JPH11304531A - 乗り物の位置の高精度測定方法および同方法を実施するための装置 - Google Patents

乗り物の位置の高精度測定方法および同方法を実施するための装置

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JPH11304531A
JPH11304531A JP29893298A JP29893298A JPH11304531A JP H11304531 A JPH11304531 A JP H11304531A JP 29893298 A JP29893298 A JP 29893298A JP 29893298 A JP29893298 A JP 29893298A JP H11304531 A JPH11304531 A JP H11304531A
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sensor
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Jean-Paul Guyvarch
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 路線に添ってビーコンのような構造物を設
置せずに、乗り物の位置を、常時、高精度で(千分の1
よりも格段に優れた精度で)測定することができる方法
を提供する。当該方法は、必要に応じて速度の測定を可
能にするものであっても良い。 【解決手段】 車輌1の両端部には屋根に固定されたセ
ンサー2と側方のセンサー3として極超短波(micr
owave)アンテナが設置されている。乗り物に搭載
した極超短波放射測定センサーで路線近傍の橋梁、トン
ネル、建築物のような背景(空または地面)に対して高
い温度コントラストを有する対象物を検出し、対象物の
記憶されている位置に基づき積算距離計の表示を修正す
ることで位置情報の精度を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乗り物の位置または
速度の測定方法、位置および速度の測定方法、あるい
は、当該方法を実施するための装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】線路
を走行する列車の位置を常時、正確に把握しておくこと
は重要である。列車の位置の正確な測定は、走行システ
ムに何らかの異常が発生した場合や、複数の列車が単線
上を双方向に走行する場合、将来の懸垂型列車がカーブ
を予測する場合等において特に必要になる。
【0003】このような需要に対して、列車には精度が
千分の2ないし3程度の車軸回転計が装備されているに
過ぎないのが現状である。距離計レーダーも提案されて
はいるが、これも精度を千分の1程度に向上させるに過
ぎない。
【0004】上記の精度は、500kmの走行距離に対
して誤差が500mに達することを考えれば十分ではな
い。本発明の目的は、常に10m以下の誤差で乗り物の
位置を検出できるようにすることである。
【0005】本発明が目標とする精度は、線路に沿って
一定の間隔をおいて特定の信号を発信する位置調整用ビ
ーコンを配置することによって達成することも可能であ
る。しかし、この場合、極めて高い信頼性を要求される
ビーコンの値段、ビーコンの設置および維持に必要な費
用が問題となる。
【0006】乗り物、特に航空機の位置を常時把握する
ためには、人工衛星ネットワークを利用したGPS(Gl
obal Positioning System:全地球位置発見システム)受
信機が利用されている。しかし、同システムを利用する
には、人工衛星からの信号を常時受信可能なGPS受信
機が必要である。ところが、トンネルや山塊が迫った谷
においては、人工衛星からの信号を受信することは不可
能である。さらに、民生機器の場合にはGPSを利用し
ても測定精度は数百メートル止まりである。
【0007】道路や走行路線に位置する橋梁のような目
標物を利用する位置測定システムも知られており、これ
らの目標物を検出するためには次に述べるような種々の
方法が提案されている。 −高周波の減衰特性を利用する方法(フィリップス社に
よるヨーロッパ特許出願EP0605926A) −GPS信号の変化および/または地磁気の変化を利用
する方法(Zexelによる特許出願 WO94165
