JPH11311519A - 回転ジャイロ - Google Patents

回転ジャイロ

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JPH11311519A
JPH11311519A JP10118475A JP11847598A JPH11311519A JP H11311519 A JPH11311519 A JP H11311519A JP 10118475 A JP10118475 A JP 10118475A JP 11847598 A JP11847598 A JP 11847598A JP H11311519 A JPH11311519 A JP H11311519A
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JP
Japan
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foot
vibration
rotating
signal
phase
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JP10118475A
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English (en)
Inventor
Toru Yanagisawa
徹 柳沢
Izumi Yamamoto
泉 山本
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な回転ジャイロを提供する。同じ大き
さの振動ジャイロに対して、コリオリ力の検出効率が大
きく、しかも大きなコリオリ力を発生させることができ
る。従って、同じ大きさの振動ジャイロに対して充分な
検出感度を保ちつつ、小型化することができる。 【解決手段】 2つの振動体の一方を90度位相差をも
って2方向から加振し、他方を−90度位相差をもって
2方向から加振し、2つの振動体の振動部の重心を互い
に逆方向に回転運動させ、この回転運動の慣性による回
転位相差を1方向から検出することにより、振動体全体
の回転速度を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度を検出する
回転ジャイロに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から機械式の回転ジャイロスコープ
が、飛行機や船舶の慣性航行装置として使われている
が、装置が大きく、価格が高く、従って小型の電子機器
や小型の輸送機械に組み込むことは困難である。
【0003】しかし近年、ジャイロスコープも小型化の
研究が進み、圧電素子で振動体を励振させ、振動体に設
けた別の圧電素子で振動体が回転により受けるコリオリ
力で起きる振動により発生する電圧を検出する振動ジャ
イロの実用化が進み、自動車のナビゲーションシステム
やビデオカメラの手振れ検出装置等に使われている。
【0004】以下に圧電素子を使用した従来技術の音片
型振動ジャイロを図面を用いて説明する。例えば図13
は、平成2年9月の日本音響学会講演論文集2−Q−8
に開示された、従来の四角柱音片型振動ジャイロを示す
斜視図である。
【0005】図13により従来の音片型の振動ジャイロ
について説明する。振動体71はエリンバなど恒弾性金
属で形成された音片型の構造を有している。すなわち振
動体71は、四角柱であり、棒状振動体の互いに直交す
る2つの1次振動モードの節付近を支持する構造を持
つ。圧電素子製の駆動部及び駆動電極72及び73は四
角柱の2辺に張り合わせてある。駆動電極72及び73
は、検出部及び検出電極を兼ねている。ここで、振動体
71の駆動電極72を張り合わせた側面に直交する方向
をX軸方向、振動体71の駆動電極73を張り合わせた
側面に直交する方向をZ軸方向、柱の伸びた方向をY軸
方向とする。
【0006】作用について説明する。駆動電極72に印
加した交流電圧により四角柱にはX方向の屈曲振動が発
生する。このX方向の屈曲振動が発生した状態で、音叉
全体をY軸の回りに角速度ωで回転させると、X方向の
屈曲振動と直交するZ方向にコリオリ力Fcが働く。コ
リオリ力Fcは以下の式で表すことができる。 Fc=2・M・ω・V ここで、Mは振動部の質量に比例する量であり、Vは振
動の速度である。このコリオリ力Fcによって、X方向
の屈曲振動と直角方向に変位するZ方向の屈曲振動を励
起する。このZ方向の屈曲振動により発生する交流電圧
を検出電極73で検出することによって、角速度ωを算
出して知ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の振動ジ
ャイロには以下のような課題がある。一般に振動体を相
似を保ったまま小型化すると、周波数が大きくなり、駆
動振幅が小さくなるが、コリオリ力は一般に周波数に反
比例し、またコリオリ力の検出電圧は駆動振幅に比例す
るので、結果として検出電圧は非常に小さくなる。その
他の条件に差がないとすれば、検出電圧が小さくなると
検出S/Nは小さくなってしまい、結果として振動ジャ
イロは小型化すればするほど精度の悪い角速度検出装置
となってしまう。このような理由により振動ジャイロ
は、充分小型化するに至っていない。
【0008】[発明の目的]本発明の目的は、上記課題
を解決しようとするもので、小型であっても充分S/N
が大きく、検出精度の良い、回転ジャイロを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を解決するため
に、本発明の回転ジャイロでは、下記の構成を採用す
る。
【0010】本発明の回転ジャイロは、静止系から見て
互いに反対方向に同一の一定速度の回転を行う2つの回
転部を備え、回転速度を測定する座標系に、該座標系か
ら見た2つの回転部の回転速度差を検出する手段を有す
ることを特徴とする。
【0011】回転速度を測定する座標系から見て互いに
反対方向に、一定の時間内に同一の一定速度に収束する
回転を行わせる2つの回転部を備え、回転速度を測定す
る座標系に2つの回転部の回転位相差を検出する手段を
有することを特徴とする。
【0012】回転部は永久磁石からなるローターであ
り、駆動部は電磁石からなるステーターであり、検出部
は電磁石からなるエンコーダーであることを特徴とす
る。
【0013】回転部は振動の節を支持した振動体の各々
の振動部の各々の重心であり、振動体に2つの方向から
加振する加振手段を備え、1つの方向から振動を検出す
る検出手段を備えたことを特徴とする。
【0014】振動体は振動の節を支持した音片であるこ
とを特徴とする。
【0015】振動体は振動の節を支持した4脚音叉であ
ることを特徴とする。
【0016】足は弾性を持つ材料からなり、足は形状が
四角柱であり、足は四角柱の側面に駆動部と検出部を有
し、駆動部と検出部は圧電素子からなり、基部は弾性を
持つ材料からなり、基部は形状が四角柱であり、基部と
4本の足は一体構造であり、4本の足は互いに平行に基
部に田の字形に配置されており、基部の底面は支持に用
いられ、第1及び第2の足の圧電素子を用いて自励発振
を行わせ、第1の足と第2の足が互いに同相に振れる第
1の屈曲振動を行なわせると同時に、第1及び第2の足
の圧電素子を用いて自励発振を行わせ、第1の屈曲振動
と直交する方向に、第1の屈曲振動と振動数が一致し、
位相が90度異なり、第1の足と第2の足が互いに同相
に振れる第2の屈曲振動を発生させておき、第1の屈曲
振動と第2の屈曲振動の合成振動として、第1の足の足
の伸びた方向の断面の重心と、第2の足の足の伸びた方
向の断面の重心が、互いに反対に回る回転運動である第
1の回転運動を発生させ、第1の回転運動が、基部の回
転によるコリオリ力により引き起こす、第1の屈曲振動
または第2の屈曲振動の周波数変化を、第1の足と同方
向に回転する第3の足と、第2の足と同方向に回転する
第4の足の検出部により検出することを特徴とする。
【0017】位相の変化した第1の屈曲振動が、第3の
足に貼り付けられた圧電素子に発生させる電圧出力及
び、位相の変化した第1の屈曲振動が、第4の足に貼り
付けられた圧電素子に発生させる電圧出力を加算する加
算回路を備え、加算回路の出力を90度移相する移相回
路を備え、移相回路の出力を2値化する2値化回路を備
え、位相の変化した第1の屈曲振動が、第3の足に貼り
付けられた圧電素子に発生させる電圧出力及び、位相の
変化した第1の屈曲振動が、第4の足に貼り付けられた
圧電素子に発生させる電圧出力を減算する減算回路を備
え、減算回路の出力を前記2値化回路の出力を用いて検
出するロックインアンプを備えたことを特徴とする。
【0018】第1の回転運動の軌道が、ほぼ円軌道にな
るように発振回路の出力信号を調整する為の振幅位相調
整回路を備えたことを特徴とする。
【0019】回転速度を測定する座標系から見て、一定
の時間内に同一の一定速度に収束する回転を行わせる回
転部を備え、回転速度を測定する座標系に回転駆動信号
と回転部の回転の位相差を検出する手段を有することを
特徴とする回転ジャイロであって、回転部は振動の節を
支持した振動体の各々の振動部の各々の重心であり、振
動体に2つの方向から加振する加振手段を備え、1つの
方向から振動を検出する検出手段を備えたことを特徴と
する。
【0020】[作用]本発明による回転ジャイロは、例
えば時計用モータなどの非常に小型のモーターを2台組
み合わせることにより実現できる。ある程度の慣性能率
を持つローターに対して、ステーターがローターの回転
軸方向と同一の方向に回転すると、駆動検出部であるス
テーターから見てローターの回転速度が変化する。同じ
座標系にある2つのモーターの各々のステーターから見
ると、互いに逆に回転する2つのローターは、静止系に
対して一定の回転速度を保とうとするので、一方は回転
速度が遅くなり、他方は回転速度が速くなったように見
える。2つのローターの回転速度差を検出するのが本発
明の第1の測定方法である。次にローターの回転速度が
ステーターに対して、一定時間内に一定になるように調
整される場合は、2つのローターの回転速度差は次第に
解消されてゆく。この場合は、ステーターに対するロー
ターの回転速度の差が、復元力を介して2つのローター
の回転位相差に比例するので、2つのローターの回転位
相差を測定することにより、ステーターの回転速度を知
ることが出来る。
【0021】回転体としては、2方向に振動できる振動
体を用いることもできる。2つの振動体を用い、例えば
1つ目の振動体に、互いに直交する2つの方向から90
度位相差を持たせて加振し、振動部の重心に右回りの回
転運動を行わせ、2つ目の振動体にも互いに直交する2
つの方向から−90度位相差を持たせて加振し、振動部
の重心に左回りの回転運動を行わせる。この状態で、振
動体の支持部を用いて振動体全体を、振動体の振動部の
重心の回転方向と同一の方向に右回りに回転させた場合
は、静止系に対する慣性により、1つ目の振動体の振動
部の重心の回転速度は遅くなり、2つ目の振動体の振動
部の重心の回転速度は速くなる。しかしながら、各々の
振動体は固有振動を行うので、振動部の重心の回転速度
は、支持部を用いて回転させた振動体全体に対して一定
になろうとする復元力が働く。従って支持部を用いて回
転させた振動体全体の回転は、モーターの場合と同様
に、1つ目の振動体の振動部の重心の振動位相と2つ目
の振動体の振動部の重心の振動位相の差として検出する
ことが出来る。
【0022】振動体を用いた場合は、一般の振動ジャイ
ロと比較することが出来る。回転ジャイロにおいて、静
止系に対して回転速度を一定に保とうとする慣性力は、
やはりコリオリ力である。ダランベールの原理に従え
ば、等速で回転する座標系に於いて円運動を行う物体で
は、コリオリ力は遠心力と釣り合う力となり、回転速度
の変化に対して軌道の変化を一定に保つ役割を果たして
いる。振動ジャイロでは直線的に振動を行わせるが、コ
リオリ力は振動部の重心の速度に比例して働くので、振
幅が最小の位置で最も大きくなり、振幅が最大の位置で
は全く働かない。一方、本発明による回転ジャイロに於
いては、振動体の振動部の重心は回転運動を行うので、
常に最大速度を持つ。同じ振幅の場合、直線振動の場合
は、回転の場合に比べて交流の実効値と同程度のコリオ
リ力しか働かない。言い換えると、本発明における回転
ジャイロは、振動ジャイロより約1.4倍高い効率でコ
リオリ力を検出することが出来る。
【0023】更に、固有振動を行う振動ジャイロを励振
する場合、振動エネルギーは際限なく投入できるわけで
はない。直線状に振動する振動ジャイロに於いては、振
動振幅が大きくなると、振動体の振幅に対する復元力の
非線形性により振動が不安定になり、安定に大きな振幅
