JPH11304603A - 残留応力測定方法および装置 - Google Patents

残留応力測定方法および装置

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JPH11304603A
JPH11304603A JP12277298A JP12277298A JPH11304603A JP H11304603 A JPH11304603 A JP H11304603A JP 12277298 A JP12277298 A JP 12277298A JP 12277298 A JP12277298 A JP 12277298A JP H11304603 A JPH11304603 A JP H11304603A
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JP
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strain gauge
residual stress
strain
electric discharge
discharge machining
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Application number
JP12277298A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Fukuyoshi
寛 福吉
Masao Itaya
雅雄 板谷
Masayuki Asano
政之 淺野
Yuji Saito
雄二 齋藤
Rie Sumiya
利恵 角谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械要素上の切り出し対象部分を小区域に限
定することにより切断解放法の広範な機械、機器等への
適用を可能にし、切り出し後の補修において機械要素内
に過大な残留応力を生じさせないこと。 【解決手段】 本発明方法は測定対象の機械要素の表面
にひずみゲージを貼付する工程(No.1)、機械要素の
ひずみの初期値を記憶する工程(No.2)、ひずみゲー
ジの周囲を放電加工法を用いて切断する工程(No.
3)、機械要素の切断時、ひずみゲージから与えられる
抵抗の変化に基づいてひずみを測定する工程(No.
4)、得られたひずみの値とひずみの初期値とに基づい
て残留応力を算出する工程(No.5)、機械要素内に残
る切断に伴う痕を圧接法または電気加熱圧着法を用いて
補修する工程(No.6)からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は機械、機器および構
造物等に存在する残留応力を測定するための方法および
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】機械、機器および構造物等の残留応力を
測定する方法として、X線回折を用いる方法ならびに切
断解放法と呼ばれる測定対象の機械要素表面に貼付した
ひずみゲージの周囲をひずみゲージと共に小片(以下、
チップと称する)として切り出し、解放されるひずみか
ら残留応力を計算により求める方法が知られている。こ
れらの方法のうち、X線回折による残留応力測定方法は
材料の結晶組織の状態、たとえば結晶粒径の大きさおよ
び結晶配向の影響を受けるために測定した値のばらつき
が大きく、測定精度が良好でないという難点がある。
【0003】一方、切断解放法による残留応力の測定は
ひずみゲージの周囲を切断するために機械等の一部が失
われる破壊的測定方法となり、実機そのものへの適用は
難しい。特に、チップへの切り出しは鋸あるいはワイヤ
カットに依存することから、直線的に切断され、測定後
は原型をとどめることができない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】切断解放法による残留
応力の測定は測定対象の機械要素表面にひずみゲージを
貼付し、その周囲を切断して解放されたひずみを測定し
て残留応力を求めることから機械要素表面に無用な加工