04A) −音響的、光学的あるいはレーダーセンサーを利用する
方法(BoschによるDE4217555A)
【0008】本発明の目的は、路線に添ってビーコンの
ような構造物を設置せずに、乗り物の位置を、常時、高
精度で(千分の1よりも格段に優れた精度で)測定する
ことができる方法を提供することである。当該方法は、
必要に応じてさらに速度の測定を行うものであっても良
い。
【0009】本願発明の他の目的は、上記の測定方法を
実施することができ、経済的で、種々のタイプの乗り物
に搭載することができ、全天候にわたって高精度の測定
を可能にする装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
本発明の提案する乗り物の高精度の位置測定方法は、乗
り物に信号処理回路に接続された少なくとも一つのセン
サーを設け、乗り物の走行経路の近傍にあって且つその
位置が正確に把握され乗り物内で記憶されている対象
物、当該対象物は乗り物が走行する経路の長さに比較し
てはるかに短い間隔で存在する、の表面に概略直角にセ
ンサーを向け、センサーの測定値のコントラストが所定
の閾値を越えた場合には対象物を検出したと判断し、記
憶された対象物の位置から該当するものを選択して、そ
の位置を乗り物内で表示すると共に必要に応じて、制御
室への送信、統計処理、乗員・乗客への連絡に用いるも
のである。ここにおいてセンサーは、極超短波(microwa
ve)モードで作動する放射測定センサーであり、該セン
サーは、背景(background)の極超短波「温度」に対する
対象物表面の極超短波「温度」のコントラストに基づい
て対象物の表面を検出する。
【0011】対象物検出の信頼度を向上させるために、
上記の方法を実際に運用する前に実験車輛を用いて試験
的な運行を一回あるいは複数回行うことが望ましい。
【0012】本発明による方法あるいは装置は、特に乗
り物の進路の上空を横断する橋梁のような検出容易な構
造物を対象物として使用することができる。本発明は、
極超短波モードで作動する放射測定センサー(radiometr
ical sensor)を使用することも特徴の一つである。前出
の3つの文献に記載された発明と比較して、本発明によ
る方法あるいは装置は以下の点において優れる。 −高周波あるいはGSP波の減衰を測定する方法に比較
して、本発明による方法は、対象物表面の凹凸あるいは
天候等の波動伝播外乱要因の影響を受けにくく安定度が
高い。さらに、本発明による方法は(数センチメートル
以内の誤差にまで)格段に測定精度を向上させることが
でき、(橋のように)対象物の幅が予め分っているよう
な場合には容易に速度を測定することができる。 −磁場の変化を測定する方法に比較しても、本発明によ
る方法は格段に優れた測定精度を実現し、対象物の近傍
にトラックが止まっているような場合にもこの大きな金
属塊の影響を受けることがない。 −光学的センサーを使用する方法に比較して、本発明に
よる方法は天候変化に対する安定性が高く、障害物ある
いは汚れ等によって視野がふさがれることが無い。 −レーダーセンサーを使用する方法に比較して、本発明
による方法は完全に受動的でありセンサー相互のカップ
リングに配慮する必要がない利点を有し、シンチレーシ
ョンが無く再現性の高い信号に依拠する方法である。ま
た、送信用機器、ドップラー周波数解析装置、距離測定
装置等が不要であること、測定装置において周波数変換
が不要であることを理由にセンサーが極めて安価である
【0013】以下においては、本発明の方法および装置
を列車に搭載した例に基づいて説明するが、バスのよう
に線路上を走行しない乗り物、あるいは自動車のように
走行経路が予め決まっていない乗り物にも利用可能であ
る。本発明による方法を実施するには、センサーによっ
て確実に検出することができる対象物が、乗り物の移動
距離に比較して短い間隔で(例えば移動距離の100分
の1あるいはそれ以下の間隔で)存在すれば十分であ
る。対象物は、乗り物の走行路より上方にあって且つ平
坦な面を有する構造物、例えば橋梁、トンネル等、ある
いは、走行路の近傍に走行路に沿って存在する特定の建
築物や構造物(例えば、配電設備、変電設備、格納庫、
鉄道の交差点の擁壁など)であることが望ましい。長い
区間にわたって走行路近傍にこのような対象物が存在し
ない場合は、これらに代わる対象物を一定の間隔で(特
