JPH1129624A - 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物

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JPH1129624A
JPH1129624A JP18377997A JP18377997A JPH1129624A JP H1129624 A JPH1129624 A JP H1129624A JP 18377997 A JP18377997 A JP 18377997A JP 18377997 A JP18377997 A JP 18377997A JP H1129624 A JPH1129624 A JP H1129624A
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JP
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epoxy resin
resin composition
liquid
filler
spherical silica
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JP18377997A
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Kazutaka Matsumoto
一高 松本
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Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貯蔵安定性、流動性が良好で成形性に優れた
液状エポキシ樹脂組成物であって、かかるエポキシ樹脂
組成物で封止することによって、優れた耐熱衝撃性及び
耐湿信頼性を有する樹脂封止型半導体装置が得られる半
導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 常温で液状のエポキシ樹脂と、常温で液
状の酸無水物硬化剤と、硬化促進剤と、充填剤とを含有
する半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物である。前記
エポキシ樹脂はビスフェノールF型エポキシ樹脂を主成
分とし、前記硬化促進剤は80℃以上の温度で触媒活性を
示す潜在性触媒であり、前記充填剤は、平均粒径1〜10
μm、最大粒径30μm以下の第1の球状シリカと、平均
粒径0.01〜2μmの第2の球状シリカとを含むことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状エポキシ樹脂
組成物に係り、より具体的には、フリップチップ接続に
よって半導体素子を基板上に実装してなる半導体装置の
封止材料として好適に用いられる半導体封止用液状エポ
キシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トランジスタ、IC、LSI
などの半導体素子の封止材料としてエポキシ樹脂組成物
が広く用いられている。この理由は、エポキシ樹脂が電
気特性、耐湿性、耐熱性、機械的特性、およびインサー
トとの接着性などの諸特性にバランスが取れているため
である。
【0003】近年、半導体デバイスの高集積化に伴なう
半導体チップの大型化によって、樹脂封止型半導体装置
のパッケージは大型化や多ピン化の傾向を強めており、
この傾向は今後ますます強まると考えられる。その一
方、電子機器の小型化による高密度実装化のため、半導
体パッケージの小型化および薄型化が求められている。
【0004】現在の樹脂封止型半導体装置のパッケージ
の主流は、QFP(クワッド・フラット・パッケージ)
などに代表される従来型の表面実装型パッケージである
が、多ピン化に伴なってパッケージの占める実装面積が
大きくなることが避けられない。したがって、従来型の
表面実装型パッケージでは、高密度実装化が困難となる
ので、多ピン化しても実装面積をとらない高密度実装パ
ッケージとしてエリア・アレイ・パッケージが増加しつ
つある。このようなエリア・アレイ・パッケージの代表
的なものとしては、具体的には、BGA(ボール・グリ
ッド・アレイ)およびCSP(チップ・スケール・パッ
ケージもしくはチップ・サイズ・パッケージ)が挙げら
れる。BGAはベアチップをプリント配線基板に搭載し
て封止し、基板の裏側に2次元のアレイ状に端子(はん
だボール)を配置したパッケージである。また、CSP
は、前述のBGAと同様にプリント配線基板上にベアチ
ップを搭載し、パッケージサイズをほぼベアチップと同