の振動を継続させることが出来ない。一方、回転ジャイ
ロに於いては、回転する振動体の振動部の重心の遠心力
により、大きな振幅でも安定した回転運動を継続するこ
とが出来る。従って、回転ジャイロは、同じ形状と大き
さを持つ振動ジャイロに対して振動体に大きな振幅変位
を与えることが出来る。
【0024】回転ジャイロは、同じ形状と大きさを持つ
振動ジャイロに対して、同じ振幅に対するコリオリ力の
検出効率が大きく、しかも大きなコリオリ力を発生させ
ることができるので、充分な検出感度を保ちつつ、振動
ジャイロに対して小型化することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の回転ジャイロを実
施するための最良の形態による実施の形態を図面を基に
説明する。図17は本発明の実施の形態である回転ジャ
イロの構成を示すモーターの上面図及び回路ブロック図
であり、図14及び図15は、回転ジャイロの駆動検出
波形を示す波形図である。
【0026】[回転ジャイロの構造説明:図17]回転
ジャイロは、第2のステーターMS1,第1のエンコー
ダーME1,第2のローターMR2,第2のステーター
MS2,第2のエンコーダーME2,駆動回路MD1,
検出回路MD2及び筐体MBから成る。
【0027】第1のローターMR1は円筒形状であり円
筒の中心に軸MJ1を持ち、軸MJ1は筐体MBの軸受
けに挿入されている。第2のローターMR2は円筒形状
であり円筒の中心に軸MJ2を持ち、軸MJ2は筐体M
Bの軸受けに挿入している。第1のローターMR1及び
第2のローターMR2の円筒部は、アルニコ,サマリウ
ムコバルト,ネオジウム鉄ボロン又は窒化鉄ボロン等の
永久磁石から成り、円筒の中心軸に直交する方向に磁化
されている。
【0028】第1のステーターMS1は軟磁性体材料に
コイルを巻いた電磁石で構成されており、電磁石の磁極
部が第1のローターMR1の円筒面に近接し、第1のロ
ーターMR1に向かって配置され、筐体MBに固定され
ている。第2のステーターMS2は軟磁性体材料にコイ
ルを巻いた電磁石で構成されており、電磁石の磁極部が
第2のローターMR2の円筒面に近接し、第2のロータ
ーMR2に向かって配置され、筐体MBに固定されてい
る。
【0029】第1のエンコーダーME1は軟磁性体材料
にコイルを巻いた電磁石で構成されており、電磁石の磁
極部が第1のローターMR1の円筒面に近接し、第1の
ローターMR1に向かって配置され、筐体MBに固定さ
れている。第2のエンコーダーME2は軟磁性体材料に
コイルを巻いた電磁石で構成されており、電磁石の磁極
部が第2のローターMR2の円筒面に近接し、第2のロ
ーターMR2に向かって配置され、筐体MBに固定され
ている。
【0030】第1のステーターMS1の、コイルの巻き
線の両端は駆動回路MD1に接続され、第1のエンコー
ダーME1の、コイルの巻き線の両端は検出回路MD2
に接続され、第2のステーターMS2のコイルの巻き線
の両端は駆動回路MD1に接続され、第2のステーター
MS2のコイルの巻き線の両端は検出回路MD2に接続
されている。
【0031】[回転ジャイロの動作・作用説明:図1
4,図15,図17及び図18]図17に示した回転ジ
ャイロの動作を示す。本実施の形態で用いる回転ジャイ
ロの回転部は、電磁的に駆動するモーターのローター部
分である。このモーターは、ローターを動径方向に磁化
しておき、電磁石で構成されたステーターの磁力を電気
的に変化させることによりローターに回転力を与える機
構を有する。図14,図15及び図18に、図17に示
す回転ジャイロの検出波形を示す。本実施の形態では、
ローターに回転ムラの少ない等速回転を行わせたいの
で、駆動回路が発生する駆動信号の波形としては、一般
に矩形波形に比べてコッキングが少ないSIN波形を用
いる。
【0032】駆動回路MD1により、例えば第1のステ
ーターMS1のコイルに流れる電流値が増加すると、第
1のステーターMS1の電磁石の巻き心の、第1のロー
ターMR1に近接した磁極が例えばS極になる。すると
第1のローターMR1のN極に磁化された部分が引き寄
せられ、結果として第1のローターMR1は回転軸MJ
1の周りに回転する。第1のローターMR1のN極が、
第1のステーターに最も接近する回転角を通過した角度
で、駆動電流が反転する様にすると、この動作の繰り返
しにより、第1のローターMR1を連続的に回転させる
ことができる。第1のローターMR1の回転数は、駆動
回路MD1の駆動周波数|Ω|により決定することがで
きる。ここで第1のローターMR1が必ず右に回転する
ように、第1のローターMR1の初期位置を決める小さ
な磁石MT1を、N極を第1のローターMR1に向けて
第1のステータMS1の右隣に配置しておく。小さな磁
石MT1は、第1のローターMR1が連続回転を行う間
は回転ムラ発生の原因となるので、第1のローターMR
1から離れた位置へ待避させる機構を備えている。
【0033】第1のローターMR1が回転すると、第1
のローターMR1の回転軸MJ1に対して第1のステー
ターMS1と対称な位置に配置され、第1のステーター
MS1と同じ構造を持つ第1のエンコーダーME1のコ
イルには、第1のローターMR1の磁極との距離が変化
するため誘導起電力が発生するが、コイルの端部の接続
方法を選択することにより、第1のエンコーダーME1
には、駆動回路MD1が発生する電流と同相の電流を発
生させることができる。
【0034】次に、第2のロータMR2の動作について
説明する。駆動回路MD1により、例えば第2のステー
ターMS2のコイルに流れる電流値が増加すると、第2
のステーターMS2の電磁石の巻き心の、第2のロータ
ーMR2に近接した磁極が例えばS極になる。すると第
2のローターMR2のN極に磁化された部分が引き寄せ
られ、結果として第2のローターMR2は回転軸MJ2
の周りに回転する。第2のローターMR2のN極が、第
2のステーターに最も接近する回転角を通過した角度
で、駆動電流が反転する様にすると、この動作の繰り返
しにより、第2のローターMR2を連続的に回転させる
ことができる。第2のローターMR2の回転数は、駆動
回路MD2の駆動周波数|Ω|により決定することがで
きる。ここで第2のローターMR2が必ず左に回転する
ように、第2のローターMR2の初期位置を決める小さ
な磁石MT2を、N極を第2のローターMR2に向けて
第2のステータMS2の左隣に配置しておく。小さな磁
石MT2は、第2のローターMR2が連続回転を行う間
は回転ムラ発生の原因となるので、第2のローターMR
2から離れた位置へ待避させる機構を備えている。
【0035】第2のローターMR2が回転すると、第2
のローターMR2の回転軸MJ2に対して第2のステー
ターMS2と対称な位置に配置され、第2のステーター
MS2と同じ構造を持つ第2のエンコーダーME2のコ
イルには、第2のローターMR2の磁極との距離が変化
するため誘導起電力が発生するが、コイルの端部の接続
方法を選択することにより、第2のエンコーダーME2
には、駆動回路MD2が発生する電流と同相の電流を発
生させることができる。
【0036】第1のローターMR1及び第2のローター
MR2は、毎秒1回転程度の回転速度では「コッキン
グ」と呼ばれる激しい回転速度のムラを発生し、第1の
エンコーダーME1及び第2のエンコーダーME2の出
力波形は駆動回路MD1の電流波形と一致しないが、毎
秒数十回転程度に回転速度を速めると、きれいなSIN
波形となり、第1のローターMR1及び第2のローター
MR2は安定した回転速度となる。本実施の形態に於い
ては第1のローターMR1の回転速度−Ω及び、第2の
ローターMR2の回転速度Ωが毎秒数十回転以上になる
ように、駆動回路MD1の周波数|Ω|を設定する。
【0037】第1のローターMR1が回転速度−Ω、ま
た第2のローターMR2が回転速度Ωで回転している状
態で、筐体MBをΩと同じ方向に回転速度ωで回転する
と、第1のローターMR1は慣性により、静止系に対し
て回転速度−Ωを保とうとするため筐体MBと一緒に回
転速度ωで回転する第1のエンコーダME1からは、第
1のローターMR1の回転速度は−Ωより速くなったよ
うに観測される。即ち第1のエンコーダME1からは、
第1のローターMR1の回転速度は−Ω−ω、即ち−|
Ω+ω|と観測される。一方、第2のローターMR2は
慣性により、静止系に対して回転速度Ωを保とうとする
ため、筐体MBと一緒に回転速度ωで回転する第2のエ
ンコーダME2からは、第2のローターMR2の回転速
度はΩより遅くなったように観測される。即ち第2のエ
ンコーダME2からは、第2のローターMR2の回転速
度は|Ω−ω|と観測される。
【0038】筐体MBが回転していない場合、第1のエ
ンコーダME1及び第2のエンコーダME2は、駆動回
路MD1で指定した周波数|Ω|のSIN波を観測して
おり筐体MBが回転速度ωで回転すると、第1のエンコ
ーダME1は角周波数|Ω+ω|のSIN波を観測し、
第2のエンコーダME2は角周波数|Ω−ω|のSIN
波を観測するのであるがら、駆動回路MD1の駆動角周
波数に対して、第1のエンコーダME1の出力の角周波
数、又は第2のエンコーダME2の出力の角周波数を比
較することにより筐体MBの回転速度ωを知ることがで
きる。例えば図18に、駆動回路MD1の周波数|Ω|
のSIN波を表す信号Aを実線で示し、信号Aの角周波
数が|Ω+ω|に変化したSIN波を表す信号Bを破線
で示す。
【0039】ところで、駆動回路MD1の出力に対して
第1のローターMR1又は第2のローターMR2が角周
波数差を持った状態が継続すると、駆動回路MD1の位
相に対して第1のローターMR1又は第2のローターM
R2の位相がずれつづけ、駆動回路MD1の回転位相に
対して第1のローターMR1又は第2のローターMR2
の回転位相のずれがある程度を越えると、駆動回路MD
1は、第1のローターMR1又は第2のローターMR2
を駆動する事ができなくなる。この現象は一般に「脱
調」と呼ばれる。実際には駆動回路MD1と、第1のロ
ーターMR1又は第2のローターMR2の回転位相が一
致している状態では、第1のステーターMS1及び第2
のステーターMS2には、第1のエンコーダーME1及
び第2のエンコーダーME2と同様に、逆起電力が生
じ、駆動回路MD1からの駆動電流を完全に打ち消して
いる。即ち、駆動回路MD1は全く仕事をしていない。
一方駆動回路MD1と、第1のローターMR1又は第2
のローターMR2の回転位相がずれると、この平衡状態
は破れ、駆動回路MD1は、第1のステーターMS1及
び第2のステーターMS2に電流を流し、第1のロータ
ーMR1又は第2のローターMR2の回転速度を変化さ
せ、駆動回路MD1と、第1のローターMR1又は第2
のローターMR2の回転位相を一致させる方向に復元力
が働く。この復元力は、筐体MBの回転速度ωと、駆動
回路MD1と、第1のローターMR1又は第2のロータ
ーMR2の回転位相のズレがほぼ比例する程度に働く。
【0040】従って周波数の変化でなく、駆動回路MD
1と、第1のローターMR1又は第2のローターMR2
の回転位相差を測定する事によっても、筐体MBの回転
速度ωを知ることができる。ところで、筐体MB及び第
1のローターMR1又は第2のローターMR2には、様
々な加速度が加えられることが予想される。これらの加
速度は、筐体MBの回転速度ωを知る上でのノイズとな
る。本実施の形態に於いては、図17に示すように、第
1のエンコーダーME1及び、第2のエンコーダーME
2の出力を検出回路MD2に入力し、エンコーダーME
1及び、第2のエンコーダーME2の出力の位相差を検
出することにより筐体MBの回転速度ωを検出する。第
1のローターMR1及び第2のローターMR2の相対的
な回転位相差は、第1のローターMR1及び第2のロー
ターMR2の回転方向が反対なので、回転以外の加速度
に起因するノイズは、打ち消しあい、また、回転による
位相差は2倍に観測され、また、駆動回路MD1の駆動
信号の揺らぎに左右されない、非常にS/Nのよい検出
が可能である。
【0041】図14及び図15に示す波形Aは、第1の
エンコーダーME1の検出波形を示し、図14及び図1
5に示す波形Bは、第2のエンコーダーME2の検出波
形を示している。図14は筐体MBが回転していない場
合の信号A及び信号Bの波形を実線で示し、図15は筐
体MBが回転速度ωで回転する場合、位相の進んだ信号
Aの波形を一点鎖線で示し、位相の遅れた信号Bの波形
を破線で示している。検出回路MD2は、実線で示す、
信号A及び信号Bを加算した信号A+Bを参照信号とし
て、実線で示す、信号A及び信号Bを減算した信号A−
Bを位相検波することにより、筐体MBの回転速度ωを
検出する。
【0042】本実施の形態においては、説明の簡単のた
め、ローターに対しステータを1個配置する単極モータ