に一定間隔である必要はないが)、例えば5kmおきあ
るいは10kmおきに設置することもできる。これらの
対象物は電気・電波の観点からは静的なので(電子的部
品を有していない)、設置等に要する費用は少ない。
【0014】これらの対象物をセンサーによって間違い
無く検出するために、本発明では放射測定センサー(rad
iometrical sensor)を使用する。極超短波あるいはマイ
クロ波を利用したこの種のセンサーは、天候や時刻に無
関係に、対象物の背景にある空または地面のバックグラ
ウンドと対象物の温度のコントラストを捕らえることが
できる。
【0015】本発明によって対象物の水平面を検出する
には、車輛の端部にほぼ鉛直上方に向けて(たとえば鉛
直方向から10度程度傾いた向きに)放射測定センサー
を向け、たとえば橋梁の下面等である水平面の開始位置
を検出できるようにする。橋梁の下面等は、鉛直上方の
空に比べて暖かく、100oK以上の温度コントラスト
を有する。一方、空は、天候如何に関わらず使用周波数
において検知可能な程度に「低温」である。この方法を
実施するために、極超短波の静的センサーとして作用す
るアンテナを車輛の天井部分あるいは窓ガラスの内側に
設置し、このアンテナを適当な測定回路に接続する。こ
のアンテナは、平面アンテナ、ホーン型アンテナ、パラ
ボラアンテナ等どのような形式でも良い。アンテナロー
ブの開口角は数度であり対象物がアンテナに近いことを
考慮すれば、水平面である橋梁の下面等の開始位置の検
出精度は数センチメートル程度になる。
【0016】乗り物が電車である場合、センサーから見
た送電線とその懸架装置の表面積は小さく、橋梁等の対
象物は大きく暖かい表面を有するので、送電線等がセン
サーに与える影響は小さい。
【0017】さらに、フランス高速鉄道(TGV)のよ
うに最近建設された鉄道路線には橋梁の数が多いので
(平均的には3〜4キロメートルおきに橋梁と交差す
る)、他の対象物無しで十分な位置修正を行うことが出
来る。従来の鉄道路線には道路との平面交差が多く、線
路が橋梁に出合う間隔ははるかに長いので、他の対象物
を利用して位置修正を行う必要が有る。遮断機の遮断棒
は対象物として好適である。一般的には遮断棒は長さが
数メートルで直径は10センチメートル程度である。こ
の場合には、センサーは遮断棒に向けて、水平あるいは
若干下向きに設定されている必要が有る。このような棒
は冷たい空を反射しており、熱い地面に対して逆のコン
トラストを有する。
【0018】橋梁や交差が少ない鉄道路線、橋梁の数が
少ない道路や水路を通行する自動車や船舶の場合、建築
物、塀、鉄塔等の、通路に近接する他の対象物あるいは
岩、大きな木等の天然の対象物を使用することが可能で
あり、さらには通路の近傍に所定の大きさの板等特定の
対象物を設置することも可能である。
【0019】センサー等を搭載した乗り物の運転を開始
するに先だって、同様なセンサーを搭載した試験車輛を
異なる天候条件の下で数回にわたって試験運行させるこ
とが望ましい。試験車輛が検出した信号を記録し、この
うち信頼性の高い対象物に関する情報を選別する。すな
わち、車輛、送電線の懸架装置のように太陽光線の影
響、時刻の影響、天候の影響等によって測定の再現性が
損なわれる対象物を除外する。選択した対象物に関する
情報は座標情報と共に以降において参照されることにな
るデータベースに記憶させ、たとえばその情報をその路
線の全部又は一部を走行する車輛に搭載した記憶装置に
記録する。以後、当該路線を走行する車輛においては、
当該車輛のセンサーで測定した測定値と記録されている
データを比較参照することでセンサーからの情報の誤り
を排除することが可能になる。
【0020】誤った情報は、送電線、車輛、航空機、天
候状況等に起因して発生することがある。センサーから
の誤情報を排除するには、確実な対象物が存在しない区
間を走行している間はセンサーのスイッチを切ってお
き、記録されている対象物に接近した時に一時的にセン
サーのスイッチをいれる(「ウインドウを開く」とも言
う)ことが考えられる。対象物のおおよその位置は、車
輛に搭載された通常積算距離計と称する位置検出装置に
よって推定する。一定時間の間ウインドウを開けておく
ことによって積算距離計の誤差に対応することができ
る。本発明の方法で修正を行わなければ積算距離計の誤
差は大きいが、本発明の方法によって修正を重ねた場合