傷が生じ易く、また除去した部分は切り出し痕として残
ってしまう。このような切り出し痕等が機械要素表面に
そのまま残ることは許されず、実機への切断解放法の適
用には限界がある。
【0005】特に、機械要素が流体と接している場合、
こうした切り出し痕を通過する流体に渦を生じさせ、機
器の流体性能を大きく損ねることから、切り出し痕を残
さない万全な補修が求められるが、要求を満たすことは
容易ではない。さらに、機械要素が高い応力のもとにあ
るときも、そこを起点として微少なき裂が発生し、機械
要素に破壊が生じる可能性があり、また荷重が繰り返し
負荷される機械要素においても疲労のためにそこを起点
として微小なき裂が発生し、その成長によって機械要素
が破壊する危険性があることなどから、切り出し痕を残
さない補修が求められるが、これを満たすことは容易で
はない。
【0006】また、こうした切り出し痕を残さないのと
同時に、残留応力測定後の機械、機器等の運転中の安全
を確保するには補修を行った後に除去した部分に過大な
引張り残留応力を生じさせないことが重要であるが、適
切な補修の仕方を見出すまでに至っていない。
【0007】そこで、本発明の目的は機械要素上の切り
出し対象部分を小区域に限定することにより切断解放法
の広範な機械、機器等への適用を可能にし、切り出し後
の補修において機械要素内に過大な残留応力を生じさせ
ない残留応力測定方法および装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に様々な方法を研究した結果、次の工程を順次行うこと
が望ましいことを見出した。すなわち、測定対象の機械
要素の表面にひずみゲージを貼付する工程、機械要素の
ひずみの初期値を記憶する工程、ひずみゲージの周囲を
放電加工法を用いて切断する工程、機械要素の切断時、
ひずみゲージから与えられる抵抗の変化に基づいてひず
みを測定する工程、得られたひずみの値とひずみの初期
値とに基づいて残留応力を算出する工程、機械要素内に
残る切断に伴う痕を圧接法または電気加熱圧着法を用い
て補修する工程を順次行うものである。
【0009】この方法においては放電加工法によって行
うためにひずみゲージの切り出し対象が周囲の小区域に
限定され、切り出し対象が拡大する懸念が全くなく、広
範な機械、機器に対して切断解放法を適用できることが
確認された。また、切り出し後に補修を実施しても、機
械要素内に過大な残留応力が生じないことも確められ
た。
【0010】さらに、ひずみゲージの周囲を放電加工す
るにあたり、小さい曲率を保って形成されるワイヤ電極
を用いて半球状のチップを得るように加工する方法が望
ましいことを見出した。
【0011】この方法においては小さい曲率を有するワ
イヤ電極を用いて放電加工するので、切り出し対象がひ
ずみゲージの周囲の小区域に限定することができ、簡便
に切断解放法を利用し得ることが確められた。
【0012】また、ひずみゲージの周囲を放電加工する
にあたり、直線状のワイヤ電極を用いて円錐状のチップ
を得るように加工する方法が望ましいことを見出した。
【0013】この方法においては直線状のワイヤ電極を
用いて放電加工するので、切り出し対象をひずみゲージ
の周囲の小区域に限定することができ、簡便に切断解放
法を利用し得ることが確められた。
【0014】さらに、ひずみゲージの周囲を放電加工す
るにあたり、コ字状のワイヤ電極を用いて直方体のチッ
プを得るように加工する方法が望ましいことを見出し
た。
【0015】この方法においてはコ字状のワイヤ電極を
用いて放電加工するので、切り出し対象をひずみゲージ
の周囲の小区域に限定することができ、簡便に切断解放
法を利用し得ることが確められた。
【0016】また、ひずみゲージの周囲を放電加工する
にあたり、角柱形状に形成されるワイヤ電極を用いてひ
ずみゲージを取り囲む溝を刻設する方法が望ましいこと
を見出した。
【0017】この方法においては角柱形状のワイヤ電極
を用いて放電加工するので、切り出し対象をひずみゲー
ジの周囲の小区域に限定することができ、簡便に切断解
放法を利用し得ることが確められた。
【0018】さらに、好ましい方法として、ひずみゲー
ジの周囲を放電加工するにあたり、中空の角形電極を用