じ大きさまで小型化した、チップ大のパッケージであ
る。これらのエリア・アレイ・パッケージも構造によっ
て各種のタイプがあるが、その中でも、フリップチップ
接続を用いたタイプが最も小型化が可能であり高密度実
装化できる。
【0005】なお、フリップチップ接続を用いた半導体
装置としては、上記のようなエリア・アレイ・パッケー
ジのほかにも、ガラス基板上にベアチップを接続するC
OG(チップ・オン・ガラス)や、プリント配線基板上
にベアチップを実装するCOB(チップ・オン・ボー
ド)あるいはマルチチップモジュールなどがある。
【0006】上述したフリップチップ接続を用いた半導
体装置の封止の特徴は、ベアチップをフェイスダウン方
式で基板上にバンプなどを介して接続し、チップと基板
との間の間隙に液状樹脂を充填することである。この間
隙は非常に狭く、通常、約2〜100μmである。した
がって、液状樹脂をチップと基板との間隙に十分に充填
させるためには、最大粒径が間隙よりも小さい微細な充
填剤を配合しなければならない。また、液状樹脂は良好
な流動性を有し、容易に間隙に充填し得ることが必要で
ある。すなわち、フリップチップ接続を用いた半導体装
置を封止するための樹脂組成物は、微細な充填剤を含有
していることや十分な流動性を有することが要求され
る。
【0007】一方、上述のようにして液状樹脂で封止さ
れた半導体装置では、温度サイクル試験を施した際にバ
ンプの付け根にクラックが生じるという問題が発生して
いる。これは、チップ、バンプと封止樹脂の熱膨張係数
の差によって応力が発生するためであり、これを防止す
るために耐熱衝撃性の改良が要求されている。耐熱衝撃
性を改良するには、樹脂の熱膨張係数の低減化が有効で
ある。
【0008】しかしながら、熱膨張係数を低める目的で
粒径の小さい充填剤粒子を使用すると樹脂組成物の粘度
が上昇するため、樹脂組成物の流動性が低下して充填し
づらくなる。また、熱膨張係数を低減するために充填剤
を高充填した場合にも樹脂の粘度が著しく増大して、や
はり流動性が低下してしまう。
【0009】このように、良好な流動性、充填性(すな
わち半導体装置の成形性)を保持しながら充填剤を高充
填した樹脂を得ることは、従来の技術では困難であっ
た。なお、従来の電子部品のポッティング用エポキシ樹
脂組成物の中には、充填剤を高充填した樹脂組成物を溶
剤に溶かすことによって低粘度化を図ったものもある
が、このような手法で低粘度化した樹脂は、間隙への充
填に適用することが困難である。すなわち、間隙に充填
する液状樹脂が溶剤を含んでいると加熱硬化する際にボ
イドの発生の原因となるので好ましくなく、無溶剤で低
粘度の液状樹脂組成物が要求される。
【0010】さらに、従来の液状エポキシ樹脂組成物で
は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂環式エポキシ
樹脂が主に用いられているが、これらのエポキシ樹脂と
酸無水物硬化剤と充填剤としてシリカを組み合わせて用
いた場合、ポットライフが短く、貯蔵安定性が劣るとい
う問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、半導
体素子をフェイスダウン方式で基板上にフリップチップ
接続した半導体装置においては、素子と基板との間隙が
約20〜100μmと小さいため、この間隙に容易に充
填するには、低粘度で流動性の良好な封止樹脂が必要と
される。しかし、貯蔵安定性に優れるとともに、信頼性
の高い樹脂封止型半導体装置を製造可能なエポキシ樹脂
組成物は、未だ得られていないのが現状である。
【0012】そこで本発明は、貯蔵安定性、流動性が良
好で成形性に優れた液状エポキシ樹脂組成物であって、
かかるエポキシ樹脂組成物で封止することによって、優
れた耐熱衝撃性および耐湿信頼性を有する樹脂封止型半
導体装置を製造し得る半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、常温で液状のエポキシ樹脂と、常温で液
状の酸無水物硬化剤と、硬化促進剤と、充填剤とを含有
し、前記エポキシ樹脂はビスフェノールF型エポキシ樹
脂を主成分とし、前記硬化促進剤は80℃以上の温度で
触媒活性を示す潜在性触媒であり、前記充填剤は、平均
粒径1〜10μm、最大粒径30μm以下の第1の球状
シリカと、平均粒径0.01〜2μmの第2の球状シリ
カとを含むことを特徴とする半導体封止用液状エポキシ
樹脂組成物を提供する。
【0014】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物において、
エポキシ樹脂は、常温で液状のエポキシ樹脂を主成分と
