JPH11302437A - 高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法 - Google Patents

高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法

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JPH11302437A
JPH11302437A JP11049598A JP11049598A JPH11302437A JP H11302437 A JPH11302437 A JP H11302437A JP 11049598 A JP11049598 A JP 11049598A JP 11049598 A JP11049598 A JP 11049598A JP H11302437 A JPH11302437 A JP H11302437A
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film
liquid
polyolefin
weight polyolefin
microporous
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JP11049598A
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Masaaki Ohashi
正章 大橋
Tatsuo Saito
達夫 斎藤
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】可塑剤及び溶剤を実質的に含まない高分子量
ポリエチレンインフレーションフィルムを第1の液体の
パラフィンオイル中で熱処理して微多孔化し、ついで第
2の液体の1,1−ジフロロ−2,2,3,3−ペンタ
フロオロプロパンに浸漬して洗浄することにより得られ
る高分子量ポリエチレン微多孔フィルムの製造法おい
て、第2の液体による第1の液体への置換を効率よく行
って第2の液体の処理効率を高め、生産性を向上させる
と共に、第2の液体を通るフィルムの走行長を短縮さ
せ、これにより第2の液体を入れる槽を小型化し、第2
の液体の処理液量を少なくする。 【解決手段】第2の液体を沸点の54℃まで加熱してフ
ィルムを洗浄処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、例えば濾過材や非
水系電池セパレータ等に用いられる高分子量ポリオレフ
ィン微多孔フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの
製造方法に関しては、これまで例えば特公平6−284
1号、特公平6−53826号、特公平7−17782
号等により種々提案されている。これらの方法は、いづ
れも微多孔フィルムを得るために、高分子量ポリオレフ
ィンにデカン、ドデカン、デカリン、パラフィンオイ
ル、鉱油等の炭化水素系溶剤、脂肪酸、脂肪酸エステ
ル、脂肪族アルコール等の脂肪酸炭化水素誘導体、パラ
フィン系ワックス或いはジオクチルフタレート、ジブチ
ルセバケート等の低分子量化合物からなる可塑剤を添加
してフィルムを成形した後、該低分子量化合物をフィル
ムから除去しており、特公平6−53826号、特公平
6−2841号には更に高強度の微多孔フィルムを得る
ために低分子量化合物をフィルムから除去すると共に、
得られたフィルムを延伸する方法が提案されている。
【0003】一方、特公平2−19141号及び特公平
6−18915号に示されるように、低分子量化合物を
添加しないで微多孔フィルムを製造する方法も提案され
ている。これらの方法は微多孔化するためにフィルムを
延伸することを必須とし、またいづれも分子量がMFR
で0.2ないし20g/10min と低いポリエチレンが用
いられているので、引張強度が0.02GPa以下、若
しくは高々0.03GPaにとゞまるもので、産業的な
利用が制限されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、先に特願
平9−205501号によりフィルムから除去する工程
が必要となる低分子量化合物を添加せずに高強度を有す
る微多孔フィルムを得るための方法について提案した。
この方法は、可塑剤及び若しくは溶剤を実質的に含まな
い高分子量ポリオレフィンを熱処理して多孔化し、必要
に応じて更に延伸処理するもので、熱処理は炭化水素系
の第1の液体中でポリオレフィンの非晶性部分を選択的
