JPH11310825A - 冷間圧延用ワークロールの製造方法 - Google Patents
冷間圧延用ワークロールの製造方法Info
- Publication number
- JPH11310825A JPH11310825A JP11934198A JP11934198A JPH11310825A JP H11310825 A JPH11310825 A JP H11310825A JP 11934198 A JP11934198 A JP 11934198A JP 11934198 A JP11934198 A JP 11934198A JP H11310825 A JPH11310825 A JP H11310825A
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- Japan
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- cold rolling
- quenching
- work roll
- roll
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 冷間圧延用ワークロールの製造において、鋳
造後の焼入れ時にロール胴端部のクラックを防止する方
法を提供すること。 【解決手段】 芯材の周囲に、成分が重量%で、C:
0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:
0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:
3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、残部Fe及
び不可避的不純物からなる外層洋溶湯を連続鋳掛肉盛法
にて外層を形成後、調質熱処理により、前記外層のショ
ア硬度を42以下、引張り試験での伸び値を0.5%以
上にした後、焼入れ、焼戻しにより前記外層のショア硬
度を89以上することを特徴とする冷間圧延用ワークロ
ールの製造方法。
造後の焼入れ時にロール胴端部のクラックを防止する方
法を提供すること。 【解決手段】 芯材の周囲に、成分が重量%で、C:
0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:
0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:
3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、残部Fe及
び不可避的不純物からなる外層洋溶湯を連続鋳掛肉盛法
にて外層を形成後、調質熱処理により、前記外層のショ
ア硬度を42以下、引張り試験での伸び値を0.5%以
上にした後、焼入れ、焼戻しにより前記外層のショア硬
度を89以上することを特徴とする冷間圧延用ワークロ
ールの製造方法。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼の冷間圧延に
用いられる耐摩耗性、耐粗度保持性に優れた冷間圧延用
ワークロールの製造方法に関するものである。
用いられる耐摩耗性、耐粗度保持性に優れた冷間圧延用
ワークロールの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄鋼の冷間圧延用ワークロールと
しては、例えば特開昭54−159323号公報に開示
されているような3〜7%Crを含む鍛鋼が適用され、
大気溶解法、エレクトロスラグ溶解法で鋼塊を製造した
後、鍛造処理を行い、一定の形状・寸法に加工した後、
誘導加熱焼入れにより高硬度化して耐摩耗性を付与して
いた。従って、誘導焼入れする素材は高温で鍛造してい
るため、鋳造組織が分断されており、引張り試験での伸
び値が5%以上と高い靱性を確保しているため、焼入れ
時の割れ等が発生する問題は少なかった。
しては、例えば特開昭54−159323号公報に開示
されているような3〜7%Crを含む鍛鋼が適用され、
大気溶解法、エレクトロスラグ溶解法で鋼塊を製造した
後、鍛造処理を行い、一定の形状・寸法に加工した後、
誘導加熱焼入れにより高硬度化して耐摩耗性を付与して
いた。従って、誘導焼入れする素材は高温で鍛造してい
るため、鋳造組織が分断されており、引張り試験での伸
び値が5%以上と高い靱性を確保しているため、焼入れ
時の割れ等が発生する問題は少なかった。
【0003】一方、他の製造法として、強靱性を有する
芯材の周囲に高合金からなる外層を連続鋳掛肉盛法にて
形成し、複合ロールを製造する技術が特公平5−219
73号公報に記載されている。前記公報に記載された外
層の成分では、その主要成分であるCの量が1.5〜
3.5%と多く、それにより炭化物が粗大化し、強度が
低下するため、本発明の用途である冷間圧延用ロールと
して使用できない。また、この連続鋳掛肉盛法で製造し
たロールは、前記の各製法でのロールに比べ鋳造後の結
晶粒径が小さくなるため、鍛造処理をせず、鋳造のまま
の凝固組織の状態で誘導焼入れする。従って、焼入れの
際、焼入れ開始部の表面より外層に割れが発生するとい
う問題が発生した。
芯材の周囲に高合金からなる外層を連続鋳掛肉盛法にて
形成し、複合ロールを製造する技術が特公平5−219
73号公報に記載されている。前記公報に記載された外
層の成分では、その主要成分であるCの量が1.5〜
3.5%と多く、それにより炭化物が粗大化し、強度が
低下するため、本発明の用途である冷間圧延用ロールと
して使用できない。また、この連続鋳掛肉盛法で製造し
たロールは、前記の各製法でのロールに比べ鋳造後の結
晶粒径が小さくなるため、鍛造処理をせず、鋳造のまま
の凝固組織の状態で誘導焼入れする。従って、焼入れの
際、焼入れ開始部の表面より外層に割れが発生するとい
う問題が発生した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、誘導加熱焼
