JPH11300314A - 有機物中に混在する無機物の回収方法 - Google Patents
有機物中に混在する無機物の回収方法Info
- Publication number
- JPH11300314A JPH11300314A JP10117026A JP11702698A JPH11300314A JP H11300314 A JPH11300314 A JP H11300314A JP 10117026 A JP10117026 A JP 10117026A JP 11702698 A JP11702698 A JP 11702698A JP H11300314 A JPH11300314 A JP H11300314A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 工程数や手間が少なく、アルカリ純度の低下
も招かない無機物の回収方法を提供する。 【解決手段】 有機物と無機物との混在物を、不活性雰
囲気下で500〜600℃に加熱することにより有機物
分を揮発または水に対して不溶化し、水による無機物の
回収を容易にする前処理方法、および、有機物分を揮発
または水に対して不溶化した後の残存物を水で洗浄する
ことを特徴とする無機物の回収方法であり、好ましく
は、無機物が塩類またはアルカリであることを特徴とす
る。
も招かない無機物の回収方法を提供する。 【解決手段】 有機物と無機物との混在物を、不活性雰
囲気下で500〜600℃に加熱することにより有機物
分を揮発または水に対して不溶化し、水による無機物の
回収を容易にする前処理方法、および、有機物分を揮発
または水に対して不溶化した後の残存物を水で洗浄する
ことを特徴とする無機物の回収方法であり、好ましく
は、無機物が塩類またはアルカリであることを特徴とす
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機物とアルカリ
や塩類などの無機物とが混在した廃棄物から無機物を回
収する方法に関し、更に詳しくは、例えばPCBを分解
した残渣物から無機物を効率よく回収する方法に関す
る。
や塩類などの無機物とが混在した廃棄物から無機物を回
収する方法に関し、更に詳しくは、例えばPCBを分解
した残渣物から無機物を効率よく回収する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】有機物と無機物とが混在し、その混合物
中から無機物を除去する必要がある場合は少なくない。
例えば、PCBの無毒化にあたりPCBを分解した残渣
物などはその一つである。ここからは無機物を効率よく
回収する必要がある。有機物とアルカリや塩類などの無
機物とが混在した混合物の中から無機物だけを回収する
方法としては次のような方法が考えられる。 溶媒による無機物の分離 有機物の燃焼分解による無機物の分離 溶媒を使用するの方法は、水のような極性溶媒に混合
物を投入して極性のある無機物だけを選択的に溶解す
る。燃焼分解によるの方法は、混合物を燃焼させるこ
とによりその中の有機物を選択的に気体に変えて除去
し、固体で残った無機物を回収するという方法である。
中から無機物を除去する必要がある場合は少なくない。
例えば、PCBの無毒化にあたりPCBを分解した残渣
物などはその一つである。ここからは無機物を効率よく
回収する必要がある。有機物とアルカリや塩類などの無
機物とが混在した混合物の中から無機物だけを回収する
方法としては次のような方法が考えられる。 溶媒による無機物の分離 有機物の燃焼分解による無機物の分離 溶媒を使用するの方法は、水のような極性溶媒に混合
物を投入して極性のある無機物だけを選択的に溶解す
る。燃焼分解によるの方法は、混合物を燃焼させるこ
とによりその中の有機物を選択的に気体に変えて除去
し、固体で残った無機物を回収するという方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の方法に
はいまなお解決すべき課題がある。有機物として極性の
高い物質が多く存在する場合、これらを無機物と一緒に
水のような極性溶媒中に投入してもこれらの極性の高い
物質(有機物)が無機物と一緒に極性溶媒中に溶解し、
回収しようとする無機物との間で十分な分離ができな
い。水のような極性溶媒中に溶解した極性の高い有機物
を除去するために多量の酸化剤の投入や活性炭への吸着
などの水処理が必要になる。それだけで多くの工程と手
間が必要になるという問題点があった。
はいまなお解決すべき課題がある。有機物として極性の
高い物質が多く存在する場合、これらを無機物と一緒に
水のような極性溶媒中に投入してもこれらの極性の高い
物質(有機物)が無機物と一緒に極性溶媒中に溶解し、
回収しようとする無機物との間で十分な分離ができな
い。水のような極性溶媒中に溶解した極性の高い有機物
