JPH11310619A - ポリウレタンフォーム及びその製造方法、断熱材並びに断熱箱体 - Google Patents

ポリウレタンフォーム及びその製造方法、断熱材並びに断熱箱体

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JPH11310619A
JPH11310619A JP10120432A JP12043298A JPH11310619A JP H11310619 A JPH11310619 A JP H11310619A JP 10120432 A JP10120432 A JP 10120432A JP 12043298 A JP12043298 A JP 12043298A JP H11310619 A JPH11310619 A JP H11310619A
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JP
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polyurethane foam
hollow particles
polymer hollow
polymer
heat insulating
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JP10120432A
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Michio Murai
道雄 村井
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オゾン層破壊や地球温暖化への悪影響を及ぼ
すフロン系発泡剤を用いず、炭化水素又は炭酸ガスを発
泡剤ガスとして用いる場合であっても、低密度で、断熱
性能、強度、寸法安定性などに優れるポリウレタンフォ
ーム及び断熱材を供給する。 【解決手段】 ポリオール、有機ポリイソシアネート、
整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含んでな
る混合物を発泡させることによりポリウレタンフォーム
を形成する。ポリマー中空粒子は外殻を熱可塑性樹脂に
より形成し、ポリマー中空粒子の内部にはガスを封入す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリウレタンフォ
ーム及びその製造方法、そのようなポリウレタンフォー
ムを用いる断熱材、並びにそのようなポリウレタンフォ
ーム又は断熱材を含んでなる箱体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周囲の温度変化に対して、内部を所定の
温度に保持するための設備、例えば、冷蔵庫、冷凍庫、
冷蔵冷凍ケース、保温庫、冷水用若しくは温水用等の温
度維持用のタンク、コンテナ及び配管等の機器類、並び
にこれらの設備を搭載する車両、航空機並びに船舶等、
並びに壁材、床下材及び屋根材等の建造物等において
は、発泡断熱材が広く用いられており、そのような発泡
断熱材の中でも、断熱性及び生産性が良好であることか
ら、ポリウレタンフォームが今日では多く用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる断熱材用のポリ
ウレタンフォームの発泡剤には、クロロフルオロカーボ
ン(以下CFCと称する)やハイドロフルオロクロロカ
ーボン(以下HCFCと称する)などのフロン系の発泡
剤が長年使用されてきた。しかし、これらのフロン系ガ
スはオゾン層の破壊及び地球温暖化の大きな要因とさ
れ、CFC及び/又はHCFCを使用すること自体が環
境に対して悪影響を及ぼすと考えられるようになったた
め、フロン系発泡剤の代替化がこの技術分野において急
務とされている。
【0004】このため、ポリウレタンフォームの発泡剤
として、オゾン層を破壊せず、地球温暖化への影響が比
較的少ないシクロペンタン等の低沸点の炭化水素又は水
若しくはカルボン酸化合物を用いる方法が検討され、採
用されるようになりつつある。水又はカルボン酸化合物
を発泡剤として用いる場合、水又はカルボン酸化合物は
有機イソシアネートと反応して炭酸ガスを発生するの
で、この炭酸ガスによってポリウレタンフォームを発泡
させることができる。
【0005】ところで、発泡断熱材には、省エネルギー
の観点から良好な断熱性を有することも要求される。そ
して、ポリウレタンフォームに良好な断熱性を付与する
には、フォーム気泡内ガスのガス熱伝導率を低くするこ
とが重要であり、従って、低いガス熱伝導率を有するガ
スを発生させる発泡剤を用い、フォーム気泡内をそのガ
スによって満たすことが効果的な手段である。
【0006】この点に関して、従来多用されていたCF
CやHCFC等のフロン系発泡剤によるフロン系ガスと
比較すると、近年採用が拡大しつつある炭化水素系発泡
剤による炭化水素及び炭酸ガスは、より高いガス熱伝導
率を有している。従って、ポリウレタンフォームの発泡
に炭化水素及び炭酸ガスを用いる場合には、フロン系発
泡剤を用いる場合に比べて、断熱性に関する性能面にお
いて多少とも見劣りがすることは否定できない。
【0007】特に、炭酸ガスをフォーム気泡内ガスとし
て用いる場合には、炭酸ガスは炭化水素系ガスよりも更