入れ前に外層の靱性を向上させ、誘導加熱焼入れ時に発
生する焼入れ開始部の外層表面の割れを防止して健全な
圧延ロールの製造方法を提供することにある。
入れ前に外層の靱性を向上させ、誘導加熱焼入れ時に発
生する焼入れ開始部の外層表面の割れを防止して健全な
圧延ロールの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】その発明の要旨とすると
ころは、 (1)鋳鋼または鍛鋼からなる芯材の周囲に、連続鋳掛
肉盛法にて外層を形成してなる冷間圧延用ワークロール
の製造方法であって、前記芯材の周囲に、成分が重量%
で、C:0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、
Mn:0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、
Mo:3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、残部
がFe及び不可避的不純物からなる外層用溶湯を連続鋳
掛肉盛法にて外層を形成後、調質熱処理により、前記外
層のショア硬度を42以下、引張り試験での伸び値を
0.5%以上にした後、焼入れ、焼戻しにより前記外層
のショア硬度を89以上にしたことを特徴とする冷間圧
延用ワークロールの製造方法。
ころは、 (1)鋳鋼または鍛鋼からなる芯材の周囲に、連続鋳掛
肉盛法にて外層を形成してなる冷間圧延用ワークロール
の製造方法であって、前記芯材の周囲に、成分が重量%
で、C:0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、
Mn:0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、
Mo:3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、残部
がFe及び不可避的不純物からなる外層用溶湯を連続鋳
掛肉盛法にて外層を形成後、調質熱処理により、前記外
層のショア硬度を42以下、引張り試験での伸び値を
0.5%以上にした後、焼入れ、焼戻しにより前記外層
のショア硬度を89以上にしたことを特徴とする冷間圧
延用ワークロールの製造方法。
【0006】(2)外層用溶湯の成分を重量%で、C:
0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:
0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:
3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、W:2.0
%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなることを
特徴とする前記(1)記載の冷間圧延用ワークロールの
製造方法。 (3)外層用溶湯の成分を重量%で、C:0.9〜1.
5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:0.3〜1.0
%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:3.0〜8.0
%、V:0.5〜5.0%、W:2.0%以下、Ni:
5.0%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とする前記(1)記載の冷間圧延用ワークロ
ールの製造方法。
0.9〜1.5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:
0.3〜1.0%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:
3.0〜8.0%、V:0.5〜5.0%、W:2.0
%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなることを
特徴とする前記(1)記載の冷間圧延用ワークロールの
製造方法。 (3)外層用溶湯の成分を重量%で、C:0.9〜1.
5%、Si:0.3〜1.0%、Mn:0.3〜1.0
%、Cr:4.0〜10.0%、Mo:3.0〜8.0
%、V:0.5〜5.0%、W:2.0%以下、Ni:
5.0%以下、残部がFe及び不可避的不純物からなる
ことを特徴とする前記(1)記載の冷間圧延用ワークロ
ールの製造方法。
【0007】(4)焼入れ前に行う調質熱処理として、
1050〜1100℃で10〜20時間保持後、引続
き、900〜1000℃で、10〜20時間保持後、常
温まで空冷しその後600〜700℃で5〜20時間保
持で数回焼戻処理することを特徴とする前記(1)〜
(3)記載の冷間圧延用ワークロールの製造方法。 (5)調質熱処理後に行う焼入れとして、前記ロールを
10〜50rpmで回転させ、誘導加熱により加熱する
と共に、シャワー冷却を行うことを特徴とする前記
(1)〜(4)記載の冷間圧延用ワークロールの製造方
法にある。
1050〜1100℃で10〜20時間保持後、引続
き、900〜1000℃で、10〜20時間保持後、常
温まで空冷しその後600〜700℃で5〜20時間保
持で数回焼戻処理することを特徴とする前記(1)〜
(3)記載の冷間圧延用ワークロールの製造方法。 (5)調質熱処理後に行う焼入れとして、前記ロールを
10〜50rpmで回転させ、誘導加熱により加熱する
と共に、シャワー冷却を行うことを特徴とする前記
(1)〜(4)記載の冷間圧延用ワークロールの製造方
法にある。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る外層の成分を
限定した理由を以下に述べる。Cは硬さを得るための重
要な元素である。C量が0.9%未満であると基地に固
溶するCが不足し、十分なマトリックス硬さが得られな
くなると同時に、高合金化が難しくなる。しかも、1.