ーの構成を用いたが、回転速度ムラの少ないステーター
が、1個のローターの回りに多数配置された多極モータ
ーを用いても良い。また、エンコーダーとして独立した
電磁石を用いたが、エンコーダーにステーター自身を用
い、駆動波形と検出波形の合成波形から位相のズレを観
測しても良いし、エンコーダーは光学式の物であっても
良い。
【0043】また本実施の形態に於いては、筐体MBの
回転速度ωを正確に検出するため、以上に述べた構成を
用いたが、粗い検出としては、ローターは第1のロータ
ーMR1のみを用い、第1のローターMR1を静止系に
対して回転させずに静止させておき、第1のエンコーダ
ーME1を用いて、第1のローターMR1の回転角度を
検出するだけでも、筐体MBの回転速度ωを検出するこ
とができる。
【0044】(第2の実施の形態)以下、本発明の回転
ジャイロを実施するための最良の形態による実施の形態
を図面を基に説明する。図4,図5,図14から図16
及び図19から図22は本発明の第2の実施の形態であ
る回転ジャイロであり、図4及び図5は圧電素子の変形
の仕組みを説明する斜視図であり、図14及び図15は
圧電素子からの信号を示す波形図であり、図16は圧電
素子からの信号をベクトルで表現した動作説明図であ
り、図19は、音片型振動ジャイロの外観を示し、圧電
素子及び支持部を示し、以後説明に用いる座標を示す斜
視図であり、図20は支持に用いられるフイルムの正面
図であり、図21は音片の先端側から見た音片B10の
断面,回路ブロック及び配線模式図であり、図22は音
片B10の先端側から見た音片B10の振動の腹の断面
を模式的に表した動作説明図である。
【0045】[回転ジャイロの構造説明:図19〜図2
1]図19に示すように、音片B10は断面形状が正方
形の柱形状の弾性材料から構成される。柱は弾性を持つ
金属または石英ガラスからなり、柱の断面形状は正方形
であり、柱の側面に張り合わされた圧電素子B22及び
B23、及び斜視図なので図示できないが圧電素子B2
1及びB24からなる、駆動部及び検出部を有してい
る。破線で示す2カ所の支持位置B12及びB13は柱
の伸びた方向に直交する断面と柱の側面の交線であり、
音片B10の1次振動の振動の節の位置にある。
【0046】図20に示す支持部B14及びB15は、
平面形状であり、周辺に支持枠B14W及びB15Wが
あり、中央に音片B10の断面形状を持つ穴B14H及
びB15Hが空いており、弾性を持つ膜B14M及びB
15Mであり、膜B14M及びB15Mはマイラーフィ
ルム,FPCまたはゴム膜からなり、音片B10の柱の
伸びた方向に面が直交する方向に配置され、音片B10
が支持部B14及びB15の各々の穴B14H及びB1
5Hに挿入され、図19に示した音片B10の1次振動
の節にある2カ所の支持位置B12及びB13に接合さ
れる。
【0047】この第2の実施の形態で使用する金属は、
弾性率の温度依存性が非常に小さい鉄50%,ニッケル
35%及びクロム9.1%を含む合金でエリンバーと呼
ばれるものを用いる。同じく弾性率の温度依存性が非常
に小さい石英ガラスを用いる場合は、予め表面の一部に
銀やクロム等の導電性材料を無電界メッキや蒸着などの
手法で薄膜形成し、張り付ける全ての圧電素子の共通電
極としておく。
【0048】以下音片B10を説明するに際しては、座
標軸Y軸,Z軸及びX軸を、各辺と平行な方向に定め
る。このとき、長手方向、即ち柱の伸びた方向をY軸,
巾方向をZ軸及び厚さ方向をX軸とする。このように定
めた音片B10の、長手方向,巾方向及び厚さ方向は、
それぞれY軸,Z軸及びX軸と平行となる。ただし、音
片B10はX−Z面内で対称な形状を持つので、ここで
用いた巾と厚さという言葉は特別な意味をもたない。以
下ではX又はZ方向の巾、もしくは単に柱の巾という言
葉を用いる。
【0049】図19には一例として柱の側面に圧電素子
B22及びB23、及び斜視図なので図示できないが圧
電素子B21及びB24からなる駆動部及び検出部を接
着した様子を示した。圧電素子は、薄い板状の形状をし
ており、予め両面に銀やクロム等の合金を蒸着してあ
る。圧電素子の片面にエポキシ系の導電性接着剤を塗布
し、柱の4つの側面に貼り付ける。
【0050】図21には図19に示した形状の柱及び圧
電素子を、音片B10を1次振動の腹で切断するX−Z
断面に示した。駆動用として、音片B10の第1の側面
に圧電素子B21を張り付け,第2の側面に圧電素子B
22を張り付けてある。また検出用として、音片B10
の第3の側面に圧電素子B23を張り付け、第4の側面
に圧電素子B24を張り付けてある。
【0051】図21は駆動用圧電素子B21及びB22
を用いて音片B10を発振させる発振回路BHC0、発
振回路BHC0の発振位相を90度遅らせ、振幅を調整
する移相回路BL、発振回路BHC0及び検出用圧電素
子B23の各々の信号を加算する加算回路BK0、加算
した信号の位相を変化させる移相回路BI0、移相した
信号を2値化する2値化回路BC0、発振回路BHC0
及び検出用圧電素子B23の各々の信号を減算する減算
回路BG0、減算した信号を参照信号を用いて位相検波
し直流電圧に変換するロックインアンプBP0を示し、
これらの間の配線を示す。
【0052】[回転ジャイロの動作・作用説明:図4,
図5,図14,図15,図16,図19,図20,図2
1及び図22]図4及び図5に圧電素子の動作を示す。
本実施の形態で用いるPZTと呼ばれる圧電素子は、予
め高電圧を加えて分極させておくと、圧電素子に加える
電圧の方向により、歪みの方向が異なる。図4に示す
(+)面58は、分極時にこの裏側の面に対して正の電
圧を印加した面であり、裏面に対して高電位にすると厚
みが増加し、縦横が縮む。また図5には面58の裏面で
ある(−)面59を示す。(−)面59は、裏面に対し
て正の電圧を印加すると厚みが減少し、縦横が伸びる。
図21に記入した(+)または(−)の記号は、音片B
10の柱の各々の側面に貼り付けられた圧電素子の面の
うち、柱の側面に接着されている面が何れの面であるか
を示している。図の外側の線は各圧電素子の電極間の配
線を模式的に示した。
【0053】図21において発振回路BHC0は、例え
ば水晶振動子を用いた正確な基準クロックを持ってお
り、周波数の安定したSIN波形を生成することができ
る。発振回路BHC0から、圧電素子B21の電極にS
IN波形の交流電圧が印加されると、例えば圧電素子B
21がY方向に縮み、結果としてX軸方向に屈曲変位が
起こる。時間の経過とともに、この方向は変化し、結果
として、音片B10はX軸方向に屈曲振動する。
【0054】図21において発振回路BHC0から、移
相回路BLにより位相を90度遅らせ、−COS波形と
した交流電圧が圧電素子B22の電極に印加されると、
例えば圧電素子B22がY方向に縮み、結果としてZ軸
方向に屈曲変位が起こる。時間の経過とともに、この方
向は変化し、結果として、音片B10はZ軸方向に屈曲
振動する。ここでは発振回路BHC0からの交流電圧は
直接圧電素子B22の電極に印可するのではなく、移相
回路BLにより位相を90度遅らせ、−COS波形とし
て圧電素子B22の電極に入力している。従ってZ方向
の屈曲振動は、X方向の屈曲振動に対して90度位相の
遅れた屈曲振動となる。
【0055】図22にX方向の屈曲振動及びZ方向の屈
曲振動が同時に存在する場合の、音片B10の屈曲振動
の様子を模式的に示す。これを第1の回転運動と呼ぶ。
図21の回路構成においては、1つの発振回路BHC0
を用いて、同じ周波数と振幅を持つ電圧出力でX方向の
屈曲振動及びZ方向の屈曲振動を励振している。このと
きX方向の屈曲振動の発振周波数Bf1とZ方向の屈曲
振動の発振周波数Bf2は同じ周波数Bfであり、X方
向の屈曲振動とZ方向位の屈曲振動の合成として第1の
回転運動が発生する。X方向の屈曲振動に対してZ方向
の屈曲振動の移相が90度遅れる結果、音片B10の運
動は振動ではなく、左回りの回転運動となる。本実施の
形態に於いては、音片B10に正方形断面の四角柱を用
いているが、現実には工作精度や圧電素子の張り付け位
置のばらつきにより、X方向の屈曲振動の固有周波数と
Z方向の屈曲振動の固有周波数は一致しないため、発振
回路BHC0の発振周波数Bfの選び方によっては、X
方向の屈曲振動とZ方向の屈曲振動の振幅は一致せず、
位相も不安定となる。図22においては、発振回路BH
C0の発振周波数Bfを調整し、移相回路BLの移相量
を調整し、X方向の屈曲振動とZ方向の屈曲振動の振幅
を一致させ、円軌道とした場合の第1の回転運動を描い
ている。以後、発振周波数Bfを回転速度|Ω|と書く
ことがある。
【0056】本実施の形態に示す第1の回転運動は、音
片B10全体が回転しているわけではなく、振動の腹に
おける音片10のX−Z断面の重心が回転運動を行う、
音片10のX−Z断面の重心の回転運動である。以下第
1の回転運動を、音片10の振動部の重心の回転運動と
表現することもある。
【0057】第1の回転運動が発生している時、音片B
10全体がY軸の回りに左回りに角速度ωで回転する
と、音片B10は変位する方向に直交する方向にコリオ
リ力を受けるが、第1の回転運動が円運動の場合は、音
片B10の属する角速度ωで回転する座標系から見ても
音片B10の振動部の重心の回転軌道は変わらない。言
い換えると、図22に示した円軌道を描く第1の回転運
動に働くコリオリ力は、遠心力と反対の方向に遠心力と
釣り合う力となって働くため、第1の回転運動の回転速
度|Ω|が、音片B10の運動が静止系に対して慣性を
保つため、音片B10の属する角速度ωで回転する座標
系から見てωだけ変化しても、音片B10の振幅は変化
しない。即ち、第1の回転運動が発生している時、音片
B10全体がY軸の回りに角速度ωで回転することによ
る効果は、音片B10に張り付けられた検出用圧電素子
B23又はB24からは、発振回路BHC0の発生する
駆動信号の周波数Bfに対する、第1の回転運動の周波
数の変化として観測される。
【0058】厳密には音片B10が角速度ωで回転する
座標系の回転中心が第1の回転運動の中心と一致しない
場合は、軌道が変わるが、音片B10全体の回転速度ω
が、第1の回転運動の回転速度Ωに比べて非常に小さい
場合は無視して良い。本実施の形態に於いては、第1の
回転運動の回転速度Ωが5000HZから30000H
Zであるのに対して、音片B10全体の回転速度ωは
0.25HZ程度を上限とするので、第1の回転運動の
軌道は変わらないとしてよい。
【0059】しかし、発振回路BHC0で駆動する音片
B10は、X方向とZ方向に発振周波数Bfで駆動して
いる。従って第1の回転運動の回転速度もコリオリ力が
働かない状態ではBfに引き戻される。この復元力は、
音片B10全体の回転速度ωと、駆動回路BHC0の出
力からの検出用圧電素子B23の位相のズレがほぼ比例
する程度に働く。従って、周波数の変化でなく、駆動回
路BHC0及び、検出用圧電素子B23の位相の差を測
定する事によって、音片B10全体の回転速度ωを知る
ことができる。
【0060】音片B10の振動部の重心の回転速度Ω
は、発振回路BHC0の発振周波数Bfに引き戻される
結果、音片B10の振動部の重心の回転速度Ωは静止系
から見ると、音片B10全体の回転速度ωだけ変化し、
結果として回転角速度Ω−ωで回転することになる。従
って音片B10全体の回転速度ωにより移相ズレが生じ
た平衡状態においては、音片B10の振動部の重心の回
転運動は、遠心力の変化により僅かに軌道が変化してい
る。このとき音片B10の振動部の重心の回転運動の半
径は減少する。コリオリ力の検出には、音片B10のX
又はZ方向の屈曲振動の振幅の変化も利用することもで
きるが振幅の変化は僅かである。本実施の形態において
は、発振回路BHC0からの検出用圧電素子B23の信
号の位相のズレを測定する方法を説明する。
【0061】図21において、加振用圧電素子B21を
駆動する発振回路BHC0の出力を信号A、音片B10
のX方向の振動を検出する圧電素子B23の電極部から
の出力を信号Bとする。音片B10の第1の回転運動
は、X方向に成分として、X方向の屈曲振動を持つ。左
回りに回転する音片B10においては、X方向の屈曲振
動を反映する音片B10の検出用圧電素子B23からの
電圧出力Bは、音片B10全体の左回りの回転ωにより
コリオリ力が働くとき、発振回路BHC0の出力信号A
に対して位相が遅れる。本実施の形態に於いては、信号
Aと信号Bを加算回路BK0と減算回路BG0に入力
し、信号Aと信号Bの和信号A+Bと差信号A−Bを生
成し、これを利用する。
【0062】図14に、信号Aを信号Bに対して同じ振
幅を持つように調整した場合、コリオリ力が働かない場
合の信号A,B,A+B及びA−Bの関係を実線で示
す。この場合、信号Aと信号Bは各々Z方向の屈曲振動