に溶融若しくは溶解して行われ、第1の液体と相溶性が
あり、第1の液体より沸点が低く、かつポリオレフィン
との親和性に劣る第2の液体中に浸漬して洗浄するよう
になっている。
【0005】本発明は、上記方法に改良を加え、高分子
量ポリオレフィン微多孔フィルムを生産性よく製造する
ことができ、特に連続生産に適した製造方法を提供しよ
うとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】本発明はそのため、可塑剤及び若し
くは溶剤を実質的に含まない高分子量ポリオレフィンフ
ィルムを、沸点が熱処理温度以上であり、ポリオレフィ
ンの非晶性部分を選択的に溶融又は溶解させる第1の液
体中で熱処理を行って微多孔化し、ついで第1の液体と
相溶性があり、第1の液体より沸点が低く、かつポリオ
レフィンとの親和性に劣る第2の液体に浸漬して洗浄す
る高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法に
おいて、第2の液体にフィルムを浸漬した状態で超音波
処理を行うことを特徴とする。
【0007】別の発明は、可塑剤及び若しくは溶剤を実
質的に含まない高分子量ポリオレフィンフィルムを、沸
点が熱処理温度以上であり、ポリオレフィンの非晶性部
分を選択的に溶融又は溶解させる第1の液体中で熱処理
を行って微多孔化し、ついで第1の液体と相溶性があ
り、第1の液体より沸点が低く、かつポリオレフィンと
の親和性に劣る第2の液体に浸漬して洗浄する高分子量
ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法において、第
2の液体の温度を30℃以上としたことを特徴とし、好
ましい発明では、第2の液体が煮沸される。
【0008】更に別の発明は、可塑剤及び若しくは溶剤
を実質的に含まない高分子量ポリオレフィンフィルム
を、沸点が熱処理温度以上であり、ポリオレフィンの非
晶性部分を選択的に溶融又は溶解させる第1の液体中で
熱処理を行って微多孔化し、ついで第1の液体と相溶性
があり、第1の液体より沸点が低く、かつポリオレフィ
ンとの親和性に劣る第2の液体に浸漬して洗浄する高分
子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法におい
て、30℃以上の第2の液体にフィルムを浸漬した状態
で超音波処理を行うことを特徴とする。
【0009】上記発明の中では、第2の液体の温度を3
0℃以上にしてフィルムの洗浄を行う発明が好ましく、
第2の液体を煮沸する発明がより好ましい。特に超音波
処理と併用する後者の発明がより一層好ましい。第2の
液体の温度を30℃以上にし、或いは第2の液体を煮沸
する後者の発明では、第1の液体が第2の液体により短
時間で置換されるようになることから特に連続生産に適
している。
【0010】別の発明は、ポリオレフィンフィルムが第
2の液体中に連続送りされることを特徴とする。これに
より微多孔フィルムが連続生産され、フィルムの走行長
を大幅に短縮することが可能となる。更に別の発明は、
上記各発明で用いられる第2の液体が低沸点炭化水素で
あることを特徴とし、更に別の発明は、第2の液体が塩
素フッ素置換低沸点炭化水素であることを特徴とする。
更に別の発明は、第2の液体が、低沸点のハロゲン化炭
化水素であることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の高分子量ポリオレフィン
微多孔フィルムの製造方法で用いられる高分子量ポリオ
レフィンフィルム、第1の液体、第2の液体、処理方法
及び得られたフィルムの特徴について以下詳述する。
〔高分子量ポリオレフィンフィルム〕フィルムの成形に
用いる原料の高分子量ポリオレフィンとは、エチレン、
プロピレン及び炭素数4ないし8のα−オレフィンを、
例えばチーグラー系触媒を用いたスラリー重合により、
単独若しくは二つ以上の組み合わせで重合して得られ
る。好ましい共重合体は、エチレンと少量のプロピレン
若しくは炭素数4ないし8のα−オレフィンの単独ない
し二つ以上の組み合わせによる共重合体である。
【0012】ポリエチレン共重合体の場合、共単量体の
量は5モル%以下が好ましい。これらの中で特に好まし
いものは、エチレンの単独重合体である。高分子量ポリ
オレフィンの極限粘度〔η〕は、4dl/g以上、好ましく
は4ないし25dl/gであり、特に高強度の微多孔フィル
ムを得る目的では、極限粘度〔η〕は5ないし20dl/g
が好ましい。