にガス熱伝導率が高いため、断熱性に関しては炭化水素
系ガスよりも劣ることが問題となり得る。
【0008】そこで、フォームを発泡させる工程で炭酸
ガスが発生する方法において炭酸ガスによる断熱性の低
下を防止するため、例えば特開平8−198996号公
報に開示されているように、フォームの気泡内に残存す
る炭酸ガスを炭酸ガス吸着剤によって吸着させ、除去す
る方法がある。これは、ゼオライト等から成る吸着剤を
原料中にあらかじめ混合しておき、炭酸ガス及び炭化水
素によってフォームを発泡させるが、ポリウレタンフォ
ームを形成した後は、炭酸ガスを吸着剤に吸着させて除
去し、フォーム気泡内を炭化水素のみで満たすという方
法であり、従って、得られるポリウレタンフォームの断
熱性能を向上させることができるということを特徴とし
ている。
【0009】しかしながら、炭酸ガスを吸収剤によって
吸着させるという上記の方法では、フォームを発泡成形
させた後において、フォーム気泡内の炭酸ガスが吸着さ
れる結果として、気泡内のガスの全圧が、吸着除去され
た炭酸ガスの分圧に相当する圧力分だけ低下する。
【0010】従って、ポリウレタンフォームは大気圧の
雰囲気下では、気泡内ガス全圧の低下によって収縮しや
すくなるため、ポリウレタンフォームの寸法安定性を維
持しようとする場合には、フォームの密度を高く設定す
る必要があった。
【0011】また、特に有機イソシアネートと水あるい
はカルボン酸化合物との反応により発生する炭酸ガスの
みを発泡に利用してポリウレタンフォームを形成する方
法もある。そのような方法に特開平8−198996号
公報に開示されている方法を適用すると、フォーム気泡
内の炭酸ガスが完全に吸着除去される結果としてフォー
ム気泡内は真空に近い状態となるので、ポリウレタンフ
ォームが収縮するのを防止するためにフォームの密度を
一層高く設定しなければならないという問題もある。
【0012】従って、本発明は、上記のような課題に鑑
み、地球環境保護を主目的とし、オゾン層破壊や地球温
暖化への悪影響を及ぼすCFCやHCFCを用いること
なく、炭化水素、又は有機ポリイソシアネートと水若し
くはカルボン酸化合物との反応により発生する炭酸ガス
を発泡剤として用いる場合においても、低密度で断熱性
能、強度、寸法安定性などに優れた高品質な断熱材と、
それら断熱材を充填してなる断熱箱体を提供しようとす
るものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、1つの要旨に
おいて、ポリオール、有機ポリイソシアネート、整泡
剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含んでなる混
合物を発泡させることにより形成するポリウレタンフォ
ームを提供する。
【0014】本発明のポリウレタンフォームにおいて、
発泡剤は、炭化水素、水及びカルボン酸化合物の群から
選ばれる少なくとも1種の化合物とすることができ、そ
の炭化水素には特にシクロペンタンを用いることができ
る。
【0015】本発明のポリウレタンフォームにおいて、
ポリマー中空粒子の外殻は熱可塑性樹脂からなるものと
することができ、また、熱可塑性樹脂は、エチレン、プ
ロピレン、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢
酸ビニル、アクリル酸エステル及びアクリロニトリルか
らなる群から選ばれる化合物のホモポリマー又は少なく
とも2種の化合物のコポリマーであってよい。
【0016】本発明のポリウレタンフォームにおいて、
ポリマー中空粒子の外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化
温度は150℃以下であることが好ましい。ポリマー中
空粒子は、沸点が10℃以下の炭化水素を内部に含むこ
とが好ましい。
【0017】本発明は、もう1つの要旨において、ポリ
ウレタンフォームがポリマー中空粒子を分散した状態で
含むことを特徴とする。本発明のポリウレタンフォーム
において、ポリマー中空粒子の含有量は、ポリウレタン
フォーム全体の重量基準で1〜30重量%、好ましくは
3〜20重量%とすることができる。
【0018】本発明のポリウレタンフォームの中に含ま
れるポリマー中空粒子の粒子寸法は、好ましくは1〜1
00μm、より好ましくは10〜50μmの範囲とする
ことができる。
【0019】本発明は、もう1つの要旨において、ポリ
オール、有機ポリイソシアネート、整泡剤、触媒、発泡
剤及びポリマー中空粒子を含んでなる混合物を形成し、
該混合物を発泡させることによりポリウレタンフォーム
を製造する方法を提供する。
【0020】本発明は、更にもう1つの要旨において、
整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を分散させ
て含むポリオールの系と、有機ポリイソシアネートの系
とを混合することによりポリウレタンフォームを製造す
る方法を提供する。
【0021】本発明は、更にもう1つの要旨において、
上述するようなポリウレタンフォームを含んでなる断熱
材を提供する。
【0022】本発明は、更にもう1つの態様において、
外箱、内箱、及び該外箱と内箱との間の空隙部を有して
なる箱体であって、該空隙部に上述するようなポリウレ