いてひずみゲージを取り囲む溝を刻設し、さらにL字形
のワイヤ電極を用いて直方体のチップを得るように加工
する方法を確認した。
【0019】この方法においては中空の角形電極および
L字形のワイヤ電極を用いて放電加工するので、切り出
し対象をひずみゲージの周囲の小区域に限定することが
でき、簡便に切断解放法を利用し得ることが確められ
た。
【0020】また、好ましい方法として、ひずみゲージ
の周囲を放電加工するにあたり、環状の電極を用いてひ
ずみゲージを取り囲む溝を刻設する方法を確認した。
【0021】この方法においては環状の電極を用いて放
電加工するので、切り出し対象をひずみゲージの周囲の
小区域に限定することができ、簡便に切断解放法を利用
し得ることが確められた。
【0022】さらに、好ましい方法として、ひずみゲー
ジの周囲を放電加工するにあたり、円筒状の中実電極を
用いてひずみゲージの中心部に孔を穿つ方法を確認し
た。
【0023】この方法においては円筒状の中実電極を用
いて放電加工するので、切り出し対象をひずみゲージの
周囲の小区域に限定することができ、簡便に切断解放法
を利用し得ることが確められた。
【0024】また、ひずみゲージの周囲の切断された切
り出し痕を補修するにあたり、切り出し痕と同一の形状
で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、切り
出し痕にプラグを回転圧接により埋め込む方法が望まし
いことを見出した。
【0025】この方法においては回転圧接により切り出
し痕と同一の形状で、ほぼ同一の寸法を有するプラグを
切り出し痕に埋め込むので、予め適切な寸法のプラグを
用意することで、機械要素内に過大な残留応力が生じな
いことが確認された。
【0026】さらに、予め用意したプラグを用いること
で、素早く補修を完了させることが可能なことも確めら
れた。
【0027】また、切り出し痕を回転対称の任意形状に
追加加工し、この追加加工された切り出し痕と同一の形
状で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、切
り出し痕にプラグを回転圧接により埋め込む方法が望ま
しいことを見出した。
【0028】この方法においては切り出し痕を回転対称
となるように追加加工するので、切り出し痕が回転対称
とならないときも、追加加工により回転対称とすること
ができ、回転圧接により切り出し痕にプラグを埋め込む
ことが可能であることが確認された。
【0029】さらに、ひずみゲージの周囲の切断された
切り出し痕を補修するにあたり、切り出し痕と同一の形
状で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、切
り出し痕にプラグを電気加熱圧着により埋め込む方法が
望ましいことを見出した。
【0030】この方法においては回転圧接によるプラグ
補修方法が適用できない場合も、電気加熱圧着により切
り出し痕と同一の形状で、ほぼ同一の寸法を有するプラ
グを切り出し痕に埋め込むことが可能であることが確認
された。
【0031】また、上記課題を解決するために、望まし
くは残留応力測定装置は、機械要素の表面に貼付したひ
ずみゲージの周囲を放電加工法により切断するチップ加
工装置と、ひずみゲージから与えられるひずみの値を計
算器内に取り込む入力処理手段と、取り込まれたひずみ
データを記憶するデータ記憶手段と、測定されたひずみ
の値とひずみの初期値とに基づいて所定の演算を行い、
残留応力を算定するデータ処理手段と、チップ切り出し
痕を圧接法または電気加熱圧着法により補修する補修装
置とを備える。
【0032】
【発明の実施の形態】(実施例1)機械要素は図2に示
す形状の2個の環状の部材11a、11bを溶接で一体
に接合した。部材11a、11bの寸法は各々内径dが
5000mm、高さhが1000mm、厚さtが40mmであ
る。部材11a、11bは溶接施工後、溶接部12によ
って一体に接合された。機械要素の全高さThは200
0mmである。
【0033】残留応力の測定は図1に示す工程に基づい
て実施した。すなわち、これはひずみゲージ貼付(No.