するものであり、必須成分としてビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂が用いられる。ビスフェノールF型エポキシ
樹脂は、低粘度のために得られるエポキシ樹脂組成物の
流動性を向上させる作用を有するとともに、室温付近の
温度での反応性が小さいので優れた貯蔵安定性を示す。
【0015】このようなビスフェノールF型エポキシ樹
脂とともに、本発明の液状エポキシ樹脂組成物では、流
動性や貯蔵安定性を損なわない範囲で他のエポキシ樹脂
を併用することができる。使用し得るエポキシ樹脂は、
1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば
特に限定されず、具体的には、ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール系のノボ
ラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック
型エポキシ樹脂、ナフタレンジオール型エポキシ樹脂、
脂環式エポキシ樹脂、トリまたはテトラ(ヒドロキシフ
ェニル)アルカンから誘導されるエポキシ化合物、ビス
ヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、ジヒドロキシジ
フェニルメタン系エポキシ樹脂、およびフェノールアラ
ルキル樹脂のエポキシ化物等が挙げられる。これらのエ
ポキシ樹脂は、2種以上を混合して用いてもよい。
【0016】上述した他のエポキシ樹脂のうち、特にナ
フタレンジオール型エポキシ樹脂が好ましく用いられ
る。ナフタレンジオール型エポキシ樹脂は、分子量が小
さいためエポキシ樹脂組成物の粘度を著しく増大させる
ことなく、樹脂硬化物の耐熱性を向上させる作用を有す
るからである。なお、ナフタレンジオール型エポキシ樹
脂を配合する場合には、その配合量は、ビスフェノール
F型エポキシ樹脂に対し40重量%以下程度とすること
が望まれる。
【0017】本発明の液状エポキシ樹脂組成物に配合さ
れる硬化剤は、常温で液状の酸無水物硬化剤であれば特
に限定されず、任意の化合物を用いることができる。具
体的には、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘ
キサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、メ
チルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、トリア
ルキルテトラヒドロ無水フタル酸、およびドデセニル無
水コハク酸等が挙げられる。これらの酸無水物は、単独
でまたは2種以上混合して使用することができる。
【0018】上述したような常温で液状の酸無水物硬化
剤とともに、本発明のエポキシ樹脂組成物においては、
流動性や貯蔵安定性を損なわない範囲で他の硬化剤を併
用することができる。併用可能な硬化剤としては、例え
ば、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサ
ヒドロ無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメ
リット酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、
および無水ナジック酸等の常温で固体の酸無水物;フェ
ノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、t
−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノール
クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAのノボラ
ック樹脂、およびナフトール系ノボラック樹脂等のノボ
ラック型フェノール樹脂;ポリパラオキシスチレン;
2,2’−ジメトキシ−p−キシレンとフェノールモノ
マーとの縮合重合化合物等のフェノールアラルキル樹
脂;ジシクロペンタジエン−フェノール重合体;トリス
(ヒドロキシフェニル)アルカン等の多官能フェノール
樹脂;およびテルペン骨格を有するフェノール樹脂等が
挙げられる。これらの硬化剤は、単独でまたは2種以上
を用いることができる。
【0019】本発明の液状エポキシ樹脂組成物における
硬化剤の配合量は特に限定されないが、上記エポキシ樹
脂と上記硬化剤との当量比(硬化剤の反応基/エポキシ
基)を0.5〜1.5の範囲にすることが望ましい。こ
の当量比が0.5未満では硬化反応が十分に起こりにく
くなり、一方1.5を越えると硬化物の物性、特に耐湿
性が低下するおそれがある。なお、当量比のより好まし