は当該誤差は十分許容される範囲になるか、場合によっ
ては無視し得る程度にまで小さくなる点は注目に値す
る。
【0021】また、本発明の方法は、積算距離計を搭載
しない車輛においても使用し得ることは明らかである。
積算距離計を搭載しない車両の場合には、車輛の出発点
から速度の測定を開始する。この方法によれば速度を測
定した2つの地点の間に経過した時間と速度とに基づい
て測定点の間の距離を、少なくとも概算することができ
る。この目的のためには対象物間の距離は大きくないこ
とが望ましく、必要なら人工的な対象物が設置されても
よい。2つの測定点間において速度が実用的な範囲で一
定であれば、電子的な積算計は、補間あるいは外挿処理
を行って中間の点においても概略の位置を示すことがで
きる。積算計が示す位置は、測定点と測定点との間にお
いては概略のものであるが、対象物近傍を通過する際に
補正されて正確なものになる。
【0022】本発明の方法によれば速度を非常に正確に
測定することが出来ることも特徴の一つである。そのた
めには、予め正確に距離を測定した車輛上の2点に放射
測定センサーを設置する。車輛の速度を測定するには、
同一の対象物が2つのセンサーで測定された時間差を求
めるだけで十分である。2つのセンサー間の距離が予め
わかっているので、距離と時間差によって車両の速度を
容易に算出することができる。速度算出のための対象物
については、必ずしもデータ−ベースに位置が記録され
ている必要は無い。車両の走行速度と2つのセンサー間
の距離とを考えれば、2つのセンサーが同一の対象物を
測定する際の時間差は一般に非常に小さい。このこと
は、速度測定が行われる場合、2つのセンサーの測定環
境はほとんど同一であることを意味している。したがっ
て、2つのセンサーを用いれば、2つのセンサーによる
測定値相互の相関が高くなり、1つのセンサーのみに基
づく場合に比較して対象物と背景の温度差が小さくても
測定が可能になる。
【0023】一般的に、測定精度は以下の要因に依存す
る。 −放射測定装置(放射計)の精度 −ローブ(antenna beam)の幅 −測定頻度(経路の単位長さ当たりの対象物の数) −対象物の温度コントラスト(対象物の特性と天候に依
存する) −車輛上のセンサーの位置 −車輛の移動速度
【0024】放射測定装置の精度ΔTminは、下記の式で
概算することができる。 ΔTmin = Tsys (BHF ・τi)-1/2 ここで、Tsys = Trec + Tbackground Trecは、センサーが接続されている測定装置の雑音温度 Tbackgroundは、背景の放射温度 BHFは、測定装置の極超短波帯域幅 τiは、測定の時間積分幅 現在の先端機器を用いた場合、典型的な測定装置の雑音
温度は、16GHzでTrec≒200oK、94GHzでTrec≒9
00oKである。
【0025】背景の温度は地面を背景とするか空を背景
とするか、センサーの向いている角度、天候、および、
センサーの測定周波数に依存する。一例として、McGraw
Hill社刊の「レーダーハンドブック」M. J. Skolnikの
39章の記載を参照されたい。当該ハンドブックには、
測定波長、角度、天候毎に空の測定温度を示すグラフが
掲載されている。例えば、曇天の天頂方向に関して、1
6GHzではTbackground≒30oK、94GHzではTbackgrou
nd≒100oKとなっている。おおむね植物相で覆われて
いる地表面に関して、好天時、Tbackground≒300oK
である。測定される極超短波の帯域幅は、周波数領域に
依存する。典型的な例では、16GHz近傍でBHF=1GHz、
94GHz近傍でBHF=5GHzであるが、装置によっては当然
異なる。測定の時間積分幅τiは、天候によらず放射測
定の精度が確保されるよう設定されなければならない。
ここにおいて、放射測定装置の精度であるΔTminは、Δ
Tmin = 1oKで十分である。
【0026】以上の関係に基づけば、測定の時間積分幅
τiに関して以下の関係式を得ることができる。 τi = (Tsys/ΔTmin)2/BHF 前出の値を用いて測定の時間積分幅τiを求めると、 空を背景とした16GHzの測定の場合には、τi = 0.
1ms 地面を背景とした16GHzの測定の場合には、τi =
0.3ms 空を背景とした94GHzの測定の場合には、τi = 0.