1)→初期値記憶(No.2)→切断加工(No.3)→ひず
み測定(No.4)→残留応力算出(No.5)→切り出し痕
補修(No.6)の順に行う工程である。
【0034】初めに、溶接部12の周囲の残留応力を測
定するために部材11a、11bの表面にひずみゲージ
13を貼付した(No.1工程)。このひずみゲージ13
の貼付後に後記の計算機内の入力処理手段およびデータ
記憶手段とひずみゲージ13との間をリード線によって
接続し、ひずみの値を零として初期値を記憶させた(N
o.2工程)。
【0035】次に、図3に示すように部材11aからひ
ずみゲージ13の周囲の一部を後に詳述されるチップ加
工装置でチップ14を切り出した(No.3工程)。この
チップ14の大きさは長さl、幅wおよび厚さtがそれ
ぞれ10mm、10mmおよび5mmである。このチップ14
を切り出した後、ひずみを測定し、このひずみ測定値を
入力処理手段を介してデータ記憶手段に記憶させた(N
o.4工程)。次に、得られたひずみの値と、先に記憶し
た初期値とに基づいて後記のデータ処理手段によって処
理し、残留応力を求めた(No.5工程)。
【0036】図4にこの処理で得られた残留応力の分布
の一例を示す。この後、チップ14を切り出した部材1
1aの表面に残ったチップ切り出し痕は後に詳述される
補修装置を用いて同じ材料のプラグを埋めて補修した
(No.6工程)。
【0037】図5に本実施例で用いた残留応力測定装置
の構成を示している。この残留応力測定装置はチップ加
工装置15、入力処理手段16、データ記憶手段17、
データ処理手段18および補修装置19から構成されて
いる。チップ加工装置15は後記の放電加工法を用いて
チップを切り出すことが可能である。また、入力処理手
段16はひずみゲージ13の出力であるブリッジ回路の
抵抗値に基づくひずみの値を計算機内に取り込む。
【0038】さらに、データ記憶手段17はデータ入力
手段16で取り込まれたひずみデータをファイルに記憶
する。また、データ処理手段18は測定されたひずみの
値と初期値とに基づいて所定の演算を行い、残留応力を
算出する。
【0039】さらに、補修装置19は後記の圧接法を用
いてチップ切断後の切り出し痕を補修することが可能で
ある。
【0040】この実施例1の方法によれば、切り出し対
象部分を放電加工法を用いて小区域に限定することがで
き、広範な機械、機器等に切断解放法を適用することが
可能であることが確認された。
【0041】(実施例2)さらに、残留応力を測定する
ためのチップ切断加工は次の放電加工を用いて実施し
た。すなわち、図6(a)に示す小さい曲率を保って形
成されるワイヤ電極20をひずみゲージ13を中心とし
て回転させ、図6(b)に示すような半球状のチップ2
1を得るように加工した。このとき、チップ21の切り
出しで残留応力が解放されるためにひずみゲージ13の
抵抗の変化をブリッジ回路で測定し、残留応力を算出す
ることができた。
【0042】(実施例3)また、異なる放電加工による
チップ切断加工では図7(a)に示す直線状のワイヤ電
極22をひずみゲージ13を中心として回転させ、図7
(b)に示すような円錐状のチップ23を得るように加
工した。このとき、チップ23の切り出しで残留応力が
解放されるためにひずみゲージ13の抵抗の変化をブリ
ッジ回路で測定し、残留応力を算出することができた。
【0043】(実施例4)さらに、異なる放電加工によ
るチップ切断加工では図8(a)に示すコ字状のワイヤ
電極24を図8(b)に示すように切断加工する部材の
表面に対して鉛直方向w、表面と平行な方向x、表面に
対して鉛直方向yの順に運び、図8(c)に示すような
直方体のチップ25を得るように加工した。チップ25
の切り出しで残留応力が解放されるためにひずみゲージ
13の抵抗の変化をブリッジ回路で測定し、残留応力を
算出することができた。
【0044】(実施例5)残留応力を測定するためのチ
ップ切断加工はチップを切り出す方法に代わる次の放電
加工を用いて実施した。図9(a)に示す角柱形状に形
成したワイヤ電極26を切断加工する部材27の表面と
平行に運び、図9(b)に示すようにひずみゲージ13
を中心に溝28を刻んだ。このとき、溝28の刻設で残
留応力が解放されるためにひずみゲージ13の抵抗の変
化をブリッジ回路で測定し、残留応力を算出することが
できた。
【0045】(実施例6)上記と異なる放電加工による
