JPH11299450A - 藻類色素材、及びその製造方法 - Google Patents

藻類色素材、及びその製造方法

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JPH11299450A
JPH11299450A JP10115035A JP11503598A JPH11299450A JP H11299450 A JPH11299450 A JP H11299450A JP 10115035 A JP10115035 A JP 10115035A JP 11503598 A JP11503598 A JP 11503598A JP H11299450 A JPH11299450 A JP H11299450A
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trehalose
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color material
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Toshimitsu Kato
敏光 加藤
Sachiko Nagatsuka
佐智子 長塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、藻類色素
に熱安定性を付与することにより、その適用範囲を拡大
すると共に、製造工程における色素回収率の増大および
乾燥方法の合理化を可能とすることにある。 【解決手段】 藻類色素とトレハロースとを必須成分と
する水溶液を乾燥することを特徴とする藻類色素材の製
造方法、及び該製法により得られる藻類色素とトレハロ
ースとを必須成分とする藻類色素材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品分野に特に有
用な安全性が高く、且つ熱安定性、保存安定性及び溶解
性に優れる、藻類色素材、及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】食品用色素として、多種多様の赤色色
素、黄色色素、青色色素が存在するが、近年、発癌性等
の問題から合成着色料が疑問視され、より安全性が高い
と思われる天然色素に対する期待が大きくなっている。
しかし、天然色素には物性的に一長一短があり、特に色
調的に鮮明な赤色・青色色素が少ないのが現状である。
【0003】その中で、藻類色素のフィコシアニンは鮮
明な青色色素であり、フィコエリトリンは鮮明な赤色色
素である。これらの藻類色素は蛋白結合色素である為
に、特に熱安定性に劣り、使用できる範囲が狭かった。
また、色素製造工程においても、加熱殺菌工程における
色素の劣化等の問題があった。
【0004】一般に、着色料の色素濃度を調整する色価
(1%E:固形分濃度1%当たりの吸光度)調整剤とし
て乳糖が使用されているが、これは、吸湿による色素粉
末のケーキング防止や保存安定性向上の面においては好
都合であるが、水に対する溶解度が低く、凍結乾燥され
た色素粉末が均一性に劣ること、更に色素の熱安定性に
対しては何らの改善効果も認められず、特に色素製造工
程での収率低下が認められると共に、噴霧乾燥等のより
合理的な乾燥方法の導入をも困難にしていた。
【0005】一方、トレハロースは、ブドウ糖2分子が
結合した非還元性の2糖類で、植物や微生物など自然界
に広く存在している糖質である。最近、トレハロースを
利用したものとして、すり身の製造法に関する特開平9
−135927号公報、酵素の安定化法に関する特開平
7−194378号公報、及び卵白硬化防止剤に関する
特開平7−327639号公報等が報告されている。し
かしながら、トレハロースが天然色素、特に藻類色素の
安定化に効果があるとの報告は為されていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、藻類色素に熱安定性を付与することによ
り、その適用範囲を拡大すると共に、製造工程における
色素回収率の増大および乾燥方法の合理化を可能とする
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、従来用いられてきた乳糖に代えてトレハ
ロースを用いることにより、水溶液中の藻類色素に熱安
定性を付与することが出来ることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(イ)藻類色素とトレハ
ロースとを必須成分とする水溶液を乾燥することを特徴
とする藻類色素材の製造方法、(ロ)藻類色素がフィコ