2ms 地面を背景とした94GHzの測定の場合には、τi =
0.3ms となる。測定の時間積分幅τiは、測定において最小限
必要な時間幅である。車輛の移動速度をυとすれば、位
置測定誤差の標準偏差σeは、下記の式によって表すこ
とができる。 σe = (1/121/2)・υ・τi 車輛がフランス高速鉄道(TGV)のような車輛で、移動
速度がυ = 100m/secであるとすれば、位置測定誤差
の標準偏差σeは下記の範囲になる。 3×10−3m<σe <9×10−3m
【0027】さらに、このセンサーのアンテナパターン
の幅が比較的大きいので、センサーで測定された空また
は地面からなる背景から対象物表面への温度変化を表す
測定信号を平滑化する。アンテナの直径が10cmであ
るとすると3dBの位置でのローブの幅は16GHzでおよ
そ13o、94GHzでおよそ2.2oである。このアンテ
ナが対象物から3メートルの距離にあるとすると、距離
に関する誤差範囲、すなわち位置測定精度は16GHzの
場合には0.7m、94GHzの場合には0.12mとな
る。
【0028】1oKの精度で100oKの温度差を測定する
ことに相当する20dBのS/N比が確保されているとの前
提の下では、温度変化に対する測定精度は上記の値の1
0分の1と想定される。したがって、上記の例に従え
ば、16GHzの場合にはアンテナローブに起因する誤差
が支配的であるが(0.7mの10分の1は約7cmに
相当する)、94GHzの場合には、アンテナローブに起
因する誤差はサンプリングに起因する誤差と同程度であ
る(0.12mの10分の1は、約1cm)。
【0029】いずれにしても、本発明に従って位置測定
の誤差修正を行う際の精度は、導入部分で記載したよう
な位置測定の目標精度(10m以下の測定制度)をはる
かに上回る高精度のものである。
【0030】誤差修正を行う地点の間における車輛の位
置は、積算距離計を用いて外挿して算出することができ
る。したがって、誤差が1000分の3である積算距離
計を用いた場合には、誤差修正点を1km過ぎた地点で
の位置測定誤差は3mである(誤差修正そのものの誤差
は数cmなので無視することができる)のに対して、誤
差修正を行わなければ測定誤差は始点からの走行距離に
直接比例するので500km走行した地点での位置測定
誤差は1500mに及ぶことになる。
【0031】本発明によって2つの放射測定装置が所定
の間隔d(車両の長さ方向の間隔とする)を隔てて設け
られた場合の車輛の移動速度の測定値は以下のようにな
る。2つの放射測定装置の測定結果の相関関係から求め
た放射測定装置の間隔に関する標準偏差をσr、車輛の
移動速度をυ、2つの放射測定装置の間隔dの測定値の
標準偏差をσdとすれば、移動速度の推定値の標準偏差
σvは以下の式によって表すことができる。 σv = (υ/d)・(σr2 + σd2)1/2 ここでは、2つの測定の時間的隔たりΔtに加えて相関
を求めるための計測を行う時間(たとえばΔtと同程度
の時間)にわたって移動速度υは一定であると仮定して
いる。
【0032】対象物を検出する際の誤差がローブ幅の1
/10なので、停車中の車両を用いて計測するなどし
て、2つの放射測定装置の間隔dが精度良く測定される
なら、σrとσdとは同程度の大きさであると考えること
ができる。放射測定装置の間隔dが100mで、2つの
標準偏差σrとσdとが共に0.012mなら、σv/υ=
0.2×10−3となる。この測定誤差は路線がカー
ブしていても影響を受けないことに注目すべきである。
【0033】実際的な意味では、車輛のゆれ(Sway Mot
ion)に起因して起きる2つのセンサー間の視野条件の
相違(特に水平方向の視野に関するゆれの影響)が測定
誤差の原因になる。従来型の列車の場合には、この問題
を最小限に押さえるためにセンサーを同一の車輛の両端
部に設けて、センサー間の距離dは小さくなることと引
き換えに、センサー相互間の条件を単純化することが望
ましい。TGVの場合には、車輛の連結状況が非常に強固
なので、連結された車両の先頭と最後尾にセンサーを設
けることも可能である。
【0034】いずれの場合においても、測定結果をフィ
ルター処理(特にカルマンフィルターで処理)してノイ
ズの影響を減少させることで、測定精度を大幅に向上さ
せることができる。上記で示した精度は、生の測定値に
基づく(近接する相関ウインドウによる測定精度を示
す)ものである。
【0035】本発明による測定方法の安定性は第一に使
用されるセンサーのタイプに起因する。すなわち、 −受動型である赤外線センサーに比較して極超短波(mic
rowave)を利用した放射測定センサーは天候の影響がは
るかに小さく、赤外線センサーが清浄を必要とするのに
対して保守点検の必要も極めて少ない。この観点から
は、SHF帯域のほうが、ミリメートル波等の短波長側の
極超短波よりも一層好ましい。 −レーダーやレーザーを用いた動的センサーと比較した
場合、極超短波信号ははるかに連続的で確定的である。
