフィーにて精製を行っ
た。即ち、カラム:Shodex C18−5F、移動
相:20%アセトニトリル、流速:5ml/分でクロマ
トグラフィーを実施し、10mlずつ分画した。フラク
ションNo.130〜No.230にAM6105成分
が溶出された。AM6105成分を含むフラクションを
集め減圧下濃縮し、濃縮物をさらに分取液体クロマトグ
ラフィーにて精製を行った。即ち、カラム:YMC−P
ack ODS−A、移動相:20%アセトニトリル、
流速:50ml/分でクロマトグラフィーを実施し、5
l溶出後、50mlずつ分画した。フラクションNo.
21〜No.29にAM6105成分が溶出された。A
M6105成分を含むフラクションを集め減圧下濃縮
し、約2mlのクロロホルムに溶解後、ヘキサン約20
mlを加え室温に放置するとAM6105が柱状結晶と
して得られた。この結晶を濾過によりグラスフィルタ−
上に集め、乾燥することで精製された無色柱状結晶のA
M6105(2.2g)を得た。
【0032】
【実施例2】 (1)AM6105のIgE抗体産生抑制活性 実施例1で得られたAM6105について、IgE抗体
産生抑制活性の測定を次のようにして行い、該活性を確
認した。6週齢の雌性BALB/c系マウスの脾臓を無
菌的に摘出し、ステンレスメッシュを通過させ大きな細
胞塊を除いた後、10%牛胎児血清(Hyclone
社)、2mMグルタミン、5x10-5M2−メルカプト
エタノ−ル、0.2%NaHCO3 、ペニシリンG(5
0IU/ml)及びストレプトマイシン(50μg/m
l)を含むRPMI−1640培地(GIBCO BR
L社)に細胞を懸濁して脾臓細胞浮遊液を得た。この液
を1200rpmで10分間遠心後、140mMNH4
Cl−15mMトリス溶液で赤血球を破壊し、PBS
(−)(2.7mMKCl、1.5mMKH2 PO4
0.14MNaCl,8.1mMNa2HPO4 ・7H
2 Oを含有する)溶液にて2回洗浄後、更に抗Thy−
1抗体及びウサギ補体を用いてT細胞を死滅させB細胞
源とした。このB細胞源をPBS(−)溶液にて2回洗
浄し、上記RPMI−1640培地にて5x106 細胞
/mlに調製し、B細胞浮遊液を得た。このB細胞浮遊
液に、B細胞刺激剤としてLPS(Difco社;E.
coli由来)を50μg/mlとなるように添加し、
24時間、37℃、5%CO2 下で前培養した。その
後、細胞を回収し、PBS(−)溶液で2回洗浄した。
再度細胞を上記RPMI−1640培地にて5x106
細胞/mlに調製し、この細胞浮遊液100μlを96
穴プレ−トの各ウェル(5x105 細胞/ウェル)に入
れ、これに上記のLPSを5μgと市販マウスIL−4
(Genzyme社)100Uを添加した。次いで各種
濃度のAM6105化合物50μlを加え、200μl
/ウェルとし、5%CO2 インキュベ−タ−を用いて3
7℃で7日間培養した後、培地中のIgE量を測定し
た。尚、AM6105化合物は水に不溶性なので、DM
SOに溶解した後、上記培地で希釈した。コントロ−ル
として、AM6105化合物を添加しなかった他は上記
の操作を繰り返した。
【0033】培養上清中のIgE量は以下の方法により
測定した。1次抗体として市販のラット抗マウスIgE
モノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/m
lとなるようにPBS(−)溶液に溶解し、96穴EL
ISAプレ−ト(Dynatech社)に50μl/ウ
ェルの割合で分注し、室温で1.5時間保持した。その
後PBS(−)溶液を捨て、300μl/ウェルの割合
で0.05%Tween20含有PBS(−)溶液を加
えることにより各ウェルを洗浄した。この洗浄操作を4
回繰り返し行った。洗浄後、200μl/ウェルの割合
でブロッキング溶液[1%BSA(Miles社;fr
actionV)含有PBS(−)溶液]を加え、4℃
で一昼夜保持し、ブロッキングを行った。次いで、ブロ
ッキング溶液を捨て、先に述べた0.05%Tween
20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返
した。次に予め用意しておいた活性測定用の一連のサン
プル希釈液を50μl/ウェルの割合で加え、室温で1
時間保持した。0.05%Tween20含有PBS
(−)溶液による洗浄操作を4回繰り返した。次に2次
抗体として市販のビオチン標識ラット抗マウスIgEモ
ノクロナ−ル抗体(ヤマサ醤油(株))を2μg/ml
となるようにPBS(−)溶液で溶解し、50μl/ウ
ェル加え、室温で1時間保持した。0.05%Twee
n20含有PBS(−)溶液による洗浄操作を4回繰り
返した後、PBS(−)溶液を用いて2000倍に希釈
したHorseradish Peroxidase
Avidin D(Vector社、A2004)を5
0μl/ウェル加えて室温で1時間保持した。0.05
%Tween20含有PBS(−)溶液による洗浄操作
を4回繰り返した後、ABTS溶液[0.129gクエ
ン酸;0.276gNa2 HPO4 ・12H2 O;30
%H2 2 1μl;3mg2,2−Azino−bis
(3−ethylbenzothiazoline−6
−sulfonic acid)diammonium
salt(和光純薬(株));10ml蒸留水]を5
0μl/ウェル加えて室温で10分間保持し、5%(w
/v)のシュウ酸を50μl/ウェル加えて反応を停止
した。その後、415nmの吸光度を測定することによ
りIgE量の測定を行った。
【0034】IgE抗体産生抑制活性は、IgE抗体産
生量がコントロ−ルの50%に減少した濃度をIC
50(μg/ml)として求め、AM6105の活性を算
出した。 (2)AM6105化合物の細胞毒性 この研究では、マウスリンパ腫P388D1細胞(AT
CC CCL−46)を用いた。細胞生存率は、Mic
hael C,Alleyらの方法[Cancer Res.,48,5
89-601(1988)]に準じ、MTT[3−(4,5−dim
ethylthiazol−2−yl)−2,5−di