そのものであり、これらは完全に一致した信号である。
信号A+Bは信号A及びBの2倍の振幅を持つ信号であ
り、信号A−Bは振幅がない。
【0063】図15にコリオリ力により、第1の回転運
動に、発振回路BHC0の駆動信号からの位相差が生じ
た場合の信号A,B,A+B及びA−Bの関係を示す。
コリオリ力の効果は、一点鎖線で示す信号A及び破線で
示す信号Bの相対的な位相を変化させる。音片B10全
体の回転速度ωの大きさにほぼ比例して信号A及び信号
Bの相対的な位相が変化する。音片B10全体の回転速
度ωにより信号Bの位相が遅れるとすると、音片B10
全体の回転速度−ωに対しては信号Bの位相が進み、信
号A及びBの位相の変化は音片B10全体の回転速度ω
の回転方向によることになる。一方コリオリ力の有無に
関わらず実線で示す信号A+B及びA−Bはコリオリ力
が働かない場合の位相を維持する。またコリオリ力は、
信号A+Bの振幅に少し変化をもたらし、信号A−Bに
は僅かな振幅を発生させる。
【0064】図16に信号A,B,A+B及びA−Bの
関係をベクトルで示す。この場合、信号の振幅はベクト
ルの長さで表現され、位相はベクトルの回転で表現され
る。コリオリ力の効果は、信号A+B及びA−Bの振幅
の変化として検出することが出来る。ここで注目したい
のは、信号A及び信号Bの変化が位相のみであり振幅が
変化しない場合は、信号A+B及びA−Bの相対的な位
相関係がコリオリ力の大きさに関わらず常に90度に保
たれることである。
【0065】本実施の形態においては、出力の小さなコ
リオリ力の検出にロックインアンプの構成を用い、被検
出信号から参照信号と同一の周波数成分のみを抽出して
積分することにより高いS/Nを実現しようとするが、
この場合被検出信号と位相の一致した正確な参照信号が
必要である。まず、コリオリ力を反映する被検出信号と
して信号A,B及びA+Bは、コリオリ力がない状態で
も大きな出力をもつので小さなコリオリ力による変化を
とらえるのに適していない。一方、信号A−Bはコリオ
リ力が無い場合は出力がないので、ダイナミックレンジ
を考慮すると被検出信号として最も適しており、これを
使用する。一方参照信号としては、信号A及びBはコリ
オリ力により位相が変化するので使用できず、最も位相
が正確なA−B信号自身もコリオリ力が働かないか小さ
い場合に交流出力が無いか不安定なので、使用できな
い。しかし図16に示した様にA+B信号は常に安定し
た大きな振幅とA−B信号と正確に90度だけ異なる位
相差を持っている。従って参照信号としては、A+B信
号を90度位相を移相したものを使用する。
【0066】図21示す様に、信号A及び信号Bを減算
回路BG0に入力し、ロックインアンプBP0に入力す
る。また、信号A及び信号Bを加算回路BK0に入力
し、移相回路BI0で90度移相し、2値化回路BC0
でスイッチング信号を生成し、ロックインアンプBP0
に参照信号として入力する。この結果、A−B信号はA
+B信号を90度移相したタイミングで全波整流され、
直流出力に変換される。この構成では、ノイズと見なさ
れる参照信号の周波数以外の殆どの信号成分が取り除か
れ、非常にS/Nのよいコリオリ力の検出が実現でき
る。
【0067】従って、X方向の屈曲振動を検出する音片
B10の検出用圧電素子B23及び発振回路BHC0の
位相差のみが直流として抽出される。これによって角速
度ωの値を正確に知ることができる。
【0068】本実施の形態における音片B10は振動ジ
ャイロとして動作させることもできる。この場合、例え
ば移相回路BLの移相量を0度とすれば、音片10を直
線的に振動させられるが、コリオリ力は速度に比例して
働くので、振幅が最小の位置で最も大きくなり、振幅が
最大の位置では全く働かない。一方、本実施の形態によ
る回転ジャイロに於いては、音片B10は回転運動を行
うので、常に最大速度を持つ。音片B10が同じ振幅の
場合、直線振動の場合は、回転の場合に比べて交流の実
効値と同程度のコリオリ力しか働かない。言い換える
と、本実施の形態における回転ジャイロは、振動ジャイ
ロより約1.4倍高い効率でコリオリ力を検出すること
が出来る。
【0069】更に、固有振動を行う振動ジャイロを励振
する場合、振動エネルギーは際限なく投入できるわけで
はない。直線状に振動する振動ジャイロに於いては、振
動振幅が大きくなると、振動体の振幅に対する復元力の
非線形性により振動が不安定になり、安定に大きな振幅
の振動を継続させることが出来ない。一方、回転ジャイ
ロに於いては、回転する振動体の遠心力により、大きな
振幅でも安定した回転運動を継続することが出来る。従
って、回転ジャイロは、同じ形状と大きさを持つ振動ジ
ャイロに対して振動体に大きな振幅変位を与えることが
出来る。
【0070】本実施の形態の回転ジャイロは、例えば本
実施の形態で用いた音片10をそのまま用いた振動ジャ
イロに対して、同じ振幅に対するコリオリ力の検出効率
が大きく、しかも大きなコリオリ力を発生させることが
できる。従って、振動ジャイロに対して充分な検出感度
を保ちつつ、小型化することができる。
【0071】(第3の実施の形態)以下、本発明の回転
ジャイロを実施するための最良の形態による実施の形態
を図面を基に説明する。図4,図5,図14から図1
6,図19から図20、及び図22から図24は本発明
の第3の実施の形態である回転ジャイロであり、図4及
び図5は圧電素子の変形の仕組みを説明する斜視図であ
り、図14、及び図15は圧電素子からの信号を示す波
形図であり、図16は圧電素子からの信号をベクトルで
表現した動作説明図であり、図19は、音片型振動ジャ
イロの外観を示し、圧電素子及び支持部を示し、以後説
明に用いる座標を示す斜視図であり、図20は支持に用
いられるフイルムの正面図であり、図22及び図23は
音片B10の先端側から見た音片B10の振動の腹の断
面を模式的に表した動作説明図であり、図24は音片の
先端側から見た音片B10及び音片11の断面,回路ブ
ロック及び配線模式図である。
【0072】[回転ジャイロの構造説明:図19〜図2
0及び図24]本実施の形態に於いては、回転ジャイロ
として、2本の音片B10及び音片B11を用いる。音
片B10及び音片B11は全く同じ形状及び構造を持つ
ので、以下音片の形状及び構造については、音片B10
のみについて説明し、回路との接続に関しては図24に
示す。図19に示すように、音片B10は断面形状が正
方形の柱形状の弾性材料から構成される。柱は弾性を持
つ金属または石英ガラスからなり、柱の断面形状は正方
形であり、柱の側面に張り合わされた圧電素子B22及
びB23、及び斜視図なので図示できないが圧電素子B
21及びB24からなる、駆動部及び検出部を有してい
る。破線で示す2カ所の支持位置B12及びB13は柱
の伸びた方向に直交する断面と柱の側面の交線であり、
音片B10の1次振動の振動の節の位置にある。
【0073】図20に示す支持部B14及びB15は、
平面形状であり、周辺に支持枠B14W及びB15Wが
あり、中央に音片B10の断面形状を持つ穴B14H及
びB15Hが空いており、弾性を持つ膜B14M及びB
15Mであり、膜B14M及びB15Mはマイラーフィ
ルム,FPCまたはゴム膜からなり、音片B10の柱の
伸びた方向に面が直交する方向に配置され、音片B10
が支持部B14及びB15の各々の穴B14H及びB1
5Hに挿入され、図19に示した音片B10の1次振動
の節にある2カ所の支持位置B12及びB13に接合さ
れる。
【0074】この実施の形態で使用する金属は、弾性率
の温度依存性が非常に小さい鉄50%,ニッケル35
%、及びクロム9.1%を含む合金でエリンバーと呼ば
れるものを用いる。同じく弾性率の温度依存性が非常に
小さい石英ガラスを用いる場合は、予め表面の一部に銀
やクロム等の導電性材料を無電界メッキや蒸着などの手
法で薄膜形成し、張り付ける全ての圧電素子の共通電極
としておく。
【0075】以下音片B10を説明するに際しては、座
標軸Y軸,Z軸及びX軸を、各辺と平行な方向に定め
る。このとき、長手方向、即ち柱の伸びた方向をY軸,
巾方向をZ軸及び厚さ方向をX軸とする。このように定
めた音片B10の、長手方向,巾方向及び厚さ方向は、
それぞれY軸,Z軸及びX軸と平行となる。ただし、音
片B10はX−Z面内で対称な形状を持つので、ここで
用いた巾と厚さという言葉は特別な意味をもたない。以
下ではX又はZ方向の巾、もしくは単に柱の巾という言
葉を用いる。
【0076】図19には一例として音片B10の柱の側
面に、圧電素子B22及びB23、及び斜視図なので図
示できないが圧電素子B21及びB24からなる駆動部
及び検出部を接着した様子を示した。圧電素子は、薄い
板状の形状をしており、予め両面に銀やクロム等の合金
を蒸着してある。圧電素子の片面にエポキシ系の導電性
接着剤を塗布し、柱の4つの側面に貼り付ける。
【0077】図24には図19に示した形状の柱及び圧
電素子を、音片B10及び音片B11を1次振動の腹で
切断するX−Z断面に示した。駆動用として、音片B1
0の第1の側面に圧電素子B21を張り付け,第2の側
面に圧電素子B22を張り付け、音片B11の第1の側
面に圧電素子B25を張り付け,第2の側面に圧電素子
B26を張り付けてある。また検出用として、音片B1
0の第3の側面に圧電素子B23を張り付け、第4の側
面に圧電素子B24を張り付け、音片B11の第3の側
面に圧電素子B27を張り付け、第4の側面に圧電素子
B28を張り付けてある。
【0078】図24は駆動用圧電素子B21及びB22
を使用して音片B10を発振させ、駆動用圧電素子B2
5及びB26を用いて音片B11を発振させる発振回路
BH0、自励発振を継続するための帰還信号の供給源と
して、検出用圧電素子B23及びB25を示し、発振回
路BH0の位相を90度遅らせ、振幅を調整する移相回
路BL1及びBL2,検出用圧電素子B24及びB28
の各々の信号を加算する加算回路BK0、加算した信号
の位相を変化させる移相回路BI0、移相した信号を2
値化する2値化回路BC0、検出用圧電素子B24及び
B28の各々の信号を減算する減算回路BG0、減算し
た信号を参照信号を用いて位相検波し直流電圧に変換す
るロックインアンプBP0を示し、これらの間の配線を
示す。
【0079】[回転ジャイロの動作・作用説明:図4,
図5,図14,図15,図16,図19,図20,図2
2,図23及び図24]図4及び図5に圧電素子の動作
を示す。この実施の形態で用いるPZTと呼ばれる圧電
素子は、予め高電圧を加えて分極させておくと、圧電素
子に加える電圧の方向により、歪みの方向が異なる。図
4に示す(+)面58は、分極時にこの裏側の面に対し
て正の電圧を印加した面であり、裏面に対して高電位に
すると厚みが増加し、縦横が縮む。また、図5には面5
8の裏面である(−)面59を示す。(−)面59は、
裏面に対して正の電圧を印加すると厚みが減少し、縦横
が伸びる。図25に記入した(+)または(−)の記号
は、音片B10の柱の各々の側面に貼り付けられた圧電
素子の面のうち、柱の側面に接着されている面が何れの
面であるかを示している。図の外側の線は各圧電素子の
電極間の配線を模式的に示した。
【0080】図24において発振回路BH0から、圧電
素子B21及びB27の電極に電圧が印加されると、例
えば圧電素子B21及びB27がY方向に縮み、結果と
してX軸方向に屈曲変位が起こる。発振回路BH0は、
圧電素子の電極B23及びB25からの電圧を増幅し、
時間の経過とともに、この方向は変化し結果として、音
片B10及びB11はX軸方向に屈曲振動を自励発振す
る。
【0081】音片B10及び音片B11がX軸方向に自
励発振している時、発振回路BH0から、圧電素子B2
2及びB26の電極に電圧が印加されると、例えば圧電
素子B22及びB26がY方向に縮み、結果としてZ軸
方向に屈曲変位が起こる。発振回路BH0は、圧電素子
の電極B23及びB25からの電圧を増幅し、時間の経
過とともに、この方向は変化し、結果として、音片B1
0及び音片B11はZ軸方向に屈曲振動する。ただし、
ここでは発振回路BH0からの交流電圧は直接圧電素子
B22及びB26の電極に印可するのではなく、移相回
路BL1及びBL2により位相を90度遅らせ、電圧を
調整し、圧電素子B22及びB26の電極に入力してい
る。従ってZ方向の屈曲振動は、X方向の屈曲振動に対
して90度位相の遅れた屈曲振動となる。
【0082】図22にX方向の屈曲振動及びZ方向の屈
曲振動が同時に存在する場合の、音片B10の屈曲振動
の様子を模式的に示す。これを第1の回転運動と呼ぶ。
図21の回路構成においては、1つの発振回路BH0を
用いて、同じ周波数と振幅を持つ電圧出力でX方向の屈
曲振動及びZ方向の屈曲振動を励振している。このとき
X方向の屈曲振動の発振周波数Bf1とZ方向の屈曲振