【0013】フィルムには可塑剤及び若しくは溶剤を実
質的に含まないが、実質的に含まないとは、原料ポリオ
レフィンに多量の可塑剤及び若しくは溶剤が添加されて
いないことを意味する。耐熱安定剤、耐候安定剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、顔料、染料等
の通常ポリオレフィンに添加して使用される各種添加剤
は、本発明の目的を損なわない範囲で配合されていても
良いが、その上限は総量で好ましくは10重量%以下、
更に好ましくは5重量%以下である。
【0014】フィルムの成形は、従来から知られている
インフレーションフィルム法、Tダイ法などによって行
うことができる。このうち、インフレーションフィルム
の成形法については詳しくは、「プラスチックの押出成
形とその応用」〔澤田慶司著:誠文堂新光社発行(19
66年)〕の第4編2章に述べられたポリエチレンやポ
リプロピレンで行われるような一般的な方法が挙げられ
る。
【0015】インフレーションフィルム成形法と比べる
と、T−ダイフィルム成形法の場合、成形されるフィル
ムは溶融延伸をした場合、一軸配向であるため成形後、
フィルムを後処理で面配向させなければならないが、イ
ンフレーションフィルム成形法では、成形時、膨比を適
当に選択することによってフィルム成形時にフィルムを
面配向させることができる。
【0016】フィルムを成形するための好ましい条件
は、ドラフト比と膨比を大きく取ることである。ドラフ
ト比とは、インフレーションフィルムダイのリップ出口
でのフィルム樹脂の流出速度と冷却固化したチューブフ
ィルムの引取り速度であり、また膨比とは、冷却固化し
たチューブフィルムの直径とインフレーションフィルム
ダイの平均直径の比である。通常の場合、ドラフト比
は、2以上の範囲で適宜調整されるが、好ましい範囲は
3以上であり、膨比は1.1ないし20倍の範囲で適宜
調整される。インフレーションフィルムは、例えば特公
平6−55433号公報に詳述されている方法で製造す
ることができる。
【0017】いづれの方法においても、得られるフィル
ムは、極限粘度〔η〕で4ないし25dl/gのもので、結
晶化度が好ましくは60%以上、より好ましくは60〜
70%、機械方向の引張強度で0.04GPa以上、機
械方向に垂直な方向の引張強度で0.04GPa以上で
あり、温度40℃及び湿度90%の条件下で透湿係数が
0.45g ・mm/m2 ・24hr以下の不透気性フィルムで
ある。不透気性フィルムとは、後述する透気性試験にお
いて、透気度が10000秒/100cc以上のフィルム
である。得られるフィルムの厚さには特に制限はない
が、後に続く処理工程での取扱いの都合で好ましくは5
ないし500μm 、更に好ましくは5ないし100μm
である。
【0018】示差走査型熱分析計(DSC)で結晶溶解
熱から求められるフィルムの結晶化度は、ポリエチレン
の場合、好ましくは60%以上、更に好ましくは60な
いし70%である。またポリエチレン以外のポリオレフ
ィンの場合、フィルムの結晶化度は好ましくは40%以
上、更に好ましくは50%以上である。
【0019】本発明のフィルムは、面配向していること
が好ましい。本発明でいう面配向とは、結晶が二軸に配
向していることを指す。フィルムが二軸に配向している
ということは、フィルム面内でポリオレフィンの単位結
晶のうち、分子鎖方向に対応するc軸以外のa軸及びb
軸のいづれかゞ、主としてフィルム面に垂直に存在して
いる状態で、かつその軸以外の例えばc軸がフィルム面
内にほゞ無配向に分布している状態をいう。フィルム面
に垂直に存在する軸は、ポリエチレンの場合、通常a軸
であり、それ以外のポリオレフィンの場合、通常b軸で
ある。
【0020】この状態は、X線回折装置による観測で以
下のようにして確認することができる。すなわち、フィ
ルムのエンド(END)方向からフィルムを赤道方向に
配置してX線を入射し、回折パターンを観察したとき
に、ポリエチレンの場合、配向係数fa(その他のポリ
オレフィンの場合ではfb)が少なくとも0.2以上で
あり、かつフィルムの機械軸方向を子午線方向になるよ
うに配置して、スルー(THROUGTH)方向からX線を入射
し回折パターンを観察したときに、配向係数fcが−
0.2以上0.2以下であるような状態である。
【0021】配向係数fa、fb、fcの求め方及び計
算方法は、「高分子のX線回折(上)」(LEROY
E.ALEXANDER著、桜田一郎監訳、化学同人)
の選択配向の節に記載されている通りである。特にfc
が0.2を上回る場合(c軸配向状態)やfaが0.2