チップ加工では図10(a)に示す銅で製作した中空の
角形電極29を用意し、図10(b)に示す切断加工す
る部材27の表面に対して電極29を鉛直方向に運び、
ひずみゲージ13を中心に溝30を刻んだ。次に、図1
1(a)に示すL字形のワイヤ電極31を用意し、図1
1(b)に示す溝30に合わせてワイヤ電極31を位置
決めした。次に、ワイヤ電極31を図12(a)に示す
ように部材27の表面に対して平行に運び、図12
(b)に示すような直方体のチップ32を得るように加
工した。
【0046】このとき、チップ32の切り出しで残留応
力が解放されるためにひずみゲージ13の抵抗の変化を
ブリッジ回路で測定し、残留応力を算出することができ
た。
【0047】この方法による利点はチップ32の大き
さ、ひずみゲージ13の位置等が常に一定することであ
る。これにより残留応力の測定精度をより向上させるこ
とが可能になる。
【0048】(実施例7)別の放電加工によるチップ切
断加工では図13(a)に示す銅で製作した環状の電極
33を用意し、図13(b)に示す切断加工する部材2
7の表面に対して電極33を鉛直方向に運び、ひずみゲ
ージ13を中心に環状溝34を刻んだ。このとき、溝3
4の刻設で残留応力が解放されるためにひずみゲージ1
3の抵抗の変化をブリッジ回路で測定し、残留応力を算
出することができた。
【0049】この方法による利点は円筒状電極33によ
り溝34の加工が一定することである。また、溝34の
加工が迅速に実施でき、短時間のうちに必要なデータを
得ることが可能である。
【0050】(実施例8)さらに、異なる放電加工によ
るチップ切断加工では図14(a)に示す円筒状の中実
電極35を用意し、図14(b)に示す切断加工する部
材27の表面に対して電極35を鉛直方向に運び、ひず
みゲージ13の中心部に孔36を加工した。このとき、
孔36の加工で残留応力が解放されるためにひずみゲー
ジ13の抵抗の変化をブリッジ回路で測定し、残留応力
を算出することができた。
【0051】この方法による利点は円形棒状の電極35
により孔36の加工が一定することである。また、孔3
6の加工が迅速に実施でき、短時間のうちに必要なデー
タを得ることが可能である。
【0052】(実施例9)チップ切断加工で部材の表面
に残された半球形痕、円錐形痕、円形溝形痕等は次の回
転圧接法により補修した。すなわち、図15(a)に示
すプラグ37は予め半球形痕の半径とほぼ同一の半径で
製作される。この半径rで製作した半球プラグ37を図
15(b)に示すように回転させながら、半球形痕38
に押し付け、そこに埋め込んだ。半球プラグ37の外面
と半球形痕38の内面との間に回転により摩擦が生じ、
このときの発熱により焼き付きと同じ原理で半球プラグ
37が高温となり、冷却されたとき、そこに固く埋め込
まれる。このような回転圧接法による固定を確実にする
ためには半球プラグ37の材料は部材27の材料と同一
材料にすることが望ましい。また、寸法は同一寸法とす
るが、僅かにしまりばめとなるように適切な値を選択す
るのが望ましい。
【0053】この後、部材27の表面から突出している
部分を図16(a)に示すように切断し、この切断部を
やすりおよびサンドペーパ等の切削部材で仕上げて図1
6(b)に示す部材27の表面と面一の面39を得るこ
とができた。
【0054】本実施例で用いられた補修装置19の構成
を図17(a)(b)に示している。図17(a)に示
すように、この補修装置19はモータ、主軸等を内蔵し
た本体部40、本体部40を支える脚41、主軸の先端
で半球プラグ37をつかむチャック42、プラグ押し付
け用ハンドル43から構成される。モータが回転する
と、図17(b)に示すように主軸の先端で半球プラグ
37が回転し、真下に位置決めされた半球形痕38にそ
の先端を押し付けることができる。
【0055】本実施例の方法によれば、チップ切り出し
痕が放電加工によるものであり、しかも同一寸法による
プラグを埋め込むものであるから、過大な残留応力が生
じないことが確認された。また、予め用意したプラグを
用いることにより素早く補修を完了させることが可能な
ことも確かめられた。
【0056】(実施例10)円錐形痕、環状溝形痕およ
び円柱形痕は図18(a)(b)(c)に示す円錐形
痕、環状溝形痕および円柱形痕とそれぞれ同一の形状
で、ほぼ同一の寸法を有する円錐プラグ44、環状プラ
グ45および円柱プラグ46を用いて補修した。補修方