動の発振周波数Bf2は同じ周波数Bfであり、X方向
の屈曲振動とZ方向位の屈曲振動の合成として第1の回
転運動が発生する。X方向の屈曲振動に対してZ方向の
屈曲振動の移相が90度遅れる結果、音片B10の運動
は振動ではなく、左回りの回転運動となる。この実施の
形態に於いては、音片B10に正方形断面の四角柱を用
いているが、現実には工作精度や圧電素子の張り付け位
置のばらつきにより、X方向の屈曲振動の固有周波数と
Z方向の屈曲振動の固有周波数は一致しないため、発振
回路BH0の発振周波数Bfの選び方によっては、X方
向の屈曲振動とZ方向の屈曲振動の振幅は一致せず、位
相も不安定となる。図22においては、発振回路BH0
の発振周波数Bfを調整し、移相回路BL1の移相量を
調整し、X方向の屈曲振動とZ方向の屈曲振動の振幅を
一致させ、円軌道とした場合の第1の回転運動を描いて
いる。以後、発振周波数Bfを回転速度|Ω|と書くこ
とがある。
【0083】本実施の形態に示す第1の回転運動は、音
片B10全体が回転しているわけではなく、振動の腹に
おける音片10のX−Z断面の重心が回転運動を行う、
音片10のX−Z断面の重心の回転運動である。以下第
1の回転運動を、音片10の振動部の重心の回転運動と
表現することもある。
【0084】図23にX方向の屈曲振動及びZ方向の屈
曲振動が同時に存在する場合の、音片B11の屈曲振動
の様子を模式的に示す。これを第2の回転運動と呼ぶ。
図24の回路構成においては、1つの発振回路BH0を
用いて、同じ周波数を持つ電圧出力でX方向の屈曲振動
及びZ方向の屈曲振動を励振している。このときX方向
の屈曲振動の発振周波数Bf3とZ方向の屈曲振動の発
振周波数Bf4は同じ周波数Bfであり、X方向の屈曲
振動とZ方向位の屈曲振動の合成として回転運動が発生
する。X方向の屈曲振動に対してZ方向の屈曲振動の移
相が90度遅れる結果、音片B11の運動は振動ではな
く、右回りの回転運動となる。本実施の形態に於いて
は、音片B11に正方形断面の四角柱を用いているが、
現実には工作精度や圧電素子の張り付け位置のばらつき
により、X方向の屈曲振動の固有周波数とZ方向の屈曲
振動の固有周波数は一致しないため、発振回路BH0の
発振周波数Bfの選び方によっては、X方向の屈曲振動
とZ方向の屈曲振動の振幅は一致しないし、位相も不安
定となる。図23においては、移相回路BI2の移相量
及び振幅を調整し、X方向の屈曲振動とZ方向の屈曲振
動の振幅を一致させ、円軌道とした場合の第2の回転運
動を描いている。以後、発振周波数Bfを回転速度を|
−Ω|と書くことがある。
【0085】本実施の形態に示す第2の回転運動は、音
片B11全体が回転しているわけではなく、振動の腹に
おける音片11のX−Z断面の重心が回転運動を行う、
音片11のX−Z断面の重心の回転運動である。以下第
2の回転運動を、音片11の振動部の重心の回転運動と
表現することもある。
【0086】第1の回転運動及び第2の回転運動が発生
している時、音片B10及び音片B11がY軸の回りに
左回りに回転速度ωで回転すると、音片B10及び音片
B11の振動部の重心は変位する方向に直交する方向に
コリオリ力を受けるが、円運動の場合は、音片B10及
び音片B11の属する回転速度ωで回転する座標系から
見ても音片B10及び音片B11の振動部の重心の軌道
は変わらない。言い換えると、図22に示した円軌道を
描く第1の回転運動に働くコリオリ力及び、図23に示
した円軌道を描く第2の回転運動に働くコリオリ力は、
遠心力と反対の方向に遠心力と釣り合う力となって働く
ため、第1の回転運動及び第2の回転運動の回転周波数
Bfが、音片B10及び音片B11の運動が静止系に対
して慣性を保つため、音片B10及び音片B11の属す
る回転速度ωで回転する座標系から見て回転速度ωだけ
変化しても、音片B10及び音片B11の振動部の重心
の振幅は変化しない。即ち、第1の回転運動及び第2の
回転運動が発生しているとき、音片B10及び音片B1
1がY軸の回りに回転速度ωで回転することによる効果
は、音片B10及び音片B11に張り付けられた検出用
圧電素子B24又及びB28からは、発振回路BH0の
発生する駆動信号の周波数Bfに対する、第1の回転運
動及び第2の回転運動の周波数の変化|ω|として観測
される。ただし周波数の変化はωが左回りの場合は、第
1の回転運動の周波数は小さくなり、第2の回転運動の
周波数は大きくなる。
【0087】厳密には、音片B10が角速度ωで回転す
る座標系の回転中心が第1の回転運動の中心と一致しな
い場合は、音片B10の振動部の重心の軌道が変わる
が、音片B10全体の回転速度ωが、第1の回転運動の
回転速度Ωに比べて非常に小さい場合は無視して良い。
本実施の形態に於いては、第1の回転運動の回転速度Ω
が5000HZから30000HZであるのに対して、
音片B10全体の回転速度ωは0.25HZ程度を上限
とするので、第1の回転運動の軌道は変わらないとして
よい。
【0088】同様に、音片B11が回転速度ωで回転す
る座標系の回転中心が第2の回転運動の中心と一致しな
い場合は、音片B11の振動部の重心の軌道が変わる
が、音片B11全体の回転速度ωが、第2の回転運動の
回転速度−Ωに比べて非常に小さい場合は無視して良
い。本実施の形態に於いては、第2の回転運動の回転速
度Ωが5000HZから30000HZであるのに対し
て、音片B11全体の回転速度ωは0.25HZ程度を
上限とするので、第2の回転運動の軌道は変わらないと
してよい。
【0089】音片B10及び音片B11は、発振回路B
H0を用いてX方向及びZ方向に音片の固有振動数付近
の発振周波数Bfで自励発振している。従って第1の回
転運動及び第2の回転運動の回転周波数もコリオリ力が
働かない状態ではBfに引き戻される。この復元力は、
音片B10及び音片B11全体の回転速度ωと、第1の
回転運動を反映する検出用圧電素子B24の位相遅れ及
び第2の回転運動を反映する検出用圧電素子B28の位
相進みに起因する、検出用圧電素子B24及びB28の
位相差が、ほぼ比例する程度に働く。従って、周波数変
化でなく、検出用圧電素子B24及びB28の位相の差
を測定する事によって、音片B10及び音片B11全体
の回転速度ωを知ることもできる。
【0090】音片B10の振動部の重心の回転速度Ω及
び音片B11の振動部の重心の回転速度−Ωは、発振回
路BH0の発振周波数Bfに引き戻される結果、音片B
10及び音片B11の振動部の重心の各々の回転速度は
静止系から見ると、音片B10及び音片B11全体の回
転角速度ωだけ変化し、結果として音片B10の振動部
の重心は回転速度−|Ω−ω|で回転することになり、
音片B11の振動部の重心は回転速度Ω+ωで回転する
ことになる。従って音片B10及び音片B11全体の回
転速度ωにより移相ズレが生じた平衡状態においては、
音片B10及び音片B11の振動部の重心の回転運動
は、遠心力の変化により僅かに軌道が変化している。こ
のとき音片B10の第1の回転運動の半径は減少し、音
片B11の第2の回転運動の半径は増加する。コリオリ
力の検出には、音片B10及び音片B11のX又はZ方
向の屈曲振動の、各々の振幅の相対的な変化も利用する
こともできるが振幅の変化は僅かである。本実施の形態
においては、検出用圧電素子B24及びB28の信号を
用いて、位相の差を測定する方法を説明する。
【0091】図24において、音片B11のZ方向の振
動を検出する圧電素子B28の電極部からの出力を信号
A,音片B10のZ方向の振動を検出する圧電素子B2
4の電極部からの出力を信号Bとする。音片B10の第
1の回転運動は、Z方向に成分として、Z方向の屈曲振
動を持つ。左回りに回転する音片B10においては、Z
方向の屈曲振動を反映する音片B10の検出用圧電素子
B24からの電圧出力Bは、音片B10全体の左回りの
回転ωによりコリオリ力が働くとき、位相が遅れる。一
方、右回りに回転する音片B11においては、Z方向の
屈曲振動を反映する音片B11の検出用圧電素子B28
からの電圧出力Aは、音片B11全体の左回りの回転ω
によりコリオリ力が働くとき、位相が進む。本実施の形
態に於いては、信号Aと信号Bを加算回路K0と減算回
路G0に入力し、信号Aと信号Bの和信号A+Bと差信
号A−Bを生成し、これを利用する。
【0092】図14にコリオリ力が働かない場合の信号
A,B,A+B及びA−Bの関係を実線で示す。この場
合、信号Aと信号Bは各々Z方向の屈曲振動そのもので
ありこれらは図24に示した移相回路BL1及びBL2
による振幅と位相の調整により、完全に一致した信号で
ある。信号A+Bは信号A及びBの2倍の振幅を持つ信
号であり、信号A−Bは振幅がない。
【0093】図15にコリオリ力により音片B10及び
音片B11の各々の振動部の重心の回転運動に位相差が
生じた場合の信号A,B,A+B及びA−Bの関係を示
す。コリオリ力の効果は、一点鎖線で示す信号A及び破
線で示す信号Bの相対的な位相を変化させる。音片B1
0及び音片B11の振動部の重心の回転速度ωの大きさ
にほぼ比例して信号A及び信号Bの相対的な位相が変化
する。回転速度ωにより信号Aの位相が進み,信号Bの
位相が遅れるとすると、回転速度が−ωでは信号Aの位
相が遅れ,信号Bの位相が進み、信号A及びBの位相の
変化はωの方向によることになる。一方コリオリ力の有
無に関わらず実線で示す信号A+B及びA−Bはコリオ
リ力が働かない場合の位相を維持する。またコリオリ力
は、信号A+Bの振幅に少し変化をもたらし、信号A−
Bには振幅を発生させる。
【0094】図16に信号A,B,A+B及びA−Bの
関係をベクトルで示す。この場合、信号の振幅はベクト
ルの長さで表現され、位相はベクトルの回転で表現され
る。コリオリ力の効果は、信号A+B及びA−Bの振幅
の変化として検出することが出来る。ここで注目したい
のは、信号A及び信号Bの変化が位相のみであり振幅が
変化しない場合は、信号A+B及びA−Bの相対的な位
相関係がコリオリ力の大きさに関わらず常に90度に保
たれることである。
【0095】本実施の形態においては、出力の小さなコ
リオリ力の検出にロックインアンプの構成を用い、被検
出信号から参照信号と同一の周波数成分のみを抽出して
積分することにより高いS/Nを実現しようとするが、
この場合被検出信号と位相の一致した正確な参照信号が
必要である。まず、コリオリ力を反映する被検出信号と
して信号A,B及びA+Bは、コリオリ力がない状態で
も大きな出力をもつので小さなコリオリ力による変化を
とらえるのに適していない。一方、信号A−Bはコリオ
リ力が無い場合は出力がないので、ダイナミックレンジ
を考慮すると被検出信号として最も適しており、これを
使用する。一方参照信号としては、信号A及びBはコリ
オリ力により位相が変化するので使用できず、最も位相
が正確なA−B信号自身もコリオリ力が働かないか小さ
い場合に交流出力が無いか不安定なので、使用できな
い。しかし図16に示した様にA+B信号は常に安定し
た大きな振幅とA−B信号と正確に90度だけ異なる位
相差を持っている。従って参照信号としては、A+B信
号を90度位相を移相したものを使用する。
【0096】図24示す様に、信号A及び信号Bを減算
回路BG0に入力し、ロックインアンプBP0に入力す
る。また、信号A及び信号Bを加算回路BK0に入力
し、移相回路BI0で90度移相し、2値化回路BC0
スイッチング信号を生成し、ロックインアンプBP0に
参照信号として入力する。この結果、A−B信号はA+
B信号を90度移相したタイミングで全波整流され、直
流出力に変換される。この構成では、ノイズと見なされ
る参照信号の周波数以外の殆どの信号成分が取り除か
れ、非常にS/Nのよいコリオリ力の検出が実現でき
る。
【0097】従って、Z方向の屈曲振動を検出する音片
B10の検出用圧電素子B24及び音片B11の検出用
圧電素子B28の位相差のみが直流として抽出される。
これによって角速度ωの値を正確に知ることができる。
【0098】本実施の形態における音片B10及び音片
B11は振動ジャイロとして動作させることもできる。
この場合、例えば移相回路BL1及びBL2の移相量を
0度とすれば、音片B10及び音片B11を直線的に振
動させられるが、コリオリ力は速度に比例して働くの
で、音片B10及び音片B11の振動部の重心の振幅が
最小の位置で最も大きくなり、振幅が最大の位置では全
く働かない。一方、本実施の形態による回転ジャイロに
於いては、音片B10及び音片B11の振動部の重心は
回転運動を行うので、常に最大速度を持つ。音片B10
及び音片B11の振動部の重心が同じ振幅の場合、直線
振動の場合は、回転の場合に比べて交流の実効値と同程
度のコリオリ力しか働かない。言い換えると、本実施の
形態における回転ジャイロは、振動ジャイロより約1.