を下回るようなフィルムでは、結晶化度が前記条件を満
たしている場合でも、熱処理で微多孔化することができ
ない場合がある。
【0022】〔熱処理〕上述のフィルムの熱処理は、雰
囲気の状態によっても変わるが、例えばポリエチレンの
場合、通常100℃ないし145℃の温度で10秒ない
し10分といった条件で、処理後の結晶化度が処理前に
比較して10ないし20%程度増大するような条件で行
うことが好ましい。この時、フィルムは収縮を妨げるよ
うに、好ましくは少なくとも一方向で、最も好ましくは
二方向で固定される。収縮が余儀なくされる場合の好ま
しい収縮の許容範囲は、長さ及び幅方向で10%以下で
ある。
【0023】上述のフィルムで、結晶化度が60%以上
のものであっても、更に結晶化度を高める目的で熱処理
を行うことは、微多孔化したあとの高空孔率を確保する
ためには好ましいことである。フィルムの結晶化度を高
める操作は、延伸を伴う熱処理であってもよい。フィル
ムの二方向を固定した場合、上述の処理で、フィルムは
微多孔化する。後述する特定の第1の液体を用いている
場合には、固定状態のまゝ洗浄することにより微多孔フ
ィルムを得ることができる。
【0024】〔第1の液体〕第1の液体は、高分子量ポ
リオレフィンと適度な親和性を持つ液体である。高分子
量ポリオレフィンと適度な新和性を持つということは、
高分子量ポリオレフィンフィルムを成形し、それを処理
温度で第1の液体に浸漬したとき、フィルムの結晶部分
には作用せずに主として非晶性部分に浸透し、選択的に
溶融もしくは溶解させ、冷却した時にその一部を結晶化
させ、全体として結晶化度を上げ得るものである。した
がって著しく親和性が優れ、熱処理温度域でポリオレフ
ィンの結晶を溶解する溶剤は排除される。
【0025】なお、高分子量ポリオレフィンと親和性を
持つとは、高分子量ポリオレフィンフィルムに液体が充
分に馴染むことであり、表面張力が小さいと言い換える
ことができる。そしてその尺度としては接触角で100
度以下、好ましくは90度以下、更に好ましくは80度
以下の液体である(なお、表面張力は市販の自動接触角
計を用い、常法で測定できる)。
【0026】また、高分子量ポリオレフィンの結晶を熱
処理温度域で溶解しない液体とは、例えば溶液セルを装
着した示差走査熱量計(DSC)で、液体の存在下で高
分子ポリオレフィンの融点をセカンドランで観察した時
に、高分子量ポリオレフィン単独の融点に比べて、その
融点を20℃以上低下させない液体である。液体の高分
子量ポリオレフィンに対する親和性は処理温度によって
も変わるので、処理温度と液体の種類を選ぶことにより
適度な親和性を得て、多孔化の効果を最大限まで上げる
ことができる。
【0027】このような第1の液体としては、エタノー
ル、プロパノール、ブチルアルコール、アミノアルコー
ル等のような低級脂肪族アルコール類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等のような低級脂肪
族ケトン;ギ酸エチル、酢酸ブチル等のような低級脂肪
族エステル;四塩化炭素、トリクロロエチレン、パーク
ロロエチレン、クロロベンゼン等のようなハロゲン化炭
化水素;ヘプタン、シクロヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン等のような炭化水素;ピリジン、ホルムア
ミド、ジメチルホルムアミド等のような窒素含有有機化
合物;メチルエーテル、エチルエーテル、ジオキサン、
ブチルセロソロブ等のようなエーテルである。また、モ
ノエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等のようなグリコール類、一般的に加
温熱媒として用いられるシリコンオイル等も好ましい液
体である。
【0028】これらの液体は、2種又は2種以上の混合
物として使用することもできる。また界面活性剤を添加
した温水、熱水も有効であるが、ベンゼン、キシレン、
テトラリンは、高分子量ポリオレフィンを熱処理温度で
溶解するため好ましくない。ポリエチレン及びポリプロ
ピレンに対する好適な第1の液体は、オクタン、デカ
ン、ドデカン、パラフィンオイル、溶融パラフィンワッ
クスやそれらを主成分とする液体、これらの少なくとも
一種類以上の組成物の液体である。
【0029】熱処理温度は、ポリオレフィンの種類や液
体の種類にもよるが、例えば前述したように、ポリエチ
レンの場合では、通常100℃ないし145℃、好まし
くは115℃ないし140℃である。ポリエチレン以外