法は実施例9と同様な回転圧接法により実施した。いず
れもチップ切り出し痕の周囲に過大な残留応力が生じし
ていないことが確認された。
【0057】(実施例11)圧接法が適用できない直方
体形痕は直方体プラグを用いる電気加熱圧着法により補
修した。すなわち、図19(a)に示すプラグ47は予
め直方体形痕と同一寸法で製作した。この直方体プラグ
47を図19(b)に示すように通電状態を保ちなが
ら、直方体形痕48に押し付け、そこに埋め込んだ。
【0058】直方体プラグ47と直方体形痕48との接
触部は拡大してみると、図20に示すように表面全体が
一様に接触しているのではなく、接触点49のみが接触
している。通電状態が保持されるとき、接触点49では
電流が流れるが、電気抵抗が高いためにジュール熱が発
生する。この加熱により直方体プラグ47の温度が上昇
してその周囲が溶着し、直方体プラグ47と直方体形痕
48とが接合されて直方体プラグ47が固く埋め込まれ
る。この後、部材の表面から突出している部分を切断
し、この切断部を仕上げて部材の表面と面一の面を得る
ことができた。
【0059】本実施例で用いられた補修装置18の構成
を図21に示している。この補修装置18は電源ユニッ
ト50と、電極51とから構成される。電源ユニット5
0が投入されると、直方体プラグ47から部材27に電
流が流れ、直方体プラグ47が加熱される。この加熱に
より直方体形痕48と嵌合している直方体プラグ47を
溶着させることができる。この加熱中、直方体プラグ4
7は部材27に対して一定の圧力で押し付け、部材間の
密着を良好に保つのが望ましい。
【0060】なお、先に述べた圧接法で用いる半球プラ
グ37、円錐プラグ44、環状プラグ45および円柱プ
ラグ46はこの電気加熱圧着法を用いてそれぞれのチッ
プ切り出し痕に埋め込むことができる。
【0061】(実施例12)直方体形痕を圧接法を用い
て補修する方法を研究した。この方法はチップ切断加工
後に残る直方体形痕を回転圧接法が適用可能になるよう
に追加加工するものである。部材には、当初、図22
(a)に示す直方体形痕48が残されている。ワイヤ電
極(図6(a)参照)を用いて図22(b)に示す回転
対称の半球形痕52とするために放電加工を行った。次
に、得られた半球形痕52に図22(c)に示す回転対
称に用意した追加加工した半球形痕52と同一の形状
で、ほぼ同一の寸法を有する半球プラグ37を合わせ、
回転させながら半球形痕52に押し付け、そこに埋め込
んだ。
【0062】この放電加工により半球形痕52に追加加
工する方法により回転圧接法を使用することができ、切
断加工で切り出すチップ形状が様々に変わるときも、主
軸の先端のチャック42に埋め込むプラグを保持し、プ
ラグをチップ切り出し痕に押し付けて簡単に補修するこ
とが可能な上述した補修装置を用いることが可能になっ
た。
【0063】(実施例13)切り出し痕が薄く、プラグ
で埋める方法によらない補修の仕方を研究した。一般
に、極く表面に近い部分の残留応力を測定するにはひず
みゲージの周囲を薄く切り出す必要がある。この場合、
切り出し痕は、図23(a)に示すように表面に近い一
部がひずみゲージ13と共に除去された平坦な部分53
となる。
【0064】また、一般に、溶接継手の接合部は周囲よ
りも溶接金属が高く盛られるためにこの部分の残留応力
を測定する場合には平坦な切り出し痕は周囲と比較して
大きい凹面とならない。
【0065】このような場合の補修の仕方として、図2
3(b)に示すように切り出し痕を埋めるのではなく、
平坦な部分53との境界部Zを形状の不連続をなくすよ
うに削り落としするのが応力集中を緩和するうえで望ま
しいことが確かめられた。
【0066】この削り落としはグラインダで容易に可能
で、また削り落としが少ないときはやすりで加工しても
よい。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば放電
加工を用いてチップを切り出すので、機械要素上の切り
出し対象部分を小区域に限定することができ、広範な機
械、機器等に対して切断解放法を適用することが可能で
ある。
【0068】また、圧接または電気加熱圧着によりチッ
プ切り出し痕に適切な寸法のプラグを埋め込むので、機
械要素内に過大な残留応力が生じるのを防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による残留応力測定方法を示す工程図。