4倍高い効率でコリオリ力を検出することが出来る。
【0099】更に、固有振動を行う振動ジャイロを励振
する場合、振動エネルギーは際限なく投入できるわけで
はない。直線状に振動する振動ジャイロに於いては、振
動振幅が大きくなると、振動体の振幅に対する復元力の
非線形性により振動が不安定になり、安定に大きな振幅
の振動を継続させることが出来ない。一方、回転ジャイ
ロに於いては、回転する振動体の遠心力により、大きな
振幅でも安定した回転運動を継続することが出来る。従
って、回転ジャイロは、同じ形状と大きさを持つ振動ジ
ャイロに対して振動体に大きな振幅変位を与えることが
出来る。
【0100】本実施の形態の回転ジャイロは、例えば本
実施の形態で用いた音片B10及び音片B11をそのま
ま用いた振動ジャイロに対して、同じ振幅に対するコリ
オリ力の検出効率が大きく、しかも大きなコリオリ力を
発生させることができる。従って、振動ジャイロに対し
て充分な検出感度を保ちつつ、小型化することができ
る。
【0101】(第4の実施の形態)以下、本発明の回転
ジャイロを実施するための最良の形態による実施の形態
を図面を基に説明する。図1から図12、及び図14か
ら図16は本発明の実施の形態である回転ジャイロであ
り、図1は、以後4叉型と呼ぶ、4脚音叉型の振動ジャ
イロの外観を示し、圧電素子の位置を示し、振動調整の
ための又の位置を示し、以後説明に用いる座標を示す斜
視図であり、図2は4叉型の足の先端側から見た足の断
面,回路ブロック及び配線模式図であり、図3は4叉型
の足の先端側から見た足の断面,詳細な回路例及び配線
模式図であり、図4及び図5は圧電素子の変形の仕組み
を説明する斜視図であり、図6は4叉型を円筒状の管に
封入した回転ジャイロの構成を示す外観図であり、図
7,図8,図9,図10,図11及び図12は4叉型の
足の先端側から見た足の断面を模式的に表した動作説明
図であり、図14及び図15は圧電素子からの信号を示
す波形図であり、図16は圧電素子からの信号をベクト
ルで表現した動作説明図である。
【0102】[回転ジャイロの構造説明:図1,図2,
図3及び図6]図1に示すように、4叉型10は第1の
足11,第2の足12,第3の足13及び第4の足14
と基部15から構成される。足は弾性を持つ金属または
石英ガラスからなり、形状が四角柱であり、四角柱の側
面に張り合わされた圧電素子からなる駆動部及び検出部
を有している。基部は弾性を持つ金属または石英ガラス
からなり、形状が四角柱である。第1の足11,第2の
足12,第3の足13及び第4の足14は互いに平行に
方形の基部15の4つの頂点の位置に配置されており、
基部15と第1の足11,第2の足12,第3の足13
及び第4の足14は一体構造である。
【0103】この第4の実施の形態で使用する金属は、
弾性率の温度依存性が非常に小さい鉄50%,ニッケル
35%及びクロム9.1%を含む合金でエリンバーと呼
ばれるものを用いる。同じく弾性率の温度依存性が非常
に小さい石英ガラスを用いる場合は、予め表面の一部に
銀やクロム等の導電性材料を無電界メッキや蒸着などの
手法で薄膜形成し、張り付ける全ての圧電素子の共通電
極としておく。
【0104】以下4叉型10を説明するに際しては、座
標軸Y軸,Z軸及びX軸を、各辺と平行な方向に定め
る。このとき、長手方向、即ち足の伸びた方向をY軸,
巾方向をZ軸及び厚さ方向をX軸とする。このように定
めた4叉型10の、長手方向,巾方向及び厚さ方向は、
それぞれY軸,Z軸及びX軸と平行となる。ただし、4
叉型10はX−Z面内で対称な形状を持つので、ここで
用いた巾と厚さという言葉は特別な意味をもたない。以
下ではX又はZ方向の巾、もしくは単に足の巾という言
葉を用いる。
【0105】図1には一例として第1の足11,第2の
足12及び第3の足13に圧電素子からなる駆動部及び
検出部を接着した様子を示した。圧電素子は、薄い板状
の形状をしており、予め両面に銀やクロム等の合金を蒸
着してある。圧電素子の片面にエポキシ系の導電性接着
剤を塗布し、各々の足に貼り付ける。
【0106】図2には図1に示した形状の圧電素子を、
第1の足11,第2の足12,第3の足13及び第4の
足14を切断するX−Z面内の断面に示した。自励発振
用として、第1の足11に圧電素子23及び25を張り
付け,第2の足12に圧電素子27及び29を張り付け
てある。また検出用として、第3の足13に圧電素子3
3を張り付け,第4の足14に圧電素子37を張り付け
てある。また、回転状態モニター用として、第3の足1
3に圧電素子31を張り付け,第4の足14に圧電素子
35を張り付けてある。
【0107】図2には加振用圧電素子23,25,27
及び29の各々の電極と共に用いてすべての足を自励発
振させる発振回路H0、発振位相を90度遅らせ、振幅
を調整する移相回路LA及びLB、検出用圧電素子33
及び37の各々の電極からの信号を加算する加算回路K
0、加算した信号の位相を変化させる移相回路I0、移
相した信号を2値化する2値化回路C0、検出用圧電素
子33及び37の各々の電極からの信号を減算して参照
信号を生成する減算回路G0、減算した信号を参照信号
を用いて位相検波し直流電圧に変換するロックインアン
プP0を示し、これらの間の配線を示す。
【0108】図3には図2の発信回路H0を実現する一
例として、干渉バッファを構成するオペアンプH1,ロ
ーパスフィルタを構成するトリマ抵抗H2及びコンデン
サH7,反転増幅器を構成するオペアンプH3及び抵抗
H4〜H6を示し、直流バイアスを加える為の負電源D
1及び分割抵抗D2を示す。
【0109】図3には図2の移相回路LAを実現する一
例として、トリマ抵抗LA1及びコンデンサLA2を示
す。
【0110】図3には図2の移相回路LBを実現する一
例として、トリマ抵抗LB1及びコンデンサLB2を示
す。
【0111】図3には図2の加算回路K0を実現する一
例として、干渉バッファを構成するオペアンプK1〜K
2,抵抗K3〜K4及びを示す。
【0112】図3には図2の移相回路I0を実現する一
例として、ローパスフィルタを構成する抵抗I1及びコ
ンデンサI2を示す。
【0113】図3には図2の2値化回路C0を実現する
一例として、第1のコンパレータC1及び第2のコンパ
レータC2を示す。
【0114】図3に図2の減算回路G0を実現する一例
として、干渉バッファG1〜G2,第1の差動増幅回路
を構成するオペアンプG3及び抵抗G4〜G7,第2の
差動増幅回路を構成するオペアンプG8及び抵抗G9〜
G12を示す。
【0115】図3には図2のロックインアンプP0を実
現する一例として、第1のバンドパスフィルタを構成す
るオペアンプP1,コンデンサP2〜P3及び抵抗P4
〜P7、第2のバンドパスフィルタを構成するオペアン
プP8,コンデンサP9〜P10及び抵抗P11〜P1
4、第1のアナログスイッチP15、第2のアナログス
イッチP16、ローパスフィルタを構成する抵抗P17
及びコンデンサP18を示す。
【0116】[振動ジャイロの動作・作用説明:図2,
図3,図4,図5,図7,図8,図9,図10,図1
1,図12,図14,図15及び図16]図4及び図5
に圧電素子の動作を示す。本実施の形態で用いるPZT
と呼ばれる圧電素子は、あらかじめ高電圧を加えて分極
させておくと、圧電素子に加える電圧の方向により、歪
みの方向が異なる。図4に示す(+)面58は、分極時
にこの裏側の面に対して正の電圧を印加した面であり、
裏面に対して高電位にすると厚みが増加し、縦横が縮
む。また、図5には面58の裏面である(−)面59を
示す。(−)面59は、裏面に対して正の電圧を印加す
ると厚みが減少し、縦横が伸びる。図2及び図3に記入
した(+)または(−)の記号は、4叉型10の各々の
足に貼り付けられた圧電素子の面のうち、足に接着され
ている面が何れの面であるかを示している。また、図2
及び図3には第1の足11のY方向の屈曲振動の第1の
中立線39を点で示し、第2の足12のY方向の屈曲振
動の第2の中立線40を点で示し、第3の足13のY方
向の屈曲振動の第3の中立線41を点で示し、第4の足
14のY方向の屈曲振動の第4の中立線42を点で示
す。図の外側の線は各圧電素子の電極間の配線を模式的
に示した。
【0117】PZTは分極方向の逆方向に電圧をかける
と分極の状態が劣化する可能性が指摘されている。本実
施の形態に於いては 分極形成時に印加する高電圧に比
べて無視しうる電圧で駆動するので特に問題とならない
が、図3においてはこの指摘に対処する方法を示してお
く。圧電素子25,27,29,35,23,31,3
3及び37の電極部は4叉型10の基部がエリンバ等の
導体においては共通電極を構成するので、通常は図2に
示すようにグランドに接地しておくが、ここではPZT
分極劣化の対策として、常に分極時にかけた電圧と同じ
方向の電圧を加えるため、グランドより低レベルの電圧
源D1に接続しておく。また、この直流バイアスの大き
さを調整するため、分割抵抗D2を介して接続する。
【0118】図2において、第3の足13の圧電素子3
3及び第4の足14の圧電素子37からの電圧を加算回
路K0により加算した電圧を参照とする発振回路H0か
ら、第1の足11の圧電素子25の電極に電圧が印加さ
れると、たとえば圧電素子25がY方向に縮み、結果と
してX軸方向に屈曲変位が起こる。時間の経過ととも
に、この方向は変化し、結果として、第1の足11はX
軸方向に屈曲振動する。同時に、第3の足13の圧電素
子33及び第4の足14の圧電素子37からの電圧を加
算回路K0により加算した電圧を参照とし、出力電圧を
移相回路LAで90度遅らせた発振回路H0から、第1
の足11の圧電素子28の電極に電圧が印加されると、
例えば圧電素子28がY方向に縮み、結果としてZ軸方
向に屈曲変位が起こる。時間の経過とともに、この方向
は変化し、結果として、第1の足11はZ軸方向に屈曲
振動する。このとき、第1の足11は右回りの回転運動
を行う。
【0119】図2において、第3の足13の圧電素子3
3及び第4の足14の圧電素子37からの電圧を加算回
路K0により加算した電圧を参照とする発振回路H0か
ら、第2の足12の圧電素子29の電極に電圧が印加さ
れると、例えば圧電素子29がY方向に縮み、結果とし
てX軸方向に屈曲変位が起こる。時間の経過とともにこ
の方向は変化し、結果として、第2の足12はX軸方向
に屈曲振動する。同時に、第3の足13の圧電素子33
及び第4の足14の圧電素子37からの電圧を加算回路
K0により加算した電圧を参照とし、出力電圧を移相回
路LBで90度遅らせた発振回路H0から、第2の足1
2の圧電素子27の電極に電圧が印加されると、例えば
圧電素子27がY方向に縮み、結果としてZ軸方向に屈
曲変位が起こる。時間の経過とともに、この方向は変化
し、結果として、第2の足12はZ軸方向に屈曲振動す
る。このとき、第2の足12は左回りの回転運動を行
う。
【0120】この時、駆動する足が第1の足11及び第
2の足12のみであったとしても、第1の足11及び第
2の足12の振動が基部15を通して伝達し、第3の足
13及び第4の足14が自動的に励振され、第1の足1
1及び第4の足14が右回りに回転運動を行い、第2の
足12及び第3の足13が左回りの回転運動を行う4叉
型10全体としての協調動作である第1の回転運動が自
励発振する。この時、第1の足11及び第4の足14の
行う。右回りの回転運動は、互いに回転位相が180度
異なり、第2の足12及び第3の足13の行う左回りの
回転運動は、互いに回転位相が180度異なるので、4
本の足の回転運動は互いにバランスを取り合い、基部は
全く振動しない。
【0121】4叉型10において、第1の回転運動を自
励発振させる機構について、さらに詳細に説明する。4
叉型10の4本の足の中から、例えば、第2の足12の
圧電素子29の電圧を参照に発振回路H0を用いて第1
の足11の圧電素子25に電圧を印可し、X方向に加振
すると、図7に4叉型10の各々の足のある瞬間の変位
方向を模式的に矢印で示すように、第1の足11及び第
2の足12が音叉型に振れ、第3の足13及び第4の足
14が逆相で音叉型に振れる第1の屈曲振動が発生す
る。4叉型10においては、この発振モードは最も安定
であり、発振周波数を制限するフィルター等を設けなけ
れば殆どの場合このモードで発振する。また、第3の足
13の圧電素子31の電圧を参照に発振回路H0を用い
て第1の足11の圧電素子23に電圧を印可し、Z方向
に加振すると、図8に4叉型10の各々の足のある瞬間
の変位方向を模式的に矢印で示すように、第1の足11
及び第3の足13が音叉型に振れ、第2の足12及び第
4の足14が逆相で音叉型に振れる第2の屈曲振動が発
生する。4叉型10においては、この発振モードもまた
最も安定であり、発振周波数を制限するフィルター等を
設けなければ殆どの場合このモードで発振する。
【0122】一方、4叉型10の4本の足の中から、例
えば、第2の足12の圧電素子29の電圧を参照に発振
回路H0を用いて第1の足11の圧電素子25及び第3
の足13の圧電素子33に電圧を印可し、X方向に同時
に加振すると、図9に4叉型10の各々の足のある瞬間
の変位方向を模式的に矢印で示すように、第1の足11
及び第2の足12が音叉型に振れ、第3の足13及び第
4の足14が同相で音叉型に振れる第3の屈曲振動が発
生する。また、第3の足13の圧電素子31の電圧を参
照に発振回路H0を用いて第2の足12の圧電素子23
及び第2の足12の圧電素子37に電圧を印可し、X方
向に同時に加振すると、図10に4叉型10の各々の足
のある瞬間の変位方向を模式的に矢印で示すように、第
1の足11及び第3の足13が音叉型に振れ、第2の足
12及び第4の足14が同相で音叉型に振れる第4の屈
曲振動が発生する。
【0123】図2に示した機構に於いては、Z方向の屈
曲振動の位相をX方向の屈曲振動にたいして90度遅ら