レーダー等の動的な測定の場合には、対象物によっては
反射波の強さが測定角度と共に変化することになる。線
路、覆い等路線の上部に垂下された金属物体の場合には
この点が顕著である。極超短波センサーのような受動型
センサーの場合には、放射エネルギーが広帯域にわたっ
て分布しており、これを積分して用いるために上記の問
題は存在しない。
【0036】本発明による方法の高い安定性に寄与する
第2の要因は、車輛に既に設置されている積算距離計を
補完的に併用し得ることである。積算距離計を併用する
おかげで、相関あるいは測定ウインドウを開ける時間を
短くすることができ、結果的に不明瞭な測定が発生する
可能性を小さくすることができる。
【0037】さらに、測定の誤差修正に用いる橋梁、塀
等の対象物が路線の沿線に沿って不定間隔で存在してい
る点を挙げることができる。この結果、測定結果の自己
相関は確定的になり、対象物誤認の可能性が減少する。
【0038】橋梁の平坦部等を検出するための鉛直上方
向の測定、建造物等を検出するための水平方向の測定、
および、移動速度に関する測定誤差の修正を生かすため
には、放射測定センサーを4台、パーソナルコンピュー
タのような一般的なコンピュータに接続して用いること
が必要になる。フランスの高速鉄道TGVの車輛の場合に
は、車輛の端部毎に鉛直上方向きと水平向きのセンサー
が設置される。実際の設置位置を決定するに際しては、
もちろんTGVに固有の他の要因を考慮しなければならな
い。
【0039】前方のセンサーと後方のセンサーの接続に
関しては、従来型の伝送方式を利用することができる。
信号伝送に必要な周波数は数kHzなので、音声伝送用の
周波数帯域で十分である。
【0040】水平方向のセンサーについては、車輛の進
行方向が逆向きになれば左右の景観が逆転する、ある種
の非対称性に留意する必要が有る。したがって、センサ
ーを車両の左側に向けておくべきか、車輛の右側に向け
ておくべきかという問題を生じる。この問題を解決する
には、水平方向のセンサーを試験運行した車輛のセンサ
ーと同じ向きにしておくことが考えられるが、車輛の前
後端に各々左右両方向に向けた水平センサーと1台の鉛
直センサー、すなわち車輛当たり6台のセンサーを設置
するのが理想的である。極超短波センサーの値段が安い
ことを考えれば、この方法が最も現実的であり、推奨さ
れる。
【0041】添付の図は、乗り物として列車の車輛を例
にとって、本発明に基づく位置測定値の修正と速度測定
の方法を簡単に示すブロック図である。図に示した実施
例に拠れば、橋梁やトンネルのような鉛直上方の対象
物、あるいは、線路脇の水平方向の塀や建築物のような
水平方向の対象物のいずれによっても測定を実施するこ
とができる。そのために、図に示した車輛1の両端部に
は屋根に固定されたセンサー2と側方のセンサー3から
なる3つのセンサーが設置されている。図には側方から
見える2つの側方センサーだけを示した。これらの6つ
のセンサーはいずれも上述の極超短波(microwave)アン
テナである。これらのセンサーは、フィルター5を介し
てパーソナルコンピュータ等のコンピュータ6に接続さ
れる測定装置4に接続されている。コンピュータ6は、
列車の走行経路に関するデータを保持する記憶装置7に
接続されている。記憶装置7に保持されたデータとは、
走行経路に沿って存在する対象物の列車の始点(始発
駅)からの距離であり、本例の場合、積算距離計は走行
につれて数値が減少する残り距離を示すタイプである。
記憶装置には、必要なら、対象物が鉛直方向あるいは水
平方向に有ることを示す情報、外気温度、太陽光の状
況、時刻および季節毎の対象物の測定温度差の平均値を
示す情報、センサーのローブ方向に測定した対象物の長
さに関する情報等の追加情報を含んでも良い。コンピュ
ータ6は双方向インターフェイス8を介して列車の積算
距離計9に接続されている。上述の測定装置4ないし積
算距離計9はいずれも列車の車輛に搭載される機器であ
る。
【0042】当業者にとっては、本明細書の開示に基づ
いてセンサー1ないし3を使用して本発明の方法を実施
するためにコンピュータ6が備えるべきコンピュータプ
ログラムを作成することは容易である。このプログラム
においては、比較計算機能とウインドウ機能が誤信号の
影響を排除するために特に有効である。ウインドウ機能
は、積算距離計9に基づき、列車が対象物の位置に到達
する直前にウインドウを開ける。比較計算機能は、フィ
ルター5から伝送された信号を閾値と比較し、場合によ
っては、当該信号を記憶されている測定信号の型と比較
する。記憶された型は、対象物を検出した際の背景から
「冷たい」表面または「温かい」表面への測定値の変化
率あるいは背景と対象物表面の温度差等に関する情報を
含むものである。
【0043】コンピュータに搭載されたプログラムは、
所定の距離だけ離れて設けられたセンサーの測定結果に
基づき車輛の移動速度を算出する機能を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に基づく位置測定値の修正と速度測定