5%を超えると炭化物が粗大化し強度が低下するので上
限を1.5%とした。Siは脱酸剤として必要な元素で
あり、その効果を発揮するのは0.3%以上必要である
が1.0%を超えると脆化するため好ましくない。
限定した理由を以下に述べる。Cは硬さを得るための重
要な元素である。C量が0.9%未満であると基地に固
溶するCが不足し、十分なマトリックス硬さが得られな
くなると同時に、高合金化が難しくなる。しかも、1.
5%を超えると炭化物が粗大化し強度が低下するので上
限を1.5%とした。Siは脱酸剤として必要な元素で
あり、その効果を発揮するのは0.3%以上必要である
が1.0%を超えると脆化するため好ましくない。
【0009】MnもSi同様、脱酸剤として必要な元素
であり、その効果を発揮するには0.3%以上必要であ
るが1.0%を超えると脆化するため好ましくない。C
rはCと結合しやすくM7 C3 系炭化物を構成し、耐摩
耗性を確保する上で必要な元素であるが少ないと十分な
耐摩耗性が確保できず、一方多すぎると炭化物が粗大化
しネット状に発達する傾向があり靱性が低下する。その
最適な範囲は4%以上10%以下である。
であり、その効果を発揮するには0.3%以上必要であ
るが1.0%を超えると脆化するため好ましくない。C
rはCと結合しやすくM7 C3 系炭化物を構成し、耐摩
耗性を確保する上で必要な元素であるが少ないと十分な
耐摩耗性が確保できず、一方多すぎると炭化物が粗大化
しネット状に発達する傾向があり靱性が低下する。その
最適な範囲は4%以上10%以下である。
【0010】Moは硬質の炭化物が得られ、また高温で
焼戻を行う場合、その二次硬化に強く寄与する元素であ
る。3%未満の場合、炭化物としての析出が不十分であ
る。しかし、8%を超えるとネット状の粗大な炭化物と
なるため、その適切な範囲を3%以上8%以下とした。
特に4%以上6%以下の範囲にあることが望ましい。V
は硬度の極めて高いMC系炭化物を形成するため最も強
く耐摩耗性に寄与する元素である。しかし、0.5%未
満であるとその効果は小さく、5%を超えると研削性が
阻害されるため、その範囲を0.5%以上5%以下とし
た。
焼戻を行う場合、その二次硬化に強く寄与する元素であ
る。3%未満の場合、炭化物としての析出が不十分であ
る。しかし、8%を超えるとネット状の粗大な炭化物と
なるため、その適切な範囲を3%以上8%以下とした。
特に4%以上6%以下の範囲にあることが望ましい。V
は硬度の極めて高いMC系炭化物を形成するため最も強
く耐摩耗性に寄与する元素である。しかし、0.5%未
満であるとその効果は小さく、5%を超えると研削性が
阻害されるため、その範囲を0.5%以上5%以下とし
た。
【0011】WはMoと同様に硬い炭化物を形成し、耐
摩耗を向上させる効果がある。また、焼戻しでの軟化抵
抗性があり、高温で焼戻しする場合に有効である。しか
し、W量は多過ぎると炭化物が粗大化に成長し、材料の
靱性を低下したり、使用中に肌荒れの原因になるため、
2%以下が望ましい。Niは焼入性を向上させる効果を
有する。径の大きいロールなど大きい硬化深度が要求さ
れる場合にはその要求に応じて添加すると良い。しか
し、5%を超えると残留オーステナイトが過剰となりH
s90以上の高硬度が得られなくなるためその上限を5
%とした。
摩耗を向上させる効果がある。また、焼戻しでの軟化抵
抗性があり、高温で焼戻しする場合に有効である。しか
し、W量は多過ぎると炭化物が粗大化に成長し、材料の
靱性を低下したり、使用中に肌荒れの原因になるため、
2%以下が望ましい。Niは焼入性を向上させる効果を
有する。径の大きいロールなど大きい硬化深度が要求さ
れる場合にはその要求に応じて添加すると良い。しか
し、5%を超えると残留オーステナイトが過剰となりH
s90以上の高硬度が得られなくなるためその上限を5
%とした。
【0012】この成分により鋳造したロール素材は軟化
焼鈍後、粗加工した後、調質熱処理を行う。その後、焼
入れ処理前の中間加工を行った後、誘導加熱焼入れを行
う。誘導加熱焼入れは図1に示すように、誘導加熱コイ
ル2をロール本体1の胴部下部にセットし、ロール本体
1を回転させながら、下から誘導加熱によって加熱し、
加熱された加熱部4を引続いて、水冷ノズル3により水