シアニン、フィコエリトリン、又はこれらを主成分とす
る藻類色素であることを特徴とする(イ)に記載の藻類
色素材の製造方法、
【0009】(ハ)トレハロースの量が藻類色素の量に
対し10重量%以上であることを特徴とする(イ)又は
(ロ)に記載の藻類色素の製造方法、及び、(ニ)上記
の(イ)〜(ハ)のいずれか一つに記載の製造方法によ
り製造される、藻類色素とトレハロースとを必須成分と
する藻類色素材を含むものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で言う藻類色素とは、天然
の藻類から得られる色素であり、例えば藍藻類や紅藻類
等に由来する青色のフィコシアニン、赤色のフィコエリ
トリン又はこれらを主成分とする藻類色素が挙げられ
る。藍藻類にはスピルリナ属、シネコキスチス属、アフ
ァノテーケ属(水前寺ノリ)、アナベナ属、ノストク
属、ユレモ属、リングビア属、フィッシェレラ属等の藻
類が、紅藻類にはポルフィラ属(アサクサノリ)、ロリ
シフォニア属、カルポポルチス属等の藻類が例示される
が、現在食用に供され、工業的に大量生産されているス
ピルリナ属、ポルフィラ属等の藻類が本発明に係る藻類
色素源として好適に使用される。
【0011】一方、本発明に使用されるトレハロース
は、2分子のグルコースのα,α−1,1結合から成るトレ
ハロース、同α,β−1,1結合から成るネオトレハロー
ス、同β,β−1,1結合から成るイソトレハロースのいず
れでも良く、また、これらを併用しても良い。その存在
は、ほとんどのキノコ類、パン酵母、海草類、海老類等
多くのもので確認されており、永年ヒトが食品としてき
た糖質の一つである。
【0012】本発明の藻類色素とトレハロースとを必須
成分とする水溶液とは、上述の藻類色素とトレハロース
とを必須成分として含有する水溶液であり、該水溶液に
は藻類色素とトレハロースとの他に、少量の水と混和す
る有機溶媒、例えば、アルコール類等や、色素の安定化
に役立つpH調整剤としての、例えばクエン酸塩やリン
酸塩等の塩類、また、食用色素としての効果を阻害しな
い範囲での公知慣用の添加物を含んでいても良い。
【0013】藻類色素とトレハロースとを必須成分とす
る水溶液を乾燥するには、公知慣用の乾燥方法が利用で
きるが、色素の熱劣化を防ぐ目的で、例えば、凍結乾燥
や減圧乾燥、加熱時間の短い噴霧乾燥を用いることが好
ましい。更に、乾燥後の藻類色素材は、必要に応じて、
特に食品用途に用いる場合は、特に、100℃以上での
乾熱殺菌を行うことが好ましい。これは、水の存在下で
藻類色素を高温殺菌すると加水分解により色素が熱劣化
する為である。
【0014】次に、本発明の藻類色素材の製造方法の例
を具体的に説明する。例えば、藍藻類のスピルリナから
青色色素であるフィコシアニンを抽出し、限外濾過処理
したフィコシアニン含有水溶液(フィコシアニン含量1
0重量%)に、クエン酸ナトリウムを添加して、pHを
6〜7に調整し、次いでフィコシアニン重量に対し30
重量%のトレハロースを添加し撹拌、溶解させる。次い
で、この溶液を真空凍結乾燥機にて乾燥し、粉砕して得
られる粉末を、そのまま、或いは必要に応じて105℃
にて7時間程度乾熱殺菌し藻類色素材とする。
【0015】この際に、製造する藻類色素材の色価によ
り、加えるトレハロースの量は決定されるが、添加する
トレハロースの量は、藻類色素の重量に対し、10重量
%以上が好ましく、更に好ましくは20重量%以上であ
る。加えるトレハロースの量に特に上限はないが、加え
るトレハロースの量により色素濃度が希釈され、色価が
下がること、多量のトレハロースが含まれる場合は、使
用用途により好ましくない場合もあることから、通常は
10重量%〜400重量%、好ましくは10重量%〜3
00%、更に好ましくは、20重量%〜200重量%で
ある。
【0016】上述のフィコシアニン含有水溶液に、トレ
ハロースの代わりに、従来の乳糖をトレハロースと同量
用いた場合は、乳糖の水に対する溶解性が低い為、完全
に水溶液に溶解せず沈殿を生じたり、また後工程中に乳
糖が析出するなどの理由により、乾燥して得られる色素
材の色価が均一性に劣る原因となる。
【0017】また、乾熱殺菌後の色価は、トレハロース
を用いた本発明を100とすれば、乳糖を用いた従来品
の色価は精々87であり、トレハロースにより熱安定性
の向上を図ることができ、乾燥法も真空凍結乾燥法以外
に、より効率的な噴霧乾燥法を採用することができる。
また、フィコエリトリンについても全く同様の傾向が認
められる。
【0018】藻類色素とトレハロースとを必須成分とす
る、本発明の藻類色素材の多くは、そのまま粉末形状で
用いられるが、該粉末状藻類色素材を、殺菌した水、又