の方法を示すブロック図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 信号処理回路に接続されたセンサーを少
    なくとも一つ乗り物に設け、 乗り物の走行経路の近傍にあって、その位置が正確に把
    握され且つ乗り物内で記憶されている対象物、当該対象
    物は乗り物が走行する経路の長さに比較してはるかに短
    い間隔で存在する、の表面に対して概略直角に極超短波
    放射測定センサーを向け、 該センサーが測定した背景温度と対象物表面の温度との
    コントラストが所定の閾値を越えた場合には対象物を検
    出したと判断し、 記憶された対象物の位置から該当するものを選択して、
    その位置を乗り物内で表示すると共に必要に応じて、制
    御室への送信、統計処理、乗員・乗客への連絡に用いる
    乗り物の位置の高精度測定方法。
  2. 【請求項2】 乗り物はさらに積算距離計を具備し、検
    出された対象物に最も良く対応する対象物の位置を積算
    距離計を用いて検索し、記憶されている対象物の位置に
    基づき必要に応じて積算距離計を訂正することを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 方法の実施に先立ち、乗り物の路線を前
    記同様のセンサーを搭載した試験車輛を少なくとも1回
    運転し、信頼性の高い対象物の選別を行うことを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記センサーとは一定の間隔を空けて前
    記センサーと同種の他のセンサーを前記センサーと同じ
    方向に向けて少なくとも1つ設け、同一の対象物が前記
    センサーと他のセンサーの両方で検出されると、センサ
    ー相互間の距離と検出の時間差からさらに乗り物の移動
    速度を算出する請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 対象物の少なくとも一つは、路線の上部
    にかぶさる橋またはトンネル、路線脇の建築物、水平な
    遮断機、岩、あるいは、人工の対象物のいずれかである
    請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一つの極超短波放射測定セン
    サーと、処理回路と、対象物の正確な位置を記憶した記
    憶装置とを有する乗り物位置の高精度測定装置。
  7. 【請求項7】 さらに積算距離計を具備し、処理回路は
    双方向インターフェースを介して積算距離計と接続され
    ている請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 乗り物の路線近傍に存在する特定の対象
    物について正確な位置を予め記憶しておき、 乗り物に搭載したセンサーによって車外からの極超短波
    領域の放射を測定しつつ走行し、 測定された極超短波領域の放射温度の変化が閾値を超え
    た時に前記特定の対象物のいずれかを検出したと判断
    し、 対象物のいずれかを検出したと判断した場合は、記憶さ
    れた対象物の正確な位置から、検出された対象物に該当
    するものを選択して、当該選択された正確な位置に基づ
    き乗り物の位置を算出する乗り物の位置の高精度測定方
    法。
  9. 【請求項9】 特定の対象物について正確な位置を予め
    記憶しておく記憶装置と、 車外からの極超短波領域の放射を測定する極超短波測定
    装置と、 測定された極超短波領域の放射温度の変化が閾値を超え
    た時に前記特定の対象物のいずれかを検出したと判断
    し、記憶された対象物の正確な位置から、検出された対
    象物に該当するものを選択して、当該選択された対象物
    の正確な位置に基づき乗り物の位置を算出する演算装置
    とを具備する乗り物の位置の高精度測定装置。
JP29893298A 1997-10-21 1998-10-20 乗り物の位置の高精度測定方法および同方法を実施するための装置 Pending JPH11304531A (ja)

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FR9713164 1997-10-21

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FR2769978A1 (fr) 1999-04-23
EP0911608A1 (fr) 1999-04-28
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CA2250681A1 (fr) 1999-04-21

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