せることによって、各々の足を回転させている。図11
には図9に示したX方向に振動する第3の屈曲振動に対
して、図10に示したZ方向に振動する第4の屈曲振動
の位相を90度遅らせ、両者を合成することにより発生
する第1の回転運動を模式的に示す。この実施の形態に
示す第1の回転運動では、4叉型10の第1の足11,
第2の足12,第3の足13及び第4の足14のX−Z
断面における重心が回転運動を行うが、第1の足11及
び第4の足14が右回りに回転運動を行い、第2の足1
2及び第3の足13が左回りの回転運動を行う。ここで
はある瞬間の変位方向を矢印で示している。一方、図1
2には、図7に示したX方向に振動する第1の屈曲振動
に対して、図10に示したZ方向に振動する第4の屈曲
振動の位相を90度遅らせ、両者を合成することにより
発生する第2の回転運動を模式的に示す。この実施の形
態に示す第2の回転運動では、4叉型10の第1の足1
1,第2の足12,第3の足13及び第4の足14のX
−Z断面における重心が回転運動を行うが、第1の足1
1及び第3の足13が右回りに回転運動を行い、第2の
足12及び第4の足14が左回りの回転運動を行う。こ
こではある瞬間の変位方向を矢印で示している。
【0124】図2に示した回路に於いては、第1の足1
1の圧電素子23及び第2の足12の圧電素子27には
同相の電圧が入力されるので、Z方向の屈曲振動は必ず
図10に示した第4の屈曲振動となるが、X方向には、
各々の足の振動位相を制限していないので、図7に示し
た第1の屈曲振動、又は図9に示した第3の屈曲振動の
いずれの振動が発生するかは、回路上は決定されていな
い。従って、図2に示した回路では、図11に示した第
1の回転運動が発生するか、図12に示した第2の回転
運動が発生するかは決定されていない。
【0125】しかし、4叉型10が対称性良く作られて
いれば、ほぼ等しい図9に示した第3の屈曲振動及び図
10に示した第4の屈曲振動の共振周波数は、同様にほ
ぼ等しい図7に示した第1の屈曲振動及び図8に示した
第2の屈曲振動の共振周波数に対して明らかに低い周波
数を持つので、図2に於いて、図10に示したZ方向の
第4の屈曲振動が発生している時、同じ発振回路H0の
信号で発振するX方向の屈曲振動としては、必ず図9に
示した第3の屈曲振動が発生する。したがって4叉型1
0が対称性良く製作される場合は、図2の回路構成に於
いては、必ず第1の足11及び第4の足14が右回りに
回転運動を行い、第2の足12及び第3の足13が左回
りの回転運動を行う、第1の回転運動が発生する。
【0126】図7に示した第1の屈曲振動,図8に示し
た第2の屈曲振動,図9に示した第3の屈曲振動及び図
10に示した第4の屈曲振動は何れも,4叉型10の試
作品の動作確認により、弾性体としての共振周波数の存
在がが確認されているものであり、これらの振動は4本
の足が互いにバランスを取り合い、基部15は振動の節
となっており殆ど振動しないので、4叉型10は底面を
支持すれば、支持の方法によって振動状態が変わること
は殆どない。また、図9に示した第3の屈曲振動及び図
10に示した第4の屈曲振動から合成される第1の回転
運動及び、図7に示した第1の屈曲振動及び図10に示
した第4の屈曲振動から合成される第2の回転運動もま
た4本の足が互いにバランスを取り合い、基部15は振
動の節となっており殆ど振動しないので、4叉型10は
底面を支持すれば、支持の方法によって振動状態が変わ
ることは殆どない。
【0127】図11に示した第1の回転運動が発生して
いる時、第3の足13は左回りに回転し、第4の足14
は右回りに回転しているが、4叉型10全体がY軸の回
りに回転速度ωで回転すると、回転する第3の足13の
X−Z断面の重心及び回転する第4の足14のX−Z断
面の重心には、変位する方向に直交する方向にコリオリ
力を受けるが、円運動の場合は、第3の足13及び第4
の足14の属する回転速度ωで回転する座標系から見て
も第3の足13及び第4の足14のX−Z断面の重心の
軌道は変わらない。言い換えると、図11に示した、円
軌道を描く第3の足13及び第4の足14のX−Z断面
の重心に働くコリオリ力は、遠心力と反対の方向に遠心
力と釣り合う力となって働くため、円軌道を描く第3の
足13及び第4の足14のX−Z断面の重心の回転周波
数fが、第3の足13及び第4の足14のX−Z断面の
重心の回転運動が静止系に対して慣性を保つため、第3
の足13及び第4の足14の属する回転速度ωで回転す
る座標系から見てωだけ変化しても、第3の足13及び
第4の足14のX−Z断面の重心の振幅は変化しない。
即ち、第3の足13及び第4の足14のX−Z断面の重
心の回転運動が発生している時、第3の足13及び第4
の足14を含む4叉型10全体がY軸の回りに回転速度
ωで回転することによる効果は、第3の足13及び第4
の足14に張り付けられた検出用圧電素子33又及び3
7からは、発振回路H0の発生する駆動信号の周波数f
に対する、回転する第3の足13及び回転する第4の足
14の周波数の変化|ω|として観測される。ただし、
周波数の変化は回転速度ωが左回りの回転の場合は、左
回りに回転する第3の足13のX−Z断面の重心の回転
周波数は小さくなり、右回りに回転する第4の足14の
X−Z断面の重心の回転周波数は大きくなる。
【0128】しかしながら、4叉型10は、発振回路H
0を用いてX方向及びZ方向に発振周波数fで第1の回
転運動を自励発振している。従って第3の足13及び第
4の足14のX−Z断面の重心の各々の回転運動の回転
周波数もコリオリ力が働かない状態ではfに引き戻され
る。この復元力は、4叉型10全体の回転速度ωと、第
3の足13のX−Z断面の重心の回転運動を反映する検
出用圧電素子33の位相遅れ及び第4の足14のX−Z
断面の重心の回転運動を反映する検出用圧電素子37の
位相進みに起因する、検出用圧電素子33及び37の位
相差が、ほぼ比例する程度に働く。従って、僅かな周波
数の変化でなく、検出用圧電素子33及び37の位相の
差を測定する事によって、4叉型10全体の回転速度ω
を知ることができる。
【0129】第3の足13及び第4の足14のX−Z断
面の重心の各々の回転運動の回転周波数もコリオリ力が
働かない状態ではfに引き戻される結果、第3の足13
及び第4の足14のX−Z断面の重心の各々の回転運動
の回転速度は静止系から見ると、4叉型10全体の回転
角速度ωだけ変化し、結果として第3の13のX−Z断
面の重心は回転角速度−|Ω−ω|で回転することにな
り、第4の足14のX−Z断面の重心は回転速度Ω+ω
で回転することになる。従って4叉型10全体の回転速
度ωにより移相ズレが生じた平衡状態においては、第3
の足13及び第4の足14のX−Z断面の重心の回転運
動は、遠心力の変化により僅かに軌道が変化している。
このとき第3の足13のX−Z断面の重心の回転運動の
半径は増加し、第4の足14のX−Z断面の重心の回転
運動の半径は減少する。コリオリ力の検出には、第3の
足13及び第4の足14のX又はZ方向の屈曲振動の、
各々の振幅の相対的な変化も利用することもできるが振
幅の変化は僅かである。本実施の形態においては、圧電
素子33及び37の信号を用いて、位相の差を測定する
方法を説明する。
【0130】図2において、第3の足13のX方向の振
動を検出する圧電素子33の電極部からの出力を信号
B,第4の足14のX方向の振動を検出する圧電素子3
7の電極部からの出力を信号Aとする。第1の回転運動
は、X方向に成分として、第3の屈曲振動を持つ。左回
りに回転する第3の足13においては、第3の屈曲振動
を反映する第3の足13の検出用圧電素子33からの電
圧出力Bは、4叉型10の左回りの回転ωによりコリオ
リ力が働くとき、位相が遅れる。一方、右回りに回転す
る第4の足14においては、第3の屈曲振動を反映する
第4の足14の検出用圧電素子37からの電圧出力A
は、4叉型10の左回りの回転ωによりコリオリ力が働
くとき、位相が進む。本実施の形態に於いては、信号A
と信号Bを加算回路K0と減算回路G0に入力し、信号
Aと信号Bの和信号A+Bと差信号A−Bを生成し、こ
れを利用する。
【0131】図14にコリオリ力が働かない場合の信号
A,B,A+B及びA−Bの関係を示す。この場合、信
号Aと信号Bは各々第3の屈曲振動そのものであり、こ
れらは図2に示したローパスフィルタLA及びLBによ
る振幅と位相の調整により、完全に一致した信号であ
る。信号A+Bは信号A及びBの2倍の振幅を持つ信号
であり、信号A−Bは振幅がない。
【0132】図15にコリオリ力により第3の足13及
び第4の足14の各々の回転運動に位相差が生じた場合
の信号A,B,A+B及びA−Bの関係を示す。コリオ
リ力の効果は、信号A及び信号Bの相対的な位相を変化
させる。4叉型10全体の回転速度ωの大きさにほぼ比
例して信号A及び信号Bの相対的な位相が変化する。4
叉型10全体の回転速度ωにより信号Aの位相が進み,
信号Bの位相が遅れるとすると、4叉型10全体の回転
速度−ωでは信号Bの位相が進み,信号Aの位相が遅れ
信号A及びBの位相の変化は回転速度ωの回転方向によ
ることになる。一方コリオリ力の有無に関わらず信号A
+B及びA−Bはコリオリ力が働かない場合の位相を維
持する。またコリオリ力は、信号A+Bの振幅に少し変
化をもたらし、信号A−Bには振幅を発生させる。
【0133】図16に信号A,B,A+B及びA−Bの
関係をベクトルで示す。この場合、信号の振幅はベクト
ルの長さで表現され、位相はベクトルの回転で表現され
る。コリオリ力の効果は、信号A+B及びA−Bの振幅
の変化として検出することが出来る。ここで注目したい
のは、信号A及び信号Bの変化が位相のみであり振幅が
変化しない場合は、信号A+B及びA−Bの相対的な位
相関係がコリオリ力の大きさに関わらず常に90度に保
たれることである。
【0134】本実施の形態においては、出力の小さなコ
リオリ力の検出にロックインアンプの構成を用い、被検
出信号から参照信号と同一の周波数成分のみを抽出して
積分することにより高いS/Nを実現しようとするが、
この場合被検出信号と位相の一致した正確な参照信号が
必要である。まず、コリオリ力を反映する被検出信号と
して信号A,B及びA+Bは、コリオリ力がない状態で
も大きな出力をもつので小さなコリオリ力による変化を
とらえるのに適していない。一方、信号A−Bはコリオ
リ力が無い場合は出力がないので、ダイナミックレンジ
を考慮すると被検出信号として最も適しており、これを
使用する。一方参照信号としては、信号A及びBはコリ
オリ力により位相が変化するので使用できず、最も位相
が正確なA−B信号自身もコリオリ力が働かないか小さ
い場合に交流出力が無いか不安定なので、使用できな
い。しかし図16に示した様にA+B信号は常に安定し
た大きな振幅とA−B信号と正確に90度だけ異なる位
相差を持っている。従って参照信号としては、A+B信
号を90度位相を移相したものを使用する。
【0135】図2に示す様に、信号A及び信号Bを減算
回路G0に入力し、図3に示す高い同相除去比CMRR
を持つ構成の差動増幅回路G1〜G12をもって、信号
A−B及びこれと逆相の信号B−Aを生成し、図2に示
すロックインアンプP0に入力する。図3に示すように
ロックインアンプP0の内部では、バンドパスフィルタ
P1〜P14を用いて信号A−B及びこれと逆相の信号
B−Aの直流成分と奇数次高調波成分を除去し、アナロ
グスイッチP15〜P16を用いてスイッチングし、平
滑及び積分回路P17〜P18を用いて直流に変換す
る。また図2に示す様に、信号A及び信号Bを加算回路
K0に入力し、図3に示す移相回路I0〜I1で90度
移相し、コンパレータC1〜C2でスイッチング信号と
これと逆相のスイッチング信号を生成し、アナログスイ
ッチP15〜P16に入力する。この結果、A−B信号
はA+B信号を90度移相したタイミングで全波整流さ
れ、直流出力に変換される。ここでは直流ドリフトを嫌
う理由から位相の検波に乗算器でなくスイッチング方式
を用いた。この構成では、ノイズと見なされる参照信号
の周波数以外の殆どの信号成分が取り除かれ、非常にS
/Nのよいコリオリ力の検出が実現できる。
【0136】従って、第3の屈曲振動を検出する第3の
足13の検出用圧電素子33及び第4の足14の検出用
圧電素子37の位相差のみが直流として抽出される。こ
れによって4叉型10全体の回転速度ωの値を正確に知
ることができる。
【0137】本発明における4叉型10の第3の屈曲振
動は、大きなQ値を持つ音叉型発振器を構成している。
即ち非常に安定した周波数を持つ。従って、これを参照
信号として用いることによりロックインアンプの機能で
ある周波数抽出の幅を非常に小さくできる。言い換える
と、本実施の形態の構成においては、角速度ωに起因す
る信号以外のノイズを殆ど除外でき、大変S/Nがよ
い。
【0138】本実施の形態における4叉型10は振動ジ
ャイロとして動作させることもできる。この場合、例え
ば移相回路LAの移相量を0度とし、移相回路LBの移
相量を180度すれば、4叉型10を直線的に振動させ
られるが、コリオリ力は速度に比例して働くので、振幅
が最小の位置で最も大きくなり、振幅が最大の位置では
全く働かない。一方、本実施の形態による回転ジャイロ
に於いては、4叉型10は回転運動を行うので、常に最
大速度を持つ。4叉型10が同じ振幅の場合、直線振動
の場合は、回転の場合に比べて交流の実効値と同程度の
コリオリ力しか働かない。言い換えると、本実施の形態
における回転ジャイロは、振動ジャイロより約1.4倍
高い効率でコリオリ力を検出することが出来る。
【0139】更に、固有振動を行う振動ジャイロを励振
する場合、振動エネルギーは際限なく投入できるわけで
はない。直線状に振動する振動ジャイロに於いては、振