タンフォーム又は断熱材を含んでなる箱体を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のポリウレタンフォーム
は、常套のポリウレタンフォームの中に、本発明におい
て規定するような特定のポリマー中空粒子を含むことを
特徴の1つとしている。従って、ポリウレタンフォーム
を製造するために一般的に用いられている原料、例え
ば、ポリオール、有機ポリイソシアネート、整泡剤、触
媒及び発泡剤等の種類及び組成に関しては、常套のポリ
ウレタンフォームについて用いられるものと同様とする
ことができる。また、本発明のポリウレタンフォーム
は、その他の添加成分として、鎖延長剤、架橋剤、充填
剤、難燃材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止
剤、着色剤等を必要に応じて含むこともできる。
【0024】本発明において、有機ポリイソシアネート
とは、1分子に2又はそれ以上のイソシアネート基を有
する化合物を意味する。そのような化合物には、例え
ば、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと
称する)、ポリメリックMDI、トルエンジイソシアネ
ート(以下、TDIと称する)、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、フェニレンジイソシアネート、ジメチルジフェニル
ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネ
ート、及びトリフェニルメタントリイソシアネート等の
種々の化合物を単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。
【0025】また、例えば、1分子中に複数の活性水素
基を有する化合物と2分子以上のジ若しくはトリイソシ
アネートとの付加物である化合物、又はジ若しくはトリ
イソシアネートをダイマー、トリマー若しくはオリゴマ
ー程度に重合させた化合物等の、1分子あたり2又はそ
れ以上のイソシアネート基を有する比較的分子量の大き
な化合物、例えば、「コロネート(登録商標)L(日本ポ
リウレタン製)」等を有機ポリイソシアネートとして使
用することもできる。
【0026】本発明において、ポリオール成分として
は、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペ
ンタエリスリトール、エチレンジアミン、トリエタノー
ルアミン、トリエチレンジアミン、トリレンジアミン、
ジフェニルメタンジアミン、メチルグリコシド、ソルビ
トール、シュークローズ等の活性水素化合物にエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイドなどのエポキサイド
基を1分子又はそれ以上付加させてなるポリエーテルポ
リオール化合物、及びフタル酸などの多官能カルボン酸
化合物に多官能ヒドロキシ化合物が重縮合してなるポリ
エステルポリオール化合物、又はこれらを組み合わせな
る混合物が使用可能である。
【0027】有機ポリイソシアネートは、ポリオール及
び水(存在する場合)に含まれる水酸基1個に対して、
イソシアネート基が0.8〜1.4個、好ましくは1.0
〜1.2個の範囲となるようにすることが好ましい。
【0028】整泡剤は、発泡時において気泡の大きさを
整え、その安定度を向上させるものであり、例えば、線
状及び分枝ポリエーテル/シロキサン化合物の中から選
択して使用することができる。整泡剤は、ポリオール1
00重量部に対して、1〜10重量部、好ましくは2〜
5重量部の範囲で使用することができる。
【0029】触媒としては、例えば、モノアミン類、ジ
アミン類、トリアミン類、環状アミン類、アルコールア
ミン類、エーテルアミン類等の種々のアミン化合物、例
えば、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリイ
ソプロパノールアミン、トリブチルアミン、トリオクチ
ルアミン、ヘキサデシルジメチルアミン、N−メチルモ
ルホリン、N−エチルモルホリン、N−オクタデシルモ
ルホリン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジア
ミン、N,N,N',N'−テトラメチルプロピレンジアミ
ン、N,N,N',N'−テトラメチルブタンジアミン、N,
N,N',N'−テトラメチル−1,3−ブタンジアミン、
N,N,N',N'−テトラメチルヘキサメチレンジアミ
ン、ビス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]エ
ーテル、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,
N,N',N",N"−ペンタメチルジエチレントリアミン、
トリエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、トリメ
チルアミノエチルピペラジン、N,N−ジアルキルピペ
ラジン、並びに有機スズ化合物、例えば、ジブチルチン
ジラウレート等を使用することができる。触媒の添加量
は、ポリオール成分100重量部に対して、通常は0.