の場合のポリオレフィンの場合の処理温度は、通常50
℃ないし150℃、好ましくは80℃ないし140℃で
ある。一般的に処理時間は、処理前フィルムが処理温度
に到達後、10秒ないし10分間、好ましくは30秒な
いし5分間であり、処理温度が高くなれば、処理時間を
短くすることができる。なお、必要以上の処理時間は微
多孔フィルムの引張強度を低下させるおそれがあるので
避けたほうが好ましい。
【0030】インフレーションフィルム成形機で成形さ
れたフィルムは、ピンチロールで押えて巻き取られるチ
ューブやフィルムであるから熱処理や付加的な延伸処理
に際しては、例えば、一方の端を切り離して単一のフィ
ルムとして取り扱う。インフレーションフィルムの場
合、T−ダイフィルム成形と比較すると、T−ダイフィ
ルムのように両端部(耳部)を切り捨てる必要がないた
め収率面でも優位である。
【0031】〔第2の液体〕第2の液体は、第1の液体
と相溶性があり、その液体よりも沸点が低く、かつその
液体よりもポリオレフィンとの親和性に劣る液体で、第
1の液体中で熱処理を行ったフィルムは次に第2の液体
に浸漬して洗浄される。洗浄時においても処理フィルム
は、収縮を抑えるように、好ましくは少なくとも一方向
で、最も好ましくは二方向で固定される。収縮が余儀な
くされる場合の好ましい収縮の許容範囲は、長さ及び幅
方向で10%以下である。
【0032】用いることのせきる第2の液体の例として
は、ヘキサン、ヘプタンのような低沸点炭化水素、塩化
メチレンのような塩素置換低沸点炭化水素、1,2−ジ
クロロ−2,2,2−トリフルオロエタン、1,1−ジ
クロロ−1−フルオロエタン、1,3−ジクロロ−1,
1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロパノールのような塩素
フッ素置換低沸点炭化水素が挙げられる。
【0033】第2の液体での洗浄は、第2の液体を加熱
及び若しくは第2の液体中でフィルムを超音波処理する
ことにより行われる。第2の液体を加熱する場合の温度
は、液体の種類によっても異なるが、30℃以上、好ま
しくは30〜100℃、より好ましくは第2の液体の沸
点である。30℃以上の第2の液体に浸漬することによ
り、短時間で効率よく第1の液体が第2の液体に置換す
る。そのため第2の液体への浸漬時間が大幅に短縮さ
れ、特に連続生産においてはフィルムの走行長を大幅に
短縮することができる。また、多孔フィルムの良好な性
質を損なうことが少ない。
【0034】なお圧力は常圧でも加圧下でもよく、又減
圧下でも可能であるが、通常、常圧である。超音波処理
する場合、使用される超音波の波長は通常、15〜70
KHz、好ましくは、40〜60KHzで、液中に超音
波発生装置を浸漬するか、或いは槽外壁に超音波発生装
置を取付けるなどの方法によって超音波処理することが
できる。
【0035】超音波処理は、第2の液体を加熱するのと
併用するのが望ましいが、超音波処理するときの液温
は、例えば10〜45℃である。乾燥された微多孔フィ
ルムは、フィルムの皺の除去、空孔率やフィルム厚みの
調整、フィルムの表面摩擦係数の低減化のためにヒート
セットを行ってもよい。ヒートセット時の条件は、気体
(空気)雰囲気下で温度や処理時間などが適宜選ばれ
る。
【0036】〔延伸〕本発明は、可塑剤及び/若しくは
溶剤を実質的に含まないポリオレフィン不透気性フィル
ムを熱処理を行って微多孔化する高分子量ポリオレフィ
ン微多孔フィルムの製造方法を提供するものであるが、
熱処理する際に、引張強度の更に大きなフィルムを得る
ためやフィルムの空孔率、孔径の調整のために熱処理と
同時に延伸、或いは熱処理前後に延伸を行ってもよい。
【0037】延伸は、処理前フィルムの融点以下で行わ
れる。延伸温度の下限は高分子量ポリオレフィンの種類
にもよるが、フィルムの融点−40℃前後である。高分
子量ポリオレフィンがポリエチレンであれば、100℃
でないし145℃である。延伸倍率は、一軸延伸の場
合、150%以上、好ましくは150%ないし500%
である。一軸延伸の場合には、一定幅一軸延伸が好まし
い。二軸延伸の場合は、面倍率で150%以上、好まし
くは150%ないし2500%である。
【0038】延伸は、空気雰囲気下で行ってもよいし、
また上述の熱処理の部分で述べたように、高分子量ポリ
オレフィンと適度な親和性を持ち、かつ延伸処理温度で
ポリオレフィン処理前フィルムを溶解しない第1の液体
との接触下で行ってもよい。延伸の方法は、横方向の幅
の収縮(幅落ち)を最小限に抑えた一軸延伸、若しくは