動振幅が大きくなると、振動体の振幅に対する復元力の
非線形性により振動が不安定になり、安定に大きな振幅
の振動を継続させることが出来ない。一方、回転ジャイ
ロに於いては、回転する振動体の遠心力により、大きな
振幅でも安定した回転運動を継続することが出来る。従
って、回転ジャイロは、同じ形状と大きさを持つ振動ジ
ャイロに対して振動体に大きな振幅変位を与えることが
出来る。
【0140】本実施の形態の回転ジャイロは、例えば本
実施の形態で用いた4叉型10をそのまま用いた振動ジ
ャイロに対して、同じ振幅に対するコリオリ力の検出効
率が大きく、しかも大きなコリオリ力を発生させること
ができる。従って、振動ジャイロに対して充分な検出感
度を保ちつつ、小型化することができる。
【0141】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
回転ジャイロは、同じ大きさの振動ジャイロに対して、
コリオリ力の検出効率が大きく、しかも大きなコリオリ
力を発生させることができる。従って、本発明の回転ジ
ャイロは、同じ大きさの振動ジャイロに対して充分な検
出感度を保ちつつ、小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの外観を示し、圧電素子の位置を示し、振動調整
のための又の位置を示し、以後説明に用いる座標を示す
斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの足の先端側から見た足の断面,回路ブロック及
び配線模式図である。
【図3】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの足の先端側から見た足の断面,詳細な回路例及
び配線模式図である。
【図4】本発明の実施の形態である回転ジャイロに用い
る圧電素子の斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態である回転ジャイロに用い
る圧電素子の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの円筒状の管に封入したジャイロ素子の構成を示
す外観図である。
【図7】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表した
動作説明図である。
【図8】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表した
動作説明図である。
【図9】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転ジ
ャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表した
動作説明図である。
【図10】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転
ジャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表し
た動作説明図である。
【図11】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転
ジャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表し
た動作説明図である。
【図12】本発明の実施の形態である4脚音叉型の回転
ジャイロの足の先端側から見た足の断面を模式的に表し
た動作説明図である。
【図13】従来の音片型振動ジャイロを示す斜視図であ
る。
【図14】本発明の実施の形態である回転ジャイロの検
出信号を示す波形図である。
【図15】本発明の実施の形態である回転ジャイロの検
出信号を示す波形図である。
【図16】本発明の実施の形態である回転ジャイロの検
出信号をベクトルで表現した動作説明図である。
【図17】本発明の実施の形態である回転ジャイロの構
成を示すモーターの上面図及び回路ブロック図である。
【図18】本発明の実施の形態である回転ジャイロの検
出信号を示す波形図である。
【図19】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの外観を示し、圧電素子及び支持部を示し、説明に用
いる座標を示す斜視図である。
【図20】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの支持に用いられるフイルムの正面図である。
【図21】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの音片の先端側から見た音片の断面,回路ブロック及
び配線模式図である。
【図22】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの音片の先端側から見た音片の振動の腹の断面を模式
的に表した動作説明図である。
【図23】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの音片の先端側から見た音片の振動の腹の断面を模式
的に表した動作説明図である。
【図24】本発明の実施の形態である音片型回転ジャイ
ロの音片の先端側から見た音片の断面,回路ブロック及
び配線模式図である。
【符号の説明】
10 4脚音叉型の振動ジャイロ 11,12,13,14 4脚音叉の足 15 4脚音叉の基部 16 ベース 17 金属製のキャップ 18,19,20,21 リード線 22 配線基板 23、25,27,29,31,33,35及び37
圧電素子 39〜42 屈曲振動の中立線 A,B 電圧波形 D1 負電源 D2 分割抵抗 H0 発振回路 H1 オペアンプ H2 調整用抵抗 H3 オペアンプ H4〜H6 抵抗 H7 コンデンサ LA ローパスフィルタ LA1 トリマ抵抗 LA2 コンデンサ LB ローパスフィルタ LB1 トリマ抵抗 LB2 コンデンサ K0 加算回路 K1〜K2 オペアンプ K3〜K4 抵抗 I0 移相回路 I1 抵抗 I2 コンデンサ C0 2値化回路 C1 第1のコンパレータ C2 第2のコンパレータ G0 減算回路 G1〜G2 干渉バッファ G3 オペアンプ G4〜G7 抵抗 G8 オペアンプ G9〜G12 抵抗 P0 ロックインアンプ P1 オペアンプ P2〜P3 コンデンサ P4〜P7 抵抗 P8 オペアンプ P9〜P10 コンデンサ P11〜P14 抵抗 P15 第1のアナログスイッチ P16 第2のアナログスイッチ P17 抵抗 P18 コンデンサ 58 (+)面 59 (−)面 71 振動体 76 駆動検出用圧電素子 77 駆動検出用圧電素子 MB 筐体 MD1 駆動回路 MD2 検出回路 MR1 第1のローター MJ1 第1のローターの回転軸 MS1 第1のステーター ME1 第1のエンコーダー MT1 磁石 MR2 第2のローター MJ2 第2のローターの回転軸 MS2 第2のステーター ME2 第2のエンコーダー MT2 磁石 B10 音片 B11 音片 B12 支持位置 B13 支持位置 B14 支持部 B14W 支持部の枠 B14M 支持部の膜 B14H 支持部の穴 B15 支持部 B15W 支持部の枠 B15M 支持部の膜 B15H 支持部の穴 B21〜B24 圧電素子 B25〜B28 圧電素子 BHC0 発振回路 BH0 発振回路 BL 移相回路 BL1 移相回路 BL2 移相回路 BK0 加算回路 BI0 移相回路 BC0 2値化回路 BG0 減算回路 BP0 ロックインアンプ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止系から見て互いに反対方向に同一の
    一定速度の回転を行う2つの回転部を備え、 回転速度を測定する座標系に、該座標系から見た2つの
    回転部の回転速度差を検出する手段を有することを特徴
    とする回転ジャイロ。
  2. 【請求項2】 回転速度を測定する座標系から見て互い
    に反対方向に、一定の時間内に同一の一定速度に収束す
    る回転を行わせる2つの回転部を備え、 回転速度を測定する座標系に2つの回転部の回転位相差
    を検出する手段を有することを特徴とする回転ジャイ
    ロ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の回転ジャイロであっ
    て、 回転部は永久磁石からなるローターであり、 駆動部は電磁石からなるステーターであり、 検出部は電磁石からなるエンコーダーであることを特徴
    とする回転ジャイロ。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の回転ジャイロであっ
    て、 回転部は振動の節を支持した振動体の各々の振動部の各
    々の重心であり、 振動体に2つの方向から加振する加振手段を備え、 1つの方向から振動を検出する検出手段を備えたことを
    特徴とする回転ジャイロ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の回転ジャイロであっ
    て、 振動体は振動の節を支持した音片であることを特徴とす
    る回転ジャイロ。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の回転ジャイロであっ
    て、 振動体は振動の節を支持した4脚音叉であることを特徴
    とする回転ジャイロ。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の回転ジャイロであっ
    て、 足は弾性を持つ材料からなり、 足は形状が四角柱であり、 足は四角柱の側面に駆動部と検出部を有し、 駆動部と検出部は圧電素子からなり、 基部は弾性を持つ材料からなり、 基部は形状が四角柱であり、 基部と4本の足は一体構造であり、 4本の足は互いに平行に基部に田の字形に配置されてお
    り、 基部の底面は支持に用いられ、 第1及び第2の足の圧電素子を用いて自励発振を行わ
    せ、第1の足と第2の足が互いに同相に振れる第1の屈
    曲振動を行なわせると同時に、第1及び第2の足の圧電
    素子を用いて自励発振を行わせ、第1の屈曲振動と直交
    する方向に、第1の屈曲振動と振動数が一致し、位相が
    90度異なり、第1の足と第2の足が互いに同相に振れ
    る第2の屈曲振動を発生させておき、第1の屈曲振動と
    第2の屈曲振動の合成振動として、第1の足の足の伸び
    た方向の断面の重心と、第2の足の足の伸びた方向の断
    面の重心が、互いに反対に回る回転運動である第1の回
    転運動を発生させ、第1の回転運動が、基部の回転によ
    るコリオリ力により引き起こす、第1の屈曲振動または
    第2の屈曲振動の周波数変化を、第1の足と同方向に回
    転する第3の足と、第2の足と同方向に回転する第4の
    足の検出部により検出することを特徴とする回転ジャイ
    ロ。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の回転ジャイロであっ
    て、 位相の変化した第1の屈曲振動が、第3の足に貼り付け
    られた圧電素子に発生させる電圧出力及び、位相の変化
    した第1の屈曲振動が、第4の足に貼り付けられた圧電
    素子に発生させる電圧出力を加算する加算回路を備え、
    加算回路の出力を90度移相する移相回路を備え、移相
    回路の出力を2値化する2値化回路を備え、位相の変化
    した第1の屈曲振動が、第3の足に貼り付けられた圧電
    素子に発生させる電圧出力及び、位相の変化した第1の
    屈曲振動が、第4の足に貼り付けられた圧電素子に発生
    させる電圧出力を減算する減算回路を備え、減算回路の
    出力を前記2値化回路の出力を用いて検出するロックイ
    ンアンプを備えたことを特徴とする回転ジャイロ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の回転ジャイロであっ
    て、 第1の回転運動の軌道が、ほぼ円軌道になるように発振
    回路の出力信号を調整する為の振幅位相調整回路を備え
    たことを特徴とする。
  10. 【請求項10】 回転速度を測定する座標系から見て、
    一定の時間内に同一の一定速度に収束する回転を行わせ
    る回転部を備え、回転速度を測定する座標系に回転駆動
    信号と回転部の回転の位相差を検出する手段を有するこ
    とを特徴とする回転ジャイロであって、 回転部は振動の節を支持した振動体の各々の振動部の各
    々の重心であり、 振動体に2つの方向から加振する加振手段を備え、 1つの方向から振動を検出する検出手段を備えたことを
    特徴とする回転ジャイロ。
JP10118475A 1998-04-28 1998-04-28 回転ジャイロ Pending JPH11311519A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6437490B1 (en) * 1997-06-13 2002-08-20 Citizen Watch Co., Ltd. Vibration gyroscope
JP2006047144A (ja) * 2004-08-05 2006-02-16 Denso Corp 振動型角速度センサ
JP2008107271A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Kyocera Kinseki Corp 角速度センサ

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