5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部である。
【0030】本発明において、ポリマー中空粒子とは、
内部に空間部を有する粒子状のポリマーであって、例え
ば、ポリマー製の外殻部分(いわゆるシェル)を有して
おり、その内部に少なくとも1つの空間部を有するもの
をいう。ポリマー中空粒子の外殻部分の厚さは、ポリマ
ー中空粒子の内部に空間部を確保することができれば、
薄いものから厚いものまで含み得る。また、内部の空間
は、ポリマー製の壁部によって、2以上のセルに仕切ら
れていてもよい。内部の空間には、中空粒子を形成する
ポリマー以外の物質を含むことができ、その物質は条件
によって気体又は液体であってよく、場合によってはペ
ーストないし固体の形状であるものも含む。
【0031】ポリマー中空粒子の外殻部分は、内部にガ
スを保持することができるものであればその種類は問わ
ないが、熱可塑性樹脂によって形成されていることが好
ましい。その場合に、熱可塑性樹脂は150℃以下の軟
化温度を有することが好ましい。
【0032】そのような熱可塑性樹脂の例としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリア
クリル酸エステル、アクリロニトリルなどの単独重合体
及びこれらの2又はそれ以上のものを組み合わせてなる
共重合体を挙げることができる。
【0033】ポリマー中空粒子の粒子寸法はポリウレタ
ンフォーム中の均一な分散のためには、一般的に小さい
ものが好ましく、ポリウレタンフォームを形成した場合
における断熱性能の向上が期待できる。通常は、1〜1
00μmの範囲の粒子寸法を有するポリマー中空粒子を
用いる。
【0034】ポリマー中空粒子の内部の空間には、大気
圧及び常温においてガスである物質を封入している。こ
のガスは、大気圧において沸点が10℃以下である物
質、特に炭化水素であることが好ましい。そのようなガ
スは、特にその種類を問わないが、ガス熱伝導率の低い
ガスを用いる程、得られるポリウレタンフォームの断熱
性能が向上する。また、そのガスの蒸気圧が高い程、よ
り効果的に、低密度かつ断熱性能、強度、寸法安定性に
優れるポリウレタンフォームを形成することができる。
そのようなガスとしては、例えば、エタン、プロパン、
ブタン及びイソブタン等の炭化水素、アルゴン、キセノ
ン及びクリプトン等の希ガスを単独で、或いは、混合す
ることが他に悪影響を及ぼさないことを条件として、こ
れらの群から選ばれる2又はそれ以上のガスの混合物を
用いることができる。
【0035】ポリマー中空粒子の外殻について軟化温度
が150℃以下(好ましくは70〜150℃)の熱可塑
性樹脂を使用し、ポリマー中空粒子の内部に大気圧にお
いて10℃以下の沸点を有する物質を含むという構成を
とることにより、有機ポリイソシアネートとポリオール
との重合反応が発熱反応であるため、重合反応中におけ
る反応系の内部温度は、局部的な場合もあるが、例えば
70〜170℃、特に80〜120℃程度に上昇するこ
とがあり、ポリマー中空粒子内部のガスの体積が膨張す
ると共に、ポリマー中空粒子外殻の熱可塑性樹脂が多少
なりとも軟化することにより、ポリマー中空粒子は膨張
して、例えば球形となり、外殻を構成する熱可塑性樹脂
によって許容される最大の体積を有する状態となる。従
って、この状態では、ポリマー中空粒子自体は一層小さ
い密度を有することになる。
【0036】ポリマー中空粒子の外殻を構成する熱可塑
性樹脂の外側表面は、上記の発泡の過程において軟化し
た状態となっており、好ましくはポリオールと有機ポリ
イソシアネートとが重合して生成しつつあるポリウレタ
ンに付着して、生成したポリウレタンフォームと一体化
することができる。
【0037】この発泡工程の後において、ポリウレタン
フォーム及びポリマー中空粒子の温度は、その発泡中に
おける温度よりも低下するが、ポリマー中空粒子の外殻
部分は軟化温度の下限値、例えば70℃以下の温度にな
ると硬化して硬質のシェルとなり、形成されたポリウレ
タンフォーム内においてポリマー中空粒子はそのままの
体積を占める状態を保持することができる。