い範囲は0.8〜1.2である。
【0020】本発明の液状エポキシ樹脂組成物に使用さ
れる硬化促進剤は、80℃以上の温度で触媒活性を示す
潜在性触媒であれば任意の化合物を用いることができ、
特に限定されない。触媒活性を示す温度が80℃未満で
あると、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が著しく低下
してしまい、長期間安定にの保存ができなくなる。これ
に加えて、半導体装置を封止する工程において樹脂の流
動中に粘度が上昇して成形性が損なわれる。このような
不都合を避けるため、本発明においては触媒活性を示す
温度を80℃以上に限定した。
【0021】上述のような潜在性の硬化促進剤として
は、例えば、ジシアンジアミド、高融点イミダゾール化
合物、有機酸ジヒドラジド類、ジアミノマレオニトリ
ル、メラミンおよびその誘導体、ポリアミン類等の高温
でエポキシ樹脂に溶解して活性を示す高融点分散型触
媒;アミンイミド化合物、エポキシ樹脂に可溶な第三ア
ミン塩やイミダゾール塩等の高温において分解して活性
化する塩基性触媒;三フッ化ホウ素のモノエチルアミン
塩に代表されるルイス酸塩やルイス酸錯体、ブレンステ
ッド酸の脂肪族スルホニウム塩に代表されるブレンステ
ッド酸塩等の高温解離型のカチオン重合触媒;触媒をポ
リマーで微粒子状に包んだマイクロカプセル型触媒;触
媒をモレキュラーシーブやゼオライトのような空孔を有
する化合物に吸着させた吸着型触媒等が挙げられる。こ
れらの硬化促進剤は、単独でまたは2種以上混合して使
用することができる。
【0022】上述したような潜在性の硬化促進剤のなか
でも、マイクロカプセル型の潜在性触媒が特に好ましく
用いられる。マイクロカプセル型の潜在性触媒は、隔壁
破壊型の触媒であり、隔壁を構成するポリマー層が溶解
してマイクロカプセルが破壊去れる温度まで触媒活性を
抑制することができる。このため、最も優れた潜在性を
示す潜在性触媒であり、かかるマイクロカプセル型の潜
在性触媒を配合することによって、エポキシ樹脂組成物
の常温における貯蔵安定性を著しく向上させることがで
きる。
【0023】なお、本発明の液状エポキシ樹脂組成物に
おける硬化促進剤の配合量は特に限定されないが、エポ
キシ樹脂および硬化剤の合計量に対して0.01〜10
重量%であることが好ましい。この配合量が0.01重
量%未満であると樹脂組成物の硬化特性が低下する傾向
があり、一方10重量%を越えると硬化物の耐湿性が低
下するおそれがある。
【0024】本発明に使用される充填剤は、平均粒径1
〜10μm、最大粒径30μm以下の第1の球状シリ
カ、および第1の球状シリカより小さく平均粒径0.0
1〜2μmの第2の球状シリカ(微粒球状シリカ)の粒
径の異なる2種類の球状シリカによって構成される。こ
のように粒径を特定範囲に限定した2種の充填剤(球状
シリカおよび微粒球状シリカ)を組み合わせて配合する
ことによって、充填剤は最密充填の構造を取り易くなる
ので、良好な流動性を有する樹脂組成物を得ることが可
能となった。また、こうした充填剤の併用は、樹脂組成
物の粘度をさらに低下させる作用を有するため、充填剤
をさらに高充填することができる。
【0025】上述した第1の球状シリカの平均粒径が1
μm未満の場合には、樹脂組成物の粘度が高くなって流
動性が低下してしまう。また一方、この球状シリカの平
均粒径が10μmを越える場合、あるいは平均粒径が1
0μm以下であっても最大粒径が30μmを越える場合
には、チップと基板との間の間隙への樹脂の流れ込み性
が悪くなって半導体装置の成形性が低下する。チップと
基板との間の間隙の寸法は、通常、約20〜100μm
であるので、これを考慮して充填剤の最大粒径を決定し
た。なお、第1の球状シリカの平均粒径は、好ましくは
1〜6μmであり、最大粒径は、好ましくは25μm以
下、より好ましくは20μm以下である。
【0026】第2の球状シリカの平均粒径が0.01μ
m未満の場合には、微粒子間の凝集傾向が増して樹脂組
成物の流動性が低下する。一方、この球状シリカの平均
粒径が2μmを越えると第1の球状シリカによる空隙を
埋められず、最密充填構造を形成しにくくなるため、良
好な流動性が得られなくなる。なお、第2の球状シリカ
の平均粒径は、0.1〜1μmであることがより好まし
い。
【0027】この第2の球状シリカ(微粒球状シリカ)
の配合量は、充填剤全体量の0.1〜40重量%である
ことが好ましい。0.1重量%未満では粘度の低下効果
が十分に得られず、一方40重量%を越えると、最密充
填構造を形成しにくくなるために樹脂組成物の流動性が
低下するおそれがある。
【0028】上述したような球状シリカや微粒球状シリ