を除去するために多量の酸化剤の投入や活性炭への吸着
などの水処理が必要になる。それだけで多くの工程と手
間が必要になるという問題点があった。
【0004】燃焼分解という方法の場合には有害物質の
発生が懸念される。混合物が塩類を含有している場合に
は、燃焼過程において有機物と、塩類が含む塩素などの
ハロゲン元素とが反応してダイオキシンなどが発生する
ことが知られている。また、有機物が燃焼するとCO2
が発生する。回収しようとする無機物中にアルカリ等の
水酸化物が含まれている場合、発生したCO2 はそれと
反応して水酸化物を炭酸塩に変化する。こうなると回収
すべきアルカリの純度が低下する。したがって本発明
は、工程数や手間が少なく、アルカリ純度の低下も招か
ない無機物の回収方法を提供することを目的とする。
発生が懸念される。混合物が塩類を含有している場合に
は、燃焼過程において有機物と、塩類が含む塩素などの
ハロゲン元素とが反応してダイオキシンなどが発生する
ことが知られている。また、有機物が燃焼するとCO2
が発生する。回収しようとする無機物中にアルカリ等の
水酸化物が含まれている場合、発生したCO2 はそれと
反応して水酸化物を炭酸塩に変化する。こうなると回収
すべきアルカリの純度が低下する。したがって本発明
は、工程数や手間が少なく、アルカリ純度の低下も招か
ない無機物の回収方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を下
記の手段により解決することができた。 (1)有機物と無機物との混在物を、不活性雰囲気下で
500〜600℃に加熱することにより有機物分を揮発
または水に対して不溶化し、水による無機物の回収を容
易にする前処理方法。 (2)無機物が塩類またはアルカリであることを特徴と
する前記(1)の前処理方法。 (3)有機物と無機物との混在物を、不活性雰囲気下で
500〜600℃に加熱することにより有機物分を揮発
または水に対して不溶化した後、残存物を水で洗浄する
ことを特徴とする無機物の回収方法。 (4)無機物が塩類またはアルカリであることを特徴と
する前記(3)の無機物の回収方法。
記の手段により解決することができた。 (1)有機物と無機物との混在物を、不活性雰囲気下で
500〜600℃に加熱することにより有機物分を揮発
または水に対して不溶化し、水による無機物の回収を容
易にする前処理方法。 (2)無機物が塩類またはアルカリであることを特徴と
する前記(1)の前処理方法。 (3)有機物と無機物との混在物を、不活性雰囲気下で
500〜600℃に加熱することにより有機物分を揮発
または水に対して不溶化した後、残存物を水で洗浄する
ことを特徴とする無機物の回収方法。 (4)無機物が塩類またはアルカリであることを特徴と
する前記(3)の無機物の回収方法。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態を説明す
るが、本発明はこれらの形態に限定されるものではな
い。本発明の前処理方法又は回収方法を適用しようとす
る有機物と無機物の混在物としては、例えばPCBを分
解した残渣物等が挙げられる。PCBの分解には、例え
ば化学分解法と呼ばれ、触媒、アルカリ、水素供与体の
存在下でPCBを300℃〜350℃に加熱し、水素供
与体が放出する水素でPCB中の塩素を置換するという
方法がある。水素供与体とは、PCB中のClがHに置
き換えられるBCD法において、このHの供給源となる
ものであり、炭化水素等が用いられる。
るが、本発明はこれらの形態に限定されるものではな
い。本発明の前処理方法又は回収方法を適用しようとす
る有機物と無機物の混在物としては、例えばPCBを分
解した残渣物等が挙げられる。PCBの分解には、例え
ば化学分解法と呼ばれ、触媒、アルカリ、水素供与体の
存在下でPCBを300℃〜350℃に加熱し、水素供
与体が放出する水素でPCB中の塩素を置換するという
方法がある。水素供与体とは、PCB中のClがHに置
き換えられるBCD法において、このHの供給源となる
ものであり、炭化水素等が用いられる。
【0007】そこで本発明はこうした有機物、無機物の
混在物でなる残渣物等を不活性雰囲気下で500〜60
0℃に加熱する。例えば加熱器を用い、例えば窒素ガス
を導入して炉内を不活性雰囲気下とし、常法に従って加
熱する。実験的には電気炉を用い、るつぼにこれらを収
納して行うという方法もある。こうするとほとんどの有
機成分は揮発するか、または水酸基を有することにより
水溶性である有機成分はその水酸基が外れたり縮合して
エーテル等に変わり、難水溶性もしくは非水溶性とな
る。ただし、加熱温度が500℃未満の場合、有機成分
は揮発し難くなるか、水溶性有機成分は難水溶性もしく
は非水溶性に変化し難くなり好ましくない。600℃を
越えると、塩類が含まれている場合、雰囲気温度がその