はエタノール/水混合溶液、又はグリセリン/水混合溶
液に溶解し、液状色素材として用いることもできる。
【0019】本発明によって得られる藻類色素材は、従
来の藻類色素材の適用範囲(氷菓、アイスクリーム、チ
ュウインガム、わさび、糖衣菓子等)については、含ま
れるトレハロースの溶解度が乳糖より高いことから、水
に対する溶解性が向上すると共に、より高濃度の色素水
溶液が使用でき、食品製造の作業性が改善される。ま
た、熱安定性が付与されることから、ハードキャンデ
ー、ゼリー類等、耐熱性が要求される食品にも使用可能
である。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例によって
説明するが、これはあくまで一実施態様であり、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0021】(実施例1及び2、比較例1及び2)スピ
ルリナ青色素水溶液450g(実施例1および比較例
1:固形分10.34重量%、E618(618nmに
おける吸光度)=188、実施例2および比較例2:固
形分8.11重量%、E618=209)を撹拌しなが
ら、比較例では乳糖を、実施例ではトレハロースをそれ
ぞれ表1に示す所定量添加し、更に、クエン酸3ナトリ
ウム(実施例1および比較例1:10.9g、実施例2
および比較例2:12.1g)を添加した後、真空凍結
乾燥した。この乾燥物を粉砕し、105℃にて7時間乾
熱殺菌した後、色価と色調(明度、彩度)を測定した。
その結果を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】表中の1%E618は、1%溶液の618n
mでの吸光度を示す。表から明らかなように、乳糖を使
用して7.0に色価調整した場合は、乾熱殺菌後の色価
は目標色価(7.0)よりも大幅に低くなった(5.9
〜6.2)のに対し、トレハロースを使用した場合はそ
の低下が抑制され(6.8〜6.9)、明白な優位性が
認められた。また、色調面でも同等以上の結果が得られ
た。
【0024】(実施例3〜7、及び比較例3)調整色価
を各々7、9、11、13、15に設定した場合の、乾
熱殺菌前後の色価への影響について検討した(トレハロ
ース添加量の影響)。即ち、スピルリナ青色素水溶液各
200g(固形分:12.59重量%、E618=22
9、色価:18.19)に、最終固形分量の9重量%
(色価:7、9の場合)又は5重量%(色価:11、1
3、15の場合)のクエン酸ナトリウムを添加溶解し、
更に計算量のトレハロースを添加溶解した。この溶液を
真空凍結乾燥し、色価(殺菌前)を測定した。この粉末
を105℃にて約7時間乾熱殺菌し、色価(殺菌後)を
測定した。この結果を表2に示す。
【0025】
【表2】
【0026】この結果、トレハロースの代わりに乳糖を
色価調整剤として使用した比較例3(調整色価:7、乳
糖添加量:52.5重量%)では、乾熱殺菌前の色価時
を100%とすると、93%にその色価が減少したのに
対し、本発明のトレハロースを使用した場合、その添加
量が10重量%以上で同等以上の色価を示した。しか
し、全く色価が減少させない範囲としては、20重量%
以上のトレハロースの添加が好ましい。
【0027】
【発明の効果】藻類色素に熱安定性を付与することによ
り、従来の色価調整剤で生じる乾熱殺菌時の色価減少を
抑制し色素材の収率を向上させると共に、色調の改善、
溶解時の作業性の改善が可能な熱安定性の優れる藻類色
素材、及びその製造方法を提供できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 藻類色素とトレハロースとを必須成分と
    する水溶液を乾燥することを特徴とする藻類色素材の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 藻類色素がフィコシアニン、フィコエリ
    トリン、又はこれらを主成分とする藻類色素であること
    を特徴とする請求項1に記載の藻類色素材の製造方法。
  3. 【請求項3】 トレハロースの量が藻類色素の量に対し
    10重量%以上であることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の藻類色素の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一つに記載の製
    造方法により製造される、藻類色素とトレハロースとを
    必須成分とする藻類色素材。
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