カとともに、本発明の液状エポキシ樹脂組成物において
は、他の充填剤、例えば、破砕状シリカ、アルミナ、窒
化ケイ素および窒化アルミニウム等を併用することがで
きる。ただし、樹脂組成物の流動性や貯蔵安定性、チッ
プと基板との間の間隙への流れ込み性をあまり損なわな
いように、その配合量等を決定することが望まれる。
【0029】なお、本発明のエポキシ樹脂組成物におい
て、充填剤の総配合量は、樹脂組成物全体に対して40
〜75重量%であることが好ましい。この配合量が40
重量%未満では硬化物の熱膨張係数が大きくなる傾向が
あるため、この組成物を用いて封止した半導体装置は冷
熱サイクル条件下において損傷を受け易くなる。一方、
充填剤の総配合量が75重量%を越えると樹脂組成物の
粘度が高くなりすぎるのでチップと基板との間の間隙へ
の流れ込み性が悪くなり、半導体装置の成形性が低下す
るおそれがある。
【0030】本発明のエポキシ樹脂組成物には、上述し
た成分に加え、さらに必要に応じて、シランカップリン
グ剤等のフィラー表面処理剤;分子中にエポキシ基を1
個以上含有する反応性希釈剤;カーボンブラック等の顔
料;ハロゲン化合物、リン化合物等の難燃化剤;三酸化
アンチモン等の難燃助剤;シリコーン化合物、有機ゴム
等の低応力付与剤;ハイドロタルサイト類等のイオン捕
捉剤;石油樹脂、ロジン、テルペン、インデン樹脂等の
粘着性付与剤などの各種の添加剤を適宜配合してもよ
い。
【0031】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、常温
で液状のエポキシ樹脂、常温で液状の酸無水物硬化剤、
潜在性触媒、特定の粒径を有する2種類の充填剤および
必要に応じて他の成分を配合して、樹脂組成物の製造に
適用される通常の方法により製造することができる。具
体的には、原料である各成分を所定量、万能混合機、同
芯二軸ミキサー等の混合機に投入し、攪拌混合する方
法、あるいは予め混合させた後、さらに3本ロールミル
で混練する方法などが挙げられる。さらに本発明のエポ
キシ樹脂組成物は、上述した方法を適切に組み合わせて
製造することもできる。
【0032】上述のようにして調製された本発明の液状
エポキシ樹脂組成物は、60℃における粘度が100ポ
イズ以下、さらには50ポイズ以下であることが好まし
い。100ポイズを越えるとフリップチップ接続された
チップと基板との間の間隙への流れ込み性が悪くなっ
て、半導体装置の成形性が低下するおそれがあるためで
ある。
【0033】かくして得られる本発明の液状エポキシ樹
脂組成物は、BGA、CSP、COG、およびCOBや
マルチチップモジュール等のフリップチップ接続によっ
て半導体素子を基板上に接続してなる半導体装置の封止
用に有効に用いられる。これらの半導体装置は、例え
ば、フリップチップ接続されたチップと基板との間の間
隙に樹脂組成物を流し込み、しかる後、約120〜15
0℃の温度で約2〜6時間加熱して硬化させるなどの方
法により、容易に製造することができる。なお、本発明
のエポキシ樹脂組成物によって封止される半導体素子は
特に限定されない。
【0034】本発明の液状エポキシ樹脂組成物は、常温
で液状のエポキシ樹脂、常温で液状の酸無水物硬化剤お
よび特定の潜在性触媒とともに、粒径の異なる2種類の
充填剤を配合しているので、貯蔵安定性や流動性が優れ
ている。しかも、本発明の液状エポキシ樹脂組成物で封
止することによって、高い耐熱衝撃性および耐湿信頼性
を有する樹脂封止型半導体装置を製造することができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によってさ
らに詳細に説明する。なお、本発明は以下に示す実施例
に限定されるものではない。まず、実施例および比較例
の液状エポキシ樹脂組成物の原料として用いた各成分を
以下にまとめる。 (エポキシ樹脂) エポキシ樹脂A:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量169、油化シェルエポキシ社製、エピコー
ト807) エポキシ樹脂B:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エ
ポキシ当量189、油化シェルエポキシ社製、エピコー
ト828) エポキシ樹脂C:ナフタレンジオール型エポキシ樹脂
(エポキシ当量150、新日鉄化学社製、HP403
2) (硬化剤) 酸無水物硬化剤:メチルテトラヒドロ無水フタル酸(酸
無水物当量168、新日本理化社製、MH−700) (硬化促進剤) 硬化促進剤A:マイクロカプセル型潜在性触媒(反応開
始温度87℃、旭化成社製、HX−3088) 硬化促進剤B:マイクロカプセル型潜在性触媒(反応開