冷して焼入れ処理を行う方法である。なお、符号5は冷
却部である。このように焼入れしたロール本体1の下端
の焼入れ開始部は図2に示すような縦割れ6が発生する
問題を生じた。
焼鈍後、粗加工した後、調質熱処理を行う。その後、焼
入れ処理前の中間加工を行った後、誘導加熱焼入れを行
う。誘導加熱焼入れは図1に示すように、誘導加熱コイ
ル2をロール本体1の胴部下部にセットし、ロール本体
1を回転させながら、下から誘導加熱によって加熱し、
加熱された加熱部4を引続いて、水冷ノズル3により水
冷して焼入れ処理を行う方法である。なお、符号5は冷
却部である。このように焼入れしたロール本体1の下端
の焼入れ開始部は図2に示すような縦割れ6が発生する
問題を生じた。
【0013】このような縦割れの問題を解消するため、
発明者等は種々の試験、解析の結果、外層の硬度を42
HsC以下、引張り試験での伸び値を0.5%以上にす
れば、焼入れ開始時の外層表面の割れ発生を防止出来る
ことを見付けた。図3がその結果である。すなわち、図
3は外層から採取した引張り試験での伸びと硬度での縦
割れの発生範囲を示す図である。この図によれば焼入れ
前の硬度が42HsC以上、事前に該端部より採取した
試料より引張り試験した伸び値が0.5%以下では、殆
ど焼入れ時に外層表面に割れが発生する。しかし、同じ
位置の硬度を42HsC以下、引張り試験の伸び値を
0.5%以上にすることで、クラックは確実に防止でき
ることが判った。
発明者等は種々の試験、解析の結果、外層の硬度を42
HsC以下、引張り試験での伸び値を0.5%以上にす
れば、焼入れ開始時の外層表面の割れ発生を防止出来る
ことを見付けた。図3がその結果である。すなわち、図
3は外層から採取した引張り試験での伸びと硬度での縦
割れの発生範囲を示す図である。この図によれば焼入れ
前の硬度が42HsC以上、事前に該端部より採取した
試料より引張り試験した伸び値が0.5%以下では、殆
ど焼入れ時に外層表面に割れが発生する。しかし、同じ
位置の硬度を42HsC以下、引張り試験の伸び値を
0.5%以上にすることで、クラックは確実に防止でき
ることが判った。
【0014】このような知見に基づいて、靱性を向上さ
せる方法として、図4に示す。すなわち、図4は焼入れ
前の調質熱処理条件のヒートパターンを示す。この図の
ように、調質熱処理として、まず、1050〜1100
℃の温度で10〜20時間保定し、その後徐冷にて80
0℃以下に冷却した後再度900〜1000℃にで10
〜20時間保定した後、常温まで空冷し、さらに600
〜700℃で数回、5〜20時間の保定のもとに焼戻し
処理すると、硬度が42HsC以下、実体の引張り試験
の伸び値が0.5%以上に改善することを確認した。こ
の場合の焼入れとしては、ロールを10〜50rpm回
転させて誘導加熱により加熱すると共に、シャワー冷却
にて行った。
せる方法として、図4に示す。すなわち、図4は焼入れ
前の調質熱処理条件のヒートパターンを示す。この図の
ように、調質熱処理として、まず、1050〜1100
℃の温度で10〜20時間保定し、その後徐冷にて80
0℃以下に冷却した後再度900〜1000℃にで10
〜20時間保定した後、常温まで空冷し、さらに600
〜700℃で数回、5〜20時間の保定のもとに焼戻し
処理すると、硬度が42HsC以下、実体の引張り試験
の伸び値が0.5%以上に改善することを確認した。こ
の場合の焼入れとしては、ロールを10〜50rpm回
転させて誘導加熱により加熱すると共に、シャワー冷却
にて行った。
【0015】
【実施例】(実施例1)表1に示す成分をもつ圧延丸鋼
を芯材とし、その周囲に表1に示す成分からなる外層材
を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴径φ450mm、胴
長1900mm、全長3800mmの冷間圧延用ワーク
ロールを製造した。鋳造後、軟化焼鈍を施し、粗加工し
た後、炭化物の分断を目的として調質熱処理を行った。
その時の調質条件は、図4に示すヒートパターンで行っ
た。調質熱処理した後、焼入れ開始部に近いロール実体
から引張り試験片を採取して、引張り試験を行い、伸び
を調査したところ、0.84%を確認した。また、実体
ロール素材の焼入れ開始部に位置する個所の硬度を測定