テンタークリップで横方向の収縮を妨げた一軸延伸や、
通常の二軸延伸試験機で行われる全テンタークリップ方
式による逐次若しくは同時二軸延伸、更には一段目を一
対のロールで延伸し、次いでテンタークリップで横方向
に延伸する連続逐次二軸延伸、又は連続テンタークリッ
プ方式の連続同時二次クリップ延伸が適用できる。
【0039】本発明で得られる微多孔フィルムは、微多
孔構造を有するものであるにもかゝわらず、強度、特に
引張強度に優れている。空孔率は、処理前フィルムの熱
処理及び必要に応じて延伸処理を適宜選択することによ
り、例えば30ないし60%の範囲で選択することがで
きる。透気性は例えばガーレー値で1900秒/100
cc以下、好ましくは1500秒/100cc以下である。
【0040】引張強度は、空孔率の選択にもよるが、フ
ィルムの実際の断面積に基づいて計算して全方向にわた
り例えば0.05GPa以上、好ましくは0.08GP
a以上である。したがって、本発明の高分子量ポリオレ
フィン微多孔フィルムは、また例えば以下のような特徴
を有するものである。
【0041】すなわち、(a)空孔率が25%以上、好ま
しくは30%以上、(b)透気度が1900秒/100cc
以下、好ましくは1500秒/100cc以下、(c)引張
強度が0.05GPa以上、好ましくは0.08GPa
以上、(d)不透気化温度が140℃以下、好ましくは1
30℃ないし137℃、(e)極限粘度〔η〕が4dl/g以
上、好ましくは4dl/gないし25dl/g、の高分子量ポリ
オレフィン微多孔フィルムである。
【0042】本発明における前記特性は、下記の方法に
よって測定することができる。 〔極限粘度〕本明細書中での極限粘度は、デカリン溶媒
にて130℃で測定する値である。測定方法は、AST
M D4020に基づいて行う。 〔膜厚の測定〕東京精密株式会社製膜厚測定機ミニアッ
クス(型式DH−150型)にて測定した。
【0043】〔平均細孔径〕湯浅アイオニクス社製水銀
法ポロシメータ(型式オートスキャン33)で測定した
細孔径の極大値を平均細孔径とした。 〔空孔率〕試料フィルム重量を測定し、密度を0.95
g/cm3 として緻密フィルムとしての厚みを計算で求め、
上述の膜厚測定機による値との関係で求めた。
【0044】
【数1】
【0045】ここで、To は膜厚測定機で求めた実際の
フィルムの厚み、Tw は重量から計算で求めた空孔率0
%としてのフィルムの厚みである。 〔引張強度〕オリエンテック社製引張試験機テンシロン
(型式RTM100型)で室温(23℃)で行った。A
STM D882の方法A(試料幅15mm)により測定
し、算出した。
【0046】〔透気度の測定(ガーレー試験)〕AST
M D727に準じ、フィルムを標準ガーレーデンソメ
ーター(GurleyDensometer:東洋精機製作所製B型ガー
レーデンソメーター)により測定した。 〔融点の測定〕本発明にいうところの融点は、ASTM
D3417により、示差走査型熱量計(DSC)によ
り測定した値である。
【0047】〔結晶化度〕本発明による結晶化度は、示
差走査熱量計(DSC)により、ASTM D3417
に示された条件で融点を測定した際に、同時に測定され
る融解熱量を用い、理論結晶溶解熱量の値に対する割合
として計算で求めた。 〔配向係数の測定〕理学電気株式会社製X線回折装置
(型番RU300)にて測定した。
【0048】〔不透気化温度〕予め、乾燥窒素雰囲気下
(水分量50ppm 以下)で、モレキュラーシーブ(和光
純薬製:4A)で脱水処理した炭酸プロピレンを溶媒と
して、無水過塩素酸リチウムの1mol/リットルの溶液を
調製し、この溶液を減圧走査を利用してフィルムに含浸
した。このフィルムをニッケル電極に挟み、昇温下でイ
ンピーダンスメーター( 三田無線研究所製: モデルD−
52S)でフィルムの体積電気抵抗率を測定した。装置
及び測定法は、ラマンらの報告(F.C.Laman et al.,J.E
lectrochem.Soc.,Vol.140,51-53(1993) )に基づいた。
【0049】常温(23℃)での体積当たりの抵抗率を
フィルムの体積電気抵抗率とし、昇温を行ってその抵抗
率が急激に増大した温度を不透気化温度とした。 〔高分子量ポリオレフィンフィルム〕本発明で得られる
高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムは、例えば葉脈
状をなすフィブリルを主な構成要素とし、該フィブリル
の各繊維上に不定形で大きさ1μm 以下の微結晶が凝集
して存在した構造となっている。こうしたものでは、引