始温度65℃、旭化成社製、HX−3722) 硬化促進剤C:高融点分解型潜在性触媒(反応開始温度
120℃、ジシアンジアミド) 硬化促進剤D:1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)
ウンデセン−7(サンアプロ社製、DBU) (充填剤) 充填剤A:球状シリカ(平均粒径4μm、最大粒径12
μm日本化学工業社製、MK−04) 充填剤B:球状シリカ(平均粒径6μm、最大粒径16
μm電気化学工業社製、FB−5S) 充填剤C:球状シリカ(平均粒径10μm、最大粒径3
7μm電気化学工業社製、FB−10S) 充填剤D:球状シリカ(平均粒径17μm、最大粒径7
5μm電気化学工業社製、FB−48) 充填剤E:破砕状シリカ(平均粒径5μm、最大粒径2
0μm東芝セラミックス社製、USG−5A) 充填剤F:微粒球状シリカ(平均粒径0.5μm、最大
粒径1μm龍森社製、SO−25H) なお、これら充填剤のうち、充填剤AおよびBは本発明
の第1の球状シリカに相当し、充填剤Fは、第2の球状
シリカ(微粒球状シリカ)に相当するものである。
【0036】上述の各成分を用いて下記表1および表2
に示すような処方でそれぞれ配合し、実施例(1〜7)
および比較例(1〜6)のエポキシ樹脂組成物を調製し
た。さらに、下記表3に示す処方で参考例のエポキシ樹
脂組成物を調製した。この参考例のエポキシ樹脂組成物
は、微粒球状シリカ(充填剤F)の割合を多くしてその
影響を調べたものである。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】
【0040】表中の配合量は重量部を示す。樹脂組成物
の調製に当たっては、まず各成分を所定量配合し、万能
混合機により60℃で30分攪拌混合した。次に、この
混合物を3本ロールにて混練して均質な液状エポキシ樹
脂組成物を得た。
【0041】これら実施例(1〜7)、比較例(1〜
6)および参考例に係る14種類の液状エポキシ樹脂組
成物について流動性および貯蔵安定性を調べ、また、各
液状エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物につい
てガラス転移温度および熱膨張係数を調べた。さらに、
各エポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してそ
の充填性を調べるとともに、得られた樹脂封止型半導体
装置の耐熱衝撃性および耐湿信頼性を評価した。
【0042】各特性の評価手法は、それぞれ以下のとお
りである。 (1)流動性評価 B型粘度計を用いて、60℃における各エポキシ樹脂組
成物の粘度(回転数6rpm)を測定した。 (2)貯蔵安定性の評価 製造直後の各エポキシ樹脂組成物の25℃における粘度
と、1ヶ月経過後の25℃における粘度を測定し、初期
値に対する1ヶ月後の粘度増加倍率を求めた。なお、保
存条件は25℃とし、粘度の測定にはB型粘度計を用い
た。 (3)硬化物の特性評価 各エポキシ樹脂組成物を用いて、150℃で4時間加熱
して硬化させ、試験片を作製した。各試験片についてガ
ラス転移温度および熱膨張係数を測定した。 (4)成形性評価 フリップチップ接続を用いた半導体装置の樹脂封止にお
ける成形性の評価として、チップと基板との間隙への液
状樹脂組成物の充填性を調べた。具体的には、まず、試
験用半導体素子(7mm×7mm)を、セラミックス基
板上にバンプによりフェイスダウン方式で接続して半導
体装置を作製した。得られた半導体装置において、チッ
プと基板との間の間隙は約30μmであった。この半導
体装置の基板をヒーターを用いて60℃に加熱し、この
状態でチップと基板との間の間隙に各液状エポキシ樹脂
組成物を流し込んで、その充填性を観察した。
【0043】次いで、l50℃で4時間加熱して樹脂組
成物を硬化させて、樹脂封止型半導体装置を作製した。
これらの樹脂封止型半導体装置について耐熱衝撃性およ
び耐湿信頼性を以下の方法により評価した。 (5)耐熱衝撃性評価 耐熱衝撃性の評価は、冷熱サイクル試験(TCT試験)
により行なった。すなわち、半導体装置に、−65℃
(30分)、室温(5分)、150℃(30分)の冷熱
サイクルを繰り返して施し、デバイスの動作チェックを
行なって不良発生率を調べた。 (6)耐湿信頼性評価 耐湿信頼性の評価は、プレッシャークッカー試験(PC
T試験)により行なった。すなわち、半導体装置を12
1℃、2.0気圧の飽和水蒸気雰囲気中に放置して不良
発生率を調べた。得られた評価結果を、下記表4ないし
表6にまとめる。
【0044】
【表4】
【0045】
【表5】
【0046】
【表6】