融点を超え、加熱炉を形成する耐火材を浸食する可能性
があり好ましくない。また、600℃を超えると塩類か
ら塩素等のハロゲンが遊離しダイオキシン等が発生する
可能性があり、好ましくない。
混在物でなる残渣物等を不活性雰囲気下で500〜60
0℃に加熱する。例えば加熱器を用い、例えば窒素ガス
を導入して炉内を不活性雰囲気下とし、常法に従って加
熱する。実験的には電気炉を用い、るつぼにこれらを収
納して行うという方法もある。こうするとほとんどの有
機成分は揮発するか、または水酸基を有することにより
水溶性である有機成分はその水酸基が外れたり縮合して
エーテル等に変わり、難水溶性もしくは非水溶性とな
る。ただし、加熱温度が500℃未満の場合、有機成分
は揮発し難くなるか、水溶性有機成分は難水溶性もしく
は非水溶性に変化し難くなり好ましくない。600℃を
越えると、塩類が含まれている場合、雰囲気温度がその
融点を超え、加熱炉を形成する耐火材を浸食する可能性
があり好ましくない。また、600℃を超えると塩類か
ら塩素等のハロゲンが遊離しダイオキシン等が発生する
可能性があり、好ましくない。
【0008】不活性雰囲気下であれば500〜600℃
に加熱しても無機物は変化せず、有機物が二酸化炭素に
なることもない。したがってアルカリ性の無機物が炭酸
塩に変わることもなく、水溶性を失わない。また、ダイ
オキシン等が発生することもない。加熱後、こうした混
在物は通常、水で洗浄して水溶性成分と不溶性あるいは
難溶性成分とに分離するとよい(前処理に対して後処理
ともいう)。洗浄水は純水が好ましいが、本発明の目的
を損なわない限り、純水に限らず、他の水溶液を用いて
もよい。無機物であるKCl、KOHなどは水に溶解し
やすい。水溶性の有機性成分は加熱したことによって水
に溶け難くなっている。これによってPCBの分解反応
後の残渣物は有機物と無機物とに容易に分離される。
に加熱しても無機物は変化せず、有機物が二酸化炭素に
なることもない。したがってアルカリ性の無機物が炭酸
塩に変わることもなく、水溶性を失わない。また、ダイ
オキシン等が発生することもない。加熱後、こうした混
在物は通常、水で洗浄して水溶性成分と不溶性あるいは
難溶性成分とに分離するとよい(前処理に対して後処理
ともいう)。洗浄水は純水が好ましいが、本発明の目的
を損なわない限り、純水に限らず、他の水溶液を用いて
もよい。無機物であるKCl、KOHなどは水に溶解し
やすい。水溶性の有機性成分は加熱したことによって水
に溶け難くなっている。これによってPCBの分解反応
後の残渣物は有機物と無機物とに容易に分離される。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。表1は実施例に使用した試料中の成分を示す表であ
る。なお、表1中のKおよびClは、それぞれの実測値
を示し、同表のKOH、KClは、K,Clの実測値か
らの換算値である。
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。表1は実施例に使用した試料中の成分を示す表であ
る。なお、表1中のKおよびClは、それぞれの実測値
を示し、同表のKOH、KClは、K,Clの実測値か
らの換算値である。
【0010】
【表1】
【0011】表1の性状の試料を磁性るつぼに入れて電
気炉に入れ、その電気炉内に窒素を導入して加熱温度を
400℃に設定して1時間保持した。その後、炉内温度
が200℃以下になった時点でるつぼを取り出した。取
り出したるつぼに残る残存物を純水で洗い出し、水溶性
成分を溶解させた。
気炉に入れ、その電気炉内に窒素を導入して加熱温度を
400℃に設定して1時間保持した。その後、炉内温度
が200℃以下になった時点でるつぼを取り出した。取
り出したるつぼに残る残存物を純水で洗い出し、水溶性
成分を溶解させた。
【0012】次いで、加熱温度を500℃,600℃に
設定して同様の実験を行った。それぞれその水溶液を分
析した結果、どの保持温度でも当初試料中に含まれてい
たK元素の内その73〜98%、Cl元素の内そのほぼ
100%を回収することができた。溶解液中の有機物性
状は残存物/水=1のとき400℃ではCOD(化学的
酸素要求量)60000〜140000ppmであった
ものが、500℃で200〜800ppm、600℃で
50〜300ppm程度まで低減することができた。こ
れらの結果を表2及び図1に示す。400℃でCOD
(有機物成分)が60000〜140000ppmであ
ったことは、試料中に含まれていた極性有機物の難水溶
性化が不十分であることを意味する。図1は保持温度と
溶出成分のCODを示す。表2は、保持温度と、それぞ
れ元素単位で求めたK,Clの回収率とを示す。Clが
100%を越えているのは、100%を中心にした測定
誤差範囲である。
設定して同様の実験を行った。それぞれその水溶液を分