【0038】本発明のポリウレタンフォームには、炭化
水素又は水若しくはカルボン酸化合物の通常用いるよう
な発泡剤も使用しており、これらの発泡剤によって発生
する炭化水素又は炭酸ガスも、生成したポリウレタンフ
ォームの気泡内に存在する。従って、得られるポリウレ
タンフォームの内部には、ガスが占める空間として、発
泡剤によって形成される通常の気泡の部分と、ポリマー
中空粒子の内部の空間部が含まれるので、通常のポリウ
レタンフォームよりも更に低密度で断熱性能の向上した
ポリウレタンフォームを形成することができる。
【0039】常套のポリウレタンフォームにおいては温
度の低下に伴って内部の気泡が収縮し、それによってポ
リウレタンフォーム全体の寸法も収縮していたのである
が、本発明のポリマー中空粒子は、外殻部分を構成する
ポリマーが硬化した後も、発泡工程において保有し得る
最大の体積をポリウレタンフォームの内部において実質
的に保つことができるので、そのようなポリマー中空粒
子を使用することにより、ポリマー中空粒子を使用する
割合に応じて、フォーム全体の中で、温度低下に伴って
収縮する気泡の存在する割合を小さくすることができ、
得られるフォームの寸法の変化も最小の限度に留めるこ
とができる。従って、本発明のポリウレタンフォームは
良好な寸法安定性を有するものとなる。
【0040】尚、本発明において用いるポリマー中空粒
子としては、例えば、内部に封入する炭化水素と、外殻
部分を構成する熱可塑性ポリマーのモノマーとを、炭化
水素が液体である条件にて乳化重合して得られるマイク
ロカプセルを使用することができる。そのようなマイク
ロカプセルは、外殻部分のポリマー及び内部の炭化水素
の種類の組合せにもよるが、マイクロカプセル化した
後、ポリマーの軟化温度よりも比較的低い温度状態にて
保持すると内部の炭化水素を液体の状態のままで存在さ
せることもできるし、或いは、マイクロカプセル化した
後、ポリマーが軟化する温度条件に付して急冷すること
によって、内部の炭化水素が気化しており比較的球形の
形状の外殻を有する粒子とすることができる。従って、
中空粒子内部の空間部には、一部が気体として、また他
の一部が液体として存在していてもよい。
【0041】このようなポリマー中空粒子として市販さ
れているものを使用することもできる。そのようなポリ
マー中空粒子の具体例としては、松本油脂製薬(株)から
市販されている「マツモトマイクロスフェアー(登録商
標)F−20」、又は日本国内において日本フェライト
(株)から市販されている「エクスパンセル(EXPANSEL)
(登録商標)551DU」等がある。
【0042】更に、本発明のポリウレタンフォームは、
好ましくは1〜100μm、より好ましくは10〜50
μmの範囲の粒子寸法を有するポリマー中空粒子を内部
に分散させているので、ポリマー中空粒子は分散して独
立した気泡の状態でポリウレタンフォーム内に存在し、
得られるウレタンフォームの強度も向上する。
【0043】本発明のポリウレタンフォームは、基本的
には、ポリオール、有機ポリイソシアネート、整泡剤、
触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含んでなる混合物
を形成し、この混合物を発泡させることによって製造す
ることができる。特に、整泡剤、触媒、発泡剤及びポリ
マー中空粒子を分散させて含むポリオールの系をまず調
製し、この状態で、系を十分に攪拌することによってポ
リマー中空粒子をポリオール系全体に均質に分散させる
ことができる。かくして得られるポリオール系と有機ポ
リイソシアネートの系とを混合することによって、本発
明のポリウレタンフォームを製造することができる。
【0044】以上説明したような本発明のポリウレタン
フォームは、常套のポリウレタンフォームよりも低密度
であり、より優れた断熱性能、強度及び寸法安定性を有
するので、その性質を利用することができる用途、特に
断熱材、シーリング材、コーキング材、絶縁材、緩衝
材、金属の代替となり得る構造用材料若しくは被覆材料
等に用いることができる。
【0045】特に、ポリウレタンフォームの重合の際