【0047】上記表4に示されるように、本発明のエポ
キシ樹脂組成物(実施例1〜7)は、60℃における粘
度は最大でも30ポイズであることから流動性が良好で
あることがわかる。また、1ヶ月貯蔵後の粘度増加は最
大でも1.4倍であり、貯蔵安定性にも優れている。
【0048】これら実施例(1〜7)のエポキシ樹脂組
成物を硬化させてなる硬化物は、半導体封止用として適
切な範囲のガラス転移温度および熱膨張係数を有してい
る。さらに、基板と半導体素子との間の間隙への充填性
は良好であり、具体的には充填率は95%以上であって
未充填はほとんど生じなかった。しかも、本発明のエポ
キシ樹脂組成物により封止された半導体装置は、TCT
試験、PCT試験における不良発生がほとんどなく、優
れた耐熱衝撃性、耐湿信頼性を有することがわかる。
【0049】これに対し、表5に示されるように、エポ
キシ樹脂が本発明の範囲外のエポキシ樹脂組成物(比較
例1)、硬化促進剤が本発明の範囲外のエポキシ樹脂組
成物(比較例2、3)は、いずれも貯蔵安定性が劣って
おり、特に比較例3では60℃における粘度は60ポイ
ズにも及び、1ヶ月後保存後にはさらに10倍以上に粘
度が増加している。
【0050】また、充填剤の最大粒径が本発明の範囲を
外れるエポキシ樹脂組成物(比較例4および5)は、充
填剤の目詰まりが発生しやすいため、間隙への充填性が
低下している。本発明の球状シリカとは異なる破砕状シ
リカを配合したエポキシ樹脂組成物(比較例6)は、粘
度が著しく高いため、流動性、充填性が著しく劣ってい
る。
【0051】比較例(1〜6)のエポキシ樹脂組成物
は、上述したようにチップと基板との間隙への充填性が
劣るために、これらを用いた樹脂封止型半導体装置の成
形性は悪く、しかも得られた半導体装置は、耐熱衝撃
性、耐湿信頼性に劣っていることが表6の結果に示され
ている。
【0052】なお、参考例として調製したエポキシ樹脂
組成物は、微粒球状シリカの割合を充填剤中の45重量
%としたものであるが、このように微粒球状シリカの配
合量が多い場合には、粘度が高くなる傾向があり、流動
性、充填性が低下することが表6の結果からわかる。
【0053】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
貯蔵安定性、流動性が良好で成形性に優れ、しかも優れ
た耐湿衝撃性を有する液状エポキシ樹脂組成物が提供さ
れる。このような特性を有する本発明の液状エポキシ樹
脂組成物は、フリップチップ接続によって半導体素子を
基板上に実装してなる半導体装置の封止用として有効に
使用できる。こうして製造される半導体装置は、電子機
器の高密度実装化、パッケージの小型化、および多ピン
化に対応可能であり、その工業的価値は極めて大きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正内容】
【0038】
【表2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【表5】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で液状のエポキシ樹脂と、常温で液
    状の酸無水物硬化剤と、硬化促進剤と、充填剤とを含有
    し、 前記エポキシ樹脂はビスフェノールF型エポキシ樹脂を
    主成分とし、前記硬化促進剤は80℃以上の温度で触媒
    活性を示す潜在性触媒であり、前記充填剤は、平均粒径
    1〜10μm、最大粒径30μm以下の第1の球状シリ
    カと、平均粒径0.01〜2μmの第2の球状シリカと
    を含むことを特徴とする半導体封止用液状エポキシ樹脂
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記平均粒径が0.01〜2μmの第2
    の球状シリカの配合量は、充填剤全体に対して0.1〜
    40重量%である請求項1に記載の半導体封止用液状エ
    ポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 前記潜在性触媒がマイクロカプセル型の
    潜在性触媒である請求項1または2に記載の半導体封止
    用液状エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂として、ナフタレンジオー
    ル型エポキシ樹脂をさらに含有する請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の半導体封止用液状エポキシ樹脂組
    成物。
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