張強度が0.05GPa以上、好ましくは0.08GP
a以上でありながら、不透気化温度が140℃以下、好
ましくは130℃ないし137℃と従来のポリオレフィ
ン微多孔フィルムでは到達し得ない引張強度と不透気化
温度とのバランスに優れた微多孔フィルムを得ることも
可能である。
【0050】実施例 実施例1 図1に示すように、第1の液体である流動パラフィンオ
イルを入れた槽1と、第2の液体である1,1−ジフロ
ロ−2,2,3,3−ペンタフロオロプロパン(HCF
C−225)をそれぞれ入れた複数の槽2a、2bより
なる処理装置を用い、極限粘度〔η〕が7.6dl/g、厚
みが13.5μm の高分子量ポリエチレンインフレーシ
ョンフィルムよりなる原反フィルム3を連続送りし、第
1の槽1に入れられる125℃のパラフィンオイル中に
60秒間通して熱処理を行い、微多孔化したのち、つゞ
いて第2の槽2aに入れられて、30℃のHCFC−2
25(パラフィンオイル濃度6重量%)中に30秒間通
して洗浄し、パラフィンイルを塩素フッ素置換炭化水素
と置換処理した。処理後のフィルム中の残留パラフィン
オイル濃度(以下、「残PO濃度」という)を測定した
ところ60重量%であった。
【0051】ここで残PO濃度は次のようにして求めら
れる。処理後のフィルムの重量をW1、処理後のフィル
ムをn−ヘキサンに浸漬して5時間後に取出し、乾燥し
たのちのフィルムの重量をW2とすると、
【数2】 実施例2 第2の液体の塩素フッ素置換低沸点炭化水素の液温を4
0℃とする以外は、実施例1と同じ条件で実施例1と同
じ原反フィルムを熱処理した。処理後のフィルム中の残
PO濃度を測定したところ60重量%であった。
【0052】実施例3 第2の液体の塩素フッ素置換低沸点炭化水素の液温を5
0℃とする以外は、実施例1と同じ条件で実施例1と同
じ原反フィルムを熱処理した。処理後のフィルム中の残
PO濃度を測定したところ60重量%であった。
【0053】実施例4 第2の液体の塩素フッ素置換低沸点炭化水素の液温を5
0℃とする以外は、実施例1と同じ条件で実施例1と同
じ原反フィルムを熱処理した。処理後のフィルム中の残
PO濃度を測定したところ56重量%であった。
【0054】比較例1 第2の液体の塩素フッ素置換低沸点炭化水素を22〜2
3℃の室温にして実施例1と同じ条件で実施例1と同じ
原反フィルムを熱処理した。処理後のフィルム中の残P
O濃度を測定したところ80重量%であった。
【0055】比較例2 塩素フッ素置換低沸点炭化水素による処理時間を50秒
とする以外は、比較例1と同じ条件で実施例1と同じ原
反フィルムを熱処理した。処理後のフィルム中の残PO
濃度を測定したところ60重量%であった。以上の結果
を以下の表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1に見られるように、第2の液体温度を
30℃以上に上げ、特に54℃の沸点まで上げると、室
温で処理するよりも処理時間が同じでも残PO濃度を大
幅に下げることができた。これにより処理効率が上が
り、フィルムの走行長を短縮し、第2の液体が入れられ
る槽を短縮することが可能となった。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によると、可塑剤及
び若しくは溶剤を実質的に含まない高分子量ポリオレフ
ィンを第1の液体中で熱処理して微多孔化し、ついで第
2の液体に浸漬して洗浄することによって得られる高分
子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法におい
て、第2の液体による第1の液体への置換が効率よく行
われて第2の液体の処理効率が高まり、生産性を向上さ
せると共に、第2の液体を通るフィルムの走行長を短縮
させ、第2の液体を入れる槽を小型化し、第2の液体の
処理液量を少なくすることができる。
【0059】請求項2記載の発明によると、第2の液体
による第1の液体への置換が効率よく行われ、請求項3
更には請求項4記載の発明によると、置換がより一層効
率よく行われ、上述する効果がより一層向上する。請求
項5記載の発明によると、微多孔フィルムが連続生産さ
れ、フィルムの走行長を大幅に短縮して第2の液体を入
れる槽や第2の液体の処理液量をより一層少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる処理装置の概略図。
【符号の説明】
1、2・・槽 3・・原反フィルム