に、又はフォームを形成した後で、種々の形状に加工す
ることによって、必要な形状の、低密度で、断熱性、強
度、寸法安定性に優れる断熱材として使用することがで
きる。例えば、本発明のポリウレタンフォームを発泡さ
せる際に、注入法、流延法又は吹き付け法等の適用方法
を適宜採用することによって、複雑な形状を有する部材
の周囲を包囲する又は内部空間を充填する断熱材として
使用することもできる。従って、例えば、箱体等の外箱
と内箱との間の空隙部に充填することもできるので、軽
量かつ保温性能に優れる断熱箱体を得ることができる。
本発明の断熱材、断熱箱体は、従来の技術の欄において
記載したような種々の用途に用いることができる。
【0046】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれらの態様に限定され
るものではない。
【0047】表1に示すような処方を用いてポリウレタ
ンフォームを形成した。これらの実施例において、ポリ
オールとしては、シュークローズ系ポリエーテルポリオ
ールとエチレンジアミン系ポリエーテルポリオールとの
混合物であって、全水酸基価が460mgKOH/gで
あるもの、整泡剤としては日本ユニカー(株)製L−5
340、触媒としては花王(株)製カオライザーNo.
31を、有機ポリイソシアネートとしてはアミン当量1
35のポリメリックMDIを用いた。
【0048】また、表1に記載する実施例において、ポ
リマー中空粒子Bとしては、外殻が70〜75℃の軟化
温度を有する塩化ビニリデン/アクリロニトリル共重合
体からなり、イソブタンを含む粒径10〜20μm、真
比重1.1g/ccの熱膨張性ポリマー中空粒子(松本
油脂製薬(株)製マツモトマイクロスフェアー F-2
0)を使用した。また、ポリマー中空粒子Aとしては、
上記のポリマー中空粒子Bを約100℃で10分間熱処
理に付して得られる粒径80〜100μmのポリマー中
空粒子を使用した。
【0049】発泡剤としては、シクロペンタンないし水
とイソシアネートとの反応により発生する炭酸ガスを用
いた。上記の原料を表1に示した配合部数で混合攪拌
し、高圧発泡機にて発泡させ、外箱と内箱との間に空隙
部を有する断熱箱体の空隙部に充填し、断熱箱体を得
た。
【0050】このようにして得られた断熱箱体からポリ
ウレタンフォームを切り出し、そのコア密度、熱伝導
率、圧縮機械強度、湿熱寸法安定性、低温寸法安定性に
ついて調べた。測定結果は表1に示している。ここで、
熱伝導率は英光精機(株)社製AUTO−Λにて測定し
た。圧縮機械強度は、(株)島津製作所製オートグラフ
にて、縦50mm×横50mm×厚さ30mmの試験片
の厚さ方向の強度を、試験速度10mm/分で測定し
た。寸法安定性は、縦75mm×横50mm×厚さ30
mmの試験片を作成し、湿熱条件(70℃、90RH
%)、低温条件(−20℃)にてそれぞれ48時間放置
した際の試験片の体積変化率を測定した。
【0051】
【表1】
【0052】比較例1及び比較例3はポリマー中空粒子
を添加しない場合を示している。これらの場合には、ポ
リウレタンフォームを低密度化することができなかっ
た。また、比較例2及び比較例4は、発泡剤であるシク
ロペンタンや水の添加量を増すことによってポリウレタ
ンフォームの低密度化を図った場合を示している。これ
らの場合には、ポリウレタンフォームの寸法安定性や圧
縮強度が著しく低下した。一方、本発明の実施例1〜6
においては、低密度で、断熱性能、強度及び寸法安定性
に優れるポリウレタンフォームを得ることができた。
【0053】
【発明の効果】ポリオール、有機ポリイソシアネート、
整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含んでな
る混合物を発泡させることにより形成する本発明のポリ
ウレタンフォームは、ポリマー中空粒子を添加すること
により、これを添加しない場合に比べて、より低密度
で、より優れた断熱性能、強度及び寸法安定性を確保す
ることができる。
【0054】ポリウレタンフォームの発泡剤として、炭
化水素、水及びカルボン酸化合物の群から選ばれる少な