したところ、40〜41HsCであった。この素材を誘
導加熱・水焼入れ処理した。主な焼入れ条件は表2に示
すが、焼入れは表面温度1100℃±10℃にて行っ
た。この時の焼入れ速度は0.3mm/sec、ロール
回転は30rpmで、また、冷却は誘導加熱コイルの下
部に円周方向に配置した冷却ノズルによる水シャワーで
行った。この時、焼入れ部での割れも無く、素材長さで
1900mmの焼入れに成功した。焼入れ後、500〜
520℃で10時間保定の焼戻しを2回行った。焼戻し
後の硬度を測定したところ、91〜92HsCで、製品
加工した。
を芯材とし、その周囲に表1に示す成分からなる外層材
を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴径φ450mm、胴
長1900mm、全長3800mmの冷間圧延用ワーク
ロールを製造した。鋳造後、軟化焼鈍を施し、粗加工し
た後、炭化物の分断を目的として調質熱処理を行った。
その時の調質条件は、図4に示すヒートパターンで行っ
た。調質熱処理した後、焼入れ開始部に近いロール実体
から引張り試験片を採取して、引張り試験を行い、伸び
を調査したところ、0.84%を確認した。また、実体
ロール素材の焼入れ開始部に位置する個所の硬度を測定
したところ、40〜41HsCであった。この素材を誘
導加熱・水焼入れ処理した。主な焼入れ条件は表2に示
すが、焼入れは表面温度1100℃±10℃にて行っ
た。この時の焼入れ速度は0.3mm/sec、ロール
回転は30rpmで、また、冷却は誘導加熱コイルの下
部に円周方向に配置した冷却ノズルによる水シャワーで
行った。この時、焼入れ部での割れも無く、素材長さで
1900mmの焼入れに成功した。焼入れ後、500〜
520℃で10時間保定の焼戻しを2回行った。焼戻し
後の硬度を測定したところ、91〜92HsCで、製品
加工した。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】(実施例2)表1に示す成分をもつ圧延丸
鋼を芯材とし、その周囲に表1に示す成分からなる外層
材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴径φ520mm、
胴長1900mm、全長3800mmの冷間圧延用ワー
クロールを製造した。鋳造後、実施例1と同じ軟化焼鈍
を施し、粗加工した後、炭化物の分断を目的として調質
熱処理を行った。その時の調質条件は、実施例1と同じ
ヒートパターンで行った。調質熱処理した後、焼入れ開
始部に近いロール実体から引張り試験片を採取して、引
張り試験を行い、伸びを調査したところ、0.64%を
確認した。また、実体ロール素材の焼入れ開始部に位置
する個所の硬度を測定したところ、41〜42HsCで
あった。この素材を誘導加熱・水焼入れ処理した。主な
焼入れ条件は表2に示すが、焼入れは表面温度1100
℃±10℃にて行った。この時の焼入れ速度は0.3m
m/sec、ロール回転は30rpmで行った。この時
も、焼入れ部での割れも無く、素材長さで1900mm
の焼入れに成功した。焼入れ後、500〜520℃で1
0時間保定の焼戻しを2回行った。焼戻し後の硬度を測
定したところ、90〜91HsCで、製品加工した。
鋼を芯材とし、その周囲に表1に示す成分からなる外層
材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴径φ520mm、
胴長1900mm、全長3800mmの冷間圧延用ワー
クロールを製造した。鋳造後、実施例1と同じ軟化焼鈍
を施し、粗加工した後、炭化物の分断を目的として調質
熱処理を行った。その時の調質条件は、実施例1と同じ
ヒートパターンで行った。調質熱処理した後、焼入れ開
始部に近いロール実体から引張り試験片を採取して、引
張り試験を行い、伸びを調査したところ、0.64%を
確認した。また、実体ロール素材の焼入れ開始部に位置
する個所の硬度を測定したところ、41〜42HsCで
あった。この素材を誘導加熱・水焼入れ処理した。主な
焼入れ条件は表2に示すが、焼入れは表面温度1100
℃±10℃にて行った。この時の焼入れ速度は0.3m
m/sec、ロール回転は30rpmで行った。この時