【図2】本発明の測定方法で用いられた機械要素を示す
斜視図。
【図3】図2の機械要素から切り出したチップを示す斜
視図。
【図4】本発明の測定方法で得られた残留応力の分布を
示すための図。
【図5】本発明による残留応力測定装置を示すブロック
図。
【図6】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す正面図。
(b)は(a)の電極で加工されるチップ形状を示す斜
視図。
【図7】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す正面図。
(b)は(a)の電極で加工されるチップ形状を示す斜
視図。
【図8】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す斜視図。
(b)は加工手順を示すための図。(c)は(a)の電
極で加工されるチップ形状を示す斜視図。
【図9】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す斜視図。
(b)は(a)の電極で部材に加工される溝を示す斜視
図。
【図10】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す斜視
図。(b)は(a)の電極で部材に加工される溝を示す
斜視図。
【図11】(a)は放電加工用ワイヤ電極を示す斜視
図。(b)は(a)の電極を位置決めする様子を示す斜
視図。
【図12】(a)はワイヤ電極による放電加工の一過程
を示す断面図。(b)は放電加工されるチップ形状を示
す斜視図。
【図13】(a)は放電加工用環状電極を示す斜視図。
(b)は(a)の電極で部材に加工される溝を示す斜視
図。
【図14】(a)は放電加工用中実電極を示す斜視図。
(b)は(a)の電極で部材に加工される孔を示す斜視
図。
【図15】(a)は圧接用半球プラグを示す正面図。
(b)は(a)の半球プラグを回転圧接する様子を示す
断面図。
【図16】(a)は半球プラグの突出部分を切断する様
子を示す斜視図。(b)は切断後の面を示す斜視図。
【図17】(a)は本発明寸法で用いられる補修装置を
示す立面図。(b)は位置決めの一過程を示す斜視図。
【図18】(a)は円錐プラグを示す正面図。(b)は
環状プラグを示す斜視図。(c)は円柱プラグを示す斜
視図。
【図19】(a)は直方体プラグを示す正面図。(b)
は直方体プラグを電気加熱圧着する様子を示す断面図。
【図20】直方体プラグとチップ切り出し痕との接触面
を拡大して示す摸式図。
【図21】本発明方法で用いられる補修装置を示す斜視
図。
【図22】(a)は加工前の切り出し痕を示す斜視図。
(b)は追加加工された切り出し痕を示す斜視図。
(c)は回転圧接のための位置決めの一過程を示す斜視
図。
【図23】(a)はひずみゲージ周囲の表面近くを取り
除く測定方法の説明図。(b)は測定後の補修方法の説
明図。
【符号の説明】
11a、11b、27 部材 13 ひずみゲージ 15 チップ加工装置 16 入力処理手段 18 データ処理手段 19 補修装置 20、22、24、26、31 ワイヤ電極 29 角形電極 33 環状電極 37 半球プラグ 40 本体部 41 脚 44 円錐プラグ 45 環状プラグ 46 円柱プラグ 47 直方体プラグ 50 電源ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 雄二 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 角谷 利恵 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象の機械要素の表面にひずみゲー
    ジを貼付する工程、該機械要素のひずみの初期値を記憶
    する工程、前記ひずみゲージの周囲を放電加工法を用い
    て切断する工程、前記機械要素の切断時、前記ひずみゲ
    ージから与えられる抵抗の変化に基づいてひずみを測定
    する工程、得られたひずみの値と前記ひずみの初期値と
    に基づいて残留応力を算出する工程、該機械要素内に残
    る切断に伴う痕を圧接法または電気加熱圧着法を用いて
    補修する工程からなる残留応力測定方法。
  2. 【請求項2】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、小さい曲率を保って形成されるワイヤ電極を