くとも1種の化合物を使用すること、及び炭化水素とし
て特にシクロペンタンを使用することにより、オゾン層
破壊や地球温暖化へ悪影響を及ぼすフロン系ガスの使用
を回避することができる。
【0055】ポリマー中空粒子の外殻を熱可塑性樹脂に
より形成することによって、ポリマー中空粒子の形状を
所望するように変化させることができる。その熱可塑性
樹脂を、エチレン、プロピレン、スチレン、塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル
及びアクリロニトリルからなる群から選ばれる化合物の
ホモポリマー又は少なくとも2種の化合物のコポリマー
とすること、又は熱可塑性樹脂として150℃以下の軟
化温度を有するものを使用することによって、発泡時に
膨張させてポリマー中空粒子の形状を変化させる処理を
容易に行うことができる。
【0056】ポリマー中空粒子の外殻を上述のように形
成し、ポリマー中空粒子の内部に沸点10℃以下の炭化
水素を含むようにすることによって、通常の使用に際し
て中空状態を確保することができる。
【0057】ポリウレタンフォームがポリマー中空粒子
を分散した状態で含むようにすること、及びポリマー中
空粒子の含有量がポリウレタンフォーム全体の重量基準
で1〜30重量%、好ましくは3〜20重量%とするこ
とによって、ポリウレタンフォームが全体的に、好まし
くは均一にポリマー中空粒子を含むこととなり、ポリウ
レタンフォームの全体にわたって低比重化並びに良好な
断熱性、強度、寸法安定性を図ることができる。
【0058】ポリマー中空粒子の粒子寸法を好ましくは
1〜100μm、より好ましくは10〜50μmの範囲
のとすることによって、ポリウレタンフォームへポリマ
ー中空粒子を添加する量的割合の範囲を大きくすること
ができ、そのような粒子寸法を有するポリマー中空粒子
を内部に分散させることによって、ポリウレタンフォー
ム中にポリマー中空粒子を分散して独立した気泡のよう
な状態で存在させることができ、従って得られるウレタ
ンフォームの強度を向上させることができる。
【0059】本発明のポリウレタンフォームの1つの製
造方法においては、ポリオール、有機ポリイソシアネー
ト、整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含ん
でなる混合物を形成し、該混合物を発泡させることによ
って、ポリマー中空粒子を含むポリウレタンフォームを
製造することができる。具体的には、整泡剤、触媒、発
泡剤及びポリマー中空粒子を分散させて含むポリオール
の系と、有機ポリイソシアネートの系とをそれぞれ調製
し、これらを混合することによってポリマー中空粒子を
含むポリウレタンフォームを製造することができるの
で、ポリウレタンフォームを製造する系の中にポリマー
中空粒子を容易に加えることができる。更に、ポリオー
ルの系は粘稠であるものが多く、ポリマー中空粒子を含
むポリオールの系を十分に攪拌混合することによって、
ポリオールの系の中にポリマー中空粒子をほぼ均一に分
散させることもできる。従って、得られるポリウレタン
フォームの中にポリマー中空粒子を、好ましくはほぼ均
一に分散した状態で含ませることができる。
【0060】本発明のポリウレタンフォームは、低密度
で、断熱性、強度、寸法安定性に優れるので、断熱材と
して使用するとのに非常に適している。また、本発明の
ポリウレタンフォーム又は断熱材を、外箱、内箱、及び
該外箱と内箱との間の空隙部を有してなる箱体の空隙部
に含ませるようにすることにより、この箱体を高性能の
断熱箱体として使用することができる。従って、本発明
のポリウレタンフォーム又は断熱材を冷蔵庫や冷蔵ショ
ーケース等の断熱箱体に適用することにより、軽量かつ
保温性能に優れる断熱箱体を得ることができ、また、容
器からの熱漏洩を最小限度に抑制し、冷蔵庫や冷蔵ショ
ーケースの消費電力も低減することができる等、省エネ
ルギー化をより促進することもでき、断熱箱体の品質向
上を図ることができる。
【0061】尚、本発明のポリウレタンフォームは、重
合の際に、又はフォームを形成した後で、種々の形状に
加工することによって、必要な形状の、低密度で、断熱