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】可塑剤及び若しくは溶剤を実質的に含まな
    い高分子量ポリオレフィンフィルムを、沸点が熱処理温
    度以上であり、ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に
    溶融又は溶解させる第1の液体中で熱処理を行って微多
    孔化し、ついで第1の液体と相溶性があり、第1の液体
    より沸点が低く、かつポリオレフィンとの親和性に劣る
    第2の液体に浸漬して洗浄する高分子量ポリオレフィン
    微多孔フィルムの製造方法において、第2の液体にフィ
    ルムを浸漬した状態で超音波処理を行うことを特徴とす
    る高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】可塑剤及び若しくは溶剤を実質的に含まな
    い高分子量ポリオレフィンフィルムを、沸点が熱処理温
    度以上であり、ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に
    溶融又は溶解させる第1の液体中で熱処理を行って微多
    孔化し、ついで第1の液体と相溶性があり、第1の液体
    より沸点が低く、かつポリオレフィンとの親和性に劣る
    第2の液体に浸漬して洗浄する高分子量ポリオレフィン
    微多孔フィルムの製造方法において、第2の液体の温度
    を30℃以上としたことを特徴とする高分子量ポリオレ
    フィン微多孔フィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】第2の液体は煮沸される請求項2記載の高
    分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法。
  4. 【請求項4】可塑剤及び若しくは溶剤を実質的に含まな
    い高分子量ポリオレフィンフィルムを、沸点が熱処理温
    度以上であり、ポリオレフィンの非晶性部分を選択的に
    溶融又は溶解させる第1の液体中で熱処理を行って微多
    孔化し、ついで第1の液体と相溶性があり、第1の液体
    より沸点が低く、かつポリオレフィンとの親和性に劣る
    第2の液体に浸漬して洗浄する高分子量ポリオレフィン
    微多孔フィルムの製造方法において、30℃以上の第2
    の液体にフィルムを浸漬した状態で超音波処理を行うこ
    とを特徴とする高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
    の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリオレフィンフィルムが第2の液体中に
    連続送りされることを特徴とする請求高1ないし4のい
    づれかの請求項に記載の高分子量ポリオレフィン微多孔
    フィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】第2の液体が第1の液体中での熱処理温度
    より低沸点の炭化水素であることを特徴とする請求項1
    ないし5のいづれかの請求項に記載の高分子量ポリオレ
    フィン微多孔フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】第2の液体が塩素フッ素置換低沸点炭化水
    素であることを特徴とする請求項1ないし5のいづれか
    の請求項に記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フィル
    ムの製造方法。
  8. 【請求項8】第2の液体が低沸点のハロゲン化炭化水素
    であることを特徴とする請求項1ないし5のいづれかの
    請求項に記載の高分子量ポリオレフィン微多孔フィルム
    の製造方法。
JP11049598A 1998-04-21 1998-04-21 高分子量ポリオレフィン微多孔フィルムの製造方法 Withdrawn JPH11302437A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006008959A (ja) * 2004-05-28 2006-01-12 Mitsui Chemicals Inc 高分子量ポリオレフィン多孔フィルム

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