    用いて半球状のチップを得るように加工したことを特徴
    とする請求項1記載の残留応力測定方法。
  3. 【請求項3】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、直線状のワイヤ電極を用いて円錐状のチップ
    を得るように加工したことを特徴とする請求項1記載の
    残留応力測定方法。
  4. 【請求項4】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、コ字状のワイヤ電極を用いて直方体のチップ
    を得るように加工したことを特徴とする請求項1記載の
    残留応力測定方法。
  5. 【請求項5】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、角柱形状に形成されるワイヤ電極を用いて該
    ひずみゲージを取り囲む溝を刻設するようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の残留応力測定方法。
  6. 【請求項6】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、中空の角形電極を用いて該ひずみゲージを取
    り囲む溝を刻設し、さらにL字形のワイヤ電極を用いて
    直方体のチップを得るように加工したことを特徴とする
    請求項1記載の残留応力測定方法。
  7. 【請求項7】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり環状の電極を用いて該ひずみゲージを取り囲む
    溝を刻設するようにしたことを特徴とする請求項1記載
    の残留応力測定方法。
  8. 【請求項8】 前記ひずみゲージの周囲を放電加工する
    にあたり、円筒状の中実電極を用いて該ひずみゲージの
    中心部に孔を穿つようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の残留応力測定方法。
  9. 【請求項9】 前記ひずみゲージの周囲の切断された切
    り出し痕を補修するにあたり、該切り出し痕と同一の形
    状で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、前
    記切り出し痕に該プラグを回転圧接により埋め込むよう
    にしたことを特徴とする請求項1記載の残留応力測定方
    法。
  10. 【請求項10】 前記切り出し痕を回転対称の任意形状
    に追加加工し、この追加加工された切り出し痕と同一の
    形状で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、
    該切り出し痕に前記プラグを回転圧接により埋め込むよ
    うにしたことを特徴とする請求項9記載の残留応力測定
    方法。
  11. 【請求項11】 前記ひずみゲージの周囲の切断された
    切り出し痕を補修するにあたり、該切り出し痕と同一の
    形状で、かつほぼ同一の寸法を有するプラグを用意し、
    前記切り出し痕に該プラグを電気加熱圧着により埋め込
    むようにしたことを特徴とする請求項1記載の残留応力
    測定方法。
  12. 【請求項12】 機械要素の表面に貼付したひずみゲー
    ジの周囲を放電加工法により切断するチップ加工装置
    と、前記ひずみゲージから与えられるひずみの値を計算
    器内に取り込む入力処理手段と、取り込まれたひずみデ
    ータを記憶するデータ記憶手段と、測定されたひずみの
    値とひずみの初期値とに基づいて所定の演算を行い、残
    留応力を算定するデータ処理手段と、チップ切り出し痕
    を圧接法または電気加熱圧着法により補修する補修装置
    とを備えてなる残留応力測定装置。
JP12277298A 1998-04-17 1998-04-17 残留応力測定方法および装置 Pending JPH11304603A (ja)

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Cited By (7)

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