析した結果、どの保持温度でも当初試料中に含まれてい
たK元素の内その73〜98%、Cl元素の内そのほぼ
100%を回収することができた。溶解液中の有機物性
状は残存物/水=1のとき400℃ではCOD(化学的
酸素要求量)60000〜140000ppmであった
ものが、500℃で200〜800ppm、600℃で
50〜300ppm程度まで低減することができた。こ
れらの結果を表2及び図1に示す。400℃でCOD
(有機物成分)が60000〜140000ppmであ
ったことは、試料中に含まれていた極性有機物の難水溶
性化が不十分であることを意味する。図1は保持温度と
溶出成分のCODを示す。表2は、保持温度と、それぞ
れ元素単位で求めたK,Clの回収率とを示す。Clが
100%を越えているのは、100%を中心にした測定
誤差範囲である。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】本発明は、有機物と無機物との混在物
を、不活性雰囲気下で500〜600℃に加熱すること
により有機物分を揮発または水に対して不溶化し、水に
よる無機物の回収を容易にすることから、工程や手間数
が少なく、アルカリ純度の低下も招かない無機物の回収
方法を提供することができる。
を、不活性雰囲気下で500〜600℃に加熱すること
により有機物分を揮発または水に対して不溶化し、水に
よる無機物の回収を容易にすることから、工程や手間数
が少なく、アルカリ純度の低下も招かない無機物の回収
方法を提供することができる。
【図1】保持温度と溶出成分のCODを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B09B 3/00 304H (72)発明者 高田 誠 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内
Claims (4)
- 【請求項1】 有機物と無機物との混在物を、不活性雰
囲気下で500〜600℃に加熱することにより有機物
分を揮発または水に対して不溶化し、水による無機物の
回収を容易にする前処理方法。 - 【請求項2】 無機物が塩類またはアルカリであること
を特徴とする請求項1記載の前処理方法。 - 【請求項3】 有機物と無機物との混在物を、不活性雰
囲気下で500〜600℃に加熱することにより有機物
分を揮発または水に対して不溶化した後、残存物を水で
洗浄することを特徴とする無機物の回収方法。 - 【請求項4】 無機物が塩類またはアルカリであること
を特徴とする請求項3記載の無機物の回収方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10117026A JPH11300314A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 有機物中に混在する無機物の回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10117026A JPH11300314A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 有機物中に混在する無機物の回収方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11300314A true JPH11300314A (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=14701616
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10117026A Pending JPH11300314A (ja) | 1998-04-27 | 1998-04-27 | 有機物中に混在する無機物の回収方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11300314A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002029737A (ja) * | 2000-05-08 | 2002-01-29 | Tosoh Corp | 有機物含有無機塩の精製方法及び食塩電解用精製塩 |
-
1998
- 1998-04-27 JP JP10117026A patent/JPH11300314A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002029737A (ja) * | 2000-05-08 | 2002-01-29 | Tosoh Corp | 有機物含有無機塩の精製方法及び食塩電解用精製塩 |
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