も、焼入れ部での割れも無く、素材長さで1900mm
の焼入れに成功した。焼入れ後、500〜520℃で1
0時間保定の焼戻しを2回行った。焼戻し後の硬度を測
定したところ、90〜91HsCで、製品加工した。
【0019】(比較例1)表1の比較例1に示す成分を
もつ圧延丸鋼を芯材とし、その周囲に実施例とほぼ同じ
成分からなる外層材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴
径φ450mm、胴長1900mm、全長3800mm
の冷間圧延用ワークロールを製造した。鋳造後、軟化焼
鈍を施し、誘導加熱焼入れ前の粗加工を行った。この
時、焼入れ前の焼入れ部の位置に近い個所より、引張り
試験片を採取し、伸びを測定したところ、0.37%で
あった。また、焼入れ開始部の外層表面を硬度45〜4
7HsCであった。この素材を実施例1と同じ条件で誘
導加熱焼入れを行ったところ、水冷を開始してすぐに焼
入れ開始部より、外層表面に縦割れを発生した。
もつ圧延丸鋼を芯材とし、その周囲に実施例とほぼ同じ
成分からなる外層材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴
径φ450mm、胴長1900mm、全長3800mm
の冷間圧延用ワークロールを製造した。鋳造後、軟化焼
鈍を施し、誘導加熱焼入れ前の粗加工を行った。この
時、焼入れ前の焼入れ部の位置に近い個所より、引張り
試験片を採取し、伸びを測定したところ、0.37%で
あった。また、焼入れ開始部の外層表面を硬度45〜4
7HsCであった。この素材を実施例1と同じ条件で誘
導加熱焼入れを行ったところ、水冷を開始してすぐに焼
入れ開始部より、外層表面に縦割れを発生した。
【0020】(比較例2)表1の比較例2に示す成分を
もつ圧延丸鋼を芯材とし、その周囲に実施例とほぼ同じ
成分からなる外層材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴
径φ530mm、胴長2000mm、全長4000mm
の冷間圧延用ワークロールを製造した。鋳造後、軟化焼
鈍を施し、誘導加熱焼入れ前の粗加工を行った。この
時、焼入れ前の焼入れ部の位置に近い個所より、引張り
試験片を採取し、伸びを測定したところ、0.37%で
あった。また、焼入れ開始部の外層表面は硬度45〜4
7HsCであった。この素材を実施例1と同じ条件で誘
導加熱焼入れを行ったところ、水冷を開始してすぐに焼
入れ開始部より、外層表面に縦割れを発生した。
もつ圧延丸鋼を芯材とし、その周囲に実施例とほぼ同じ
成分からなる外層材を連続鋳掛肉盛法にて溶着させた胴
径φ530mm、胴長2000mm、全長4000mm
の冷間圧延用ワークロールを製造した。鋳造後、軟化焼
鈍を施し、誘導加熱焼入れ前の粗加工を行った。この
時、焼入れ前の焼入れ部の位置に近い個所より、引張り
試験片を採取し、伸びを測定したところ、0.37%で
あった。また、焼入れ開始部の外層表面は硬度45〜4
7HsCであった。この素材を実施例1と同じ条件で誘
導加熱焼入れを行ったところ、水冷を開始してすぐに焼
入れ開始部より、外層表面に縦割れを発生した。
【0021】このように、焼入れ開始時に発生する外層
表面の割れは、所定の温度に加熱後、水冷シャワーによ
り外層表面を冷却すると、冷却された部分の外層表面が
収縮するため、応力として、引張り応力が発生する。引
張り応力は、塑性域から弾性域に達した温度で最も応力
が大きくなる。この引張り応力は、焼入れ開始部で大き
くなり、大部分の割れは水冷開始の位置で発生すること
が判明した。
表面の割れは、所定の温度に加熱後、水冷シャワーによ
り外層表面を冷却すると、冷却された部分の外層表面が
収縮するため、応力として、引張り応力が発生する。引
張り応力は、塑性域から弾性域に達した温度で最も応力
が大きくなる。この引張り応力は、焼入れ開始部で大き
くなり、大部分の割れは水冷開始の位置で発生すること
が判明した。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によって、連
続鋳掛肉盛法により鋳造したロール素地を誘導加熱焼入
れにおいて、外層の割れはほぼ解消することが出来た。
また、本発明法で製造した冷間圧延用ロールは、従来ロ