性、強度、寸法安定性に優れる断熱材として使用するこ
とができる。従って、断熱箱体等の外箱と内箱との間の
空隙部を充填すること以外にも、例えば、本発明のポリ
ウレタンフォームを発泡させる際に、注入法、流延法又
は吹き付け法等の適用方法を採用することによって、複
雑な形状を有する部材の周囲を包囲する断熱材として又
は2つの部材の間の空間を充填する断熱材として適用す
ることもできる。本発明の断熱材、断熱箱体は、従来の
技術の欄において記載したような種々の用途に用いるこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 7/22 C08K 7/22 C08L 75/04 C08L 75/04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオール、有機ポリイソシアネート、
    整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含んでな
    る混合物を発泡させることにより形成するポリウレタン
    フォーム。
  2. 【請求項2】 発泡剤が、炭化水素、水及びカルボン酸
    化合物の群から選ばれる少なくとも1種の化合物である
    請求項1記載のポリウレタンフォーム。
  3. 【請求項3】 炭化水素がシクロペンタンである請求項
    2記載のポリウレタンフォーム。
  4. 【請求項4】 ポリマー中空粒子を構成する熱可塑性樹
    脂からなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリウレタ
    ンフォーム。
  5. 【請求項5】 熱可塑性樹脂が、エチレン、プロピレ
    ン、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニ
    ル、アクリル酸エステル及びアクリロニトリルからなる
    群から選ばれる化合物のホモポリマー又は少なくとも2
    種の化合物のコポリマーである請求項4記載のポリウレ
    タンフォーム。
  6. 【請求項6】 熱可塑性樹脂の軟化温度が150℃以下
    であることを特徴とする請求項4又は5記載のポリウレ
    タンフォーム。
  7. 【請求項7】 ポリマー中空粒子が、沸点が10℃以下
    の炭化水素を内部に含む請求項1〜6のいずれかに記載
    のポリウレタンフォーム。
  8. 【請求項8】 ポリマー中空粒子を分散した状態で含む
    ポリウレタンフォーム。
  9. 【請求項9】 ポリマー中空粒子の含有量がポリウレタ
    ンフォーム全体の重量基準で1〜30重量%、好ましく
    は3〜20重量%である請求項1〜8のいずれかに記載
    のポリウレタンフォーム。
  10. 【請求項10】 ポリマー中空粒子の粒子寸法が1〜1
    00μmの範囲である請求項1〜9のいずれかに記載の
    ポリウレタンフォーム。
  11. 【請求項11】 ポリオール、有機ポリイソシアネー
    ト、整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中空粒子を含ん
    でなる混合物を形成し、該混合物を発泡させるポリウレ
    タンフォームの製造方法。
  12. 【請求項12】 整泡剤、触媒、発泡剤及びポリマー中
    空粒子を分散させて含むポリオールの系と、有機ポリイ
    ソシアネートの系とを混合する請求項11記載のポリウ
    レタンフォームの製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜10のいずれかに記載のポ
    リウレタンフォームを含んでなる断熱材。
  14. 【請求項14】 外箱、内箱、及び該外箱と内箱との間
    の空隙部を有してなる箱体であって、空隙部に請求項1
    〜10及び13のいずれかに記載のポリウレタンフォー
    ム又は断熱材を含んでなる断熱箱体。
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