phenyltetrazoliumbromid]試
薬(SIGAMA社)を用いたMTT法で測定した。即
ち、10%牛胎児血清(Hyclone社)、2mMグ
ルタミン、5μM2−メルカプトエタン−ル、0.2%
炭酸水素ナトリウム、ペニシリンG(50IU/ml)
及びストレプトマイシン(50μg/ml)を含有する
RPMI 1640培地(GIBCO BRL社)にて
マウスリンパ腫P388D1細胞を1x105 細胞/m
lに調製した。この細胞浮遊液100μlを96穴プレ
−トの各ウェル(1x104 細胞/ウェル)に入れた。
これに上記培地を用いて作製した各種濃度のAM610
5化合物溶液100μl/ウェルを加え、5%CO2
ンキュベ−タ−を用いて37℃で3日間培養した。その
後、上記MTT試薬をPBS(−)溶液にて1mg/m
lになるように溶解し、50μlを各ウェルに添加し、
5%CO2 インキュベ−タ−を用いて37℃で4時間培
養した。培養終了後、生細胞によって生じた青色素を5
70nmで測定した。尚、AM6105化合物は水に不
溶性なので、DMSOに溶解した後、上記培地で希釈し
た。コントロ−ルとして、AM6105化合物を添加し
なかった他は上記の操作を繰り返した。細胞数がコント
ロ−ルの50%に減少した濃度をIC50(μg/ml)
としてAM6105のIC50値を測定した。以上の結果
を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】以上の結果から明らかなように、AM61
05化合物は、細胞毒性の低い化合物であり、低濃度で
IgE抗体産生抑制作用を有する事が確認された。従っ
て、本発明の化合物が、免疫抑制剤であること、更に、
IgEの異常産生に基づく免疫疾患の予防治療剤であ
り、例えば、抗アトピ−性気管支喘息剤、抗アトピ−性
皮膚炎剤、抗アレルギ−性鼻炎剤、抗花粉症剤、抗アナ
フィラキシ−剤または抗食物アレルギ−剤に使用できる
可能性が確認された。
【0037】(3)AM6105化合物の急性毒性 AM6105化合物をDMSOに溶解した後、生理的食
塩水溶液で希釈し、30mg/kgを1日1回5日間I
CR系マウス5匹(雌性、5週齢)に腹腔内投与した。
結果としてマウスの異常な症状は何ら観察されず、本化
合物は安全性も高いことが確認された。 実施例3 経口用カプセル剤 実施例1で製造したAM6105の30mgを、ラクト
−ス170mg、コ−ンスタ−チ140mg、ステアリ
ン酸マグネシウム2mgと良く混合し、この粉末350
mgをゼラチンカプセルに入れ、カプセル剤とした。
【0038】
【発明の効果】本発明は、新規な化合物を提供するもの
であり、これらの化合物は、一般的免疫抑制作用を示さ
ず、優れたIgE抗体産生抑制作用を示す。したがっ
て、特に、IgEの産生異常で惹起される病気、例えば
アトピ−性気管支喘息、アトピ−性皮膚炎、アレルギ−
性鼻炎、花粉症、アナフィラキシ−、食物アレルギ−等
の治療薬または予防薬あるいはそれらへの変換素材とし
て非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はAM6105の臭化カリウム錠剤中での
赤外部吸収スペクトルを示す。
【図2】図2はAM6105の重クロロホルム溶液中で
の400MHz 1H−NMRスペクトルを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 17/16 C12P 17/16 //(C12P 17/16 C12R 1:645)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 で表される化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化合物を産生する能力
    を有するシュードアレッシェリア属に属する微生物を培
    養し、その培養物より該化合物を採取することを特徴と
    する該化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の化合物を有効成分とす
    る医薬。
  4. 【請求項4】 医薬が、IgE産生抑制剤、またはIg
    Eの異常産生に基づく免疫疾患の予防・治療剤である請
    求項3に記載の医薬。
  5. 【請求項5】 シュードアレッシェリア・エスピー M
    6105株(FERM P−16308)。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006107184A1 (en) * 2005-04-07 2006-10-12 Mycoplus Co., Ltd. A pharmaceutical composition for the treatment of atopic dermatitis containing 4-hydroxy-5-methoxy-4-[2-methyl-3-(3-methyl-2-butenyl)-2-oxiranyl]-1-oxaspiro [2,5]octan-6-one
US7211567B1 (en) * 1999-03-26 2007-05-01 Sunstar, Inc. Composition for preventing and treating type I allergy

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WO2006107184A1 (en) * 2005-04-07 2006-10-12 Mycoplus Co., Ltd. A pharmaceutical composition for the treatment of atopic dermatitis containing 4-hydroxy-5-methoxy-4-[2-methyl-3-(3-methyl-2-butenyl)-2-oxiranyl]-1-oxaspiro [2,5]octan-6-one

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