ールに比較して2〜5倍の耐摩耗性と耐粗度保持性を達
成している。さらに、1回の通材量も従来ロールの3倍
程度使用出来ており、生産性も大幅に向上することが出
来る極めて優れた効果を奏するものである。
続鋳掛肉盛法により鋳造したロール素地を誘導加熱焼入
れにおいて、外層の割れはほぼ解消することが出来た。
また、本発明法で製造した冷間圧延用ロールは、従来ロ
ールに比較して2〜5倍の耐摩耗性と耐粗度保持性を達
成している。さらに、1回の通材量も従来ロールの3倍
程度使用出来ており、生産性も大幅に向上することが出
来る極めて優れた効果を奏するものである。
【図1】誘導加熱焼入れ方法を示す概念図である。
【図2】焼入れ時の胴部下端の縦割れクラックの状況を
示す図である。
示す図である。
【図3】外層から採取した引張り試験での伸びと硬度で
の縦割れの発生範囲を示す図である。
の縦割れの発生範囲を示す図である。
【図4】焼入れ前の調質熱処理条件のヒートパターンを
示す図である。
示す図である。
1 ロール本体 2 誘導加熱コイル 3 水冷ノズル 4 加熱部 5 冷却部 6 縦割れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 37/08 C22C 37/08 Z 38/00 302 38/00 302E 38/24 38/24 38/46 38/46 (72)発明者 伊藤 彰 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本 部内 (72)発明者 守屋 邦憲 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新 日本製鐵株式会社エンジニアリング事業本 部内
Claims (5)
- 【請求項1】 鋳鋼または鍛鋼からなる芯材の周囲に、
連続鋳掛肉盛法にて外層を形成してなる冷間圧延用ワー
クロールの製造方法であって、前記芯材の周囲に、成分
が重量%で、 C:0.9〜1.5%、 Si:0.3〜1.0%、 Mn:0.3〜1.0%、 Cr:4.0〜10.0%、 Mo:3.0〜8.0%、 V:0.5〜5.0%、 残部がFe及び不可避的不純物からなる外層用溶湯を連
続鋳掛肉盛法にて外層を形成後、調質熱処理により、前
記外層のショア硬度を42以下、引張り試験での伸び値
を0.5%以上にした後、焼入れ、焼戻しにより前記外
層のショア硬度を89以上にしたことを特徴とする冷間
圧延用ワークロールの製造方法。 - 【請求項2】 外層用溶湯の成分を重量%で、 C:0.9〜1.5%、 Si:0.3〜1.0%、 Mn:0.3〜1.0%、 Cr:4.0〜10.0%、 Mo:3.0〜8.0%、 V:0.5〜5.0%、 W:2.0%以下、 残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る請求項1記載の冷間圧延用ワークロールの製造方法。 - 【請求項3】 外層用溶湯の成分を重量%で、 C:0.9〜1.5%、 Si:0.3〜1.0%、 Mn:0.3〜1.0%、 Cr:4.0〜10.0%、 Mo:3.0〜8.0%、 V:0.5〜5.0%、 W:2.0%以下、 Ni:5.0%以下、 残部がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とす
る請求項1記載の冷間圧延用ワークロールの製造方法。 - 【請求項4】 焼入れ前に行う調質熱処理として、10
50〜1100℃で10〜20時間保持後、引続き、9
00〜1000℃で、10〜20時間保持後、常温まで
空冷しその後600〜700℃で5〜20時間保持で数
回焼戻処理することを特徴とする請求項1〜3記載の冷
間圧延用ワークロールの製造方法。 - 【請求項5】 調質熱処理後に行う焼入れとして、前記
ロールを10〜50rpmで回転させ、誘導加熱により
加熱すると共に、シャワー冷却を行うことを特徴とする
請求項1〜4記載の冷間圧延用ワークロールの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11934198A JPH11310825A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 冷間圧延用ワークロールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11934198A JPH11310825A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 冷間圧延用ワークロールの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11310825A true JPH11310825A (ja) | 1999-11-09 |
Family
ID=14759094
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11934198A Pending JPH11310825A (ja) | 1998-04-28 | 1998-04-28 | 冷間圧延用ワークロールの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11310825A (ja) |
Cited By (15)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006159269A (ja) * | 2004-12-09 | 2006-06-22 | Dai Ichi High Frequency Co Ltd | スケールブレーカー用ロール,その製造方法,及び焼入れ装置 |
| JP2009285714A (ja) * | 2008-05-30 | 2009-12-10 | Fujico Co Ltd | 使用済圧延用複合ロールの再生方法及びこの方法によって製造された再生複合ロール |
| CN102284840A (zh) * | 2011-07-22 | 2011-12-21 | 青岛新鲁锋王针布有限公司 | 一种刺毛辊生产工艺 |
| JP2014121732A (ja) * | 2013-12-20 | 2014-07-03 | Fuji Corp | 再生複合ロール |
| GB2527387A (en) * | 2014-01-22 | 2015-12-23 | Skf Ab | Bearing steel composition |
| CN105463308A (zh) * | 2015-11-26 | 2016-04-06 | 常州凯达重工科技有限公司 | 一种金属离心辊环及其制造工艺 |
| CN111020127A (zh) * | 2020-01-08 | 2020-04-17 | 无锡亿宝机械设备有限公司 | 一种新型全硬化冷轧工作辊热处理工艺 |
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| CN112695184A (zh) * | 2020-12-08 | 2021-04-23 | 中钢集团邢台机械轧辊有限公司 | 一种锂电池极片工作辊的热处理方法 |
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| CN114381665A (zh) * | 2021-12-23 | 2022-04-22 | 中钢集团邢台机械轧辊有限公司 | 一种中厚板高速钢工作辊及其制造方法 |
| CN117587328A (zh) * | 2023-11-30 | 2024-02-23 | 中钢集团邢台机械轧辊有限公司 | 一种轨梁轧制用高速钢辊环及其制造方法 |
-
1998
- 1998-04-28 JP JP11934198A patent/JPH11310825A/ja active Pending
Cited By (16)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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|---|---|---|---|
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Effective date: 20040519 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041019 |